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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

喫煙:健康上のリスクと禁煙方法(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-11-16
    翻訳更新日 : 2017-01-20

喫煙:健康上のリスクと禁煙方法(PDQ®) PDQ Screening and Prevention Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、予防と禁煙およびタバコ使用の制御について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

禁煙介入 がん予防

概要

注:がんのスクリーニング(検診)と予防の研究に関する証拠レベルについては、別のPDQ要約を参照できるようにしてある。

PDQのがん予防要約では、がん発生率における低下と定義されるがんの予防を扱っている。PDQには、一般にがんの組織型によって分類された概要が示されているが、特にがんの種類別に既知の危険因子がある場合にはこの分類が明確である。本要約では、タバコの使用という特定の危険因子を論じており、タバコの使用は多種多様な多くのがん(およびその他の慢性疾患)と関連があり、明らかにヒト発がん物質を含んでいる。 [1] 本要約では、タバコの使用を減少させるため、医療専門家が行っている臨床介入を重点的に扱う。

禁煙の効果

固い証拠によると、喫煙は肺がん、口腔および咽頭がん、喉頭がん、食道がん、膀胱がん、腎がん、膵がん、胃がん、子宮頸がん、および急性骨髄性白血病の原因となる。 [2] 喫煙の回避と禁煙は、がんの発生率とがんによる死亡率を低下させる。

証拠の記述
  • 研究デザイン

    :1件のランダム化比較試験から得られた証拠。

  • 内部妥当性

    :良好。

  • 一貫性

    :良好。

  • 健康上のアウトカムに対する影響の大きさ

    :喫煙者においては、いくつかのがんの相対リスク(RR)が非喫煙者と比べて非常に高くなる(喫煙者集団におけるこのRRは、がんの解剖学的部位ならびに喫煙の程度および期間に依存して、2倍から10倍もしくはそれ以上の範囲で高くなりうる)。集中的な臨床的禁煙介入を受けた重度喫煙者においては、全原因死亡のRRに15%の減少がみられる。

  • 外部妥当性

    :良好。

カウンセリングと禁煙

固い証拠によると、医療専門家によるカウンセリングで禁煙率は改善される。

証拠の記述
  • 研究デザイン

    :複数のランダム化比較試験から得られた証拠。

  • 内部妥当性

    :良好。

  • 一貫性

    :良好。

  • 健康上のアウトカムに対する影響の大きさ

    :カウンセリングは禁煙率を改善する(オッズ比[OR]、1.56;95%信頼区間[CI]、1.32-1.84)。 [3] [4]

  • 外部妥当性

    :良好。

医師の助言と禁煙

固い証拠によると、禁煙を勧める医師の簡単な助言でも禁煙率が改善される。


  • 研究デザイン

    :複数のランダム化比較試験から得られた証拠。

  • 内部妥当性

    :良好。

  • 一貫性

    :良好。

  • 健康上のアウトカムに対する影響の大きさ

    :医師の助言は禁煙率を改善する(RR、1.66;95%CI、1.42-1.94)。 [3]

  • 外部妥当性

    :良好。

薬物治療と禁煙

固い証拠によると、ニコチン置換療法(ガム、パッチ、鼻腔スプレー、ロゼンジ、および吸入器)や一部の抗うつ薬療法(例えば、ブプロピオン)、ニコチン受容体作動薬療法(バレニクリン)などの薬物治療では、プラセボより高い禁煙率が得られる。

証拠の記述
  • 研究デザイン

    :複数のランダム化比較試験から得られた証拠。

  • 内部妥当性

    :良好。

  • 一貫性

    :良好。

  • 健康上のアウトカムに対する影響の大きさ

    :ニコチン置換療法の単独または併用での治療により、6ヵ月後の禁煙率がプラセボよりも改善される(RR、1.58;95%CI、1.50-1.66)。 [5] ブプロピオンを用いる治療により、6ヵ月後の禁煙率がプラセボよりも改善される(OR、1.94;95%CI、1.72-2.19)。 [6] バレニクリン療法により、6ヵ月後の禁煙率がプラセボよりも改善される(RR、2.33;95%CI、1.95-2.80)。 [7]

  • 外部妥当性

    :良好。


参考文献
  1. IARC Working Group on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans: Tobacco smoke and involuntary smoking. IARC Monogr Eval Carcinog Risks Hum 83: 1-1438, 2004.[PUBMED Abstract]

  2. The Health Consequences of Smoking: A Report of the Surgeon General. Atlanta, Ga: U.S. Department of Health and Human Services, CDC, National Center for Chronic Disease Prevention and Health Promotion, Office on Smoking and Health, 2004. Also available online. Last accessed June 29, 2016.[PUBMED Abstract]

  3. Lancaster T, Stead L: Physician advice for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev (4): CD000165, 2004.[PUBMED Abstract]

  4. Lemmens V, Oenema A, Knut IK, et al.: Effectiveness of smoking cessation interventions among adults: a systematic review of reviews. Eur J Cancer Prev 17 (6): 535-44, 2008.[PUBMED Abstract]

  5. Silagy C, Lancaster T, Stead L, et al.: Nicotine replacement therapy for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev (3): CD000146, 2004.[PUBMED Abstract]

  6. Hughes JR, Stead LF, Lancaster T: Antidepressants for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev (1): CD000031, 2007.[PUBMED Abstract]

  7. Cahill K, Stead LF, Lancaster T: Nicotine receptor partial agonists for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev (3): CD006103, 2008.[PUBMED Abstract]

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有益性の証拠

リスクの背景

米国では、喫煙関連疾患が毎年480,000人の死亡の原因になっていると推定されている。 [1] [2] (ウェブ上でも入手可能。)平均して、これらの死亡は予想されるより12年早く、累積年間喪失は500万生存年を超える。 [3] このような死亡症例は主に、喫煙ががん、心血管疾患、および慢性肺疾患の主要な原因となっているためである。この他の健康への有害な影響として、呼吸器疾患および症状、核白内障、股関節骨折、女性の妊孕性の低下、および健康状態の低下も知られている。妊娠中の母親の喫煙は、胎児発育遅延、低出生体重、および妊娠合併症と関連する。 [4] 米国ではがん死亡例の約32% [1] および全早期死亡例の20%が、喫煙に起因する。 [5]

タバコ製品は単一の、主な回避可能ながんの原因であり、さまざまながんにより、米国の喫煙者に年間155,000人を超える死亡を引き起こしている。 [6] 肺、気管、気管支、喉頭、咽頭、口腔、鼻腔、および食道のがんの大多数が、タバコ製品、特に紙巻きタバコに起因している。喫煙はこのほか、膵がん、腎がん、膀胱がん、胃がん、子宮頸がんおよび骨髄性白血病と因果関係がある。 [4] [7]

喫煙は、非喫煙者の健康にも実質的な影響を及ぼしている。環境タバコ煙または間接タバコ煙は肺がんおよび冠動脈心疾患の発生に関与している。 [8] 小児における間接タバコ煙曝露は、乳幼児突然死症候群、下気道疾患、中耳炎、中耳滲出、喘息の悪化、および咳嗽、喘鳴、呼吸困難などの呼吸器症状と因果関係がある。 [8]

環境タバコ煙の成分は吸入される主流煙と同じであるが、主流煙より絶対濃度は低く、成分によって1~10%である。タバコ煙に含まれる発がん性化合物には、発がん物質ベンゾ[a]ピレン(BaP)を含む多環芳香族炭化水素(PAH)およびニコチン由来のタバコ-特異的ニトロソアミン、4-(メチルニトロソアミン)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)がある。 [9] 尿中コチニン、タバコ関連発がん物質代謝物、および発がん物質-タンパク質付加体をはじめとする、タバコ曝露のバイオマーカーの上昇が、受動喫煙、すなわち間接喫煙者においてみられる。 [8] [10] [11] [12]

2014年、米国では、成人男性の18.8%、成人女性の14.8%が現在喫煙者であった。 [13] (ウェブ上でも入手可能。) アメリカンインディアンおよびアラスカ原住民の間では喫煙習慣が特に多くみられる。また喫煙率は、教育水準と相反して推移し、米国のGeneral Educational Developmentの資格を取得した成人で最も高く(43.0%)となり、一般に教育年数が増えるほど低下する。 [13] (ウェブ上でも入手可能。)2011年から2014年までに、喫煙率が中等学生では4.3%から2.5%に、高校生では15.8%から9.2%に有意に低下した。 [14] 全民族集団において、高校生男女の喫煙率が1990年代に実質的に増大したが、2014年では9%に低下した。 [1] [15] [16] (ウェブ上でも入手可能。

タバコの使用が集団レベルの健康上のアウトカムに及ぼす影響が、肺がん死亡率の動向の例によって説明されている。女性の喫煙は1940年から1960年代初頭の間に増加し、その結果、1950年以来女性の肺がん死亡率は600%以上の増加となった。現在、肺がんは女性のがん死亡の主要な原因である。 [15] [17] この30年間で現在喫煙率は概して低下し、特に男性では急激に低下している。男性の肺がん死亡率は1980年代をピークとして、その後低下している;この低下は主に、喫煙との因果関係が最も強い組織型である扁平上皮がんおよび小細胞がんで起こっている。 [15] 州ごとの肺がん死亡率の差もまた、タバコ使用における長期的な州ごとの差とある程度一致する。2008年から2012年までの男性の平均年間年齢調整済み肺がん死亡率は、1997年に男性の29.1%が現在喫煙者であったケンタッキー州が最も高く(100,000人当たり92人)、男性の喫煙者がわずか10.4%であったユタ州が最も低かった(100,000人当たり26.4人)。女性の肺がん死亡率は、女性の28.0%が現在喫煙者であったケンタッキー州が最も高く(100,000人当たり55.2人)、喫煙者がわずか9.3%であったユタ州が最も低かった(100,000人当たり15.6人)。 [1] [15]

禁煙介入

喫煙と関係がある健康リスクの多くは、禁煙により低下させることができる。50歳になる前に喫煙をやめた喫煙者では、その後15年以内の死亡リスクが喫煙継続者の最大で半分になり、また70歳以降に喫煙をやめた喫煙者でさえも、死亡リスクに実質的な低下がみられる。 [18] 10年の禁煙で、肺がんリスクは喫煙を継続した場合より30~50%低下し、禁煙して5年以内に口腔がんならびに食道がんのリスクは半減する。 [18] 喫煙をやめた喫煙者はまた、子宮頸がん、胃がん、および膀胱がんのリスクが低下する。 [4] [17] [18]

これまでにタバコ使用の減少あるいは開始予防を広範囲に進めるために、政策、立法、規制のレベルで数多くの試みが実施されてきた。地域、州、国家のレベルでのさまざまな努力が喫煙率の経時的な低下に貢献してきたことが認められている。これらの努力には、タバコ製品を未成年者から遠ざける、学校を基盤とした効果的な喫煙予防カリキュラムを浸透させるとともにメディア戦略を展開する、タバコ製品にかかるコストを引き上げる、タバコ物品税を利用してマスメディアを含む地域レベルの介入に資金提供する、評価が確立した禁煙戦略を、医療機関を通じて提供する、タバコ-フリーの法律や政策を採択するなどがある。 [19] [20]

Lung Health Study

重度喫煙者を対象としたあるランダム化試験では、長期追跡の結果、禁煙介入にランダムに割り付けられた群(n = 3,923)では全原因死亡率が非介入群(n = 1,964)より15%低かった(1,000人年当たり8.83 vs 10.38;P = 0.03)ことが示された。 [21] 禁煙介入は10週間にわたって実施され、医師による強い勧めと12回のグループセッションの実施およびニコチンガムの投与で構成された。肺がんとその他のがん、および冠動脈心疾患、心血管疾患、呼吸器疾患についてリスクの低下がみられ、それにより禁煙介入にランダムに割り付けられた群での有益性に貢献した。

学校ベースの介入

学校ベースの介入だけでは、長期間の喫煙予防効果を示していない。 [22] 最も質の高い研究の1件である大規模ランダム化試験では、さまざまな社会的影響アプローチを組み込んだ理論ベースのプログラムを第3学年から第12学年までにわたって小児に受けさせたが、第12学年の時点または高校卒業から2年後の時点で、介入を受けた学区と対照学区との間に喫煙状況の結果に差は認められなかった。 [23]

タバコ製品を入手できる最低法定年齢

タバコ製品を入手できる最低法定年齢(MLA)の引き上げは、タバコ制御のために勢いを得つつある政策選択肢である。現在、連邦政府により定められているMLAは18歳であるが、州および地方自治体はMLAをより高い年齢に引き上げることが可能である。2015年には、ハワイ州がMLAを21歳に引き上げた最初の州となり、ボストン市やニューヨーク市など、多くの地方自治体がMLAを21歳とする法案を成立させた。Institute of Medicineの報告では、MLA引き上げが公衆衛生に及ぼす影響が徹底的に評価された。 [24] この話題に関する直接の証拠は得られていないため、この報告は、MLA引き上げが喫煙の減少と喫煙開始の遅延に及ぼす影響について一連の想定に基づいていた。これらの想定は、MLA引き上げが21世紀中に喫煙率および喫煙を原因とする早期死亡に及ぼす影響を予測する統計モデルに組み込まれた。比較的控えめなCancer Intervention and Surveillance Modeling Networkの結果でさえ、2015年にMLAを21歳に引き上げることで、2100年までに米国で仮定される出生コホートにおいて喫煙を原因とする早期死亡249,000例が回避されると推定した。

Institute of Medicineの報告で示された便益は仮説に基づいた強い証拠であるにもかかわらず、MLAの引き上げに関する直接的な証拠が欠乏しているため、現実の世界の状況でMLA引き上げの実際の影響を識別することは困難である。マサチューセッツ州ニーダムは2005年4月にMLAを21歳に引き上げた米国で最初の地方自治体となった。MLA引き上げの影響を評価するため、研究者らは介入後の時系列データのみを扱うアプローチを用いてニーダムの高校生における地域レベルの喫煙率とMLAが18歳のままである周辺の16の地方自治体の喫煙率とを比較した。 [25] 喫煙率データの情報源は第9学年から第12学年の生徒に実施された隔年の調査であった;2006年、2008年、2010年、および2012年からのデータが発表された。この6年間のニーダムにおける現在喫煙率の低下(7.4%)は、周辺の16の地方自治体(6.3%)よりもほんのわずかに大きかった。この研究で提供された証拠は、MLAを21歳に引き上げる法案が成立してからわずか1年以降の証拠を評価していることなど、多くの制限によって弱められている;これはニーダムの例では特に重要であるが、それはMLAが2003年に19歳に、2004年に20歳にと徐々に引き上げられており、こうした以前のMLAの引き上げを無視することが知見を意味のないものに偏らせてしまうためである。MLA引き上げの公衆衛生への影響を評価した高品質で直接的な証拠が不足していることは、この話題に関するより強い直接的な証拠が将来必要であることを強調している。

Community Intervention Trial for Smoking Cessation(COMMIT)

Community Intervention Trial for Smoking Cessation (COMMIT)は、喫煙者がタバコの使用をやめるのを支援するようにデザインされた地域ベースの一連の介入を評価するため、米国国立がん研究所の資金提供により実施された大規模研究である。COMMITでは、北米の地区をマッチドペア法で11のペアにし、積極的に地域全体で介入を行う群と対照群(積極的な介入なし)とにランダムに割り付けた。 [26] 4年間の介入では、大集団の喫煙行動に影響力をもつ、既存のメディア、主要な自治体団体、社会団体を通してメッセージを流した。介入は、COMMITの活動を監視および管理する地域コミュニティ・ボードを通じて、各地区で実行された。

COMMITでは、介入地域(18.0%)と対照地域(18.7%)との間に、重度喫煙者の平均禁煙率において、差がみられなかった。軽度から中等度喫煙者の禁煙率には統計的有意差がみられ、介入群が平均30.6%、対照群が平均27.5%であった(P = 0.004)。性別間には禁煙率の有意差はみられなかったが、軽度から中等度喫煙者の場合、低学歴の喫煙者は大学卒の喫煙者より介入に対する反応性が高かった。 [27] [28]

個人を対象とした臨床介入では、より有望な結果が示されている。ランダム化比較試験のメタアナリシスから、6ヵ月の禁煙率はニコチン置換療法(NRT)製品の使用によりプラセボまたは非介入群と比較して有意に改善される(要約相対リスク[RR]、1.58;95%信頼区間[CI]、1.50-1.66)ことが示されている。 [29] NRT製品使用の有益性は、使用される製品がパッチ、ガム、鼻腔スプレー、吸入器、またはロゼンジのいずれであるかにかかわらず、一貫して観察されている。 [29] 禁煙カウンセリングだけでも効果はある [30] ;医療専門家による短時間の介入でさえ、禁煙率を有意に増大させる。 [31]

重要な問題は、カウンセリングをしながら薬物療法を実施するとより有効かどうかである。あるランダム化試験が、カウンセリングを併用するまたは併用しない無料の薬物療法併用(ニコチンパッチまたはブプロピオン)にて次の3つの介入レベルで比較した:1)薬物療法のみ;2)薬物療法 + 6ヵ月ごとに最大2回のカウンセリングセッション;3)薬物療法 + 6ヵ月ごとに最大6回のカウンセリングセッション。24ヵ月の研究の間、ベースライン時、6ヵ月、12ヵ月、18ヵ月後に介入がランダムに割り付けられ各グループに実施された。追跡期間24ヵ月後の主要研究エンドポイントである7日間の禁煙維持割合では、介入による統計的有意差は観察されなかった。 [32] この研究の結果から、薬物療法 + カウンセリングの併用は介入単独と変わらないことが示唆されている。

喫煙による健康への有害な影響は短期的にも長期的にも予後に影響を与えることから、がん生存者に禁煙を奨励することは不可欠である。小児がん生存者へのピアカウンセリング形式の禁煙介入に関するランダム化比較試験では、介入群において有意に高い12ヵ月間の禁煙率が観察された(15% vs 9%;P < 0.01)。 [33]

禁煙ガイドライン

1996年、Agency for Health Care Policy and Research (AHCPR)、現在のAgency for Healthcare Research and Qualityは、ニコチン依存症患者および医療提供者を支援するため、画期的な一連の臨床禁煙ガイドラインを発表した。現在では米国公衆衛生局(U.S. Public Health Service)によって後援されており、更新された2008年のガイドライン、「Treating Tobacco Use and Dependence(タバコ使用と依存の治療)」は、ウェブ上で入手可能である。 [34] ガイドラインの主旨は次の通りである:

  1. 臨床医は各患者のタバコの使用状態を記録すべきである。
  2. 臨床医は喫煙患者の禁煙の意志を評価し、禁煙開始日を設定して禁煙することを望む患者を支援すべきである。
  3. 喫煙患者は、利用可能な効果的で簡潔な禁煙介入を少なくとも1種類は提供されるべきである。
  4. 長期間にわたり禁煙を維持させるには概して、軽度の介入より強力な介入の方が効果は高く、これは、介入とその結果とが用量依存関係にあることを反映している。
  5. 禁煙治療には、特に有効と認められている次の3つの治療を1つ以上組み込むべきである:
    1. 奨励および支援という形態での臨床医による社会的支援。
    2. スキルトレーニング/問題解決(禁煙/節制の技術)。
    3. ニコチン置換療法などの薬物療法(例、パッチ、ガム)。
  6. 効果をもたらすためには、医療システムの制度変更を実施することで、タバコ使用者を系統的に同定し、その患者の来診時ごとに介入を行えるようしなければならない。

個人への介入については、ガイドライン [34] の中で、1980年代後半に実施された、医師による喫煙介入法に関する6件の主要な臨床試験の結果に基づき [35] 、ASK, ADVISE, ASSESS, ASSIST, and ARRANGE モデル(質問、助言、評価、支援、調整モデル)が提唱されている。このモデルでは、医師の簡単な介入として、患者の来院時に毎回喫煙状態について質問する、禁煙を助言する、禁煙開始日を設定し患者を支援する、自助教材を提供しNRTの使用を推奨する、追跡のための来院の設定をする必要がある。簡単な介入または拡大された介入の概要については、下記を参照のこと。この推奨事項は、さらに強力なカウンセリングに紹介することの重要性も強く支持している。

質問、助言、評価、支援、調整:重要な要素
  1. 質問
    • 来院時または入院時ごとに喫煙状態についてのスクリーニングを行う。

  2. 助言
    • 最低限の助言:「担当医として助言しますが、喫煙は健康によくありません。禁煙することをお勧めします。」

    • 強い助言:「現在あなたは(      )の状態ですから、禁煙することを強くお勧めします。今禁煙すれば、(禁煙によって得られる基本的な健康上の利益について簡単に教示する)。」

  3. 評価
    • 最低限の評価:タバコ使用者全員にその時点で使用をやめる意志があるかどうかを尋ねる。

    • 詳しい評価:喫煙歴および喫煙パターンの特徴を評価する。
        喫煙量。
        禁煙歴。
        変化の段階:
        • 無関心期:禁煙を真剣に考えていない。

        • 関心期:3~6ヵ月以内に禁煙を開始することを真剣に考えている。

        • 準備期:次の週ないし次の月の間には禁煙を開始することを真剣に考えており、既に喫煙量を減らすなどの行動変化を起こしている。

        • 実行期:しばらく禁煙を維持している(6ヵ月まで)。

        • 再開:48時間以上禁煙を維持したが、喫煙を再開している。

        • 維持期:6ヵ月以上禁煙を維持している場合でも、1年間は依然として再開が起こりやすい。




  4. 支援/カウンセリング
    • 最低限の支援:自助教材を提供する;禁煙への関心度を評価する;および薬理学的処置への関心度とその妥当性を評価する。

    • 強力な支援:5~7分間の簡単な患者中心のカウンセリングを行う。カウンセリング内容の概要については下記を参照のこと。

  5. 追跡支援の調整
    • 最低限の追跡支援:来診または電話による追跡のための接触を、約2週間に1回だけ行うことを取り決める;喫煙カウンセラーまたは団体に紹介する。

    • 拡大された追跡支援:禁煙開始日を設定し「禁煙」契約を結ぶ。来診または電話による追跡のための接触を3回以上行うことを取り決める。

患者中心のカウンセリング:重要な要素
  • 動機付け
      基本的な質問:
      • 「喫煙についてどう感じていますか。」


      追加の質問:
      • 「禁煙についてどう感じますか。」

      • 「これまでに禁煙を試みたことがありますか。」「禁煙してみてどうでしたか。」

      • 「喫煙のどんな所が好きですか。」

      • 「喫煙のどんな所が好きではありませんか。」



  • 予期される問題
      基本的な質問:
      • 「禁煙するとどのような問題が起きるでしょうか。」


      追加の質問:
      • 「他にはどんなことがありますか。」

      • 「あなたは、「なぜ喫煙するのか」の質問に関して(  )で高得点を示している。そのような状況に対処するにはどうしたらいいと思いますか。」



  • 問題解決能力
      基本的な質問:
      • 「どのようにしたら対処できると思いますか。」


      追加の質問:
      • 「ほかにはどうしたらいいと思いますか。」

      • 「(家族/配偶者/友人)にどのような協力を期待しますか。」



禁煙のための薬物療法

薬理学的物質が、一般集団において、禁煙補助として有効に使用されている。 [36] 1996年にAHCPRのガイドライン [37] が発表されて以来、さまざまなニコチン置換製品が市販薬として承認され、禁煙療法の有効性に関する追加的証拠が公表されてきた。 [38] [39] [40] [41] NRT(ガム、パッチ、鼻腔スプレー、ロゼンジ、吸入器)や非ニコチン系の薬物投与(例、ブプロピオン、バレニクリン)などの禁煙の薬物療法からは、プラセボよりも禁煙率に統計的に有意な増加が得られる。110件のランダム化試験の結果を合成したところ、研究者により、NRTの単独または併用での治療により、6ヵ月後の禁煙率はプラセボよりも改善される(RR、1.58;95%CI、1.50-1.66)ことが明らかにされた。 [29] 併用NRT vs 単一NRT介入を検証したランダム化比較試験3件のメタアナリシスの結果から、ニコチンロゼンジなど別のタイプのNRTとニコチンパッチとの併用はニコチンパッチ単独よりも効力が高いことが示唆された(オッズ比[OR]、1.43;95%CI、1.08-1.91)。 [42] しかしながら、この結果は、ニコチンパッチ + ニコチンロゼンジ介入とニコチンパッチ単独介入とを比較したその後のランダム化試験で確認されなかった。 [43] 併用NRT介入への参加者とニコチンパッチ単独介入への参加者で、26週間の追跡後の7日間禁煙率における差はほとんど認められず(27% vs 23%;P = 0.25)、52週間の追跡後に有益性は追加されなかった(20% vs 21%;P = 0.86)。

ブプロピオンおよびバレニクリンなど、禁煙のために効率的な非ニコチン系の薬物療法もある。抗うつ薬のブプロピオンとプラセボを比較した31件のランダム化試験の結果によれば、6ヵ月の追跡後、ブプロピオン群では禁煙率が統計的に有意に増加した(要約OR、1.94;95%CI、1.72-2.19)。 [44] ブプロピオン + NRTの併用の方がNRT単独よりも禁煙率が増加するという考えを裏付ける証拠は不十分である(要約OR、1.37;95%CI、0.65-2.91)。 [44]

バレニクリンは選択的α-4-β-2ニコチン性アセチルコリン受容体部分作動薬である。禁煙に関する2件のランダム化比較試験では、1.0mg 1日2回まで漸増されたバレニクリンが徐放性(SR)ブプロピオン 150mg 1日2回およびプラセボと比較された。 [45] [46] 治療は12週間継続され、さらに治療後も40週間の追跡が行われた。どちらの研究においても、9~12週間および9~24週間の追跡では、バレニクリンはブプロピオンおよびプラセボと比べて禁煙維持のためにより効率的であった。9~52週間の追跡では、両研究ともにバレニクリンはプラセボよりも効率的であった。 [45] [46] 52週目の追跡時点での7日間の禁煙維持割合では、バレニクリン群がブプロピオンSR群よりも46%高かった。(OR、1.46;95%CI、1.04-2.06)。 [45] またもう一方の研究でも、バレニクリン群では禁煙維持割合が46%高かったことが示されている(OR、1.46;95%CI、0.99-2.17)。 [46] バレニクリン投与にランダムに割り付けられた参加者の約30%から吐き気が報告されたが、これはブプロピオン群での2倍以上の数字で、またプラセボ群での3倍以上の数字であった。バレニクリン投与と経皮的ニコチン投与を比較したランダム化試験において、治療終了時(56% vs 43%;P < 0.001)および治療後の追跡期間中(26% vs 20%;P = 0.06)の禁煙維持割合はバレニクリン投与群の方が経皮的ニコチン投与群よりも高かった。 [47] バレニクリン投与群における吐き気の有病率(37%)は経皮的ニコチン投与群の有病率(10%)よりも3倍以上高かった。しかしながら、この結果は、バレニクリンとニコチンパッチとを比較したその後のランダム化試験で確認されなかった。 [43] バレニクリン介入にランダムに割り付けられた個人とニコチンパッチ介入に割り付けられた個人で、26週間(24% vs 23%;P = 0.82)または52週間(19% vs 21%;P = 0.61)後の7日間禁煙率における差はほとんど認められなかった。

市販後調査によれば、2009年7月1日に米国食品医薬品局(FDA)は、ブプロピオンとバレニクリンの両方の黒枠警告(Boxed Warnings)に、これらの製品に関連した重大な神経精神医学的症状のリスクを追記するよう命じた。症状には以下のものがある:「行動変化、敵意、激越、憂うつな気分、自殺思考および行動、および自殺未遂」。 [48] FDAは続いて、禁煙の重要な健康上の有益性を「バレニクリンまたはブプロピオンの使用による、少数であるが、重大な有害事象の現実のリスクと比較検討すべきである」と忠告している。 [48] バレニクリンを1週間以上投与した二重盲検プラセボ対照ランダム化試験(14試験)のメタアナリシスの結果から、バレニクリン投与により心血管系の重篤な有害事象のリスクが増加したことが示された(RR、1.72;95%CI、1.09-2.71)。 [49] この知見は特に、このメタアナリシスに組み入れられたランダム化試験のほぼすべてにおいて、ベースライン時点で心血管疾患(CVD)を有していた患者が除外されていたこと、これらの患者集団の平均年齢(40代前半)がCVDを発症するには若年であったこと、バレニクリンの投与期間が多くの患者で12週間以下と短かったこと、ならびにバレニクリンは禁煙に有効であることからCVDリスクをむしろ低下させるものと考えられたことから、注目に値する結果である。

禁煙率を有意に増加させる上で効率的であると明らかにされた禁煙のための薬物療法の数は増加している。どの治療法を選択するかは、過去の経験、患者および/または医師の好み、薬剤の副作用などの多くの因子に基づいて個別に考慮すべきである。禁煙のための薬物療法に対する喫煙者の反応に影響する特異的な遺伝学的変異 - ニコチンの代謝に関与する酵素をコードする遺伝子多型など - についての知識が深まるにつれて、こうした情報は最終的に禁煙治療計画に統合できるであろう。 [50] 現在のところ、臨床の現場に統合するにはまだ証拠が不十分である。

以下のセクションでは、禁煙の一助となる実施可能な薬理学的介入について要約する。より包括的な情報が製品パッケージの添付文書から入手できる。

禁煙支援のための薬理学的介入

ニコチン置換療法

これらは、ニコチンの離脱症状緩和のためデザインされた製品である。治療開始前に保証されるべく注意事項があるが、これらの注意事項は絶対禁忌を示すものではないことに注意すべきである。特に、一部の患者集団(例、不整脈、管理されていない高血圧、食道炎、消化性潰瘍疾患、インスリン治療を受けている糖尿病、または喘息などの医学的状態を有する人たち、妊婦または授乳中の女性、青年期の喫煙者など)では特別な配慮が必要である。 [51]

表1.ニコチンパッチ

商品名 用量 副作用 コメント
OTC = 市販薬;Rx = 処方薬。
Rx Habitrol 7~21mg/日 紅斑 6~12週間の使用
OTC Nicoderm CQ 7~21mg/日 そう痒症 6~12週間の使用
OTC Nicotrol 5~15mg/日 貼り付け部位の灼熱感 14~20週間の使用
Rx ProStep 11~22mg/日 局所の刺激 6~12週間の使用


現在のガイドラインでは、8週間の経皮的ニコチン投与治療が推奨されている。経皮療法に関する2件のランダム化プラセボ比較試験から得られた情報では、期間延長療法が禁煙率を高めるかどうかについて(22~24週間 vs. 8週間)結果が異なる。 [52] [53]

表2.ニコチンポラクリレックスガム

商品名 用量 副作用 コメント
OTC=市販薬。
OTC Nicorette 18~24mg/日 口内炎、のどの痛み 最大30個/日;その後4~7日ごとに1個ずつ漸減していく
OTC Nicorette DS 36~48mg/日 顎の痛み 最大20個/日;その後4~7日ごとに1個ずつ漸減していく


表3.ニコチンロゼンジ

商品名 用量 副作用 コメント
OTC=市販薬。
OTC Commit 40~80mg/日 局所の刺激(暖感および刺痛) 12週間の使用;最大20個/日。1~6週目:1~2時間ごとにロゼンジ1~2個;7~9週目:2~4時間ごとにロゼンジ1個;10~12週目:4~8時間ごとにロゼンジ1個


表4.ニコチン吸入器

商品名 用量 副作用 コメント
Rx=処方薬。
Rx Nicotrol Inhaler 個々に調整する 局所の刺激 使用は24週間まで


表5.ニコチン鼻腔スプレー

商品名 用量 副作用 コメント
Rx=処方薬。
Rx Nicotrol NS 40mg/日まで 鼻の刺激 使用は3ヵ月まで


非ニコチン系の製品

塩酸ブプロピオン

抗うつ薬としても使用される塩酸ブプロピオンは非ニコチン性禁煙補助薬である。ノルエピネフリン、セロトニンおよびドパミンのニューロン取り込みを阻害する比較的弱い阻害剤であるが、モノアミン酸化酵素は阻害しない。塩酸ブプロピオンが患者の禁煙能力を強化する正確な機序については不明である;しかしながら、この作用はノルアドレナリン作用性機序またはドパミン作用性機序により媒介されると推定されている。

表6.塩酸ブプロピオン

商品名 用量 副作用 注意事項および予防措置
Rx=処方薬。
Rx ザイバン 150mg/日×3日、その後300mg/日×7~12週まで増量 不眠症、口渇、めまい感、鼻炎 ウェルブトリンまたはウェルブトリンSRと併用しない
過食症または食欲不振症の治療を受けている患者においては痙攣発作の発生率がより高い
過食症治療を受けている患者には300mg/日を超える用量を処方してはならない


表7.バレニクリン

商品名 用量 副作用 注意事項および予防措置
Rx=処方薬。
Rx チャンティックス 1~3日目は0.5mg/日、4~7日目は0.5mg 1日2回、その後は12週目まで1.0mg 1日2回 吐き気、不眠症 腎機能に障害がある患者では毒性のリスクが大きくなる
小児および妊婦での検証はなされていない


フルオキセチン

ザイバン(塩酸ブプロピオン)は禁煙のためにFDAに承認された唯一の抗うつ薬であるが、Prozac(塩酸フルオキセチン)も有効であることが示されている。 [54]

表8.フルオキセチン

商品名 用量 副作用 コメント
Rx=処方薬。
Rx Prozac 30~60mg/日 不眠症、めまい感、食欲不振症、性的不能、錯乱 認知的行動療法との併用については、参考になるデータは限られている


シチシン

シチシンは自然発生した合成物で、50年以上前に植物のキングサリ属(Cytisus laburnum)のニコチン性アセチルコリン受容体部分アゴニストから単離されたものである。 [55] シチシンはブルガリアをはじめとした東欧諸国において、1970年代に発表された臨床試験を含めて禁煙のために長く使用された歴史を有する。この古い証拠は暴露されていなかったため、最近になって西欧諸国において試験が実施されるようになった;系統的レビューおよびメタアナリシスにより、プラセボと比較してシチシンの明確な有益性が示された。 [55] すべての試験(n = 9試験;シチシン群の参加者が2,141人、プラセボ群の参加者が1,879人)を総合すると、シチシン群の最も長期間の追跡で禁煙に対する併合されたRRは、プラセボと比較して1.59(95%CI、1.43-1.75)であった。解析を2008年以降に発表された質の高い2試験に限定すると、禁煙に対する併合されたRRは、3.29(95%CI、1.84-5.90)であった。 [55] 重篤な有害事象の証拠は認められなかったが、シチシン群(12%)ではプラセボ群(7%)と比較して消化管症状がより一般的に認められた。 [55]

ニュージーランドのランダム化試験では、シチシン(n = 655)とNRT(n = 655)が比較された。 [56] NRTを受けた群と比較して、シチシン群は1ヵ月経過時(40% vs 31%;リスク差9%;95%CI、4-15%)、2ヵ月経過時(31% vs 22%;リスク差9%;95%CI、4-14%)、および6ヵ月経過時(22% vs 15%;リスク差7%;95%CI、2-11%)の禁煙継続率が高かった。 [56] 有害事象に関して、重篤な有害事象については両群間で差は認められなかったが、シチシン群とNRT群を比較すると、吐き気と嘔吐(28イベント vs 2イベント)および睡眠障害(28イベント vs 2イベント)はシチシン群でより一般的に認められた。 [56] この試験は、以下の結果のために注目に値する:

  1. シチシンが禁煙のための薬物療法として効力があることを示す証拠が既に相当数あることが大いに強調された。
  2. 有効であることが認識されているNRT製品よりもシチシンの方が効力があることが示された。

表9.シチシン

商品名 用量 副作用 コメント
mg = ミリグラム;OTC = 市販薬;Rx = 処方薬。
シチシン(RxおよびOTC) Tabex、Desmoxan 1.5~9.0mg/日 吐き気、嘔吐、睡眠障害 3~4週間の使用、1~3日目:2時間ごとに1錠;4~12日目:2時間半ごとに1錠;13~16日目:3時間ごとに1錠;17~20日目:4時間ごとに1錠;21~25日目:6時間ごとに1錠


ロベリン

ロベリン(Bantron)はFDAによってカテゴリーIII作用薬に分類され、安全であるが、その有効性は明らかにされていない。この製品は、効力の不足のため、いかなる禁煙プログラムにおける使用にも推奨されない。 [57]

その他の薬物

クロニジンおよびノルトリプチリンは、第二選択の薬物療法としておそらく有用であろうことが示唆されているが、これらの薬物の禁煙への使用にはFDAの承認が得られていない。ノルトリプチリンはニコチンを含まない抗うつ薬である。5件のランダム化比較試験のメタアナリシスからは、ノルトリプチリンを投与された喫煙者では、6ヵ月後に禁煙を維持している可能性がプラセボを投与された喫煙者の2.4倍であったことが示された(95%CI、1.7-3.6)。 [58]

減煙

禁煙に関心があるが、すぐにやめる試みをする準備はできていない喫煙者において、1日当たりの喫煙本数を徐々に減らして禁煙していくことは実用的な介入戦略であると証明される可能性がある。この「禁煙のために減らす」アプローチがランダム化比較試験で検証された。この研究では、介入群と対照群の両群が、1日当たりの喫煙本数を8週目までに75%以上減らし、12週目までに完全に禁煙することを目標にカウンセリングを受けた。 [59] 介入群(n = 760)はまた、禁煙のための薬物療法(維持量1mgのバレニクリンを1日2回、24週間)も受けたが、対照群(n = 750)はプラセボの錠剤を受けた。15週目から24週目の自己報告による禁煙を主要エンドポイントとして、25.2%の統計的に有意なリスク差(バレニクリン群32.1% vs プラセボ群6.9%;95%CI、21.4-29.0%)が観察された。この所見の臨床的意義は、禁煙に関心はあるがやめる準備ができていない喫煙者に後の禁煙の試みの導入として1日当たりの喫煙本数を減らすことから始める動機付けを狙った介入(薬物療法で強化した)の有益性の証拠が提供されていることである。

禁煙を希望する喫煙者にとって重要な実際問題は、喫煙をきっぱりやめる場合か、または1日の喫煙本数を徐々に減らし、禁煙に導く場合のいずれの禁煙の試みが禁煙を成功させる可能性が高いかということである。米国の証拠に基づくガイドラインでは、好ましいアプローチとしてきっぱりやめる禁煙を推奨している [60] が、他の国のガイドラインはこの問題については異なっている。この話題の系統的レビューにより、結果は国によってかなり不均一であることが明らかにされたが、結果から徐々にやめる禁煙はきっぱりやめる禁煙よりも禁煙の可能性が6%低かった(これは統計的に有意ではなかった)(RR、0.94;95%CI、0.79-1.13)。 [61] この問題を直接検証するために、禁煙を希望する喫煙者697人がイングランドの31箇所のプライマリケアクリニックから募集され、徐々にやめる禁煙介入か、きっぱりやめる禁煙介入のいずれかにランダムに割り付けられた。 [62] この非劣性試験では、両介入群が予定の禁煙日前の2週間中にニコチン置換療法を受けることができた。徐々にやめる禁煙群では、予定の禁煙日までに1日の喫煙本数を75%減らすように計画された;一方、きっぱりやめる禁煙群は予定の禁煙日に完全に喫煙をやめるまでは通常の喫煙習慣を続けるように助言された。どちらの介入群も、禁煙日以降および試験の全期間にわたってニコチン置換療法を提供された。4週間経過時の長期の確認された禁煙を主要エンドポイントとして、徐々にやめる禁煙群では、きっぱりやめる禁煙群よりも禁煙できる可能性が低かった(39.2% vs 49.0%);この差は統計的に有意であった(リスク差、-9.8%;95%CI、2.5%-17.1%)。徐々にやめる禁煙介入群では、きっぱりやめる禁煙介入群と比較して禁煙の可能性が統計的に有意に低く、8週間(29.2% vs 36.6%;リスク差、-7.4%;95%CI、0.4%-14.3%)および6ヵ月(15.5% vs 22.0%;リスク差、-6.5%;95%CI、0.7%-12.2%)の追跡期間中に持続した。徐々にやめる禁煙の試みまたはきっぱりやめる禁煙の試みに対するベースライン時の患者の好みについて、徐々にやめる禁煙アプローチを好んだ喫煙者では4週間経過時の禁煙の可能性が低かった(38% vs 52%)ことが示されたことから、こうした方法に対する患者の好みは、禁煙成功に関連する他の因子(禁煙に対する動機付け)のマーカーである可能性が示唆されている;しかしながら、ベースライン時の患者の好みで層別化した場合でも、徐々にやめる禁煙方法では、徐々にやめる禁煙アプローチを好んだ喫煙者(34.6% vs 42.0%)ときっぱりやめる禁煙アプローチを好んだ喫煙者(45.8% vs 58.1%)の両方で禁煙できる可能性が低かった。この研究の全体的な臨床的意義は、この研究が、禁煙に関心のある喫煙者において薬物療法で支援した禁煙の試みという状況において、きっぱりやめる禁煙は、禁煙を試みる前に喫煙本数を徐々に減らす場合よりも有効な禁煙戦略である;このことは喫煙者の禁煙方法の好みに関係なく当てはまるという証拠を提供していることである。禁煙の試みは方法に関係なく、落胆させるべきではないが、きっぱりやめる禁煙が最も有効な戦略のようである。この状況において、きっぱりやめる禁煙は支援のない禁煙の試み(すなわち、依存者に対して全面的に一度に断ってしまう「冷えた七面鳥」)とは異なる。 [61]

依存喫煙者においては、完全な禁煙が究極の目標である。完全な禁煙が達成されない場合でも、喫煙者が喫煙本数を減らすことができるのであれば禁煙薬物療法が個人の健康(そして究極的には公衆衛生)に対して有益となりうる。喫煙と肺がんおよびその他の喫煙関連悪性疾患との関連性はきわめて用量依存的である。したがって、禁煙を達成できない喫煙者あるいは禁煙する動機のない喫煙者では、薬物療法(またはその他の方法)を用いて1日の喫煙本数を減らしていくことで有益性が得られる可能性がある。こうしたことから、この「ハームリダクション(有害性減殺)」の可能な手段としてNRTが注目を集めるようになっている。諸研究では、禁煙を試みていなかった喫煙者がNRTかプラセボにランダムに割り付けられたが、NRTに割り付けられた群ではプラセボ群と比較して1日の喫煙本数を減らせた者の割合が高かった。 [63] [64] しかしながら、NRTによる喫煙の減少は、長期にわたって持続するものではない。 [65] ブプロピオン、バレニクリン、および心理社会的介入については、ハームリダクションの手段として参考にできる証拠は少ない。このようなハームリダクション戦略については、本来喫煙をやめていたかもしれない喫煙者の禁煙がこれによって妨げられるという事態が起こりうるのではないかという問題が考えられる。実際に得られた証拠からは、減煙が将来の禁煙可能性の上昇と関連するということが示されている。 [64] [66] この他に考えられるハームリダクションの否定的な側面としては、喫煙者が1日の喫煙本数を減らしても喫煙方法に変容が起こる(例、煙をより深く吸い込むようになる)ためにタバコ有害物質への曝露量は実際には減少しないのではないかという問題がある。禁煙中にはニコチン濃度を維持しようと煙を深く吸い込むあるいは1本のタバコを長く吸うなどの代償行動が現れてくるが、こうした問題に対しては、おそらくNRTを併用することが防衛手段となるであろう。喫煙バイオマーカーの測定を行ったNRTを用いた減煙法に関する諸研究からは、代償行動は出現するものの、その影響は1日の喫煙本数の減少からもたらされると予測される曝露量の減少の効果を上回るものではないという証拠が得られている。 [63]

禁煙のための奨励金プログラム

奨励金プログラムは禁煙の取り組みに対する追加の支援を提供できる。最近のランダム化試験からの結果は、そのようなプログラムの効力は、報酬の支払い方法によって大きな影響を受けうることを示唆している。 [67] [68]

この試験では、2,538人の参加者が4つの奨励プログラムの1つまたは通常ケアのいずれかにランダムに割り付けられた。4つのプログラムは、範囲(2つのプログラムが個人を標的にし、2つのプラグラムが6人の参加者のグループを標的にした)と奨励金の構造(個人に焦点を当てたプログラムの1つとグループに焦点を当てたプログラムの1つでは6ヵ月経過時に禁煙を達成した参加者に約$800の奨励金が支給された;残りのプログラムでは最初に$150の払い戻し可能な保証金を要求し、禁煙成功時には報酬金の支払いに$650が補われた)の組み合わせであった。4つの介入群の論理的根拠は、1)人は利益追求型よりもロス回避型である、および2)他者との協力/競争は介入の効力を増進できるという行動観察に基づいていた。 [67]

介入の効果には、以下の主要な範囲が調査された:

  1. 介入の受容。
  2. 介入の効力。

intent-to-treat解析およびプロトコルに基づく解析の両方が実施され、後者に付随するバイアスの可能性に対しては徹底的な感度分析が行われた。intent-to-treat解析(介入の全般的な効力が評価された)では、すべての奨励金群が通常ケアよりも有意に高い6ヵ月禁煙率を示した(9.4~16%に対し、通常ケアでは6%)。6ヵ月禁煙率はグループに焦点を当てた群と個人に焦点を当てた群でほぼ同じであった(それぞれ、13.7%および12.1%;P = 0.29)が、奨励金に基づくプログラムの方が保証金に基づくプログラムよりも禁煙率が高かった(15.7% vs 10.2%;P < 0.001)。 [67]

しかしながら、保証金に基づく介入では奨励金に基づく介入よりも受容率が劇的に低い(14% vs 90%)ことを示したプロトコルに基づく解析で、どちらかのプログラムへ参加する意思を示した推定13.7%の参加者において、奨励金に基づくプログラムよりも保証金に基づくプログラムの方が、6ヵ月禁煙率は13.2%(95%CI、3.1-22.8)高いことが推定された。すなわち、保証金に基づく介入は奨励金に基づく介入よりも効力があるが、人々にプログラムを受けるように誓わせることは困難である。 [67]

タバコ製品およびニコチン送達装置に関する市場の変化

タバコ製品およびニコチンを送達する装置の市場拡大は、タバコ制御のための新たな障害となっている。 [69] [70] [71] [72] [73] 米国市場における通例とは異なるタバコ製品の例としては、小さい葉巻、水タバコ(「hookah」)、Swedish snusに倣った新たな種類の煙の出ない風味をつけたタバコ製品がある。タバコ以外のニコチン送達装置として突出したものとして電子タバコ(または「e-cigarette」)があり、その使用は急増しており、現在では米国の主要なタバコ会社で市販されている。 [69] [70] こうしたタバコ製品の拡大、タバコ製品の使用方法(例、タバコ製品の切り替え、複数の使用、および禁煙のための利用)、および通常の紙巻きタバコの喫煙と比較したこれらの使用に伴う有害性および有益性を監視することは、より効果的なタバコ制御戦略を発展させるためにきわめて重要である。

これらの新たなタバコ製品の潜在的なリスクと有益性を明らかにする研究が始められようとしている。ニュージーランドにおける3群の試験では、禁煙を希望している成人の喫煙者657人全員が禁煙電話相談に紹介され、ニコチンを含むe-cigarette、ニコチンパッチ、またはプラセボのe-cigaretteのいずれかを受ける群にランダムに割り付けられた。 [74] 3ヵ月の介入とさらに3ヵ月の追跡後、6ヵ月の禁煙継続率が主要アウトカムとされ、それぞれ7.3%、5.8%、および4.1%であった。これらの禁煙率は、研究の3群でいずれも低く、統計的有意差は認められなかったが、効力が確立されている禁煙の薬物療法であるニコチンパッチの禁煙率と同等の禁煙率がe-cigaretteによってもたらされたという予備的証拠が得られている。また試験結果から、ニコチンを含むe-cigaretteは禁煙介入の幅を広げる可能性があることが示唆された。ニコチンパッチに割り付けられた群と比較して、e-cigaretteに割り付けられた群は治療に対する遵守率が高く(78% vs 46%;P < 0.0001)、禁煙を望んでいる友人に自分たちが割り付けられたタバコ製品を薦めるつもりであると報告することが多かった(88% vs 56%;P値の報告なし)。 [74]


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本要約の変更点(11/16/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

有益性の証拠

減煙サブセクションは広範囲にわたって改訂された。

本要約はPDQ Screening and Prevention Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、予防と禁煙およびタバコ使用の制御について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Screening and Prevention Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board.PDQ Cigarette Smoking.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/risk/tobacco/quit-smoking-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389444]

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

免責条項

これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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