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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

上咽頭がんの治療(成人)(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2019-08-30
    翻訳更新日 : 2019-10-23


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、成人上咽頭がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

上咽頭がんに関する一般情報

解剖学

上咽頭の形状は立方体である。側壁は耳管およびローゼンミュラー窩からなる。上咽頭天蓋は、前方から後方に向かうにつれて下方に傾斜しており、咽頭下垂体、咽頭扁桃、および咽頭嚢を境界とし、その上は頭蓋底に接する。上咽頭の前方は後鼻孔および鼻腔に隣接し、後方の境界は咽頭後壁の筋である。下方では軟口蓋の上面と咽頭後壁とを結ぶ水平線を想定し、これを上咽頭の下端とする。

危険因子

頭頸部の他の扁平上皮がんとは異なり、上咽頭がんは過度の喫煙または適度なアルコール摂取(1週間で最大15杯)とは関係がないようである。この腫瘍の素因になると考えられる因子には、以下のものがある:


  • 中国系(またはアジア系)の家系。 [1]

  • エプスタイン-バーウイルス(EBV)曝露。

  • きわめてまれな家族集積を引き起こす未知の因子。 [2]

  • 大量のアルコール摂取。 [3]

徴候および症状

症状発現時の症状および徴候には、以下のものがある:


  • 無痛性の頸部リンパ節腫脹(患者の約75%にみられ、しばしば両側性および後方に発現する)。

  • 鼻閉。

  • 鼻出血。

  • 聴力低下。

  • 耳鳴。

  • 再発中耳炎。

  • 脳神経障害(通常II-VIまたはIX-XII)。

  • 咽頭痛。

  • 頭痛。

頸部リンパ節腫脹のみを呈する場合は、ポリメラーゼ連鎖反応によるDNA増幅後、組織内にEBVゲノム断片が発見されれば、上咽頭原発がんの強力な証拠となり、この領域にさまざまな検査を一斉に実施しなければならない。 [4]

診断検査

診断は、上咽頭腫瘤の生検によって確定する。精密検査には、以下のものがある: [5]


  • (ファイバースコープ内視鏡検査または麻酔下検査による)慎重な視診。

  • 腫瘍および頸部リンパ節の大きさおよび位置の記録。

  • 神経眼科的評価および聴覚学的評価を含めた脳神経機能の評価。

  • コンピュータ断層撮影(CT)スキャンまたはポジトロン放射断層撮影(PET)-CTスキャン。

  • 頭蓋底浸潤を評価するための磁気共鳴画像法(MRI)。

  • 血液像検査。

  • 生化学検査。

  • 血漿中の循環がん由来EBV-DNA。 [6] [7] [8]

  • ヒトパピローマウイルス/p16検査。

診察または臨床検査で遠隔転移を示唆する何らかの所見が得られた場合は、他の部位をさらに評価する。放射線療法開始前に歯科衛生および口腔衛生を慎重に評価し治療することが、特に重要である。頭蓋底浸潤を評価する場合や発見された異常の進展範囲を明らかにする場合には、CTスキャンよりもMRIの方が有益であることが多い。 [5] [9] [10]

流行集団における血漿検体中のEBV-DNAが早期の無症候性上咽頭がんのスクリーニングに有用となる可能性がある。中国の参加者20,174人の研究において、309人の患者(全参加者の1.5%、および初回検査で陽性であった患者の27.8%)でベースラインおよび追跡時に血漿中でEBV-DNAが持続的に検出可能であった。309人の参加者のうち、34人(11.0%)で鼻内視鏡検査、MRI、および生検後に上咽頭がんが確認された。 [8]

予後

治療成績に悪影響を及ぼす主な予後因子には、以下のものがある: [11]


  • 腫瘍サイズが大きい。 [12] [証拠レベル:3iiiA]

  • 腫瘍の病期(T分類)での進展度の高さ。

  • 頸部リンパ節転移の存在。

  • 治療前後の血漿/血清EBV-DNA高値。 [13] [14]

すべての研究ではないがいくつかの研究でみられた、生存率の低さと結びつく他の因子には、以下のものがある:


  • 年齢。

  • 世界保健機関(WHO)分類の悪性度I。

  • 生検から放射線療法開始までの間隔の長さ。

  • 家族歴。

  • 喫煙。

  • 塩漬け魚の食事。 [15]

経過観察

患者の経過観察には、以下のものがある:


  • 腫瘍の原発部位および頸部のルーチンの定期検査。

  • CTまたはPET-CTスキャン。

  • MRIスキャン。

  • 血液検査。

  • 血漿/血清EBV DNA値。

患者のモニタリングには以下を実施すべきである:


  • 甲状腺機能および下垂体機能のサーベイランス。

  • 歯科衛生および口腔衛生。

  • 開口障害を予防するための顎の運動。

  • 脳神経機能の評価、特に視覚および聴覚に関係のある機能。

  • 遠隔転移を同定するための全身の愁訴の評価。

ほとんどの再発は診断から5年以内にみられるが、5年以上経過したのちに再燃することもある。二次性原発悪性腫瘍の発生率は、頭頸部の他のどの部位の腫瘍の治療後よりも低い。 [16]

血漿中の循環がん由来EBV-DNAは上咽頭がんについての確立された腫瘍マーカーであり、感度は96%および特異度は93%である。 [6] [7] 上咽頭がん患者の血漿中の塩基対が181対未満の短いEBV-DNA断片の存在は、EBV-DNA分子が、活発なウイルス複製ではなくがん細胞のアポトーシスにより循環内に放出されていることを示唆するものである。 [17]

HPV感染に関連する非角化型上咽頭がんが一部に存在する。 [18] HPV関連上咽頭がんの鑑別には、HPV関連中咽頭がんの鑑別法と同様の方法でのp16の免疫組織化学染色、in situハイブリダイゼーション、および/またはポリメラーゼ連鎖反応による確認が必要である。

上咽頭腫瘍では多くの組織像がみられるが、この考察では米国がん合同委員会の上咽頭がん病期分類と同じように、WHO分類の悪性度I、II、およびIIIの上咽頭がんにのみ言及する。


参考文献
  1. Chien YC, Chen JY, Liu MY, et al.: Serologic markers of Epstein-Barr virus infection and nasopharyngeal carcinoma in Taiwanese men. N Engl J Med 345 (26): 1877-82, 2001.[PUBMED Abstract]

  2. Decker J, Goldstein JC: Risk factors in head and neck cancer. N Engl J Med 306 (19): 1151-5, 1982.[PUBMED Abstract]

  3. Chen L, Gallicchio L, Boyd-Lindsley K, et al.: Alcohol consumption and the risk of nasopharyngeal carcinoma: a systematic review. Nutr Cancer 61 (1): 1-15, 2009.[PUBMED Abstract]

  4. Feinmesser R, Miyazaki I, Cheung R, et al.: Diagnosis of nasopharyngeal carcinoma by DNA amplification of tissue obtained by fine-needle aspiration. N Engl J Med 326 (1): 17-21, 1992.[PUBMED Abstract]

  5. Cummings CW, Fredrickson JM, Harker LA, et al.: Otolaryngology - Head and Neck Surgery. Saint Louis, Mo: Mosby-Year Book, Inc., 1998.[PUBMED Abstract]

  6. Lo YM, Chan LY, Lo KW, et al.: Quantitative analysis of cell-free Epstein-Barr virus DNA in plasma of patients with nasopharyngeal carcinoma. Cancer Res 59 (6): 1188-91, 1999.[PUBMED Abstract]

  7. Leung SF, Zee B, Ma BB, et al.: Plasma Epstein-Barr viral deoxyribonucleic acid quantitation complements tumor-node-metastasis staging prognostication in nasopharyngeal carcinoma. J Clin Oncol 24 (34): 5414-8, 2006.[PUBMED Abstract]

  8. Chan KCA, Woo JKS, King A, et al.: Analysis of Plasma Epstein-Barr Virus DNA to Screen for Nasopharyngeal Cancer. N Engl J Med 377 (6): 513-522, 2017.[PUBMED Abstract]

  9. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  10. Laramore GE, ed.: Radiation Therapy of Head and Neck Cancer. Berlin: Springer-Verlag, 1989.[PUBMED Abstract]

  11. Sanguineti G, Geara FB, Garden AS, et al.: Carcinoma of the nasopharynx treated by radiotherapy alone: determinants of local and regional control. Int J Radiat Oncol Biol Phys 37 (5): 985-96, 1997.[PUBMED Abstract]

  12. Lee CC, Huang TT, Lee MS, et al.: Clinical application of tumor volume in advanced nasopharyngeal carcinoma to predict outcome. Radiat Oncol 5: 20, 2010.[PUBMED Abstract]

  13. Leung SF, Chan AT, Zee B, et al.: Pretherapy quantitative measurement of circulating Epstein-Barr virus DNA is predictive of posttherapy distant failure in patients with early-stage nasopharyngeal carcinoma of undifferentiated type. Cancer 98 (2): 288-91, 2003.[PUBMED Abstract]

  14. Chan AT, Lo YM, Zee B, et al.: Plasma Epstein-Barr virus DNA and residual disease after radiotherapy for undifferentiated nasopharyngeal carcinoma. J Natl Cancer Inst 94 (21): 1614-9, 2002.[PUBMED Abstract]

  15. Xie SH, Yu IT, Tse LA, et al.: Tobacco smoking, family history, and the risk of nasopharyngeal carcinoma: a case-referent study in Hong Kong Chinese. Cancer Causes Control 26 (6): 913-21, 2015.[PUBMED Abstract]

  16. Cooper JS, Scott C, Marcial V, et al.: The relationship of nasopharyngeal carcinomas and second independent malignancies based on the Radiation Therapy Oncology Group experience. Cancer 67 (6): 1673-7, 1991.[PUBMED Abstract]

  17. Chan KC, Zhang J, Chan AT, et al.: Molecular characterization of circulating EBV DNA in the plasma of nasopharyngeal carcinoma and lymphoma patients. Cancer Res 63 (9): 2028-32, 2003.[PUBMED Abstract]

  18. Robinson M, Suh YE, Paleri V, et al.: Oncogenic human papillomavirus-associated nasopharyngeal carcinoma: an observational study of correlation with ethnicity, histological subtype and outcome in a UK population. Infect Agent Cancer 8 (1): 30, 2013.[PUBMED Abstract]

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上咽頭がんの細胞分類

上咽頭にはさまざまな種類の悪性腫瘍が発生すると考えられるが、扁平上皮がん以外のがんの取り扱いは組織構造により大幅に異なるため、この考察では扁平上皮がんのみを検討する。

上咽頭がんについての世界保健機関(WHO)の定義は、「上咽頭粘膜に発生し、扁平上皮への分化の光学顕微鏡的または超微細構造的証拠を示すもの」となっている。上咽頭がんについてのWHO分類は長期的に進展しており、2005年の分類が現行のものである。 [1] 以下の3つの版がいずれも使用されており、特に、最も予後不良で化学放射線療法に対する感度が最大である未分化がんは一般に1978年の定義に従って分類される。 [2]

1978 WHO分類:

  1. 扁平上皮がん。
  2. 非角化型扁平上皮がん。
  3. 未分化がん(最も一般的な亜型)。

1991 WHO分類:

  1. 扁平上皮がん。
  2. 非角化型扁平上皮がん。
    • 分化非角化型がん。

    • 未分化がん。

2005 WHO分類:

  1. 角化型扁平上皮がん。
  2. 非角化型がん。
    • 分化非角化型がん。

    • 未分化がん。

  3. 類基底細胞扁平上皮がん。

上咽頭がんの以前の亜型にはリンパ上皮腫が含まれていたが、現在ではWHO分類の悪性度IIIに分類され、リンパ球浸潤を特徴とする。 [3]

WHO分類の悪性度Iのがんは米国における症例の20%を占めており、飲酒および喫煙に関連している;WHO分類の悪性度IIおよびIII(1978)のがんは、上咽頭がんの流行性の亜型であり、中国南部にみられる。

角質の存在は、低い局所制御および生存率と関連している。


参考文献
  1. Thompson LD: Update on nasopharyngeal carcinoma. Head Neck Pathol 1 (1): 81-6, 2007.[PUBMED Abstract]

  2. Shanmugaratnam K, Chan SH, de-Thé G, et al.: Histopathology of nasopharyngeal carcinoma: correlations with epidemiology, survival rates and other biological characteristics. Cancer 44 (3): 1029-44, 1979.[PUBMED Abstract]

  3. Shanmugaratnam K, Sobin L: Histological Typing of Upper Respiratory Tract Tumours. Geneva: World Health Organization, 1978. International Histologic Classification of Tumours: No. 19.[PUBMED Abstract]

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上咽頭がんの病期情報

病期システムは臨床病期分類用のものであり、治療前に疾患の進展度をできる限り評価したものに基づいている。 [1] [2] 原発腫瘍は視診および触診およびファイバースコープ内視鏡検査に基づいて評価される。腫瘍は組織学的に確定する必要があり、生検で得たあらゆる病理学的データを含める。特に上咽頭腫瘍では、脳神経機能を評価するのが妥当である。考えうるリンパ流領域は、注意深い触診と放射線学的評価により調べられる。咽頭後リンパ節はリンパ流の最初の段階である。 [3] [4] 診断的画像検査の情報が、病期決定に使用される。頭蓋底浸潤および脳内転移の評価において、磁気共鳴画像法はコンピュータ断層撮影(CT)スキャンに追加の情報を提供する。 [5] CTと併用するポジトロン放射断層撮影スキャンは、放射線療法を計画して原発腫瘍の標的を絞った描出を行う際に有用であり、進行上咽頭がん患者ではリンパ節転移、および肺または骨格転移でみられるものなどの、転移性の拡がりの発見に役立つ。 [6]

再燃した場合は、適切な追加療法を選択するために、病期を一から再評価するべきである。

上咽頭の上皮性腫瘍はこの病期分類システムを用いて病期分類される

米国がん合同委員会(AJCC)の病期分類とTNMの定義

AJCCは、上咽頭がんを定義するためにTNM(腫瘍、リンパ節、転移)分類による病期判定を指定している。 [7]

表1.TNM分類における0期の定義a

病期 TNM 説明
T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Nasopharynx.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 103–11.
0 Tis、N0、M0 Tis = 上皮内がん。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表2.TNM分類におけるI期の定義a

病期 TNM 説明
T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Nasopharynx.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 103–11.
I T1、N0、M0 T1 = 上咽頭に限局する腫瘍、または中咽頭および/または鼻腔に進展するが傍咽頭間隙への浸潤を伴わない腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表3.TNM分類におけるII期の定義a

病期 TNM 説明
T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Nasopharynx.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 103–11.
II T0、T1、N1、M0 T0 = 腫瘍を認めないが、EBV陽性の頸部リンパ節転移が認められる。
Tis = 上皮内がん。
T1 = 上咽頭に限局する腫瘍、または中咽頭および/または鼻腔に進展するが傍咽頭間隙への浸潤を伴わない腫瘍。
N1 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の片側性頸部リンパ節転移および/もしくは片側性または両側性咽頭後リンパ節転移で、最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T2、N0、M0 T2 = 傍咽頭間隙への進展、および/または隣接する軟部組織への浸潤(内側翼突筋、外側翼突筋、椎前筋)のある腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T2、N1、M0 T2 = 傍咽頭間隙への進展、および/または隣接する軟部組織への浸潤(内側翼突筋、外側翼突筋、椎前筋)のある腫瘍。
N1 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の片側性頸部リンパ節転移および/もしくは片側性または両側性咽頭後リンパ節転移で、最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表4.TNM分類におけるIII期の定義a

病期 TNM 説明
T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移;EBV = エプスタイン-バーウイルス。
aAJCCから許諾を得て転載:Nasopharynx.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 103–11.
III T0、T1、N2、M0 T0 = 腫瘍を認めないが、EBV陽性の頸部リンパ節転移が認められる。
Tis = 上皮内がん。
T1 = 上咽頭に限局する腫瘍、または中咽頭および/または鼻腔に進展するが傍咽頭間隙への浸潤を伴わない腫瘍。
N2 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T2、N2、M0 T2 = 傍咽頭間隙への進展、および/または隣接する軟部組織への浸潤(内側翼突筋、外側翼突筋、椎前筋)のある腫瘍。
N2 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T3、N0、M0 T3 = 頭蓋底骨組織、頸椎、翼状突起、および/または副鼻腔に浸潤する腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T3、N1、M0 T3 = 頭蓋底骨組織、頸椎、翼状突起、および/または副鼻腔に浸潤する腫瘍。
N1 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の片側性頸部リンパ節転移および/もしくは片側性または両側性咽頭後リンパ節転移で、最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T3、N2、M0 T3 = 頭蓋底骨組織、頸椎、翼状突起、および/または副鼻腔に浸潤する腫瘍。
N2 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表5.TNM分類におけるIVA期およびIVB期の定義a

病期 TNM 説明
T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移;EBV = エプスタイン-バーウイルス。
aAJCCから許諾を得て転載:Nasopharynx.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 103–11.
IVA T4、N0、M0 T4 = 頭蓋内に進展する腫瘍、脳神経、下咽頭、眼窩、耳下腺に浸潤する腫瘍、および/または外側翼突筋の外側表面を越えて広範囲に軟部組織に浸潤する腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T4、N1、M0 T4 = 頭蓋内に進展する腫瘍、脳神経、下咽頭、眼窩、耳下腺に浸潤する腫瘍、および/または外側翼突筋の外側表面を越えて広範囲に軟部組織に浸潤する腫瘍。
N1 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の片側性頸部リンパ節転移および/もしくは片側性または両側性咽頭後リンパ節転移で、最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T4、N2、M0 T4 = 頭蓋内に進展する腫瘍、脳神経、下咽頭、眼窩、耳下腺に浸潤する腫瘍、および/または外側翼突筋の外側表面を越えて広範囲に軟部組織に浸潤する腫瘍。
N2 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cm以下。
M0 = 遠隔転移を認めない。
すべてのT、N3、M0 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 腫瘍を認めないが、EBV陽性の頸部リンパ節転移が認められる。
Tis = 上皮内がん。
T1 = 上咽頭に限局する腫瘍、または中咽頭および/または鼻腔に進展するが傍咽頭間隙への浸潤を伴わない腫瘍。
T2 = 傍咽頭間隙への進展、および/または隣接する軟部組織への浸潤(内側翼突筋、外側翼突筋、椎前筋)のある腫瘍。
T3 = 頭蓋底骨組織、頸椎、翼状突起、および/または副鼻腔に浸潤する腫瘍。
T4 = 頭蓋内に進展する腫瘍、脳神経、下咽頭、眼窩、耳下腺に浸潤する腫瘍、および/または外側翼突筋の外側表面を越えて広範囲に軟部組織に浸潤する腫瘍。
N3 = 片側性または両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cmを超える腫瘍、および/または輪状軟骨の尾側縁より下方に進展する腫瘍。
M0 = 遠隔転移を認めない。
IVB すべてのT、すべてのN、M1 すべてのT = 上記のIVA期を参照のこと。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の片側性頸部リンパ節転移および/もしくは片側性または両側性咽頭後リンパ節転移で、最大径が6cm以下。
N2 = 輪状軟骨の尾側縁より上方の両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cm以下。
N3 = 片側性または両側性頸部リンパ節転移で最大径が6cmを超える腫瘍、および/または輪状軟骨の尾側縁より下方に進展する腫瘍。
M1 = 遠隔転移あり。



参考文献
  1. Teo PM, Leung SF, Yu P, et al.: A comparison of Ho's, International Union Against Cancer, and American Joint Committee stage classifications for nasopharyngeal carcinoma. Cancer 67 (2): 434-9, 1991.[PUBMED Abstract]

  2. Lee AW, Foo W, Law SC, et al.: Staging of nasopharyngeal carcinoma: from Ho's to the new UICC system. Int J Cancer 84 (2): 179-87, 1999.[PUBMED Abstract]

  3. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  4. Laramore GE, ed.: Radiation Therapy of Head and Neck Cancer. Berlin: Springer-Verlag, 1989.[PUBMED Abstract]

  5. Consensus conference. Magnetic resonance imaging. JAMA 259 (14): 2132-8, 1988.[PUBMED Abstract]

  6. Liu FY, Chang JT, Wang HM, et al.: [18F]fluorodeoxyglucose positron emission tomography is more sensitive than skeletal scintigraphy for detecting bone metastasis in endemic nasopharyngeal carcinoma at initial staging. J Clin Oncol 24 (4): 599-604, 2006.[PUBMED Abstract]

  7. Nasopharynx. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp. 103–11.[PUBMED Abstract]

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治療法選択肢の概要

上咽頭がん患者に対する標準治療には、以下のものがある:


  • 放射線療法単独。

  • 同時化学放射線療法とその後の補助化学療法。

  • 術前補助化学療法とその後の同時化学放射線療法。

  • リンパ節残存病変に対する手術。

  • 転移病変に対する化学療法単独。

化学療法を併用する高線量放射線療法が、上咽頭がんの原発腫瘍部位および頸部の両方に対する一次治療法である。 [1] 手術は、施行可能であれば通常、リンパ節が放射線療法後も縮小しない場合または臨床的完全奏効後に再発する場合に限って施行される。放射線療法の線量および照射野の辺縁は、個々の原発腫瘍およびリンパ節の位置および大きさに応じて決定する。 [2] [3] [4] [5] ほとんどの腫瘍は専ら外照射療法(EBRT)のみを用いて治療するが、豊富な臨床経験の下で、なおかつ解剖が適している場合には、腔内照射療法または密封小線源治療によって放射線療法の効果が高められる腫瘍もある。 [6] [7] [8] [9] [10] 強度変調放射線療法(IMRT)により口腔乾燥の発生率が低くなり、従来の三次元または二次元放射線療法よりも良好な生活の質が提供される場合がある。 [11] [12] [証拠レベル:1iiC]第II相Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)研究(RTOG-0225)の結果から、多施設の設定でIMRTが実施可能であること、およびグレード3と4の口腔乾燥の発生率が最小限に抑えられることが示された。 [13] IMRT開始から1年経過時のグレード2の口腔乾燥の発生率は13.5%であった。グレード3の口腔乾燥を報告した患者は68人中わずか2人であり、グレード4の口腔乾燥は認められなかった。 [13] [証拠レベル:2C]

蓄積された証拠が、全甲状腺または下垂体に外照射療法を実施したことのある患者では、甲状腺機能低下症の発生率が高い(>30%~40%)ことを裏付けている。治療開始前、および治療後追跡の一環として、甲状腺機能検査を検討すべきである。 [14] [15]

上咽頭がん患者に対して臨床評価段階にある治療には、以下のものがある:


  • 定位放射線療法のブースト照射など、新たな放射線療法の技術を用いた線量増加。 [16] [証拠レベル:3iiiDiv]

  • 近接照射療法。 [17] [証拠レベル:3iiiDii]

現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


参考文献
  1. Baujat B, Audry H, Bourhis J, et al.: Chemotherapy in locally advanced nasopharyngeal carcinoma: an individual patient data meta-analysis of eight randomized trials and 1753 patients. Int J Radiat Oncol Biol Phys 64 (1): 47-56, 2006.[PUBMED Abstract]

  2. Perez CA, Devineni VR, Marcial-Vega V, et al.: Carcinoma of the nasopharynx: factors affecting prognosis. Int J Radiat Oncol Biol Phys 23 (2): 271-80, 1992.[PUBMED Abstract]

  3. Lee AW, Law SC, Foo W, et al.: Nasopharyngeal carcinoma: local control by megavoltage irradiation. Br J Radiol 66 (786): 528-36, 1993.[PUBMED Abstract]

  4. Geara FB, Sanguineti G, Tucker SL, et al.: Carcinoma of the nasopharynx treated by radiotherapy alone: determinants of distant metastasis and survival. Radiother Oncol 43 (1): 53-61, 1997.[PUBMED Abstract]

  5. Sanguineti G, Geara FB, Garden AS, et al.: Carcinoma of the nasopharynx treated by radiotherapy alone: determinants of local and regional control. Int J Radiat Oncol Biol Phys 37 (5): 985-96, 1997.[PUBMED Abstract]

  6. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  7. Itami J, Anzai Y, Nemoto K, et al.: Prognostic factors for local control in nasopharyngeal cancer (NPC): analysis by multivariate proportional hazard models. Radiother Oncol 21 (4): 233-9, 1991.[PUBMED Abstract]

  8. Levendag PC, Schmitz PI, Jansen PP, et al.: Fractionated high-dose-rate brachytherapy in primary carcinoma of the nasopharynx. J Clin Oncol 16 (6): 2213-20, 1998.[PUBMED Abstract]

  9. Teo PM, Leung SF, Lee WY, et al.: Intracavitary brachytherapy significantly enhances local control of early T-stage nasopharyngeal carcinoma: the existence of a dose-tumor-control relationship above conventional tumoricidal dose. Int J Radiat Oncol Biol Phys 46 (2): 445-58, 2000.[PUBMED Abstract]

  10. Le QT, Tate D, Koong A, et al.: Improved local control with stereotactic radiosurgical boost in patients with nasopharyngeal carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 56 (4): 1046-54, 2003.[PUBMED Abstract]

  11. Pow EH, Kwong DL, McMillan AS, et al.: Xerostomia and quality of life after intensity-modulated radiotherapy vs. conventional radiotherapy for early-stage nasopharyngeal carcinoma: initial report on a randomized controlled clinical trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 66 (4): 981-91, 2006.[PUBMED Abstract]

  12. Kam MK, Leung SF, Zee B, et al.: Prospective randomized study of intensity-modulated radiotherapy on salivary gland function in early-stage nasopharyngeal carcinoma patients. J Clin Oncol 25 (31): 4873-9, 2007.[PUBMED Abstract]

  13. Lee N, Harris J, Garden AS, et al.: Intensity-modulated radiation therapy with or without chemotherapy for nasopharyngeal carcinoma: radiation therapy oncology group phase II trial 0225. J Clin Oncol 27 (22): 3684-90, 2009.[PUBMED Abstract]

  14. Turner SL, Tiver KW, Boyages SC: Thyroid dysfunction following radiotherapy for head and neck cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 31 (2): 279-83, 1995.[PUBMED Abstract]

  15. Constine LS: What else don't we know about the late effects of radiation in patients treated for head and neck cancer? Int J Radiat Oncol Biol Phys 31 (2): 427-9, 1995.[PUBMED Abstract]

  16. Tate DJ, Adler JR, Chang SD, et al.: Stereotactic radiosurgical boost following radiotherapy in primary nasopharyngeal carcinoma: impact on local control. Int J Radiat Oncol Biol Phys 45 (4): 915-21, 1999.[PUBMED Abstract]

  17. Lu JJ, Shakespeare TP, Tan LK, et al.: Adjuvant fractionated high-dose-rate intracavitary brachytherapy after external beam radiotherapy in Tl and T2 nasopharyngeal carcinoma. Head Neck 26 (5): 389-95, 2004.[PUBMED Abstract]

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I期の上咽頭がん

I期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢

I期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢:


  • 原発腫瘍部位への高線量放射線療法およびドレナージリンパ節への予防放射線療法。 [1]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Xiao WW, Han F, Lu TX, et al.: Treatment outcomes after radiotherapy alone for patients with early-stage nasopharyngeal carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 74 (4): 1070-6, 2009.[PUBMED Abstract]

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II期の上咽頭がん

II期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢

II期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢:

  1. 化学放射線療法とその後の補助化学療法(使用例、INT-0099試験)。 [1] [証拠レベル:3iiiA](INT-0099研究において傍咽頭間隙への進展を有する患者は、最初はT3として病期分類されていたが、現在の病期分類ではT2であると考えられている。)
  2. 原発腫瘍部位への高線量放射線療法およびドレナージリンパ節への予防放射線療法。 [2]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Cheng SH, Tsai SY, Yen KL, et al.: Concomitant radiotherapy and chemotherapy for early-stage nasopharyngeal carcinoma. J Clin Oncol 18 (10): 2040-5, 2000.[PUBMED Abstract]

  2. Xiao WW, Han F, Lu TX, et al.: Treatment outcomes after radiotherapy alone for patients with early-stage nasopharyngeal carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 74 (4): 1070-6, 2009.[PUBMED Abstract]

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III期の上咽頭がん

III期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢

III期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢:

  1. 併用化学放射線療法。 [1] [2]
  2. 併用化学放射線療法とその後の補助化学療法。 [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]
  3. 線量分割放射線療法。 [16] [17]
  4. 原発腫瘍部位がコントロールされているのであれば、遺残リンパ節および再発性リンパ節には頸部リンパ節郭清術が適応とされる。 [18]

III期の上咽頭がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

III期の上咽頭がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 術前化学療法。臨床試験で用いられるのと同様に、術前化学療法が腫瘍を縮小すべく用いられ、それにより腫瘍は放射線でより確実に治療できるようになってきた。化学療法は他の治療法に先んじて投与される;このため、放射線を用いた根治治療後、根治治療中または術後に実施される標準補助療法と区別するために、術前という名称が使用されている。術前化学療法では多剤併用が用いられている。

    2件のランダム化プロスペクティブ試験が、併用化学療法(すなわち、シスプラチンエピルビシン、およびブレオマイシンの併用またはシスプラチン + フルオロウラシルの注射) + 放射線療法と放射線療法単独とを比較した。 [3] [証拠レベル:1iiA]; [19] [証拠レベル:1iiDii]無病生存率は、化学療法群のいずれのグループでも改善されたが、シスプラチンを同時に投与する化学療法での全生存率の改善は、Intergroup trialから報告されているにすぎない。 [3]


放射線療法実施前の化学療法、放射線療法と同時併用する化学療法または放射線療法後の補助療法としての化学療法の実施を評価する進行腫瘍の臨床試験を検討しなければならない。 [20] [21] [22] [23]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Langendijk JA, Leemans ChR, Buter J, et al.: The additional value of chemotherapy to radiotherapy in locally advanced nasopharyngeal carcinoma: a meta-analysis of the published literature. J Clin Oncol 22 (22): 4604-12, 2004.[PUBMED Abstract]

  2. Huncharek M, Kupelnick B: Combined chemoradiation versus radiation therapy alone in locally advanced nasopharyngeal carcinoma: results of a meta-analysis of 1,528 patients from six randomized trials. Am J Clin Oncol 25 (3): 219-23, 2002.[PUBMED Abstract]

  3. Al-Sarraf M, LeBlanc M, Giri PG, et al.: Chemoradiotherapy versus radiotherapy in patients with advanced nasopharyngeal cancer: phase III randomized Intergroup study 0099. J Clin Oncol 16 (4): 1310-7, 1998.[PUBMED Abstract]

  4. Teo PM, Chan AT, Lee WY, et al.: Enhancement of local control in locally advanced node-positive nasopharyngeal carcinoma by adjunctive chemotherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys 43 (2): 261-71, 1999.[PUBMED Abstract]

  5. Chan AT, Teo PM, Ngan RK, et al.: Concurrent chemotherapy-radiotherapy compared with radiotherapy alone in locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma: progression-free survival analysis of a phase III randomized trial. J Clin Oncol 20 (8): 2038-44, 2002.[PUBMED Abstract]

  6. Chua DT, Ma J, Sham JS, et al.: Long-term survival after cisplatin-based induction chemotherapy and radiotherapy for nasopharyngeal carcinoma: a pooled data analysis of two phase III trials. J Clin Oncol 23 (6): 1118-24, 2005.[PUBMED Abstract]

  7. Wee J, Tan EH, Tai BC, et al.: Randomized trial of radiotherapy versus concurrent chemoradiotherapy followed by adjuvant chemotherapy in patients with American Joint Committee on Cancer/International Union against cancer stage III and IV nasopharyngeal cancer of the endemic variety. J Clin Oncol 23 (27): 6730-8, 2005.[PUBMED Abstract]

  8. Zhang L, Zhao C, Peng PJ, et al.: Phase III study comparing standard radiotherapy with or without weekly oxaliplatin in treatment of locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma: preliminary results. J Clin Oncol 23 (33): 8461-8, 2005.[PUBMED Abstract]

  9. Baujat B, Audry H, Bourhis J, et al.: Chemotherapy in locally advanced nasopharyngeal carcinoma: an individual patient data meta-analysis of eight randomized trials and 1753 patients. Int J Radiat Oncol Biol Phys 64 (1): 47-56, 2006.[PUBMED Abstract]

  10. Baujat B, Audry H, Bourhis J, et al.: Chemotherapy as an adjunct to radiotherapy in locally advanced nasopharyngeal carcinoma. Cochrane Database Syst Rev (4): CD004329, 2006.[PUBMED Abstract]

  11. Chen Y, Liu MZ, Liang SB, et al.: Preliminary results of a prospective randomized trial comparing concurrent chemoradiotherapy plus adjuvant chemotherapy with radiotherapy alone in patients with locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma in endemic regions of china. Int J Radiat Oncol Biol Phys 71 (5): 1356-64, 2008.[PUBMED Abstract]

  12. Lee AW, Tung SY, Chua DT, et al.: Randomized trial of radiotherapy plus concurrent-adjuvant chemotherapy vs radiotherapy alone for regionally advanced nasopharyngeal carcinoma. J Natl Cancer Inst 102 (15): 1188-98, 2010.[PUBMED Abstract]

  13. Lee AW, Tung SY, Chan AT, et al.: A randomized trial on addition of concurrent-adjuvant chemotherapy and/or accelerated fractionation for locally-advanced nasopharyngeal carcinoma. Radiother Oncol 98 (1): 15-22, 2011.[PUBMED Abstract]

  14. Lee AW, Tung SY, Ngan RK, et al.: Factors contributing to the efficacy of concurrent-adjuvant chemotherapy for locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma: combined analyses of NPC-9901 and NPC-9902 Trials. Eur J Cancer 47 (5): 656-66, 2011.[PUBMED Abstract]

  15. Zhang Y, Chen L, Hu GQ, et al.: Gemcitabine and Cisplatin Induction Chemotherapy in Nasopharyngeal Carcinoma. N Engl J Med : , 2019.[PUBMED Abstract]

  16. Johnson CR, Schmidt-Ullrich RK, Wazer DE: Concomitant boost technique using accelerated superfractionated radiation therapy for advanced squamous cell carcinoma of the head and neck. Cancer 69 (11): 2749-54, 1992.[PUBMED Abstract]

  17. Chen CY, Han F, Zhao C, et al.: Treatment results and late complications of 556 patients with locally advanced nasopharyngeal carcinoma treated with radiotherapy alone. Br J Radiol 82 (978): 452-8, 2009.[PUBMED Abstract]

  18. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  19. Preliminary results of a randomized trial comparing neoadjuvant chemotherapy (cisplatin, epirubicin, bleomycin) plus radiotherapy vs. radiotherapy alone in stage IV(> or = N2, M0) undifferentiated nasopharyngeal carcinoma: a positive effect on progression-free survival. International Nasopharynx Cancer Study Group. VUMCA I trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 35 (3): 463-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  20. Azli N, Armand JP, Rahal M, et al.: Alternating chemo-radiotherapy with cisplatin and 5-fluorouracil plus bleomycin by continuous infusion for locally advanced undifferentiated carcinoma nasopharyngeal type. Eur J Cancer 28A (11): 1792-7, 1992.[PUBMED Abstract]

  21. Chan AT, Teo PM, Leung TW, et al.: A prospective randomized study of chemotherapy adjunctive to definitive radiotherapy in advanced nasopharyngeal carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 33 (3): 569-77, 1995.[PUBMED Abstract]

  22. Merlano M, Benasso M, Corvò R, et al.: Five-year update of a randomized trial of alternating radiotherapy and chemotherapy compared with radiotherapy alone in treatment of unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck. J Natl Cancer Inst 88 (9): 583-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  23. Jeremic B, Shibamoto Y, Milicic B, et al.: Hyperfractionated radiation therapy with or without concurrent low-dose daily cisplatin in locally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: a prospective randomized trial. J Clin Oncol 18 (7): 1458-64, 2000.[PUBMED Abstract]

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IV期の上咽頭がん

IV期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢

IV期の上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢:

  1. 併用化学放射線療法とその後の補助化学療法。 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]
  2. 多分割照射療法を含む線量分割。 [16] [17]
  3. 頸部リンパ節郭清術は、遺残リンパ節または再発性リンパ節に限って施行すべきである。 [18]
  4. IVC期の病変には化学療法を実施する。 [19]

IV期の上咽頭がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

IV期の上咽頭がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢:

  1. 術前化学療法。ネオアジュバント化学療法が腫瘍を縮小すべく用いられ、それにより腫瘍は放射線でより確実に治療できるようになってきた。化学療法は他の治療法に先んじて投与される;このため、放射線を用いた根治治療後、根治治療中または術後に実施される標準補助療法と区別するために、術前という名称が使用されている。術前化学療法では多剤併用が用いられている。

    放射線療法実施前の化学療法、放射線療法と同時併用する化学療法または放射線療法後の補助療法としての化学療法の実施を評価する進行腫瘍の臨床試験を検討しなければならない。 [20] [21] [22] [23]


    III期およびIV期上咽頭がん患者65人を対象にした第II相ランダム化研究では、患者が術前のドセタキセル(75mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)を3週間ごとに2サイクル投与されたのち、シスプラチン(40mg/m2)を毎週投与 vs 化学放射線療法単独にランダムに割り付けられた。術前治療中のグレード3または4の好中球減少の割合は97%であったが、化学放射線療法中は2群間で毒性作用に差は認められなかった。術前ドセタキセル vs 対照群の3年無増悪生存率は、88.2%および59.5%であった(ハザード比[HR]、0.49;95%信頼区間[CI]、0.20-1.19;P = 0.12)。術前ドセタキセルの3年全生存率(OS)は94.1%であったのに対し、対照群では67.7%であった(HR、0.24;95%CI、0.078-0.73;P = 0.012)。 [24] [証拠レベル:1iiDiii]これらのデータは最終的な第III相試験で確認する必要がある。


    3件のランダム化プロスペクティブ試験が、併用化学療法(すなわち、シスプラチンエピルビシン、およびブレオマイシンの併用またはシスプラチン + フルオロウラシル[5-FU]の注射) + 放射線療法と放射線療法単独とを比較した。 [1] [証拠レベル:1iiA]; [25] [26] [証拠レベル:1iiDii]無病生存率(DFS)は、化学療法群のいずれのグループでも改善されたが、OSの改善はシスプラチンを同時に投与する化学療法でのIntergroup trialからのみ報告された。 [1]

  2. 放射線療法と化学療法との同時併用1,355人の患者を対象にした1件の研究で、月1回5-FUを96時間注入する3サイクルの投与とともに、放射線療法とカルボプラチンまたはシスプラチンとの同時併用投与が比較された。 [27] シスプラチン群患者の3年DFS率は63.4%、カルボプラチン群の患者では60.9%であった(P = 0.961;HR、0.70;95%CI、0.50–0.98)。シスプラチン群患者のOS率は77%、カルボプラチン群の患者では79%であった(P = 0.988;HR、0.83;95%CI、0.63–1.010)。 [27] [証拠レベル:1iiA]腎臓および赤血球数に対する毒性はシスプラチン群の患者でより強かった。

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Al-Sarraf M, LeBlanc M, Giri PG, et al.: Chemoradiotherapy versus radiotherapy in patients with advanced nasopharyngeal cancer: phase III randomized Intergroup study 0099. J Clin Oncol 16 (4): 1310-7, 1998.[PUBMED Abstract]

  2. Teo PM, Chan AT, Lee WY, et al.: Enhancement of local control in locally advanced node-positive nasopharyngeal carcinoma by adjunctive chemotherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys 43 (2): 261-71, 1999.[PUBMED Abstract]

  3. Chan AT, Teo PM, Ngan RK, et al.: Concurrent chemotherapy-radiotherapy compared with radiotherapy alone in locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma: progression-free survival analysis of a phase III randomized trial. J Clin Oncol 20 (8): 2038-44, 2002.[PUBMED Abstract]

  4. Huncharek M, Kupelnick B: Combined chemoradiation versus radiation therapy alone in locally advanced nasopharyngeal carcinoma: results of a meta-analysis of 1,528 patients from six randomized trials. Am J Clin Oncol 25 (3): 219-23, 2002.[PUBMED Abstract]

  5. Lin JC, Jan JS, Hsu CY, et al.: Phase III study of concurrent chemoradiotherapy versus radiotherapy alone for advanced nasopharyngeal carcinoma: positive effect on overall and progression-free survival. J Clin Oncol 21 (4): 631-7, 2003.[PUBMED Abstract]

  6. Chua DT, Ma J, Sham JS, et al.: Long-term survival after cisplatin-based induction chemotherapy and radiotherapy for nasopharyngeal carcinoma: a pooled data analysis of two phase III trials. J Clin Oncol 23 (6): 1118-24, 2005.[PUBMED Abstract]

  7. Wee J, Tan EH, Tai BC, et al.: Randomized trial of radiotherapy versus concurrent chemoradiotherapy followed by adjuvant chemotherapy in patients with American Joint Committee on Cancer/International Union against cancer stage III and IV nasopharyngeal cancer of the endemic variety. J Clin Oncol 23 (27): 6730-8, 2005.[PUBMED Abstract]

  8. Zhang L, Zhao C, Peng PJ, et al.: Phase III study comparing standard radiotherapy with or without weekly oxaliplatin in treatment of locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma: preliminary results. J Clin Oncol 23 (33): 8461-8, 2005.[PUBMED Abstract]

  9. Baujat B, Audry H, Bourhis J, et al.: Chemotherapy in locally advanced nasopharyngeal carcinoma: an individual patient data meta-analysis of eight randomized trials and 1753 patients. Int J Radiat Oncol Biol Phys 64 (1): 47-56, 2006.[PUBMED Abstract]

  10. Baujat B, Audry H, Bourhis J, et al.: Chemotherapy as an adjunct to radiotherapy in locally advanced nasopharyngeal carcinoma. Cochrane Database Syst Rev (4): CD004329, 2006.[PUBMED Abstract]

  11. Chen Y, Liu MZ, Liang SB, et al.: Preliminary results of a prospective randomized trial comparing concurrent chemoradiotherapy plus adjuvant chemotherapy with radiotherapy alone in patients with locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma in endemic regions of china. Int J Radiat Oncol Biol Phys 71 (5): 1356-64, 2008.[PUBMED Abstract]

  12. Lee AW, Tung SY, Chua DT, et al.: Randomized trial of radiotherapy plus concurrent-adjuvant chemotherapy vs radiotherapy alone for regionally advanced nasopharyngeal carcinoma. J Natl Cancer Inst 102 (15): 1188-98, 2010.[PUBMED Abstract]

  13. Lee AW, Tung SY, Chan AT, et al.: A randomized trial on addition of concurrent-adjuvant chemotherapy and/or accelerated fractionation for locally-advanced nasopharyngeal carcinoma. Radiother Oncol 98 (1): 15-22, 2011.[PUBMED Abstract]

  14. Lee AW, Tung SY, Ngan RK, et al.: Factors contributing to the efficacy of concurrent-adjuvant chemotherapy for locoregionally advanced nasopharyngeal carcinoma: combined analyses of NPC-9901 and NPC-9902 Trials. Eur J Cancer 47 (5): 656-66, 2011.[PUBMED Abstract]

  15. Zhang Y, Chen L, Hu GQ, et al.: Gemcitabine and Cisplatin Induction Chemotherapy in Nasopharyngeal Carcinoma. N Engl J Med : , 2019.[PUBMED Abstract]

  16. Johnson CR, Schmidt-Ullrich RK, Wazer DE: Concomitant boost technique using accelerated superfractionated radiation therapy for advanced squamous cell carcinoma of the head and neck. Cancer 69 (11): 2749-54, 1992.[PUBMED Abstract]

  17. Chen CY, Han F, Zhao C, et al.: Treatment results and late complications of 556 patients with locally advanced nasopharyngeal carcinoma treated with radiotherapy alone. Br J Radiol 82 (978): 452-8, 2009.[PUBMED Abstract]

  18. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  19. Ma BB, Tannock IF, Pond GR, et al.: Chemotherapy with gemcitabine-containing regimens for locally recurrent or metastatic nasopharyngeal carcinoma. Cancer 95 (12): 2516-23, 2002.[PUBMED Abstract]

  20. Dimery IW, Peters LJ, Goepfert H, et al.: Effectiveness of combined induction chemotherapy and radiotherapy in advanced nasopharyngeal carcinoma. J Clin Oncol 11 (10): 1919-28, 1993.[PUBMED Abstract]

  21. Chan AT, Teo PM, Leung TW, et al.: A prospective randomized study of chemotherapy adjunctive to definitive radiotherapy in advanced nasopharyngeal carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 33 (3): 569-77, 1995.[PUBMED Abstract]

  22. Merlano M, Benasso M, Corvò R, et al.: Five-year update of a randomized trial of alternating radiotherapy and chemotherapy compared with radiotherapy alone in treatment of unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck. J Natl Cancer Inst 88 (9): 583-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  23. Jeremic B, Shibamoto Y, Milicic B, et al.: Hyperfractionated radiation therapy with or without concurrent low-dose daily cisplatin in locally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: a prospective randomized trial. J Clin Oncol 18 (7): 1458-64, 2000.[PUBMED Abstract]

  24. Hui EP, Ma BB, Leung SF, et al.: Randomized phase II trial of concurrent cisplatin-radiotherapy with or without neoadjuvant docetaxel and cisplatin in advanced nasopharyngeal carcinoma. J Clin Oncol 27 (2): 242-9, 2009.[PUBMED Abstract]

  25. Preliminary results of a randomized trial comparing neoadjuvant chemotherapy (cisplatin, epirubicin, bleomycin) plus radiotherapy vs. radiotherapy alone in stage IV(> or = N2, M0) undifferentiated nasopharyngeal carcinoma: a positive effect on progression-free survival. International Nasopharynx Cancer Study Group. VUMCA I trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 35 (3): 463-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  26. Lee AW, Lau WH, Tung SY, et al.: Preliminary results of a randomized study on therapeutic gain by concurrent chemotherapy for regionally-advanced nasopharyngeal carcinoma: NPC-9901 Trial by the Hong Kong Nasopharyngeal Cancer Study Group. J Clin Oncol 23 (28): 6966-75, 2005.[PUBMED Abstract]

  27. Chitapanarux I, Lorvidhaya V, Kamnerdsupaphon P, et al.: Chemoradiation comparing cisplatin versus carboplatin in locally advanced nasopharyngeal cancer: randomised, non-inferiority, open trial. Eur J Cancer 43 (9): 1399-406, 2007.[PUBMED Abstract]

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再発上咽頭がん

再発上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢

再発上咽頭がんに対する標準治療法の選択肢:

  1. 局所再発を有する限られた患者にのみ、強度変調照射や定位放射線療法を用いる中線量の外照射療法、または再発部位への腔内照射療法や密封小線源治療で再治療しうる。 [1] [2] [3]
  2. ごく限られた患者には、局所再発病変の外科的切除術が検討される。
  3. もはや手術または放射線療法が奏効しない転移病変または局所再発には、化学療法が検討されなければならない。 [4] [5] [6]

化学療法

証拠(化学療法):

  1. 1件の多施設ランダム化オープンラベル第III相試験で、中国の22病院から募集された再発または転移性上咽頭がん患者が、ゲムシタビン(1日目と8日目に1g/m2を静脈内[IV]投与)およびシスプラチン(1日目に80mg/m2をIV投与)、またはフルオロウラシル([5-FU]4g/m2を96時間持続注入)およびシスプラチン(1日目に80mg/m2をIV投与)を3週間ごとに最大6サイクルのいずれかに1:1の比率でランダムに割り付けられた。 [7] [証拠レベル:1iiDiii]362人の患者のうち、181人がゲムシタビン + シスプラチン群に、181人が5-FU + シスプラチン群に割り付けられた。
    • 無増悪生存期間(PFS)の追跡期間中央値は19.4ヵ月(四分位範囲[IQR]、12.1–35.6)であった。PFS中央値はゲムシタビン群では7.0ヵ月(4.4–10.9)および5-FU群では5.6ヵ月(3.0–7.0)であった(ハザード比[HR]0.55;95%信頼区間[CI]、0.44-0.68;P < 0.0001)。

    • ゲムシタビン群と5-FU群間で有意差のあった治療関連のグレード3または4の有害事象は、白血球減少(52[29%] vs 15[9%];P < 0.0001)、好中球減少(41[23%] vs 23[13%];P = 0.0251)、血小板減少(24[13%] vs 3[2%];P = 0.0007)、粘膜炎(0 vs 25[14%];P < 0.0001)であった。

    • 重篤な治療関連の有害事象がゲムシタビン群の7人(4%)および5-FU群の10人(6%)で生じた。ゲムシタビン群の6人(3%)および5-FU群の14名(8%)が薬剤関連有害事象のために治療を中止した。

    • いずれの群でも治療関連死は生じなかった。

再発上咽頭がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

再発上咽頭がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 化学療法を評価する臨床試験を検討すべきである。

  • 局所再発病変または持続病変に対する定位放射線療法。 [8] [9] [10] [証拠レベル:3iiiDiv]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  2. Vikram B, Strong EW, Shah JP, et al.: Intraoperative radiotherapy in patients with recurrent head and neck cancer. Am J Surg 150 (4): 485-7, 1985.[PUBMED Abstract]

  3. Koutcher L, Lee N, Zelefsky M, et al.: Reirradiation of locally recurrent nasopharynx cancer with external beam radiotherapy with or without brachytherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys 76 (1): 130-7, 2010.[PUBMED Abstract]

  4. Al-Sarraf M: Head and neck cancer: chemotherapy concepts. Semin Oncol 15 (1): 70-85, 1988.[PUBMED Abstract]

  5. Jacobs C, Lyman G, Velez-García E, et al.: A phase III randomized study comparing cisplatin and fluorouracil as single agents and in combination for advanced squamous cell carcinoma of the head and neck. J Clin Oncol 10 (2): 257-63, 1992.[PUBMED Abstract]

  6. Foo KF, Tan EH, Leong SS, et al.: Gemcitabine in metastatic nasopharyngeal carcinoma of the undifferentiated type. Ann Oncol 13 (1): 150-6, 2002.[PUBMED Abstract]

  7. Zhang L, Huang Y, Hong S, et al.: Gemcitabine plus cisplatin versus fluorouracil plus cisplatin in recurrent or metastatic nasopharyngeal carcinoma: a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet 388 (10054): 1883-1892, 2016.[PUBMED Abstract]

  8. Chua DT, Sham JS, Kwong PW, et al.: Linear accelerator-based stereotactic radiosurgery for limited, locally persistent, and recurrent nasopharyngeal carcinoma: efficacy and complications. Int J Radiat Oncol Biol Phys 56 (1): 177-83, 2003.[PUBMED Abstract]

  9. Pai PC, Chuang CC, Wei KC, et al.: Stereotactic radiosurgery for locally recurrent nasopharyngeal carcinoma. Head Neck 24 (8): 748-53, 2002.[PUBMED Abstract]

  10. Xiao J, Xu G, Miao Y: Fractionated stereotactic radiosurgery for 50 patients with recurrent or residual nasopharyngeal carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 51 (1): 164-70, 2001.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(08/30/2019)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

III期の上咽頭がん

参考文献15としてZhang et al.を追加。

IV期の上咽頭がん

参考文献15としてZhang et al.を追加。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、成人上咽頭がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

上咽頭がんの治療(成人)に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Nasopharyngeal Cancer Treatment (Adult).Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/head-and-neck/hp/adult/nasopharyngeal-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389193]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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