医療専門家向け 下垂体腫瘍の治療(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、下垂体腫瘍の治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

CONTENTS 全て開く全て閉じる

下垂体腫瘍に関する一般情報

下垂体腫瘍は頭蓋内腫瘍全体の10%~25%を占める。引用される研究によって異なるものの、下垂体腫瘍は生物学的行動に応じて以下の3群に分類できる:[ 1 ][ 2 ]

腺腫は下垂体腫瘍の最も大きな割合を構成し、全推定有病率は約17%である。腺腫のうち症状を示すのはごく少数である。[ 3 ]さらに下垂体腺腫は、解剖学的に下垂体内、鞍内、びまん性、および浸潤性として区別される。[ 4 ]浸潤性腺腫は、すべての下垂体腫瘍の約35%を占め、硬膜、頭蓋骨、または蝶形洞に浸潤しうる。[ 5 ]がんはすべての下垂体腫瘍の0.1%~0.2%を占める。[ 6 ][ 7 ]

臨床症状

最も特徴的に現れる下垂体腺腫の特徴としては、下垂体ホルモンの不適切な分泌および視野欠損が挙げられる。[ 8 ]

下垂体疾患のまれな徴候および症状には、以下のものがある:[ 8 ]

下垂体腫瘍と一般的に関連する徴候および症状は、特異的な細胞型それぞれ(すなわち、プロラクチノーマ、コルチコトロフ腺腫、成長ホルモン分泌細胞腺腫、甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫、および非機能性腺腫)から発生する。

プロラクチン産生下垂体腫瘍

プロラクチン産生下垂体腫瘍(プロラクチノーマおよび乳腺刺激腺腫としても知られる)の徴候および症状には、以下のものがある:[ 8 ]

副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腫瘍

副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腫瘍(コルチコトロフ腺腫としても知られる)の徴候および症状には、以下のものがある:[ 8 ]

成長ホルモン産生下垂体腫瘍

成長ホルモン産生下垂体腫瘍(成長ホルモン分泌細胞腺腫としても知られる)の徴候および症状には、以下のものがある:[ 8 ]

チロトロピン産生下垂体腫瘍

チロトロピン(甲状腺刺激ホルモン)産生腫瘍(甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫としても知られる)の徴候および症状には、以下のものがある:[ 9 ]

非機能性腺腫

非機能性腺腫(最も一般的な性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫)の徴候および症状には、以下のものがある:[ 10 ]

細胞型特異的な症状に加えて、下垂体卒中(すなわち、下垂体腺腫の卒中)は、下垂体腺腫のもう1つの重要な臨床症状である。下垂体卒中は、しばしば無認識の分泌性または非機能性下垂体腺腫を有する患者における下垂体の急性の出血性または虚血性梗塞の結果として起こりうる。下垂体卒中の40例を分析したあるシリーズにおいて、主要な徴候および症状には、頭痛(63%)、嘔吐(50%)、視野障害(61%)、眼球運動麻痺(40%)、精神衰退(13%)、低ナトリウム血症(13%)、および失神(5%)が含まれた;発症前に下垂体腫瘍が診断されたのは4例のみであった。[ 11 ]

下垂体腺腫の発現はまた、以下の3つの家族性がん症候群の一構成要素として起こることもある:[ 8 ]

他の病変の数は、鞍部腫瘤の鑑別診断において考慮すべきである。まれではあるが、リンパ球性(すなわち、自己免疫性)下垂体炎は、特に妊娠中または出産後に起こった場合、すべての非分泌性下垂体腫瘤の鑑別診断において考慮すべきである。[ 12 ]また臨床医は、下垂体腫瘍の鑑別診断において頭蓋咽頭腫およびラトケ裂溝嚢胞を考慮すべきである。鞍部腫瘤はまた、下垂体に転移している腫瘍から生じることがある。これは一般的に全身性の転移の拡がりの一部として起こり、通常はさらに5箇所以上の特に骨への転移を伴う;乳がんおよび肺がんは、下垂体に転移する最も一般的な原発腫瘍である。[ 13 ]

参考文献
  1. Asa SL, Ezzat S: The cytogenesis and pathogenesis of pituitary adenomas. Endocr Rev 19 (6): 798-827, 1998.[PUBMED Abstract]
  2. Landman RE, Horwith M, Peterson RE, et al.: Long-term survival with ACTH-secreting carcinoma of the pituitary: a case report and review of the literature. J Clin Endocrinol Metab 87 (7): 3084-9, 2002.[PUBMED Abstract]
  3. Ezzat S, Asa SL, Couldwell WT, et al.: The prevalence of pituitary adenomas: a systematic review. Cancer 101 (3): 613-9, 2004.[PUBMED Abstract]
  4. Kovacs K, Horvath E, Vidal S: Classification of pituitary adenomas. J Neurooncol 54 (2): 121-7, 2001.[PUBMED Abstract]
  5. Scheithauer BW, Kovacs KT, Laws ER, et al.: Pathology of invasive pituitary tumors with special reference to functional classification. J Neurosurg 65 (6): 733-44, 1986.[PUBMED Abstract]
  6. Pernicone PJ, Scheithauer BW, Sebo TJ, et al.: Pituitary carcinoma: a clinicopathologic study of 15 cases. Cancer 79 (4): 804-12, 1997.[PUBMED Abstract]
  7. Ragel BT, Couldwell WT: Pituitary carcinoma: a review of the literature. Neurosurg Focus 16 (4): E7, 2004.[PUBMED Abstract]
  8. Levy A: Pituitary disease: presentation, diagnosis, and management. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75 (Suppl 3): iii47-52, 2004.[PUBMED Abstract]
  9. Vance ML: Treatment of patients with a pituitary adenoma: one clinician's experience. Neurosurg Focus 16 (4): E1, 2004.[PUBMED Abstract]
  10. Losa M, Mortini P, Barzaghi R, et al.: Endocrine inactive and gonadotroph adenomas: diagnosis and management. J Neurooncol 54 (2): 167-77, 2001.[PUBMED Abstract]
  11. Lubina A, Olchovsky D, Berezin M, et al.: Management of pituitary apoplexy: clinical experience with 40 patients. Acta Neurochir (Wien) 147 (2): 151-7; discussion 157, 2005.[PUBMED Abstract]
  12. Caturegli P, Newschaffer C, Olivi A, et al.: Autoimmune hypophysitis. Endocr Rev 26 (5): 599-614, 2005.[PUBMED Abstract]
  13. Komninos J, Vlassopoulou V, Protopapa D, et al.: Tumors metastatic to the pituitary gland: case report and literature review. J Clin Endocrinol Metab 89 (2): 574-80, 2004.[PUBMED Abstract]
下垂体腫瘍の細胞分類

下垂体腺腫は、細胞原形質の染色親和性、大きさ、内分泌活性、組織学的特徴、ホルモン産生および内容、超微細構造上の特徴、細胞原形質の粒度、細胞組成、細胞発生、および増殖パターンに従って分類できる。[ 1 ]しかしながら、最近の分類では、染料による染色(tinctorial stain)(すなわち、好酸性、好塩基性、および嫌色素性)に基づいた基準は、細胞原形質の染色親和性と、下垂体腫瘍のその他の病理学的特徴(産生されるホルモンのタイプ、細胞の由来など)との相関が弱いために省略される。[ 1 ][ 2 ]

統一的な下垂体腺腫の分類では、腫瘍細胞の組織学的、免疫細胞化学的、および電子顕微鏡的検査が組み入れられ、ホルモン産生、細胞組成、および細胞発生の重要性が強調されている。この分類では構造機能相関が重要視され、形態学的特徴と分泌活性とを相関させる試みがなされている。[ 1 ]

下垂体腺腫は以下に基づいて分類できる:[ 2 ]

  1. 解剖学的アプローチ、X線所見に基づく大きさにより下垂体腫瘍を分類する。腫瘍は、微小腺腫(すなわち、最大径が10mm未満)および巨大腺腫(すなわち、最大径が10mm以上)に分けられる。[ 3 ]ほとんどの下垂体腺腫は微小腺腫である。歴史的に、最も広く用いられている放射線解剖学的分類は、主として頭蓋X線、気脳造影、多重断層撮影、頸動脈造影など、神経放射線学的検査に基づいており[ 4 ]、後により正確なコンピュータ断層撮影(CT)および磁気共鳴画像法(MRI)の利用により確認された。

    MRIスキャンは現在では、多面座標機能および軟部組織の造影増強が良好であるために、下垂体障害の診断に選択される画像法と考えられている。[ 3 ]前葉と後葉および同じ面上の茎を明確に描出する矢状面のT1強調画像、および下垂体と海綿静脈洞の関係を表示する冠状面の画像は、下垂体腺腫を同定するために最適である。最適な分解能を得るために、3mm厚のスライス画像が一般的に用いられる。[ 5 ]CTスキャンはまた、冠状面スキャンが最適な画像を提供する有用な診断ツールである[ 6 ];しかしながら、CTスキャンはこの適用においてはMRIスキャンよりも感度が低いようである。[ 7 ]各画像技術において、下垂体内の限局性の低輝度(hypointensity)は異常で、腺腫を示唆すると考えられる。MRIスキャンもまた、下垂体がんに対して選択すべき最善の診断的画像法である;転移は大脳葉、小脳、脊髄、軟髄膜、およびくも膜下腔において発見される。[ 8 ]

    この放射線解剖学的分類により、腺腫は4つの悪性度(I期~IV期)の1つに配置される。[ 9 ](詳しい情報については、本要約の下垂体腫瘍の病期情報のセクションを参照のこと。)悪性度は以下の通り:

  2. 組織学的基準、以下を用いる:
  3. 機能的基準、内分泌活性の立場から腫瘍を定義するために用いられる。臨床内分泌学者はしばしば下垂体腺腫の機能的分類を用いて、in vivoにおけるホルモン活性に基づいてこれらの腫瘍を定義する。下垂体腺腫の文献に関するレトロスペクティブレビューにより、プロラクチノーマは免疫組織化学的基準により決定されているように下垂体腺腫の中で群を抜いて最も一般的な型であるということが示されている;頻度の高い順に、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、成長ホルモン(GH)、黄体形成ホルモン(LH)、および甲状腺刺激ホルモン(TSH)を分泌する腫瘍がこれに続く。[ 3 ][ 10 ]しかしながら、機能的に不活性の下垂体腺腫が、ほとんどのシリーズにおける下垂体腫瘍の約30%~35%を構成し、巨大腺腫の最も一般的なタイプである。[ 11 ]

    機能的基準を用いると、下垂体腺腫は以下にように特徴付けることができる:[ 9 ]

    ホルモン分泌下垂体がんは、分泌される特異的ホルモンに応じて類似した徴候および症状を誘発しうる;ホルモン分泌下垂体がんはまた悪性腫瘍の拡がりに関係した徴候および症状を示すことがある。[ 8 ]がんの明白な病理組織学的特徴が存在しないため、悪性腫瘍の診断は中枢神経系(CNS)の、またはCNS外への遠隔領域に転移している下垂体腫瘍にのみ用いられる。[ 12 ][ 13 ][ 14 ]下垂体がん95例のレビューにおいて、症例の68%がホルモン産生性であることが明らかとなり、PRL(26%)およびACTH(25%)が最も一般的なホルモンのサブタイプであった。[ 15 ]GHを産生する下垂体がんは2番目に一般的なホルモンのサブタイプであり、FSH/LH産生およびTSH産生がんの報告はさらにまれであった。他の報告では、88%もの下垂体がんが内分泌学的に活性があり、ACTH分泌腫瘍が最もよくみられることが示されている。[ 8 ]下垂体腺腫のわずか2%~10%がACTH分泌性であるが、ACTHを分泌する下垂体がんの割合はずっと高く25%~34%であると推定されている。[ 15 ][ 16 ][ 17 ][ 18 ][ 19 ]15例のあるシリーズにおいて、がんは頭蓋脊髄転移よりも全身転移へのより強い傾向を示した;全身転移の割合はPRL産生細胞腫瘍で71%、ACTH産生腫瘍で57%であった。[ 16 ]

プロラクチン(PRL)産生下垂体腫瘍

PRL産生下垂体腫瘍(プロラクチノーマおよび乳腺刺激腺腫としても知られる)はPRLを産生し、典型的には鞍内腫瘍である。女性では、これらの腺腫は小さいことが多い(10mm未満)。しかしながら、男女いずれにおいても、それらは増大しトルコ鞍を拡大させることがある。これらの腺腫は最も一般的なホルモン産生性下垂体腫瘍であり、腫瘍標本の25%~41%を占める。[ 3 ]

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腫瘍

ACTH産生下垂体腫瘍(コルチコトロフ腺腫としても知られる)の主な症状はACTHの分泌で、クッシング症候群を引き起こす。このような腫瘍は初期にはトルコ鞍内に限局しているが、両側副腎摘出術後に増大し、浸潤性をもつようになる(すなわち、ネルソン症候群)。これらの腺腫は、研究シリーズによって2番目または3番目によくみられるホルモン産生性下垂体腫瘍である;1件のシリーズにおいて、これらの腫瘍は全腫瘍標本の10%を占めた。[ 1 ][ 3 ]

成長ホルモン(GH)産生下垂体腫瘍

GH産生下垂体腫瘍(成長ホルモン分泌細胞腺腫としても知られる)はGHを分泌することにより、若年患者は巨人症を来し、それ以外の患者は先端巨大症を来す。鞍上部進展はまれではない。これらの腺腫は、研究シリーズによって2番目または3番目によくみられるホルモン産生性下垂体腫瘍である;1件のシリーズにおいて、これらの腺腫は腫瘍標本の13%を占めた。[ 1 ][ 3 ]

チロトロピン産生下垂体腫瘍

甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍(甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫としても知られる)は、チロトロピンとしても知られるTSHを分泌し、TSH抑制を伴わない甲状腺機能亢進を引き起こす。多くの腫瘍が大きく浸潤性であり、多ホルモン性で、GHおよび/またはPRLを分泌する。[ 20 ]これらの腫瘍はまれで、腫瘍標本の2%以下である。[ 1 ][ 3 ][ 20 ]

性腺刺激ホルモン分泌細胞(FSH産生および/またはLH産生)腺腫

性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫はFSHおよび/またはLH、またはこれらのヘテロダイマーを構成するαまたはβサブユニットを分泌するが、性別によって卵巣過剰刺激、テストステロン値の上昇、精巣増大、および腫瘍による下垂体茎の圧迫または正常な下垂体組織の破壊を原因とする下垂体不全を引き起こしうる。しかしながら、性腺刺激ホルモン分泌細胞腫瘍の多くは、ホルモン過剰の臨床的または生化学的証拠と関連せず、非機能性、つまり内分泌不活性腫瘍であると考えられている。[ 21 ]機能性で、臨床的に発見可能な性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫はまれである。[ 9 ]

多ホルモン性腺腫

多ホルモン性腺腫は2種類以上のホルモンを産生する。多ホルモン性腺腫は形態学的に単一型(monomorphous)または複数型(plurimorphous)のいずれかである。単一型多ホルモン性腺腫は、2種類以上のホルモンを産生する1つの細胞集団から構成されている。多ホルモン性腺腫の細胞はしばしば非腫瘍性の腺下垂体細胞とは異なり、広範な形態学的研究にもかかわらず細胞の由来は不明のままである。複数型多ホルモン性腺腫は2種類以上の別個の細胞型から構成され、それぞれが1つのホルモンを産生する。[ 1 ]甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫はしばしば多ホルモン性である。[ 20 ]

非機能性(内分泌不活性)腺腫

これらの腫瘍は腺性下垂体から発生し、鞍外に進展すると諸症状を来し、ホルモン活性物質を分泌することはないが、周囲の組織を圧迫する。内分泌不活性腺腫は1つ以上の下垂体ホルモンに対して免疫染色陽性を示す[ 1 ];しかしながら、ホルモン過剰の臨床的および生化学的証拠とは関連しない。β-FSHおよびβ-LHに対する抗血清により検出される性腺刺激ホルモンは、臨床的に非機能性の腺腫の多くに存在する。これらの腺腫のいくつかは、電子顕微鏡検査により性腺刺激ホルモン性の分化を示すことが認識されているが、一部は分化度のより低い細胞の特徴を有し、腺下垂体細胞の未分化前駆細胞と当初は考えられていたヌル細胞に類似している。[ 9 ]内分泌不活性下垂体腺腫は、ほとんどのシリーズにおける下垂体腫瘍の約30%~35%を構成し、巨大腺腫の最も一般的なタイプである。[ 11 ]

膨大細胞腫瘍

下垂体膨大細胞腫としても知られる下垂体の膨大細胞腫瘍は、大量のミトコンドリア(正常では細胞質領域の約8%であるのに対し、最大50%を満たす)、および不明瞭な他の小器官を特徴とする。これらの腫瘍は通常、ホルモン過剰の臨床的および生化学的証拠と関連せず、一部の症例では、さまざまな程度の下垂体機能低下および/または軽度の高プロラクチン血症を伴う。膨大細胞の変化は、他のいくつかのタイプの下垂体腫瘍に起こる。[ 1 ]

がん

下垂体がんは通常、内分泌学的に機能性であり、ACTH産生およびPRL産生腫瘍が最もよくみられる。[ 2 ][ 8 ]下垂体がんの組織学的および細胞学的特徴は、穏やかで単調なものから明白に悪性のものまでさまざまである。[ 22 ]がんはさまざまな程度の核異型性および細胞多形態性を示すが、がんはまた腺腫よりも有意に高い細胞分裂の割合および細胞増殖指標も示す。[ 2 ]がんはすべての下垂体腫瘍の0.1%~0.2%を占める。[ 8 ][ 16 ]

転移性腫瘍

乳がんおよび肺がんは、下垂体に転移する最も一般的な原発腫瘍である。下垂体に転移している腫瘍は、剖検シリーズにおいて28%に上ることが報告されているが、転移性腫瘍の大部分が臨床的に無症候性である。[ 23 ]

その他の腫瘍

下垂体に発生するその他の腫瘍としては、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、および胚細胞腫瘍;まれな顆粒細胞腫、下垂体細胞腫、および神経節膠腫;そしてさらにまれな神経節細胞腫、リンパ腫、星細胞腫、および上衣腫がある。[ 2 ]

参考文献
  1. Kovacs K, Horvath E, Vidal S: Classification of pituitary adenomas. J Neurooncol 54 (2): 121-7, 2001.[PUBMED Abstract]
  2. Ironside JW: Best Practice No 172: pituitary gland pathology. J Clin Pathol 56 (8): 561-8, 2003.[PUBMED Abstract]
  3. Ezzat S, Asa SL, Couldwell WT, et al.: The prevalence of pituitary adenomas: a systematic review. Cancer 101 (3): 613-9, 2004.[PUBMED Abstract]
  4. Hardy J: Transsphenoidal surgery of hypersecreting pituitary tumors. In: Kohler PO, Ross GT, eds.: Diagnosis and treatment of pituitary tumors: proceedings of a conference sponsored jointly by the National Institute of Child Health and Human Development and the National Cancer Institute, January 15-17, 1973, Bethesda, Md. Amsterdam, The Netherlands: Excerpta medica, 1973, pp 179-98.[PUBMED Abstract]
  5. Elster AD: Modern imaging of the pituitary. Radiology 187 (1): 1-14, 1993.[PUBMED Abstract]
  6. Chambers EF, Turski PA, LaMasters D, et al.: Regions of low density in the contrast-enhanced pituitary gland: normal and pathologic processes. Radiology 144 (1): 109-13, 1982.[PUBMED Abstract]
  7. Hall WA, Luciano MG, Doppman JL, et al.: Pituitary magnetic resonance imaging in normal human volunteers: occult adenomas in the general population. Ann Intern Med 120 (10): 817-20, 1994.[PUBMED Abstract]
  8. Ragel BT, Couldwell WT: Pituitary carcinoma: a review of the literature. Neurosurg Focus 16 (4): E7, 2004.[PUBMED Abstract]
  9. Asa SL, Ezzat S: The cytogenesis and pathogenesis of pituitary adenomas. Endocr Rev 19 (6): 798-827, 1998.[PUBMED Abstract]
  10. McComb DJ, Ryan N, Horvath E, et al.: Subclinical adenomas of the human pituitary. New light on old problems. Arch Pathol Lab Med 107 (9): 488-91, 1983.[PUBMED Abstract]
  11. Yeh PJ, Chen JW: Pituitary tumors: surgical and medical management. Surg Oncol 6 (2): 67-92, 1997.[PUBMED Abstract]
  12. Scheithauer BW, Kovacs KT, Laws ER, et al.: Pathology of invasive pituitary tumors with special reference to functional classification. J Neurosurg 65 (6): 733-44, 1986.[PUBMED Abstract]
  13. Della Casa S, Corsello SM, Satta MA, et al.: Intracranial and spinal dissemination of an ACTH secreting pituitary neoplasia. Case report and review of the literature. Ann Endocrinol (Paris) 58 (6): 503-9, 1997.[PUBMED Abstract]
  14. Kemink SA, Wesseling P, Pieters GF, et al.: Progression of a Nelson's adenoma to pituitary carcinoma; a case report and review of the literature. J Endocrinol Invest 22 (1): 70-5, 1999.[PUBMED Abstract]
  15. Kaltsas GA, Grossman AB: Malignant pituitary tumours. Pituitary 1 (1): 69-81, 1998.[PUBMED Abstract]
  16. Pernicone PJ, Scheithauer BW, Sebo TJ, et al.: Pituitary carcinoma: a clinicopathologic study of 15 cases. Cancer 79 (4): 804-12, 1997.[PUBMED Abstract]
  17. Kovacs K, Horvath E: Pathology of pituitary tumors. Endocrinol Metab Clin North Am 16 (3): 529-51, 1987.[PUBMED Abstract]
  18. Thapar K, Scheithauer BW, Kovacs K, et al.: p53 expression in pituitary adenomas and carcinomas: correlation with invasiveness and tumor growth fractions. Neurosurgery 38 (4): 765-70; discussion 770-1, 1996.[PUBMED Abstract]
  19. Garrão AF, Sobrinho LG, Pedro-Oliveira, et al.: ACTH-producing carcinoma of the pituitary with haematogenic metastases. Eur J Endocrinol 137 (2): 176-80, 1997.[PUBMED Abstract]
  20. Teramoto A, Sanno N, Tahara S, et al.: Pathological study of thyrotropin-secreting pituitary adenoma: plurihormonality and medical treatment. Acta Neuropathol (Berl) 108 (2): 147-53, 2004.[PUBMED Abstract]
  21. Snyder PJ: Extensive personal experience: gonadotroph adenomas. J Clin Endocrinol Metab 80 (4): 1059-61, 1995.[PUBMED Abstract]
  22. Pernicone PJ, Scheithauer BW: Invasive pituitary adenoma and pituitary carcinoma. In: Thapar K, Kovacs K, Scheithauer BW, et al., eds.: Diagnosis and Management of Pituitary Tumors. Totowa, NJ: Humana Press, 2001, pp 369-86.[PUBMED Abstract]
  23. Komninos J, Vlassopoulou V, Protopapa D, et al.: Tumors metastatic to the pituitary gland: case report and literature review. J Clin Endocrinol Metab 89 (2): 574-80, 2004.[PUBMED Abstract]
下垂体腫瘍の病期情報

中枢神経系(CNS)の他の腫瘍と同様に、下垂体腫瘍に対する腫瘍、リンパ節、転移に基づいた米国がん合同委員会(American Joint Committee on Cancer:AJCC)の分類および病期分類システムは存在しない。[ 1 ]下垂体腫瘍は大きさに応じて分類され、微小腺腫(すなわち、最大径が10mm未満)および巨大腺腫(すなわち、最大径が10mm以上)に分けられる。[ 2 ]ほとんどの下垂体腺腫は微小腺腫である。

最も広く用いられていた放射線解剖学的分類は、主として頭蓋X線、気脳造影、多重断層撮影、頸動脈造影など、神経放射線学的検査に基づいていた。[ 3 ]後に、より正確な磁気共鳴画像法(MRI)およびコンピュータ断層撮影の利用によって確認されたこの放射線解剖学的分類は、腺腫を4つの悪性度(I期~IV期)の1つに配置し、また免疫組織化学および電子顕微鏡検査といった追加的な検査により増強されている。[ 4 ]

現在、MRIは多面座標機能および軟部組織の造影増強が良好であるために、下垂体障害の診断に選択される画像法と考えられている。[ 2 ]下垂体がんの明白な病理組織学的特徴が存在しないため、悪性腫瘍の診断はCNSの、またはCNS外への遠隔領域に転移している下垂体腫瘍にのみ用いられる。[ 5 ][ 6 ][ 7 ]

下垂体腺腫に対するX線撮影による分類は以下の通りである:[ 3 ][ 8 ]

鞍上進展に対する悪性度分類は以下の通りである:[ 3 ][ 8 ]

参考文献
  1. Brain and Spinal Cord. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp. 857–69.[PUBMED Abstract]
  2. Ezzat S, Asa SL, Couldwell WT, et al.: The prevalence of pituitary adenomas: a systematic review. Cancer 101 (3): 613-9, 2004.[PUBMED Abstract]
  3. Hardy J: Transsphenoidal surgery of hypersecreting pituitary tumors. In: Kohler PO, Ross GT, eds.: Diagnosis and treatment of pituitary tumors: proceedings of a conference sponsored jointly by the National Institute of Child Health and Human Development and the National Cancer Institute, January 15-17, 1973, Bethesda, Md. Amsterdam, The Netherlands: Excerpta medica, 1973, pp 179-98.[PUBMED Abstract]
  4. Asa SL, Ezzat S: The cytogenesis and pathogenesis of pituitary adenomas. Endocr Rev 19 (6): 798-827, 1998.[PUBMED Abstract]
  5. Scheithauer BW, Kovacs KT, Laws ER, et al.: Pathology of invasive pituitary tumors with special reference to functional classification. J Neurosurg 65 (6): 733-44, 1986.[PUBMED Abstract]
  6. Della Casa S, Corsello SM, Satta MA, et al.: Intracranial and spinal dissemination of an ACTH secreting pituitary neoplasia. Case report and review of the literature. Ann Endocrinol (Paris) 58 (6): 503-9, 1997.[PUBMED Abstract]
  7. Kemink SA, Wesseling P, Pieters GF, et al.: Progression of a Nelson's adenoma to pituitary carcinoma; a case report and review of the literature. J Endocrinol Invest 22 (1): 70-5, 1999.[PUBMED Abstract]
  8. Yeh PJ, Chen JW: Pituitary tumors: surgical and medical management. Surg Oncol 6 (2): 67-92, 1997.[PUBMED Abstract]
治療法選択肢の概要

下垂体腺腫の治療目標には、ホルモン分泌の正常化(すなわち、分泌過多の正常化および機能低下の改善)および神経学的欠損進行の回復または停止が含まれる。

下垂体腫瘍患者に対する標準治療としては、以下のものがある:

治療の選択は個別に判断する必要があり、腫瘍の種類、過剰なホルモン発現の性質、および腫瘍が下垂体周囲の脳に進展しているかどうかによって決定される。[ 1 ][ 2 ]

下垂体病変への経蝶形骨洞顕微手術到達法は、下垂体病変に対して最も広く用いられている手術アプローチであり、ホルモン活性腫瘍と非機能性腫瘍の両方に対する安全な外科治療の大きな向上を示す。[ 3 ][ 4 ][ 5 ]このアプローチは、かなりの鞍上進展を認める腫瘍でさえもデバルキングにしばしば成功している。

このアプローチに対する禁忌としては、鞍内および鞍上構成要素間の砂時計型の狭小化を認めるかなりの鞍上進展を伴う腫瘍が挙げられるが、それは鞍上腫瘍に到達するための盲目的な試みは脳障害を来しうるためである。さらに、蝶形洞における感染症は潜在的に、経蝶形骨洞到達法に対する禁忌となりうる。このような症例においては、プテリオンまたは前頭部下アプローチによる開頭術が実施されることがある。急速な視力低下は腫瘍塊の膨張により発生する圧力を軽減させるために即手術の適応となるが、マクロプロラクチノーマの症例(ドパミン性のアゴニストで患者を集中的に観察することが容認できる代替となる)は除かれる。進行性の視野低下はしばしば、外科的管理の決定がなされる主要な神経学的基準となる。[ 6 ]

通常の放射線療法は、下垂体腫瘍の治療に対する効果的な補助手段となる。[ 3 ]放射線療法の利点は、この療法が非浸襲性で手術ではリスクが高い患者に適しているということである。しかしながら、臨床的および生化学的反応は緩徐であり、完全寛解および寛解維持には2~10年必要となる場合がある。さらに、放射線療法は下垂体機能低下の実質的なリスクを有する(すなわち、10年経過時で約30%)。

ホルモン分泌腫瘍には手術または放射線療法が行われる。外科的療法は、成長ホルモン(GH)産生、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生、および内分泌不活性腺腫に対して選択される治療である。GH分泌腫瘍は、ソマトスタチンアナログ、ドパミンアナログ、およびペグビソマントなどの新しいGH受容体拮抗薬による治療が奏効する。[ 6 ]ステロイド産生阻害薬であるケトコナゾールは、ACTH産生腫瘍に対する補助的医学療法として最初に選択される薬物と考えられている。[ 3 ]ソマトスタチンアナログは、甲状腺刺激ホルモン産生腺腫の治療に選択される薬物である;しかしながら、治療の効力は時の経過とともに低下しうる。[ 6 ]

GH分泌およびACTH分泌下垂体腫瘍の自然史としては、通常、腫瘍の緩徐な増大が認められる。[ 3 ]しかしながら、マイクロプロラクチノーマはしばしば変化がないか、時が経つにつれて大きさが縮小し、時に完全に自然消退することが観察されている。[ 6 ]

下垂体腫瘍患者に対して臨床評価段階にある治療には、以下のものがある:

参考文献
  1. Asa SL, Ezzat S: The cytogenesis and pathogenesis of pituitary adenomas. Endocr Rev 19 (6): 798-827, 1998.[PUBMED Abstract]
  2. Landman RE, Horwith M, Peterson RE, et al.: Long-term survival with ACTH-secreting carcinoma of the pituitary: a case report and review of the literature. J Clin Endocrinol Metab 87 (7): 3084-9, 2002.[PUBMED Abstract]
  3. Yeh PJ, Chen JW: Pituitary tumors: surgical and medical management. Surg Oncol 6 (2): 67-92, 1997.[PUBMED Abstract]
  4. Hardy J: Transsphenoidal microsurgery of the normal and pathological pituitary. Clin Neurosurg 16: 185-217, 1969.[PUBMED Abstract]
  5. Hardy J: Transsphenoidal hypophysectomy. J Neurosurg 34 (4): 582-94, 1971.[PUBMED Abstract]
  6. Levy A: Pituitary disease: presentation, diagnosis, and management. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75 (Suppl 3): iii47-52, 2004.[PUBMED Abstract]
  7. Laws ER, Sheehan JP, Sheehan JM, et al.: Stereotactic radiosurgery for pituitary adenomas: a review of the literature. J Neurooncol 69 (1-3): 257-72, 2004 Aug-Sep.[PUBMED Abstract]
プロラクチン産生下垂体腫瘍の治療

プロラクチン(PRL)産生下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢

PRL産生下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. カベルゴリンおよびブロモクリプチンなどのドパミンアゴニスト。[ 1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]
  2. 手術(二次治療)。[ 1 ][ 2 ]
  3. 放射線療法(ときに実施)。[ 1 ][ 2 ]

下垂体腫瘍からPRLが分泌されている場合には、治療法は、腫瘍の大きさおよび過剰なホルモン産生に起因する諸症状に基づいて決定される。PRL分泌腫瘍の患者は手術および放射線療法で治療される。[ 1 ]

ほとんどのマイクロプロラクチノーマおよびマクロプロラクチノーマは、ブロモクリプチンおよびカベルゴリンなど麦角由来のドパミンアゴニストを用いた医学療法によく反応する。[ 2 ]カベルゴリンは、ブロモクリプチンよりも多くの患者で満足な副作用特性を示す。カベルゴリン療法は、プロラクチノーマがブロモクリプチンに対して抵抗性である患者またはブロモクリプチンに耐えられない患者を治療する際に成功する可能性がある;この治療の成功率は新たにプロラクチノーマを診断された患者では90%を超える。[ 3 ][ 4 ][ 5 ]あるプロスペクティブ研究においてカベルゴリンは、プロラクチン値が正常化し、腫瘍の証拠を認めなかった患者において安全に休薬されたが、このことは約70%の治癒率に影響しているであろう。[ 6 ]しかしながら、患者の目標が妊孕性の回復である場合には、妊娠中の安全性の記録に基づいてブロモクリプチンが選択すべき治療法となる。[ 7 ]

マイクロプロラクチノーマは治療により大きさが変化することはほとんどないが、マクロプロラクチノーマは、時に非常に劇的な収縮が期待できる。マイクロプロラクチノーマは、時が経つにつれて大きさが縮小し、時に完全に自然消退することが観察されている。[ 8 ]手術は一般に、ドパミンアゴニストに耐えられない患者、治療中に下垂体卒中を被る患者、またはマクロプロラクチノーマが医学療法に反応しない患者にのみ用いられる。[ 2 ]時に、これらの腫瘍は最終的に放射線療法を必要とする。[ 9 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Yeh PJ, Chen JW: Pituitary tumors: surgical and medical management. Surg Oncol 6 (2): 67-92, 1997.[PUBMED Abstract]
  2. Levy A: Pituitary disease: presentation, diagnosis, and management. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75 (Suppl 3): iii47-52, 2004.[PUBMED Abstract]
  3. Colao A, Di Sarno A, Landi ML, et al.: Macroprolactinoma shrinkage during cabergoline treatment is greater in naive patients than in patients pretreated with other dopamine agonists: a prospective study in 110 patients. J Clin Endocrinol Metab 85 (6): 2247-52, 2000.[PUBMED Abstract]
  4. Cannavò S, Curtò L, Squadrito S, et al.: Cabergoline: a first-choice treatment in patients with previously untreated prolactin-secreting pituitary adenoma. J Endocrinol Invest 22 (5): 354-9, 1999.[PUBMED Abstract]
  5. Colao A, Di Sarno A, Landi ML, et al.: Long-term and low-dose treatment with cabergoline induces macroprolactinoma shrinkage. J Clin Endocrinol Metab 82 (11): 3574-9, 1997.[PUBMED Abstract]
  6. Colao A, Di Sarno A, Cappabianca P, et al.: Withdrawal of long-term cabergoline therapy for tumoral and nontumoral hyperprolactinemia. N Engl J Med 349 (21): 2023-33, 2003.[PUBMED Abstract]
  7. Schlechte JA: Clinical practice. Prolactinoma. N Engl J Med 349 (21): 2035-41, 2003.[PUBMED Abstract]
  8. Ezzat S, Asa SL, Couldwell WT, et al.: The prevalence of pituitary adenomas: a systematic review. Cancer 101 (3): 613-9, 2004.[PUBMED Abstract]
  9. Nomikos P, Buchfelder M, Fahlbusch R: Current management of prolactinomas. J Neurooncol 54 (2): 139-50, 2001.[PUBMED Abstract]
副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腫瘍の治療

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢

ACTH産生下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術(通常は経蝶形骨手術到達法)。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]
  2. 手術 + 放射線療法。[ 1 ][ 2 ][ 4 ]
  3. 放射線療法。[ 1 ][ 2 ][ 4 ]
  4. ミトタン、メチラポン、ケトコナゾール、aminoglutethimideなどのステロイド産生阻害薬。[ 1 ][ 2 ][ 5 ]

コルチコトロフ腺腫の患者に対しては経蝶形骨顕微手術が治療法として選択される。[ 1 ][ 2 ]ほとんどのシリーズにおいて報告されている寛解率は約70%~90%である。[ 1 ]経蝶形骨洞到達法を用いて手術を受けた患者216人のシリーズにおいて、75%が長期寛解を経験し、21%がクッシング病の持続を経験し、9%が高コルチゾール症の最初の矯正後に再発した。[ 3 ]再手術までの平均時間間隔は3.8年であった。腫瘍の79%は微小腺腫で、18%が巨大腺腫であった;微小腺腫症例の86%で長期寛解が得られた一方で、巨大腺腫症例で寛解が得られたのは46%のみであった。高コルチゾール血症が持続する症例においては、早期の反復診査および/または放射線療法または腹腔鏡下両側副腎摘出術が必要であろう。[ 2 ]

放射線療法は、外科手術の対象とは見なされない患者において使用されており、また残存または再発活性腫瘍を認める患者における補助的療法としても使用されている。[ 1 ][ 4 ]

薬物療法は、残存腫瘍が存在する症例、および放射線療法の効果を待っている症例において経蝶形骨顕微手術に対する補助手段と考えられている。[ 1 ]ミトタン、メチラポン、ケトコナゾール、aminoglutethimideなどのステロイド産生阻害薬が使用される。ケトコナゾールはこれらの薬剤中で最も耐容性を示し、約70%の患者で単独療法として効果的である。[ 5 ]

未治療の場合、患者はしばしば心血管疾患または感染症で死亡する。

ACTH産生下垂体腫瘍に対して臨床評価段階にある治療選択肢

ACTH産生下垂体腫瘍に対して臨床評価段階にある治療選択肢には、以下のものがある:

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Yeh PJ, Chen JW: Pituitary tumors: surgical and medical management. Surg Oncol 6 (2): 67-92, 1997.[PUBMED Abstract]
  2. Levy A: Pituitary disease: presentation, diagnosis, and management. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75 (Suppl 3): iii47-52, 2004.[PUBMED Abstract]
  3. Mampalam TJ, Tyrrell JB, Wilson CB: Transsphenoidal microsurgery for Cushing disease. A report of 216 cases. Ann Intern Med 109 (6): 487-93, 1988.[PUBMED Abstract]
  4. Mahmoud-Ahmed AS, Suh JH: Radiation therapy for Cushing's disease: a review. Pituitary 5 (3): 175-80, 2002.[PUBMED Abstract]
  5. Nieman LK: Medical therapy of Cushing's disease. Pituitary 5 (2): 77-82, 2002.[PUBMED Abstract]
  6. Devin JK, Allen GS, Cmelak AJ, et al.: The efficacy of linear accelerator radiosurgery in the management of patients with Cushing's disease. Stereotact Funct Neurosurg 82 (5-6): 254-62, 2004.[PUBMED Abstract]
  7. Wong GK, Leung CH, Chiu KW, et al.: LINAC radiosurgery in recurrent Cushing's disease after transsphenoidal surgery: a series of 5 cases. Minim Invasive Neurosurg 46 (6): 327-30, 2003.[PUBMED Abstract]
成長ホルモン産生下垂体腫瘍の治療

成長ホルモン(GH)産生下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢

GH産生下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術(通常は経蝶形骨手術到達法)。
  2. ブロモクリプチンなどのドパミンアナログ。
  3. オクトレオチドなどのソマトスタチンアナログ。
  4. GH受容体拮抗薬のペグビソマント。[ 1 ][ 2 ]
  5. 手術および術後放射線療法。

先端巨大症の患者に対する治療としては、外科的、放射線、および医学療法がある。[ 3 ]治療法は、腫瘍の大きさおよび進展度のほか、重篤な臨床的続発症(すなわち、高血圧および心筋症)のためホルモン機能を迅速中止させる必要性に基づいて決定される。

微小腺腫摘出術または巨大腺腫減圧術は、ほとんどの患者で経蝶形骨手術によるアプローチがなされる。内視鏡手術は、手術野全体が見えるようにし、内視鏡手術でなければ近づきにくい腫瘍組織を、硬性器具を用いて安全に切除できるようにするため、次第に用いられつつある。しかしながら、GH濃度が正常化する完全回復はしばしば達成されない。補助的放射線療法は、安全な手術野を越えて進展し、脅威が進行していると思われる腫瘍にのみ用いられるようになっている。

薬物治療では、一部で主張されている適切に選択された患者において補助または第一次療法として用いられる[ 4 ]が、オクトレオチドなどのソマトスタチンアナログ;ブロモクリプチンなどのドパミンアナログ;およびGH受容体拮抗薬のペグビソマントなどが使用される。ペグビソマントは、新しい分類のGH受容体拮抗薬の最初のものとして、GH受容体の機能的二量体形成を阻害することにより作用し、それによってGH活性を抑制する。予備的結果は、ペグビソマントが先端巨大症に対して現在までに報告されている最も効果的な医学的治療であると示している。[ 1 ][ 2 ]

先端巨大症患者における耐糖能障害、高血圧、および高脂血症は根治治療と同時に、勢力的に治療すべきである。関節炎、手根管症候群、閉塞性睡眠時無呼吸、および下顎前突症には集学的な臨床的アプローチが必要である。[ 5 ]死亡率は主に、心血管疾患および呼吸器疾患に関係している。[ 5 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Stewart PM: Pegvisomant: an advance in clinical efficacy in acromegaly. Eur J Endocrinol 148 (Suppl 2): S27-32, 2003.[PUBMED Abstract]
  2. Muller AF, Kopchick JJ, Flyvbjerg A, et al.: Clinical review 166: Growth hormone receptor antagonists. J Clin Endocrinol Metab 89 (4): 1503-11, 2004.[PUBMED Abstract]
  3. Levy A: Pituitary disease: presentation, diagnosis, and management. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75 (Suppl 3): iii47-52, 2004.[PUBMED Abstract]
  4. Kleinberg DL: Primary therapy for acromegaly with somatostatin analogs and a discussion of novel peptide analogs. Rev Endocr Metab Disord 6 (1): 29-37, 2005.[PUBMED Abstract]
  5. Colao A, Ferone D, Marzullo P, et al.: Systemic complications of acromegaly: epidemiology, pathogenesis, and management. Endocr Rev 25 (1): 102-52, 2004.[PUBMED Abstract]
チロトロピン産生腫瘍の治療

チロトロピン産生腫瘍に対する標準治療法の選択肢

チロトロピン産生腫瘍に対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 補助放射線療法を併用するまたは併用しない手術(通常は経蝶形骨手術到達法)。[ 1 ][ 2 ]
  2. オクトレオチドなどのソマトスタチンアナログ。[ 3 ][ 4 ]

経蝶形骨手術は、甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫の患者に選択される治療である。[ 1 ]補助放射線療法は、患者がまだ甲状腺機能正常であっても再燃は避けられないため、手術では治癒しないと分かったとき、および放射線療法の効果が十分得られるまでに数ヵ月~数年を要するときに用いられることがある。

手術および外部照射法にもかかわらず、依然として甲状腺機能亢進症状を有する患者に対しては、医学療法が必要であろう。ソマトスタチンアナログは治療に選択される薬物である;しかしながら、治療の効力は時の経過とともに低下しうる。[ 1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Brucker-Davis F, Oldfield EH, Skarulis MC, et al.: Thyrotropin-secreting pituitary tumors: diagnostic criteria, thyroid hormone sensitivity, and treatment outcome in 25 patients followed at the National Institutes of Health. J Clin Endocrinol Metab 84 (2): 476-86, 1999.[PUBMED Abstract]
  2. Levy A: Pituitary disease: presentation, diagnosis, and management. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75 (Suppl 3): iii47-52, 2004.[PUBMED Abstract]
  3. Caron P, Arlot S, Bauters C, et al.: Efficacy of the long-acting octreotide formulation (octreotide-LAR) in patients with thyrotropin-secreting pituitary adenomas. J Clin Endocrinol Metab 86 (6): 2849-53, 2001.[PUBMED Abstract]
  4. Teramoto A, Sanno N, Tahara S, et al.: Pathological study of thyrotropin-secreting pituitary adenoma: plurihormonality and medical treatment. Acta Neuropathol (Berl) 108 (2): 147-53, 2004.[PUBMED Abstract]
非機能性下垂体腫瘍の治療

非機能性下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢

非機能性下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術(経蝶形骨洞到達法が望ましい)後は綿密に観察し、放射線療法は再発にのみ用いる。[ 1 ][ 2 ]
  2. 放射線療法。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]
  3. 手術および術後放射線療法。[ 1 ][ 2 ]

非機能性(内分泌不活性)腫瘍の患者に対する治療法の選択は、腫瘍の大きさおよび疾患の進行過程のほか、腫瘍の進展により影響を受ける解剖学的構造に基づく。大半の患者には、鞍上進展および視野欠損がみられる。このほか、多くの患者には、治療前にホルモンの欠乏が認められる。性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫患者の初期治療は、特に腺腫が神経学的症状を呈する場合は放射線療法の効果が現れるのがあまりに緩徐で、信頼できる医学療法が存在しないため、通常は経蝶形骨手術により行われる。[ 4 ]

外科的管理は、視交叉圧迫の症状および頭痛の回復に有効であるため、内分泌不活性下垂体腺腫患者に対して最初に選択される治療として一般的に考えられている。[ 1 ]しかしながら、腫瘍の根治的除去は、腫瘍がしばしば海綿静脈洞に浸潤しているために達成が困難である。患者の70%~80%では視野障害が正常化または改善し、主症状として頭痛がある患者のほぼ100%が軽減を経験する。肉眼的全摘出が放射線学的に確認された後の腫瘍の再増殖は、まれなようである。32人の患者のシリーズにおいて、腫瘍が肉眼的にすべて摘出され、術後放射線療法を受けていない2名の患者(6.2%)だけが平均5.5年の追跡時に腫瘍の放射線学的再発を示した。[ 5 ]

放射線療法は、術後期間中および残存または再発腫瘍の明確な放射線学的証拠が証明された後、ルーチンに実施されている。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]薬物療法の価値は限られているようである。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Losa M, Mortini P, Barzaghi R, et al.: Endocrine inactive and gonadotroph adenomas: diagnosis and management. J Neurooncol 54 (2): 167-77, 2001.[PUBMED Abstract]
  2. Yeh PJ, Chen JW: Pituitary tumors: surgical and medical management. Surg Oncol 6 (2): 67-92, 1997.[PUBMED Abstract]
  3. Tsang RW, Brierley JD, Panzarella T, et al.: Radiation therapy for pituitary adenoma: treatment outcome and prognostic factors. Int J Radiat Oncol Biol Phys 30 (3): 557-65, 1994.[PUBMED Abstract]
  4. Snyder PJ: Extensive personal experience: gonadotroph adenomas. J Clin Endocrinol Metab 80 (4): 1059-61, 1995.[PUBMED Abstract]
  5. Lillehei KO, Kirschman DL, Kleinschmidt-DeMasters BK, et al.: Reassessment of the role of radiation therapy in the treatment of endocrine-inactive pituitary macroadenomas. Neurosurgery 43 (3): 432-8; discussion 438-9, 1998.[PUBMED Abstract]
下垂体がんの治療

下垂体がんに対する標準治療法の選択肢

下垂体がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術。
  2. プロラクチン(PRL)産生がんに対しては、ブロモクリプチン、ペルゴリド、キナゴリド、カベルゴリンなどのドパミンアゴニスト。
  3. 成長ホルモン(GH)産生および甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生がんに対してはオクトレオチドなどのソマトスタチンアナログ。
  4. 補助放射線療法、これは疾患の治療成績を変えるとは思われない。
  5. 化学療法、ほとんど有益ではない。

一部の報告では、88%もの下垂体がんが内分泌学的に活性があり、副腎皮質刺激ホルモン分泌腫瘍が最もよくみられることが示されている。[ 1 ]下垂体がん患者に対する治療は平均生存期間が2年~2.4年で症状緩和目的であるが、長期生存者の症例報告が数例発表されている。[ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]

下垂体がん患者に対する治療法の選択肢には、PRL産生腫瘍では切除およびドパミンアゴニスト;GH産生腫瘍およびTSH産生腫瘍ではソマトスタチンアナログ;放射線療法、および化学療法がある。[ 1 ]これらの治療は平均生存期間が2年~2.4年で症状緩和目的であるが、長期生存者の症例報告が数例発表されている。[ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Ragel BT, Couldwell WT: Pituitary carcinoma: a review of the literature. Neurosurg Focus 16 (4): E7, 2004.[PUBMED Abstract]
  2. Pernicone PJ, Scheithauer BW, Sebo TJ, et al.: Pituitary carcinoma: a clinicopathologic study of 15 cases. Cancer 79 (4): 804-12, 1997.[PUBMED Abstract]
  3. Sironi M, Cenacchi G, Cozzi L, et al.: Progression on metastatic neuroendocrine carcinoma from a recurrent prolactinoma: a case report. J Clin Pathol 55 (2): 148-51, 2002.[PUBMED Abstract]
  4. Landman RE, Horwith M, Peterson RE, et al.: Long-term survival with ACTH-secreting carcinoma of the pituitary: a case report and review of the literature. J Clin Endocrinol Metab 87 (7): 3084-9, 2002.[PUBMED Abstract]
  5. Vaquero J, Herrero J, Cincu R: Late development of frontal prolactinoma after resection of pituitary tumor. J Neurooncol 64 (3): 255-8, 2003.[PUBMED Abstract]
再発下垂体腫瘍の治療

再発下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢

再発下垂体腫瘍に対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 術後再発に対する放射線療法、これにより局所制御が得られる確率が高い。[ 1 ][ 2 ]
  2. 再照射療法、これにより長期の局所制御および眼症状の制御がもたらされる。[ 3 ]

再燃患者に対する治療法の問題と選択に関しては、下垂体腫瘍の特定の種類、以前に受けた治療、視機能合併症およびホルモンによる合併症、個々の患者の考慮事項などの多くの因子に基づいて決定される。

再発下垂体腫瘍に対して臨床評価段階にある治療選択肢

再発下垂体腫瘍に対して臨床評価段階にある治療選択肢には、以下のものがある:

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Kovalic JJ, Grigsby PW, Fineberg BB: Recurrent pituitary adenomas after surgical resection: the role of radiation therapy. Radiology 177 (1): 273-5, 1990.[PUBMED Abstract]
  2. Tsang RW, Brierley JD, Panzarella T, et al.: Radiation therapy for pituitary adenoma: treatment outcome and prognostic factors. Int J Radiat Oncol Biol Phys 30 (3): 557-65, 1994.[PUBMED Abstract]
  3. Schoenthaler R, Albright NW, Wara WM, et al.: Re-irradiation of pituitary adenoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 24 (2): 307-14, 1992.[PUBMED Abstract]
  4. Sheehan JP, Kondziolka D, Flickinger J, et al.: Radiosurgery for residual or recurrent nonfunctioning pituitary adenoma. J Neurosurg 97 (5 Suppl): 408-14, 2002.[PUBMED Abstract]
  5. Laws ER, Sheehan JP, Sheehan JM, et al.: Stereotactic radiosurgery for pituitary adenomas: a review of the literature. J Neurooncol 69 (1-3): 257-72, 2004 Aug-Sep.[PUBMED Abstract]
  6. Picozzi P, Losa M, Mortini P, et al.: Radiosurgery and the prevention of regrowth of incompletely removed nonfunctioning pituitary adenomas. J Neurosurg 102 (Suppl): 71-4, 2005.[PUBMED Abstract]
本要約の変更点(05/22/2020)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約には編集上の変更がなされた。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、下垂体腫瘍の治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は、編集に関して米国国立がん研究所(NCI)から独立しているPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Pituitary Tumors Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/pituitary/hp/pituitary-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389459]

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

免責条項

入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。