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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

乳がんおよび婦人科がんの遺伝学(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-12-01
    翻訳更新日 : 2017-02-22

PDQ Cancer Genetics Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、乳がんおよび婦人科がんの遺伝学について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Cancer Genetics Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

子宮内膜がん がん遺伝学 乳がん 上皮性卵巣がん

要旨

この要旨では、本PDQ要約で扱う乳がんおよび婦人科がんの遺伝学の話題について概要を示すとともに、各話題に関するエビデンスを記述した以下の詳細セクションへのハイパーリンクを提供する。



  • 関連する遺伝子および症候群


    乳がんおよび卵巣がんはいくつかの常染色体優性遺伝がん症候群で認められるが、これらは BRCA1 および BRCA2 における浸透度の高い生殖細胞病原性多様体と最も強く関連している。 PALB2 TP53 (リー-フラウメニ症候群に関連)、 PTEN (コーデン症候群に関連)、 CDH1 (びまん性胃がんおよび小葉がん症候群に関連)、 STK11 (ポイツ・ジェガース症候群に関連)など、他の遺伝子は比較的高い浸透度を有しており、これらのがんのいずれかまたは両方のリスクを高める。


    遺伝性子宮内膜がんは、最も一般的に、浸透度の高いミスマッチ修復遺伝子、MLH1MSH2MSH6PMS2、およびEPCAMにおける遺伝性病原性多様体により引き起こされる疾患であるLSLSに関連している。大腸がん(および、程度は低いものの、卵巣がんおよび胃がん)もまたLSに関連している。


    また、 CHEK2 BRIP1 RAD51 ATM などの遺伝子は、乳がんおよび/または婦人科がんと中等度の浸透度で関連している。全ゲノム検索全ゲノム検索は、乳がんおよび婦人科がんを含む多くの複合疾患に対する一般的な低浸透度の感受性アレルを同定する上で有望であることを示しているが、これらの知見の臨床的有用性は依然として不明である。



  • 臨床管理


    乳房の磁気共鳴画像法やマンモグラフィなどの乳がんスクリーニング乳がんスクリーニング戦略は、一般的にBRCA病原性多様体キャリアと乳がんのリスクが高い個人に実施される。遺伝学および家族歴のために一般集団におけるよりもリスクが高い個人におけるスクリーニングは、一般的に比較的早い年齢で開始され、より頻繁な間隔で実施することが推奨される。こうした戦略はがんの早期発見に有用であることを示す証拠がある。これに対して、がん抗原125検査および経膣超音波検査を用いた婦人科がんスクリーニング婦人科がんスクリーニングががんの早期発見につながることを示す証拠は現在までのところ得られていない。


    リスク低減のための乳房切除術リスク低減のための乳房切除術(RRM)およびリスク低減のための卵管-卵巣摘出術リスク低減のための卵管-卵巣摘出術(RRSO)といったリスク低減のための手術は、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける乳がんおよび/または卵巣がん発症リスクを有意に低下させ、全生存を改善することが示されている。タモキシフェンおよび経口避妊薬の使用を含めた化学予防戦略化学予防戦略もまた、この集団において調査されている。タモキシフェンタモキシフェンの使用は、乳がん治療後のBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおいて対側乳がん対側乳がんのリスクを低下させることが示されているが、健康な女性のBRCA2病原性多様体キャリアにおける原発がんの予防についてはタモキシフェンにより乳がんリスクが低下することを示唆するデータは限られている。経口避妊薬経口避妊薬の使用は、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアを含めて卵巣がんの発症リスクを予防する効果があり、1975年以降に開発された製剤を用いた場合は乳がんリスクの増加と関連していない。



  • 心理社会的問題および行動に関する問題


    心理社会的因子心理社会的因子は、遺伝性がんリスクに対する遺伝子検査についての決定およびリスクの管理戦略に影響する。遺伝子検査の受診遺伝子検査の受診は研究間で大きく異なる。検査の受診との関連が認められた心理学的要因には、がんに特異的な苦悩と、乳がんまたは卵巣がんの発症リスクに対する認識があった。諸研究により、キャリアと非キャリアの両者で遺伝子検査後、特に長期間経過後は苦悩のレベルが低くなること苦悩のレベルが低くなることが示されている。RRMおよびRRSOの受診率RRMおよびRRSOの受診率もまた研究間で異なっているが、がんの個人歴、年齢、家族歴、医療提供者の推奨、および治療前の遺伝学教育およびカウンセリングといった因子による影響を受けている可能性がある。乳がんおよび婦人科がんの遺伝リスクについての患者の家系員との連絡患者の家系員との連絡は複雑である;性別、年齢、および血縁の程度はこの情報の開示に影響を及ぼす要素である。高リスク家系における心理社会的問題および行動に関する問題をより良く理解し、取り組むための研究が進行中である。


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一般情報

[注: 本要約で用いられている多くの医学および科学用語についての解説がNCI Dictionary of Genetics Termsに用意されている。リンクが張られた用語をクリックすれば、別のウインドウにその定義が表示される。]

[注: 現在、遺伝学的多様性を記載するための用語体系を変化させるべく、遺伝学のコミュニティにおいて協調的な取組みが進められている。その変化とは、研究対象の個人または集団と参照配列との間に存在する遺伝学的な差異を記載する際に、従来の「mutation(突然変異ないし変異)」ではなく、「variant(多様体ないしバリアント)」という用語を使用するというものである。多様体はさらに、良性(無害)(benign [harmless])、おそらく良性(likely benign)、意義不明(of uncertain significance)、おそらく病原性(likely pathogenic)、病原性(疾患を引き起こす)(pathogenic [disease causing])のいずれかに分類することができる。本要約では、全体を通じて、疾患を引き起こす突然変異に対して病原性多様体(pathogenic variant)という用語を使用する。多様体の分類に関する詳しい情報については、がん遺伝学の概要の要約を参照のこと。]

[注: 本要約に記載されている多くの遺伝子および病態については、Online Mendelian Inheritance in Man(OMIM)データベースに用意されている。遺伝子名または病態名の後ろにOMIMがある場合は、OMIMボタンをクリックすると詳しい情報にリンクする。]

乳がんは、非メラノーマ性皮膚がんに続いて女性に最も一般的に診断されるがんであり、肺がんに続いてがんによる死亡原因の2番目となっている。2016年には、249,260人が新たに乳がんと診断され、乳がんによる死亡例は40,890例になると推定される。 [1] 乳がんの発生率は、特に50歳を過ぎて発生するエストロゲン受容体陽性のがんで低下しており、2003年以降はさらに急速な割合で低下している;これは、時期的にみてWomen's Health Initiative(WHI)による初期の報告後にホルモン補充療法(HRT)が減少したことに関係している可能性がある。 [2] 2016年には、推定22,280人の新たな卵巣がん症例が予想され、推定14,240人が死亡する。卵巣がんは、女性において5番目に致死的ながんである。 [1] 2016年には、推定60,050人の新たな子宮内膜がん症例が予想され、推定10,470人が死亡する。 [1] (乳がん、卵巣がん、および子宮内膜がんの割合、診断、および管理に関する詳しい情報については、乳がんの治療上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの治療;および子宮内膜がん(子宮体がん)の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

乳がんおよび卵巣がんリスクに対して考えられる遺伝的寄与は、家族歴(詳しい情報については、以下の乳がんの危険因子乳がんの危険因子卵巣がんの危険因子卵巣がんの危険因子、および子宮内膜がんの危険因子子宮内膜がんの危険因子のセクションを参照のこと)を有する女性の間でこれらのがんの発生増大があること、およびがん感受性について常染色体優性パターンで遺伝する乳がんおよび/または卵巣がんに多数の家系員が罹患している一部の家系を観察することによって示される。引き続いて家系の正式な研究(連鎖解析)が乳がんおよび卵巣がんに対する常染色体優性素因の存在を明らかにし、多くの家系における遺伝性発がんリスクの原因として複数の浸透度の高い遺伝子を同定するに至った。(連鎖解析に関する詳しい情報については、がん遺伝学の概要に関するPDQ要約を参照のこと。)これらの遺伝子における病原性多様体は一般集団においてはまれであり、全乳がんおよび卵巣がん例の5~10%に過ぎないと推定される。他の遺伝因子がこれらのがんの発生機序に寄与している可能性が高い。

乳がんの危険因子

一般集団における乳がんの危険因子に関する情報については、乳がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。

遺伝性がん遺伝子を含む家族歴

成人を調査対象とする横断研究では、調査対象となった女性の5~10%は母親または姉妹が乳がんに罹患しており、約2倍の数の女性が、第一度近親者(FDR)か第二度近親者のどちらかに乳がんの罹患者がいた。 [3] [4] [5] [6] 乳がん家族歴によってもたらされるリスクは、ボランティアおよび集団ベースのサンプルを用いて、ケースコントロール研究およびコホート研究で評価され、おおむね一致した結果が得られている。 [7] 38件の研究のプール解析では、乳がんに罹患しているFDRによってもたらされる乳がんの相対リスク(RR)は、2.1であった(95%信頼区間[CI]、2.0-2.2)。 [7] リスクは罹患している近親者の数、診断時年齢、家系員における両側性乳がんまたは同側における複数の乳がんの発生、および罹患している男性近親者の数に伴い増加する。 [4] [5] [7] [8] [9] スウェーデンのFamily Cancer Databaseからの大規模集団ベース研究により、乳がんの母親または姉妹がいる女性では乳がんのリスクが有意に高いという知見が確認された。家系において1人の乳がんを有する女性のハザード比(HR)は1.8(95%CI、1.8-1.9)、複数の乳がんの家族歴を有する女性では2.7(95%CI、2.6-2.9)であった。家系に複数の乳がんを有し、1人が40歳前に発症している女性のHRは3.8(95%CI、3.1-4.8)であった。しかしながら、この研究ではまた、近親者が60歳以上であった場合に乳がんリスクが有意に増加することが明らかにされ、家系における乳がんは年齢に関係なくリスクをある程度増加させることが示唆されている。 [9] (BRCA1/BRCA2病原性多様体を有する家系出身であるが、自身は家族性病原性多様体の検査が陰性である女性における家系的リスクの考察については、本要約のBRCA病原性多様体の浸透度BRCA病原性多様体の浸透度のセクションを参照のこと。)

年齢

乳がんの累積リスクは年齢とともに増大し、大半の乳がんは、50歳以降に発症する。 [10] 遺伝的感受性を有する女性では、乳がんおよび卵巣がん(卵巣がんでは程度は低い)を、散発例よりも若年齢で発症する傾向にある。

出産歴

一般的に、乳がんのリスクは、初潮が早い人および閉経が遅い人ほど高く、低年齢で第1子を満期出産すると低下する。比較的若年(30歳前)で妊娠するBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアでは乳がんリスクが高い可能性があり、BRCA1病原性多様体キャリアにはより有意な影響がみられる。 [11] [12] [13] 同様に、授乳はBRCA1(ただし、BRCA2ではない)病原性多様体キャリアにおける乳がんリスクを低下させうる。 [14] 妊娠が乳がんの転帰に及ぼす影響については、妊娠中の乳がんの診断も乳がん後の妊娠もBRCA1またはBRCA2病原性多様体を保有する女性における不良な生存転帰とは関連していないようである。 [15] 出産歴はBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにとって予防的であるようであり、さらに40歳以前の生児出生には追加の予防効果があると考えられる。 [16]

出産歴は卵巣がんおよび子宮内膜がんのリスクにも影響しうる。(詳しい情報については、本要約の卵巣がんの危険因子卵巣がんの危険因子および子宮内膜がんの危険因子子宮内膜がんの危険因子のセクションにある出産歴のセクションを参照のこと。)

経口避妊薬

経口避妊薬(OC)は、長期服用者に乳がんリスクのわずかな増大をもたらすが、これは短期的な作用のようである。54件の研究から得られたデータのメタアナリシスによれば、経口避妊薬服用に関連する乳がんリスクは、乳がんの家族歴に関係して変化することはなかった。 [17]

BRCA1およびBRCA2の病原性多様体キャリアを対象にした卵巣がん予防に、経口避妊薬が推奨されることがある。(詳しい情報については、本要約の卵巣がんの危険因子卵巣がんの危険因子のセクションにある経口避妊薬経口避妊薬のセクションを参照のこと。)データが完全に一貫しているわけではないが、メタアナリシスの結論では、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおいて経口避妊薬を使用しても、乳がんリスクに有意な増加は認められなかった。 [18] しかしながら、1975年より前に製剤化された経口避妊薬の使用は、乳がんのリスク増加と関係していた(要約相対リスク[SRR]、1.47;95%CI、1.06-2.04)。 [18] (詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体キャリアの臨床管理BRCA病原性多様体キャリアの臨床管理のセクションにある生殖因子生殖因子のセクションを参照のこと。)

ホルモン補充療法

閉経後HRTと乳がんとの関連性に関して、観察研究とランダム化臨床試験の両方からデータが得られている。51件の観察研究から得られたデータのメタアナリシスにより、閉経後に5年以上HRTを受けた女性における乳がんのRRが1.35(95%CI、1.21-1.49)と示された。 [19] WHIによる閉経後の女性約160,000人を対象にしたランダム化比較試験(NCT00000611)では、HRTのリスクと有益性が調査された。16,000人以上の女性を併用HRTかプラセボ投与のいずれかにランダムに割り付けたこの研究で、エストロゲン + プロゲスチン群は、健康上のリスクが有益性を上回ったために早期に打ち切られた。 [20] [21] 中止を促した有害な転帰は、全乳がん(245 vs 185症例)および浸潤性乳がん(199 vs 150症例)のいずれにも有意な増加(RR、1.24;95%CI、1.02-1.5、P < 0.001)が認められたこと、冠動脈心疾患、脳卒中、および肺塞栓症のリスクが増加したことなどであった。英国のプロスペクティブ観察研究、Million Women's Studyのエストロゲン-プロゲスチン群で同様の所見がみられた。 [22] しかしながら、WHI研究ではエストロゲン単独 vs プラセボにランダムに割り付けられた女性における乳がんリスクの増加は認められなかった(RR、0.77;95%CI、0.59-1.01)。この研究のエストロゲン単独群の適格性には子宮摘出術が求められ、これらの患者の40%はまた卵巣摘出術も受けていたが、このことが乳がんリスクに影響を及ぼした可能性がある。 [23]

乳がんの家族歴をもつ女性におけるHRTと乳がんリスクとの関連には一貫性がなく;家族歴がある女性で特にリスクの増加を報告する研究がある一方で、これらの要因間に相互作用の証拠が見い出せないとする研究もある。 [24] [25] [26] [27] [28] [19] 大規模なメタアナリシスにおいてHRTの使用と関連していた乳がんリスクの増加は、家族歴がある被験者とない被験者の間では有意に異ならなかった。 [28] WHI研究では、乳がんの家族歴に関して層別化した解析が報告されておらず、被験者はBRCA1/BRCA2病原性多様体について系統的に検査されていなかった。 [21] 更年期症状の治療を目的とした短期間のホルモン剤服用は、乳がんリスクに対してほとんどまたは全く影響を及ぼさないようである。 [19] [29] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体キャリアにおけるHRTの乳がんリスクへの影響は、リスク低減のため両側卵巣摘出術の状況でのみ研究されており、短期間の補充療法は、乳がんリスクに対する卵巣摘出術の予防効果を減じないようである。 [30] (詳しい情報については、本要約のBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるホルモン補充療法BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるホルモン補充療法のセクションを参照のこと。)

ホルモン使用は子宮内膜がんの発症リスクにも影響しうる。(詳しい情報については、本要約の子宮内膜がんの危険因子子宮内膜がんの危険因子のセクションにあるホルモンホルモンのセクションを参照のこと。)

放射線曝露

広島および長崎の原爆生存者と胸部および上半身への放射線照射治療を受けた女性の観察から、放射線曝露を受けるとその結果として乳がんリスクが増大することが実証された。乳がんの遺伝的感受性を有する女性におけるこの危険因子の意義は明らかにされていない。

予備的データからは、放射線に対する感受性の増大は、BRCA1またはBRCA2病原性多様体のキャリアにおいて [31] [32] [33] [34] 、またATMおよびTP53生殖細胞多様体との関連においてがん感受性の原因となりうるということが示唆されている。 [35] [36]

乳がんの遺伝的感受性が、放射線感受性の機序を介して起こるという可能性は、放射線曝露について問題を提起する。マンモグラフィを含め診断的放射線曝露は、平均リスクの女性よりも遺伝的感受性のある女性のリスクを増大させる可能性がある。治療的放射線照射によっても発がんリスクが増大する可能性がある。しかしながら、乳房温存療法による治療を受けたBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアを対象にしたコホート研究では、キャリアの乳房、肺または骨髄における放射線感受性の増大または後遺症の証拠は示されていない。 [37] 逆に、放射線感受性は、乳がんに対する遺伝的感受性を有する女性の腫瘍を、放射線による治療に対してより敏感にさせうる。BRCA1およびBRCA2の病原性多様体キャリアを対象に、マンモグラフィを含むが、これだけに限らず放射線曝露の影響を調査した研究では、一貫した結果は得られていない。 [38] [39] [40] [41] [42] [43] 大規模な欧州の研究では、放射線総曝露量とともにリスクが上昇する線量対反応関係が示されたが、これは主に20歳前のマンモグラフィ以外の放射線曝露によって算出されたものである。 [42] その後、研究参加時点で乳がんの診断を受けていないBRCA1キャリア1,844人とBRCA2キャリア502人を対象としたプロスペクティブ研究によると、平均追跡期間が5.3年で、マンモグラフィの受診歴と乳がんリスクとの間に有意な関連性は観察されなかった。 [43] (放射線に関する詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体キャリアの臨床管理BRCA病原性多様体キャリアの臨床管理のセクションにあるマンモグラフィマンモグラフィのセクションを参照のこと。)

アルコール摂取

一般集団では、毎日のアルコール摂取量が10g(アルコール飲料約1杯以内)増えるごとに、乳がんのリスクが約10%高まる。 [44] [45] BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを対象にした先行研究では、アルコール摂取量と関連したリスク増加はみられなかった。 [46] [47]

身体的活動と人体計測的特徴

体重増加および過体重は、一般的に乳がんの危険因子として認識されている。一般に、過体重の女性では、閉経後の乳がんリスクの増大および閉経前の乳がんリスクの低下が最も一般的に観察される。座位中心の生活様式もまた危険因子となる。 [48] 乳がん家族歴が陽性の女性またはがん素因性病原性多様体キャリアにおいて、これらの因子の評価は系統的に行われていないが、1件の研究で、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおいて、運動と関連するがんのリスク低下が示唆された。 [49]

良性乳房疾患とマンモグラフィでの乳腺密度

良性乳房疾患(BBD)は、乳がんの危険因子であり、その他の乳がんの主な危険因子(年齢、初潮年齢、第1子出産年齢および乳がん家族歴)の影響からは独立したものである。 [50] また、BBDと乳がんの家族歴との間にも関連がみられることがある。 [51]

乳がんのリスク増大は、乳房撮影による評価で乳房組織密度が高い女性でも実証されており [50] [52] [53] 、乳房組織密度は乳がん発生機序において遺伝的要素を有する可能性が高い。 [54] [55] [56]

その他の因子

乳がんと弱い関連しかもたないもの、および疫学調査で乳がんとの関連が一貫していないもの(例、喫煙)を含め、その他の危険因子は、特定の遺伝子型によって定義された女性のサブグループにおいて重要であろう。ある研究 [57] で、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアの喫煙者では乳がんリスクが低下することが明らかにされたが、延長された追跡研究では、関連は認められなかった。 [58]

卵巣がんの危険因子

一般集団における卵巣がんの危険因子に関する情報については、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。

遺伝性がん遺伝子を含む家族歴

生殖因子、人口統計学的因子および生活様式因子は、卵巣がんのリスクを増大させるが、最も大きな卵巣がんの危険因子は、疾患の家族歴である。公表された15件の研究の大規模なメタアナリシスによれば、卵巣がんのFDRを少なくとも1人もつ場合の卵巣がんリスクに対するオッズ比は3.1と推定された。 [59]

年齢

卵巣がん発生率は、年齢30歳から50歳まで直線的に上昇し、その後もペースは落とすものの上昇を続ける。30歳未満では、遺伝性がんの家系でも上皮性卵巣がんの発症リスクはごくわずかである。 [60]

出産歴

出産経験がないことは、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを含めて、卵巣がんリスクの増加と一貫して関連しているが、1件のメタアナリシスでリスクの低下を確認できたのは4人以上の生児出生が得られた女性のみであった。 [13] リスクは、排卵誘発剤を使用している女性でも高く、特に妊娠経験のない女性で顕著であった。 [61] [62] 数件の研究で、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおける経口避妊薬の使用後、卵巣がんのリスク低下が報告されている [63] [64] [65] ;リスク低下はまた、BRCA1キャリアにおける卵管結紮術後にも示されており、この手技の実施後、22~80%という統計的に有意なリスク低下が得られている。 [65] [66] これに対して、閉経期のホルモン補充療法(HRT)の使用が、卵巣がんのリスクの増大と関連しているという証拠はますます高まり、特に長期使用者やエストロゲン-プロゲステロンの連続投与を受けている者で顕著である。 [67] [68] [69] [70]

手術歴

両側卵管結紮術および子宮全摘出術は、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを含めて、卵巣がんリスクの低下 [61] [71] [72] と関連している。 [73] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体をもつことが証明されリスク低減のための卵管-卵巣摘出術を選択する女性では、卵巣がんのリスクが90%以上低下する。この同じ集団において、リスク低減のための卵巣摘出術は続発性乳がんのリスクもほぼ50%低下させるという結果をもたらした。 [74] [75] (これらの研究に関する詳しい情報については、本要約のリスク低減のための卵管卵巣摘出術リスク低減のための卵管卵巣摘出術のセクションを参照のこと。)

経口避妊薬

4年間以上の経口避妊薬の使用は、一般集団における卵巣がんリスクの約50%の低下と関連している。 [61] [76] すべてではないものの、大部分の研究もまた、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおける経口避妊薬の保護的な役割を支持している。 [66] [77] [78] [79] [80] BRCA病原性多様体キャリア13,627人を含む18件の研究を対象としたメタアナリシスでは、経口避妊薬使用に関連して、卵巣がんリスクの有意な低下(SRR、0.50;95%CI、0.33-0.75)が報告された。 [18] (詳しい情報については、本要約の化学予防化学予防のセクションにある経口避妊薬経口避妊薬のセクションを参照のこと。)

子宮内膜がんの危険因子

一般集団における子宮内膜がんの危険因子に関する情報については、子宮内膜がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。

遺伝性がん遺伝子を含む家族歴

高エストロゲン状態は子宮内膜がんの最も一般的な素因であるが、家族歴もまた、ある女性の疾患リスクにおいて重要な役割を果たしている。子宮がん症例の約3~5%は遺伝的原因によるものであり [81] 、主要な遺伝性子宮内膜がん症候群は、集団の有病率が300人に1人から1,000人に1人の常染色体優性遺伝疾患であるリンチ症候群(LS)である。 [82] [83] (詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約のLSのセクションを参照のこと。)

年齢

年齢は子宮内膜がんの重要な危険因子である。子宮内膜がん女性のほとんどが閉経後に診断される。50歳前に子宮内膜がんを診断される女性はわずか15%であり、40歳前に診断されるのは5%未満である。 [84] LSの女性は比較的早い年齢で子宮内膜がんを発症する傾向があり、診断時年齢中央値は48歳である。 [85]

出産歴

多経産、遅発初経、早期閉経などの生殖因子は、エストロゲンへの累積曝露量を低下させ、プロゲステロンへの相対的な曝露量を上昇させるため、子宮内膜がんのリスクを低下させる。 [86] [87]

ホルモン

I型子宮内膜がんのリスクを増加させるホルモン因子の解明が進んでいる。すべての子宮内膜がんに共通して、プロゲステロンよりもエストロゲンが優勢にみられる。エストロゲンへの長期曝露または拮抗されないエストロゲン療法は子宮内膜がんのリスクを増加させる。エストロゲンへの内因性曝露は肥満、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、および未経産の結果として起こる一方、外因性エストロゲンは拮抗されないエストロゲンまたはタモキシフェン投与の結果として起こる。拮抗されないエストロゲン療法はその使用期間に比例して、子宮内膜がんの発症リスクを2~20倍増加させる。 [88] [89] 選択的エストロゲン受容体モジュレータのタモキシフェンは乳房組織においてはエストロゲンアンタゴニストとして作用する一方、子宮内膜に対してはエストロゲンアゴニストとして作用することで、子宮内膜がんリスクを増加させる。 [90] これとは対照的に、経口避妊薬、レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム、およびエストロゲン-プロゲステロンの併用ホルモン補充療法はいずれも、子宮内膜に対するプロゲステロンの抗増殖性効果により、子宮内膜がんリスクを低下させる。 [91] [92] [93] [94]

乳がんおよび婦人科がんの素因の常染色体優性遺伝

乳がんおよび婦人科がんの常染色体優性遺伝は、家族の母系または父系を通じて世代から世代へとがん素因を伝達することで特徴付けられ、以下の特性を有する:


  • 50%の遺伝リスク。両親のいずれかが、常染色体優性遺伝的素因を有する場合、子供それぞれにその素因が遺伝する可能性は50:50である。この素因を受け継ぐリスクは50%であるが、不完全浸透および/または性限定発現または性別に関係する発現があるので、この素因をもつ者すべてにがんが発生するわけではない。

  • 男女とも、常染色体優性のがん素因を受け継ぐ可能性がある。がん素因を受け継ぐ男性も、その変異遺伝子を息子および娘に伝達する可能性がある。

乳がんおよび卵巣がんは、いくつかの常染色体優性遺伝がん症候群の構成要素である。両方のがんと最も強く関連する常染色体優性遺伝がん症候群はBRCA1またはBRCA2病原性多様体を伴う症候群である。乳がんはまた、TP53病原性多様体によるリー-フラウメニ症候群リー-フラウメニ症候群およびPTEN病原性多様体によるコーデン症候群コーデン症候群の一般的な特徴である。 [95] 随伴する特徴として乳がんを含むことがある他の遺伝症候群には、毛細血管拡張性失調症遺伝子毛細血管拡張性失調症遺伝子のヘテロ接合体キャリアおよびポイツ・ジェガース症候群ポイツ・ジェガース症候群がある。卵巣がんもまたリンチ症候群、基底細胞母斑(ゴーリン)症候群(OMIM)、および多発性内分泌腫瘍1型(OMIM)との関連が認められている。 [95] リンチ症候群は主に大腸がんおよび子宮内膜がんに関連しているが、数件の研究により、リンチ症候群の患者はまた尿管および腎盂の移行上皮がん;胃、小腸、肝臓と胆管、脳、乳房、前立腺、および副腎皮質のがん;さらに皮膚皮脂腺腫瘍(ムア-トレ症候群)を発症するリスクも存在することが実証された。 [96] [97] [98] [99] [100] [101] [102]

これらの常染色体優性遺伝がん症候群の原因となっている遺伝子における生殖細胞系病原性多様体により、特徴的な悪性腫瘍の臨床的に異なった表現型を生じ、場合によっては、関連した非悪性異常が生じることもある。

遺伝性のがん素因が疑われる家族特性には以下のものがある:


  • 家族内での複数のがん。

  • がんが散発例(遺伝的リスクを伴わない症例と定義される)よりも早い年齢で典型的に発生する。

  • 一個人における複数の原発がん。これらには、同じタイプの多発原発がん(例、両側乳がん)または異なるタイプの原発がん(例、同一個人の乳がんと卵巣がんや同一個人の子宮内膜がんと結腸がん)が考えられる。

  • 男性の乳がん症例。常染色体優性遺伝疾患が遺伝するリスクは男女ともに50%であるが、遺伝子の浸透度の違いにより家族内で非罹患者がある程度発生する。

図1および図2は、それぞれBRCA1およびBRCA2の病原性多様体の古典的な遺伝的特徴の一部を示している。図3は古典的なリンチ症候群家系を示している。(これらの家系図で用いられる標準的なシンボルの定義については、がんの遺伝学的リスク評価とカウンセリングに関するPDQ要約の標準的な家系図命名法の図を参照のこと。)

図1.BRCA1家系図。この家系図は、乳がんまたは卵巣がんを若い年齢で発症した罹患家系員など、3世代にわたってBRCA1の病原性多様体を有する家系の古典的な特徴の一部を示す。BRCA1家系は、これらの特徴の一部またはすべてを示す可能性がある。図に示しているように母系または父系を通して、常染色体優性症候群としてBRCA1病原性多様体が伝播する可能性がある。 図2.BRCA2家系図。この家系図は、乳がん(男性乳がんも含む)、卵巣がん、膵がん、または前立腺がんを比較的若い年齢で発症した罹患家系員など、3世代にわたってBRCA2の病原性多様体を有する家系の古典的な特徴の一部を示す。BRCA2家系は、これらの特徴の一部またはすべてを示す可能性がある。図に示しているように母系または父系を通して、常染色体優性症候群としてBRCA2病原性多様体が伝播する可能性がある。 図3.リンチ症候群家系図。この家系図は、結腸がんまたは子宮内膜がんを(一部の個人では若い年齢で)発症した罹患家系員など、リンチ症候群を有する家系の古典的な特徴の一部を示す。リンチ症候群家系は、これらの特徴の一部またはすべてを示す可能性がある。リンチ症候群家系には、このほか消化管がん、婦人科がん、泌尿生殖器がん、または他の結腸外のがんの個人が存在する場合もある。図に示しているように母系または父系を通して、常染色体優性症候群としてリンチ症候群が伝播する可能性がある。

BRCA1またはBRCA2病原性多様体キャリアに発生する乳がんおよび卵巣がんと非キャリアに発生する乳がんおよび卵巣がんとを区別する疾病特有の特徴はない。BRCA1病原性多様体キャリアに発生する乳がんは、ER陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER2/neu受容体陰性(すなわち、トリプルネガティブ乳がん)であり、基底細胞表現型(basal phenotype)を有する傾向がより高い。BRCA1関連卵巣がんは、高悪性度で組織病理学的に漿液性である可能性が高い。(詳しい情報については、本要約の乳がんの病理学乳がんの病理学および卵巣がんの病理学卵巣がんの病理学のセクションを参照のこと。)

一部の病理学的特徴によってリンチ症候群の病原性多様体キャリアと非キャリアを区別できる。リンチ症候群において発生する子宮内膜がんの顕著な特徴は、マイクロサテライト不安定性(MSI)の存在および特異的なミスマッチ修復(MMR)蛋白の欠如といったMMRの欠陥である。これらの分子的変化に加えて、腫瘍浸潤リンパ球、腫瘍周囲リンパ球、組織像が未分化型腫瘍、子宮下部起源であること、同時性腫瘍といった組織学的変化も見られる。

乳がんおよび卵巣がんのリスク評価とリスクに関する家族歴の確認における考慮事項

リスクを評価するために家族歴を用いる場合、家族歴の正確性および完全性を考慮に入れる必要がある。既報の家族歴に誤りがあるか、がんに罹患している近親者に気付かない場合もある。さらに、小家族および若年死は、家族歴から得られる情報を限定する。通常母系よりも父系の乳がんおよび卵巣がんの方が遠い血縁者まで含むので、情報を取得するのがより困難である。別個に検証した症例と自己報告型の情報を比較した場合、乳がんの家族歴の感度は比較的高く83~97%であるが、卵巣がんでは低く60%である。 [103] [104] 家族歴に依拠する場合のこの他の制限としては、養子縁組;女性が少数の家族;家族歴情報の入手の制限;がん以外の適応により、子宮、卵巣、および/または卵管が偶発的に切除されていることが挙げられる。家族歴は進化するため、時間の経過とともに両方の親の家族歴を更新することが重要である。(詳しい情報については、がんの遺伝学的リスク評価とカウンセリングのPDQ要約の家族歴の正確度のセクションを参照のこと。)

乳がんおよび婦人科がんリスクの予測モデル

乳がんおよび/または婦人科がんに罹患する個人の生涯リスクを予測するモデルが利用可能である。 [105] [106] [107] [108] 加えて、個人のBRCA1BRCA2、またはLSに伴ういずれかのMMR遺伝子に病原性多様体が生じる確率を予測するモデルも存在する。(これらのモデルの一部に関する詳しい情報については、本要約のBRCA1またはBRCA2病原性多様体の確率を予測するためのモデルBRCA1またはBRCA2病原性多様体の確率を予測するためのモデルのセクションを参照のこと。)すべてのモデルがすべての患者に対し適切に使用できるわけではない。各モデルは患者の特性や家族歴がそのモデルの元になる研究集団の特性や家族歴と類似している場合にのみ適切である。モデルが異なれば、同じ臨床シナリオに対して大幅に異なるリスク推定値が得られる可能性があるが、これらの推定値の検証は、多くのモデルで実施されていない。 [106] [109] [110]

乳がんのリスク評価モデル

一般に、乳がんリスク評価モデルは次の2種類の集団を想定して設計されている:1)乳がんあるいは卵巣がんの病原性多様体または強力な家族歴のない女性;2)乳がんまたは卵巣がんの個人歴または家族歴を有するために高リスクである女性。 [110] 第一のタイプの女性集団向けモデル(例、Breast Cancer Risk Assessment Tool [BCRAT]を基礎とするゲイルモデル、 [111] およびColditz and Rosnerモデル [112] )は、限られた家族歴に関する情報(例、乳がんに罹患した第一度近親者の数)のみを必要とする。一方、高リスク女性集団向けのモデルには、がんの発症時年齢および/または特定の乳がん感受性アレルに関するキャリア状態など、乳がんおよび卵巣がんの個人歴と家族歴についてより詳細な情報が必要となる。後者のモデルで用いられる遺伝因子は多様であり、1つのリスク遺伝子を想定するモデル(例、クラウスモデル [113] )もあれば、2つの遺伝子座を想定するモデル(例、International Breast Cancer Intervention Study [IBIS]モデル [114] やBRCAPROモデル [115] )もあり、さらには複数の遺伝子座に加えて多遺伝子性の要素も想定するモデル(例、Breast and Ovarian Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation Algorithm [BOADICEA]モデル [116] [117] [118] )もある。また、モデル間には、非遺伝的な危険因子に関する情報を用いるか否かに関する相違もある。3つのモデル(ゲイル/BCRAT、Pfeiffer [108] 、IBIS)は非遺伝的な危険因子を考慮するが、それぞれが対象とする危険因子は異なる(例、Pfeifferモデルは飲酒量を用いるが、ゲイル/BCRATでは用いない)。これらのモデルが有する、がんに罹患する個人と罹患しない個人との識別能は限定的であり、これが高いモデルほど識別能が1に近く、低いモデルほど0.5に近いとすると、現行のモデルの識別能は0.56~0.63の範囲に収まる。 [119] 既存のモデルが将来のがんを予測する精度は一般に、プロスペクティブ研究においてより高いと評価されている。 [110] [120] [121] [122]

米国では、BRCAPRO、クラウスモデル、 [113] [123] およびゲイル/BCRATモデル [111] が臨床的カウンセリングにおいて広く用いられている。これらのモデルから得られるリスク推定値は、患者によって異なる。より詳細な家族歴情報を含む他のいくつかのモデルも用いられており、以下で考察する。

乳がんリスク評価モデルの臨床使用に関する他の留意事項

ゲイルモデルは、BCRATというコンピュータプログラムの基礎になっており、この評価ツールは1-800-4-CANCER(1-800-422-6237)のCancer Information Serviceへ電話することで米国国立がん研究所(NCI)から入手可能である。ゲイルモデルのこのバージョンは、浸潤性乳がんリスクのみを推定するものである。ゲイル/BCRATモデルは、マンモグラフィによるスクリーニングを毎年受けている白人女性の大規模集団において、乳がんリスクの予測で適度な正確度を有することが明らかになっている;しかしながら、試験対象のコホートにより信頼性はさまざまである。 [124] [125] [126] [127] [128] [129] リスクは以下の集団で過大評価されることがある:


  • スクリーニングの推奨に従わない女性。 [124] [125]

  • リスクの最も高い層の女性。 [127]

ゲイル/BCRATモデルは35歳以上の女性に対して妥当である。このモデルは本来、白人女性を対象に開発された。 [128] その後、浸潤性乳がんのアフリカ系米国人女性1,600人以上と対照1,600人以上から得られたデータでリスク推定を較正し、アフリカ系米国人女性用の拡張ゲイルモデルが開発された。 [130] さらに、高リスクの一塩基多型と病原性多様体が拡張ゲイルモデルに組み込まれている;しかしながら、現在、これらの拡張モデルでリスクを計算するソフトウェアは存在しない。 [131] [132] 乳房組織密度を組み入れている他のリスク評価モデルが開発されているが、臨床での使用には時期尚早である。 [133] [134]

一般的に、以下の特性の1つ以上に該当する家系には、ゲイル/BCRATモデルを単独で用いるべきではない:


  • 乳がんまたは卵巣がんに罹患している個人が複数いる(特に50歳未満で診断された乳がんが1例以上ある場合)。

  • 乳がんと卵巣がんの両方を患っている女性が1人いる。

  • アシュケナージユダヤ人である先祖に乳がんまたは卵巣がんを1例以上認める(こうした家系は遺伝性がん感受性症候群を有する可能性が高いため)。

家族歴を組み入れている一般的なモデルには、IBIS、BOADICEA、BRCAPROの各モデルがある。IBIS/Tyrer-Cuzickモデルは遺伝的要因と非遺伝的要因の両方を組み入れている。 [114] 3世代にわたる家系を用いて、ある人がBRCA1/BRCA2病原性多様体または浸透度が低いと想定される遺伝子のいずれかを保有している可能性が推定される。さらに、このモデルでは、出産歴、肥満指数(BMI)、身長、初潮年齢、第1子出産年齢、閉経年齢、HRT開始年齢などの個人的な危険因子も組み入れている。遺伝的要因と非遺伝的要因の両方を組み合わせてリスクが推定される。BOADICEAモデルは家族歴を調査して乳がんリスクを推定し、BRCA1/BRCA2BRCA1/BRCA2以外の遺伝的危険因子の両方を組み込んでいる。 [117] BOADICEAモデルとBRCA1/BRCA2に関する情報を使用する他のモデルとの最も重要な相違は、BOADICEAが乳がんの基礎的な遺伝学に関する知見により適合するように、複数の遺伝子座だけでなく多遺伝子性の要素を考慮に入れていることである。 [116] [117] [118] しかし、これらのモデルの識別能と較正は、独立したサンプルで比較した場合に大きく異なる; [120] IBISモデルとBOADICEAモデルでは、残りの生涯リスクを推定する場合に比べ、より短い一定期間(例、10年)のリスクを推定する場合に、より類似した結果が得られる。 [120] 通常、あらゆるがんのリスク推定モデルは、より短期間(例、5年または10年)について検証されているため、残りの生涯リスクの推定よりも一定期間のリスク推定の方が正確で、臨床状況における有用な手法となりうる。

加えて、容易に利用でき、当人の危険因子に基づいて集団レベルのリスクとの関係から女性個人のリスクに関する情報を提供するモデルも、臨床状況では有用となるであろう(例、Your Disease Risk)。こうしたツールは、平均リスクの女性に関する情報を使用して開発されており、絶対リスク推定値は算出しないが、それでもなお予防に関するカウンセリングを受ける女性には役立ちうる。いくつかのリスク評価モデルに対して、大規模コホートを用いた開発と検証により、遺伝的データと非遺伝的データ、乳腺密度、その他のバイオマーカーの組み込みが進められている。

卵巣がんリスク評価モデル

卵巣がんに関しては、2つのリスク予測モデルが開発されている。 [107] [108] Rosnerモデル [107] では、閉経年齢、初潮年齢、経口避妊薬の使用、卵管結紮が用いられた;C統計量は0.60であった(0.57-0.62)。Pfeifferモデル [108] では経口避妊薬の使用、閉経期のホルモン療法、乳がんまたは卵巣がんの家族歴が用いられ、識別能は0.59と同等であった(0.56-0.62)。いずれのモデルも十分に較正されたが、双方とも識別能はそれほど高くなく、スクリーニングにおける有用性は限定的であった。

子宮内膜がんリスク評価モデル

Pfeifferモデルは一般集団における子宮内膜がんの予測に使用されている。 [108] この相対リスクモデルでは、子宮内膜がんに関して、BMI、閉経期のホルモン療法、閉経状態、閉経年齢、喫煙状態、経口避妊薬の使用状況が用いられた。同モデルの識別能は0.68であった(0.66-0.70);このモデルは、ほとんどのサブグループで子宮内膜がんの発生を過大評価したが、最もBMIが高い層の女性、閉経前女性、閉経期に10年以上ホルモン療法を受けている女性では、がんを過小評価した。

対照的に、MMRpredict、PREMM1,2,6、MMRproの3つは、リンチ症候群(LS)に罹患しうる個人の識別に用いられる定量的予測モデルである。 [135] [136] [137] MMRpredictが対象とするのは大腸がんのみであるが、MSIと免疫組織化学(IHC)腫瘍検査の結果が考慮される。PREMM1,2,6は、他のLS関連腫瘍も検討に含めるが、腫瘍検査の結果は考慮しない。MMRproは、腫瘍検査ならびに生殖細胞検査の結果を取り入れるが、罹患した個人と罹患していない個人をリスク定量化プロセスに含めるため、より多くの時間を要する。これら3種類の予測モデルはいずれも、MMR遺伝子の病原性多様体を有する大腸がん患者の特定において、従来のアムステルダムおよびBethesda基準と同等である。 [138] しかし、これらのモデルは大腸がん患者を対象に開発、検証されたため、結腸がん患者を対象とした場合に比べて、子宮内膜がん患者のLSに対する識別能が低い。 [139] 実際に、病原性多様体キャリアの識別に関するMSIおよびIHCの感度と特異度はこれらの予測モデルよりもかなり高く、子宮内膜がん女性のLSスクリーニングにおける分子的な腫瘍検査の実施が支持される。

表1に、臨床状況で広く用いられている乳がんおよび婦人科がんのリスク評価モデルについて、それぞれの特色をまとめた。これらのモデルは、検討される家族歴の範囲、非遺伝的な危険因子を含むか否か、キャリアの状態および多遺伝子性リスクを考慮するか否かという点(モデルへの入力)に相違がある。さらに、生成されるリスク推定の種類(モデルの出力)も異なる。これらの因子は、特定の個人に最適なモデルを選択する際に必要な情報となりうる。

表1.乳がんおよび婦人科がんの年齢別絶対リスク算出に用いられる予測モデルの概要

モデル 家族歴(入力) 病原性多様体(入力) 危険因子(入力) 生成されるリスク推定値(出力)
利用可能なモデルに関する詳しい情報は、NCIのCancer Risk Prediction and Assessmentウェブサイトを参照のこと。
BCRAT = Breast Cancer Risk Assessment Tool(乳がんリスク評価ツール);BOADICEA = Breast and Ovarian Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation Algorithm(乳がんおよび卵巣がん発生およびキャリア推定に関する解析アルゴリズム);IBIS = International Breast Cancer Intervention Study(国際乳がん介入研究)。
a高リスクは、該当するがんの種類の個人歴または家族歴を有する人と定義される。
bモデルの基礎的な想定としてポリジーンを考慮する。

乳がんのリスク評価モデル

平均リスクの女性のモデル
ゲイル/BCRAT 第一度近親者(乳がん) いいえ はい 乳がん
Pfeiffer (乳房) [108] 第一度近親者(乳がん、卵巣がん) いいえ はい 乳がん
Colditz and Rosner [112] なし いいえ はい 乳がん
高リスク女性のモデルa
クラウス [113] 数世代にわたる(乳がん) いいえ いいえ 乳がん
BRCAPRO 数世代にわたる(乳がん、卵巣がん) BRCA1/2 いいえ 乳がん;BRCA1/2病原性多様体を有するリスク(%)
IBIS 数世代にわたる(卵巣がん) BRCA1/2 はい 乳がん;BRCA1/2病原性多様体を有するリスク(%)
BOADICEA b 数世代にわたる(膵がん、乳がん、卵巣がん) BRCA1/2 いいえ 乳がんおよび卵巣がん;BRCA1/2病原性多様体を有するリスク(%)

卵巣がんのリスク評価モデル

平均リスクの女性のモデル
Rosner [107] なし いいえ はい 卵巣がん
Pfeiffer (卵巣) [108] 第一度近親者(乳がん、卵巣がん) いいえ はい 乳がん
高リスク女性のモデルa
BOADICEA b 数世代にわたる(膵がん、乳がん、卵巣がん) BRCA1/2 いいえ 乳がんおよび卵巣がん;BRCA1/2病原性多様体を有するリスク(%)

子宮内膜がんのリスク評価モデル

平均リスクの女性のモデル
Pfeiffer (子宮内膜) [108] なし いいえ はい 子宮内膜がん
高リスク女性のモデルa
PREMM(1,2,6) 数世代にわたる(結腸がん、子宮内膜がん、その他のリンチ症候群関連がんおよびポリープ) いいえ いいえ MLH1MSH2MSH6病原性多様体を有するリスク(%)
MMRpro 数世代にわたる(結腸がん、子宮内膜がん) いいえ いいえ MLH1MSH2MSH6病原性多様体を有するリスク(%)
MMRpredict [135] 数世代にわたる(結腸がん、子宮内膜がん) いいえ いいえ MLH1MSH2MSH6病原性多様体を有するリスク(%)



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遺伝性乳がんおよび/または婦人科がんに対する遺伝的感受性の浸透度

病原性多様体を有する人にある疾患が発症する割合を浸透度と呼ぶ。一般に、がん感受性に関連する遺伝子多様体で高頻度のものは、まれな遺伝子多様体より浸透度が低い。図4図4は、このことを示している。成人発症型疾患では、浸透度は通常、個々のキャリアの年齢、性別、および臓器の部位で記述される。例えば、女性のBRCA1病原性多様体キャリアにおける乳がんの浸透度はしばしば、50歳までおよび70歳までで示される。浸透度を推定する方法は多くあるが、バイアスの可能性のないものはなく、個々のキャリアのがんリスクの測定にはある程度の不確かさが存在する。

図4.がんリスクの遺伝子構成。このグラフでは、低い相対リスクはゲノムワイド関連解析で同定された一塩基多型などの高頻度で低浸透度の遺伝子多様体に関連し、高い相対リスクは遺伝性乳がんや卵巣がんに関連するBRCA1/BRCA2遺伝子やリンチ症候群に関連するミスマッチ修復遺伝子の病原性多様体などのまれな高浸透度の遺伝子多様体に関連しているという全般的な知見が示されている。

本要約全体を通して、相対リスクおよび絶対リスクについて報告している研究が考察されている。これらは重要であるが異なる2つの概念である。相対リスク(RR)とは、別のグループと比較したリスクの推定値を示す(例、ある危険因子に曝されていない女性に対する乳がんのようなアウトカムのリスクと比較した、同じ危険因子に曝された女性に対する乳がんリスク)。1を超えるRRの測定値は、分子に入れられた人(すなわち、曝されている人)のリスクが分母に入れられた人(すなわち、曝されていない人)のリスクよりも高いことを意味する。1未満のRRの測定値は、分子に入れられた人(すなわち、曝されている人)のリスクが分母に入れられた人(すなわち、曝されていない人)のリスクよりも低いことを意味する。同様の相対的な解釈を伴う測定値には、オッズ比(OR)、ハザード比(HR)、およびリスク比がある。

絶対リスクの測定値には、特定のアウトカムを有する人の数、集団においてそのアウトカムを有する可能性のある人の数、および人-時間(ある人がそのアウトカムを有するリスクのある期間)が考慮され、集団内でのアウトカムの絶対負荷を反映している。絶対的な測定値にはリスクおよび割合があり、特定の時間の枠組み(例、1年、5年)または全生涯で表現される。累積リスクは、ある一定の期間に発生するリスクの測定値である。例えば、全生涯リスクは所定の平均余命(例、80または90歳)に基づいて通常計算される累積リスクの一種である。累積リスクはまた他の時間の枠組み(例、50歳まで)で表される場合がある。

疾患のアウトカムがかなりまれな可能性があるため、相対リスクの測定値が大きいからといって集団レベルで個人の実際の数に大きな影響があることにはならない。例えば、喫煙に対する相対リスクは心疾患よりも肺がんではるかに高いが、喫煙者と非喫煙者間の絶対差は比較的まれなアウトカムの肺がんよりも一般的なアウトカムである心疾患の方が大きくなる。

したがって、曝露および生物学的マーカーが連続した期間において疾患の予防に及ぼす影響を評価する場合、所定の危険因子の全体的な影響を比較検討する際に相対的影響と絶対的影響間の差を認識することが重要である。例えば、乳がんの多くの危険因子に対する影響の大きさは30%(例、ORまたはRRが1.3)程度であるが、これはある危険因子(例、飲酒、初産年齢が高齢、経口避妊薬の使用、閉経後の身体のサイズ)を有する女性では、その危険因子を有していない場合と比較して、乳がんが相対的に30%増加することを意味している。ただし、リスクの絶対的増加は疾患の基礎にある絶対リスクに基づいている。図5図5および表2表2は、1.3程度の相対危険因子が絶対リスクに及ぼす影響を示している。(これらの家系図で用いられる標準的なシンボルの定義については、がんの遺伝学的リスク評価とカウンセリングに関するPDQ要約の標準的な家系図命名法の図を参照のこと。)示されているように、乳がんの家族歴を有する女性は、危険因子の低減により絶対スケールではるかに高い便益を得る。 [1]

図5.これら5つの家系では家族歴の程度が異なる発端者が描かれている。表2がこの図に添えられている。

表2.乳がん家族歴が異なる女性における相対リスク1.3の危険因子を変更した場合の効果a

家族歴 生涯リスク(%) 危険因子修正後の生涯リスク(%) 絶対リスク差(%) 相対リスク
aこの表に添えられている図5図5を参照のこと。
低い(家系1) 10.9  8.4 2.50 1.29(29%のリスク増加)
中等度(家系2) 21.6 16.8 4.80 1.28(28%のリスク増加)
中等度/高い(家系3) 27.1 21.3 5.80 1.27(27%のリスク増加)
高い(家系4) 32.0 25.3 6.70 1.26(26%のリスク増加)
BRCA1病原性多様体(家系5) 53.7 44.2 9.50 1.21(21%のリスク増加)


多重遺伝子パネル検査(下記下記を参照のこと)の使用が増加するにつれ、新たな遺伝子に病原性多様体が発見された個人におけるがんリスクを管理するために、年齢別の、生涯の、および絶対的ながんリスクに関するデータを組み込んだ枠組みが記述されている。 [2] この枠組みでは、これらの個人におけるスクリーニング開始年齢を、この集団のがんの5年リスクが、一般集団の女性においてスクリーニングがルーチンに開始される年齢(米国における乳がんについて約1%)に近づいたときとするように提唱されている。結果として、スクリーニング開始年齢は遺伝子によって異なることになる。


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多重遺伝子(パネル)検査

次世代の塩基配列決定法が利用可能になり、アメリカ合衆国最高裁判所がヒト遺伝子に特許権を設定することはできないと判決したことから、現在ではいくつかの臨床検査施設から、単一遺伝子検査と同程度の費用で多重遺伝子パネルを用いた遺伝子検査が提供されている。BRCA1BRCA2の検査でさえ、2つの遺伝子に限定したパネル検査である。卵巣/卵管/腹膜がん全体の約25%が遺伝性の遺伝子疾患によるものである。これらのうち約4分の1(卵巣/卵管/腹膜がん全体の6%)は、ファンコニー貧血経路と関係している多くの遺伝子を含むBRCA1BRCA2以外の遺伝子か、そうでなくとも相同的組換えが関与している遺伝子に起因している。 [1] BRCA1BRCA2病原性多様体が陰性の卵巣がん患者集団では、多重遺伝子パネル検査によりアクション可能な病原性多様体を明らかにできる。 [2] [3] 選択されていない乳がん患者集団におけるBRCA1BRCA2の病原性多様体の保有率は6.1%であったが、他の乳がん/卵巣がん素因遺伝子における病原性多様体の保有率は4.6%であった。 [4] 注意点としては、意義不明の多様体の所見の可能性があることで、臨床的な意義は依然として不明である。遺伝性乳がんおよび卵巣がん以外の症候群で懸念される家族歴がある場合、またはより重要な点として、特に保険上の制約がある場合に、1つの検査によって可能な限り多くの遺伝子情報を得るために、現在では多くのセンターが単なるBRCA1BRCA2の検査の代わりに多重遺伝子パネル検査を提供している。

(遺伝学教育およびカウンセリングの考慮、ならびに多重遺伝子検査の使用を検討している研究を含む多重遺伝子検査に関する詳しい情報については、がんの遺伝学的リスク評価とカウンセリングのPDQ要約の多重遺伝子(パネル)検査のセクションを参照のこと。)


参考文献
  1. Walsh T, Casadei S, Lee MK, et al.: Mutations in 12 genes for inherited ovarian, fallopian tube, and peritoneal carcinoma identified by massively parallel sequencing. Proc Natl Acad Sci U S A 108 (44): 18032-7, 2011.[PUBMED Abstract]

  2. Frey MK, Kim SH, Bassett RY, et al.: Rescreening for genetic mutations using multi-gene panel testing in patients who previously underwent non-informative genetic screening. Gynecol Oncol 139 (2): 211-5, 2015.[PUBMED Abstract]

  3. Desmond A, Kurian AW, Gabree M, et al.: Clinical Actionability of Multigene Panel Testing for Hereditary Breast and Ovarian Cancer Risk Assessment. JAMA Oncol 1 (7): 943-51, 2015.[PUBMED Abstract]

  4. Tung N, Lin NU, Kidd J, et al.: Frequency of Germline Mutations in 25 Cancer Susceptibility Genes in a Sequential Series of Patients With Breast Cancer. J Clin Oncol 34 (13): 1460-8, 2016.[PUBMED Abstract]

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高浸透度の乳がんおよび/または婦人科がん感受性遺伝子

BRCA1とBRCA2

疫学研究は、乳がんおよび卵巣がんの重要な危険因子としての家族歴の役割を明確にしてきた。性別や年齢に次いで、陽性家族歴は乳がんの最も強力な既知の予測危険因子である。しかしながら、一部の家系において、(母系と父系の両方の家系を通して)常染色体優性と思われる伝達パターンで、ときに他の臓器、特に卵巣および前立腺の腫瘍を含めて若年での発症、両側性、複数世代での乳がんの存在を特徴とする遺伝性乳がんが存在することが長い間認識されている。 [1] [2] 現在では、これらの「がん家系」の一部は、1つのがん感受性遺伝子における特異的病原性多様体によって説明できることが分かっている。変異が生じた場合には、乳がん/卵巣がんリスクの有意な増大と関連する数種の遺伝子の単離は、リスクのある人の同定を可能にする。このようながん感受性遺伝子は非常に重要であるが、浸透度の高い生殖細胞病原性多様体は乳がん全体の5~10%に過ぎないと推定される。

1988年のある研究で、一部の家系における常染色体優性遺伝特性として乳がんを分離したという初の定量的証拠が報告された。 [3] 乳がんの遺伝的感受性に関連する遺伝子の探索は、多くの罹患者が含まれる大規模家系を対象とした研究によって促進され、BRCA1BRCA2TP53PTEN/MMAC1STK11など、いくつかの感受性遺伝子の同定に至っている。ミスマッチ修復遺伝子であるMLH1MSH2MSH6PMS2など他の遺伝子は卵巣がんリスクの増加と関連しているが、乳がんとの関連は一貫していない。

BRCA1

1990年のことであるが、17番染色体の長腕(interval 17q12-21)に、乳がんの感受性遺伝子が遺伝子連鎖を基にマップされた。 [4] その後すぐに、他の研究によって乳がんと染色体17q上の複数の遺伝子マーカーとの連鎖が確認され、さらに連鎖の認められる家系において、乳がんおよび卵巣がんの両がんの感受性の同時伝達を示す証拠が観察された。 [5] その後、ポジショナルクローニング法によってBRCA1遺伝子(OMIM)が同定され、1,863個のアミノ酸からなる蛋白をコードする24個のエクソンを含んでいることが明らかになっている。BRCA1における生殖細胞病原性多様体は早期発症型乳がん、卵巣がん、および卵管がんと関連している。(詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体の浸透度BRCA病原性多様体の浸透度のセクションを参照のこと。)男性の乳がん、膵がん、精巣腫瘍、および早期発症型前立腺がんもまたBRCA1における病原性多様体と関連している [6] [7] [8] [9] ;しかしながら、男性の乳がん、膵がん、および前立腺がんはBRCA2における病原性多様体とより強く関連している。

BRCA2

BRCA1と連鎖がなかった乳がんの複数症例を含む15の家系を対象に行った連鎖研究により、第2の乳がん感受性遺伝子であるBRCA2が、13番染色体長腕に存在することが明らかにされた。BRCA2の病原性多様体(OMIM)は多発乳がん家系と関連しており、また、男性の乳がん、卵巣がん、前立腺がん、悪性黒色腫、および膵がんとも関連している。 [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] (詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体の浸透度BRCA病原性多様体の浸透度のセクションを参照のこと。)BRCA2は、3,418個のアミノ酸からなる蛋白をコードする27個のエクソンを有する巨大遺伝子である。 [15] BRCA1BRCA2は相同遺伝子ではないが、両遺伝子とも通常大きなエクソン11を有し、エクソン2に翻訳開始部位が存在する。BRCA1と同様にBRCA2は、腫瘍抑制遺伝子のように振る舞う。BRCA1BRCA2の両方の病原性多様体と関連する腫瘍では、しばしば野生型アレルが欠失している。

乳がんの症例のみが多数存在する家系の45%および乳がんと卵巣がんの両方が存在する家系の最高90%においては、BRCA1およびBRCA2の病原性多様体が疾患の原因とみられる。 [16]

BRCA1とBRCA2の機能

ほとんどのBRCA1およびBRCA2病原性多様体は、切断されているが故に蛋白の機能を失った蛋白産物を産生すると予測されているが、切断を伴わずに機能喪失を起こすミスセンス病原性多様体もある。遺伝性乳がん/卵巣がんは常染色体優性の病態であるため、17番または13番染色体の片方のコピー上にBRCA1またはBRCA2病原性多様体が存在する個人であっても、対の染色体の他方には正常アレルが保有されている。病原性多様体のキャリアで研究されてきたほとんどの乳がんおよび卵巣がんでは、正常アレルの欠失が認められ、その結果すべての機能が失われていたことから、BRCA1およびBRCA2は腫瘍抑制遺伝子として分類されることになった。BRCA1およびBRCA2は、腫瘍抑制遺伝子としての役割に加えて、またその一部として、相同DNA修復、ゲノム安定性、転写調節、蛋白ユビキチン化、クロマチン再構築、および細胞周期制御といった細胞内での無数の機能に関与している。 [17] [18]

BRCA1とBRCA2の病原性多様体

BRCA1およびBRCA2における配列の変化ならびに約2,000の異なる多様体が既に記述されている。 [19] 一般集団では、400~800人中約1人がBRCA1またはBRCA2に生殖細胞病原性多様体を保有しうる。 [20] [21] がんリスク増大に関連する多様体によって、蛋白の欠如や、機能しない蛋白が生じることは、BRCA1およびBRCA2が腫瘍抑制遺伝子であるという仮説を裏付ける。このような病原性多様体のうちの少数は非血縁家系で繰り返し認められるのに対し、ほとんどの病原性多様体は少数の家系でしか報告されていない。

多様体スクリーニング法は、それぞれ感度が異なる。一本鎖DNA高次構造多型解析やコンフォメーション高感度ゲル電気泳動などの研究施設で広く用いられている方法では、DNA塩基配列決定法により検出される多様体のほぼ1/3が見逃される。 [22] さらに、DNAの直接塩基配列決定法を含むほとんどの技法では、転座逆位、大規模な欠失または挿入など、広範なゲノムの変化は見逃されるが、これらについての検査は市販されている。BRCA1の不活性化多様体の12~18%は、このような再構成が原因であると考えられるが、BRCA2およびアシュケナージユダヤ人(AJ)の子孫では頻度がより低い。 [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] さらに、諸研究でこれらの再構成がヒスパニック系およびカリブ人集団ではより頻繁に見られることが示唆されている。 [27] [29] [30]

意義不明の多様体

BRCA1/BRCA2遺伝子における生殖細胞病原性多様体は、約60%の乳がん生涯リスクおよび15~40%の卵巣がん生涯リスクと関連する。BRCA1BRCA2では確実な機能検査の方法は存在しない;したがって、機能的影響が有害であるか良性であるかを予測するためにヌクレオチド変化を分類する場合には、不完全なデータを基にしなければならない。病原性多様体として認められている大多数は、蛋白の切断および/または重要な機能ドメインの欠失を引き起こすものである。しかしながら、BRCA1およびBRCA2の全塩基配列の遺伝子検査を受けた全個人の10~15%では、明らかな病原性多様体は検出されず、意義不明の多様体(variant of uncertain significance[VUS])のみが検出される。VUSが検出されると、カウンセリングで問題が生じることがあり、特にがんリスクの推定やリスク管理という面では大きな問題となってくる。こうした患者の臨床管理は、高度に個別化される必要があり、そのVUSが良性であるか有害であるかの特徴付けに役立つ情報源に加えて、患者および家族のがん病歴などの因子を考慮に入れなければならない。そのため、改善された分類および報告システムは臨床的に有用な可能性がある。 [31]

Myriad Genetic Laboratories, Inc.により実施された連続する7,461件の全遺伝子配列解析の包括的分析により、3年間にわたるVUSの頻度が示された。 [32] 明らかな病原性多様体が検出されなかった被験者のうち、13%で「臨床的意義が不確定のミスセンス突然変異およびイントロン領域に発見される突然変異、BRCA1およびBRCA2のそれぞれ1,853番目および3,308番目のアミノ酸で蛋白を切断するペプチド鎖終結変異、ならびにこれらの蛋白の正常な終止コドンが除去される突然変異」と定義されたVUSが検出された。塩基配列多様体のVUSへの分類は時間の経過とともに変化していく場合がある。明らかな病原性多様体が検出されなかった被験者のうち別の6.8%は、当初VUSと考えられていたが、多型またはときに病原性多様体として再分類された塩基配列変異を有していた。

米国の集団内では、VUSの頻度は民族性により異なる。アフリカ系米国人のVUS発生率が最も高いようである。 [33] Myriad社からのデータの2009年の研究において、アフリカ系の個人は、全民族で最も高い割合である16.5%がVUSを有した。アジア系、中東系、ヒスパニック系の各集団におけるVUSの頻度は10~14%であったが、この数値は限られた規模の標本に基づいている。時間の経過とともに、VUSに分類される変化の割合はすべての民族で減少しているが、これは主として多様体分類アルゴリズムが向上しているためである。 [34] 追加の情報が選別および解釈されるにつれて、VUSの再分類が行われている。 [35] [36] このような情報は、罹患者に現在行われているケアに影響しうる。

中立的なVUSから有害なものを弁別するための方法が数多く用意されており、統合された方法(下述参照) [41] を含めて新たな方法の開発も進行している。 [37] [38] [39] [40] VUSの解釈は、家系内のがんとこうしたVUSが共分離していないかどうかを明らかにするために、家系内に認められるこのようなVUSを追跡するためのあらゆる努力によって大いに助けられている。一般的に、病原性多様体を有する個人で観察されたVUSは、そのVUSが別の病原性多様体とともに同定された場合は特に、それ自体は有害である可能性は低いが、まれに例外がみられる。臨床情報の補助として、VUSを解釈するためのモデルが、塩基配列の保存、アミノ酸変化の生化学的性質 [37] [42] [43] [44] [45] [46] 、BRCA1およびBRCA2関連腫瘍の病理学的特徴に関する情報(例、BRCA1関連乳がんは通常エストロゲン受容体[ER]陰性である)の組み入れ [47] 、および特定の塩基配列変異がBRCA1またはBRCA2蛋白の活性に及ぼす影響を調べる機能検査 [48] [49] に基づいて開発されている。VUSを解釈しようとする場合には、利用可能な情報のすべてを検討するべきである。

BRCA1またはBRCA2病原性多様体を有する可能性の集団推定値

家族歴を問わないさまざまながん罹患歴を有する女性および男性の標本集団において、BRCA病原性多様体キャリアであると判明した個人の割合に関する統計が以下に提供されている。これらのデータは、がん遺伝カウンセリングへの紹介および遺伝子検査の検討により最も恩恵が得られる可能性がある人を判別するのに役立つが、個々のリスク評価に置き換えることはできず、別の個人歴および家族歴の特徴に基付けば、これにより病原性多様体の可能性が高いか低いか分かる可能性がある。

同じ病原性多様体が、見る限り関係のない複数の家系において見いだされる場合がある。この観察は創始者効果と一致しており、現在のある集団において同定された病原性多様体が、地理的、文化的、または他の要因により隔離された1つの小規模な創始者グループに追跡できる。特に顕著なものとして、2つの特定のBRCA1病原性多様体(185delAGおよび5382insC)および1つのBRCA2病原性多様体(6174delT)が、AJに共通していると報告されている。しかしながら、アフリカ系米国人およびヒスパニック系では他の創始者病原性多様体が同定されている。 [30] [50] [51] これらの創始者病原性多様体の存在は、遺伝子検査にとって実際的な意味がある。多くの施設では、民族特異的なアレルに対して特異的な指示検査を実施している。これにより、検査の技術的な面は大きく簡素化しているが、制限がないわけではない。例えば、アシュケナージに生じるBRCA1およびBRCA2の病原性多様体の最大15%が非創始者病原性多様体であると推定されている。 [32]

一般集団がBRCA多様体を有する可能性は以下の通りである:


  • 一般集団(アシュケナージユダヤ人を除外):400人に約1人(約0.25%)。 [21] [52]

  • 乳がんの女性(全年齢):50人に1人(2%)。 [53]

  • 乳がんの女性(40歳未満):10人に1人(10%)。 [54] [55] [56]

  • 乳がんの男性(全年齢):20人に1人(5%)。 [57]

  • 卵巣がんの女性(全年齢):8人に1人~10人に1人(10~15%)。 [58] [59] [60]

AJの個人でBRCA多様体を有する可能性は以下の通りである:


  • 一般のAJ集団:40人に1人(2.5%)。 [61] [62]

  • 乳がんの女性(全年齢):10人に1人(10%)。 [63]

  • 乳がんの女性(40歳未満):3人に1人(30~35%)。 [63] [64] [65]

  • 乳がんの男性(全年齢):5人に1人(19%)。 [66]

  • 卵巣がんまたは原発性腹膜がんの女性(全年齢):3人に1人(36~41%)。 [67] [68] [69]

65歳未満の乳がん患者を対象にした米国の集団ベースの大規模研究2件では、さまざまな民族におけるBRCA1 [55] [70] およびBRCA2 [55] 病原性多様体の保有率が調査された。乳がん患者における民族ごとのBRCA1病原性多様体の保有率は、ヒスパニック系で3.5%、アフリカ系米国人で1.3~1.4%、アジア系米国人で0.5%、非アシュケナージユダヤ系白人で2.2~2.9%、およびアシュケナージユダヤ人で8.3~10.2%であった。 [55] [70] 民族ごとのBRCA2病原性多様体の保有率は、アフリカ系米国人で2.6%および白人で2.1%であった。 [55]

乳がんおよび/または卵巣がんの個人歴または家族歴を有し、米国南西部の複数のクリニックを通じて登録されたヒスパニック系の患者を対象にした研究で、BRCA1およびBRCA2病原性多様体の保有率が調査された。BRCA病原性多様体が患者746人中189人(25%)に同定された(BRCA1が124人、BRCA2が65人) [71] ;同定された189のBRCA病原性多様体のうち21の多様体(11%)が大規模な遺伝子再構成で、そのうち13の多様体(62%)がBRCA1 exon 9-12の欠失であった。メキシコ系の乳がん女性810人の非選択的コホートが検査された;4.3%がBRCA病原性多様体を有した。同定された35の病原性多様体のうち8つの多様体もまた、BRCA1 exon 9-12の欠失であった。 [72] ヒスパニック系の乳がん女性492人を対象にした別の集団ベースのコホートでは、BRCA1 exon 9-12の欠失が3人の患者で明らかにされたことから、この多様体はメキシコ人の創始者病原性多様体の可能性があり、米国の同様のクリニックおよび集団ベースのコホートにおけるBRCA1の全病原性多様体のうち、10~12%を占めると示唆されている。クリニックベースのコホート内で、9つの反復性病原性多様体がみられ、このコホートで観察された全多様体の53%を占めたことから、この集団における追加の創始者病原性多様体の存在が示唆されている。

AJの原発卵管がん患者29人に関するレトロスペクティブ・レビューでは、17%に生殖細胞系BRCA病原性多様体が特定された。 [69] 卵管がん女性108人を対象にした別の研究では、ユダヤ人女性の55.6%および非ユダヤ人女性の26.4%(全体で30.6%)に病原性多様体が同定された。 [73] BRCA病原性多様体キャリアにおける卵管がんの発生頻度の推定は、高悪性度で転移性の漿液性がん腫の原発部位を初発時に決定する精度の不足により制限される。 [6] [69] [73] [74]

集団スクリーニングでは、家族ベース検査の基準に適合しないと考えられるAJ集団の多くでキャリアが同定されている。 [62] [75] [76] [77] これにより、予防戦略から利益が得られると考えられる個人の数が拡大する可能性がある。検出率は集団における病原性多様体の保有率に強く依存しているため、このアプローチを他の創始者病原性多様体集団を含む他の集団にどのように適用するかは明らかではない。その他の未解決の問題は、全集団に対して適切な遺伝カウンセリングを提供できるかどうかである。

BRCA1またはBRCA2病原性多様体の確率に関する臨床基準および予測モデル

複数の研究で、乳がんまたは卵巣がんに罹患している女性のBRCA1またはBRCA2病原性多様体の頻度が評価されている。 [55] [56] [70] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86] BRCA1および/またはBRCA2病原性多様体の可能性が高いという関係がある個人的特徴には以下のものがある:


  • 低年齢で診断された乳がん。(カットオフとして40歳の年齢が用いられる研究もあれば、50歳の年齢が用いられる研究もある。)

  • 卵巣がん。

  • 両側乳がん。

  • 乳がんと卵巣がんの両方の既往症。

  • 年齢に関係なく男性に診断された乳がん。 [78] [79] [80] [81] [84]

  • 60歳未満の女性に診断されたトリプルネガティブ乳がん。 [87] [88] [89] [90]

  • AJの背景。 [78] [79] [81]

BRCA1および/またはBRCA2病原性多様体を保有する確率の増大に関連する家族歴の特徴には以下のものがある:


  • 乳がんの多発症例。

  • 乳がんと卵巣がんの両方が存在すること。

  • 1人以上の男性家系員における乳がん。

  • AJの背景。 [78] [79] [80] [81]

BRCA1またはBRCA2病原性多様体を有しうる個人を同定するための臨床基準および診療ガイドライン

米国臨床腫瘍学会 [91] 、National Comprehensive Cancer Network(NCCN) [92] 、米国人類遺伝学会 [93] 、American College of Medical Genetics and Genomics [94] 、米国遺伝カウンセラー学会(National Society of Genetic Counselors) [94] 、米国予防サービス作業部会(U.S. Preventive Services Task Force) [95] 、およびSociety of Gynecologic Oncologists [96] など、いくつかの専門家組織および専門家委員会は、医療提供者がBRCA1またはBRCA2病原性多様体を有する可能性のある個人を同定する際に有用な臨床基準および診療ガイドラインを開発している。

BRCA1またはBRCA2病原性多様体の確率を予測するためのモデル

個人または家系において生殖細胞系BRCA1/BRCA2病原性多様体が同定される確率を予測するために、多くのモデルが開発されている。これらのモデルには、ロジスティック回帰を用いるモデル [32] [78] [79] [81] [84] [97] [98] 、ベイズの解析を用いる遺伝子モデル(BRCAPROおよびBreast and Ovarian Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation Algorithm [BOADICEA]) [84] [99] 、およびMyriad prevalence tablesなどの経験的観察 [52] [55] [58] [100] [101] [102] が含まれる。

BOADICEAに加えて、BRCAPROは臨床状況での遺伝カウンセリングに広く用いられている。BRCAPROおよびBOADICEAは、キャリアである確率を予測し、乳がんリスクの推定値を算出する(表3表3を参照)。これらのモデルの識別能と精度(予測モデルの性能評価に用いられる因子)は、モデルで一定期間または残りの生涯リスクを予測する場合よりも、保因状態を報告する場合の方がはるかに高い。

最近では、複合分離解析を用いて、乳がんリスクとBRCA1またはBRCA2病原性多様体を有する確率の両方を調べるポリジーンモデル(BOADICEA)が発表されている。 [99] 経験を積んだ医療提供者でさえ、予測モデルを用いると、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアである確率が最も高い患者を識別する検出力が高まることが示されている。 [103] [104] ほとんどのモデルには、膵がんや前立腺がんなどの、BRCA1およびBRCA2でみられる他の種類のがんは含まれていない。個人ががんを発症する可能性を低下させる介入(卵巣摘出術や乳房切除術など)は、BRCA1およびBRCA2病原性多様体の状態を予測する能力に影響しうる。 [105] 1件の研究により、遺伝的リスクの予測モデルは利用可能な家族歴のデータ量による影響を受けやすく、家族の情報が限られている場合はあまりよく機能しないことが示されている。 [106] BOADICEAは、病原性多様体状態をより良く予測し、乳がんおよび卵巣がんリスクの推定値の精度を改善するために拡張され、追加のリスク多様体(ゲノムワイド関連解析[GWAS]一塩基多型[SNP])が組み込まれている。 [107]

モデルの成績は特定の民族集団において変動しうる。BRCAPROモデルはフランス系カナダ人家族のシリーズに最適なようであった。 [108] ヒスパニック系におけるBRCAPROモデルの性能についての結果はさまざまであり [109] [110] 、BRCAPROモデルおよびMyriad tablesの両方が、アジア系米国人集団における病原性多様体キャリアの割合を過小評価した。 [111] BOADICEAは英国女性集団を対象に開発、検証された。したがって、全リスク(表11)と遺伝リスク(表33)の両方に用いられる主要なモデルは、多様な人種または民族の女性を含む大規模集団での開発または検証を経ていない。遺伝的リスクを評価する一般的な臨床モデルのなかでは、Tyrer-Cuzickモデルだけが非遺伝的な危険因子を取り入れている。

本モデルのいくつかの検出力がさまざまな研究で比較されている。 [112] [113] [114] [115] BOADICEA、BRCAPRO、IBIS、およびeCLAUSの4つの乳がん遺伝子リスクモデルは、ドイツ人の7,352家系のコホートで、BRCA1/2病原性多様体を予測するそれぞれの診断精度が評価された。 [116] 各家系から病原性多様体を有する可能性が最も高い家系員がBRCA1/2病原性多様体についてスクリーニングを受けた。各モデルからキャリアの可能性が算出され、実際に検出された多様体と比較された。BRCAPROおよびBOADICEAは、診断精度がIBISまたはeCLAUSより有意に高かった。BOADICEAモデルの精度は、ER、プロゲステロン受容体(PR)、およびヒト上皮成長因子受容体2(HER2/neu)の腫瘍マーカーに関する情報をモデルに含めると、さらに改善された。これらのバイオマーカーの算入により、BRCAPROの性能が改善することが示されている。 [117] [118]

表3.BRCA1/2病原性多様体の確率を予測する一般的なモデルの特徴

BRCAPRO BOADICEA Tyrer-Cuzick
AJ = アシュケナージユダヤ人;BOADICEA = Breast and Ovarian Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation Algorithm(乳がんおよび卵巣がん発生およびキャリア推定に関する解析アルゴリズム);FDR = 第一度近親者;SDR = 第二度近親者。

方法

申請書に報告される個人歴および家族歴に基づくMyriad Geneticsの経験的データ 統計的モデル、常染色体優性遺伝を想定 統計的モデル、多遺伝子性リスクを想定 統計的モデル、常染色体優性遺伝を想定

モデルの特徴

発端者が乳がんまたは卵巣がんに罹患している場合もあれば、罹患していない場合もある 発端者が乳がんまたは卵巣がんに罹患している場合もあれば、罹患していない場合もある 発端者が乳がんまたは卵巣がんに罹患している場合もあれば、罹患していない場合もある 発端者は非罹患者である必要がある
乳がん診断年齢を50歳未満、50歳を超えるとして考慮する 乳がんおよび卵巣がん診断時の正確な年齢を考慮する 乳がんおよび卵巣がん診断時の正確な年齢を考慮する 乳がんリスクを推定するため、生殖因子および肥満指数も含める
1人以上の罹患近親者における乳がんは、50歳未満で診断された場合にのみ考慮する 事前の家系(すなわち、BRCA1/BRCA2病原性多様体陰性の近親者)における遺伝子検査を考慮する がんを認めるまたは認めないすべてのFDRおよびSDRを含める  
卵巣がんは年齢に関係なく1人以上の近親者で考慮する 卵巣摘出術の状態を考慮する AJ先祖を含める  
AJ先祖を含める がんを認めるまたは認めないすべてのFDRおよびSDRを含める    
非常に使用しやすい AJ先祖を含める    

限界

家族構成の考慮が簡素化/限定されている コンピュータソフトウェアおよび時間を要するデータ入力が必要 コンピュータソフトウェアおよび時間を要するデータ入力が必要 乳がんに罹患していない個人向けにデザインされている
FDRおよびSDRのみを組み入れる;リスクを最もよく把握するためおよび父方家系の疾患を説明するために発端者を変更する必要がありうる
両側乳がんにおいてリスクを過大評価しうる
乳がんの早期発症年齢 少数派集団よりも白人において性能が優れている可能性がある FDRおよびSDRのみを組み入れる;リスクを最もよく把握するために発端者を変更する必要がありうる
高悪性度の漿液性卵巣がんでは、BRCA病原性多様体のリスクが過小評価される可能性があるが、他の組織型のリスクが過大評価される可能性もある


BRCA1およびBRCA2病原性多様体に対する遺伝子検査は1996年から一般の人々が利用可能である。検査を受ける個人が増えるにつれ、リスク評価モデルが改善されている。そしてこれにより、検査提供者は個々の患者の病原性多様体保有リスクを推定するためのより良質なデータを手に入れるが、リスク評価には引き続き熟練を要する。個々の患者の個別の状況(病歴またはリスク低減のための手術など)を含めて、正確なリスク評価を提供する能力を制限しうる因子(すなわち、小規模家族、女性数の不足、または民族性)がある。

BRCA病原性多様体の浸透度

病原性多様体を有する人にその疾患が発症する割合を浸透度と呼ぶ。(詳しい情報については、本要約の高浸透度の乳がんおよび/または婦人科がん感受性遺伝子高浸透度の乳がんおよび/または婦人科がん感受性遺伝子のセクションを参照のこと。)

多数の研究で、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける乳がんおよび卵巣がんの浸透度が推定されている。乳がんと卵巣がんの両方で、リスクはBRCA2病原性多様体キャリアよりもBRCA1病原性多様体キャリアの方が高いと一貫して推定されている。2件の大規模メタアナリシスの結果を表4表4に示す。 [123] [124] 1件の研究 [123] では、BRCA1病原性多様体陽性の289人およびBRCA2病原性多様体陽性の221人を含む22件の研究からの家系データを併合して解析した。これらの研究の発端者には、女性の乳がん、男性の乳がん、または卵巣がんが含まれたが、家族歴に基づく選択は行われなかった。その後の研究 [124] では、以前の研究に加え、さらにBRCA1病原性多様体陽性の734家系およびBRCA2病原性多様体陽性の400家系を含む9件の研究から得られた浸透度の推定値が併合された。これら2件のメタアナリシスにおける70歳までの乳がん累積リスクの推定値は、BRCA1病原性多様体キャリアで55~65%、BRCA2病原性多様体キャリアで45~47%であった。卵巣がんリスクはBRCA1病原性多様体キャリアで39%、BRCA2病原性多様体キャリアで11~17%であった。

表4.BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける乳がんおよび卵巣がん累積リスクの推定値

研究 70歳までの乳がんリスク(%)(95%CI) 70歳までの卵巣がんリスク(%)(95%CI)
CI = 信頼区間。
  BRCA1 BRCA2 BRCA1 BRCA2
Antoniou et al. (2003) [123] 65 (44–78) 45 (31–56) 39 (18–54) 11 (2.4–19)
Chen et al. (2007) [124] 55 (50–59) 47 (42–51) 39 (34–45) 17 (13–21)


70歳までにがんを発症する累積リスクは、BRCA1病原性多様体キャリアの方がBRCA2病原性多様体キャリアよりも高いが、BRCA1病原性多様体キャリアでは、乳がんの相対リスク(RR)が年齢とともに低下する。 [123] 個々の特異的な多様体キャリアに対する浸透度の研究は、通常は安定性のある推定値を提供できるほど十分に規模が大きくはないが、アシュケナージ創始者病原性多様体については多数の研究が実施されている。1つの研究者グループにより、比較的大規模のメタアナリシスからアシュケナージ創始者病原性多様体の1つを有する家系のサブセットが解析され、個々の病原性多様体に対して推定される浸透度は、すべてのキャリアで対応する推定値と非常に類似していることが明らかにされた。 [125] BRCA病原性多様体を有する女性4,649人を対象としたその後の研究によると、BRCA2 6174delT多様体を有する女性では、他のBRCA2多様体を有する女性と比べて乳がんのRRが有意に低いことが報告された(ハザード比[HR]、0.35;信頼区間[CI]、0.18-0.69)。 [126]

1件の研究では、さまざまな年齢の無症状のキャリアにおけるがん発症のプロスペクティブな10年リスクが提供された。 [124] それでも、個々のキャリアにおける正確な浸透度を推定するのは困難である。卵巣がんの生涯リスクはRAD51C病原性多様体キャリアでは5.2%、BRIP1病原性多様体キャリアでは5.8%、およびRAD51D病原性多様体キャリアでは12%である。これらの患者に対し、出産終了時にリスク低減のための卵管-卵巣摘出術(RRSO)を検討してもよい。 [127] [128]

BRCA1病原性多様体キャリア19,581人とBRCA2病原性多様体キャリア11,900人で構成されるConsortium of Investigators of Modifiers of BRCA1/2(CIMBA)のデータが分析され、病原性多様体型、機能、ヌクレオチド位置に基づいて乳がんおよび卵巣がんのHRが推定された。 [129] 両方の遺伝子に乳がん集合領域と卵巣がん集合領域が認められた。乳がんおよび卵巣がんの発生リスクと診断時年齢は多様体の分類によって異なっていた。これらの発見は、実地臨床への適用前にさらなる評価を受ける必要がある。

RRSOおよび/または経口避妊薬の使用により、リスクが変化することが示されている。 [63] [123] [130] [131] [132] [133] [134] [135] (詳しい情報については、本要約のRRSORRSOのセクションおよび経口避妊薬経口避妊薬のセクションを参照のこと。)このほか、潜在的に修正可能な生殖因子およびホルモン因子もリスクに影響しうる。 [136] [137] [138] [139] [140] 乳がんおよび卵巣がんの浸透度の遺伝的修飾因子が次第に研究されるようになってきたが、現時点で臨床的に有用なものは認められていない。 [141] [142] [143] (詳しい情報については、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおけるリスクの修飾因子BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおけるリスクの修飾因子のセクションを参照のこと。)乳がんおよび卵巣がんの平均浸透度は、当初推定された値ほどは高くないものの、それらは相対的にみても絶対的にみても特に1940年以降に生まれた女性でかなり高い。さらに後に生まれたコホートでは、一貫して50歳前に比較的高いリスクが観察されており [62] [63] [144] 、より正確な個人のリスク予測を得るために、さらに可能性のある修飾因子を特徴付けるべく追加研究が必要とされる。膵がんなど、まれながんの正確な浸透度の推定値は、得られていない。

BRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がん

1995年には既に、Breast Cancer Linkage Consortiumにより、BRCA1病原性多様体キャリアにおける対側乳がん(CBC)リスクは60歳までに60%にもなると推定されていた。 [145] この報告は、米国およびヨーロッパの両方で遺伝性乳がんを有するさまざまな女性コホートを対象にした数件のレトロスペクティブ研究で追跡されている。1件のレトロスペクティブ・コホート研究では、42歳までに乳がんを診断されたAJ女性91人の記録がレビューされ、そのうち30人がBRCA1またはBRCA2病原性多様体を有した。 [146] 追跡期間中央値63ヵ月で、CBCの割合は病原性多様体キャリアで40%であったのに対し、非キャリアでは8.2%であった。キャリアではがんとがんの間隔の中央値が非キャリアよりも短かった(36ヵ月 vs 63.9ヵ月)。同じグループによる報告では、病原性多様体キャリア87人におけるCBCの5年、10年、および15年後の確率はそれぞれ、11.9%、37.6%、および53.2%であった。 [147] この臨床コホートにおけるCBCの割合は、病原性多様体のタイプ(BRCA1 vs BRCA2)または最初の診断時年齢で変わらなかった。オランダのケースコントロール研究では、BRCA1関連乳がんの女性49人と、BRCA1/BRCA2病原性多様体があるかどうか不明の乳がん症例196人(散発性がん対照群)との間でCBCの割合が比較された。 [148] 5年間の追跡で、CBCの割合は病原性多様体キャリアで20.4%であったのに対し、対照群では5.6%であった。BRCA1関連乳がん患者の拡大コホートにおいて、CBCのリスクは最初の診断時年齢と逆相関し、CBC症例の大多数が50歳以下で最初の乳がんが診断された女性に起こった。 [149] BRCA2病原性多様体が既知の症例28人と散発性対照112人をマッチさせた同様の解析では、症例でCBCが5倍多かった(25% vs 4.5%)ことが明らかになった。 [150] オランダにおけるBRCA1/BRCA2家系員を対象にしたさらに大規模な研究の報告によると、BRCA1およびBRCA2の家系の女性では10年時点でのCBCリスクが同程度(34.2%と29.2%)であった。 [151] 別の研究では、早期発症型乳がん(42歳以下)を有し、乳房温存療法を受けていた患者127人が、BRCA1およびBRCA2における病原性多様体について遺伝型が調べられた。追跡期間中央値12年で、病原性多様体が既知の患者22人のCBCの割合は42%であったのに対し、非キャリアでは9%であった。 [152] パリのキュリー研究所からの同様の解析では、追跡期間中央値8.75年で、病原性多様体キャリアにおけるCBCの割合が37%であったのに対し、非キャリアでは7.3%であったと報告された。 [153]

BRCA1/BRCA2病原性多様体が確認され、9.2年間追跡された家系の乳がん患者(n = 336)からなるさらに大規模なコホートでは、平均間隔5.5年でCBCの割合が28.9%であった。以前に卵巣摘出術を受けている場合はCBCリスクが59%低下した。 [154] 両側乳がんを有する女性を確認することで同定された病原性多様体キャリアおよび非キャリアを対象とした別のケースコントロール研究では、病原性多様体キャリアにおいて全身補助化学療法によりCBCリスクが低下したことが明らかになった(RR、0.5;95%CI、0.2-1.0)。タモキシフェンは有意ではないリスク減少と関連していた(RR、0.7;95%CI、0.3-1.8)。非キャリアでも同様なリスク減少がみられた;しかしながら、キャリアの方がCBCの絶対リスクが高いことを考えると、リスク減少における補助療法の効果も大きい可能性がある。 [155] 両側性乳がんを有するBRCA1/BRCA2キャリアとして登録された女性では、ERの状態および腫瘍の悪性度において高い一致が報告された。 [156] German Consortium for Hereditary Breast and Ovarian Cancerでは、BRCA1およびBRCA2病原性多様体が既知の家族の家系員におけるCBCリスクが推定された。最初の乳がん後25年経過時のCBCリスクは、BRCA1およびBRCA2の両方の家系で50%に近かった。この研究において、このリスクは年齢とも逆相関し、最初の乳がんが40歳前に発生した女性で最もリスクが高かった。 [157] BRCA1/BRCA2病原性多様体を有する女性655人を対象に乳房温存療法を受けた女性 vs 乳房切除術を受けた女性を比較したところ、両治療群ともCBCの割合が高く、追跡期間20年までに50%を超えることが注目された。BRCA2病原性多様体を有する女性と比較してBRCA1病原性多様体を有する女性、および最初の乳がんが35歳以前に発生した女性ではCBCの割合が有意に高かった。 [158] Women's Environmental Cancer and Radiation Epidemiology(WECARE)研究は、CBCを対象にした大規模な集団ベースのネスティド・ケースコントロール研究であり、10年時点でのCBCリスクが、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアでは15.9%で、非キャリアでは4.9%であったことが報告された。この研究でもリスクは、最初の診断時年齢と逆相関し、乳がんの第一度近親者(FDR)を1人有する個人では1.8倍高かった。 [159] 家系内でBRCA1またはBRCA2病原性多様体が同定されたI期またはII期乳がんの女性810人を対象にした研究では、149人(18.4%)がCBCを発症した;生命表法による15年リスクはBRCA1病原性多様体キャリアで36.1%およびBRCA2病原性多様体キャリアで28.5%であった。 [160] リスクは、50歳未満で診断された女性の方が50歳以上で診断された女性よりも高かった(37.6% vs 16.8%;P = 0.003)。さらに、最初の乳がんが50歳未満で診断された女性では、CBCのリスクは家族歴によって異なっていた。これらの女性について、50歳未満で乳がんが診断されたFDRが0人、1人、または2人以上の女性におけるCBCのリスクはそれぞれ、33.4%、39.1%、および49.7%であった。同様に、オランダで50歳前に浸潤性乳がんと診断された患者6,294人(BRCA1キャリア200人およびBRCA2キャリア71人を含む)のコホートにおいて、追跡期間中央値12.5年で、CBCの10年リスクは、BRCA1キャリアで21.1%(95%CI、15.4-27.4)、BRCA2キャリアで10.8%(95%CI、4.7-19.6)、非キャリアで5.1%(95%CI、4.5-5.7)であった。 [161] 最初に乳がんと診断された年齢は、BRCA1/2キャリアのみで、CBCの10年累積リスクの予測因子であった。具体的には、41歳前に診断されたBRCA1/2キャリアのCBCリスクは23.9%(BRCA1、25.5%;BRCA2、17.2%)であった;対照的に、41~49歳で診断された場合のCBCリスクは12.6%(BRCA1、15.6%;BRCA2、7.2%)であった。

BRCA1およびBRCA2キャリアで、最初に乳がんと診断されてからの対側乳がんのリスクは、レトロスペクティブおよびプロスペクティブ観察疫学研究の両方で調査されている。これらの疫学研究(レトロスペクティブ・コホート研究が18件、プロスペクティブ・コホート研究が2件)の系統的レビューおよび定量メタアナリシスでは、CBCの5年累積リスクがBRCA1キャリアで15%(95%CI、9.50%-20%)、BRCA2キャリアで9%(95%CI、5%-14%)と報告された。 [162] プロスペクティブ研究を個別に解析した場合の5年累積リスクは、BRCA1キャリアで23.4%(95%CI、9.1%-39.5%)、BRCA2キャリアで17.5%(95%CI、9.1%-39.5%)に増加した。報告された頻度の相違は、レトロスペクティブ・シリーズにもたらされるバイアスの可能性に固有なものであろう。

そのため、研究デザイン、研究施設、およびサンプルサイズに差があるにもかかわらず、BRCA1/BRCA2病原性多様体を有する女性におけるCBCに関するデータから、以下のようないくつかの一貫性のある知見が示される:


  • 研究されているすべての時点でリスクは、散発性がんの対照群のリスクよりも有意に高い。

  • リスクは最初の乳がん以降の時間とともに上昇し続け、ほとんどの研究において追跡後10年で20~30%、20年で40~50%に達する。

  • すべてではないが一部の研究で、BRCA1キャリアではBRCA2キャリアと比較してCBCの超過が示されている。

  • CBCのリスクは、最初の乳がんが若年で発生する女性において最も高い。

リスク低減のための戦略

BRCA病原性多様体キャリアにおけるリスク低減のための手術の利用に関する情報については、本要約のリスク低減のための乳房切除術リスク低減のための乳房切除術のセクションを参照のこと。BRCA病原性多様体キャリアにおけるCBCのリスク低減戦略としてのタモキシフェン使用に関する情報については、本要約の化学予防化学予防のセクションを参照のこと。

BRCA病原性多様体キャリアにおける二次悪性腫瘍としての乳がん

最近、2件の遺伝子登録ベース研究により、BRCA関連卵巣がん後の原発性乳がんのリスクが調査されている。1件目の研究では、原発性上皮性卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がんのBRCA1/2キャリア164人を対象に、その後のイベントについて追跡した。 [163] 卵巣がん診断から5年後の異時性の乳がんリスクは、非罹患BRCA1/2キャリアで過去に報告されたリスクより低かった。このシリーズでは、全生存が卵巣がん関連死亡によって大きな影響を受けていた。これより小規模な研究で、BRCA関連卵巣がん患者と非罹患キャリアにおける原発性乳がんのリスクが比較された。 [164] 卵巣がん患者では、2年、5年、および10年での原発性乳がんリスクがすべて統計的に有意な低下を示した。卵巣がんと診断される前に片側乳がんであった女性も、対側乳がんのリスクは卵巣がんではない女性より低かったが、その差は統計的有意差に達しなかった。これらの研究から、卵巣がんの治療、つまり卵巣摘出およびプラチナ製剤をベースとした化学療法は、その後の乳がん予防に役立っている可能性が示唆される。上皮性卵巣がんでBRCA病原性多様体検査を受けた患者364人を対象にした1件の単一施設のコホート研究では、135人(37.1%)がBRCA1またはBRCA2の生殖細胞病原性多様体を保有することが明らかにされた。BRCA1/2キャリア135人のうち、12人(8.9%)が乳がんを発症した。乳がんはいずれも0期からII期で次のように診断された:マンモグラム(7)、触知可能な腫瘤(3)、およびリスク低減のための乳房切除術中の偶然の発見(2)。追跡期間中央値6.3年経過時に、卵巣がんの後に乳がんを発症した患者12人中、3人が卵巣がんの再発により死亡し、1人が転移性乳がんにより死亡した。 [165] これらのがんの大多数がマンモグラムまたは診察で発見されたことから、他の方法による追加の乳房のサーベイランスまたはリスク低減のための手術に価値があるかどうかは疑わしいことが示唆されている。

女性の乳がん/卵巣がん以外のがん

女性の乳がんおよび卵巣がんは、明らかに優性ながんで、BRCA1およびBRCA2に関連している。BRCA病原性多様体ではまた、卵管がんおよび原発性腹膜がんのリスクも増加する。BRCA1病原性多様体キャリアの家系登録に関する大規模研究が1件あり、BRCA1病原性多様体キャリアでは、卵管がんのRRが一般集団と比較して120倍高いことが明らかにされている。 [6] 卵巣が損なわれていないBRCA病原性多様体キャリアでは原発性腹膜がんのリスクが高いが、RRSOから20年後でも3~4%のリスクが残存するにもかかわらず、依然として定量化が不十分である。 [166] [167] (詳しい情報については、本要約の卵巣がん卵巣がんのセクションのRRSORRSOのセクションを参照のこと。)

膵がん、男性の乳がん、および前立腺がんも一貫してBRCA病原性多様体と関連付けられており、特にBRCA2と関連している。一部の研究では、他のがんが関連付けられている。これらのがんのBRCA病原性多様体との関連性の強さは、病原性多様体キャリアにこれらのがんが観察される数が少ないため、推定がさらに困難となっている。

BRCA2病原性多様体を有する男性、および程度は低いがBRCA1病原性多様体を有する男性は、乳がんのリスクが高く、生涯リスクは、それぞれ5~10%および1~2%と推定されている。 [6] [8] [9] [168] BRCA2病原性多様体を有する男性、および程度は低いがBRCA1病原性多様体を有する男性は、前立腺がんのリスクが約3~7倍高い。 [7] [8] [12] [102] [169] [170] [171] [172] BRCA2に関連した前立腺がんも、より侵攻性であると考えられる。 [173] [174] [175] [176] [177] [178] (詳しい情報については、前立腺がんの遺伝学に関するPDQ要約の BRCA1とBRCA2 のセクションを参照のこと。)

家族性膵がん(FPC)の研究 [179] [180] [181] [182] [183] 、および膵がんの非選択シリーズ [184] [185] [186] でも、BRCA2、および程度は低いがBRCA1との関連性が裏付けられている。 [7] 全体的に、FPCを認める家系の3~15%が生殖細胞系BRCA2病原性多様体を有している可能性があり、罹患した近親者が多いほどリスクが高くなると考えられる。 [179] [180] [181] 同様に、非選択膵がんの研究では、BRCA2病原性多様体の頻度が3~7%で、AJの子孫ではこれらの数値が10%に近いことが報告されている。 [184] [185] [187] BRCA2キャリアにおける膵がんの生涯リスクは、3~5%と推定されるが [8] [12] 、これと比べ一般集団における70歳までの推定生涯リスクは0.5%である。 [188] 1,000人以上の病原性多様体キャリアを対象にした単一施設の大規模研究により、一般集団における発生率と比較してBRCA2キャリアにおける膵がんリスクが21倍であること、BRCA1病原性多様体キャリアにおけるリスクが4.7倍であることが明らかにされた。 [172] すべてではなく一部の研究では、BRCA2病原性多様体に関連した他のがんとして、黒色腫、胆道がん、頭頸部がんなどが挙げられているが、これらのリスクは、軽度(生涯で5%未満)であると考えられ、研究が不十分である。 [12]

表5.BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおけるがんの範囲

がんの部位
a前立腺がんとBRCA1およびBRCA2との関連性に関する詳しい情報については、前立腺がんの遺伝学に関するPDQ要約を参照のこと。
+++ 複数の研究で関連が実証されており、比較的一貫している。
++ 複数の研究および証拠の優位性は、肯定的である。
+ おそらく関連している、主に単一の研究;より小規模で限られた研究および/または一貫していないが、関連している傾向が認められる。
 

証拠の強さ

絶対リスクの大きさ

証拠の強さ

絶対リスクの大きさ

乳房(女性) +++ 高い +++ 高い
卵巣、卵管、腹膜 +++ 高い +++ 中程度
乳房(男性) + 未決定 +++ 低い
膵がん ++ 非常に低い +++ 低い
前立腺a + 未決定 +++ 高い


がんのリスクを調査した最初のBreast Cancer Linkage Consortium研究では、BRCA1キャリアにおいて大腸がんが過剰に多いことが報告された(RR、4.1;95%CI、2.4-7.2)。 [189] この知見は、家族ベース研究の一部では裏付けられたが [6] [7] [190] 、すべての研究で裏付けられたわけではなかった。 [8] [61] [68] [102] [191] [192] [193] しかしながら、AJ集団に限定して実施された大腸がんの非選択シリーズでは、BRCA1またはBRCA2病原性多様体の頻度は高くないことが示された。 [194] [195] [196] 以上のことを考え合わせると、本データは、大腸がんのリスクの上昇はほとんどなく、たとえあったとしても、おそらく特定の集団にしかみられないことを示唆している。そのため、現時点でBRCA1病原性多様体キャリアは、大腸がんについて集団単位のスクリーニングの推奨に従うべきである。

子宮内膜がんのユダヤ人女性200人または子宮の乳頭状漿液性がんの非選択女性56人では、遺伝性BRCA病原性多様体の保有率に増加は認められなかった。 [197] [198] (詳しい情報については、本要約の卵巣がん卵巣がんのセクションにあるリスク低減のための卵管卵巣摘出術リスク低減のための卵管卵巣摘出術のセクションを参照のこと。)

既知の家族性BRCA1/BRCA2病原性多様体に関する検査が陰性の人におけるがんリスク(真陰性)

家系内で分離しているBRCA1/BRCA2病原性多様体の検査が陰性の女性において残存する家系的リスクに関する証拠は矛盾している。その家系で分離しているBRCA1病原性多様体の検査が陰性であった女性353人のプロスペクティブ評価に基づいた初期の研究では、6,000人年を超える観察期間で乳がんが5例発生し、生涯リスクは6.8%で一般集団と同様な発生率であったことが明らかになった。 [133] 家系におけるBRCA1またはBRCA2病原性多様体の検査が陰性であった女性のリスクは5倍になりうるという報告 [199] にはその後、観察されたこの過剰リスクの多くが確認バイアスにより説明されることを示唆する多くの書簡が編集者に送られた。 [200] [201] [202] [203] [204] [205] 4件の別の解析により、約1.5倍~2倍の過剰リスクが示唆されている。 [204] [206] [207] [208] 1件の研究では、2例の卵巣がんが報告された。 [208] レトロスペクティブな分析を行っている研究が数件ある;それらの研究はすべて少数の症例の観察に基づいており、統計的有意性および臨床的意義は不明である。

他の数多くのプロスペクティブな研究による結果から、リスクが増加しないことが明らかになっている。BRCA1またはBRCA2における既知の家族性病原性多様体の検査が陰性であった女性375人を対象とした研究では、平均追跡期間4.9年で浸潤性乳がんが2例、非浸潤性(in situ)乳がんが2例報告されたが、卵巣がんの診断はみられなかった。4例の浸潤性乳がんが予想されたが、観察されたのは2例だった。 [209] 患者数は同程度だが追跡期間が長い別の研究(女性395人および追跡期間7,008人年)でも、病原性多様体陰性の女性における乳がんリスク(観察/予想[O/E]、0.82;95%CI、0.39-1.51)に統計的に有意な全般的増加は認められなかったが、乳がんのFDRが少なくとも1人いる女性では、統計的に有意でないリスクの増加がみられた(O/E、1.33;95%CI、0.41-2.91)。 [210] Breast Cancer Family Registryから得られたBRCA1病原性多様体陽性の160家系およびBRCA2病原性多様体陽性の132家系を対象とした研究では、これらの家系で非キャリアにおけるリスクが増加する証拠は認められなかった。 [211] 多様体陰性のオーストラリアの女性722人を対象とした大規模研究では、中央値6.3年の追跡期間後に6例の浸潤性乳がんが観察され、標準化発生比(SIR)が有意に高いとは認められなかった(SIR、1.14;95%CI、0.51-2.53)。 [212] 利用可能なデータに基づくと、既知の家族性BRCA1/BRCA2病原性多様体に関する検査が陰性の女性は、乳房の異型過形成の個人歴、または家族性病原性多様体を保有していない近親者における乳がんの家族歴といった十分な危険因子が他にない限り、一般集団のスクリーニングガイドラインに従えばよいと考えられる。

BRCA1/BRCA2病原性多様体が検出されない乳がん家系における乳がんおよび卵巣がんのリスク(「非決定的」)

部位特異的乳がんが認められる家系の大多数はBRCA1/BRCA2検査が陰性であり、コーデン症候群またはリー-フラウメニ症候群と一致する特徴は認められない。 [32] 集団ベースおよびクリニックベースのアプローチを用いた5件の研究では、こうした家系における卵巣がんリスクの増加は実証されていない。卵巣がんリスクは増加していなかったが、乳がんリスクは高いままであった。 [211] [213] [213] [214] [214] [215] [215] [216] [217]

BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおけるリスクの修飾因子

BRCA1およびBRCA2に病原性多様体が存在すると、乳がんと卵巣がんのリスクが高くなる。しかしながら、リスクはすべての病原性多様体キャリアで同一ではなく、がんの種類や発症時年齢、多様体の位置など、さまざまな因子によって異なることが明らかにされている。 [218] このように観察されている浸透度にばらつきがあることから、他の遺伝的および/または環境的因子により病原性多様体キャリアのがんリスクが修飾されるという仮説が立てられている。BRCA1/2病原性多様体を有する家系にみられるがんの割合にばらつきが観察されているが、このばらつきの一因となっている遺伝的および非遺伝的因子を確認している文献が増えつつある。

乳がんおよび卵巣がんリスクの遺伝的修飾因子

現在までに乳がんおよび卵巣がんリスクの遺伝的修飾因子を調査する最大規模の研究は、BRCA1キャリア15,000人およびBRCA2キャリア10,000人以上を対象にした遺伝子型および表現型のデータに関する大規模な国際事業、CIMBAからのものである。 [219] CIMBAでは、候補遺伝子解析およびGWASを用いて、乳がんおよび卵巣がんリスクの増加と低下の両方に関連するいくつかの遺伝子座が同定されている。SNPの一部は、ホルモン受容体およびHER2/neuの状態など、乳がんのサブタイプに関係している。付加されるリスクはいずれもわずかではあるが、倍数的に作用した場合、BRCA1/2病原性多様体キャリアにおけるがんリスクに重大な影響を及ぼしうる。現在、これらのSNPは臨床的意思決定のための検証はなされておらず、使用されてもいない。

表6.乳がんリスクの遺伝的修飾因子

推定遺伝子 染色体 SNP 引用文献 OR(95%CI) コメント
CI = 信頼区間;ER+ = エストロゲン受容体陽性;ER- = エストロゲン受容体陰性;OR = オッズ比;SNP = 一塩基多型。
EMBP1 1p11.2 rs11249433 1.09 (1.02–1.17) BRCA2キャリア
MDM4 1q32.1 rs2290854 1.14 (1.09–1.20) BRCA1キャリア
CYP1BI-AS1 2p22.2 rs184577 0.85 (0.79–0.91) BRCA2キャリア
CASP8 2q33 D302H variant 0.85 (0.76–0.97) BRCA1キャリア
SLC4A/NEKID 3p24.1 rs4973768 1.10 (1.03–1.18) BRCA2キャリア
MAP3K1 5q11.2 rs889312 1.10 (1.01–1.19) BRCA2キャリア
FGF10/MRPS30 5p12 rs10941679 1.09 (1.01–1.19) BRCA2キャリア
TERT 5p15.33 rs2736108 0.92 (0.88–0.96) BRCA1キャリア
5p15.33 rs10069690 1.16 (1.11–1.21) BRCA1キャリア
6q22.23 rs218341 0.89 (0.80–1.00) BRCA1キャリア
6p24 rs9348512 0.85 (0.80–0.90) BRCA2キャリア
ESR1 6q25.1 rs2046210 1.17 (1.11–1.23) BRCA1キャリア
6q25.1 rs9397435 1.28 (1.18–1.40) BRCA1キャリア
6q25.1 rs9397435 1.14 (1.01–1.28) BRCA2キャリア
LRRC4C 9q31.2 rs965686 0.95 (0.89–1.01) BRCA2キャリア
ZNF365 10q21.1 rs10995190 0.90 (0.82–0.98) BRCA2キャリア
10q21.2 rs16917302 0.84 (0.72–0.97) BRCA1キャリア、主にER+
10q21.2 rs16917302 0.75 (0.60–0.86) BRCA2キャリア
FGFR2 10q26.13 rs2981582 1.30 (1.20–1.40) BRCA2キャリア
10q26.13 rs2981582 1.35 (1.17–1.56) BRCA1キャリア、ER+
10q26.13 rs2981582 0.91 (0.85–0.98) BRCA1キャリア、ER-
LSP1 11p15.5 rs3817198 1.14 (1.06–1.23) BRCA2キャリア
PTHLH 12p11 rs10771399 0.87 (0.81–0.94) BRCA1キャリア
RAD51 15q15.1 rs1801320 3.18 (1.39–7.27) BRCA2キャリア(CC遺伝子型のホモ接合体のみ)
TOX3/TNRC9 16q12.1 rs3803662 1.09 (1.03–1.16) BRCA1キャリア
16q12.1 rs3803662 1.17 (1.07–1.27) BRCA2キャリア
BRCA1野生型 17p rs16942 0.86 (0.77–0.95) 野生型によりBRCA1が修飾される
BABAM1 19p13.11 rs8170 1.25 (1.18–1.33) BRCA1キャリア、トリプルネガティブ
19p13.11 rs865686 0.86 (0.78–0.95) BRCA2キャリア
19p13.11 rs67397200 1.17 (1.11–1.23) BRCA1キャリア、主にER-
GMEB2 20q13.3 rs311499 0.72 (0.61–0.85) BRCA2キャリア
FGF13 Xq27.1 rs619373 1.30 (1.16–3.41) BRCA2キャリア


表7.卵巣がんリスクの遺伝的修飾因子

推定遺伝子 染色体 SNP 引用文献 OR(95%CI) コメント
CI = 信頼区間;OR = オッズ比;SNP = 一塩基多型。
HOXD3 2q31 rs717852 1.25 (1.10-1.42) BRCA2キャリア
CASP8 2q33 D302H variant 0.69 (0.53–0.89) BRCA1キャリア
IRS1 2q36.3 rs1801278 1.43 (1.06–1.92) BRCA1キャリア
2q36.3 rs1801278 2.21 (1.39–3.52) BRCA2キャリア
2q36.3 rs13306465 2.42 (1.06–5.56) BRCA1キャリア、タイプIIの病原性多様体のみ
TIPARP 3q25.31 rs2665390 1.48 (1.21–1.83) BRCA2キャリア
3q25.31 rs2665390 1.25 (1.10–1.43) BRCA1キャリア
4q32.3 rs4691139 1.20 (1.17–1.38) BRCA1キャリア
8q24 rs10088218 0.81 (0.67–0.98) BRCA2キャリア
8q24 rs10088218 0.89 (0.81–0.99) BRCA1キャリア
BCN2/CNTLN 9p22.2 rs3814113 0.78 (0.72–0.85) BRCA1キャリア
9p22.2 rs3814113 0.78 (0.67–0.90) BRCA2キャリア
10p13.1 rs8170 1.15 (1.03–1.30) BRCA1キャリア
10p13.1 rs8170 1.34 (1.12–1.62) BRCA2キャリア
10p13.1 rs8170 0.78 (0.67–0.90) BRCA2キャリア
PLEKHM1 17q21.31 rs17631303 1.27 (1.17–1.38) BRCA1キャリア
17q21.31 rs17631303 1.32 (1.15–1.52) BRCA2キャリア
SKAP1 17q21.32 rs9303542 1.16 (1.02–1.33) BRCA2キャリア
CERS6 19p13.1 rs6739200 1.16 (1.05–1.29) BRCA1キャリア
19p13.1 rs6739200 1.30 (1.10–1.52) BRCA2キャリア


遺伝子型-表現型の相関

BRCA1およびBRCA2の病原性多様体を有する両方の家系において、いくつかの遺伝子型-表現型の相関が確認されている。これらの研究のどれもが、確実な結論を出すための十分な数の病原性多様体陽性の個人を調べておらず、これらの知見はおそらく個人のリスク評価およびリスク管理に使用できるほど確立されていない。BRCA2の病原性多様体が認められる25家系では、ヌクレオチド3,035と6,629に囲まれたエクソン11に卵巣がん集合領域が同定された。 [11] [235] Breast Cancer Linkage Consortiumによって集められたBRCA2の病原性多様体が認められる164家系を対象にした研究では、この初期の知見を確認した。卵巣がん集合領域内に病原性多様体があると、この領域のいずれかの側に多様体が認められる家系と比較して、卵巣がんリスクが高くなり、乳がんリスクが低下することが報告されている。 [236] また、蛋白切断性のBRCA1病原性多様体を有する356家系がBreast Cancer Linkage Consortiumによって集められた研究は、中央領域(ヌクレオチド2,401-4,190)における多様体は周辺領域に比べ乳がんのリスクが低いことを報告した。卵巣がんのリスクは、3'からヌクレオチド4,191への多様体ではかなり低下した。 [237] これらの観察は一般に、その後の研究で確認されている。 [123] [238] [239] 同じ病原性多様体を有する家系をかなりの数で研究できるアシュケナージにおける複数の研究でもまた、BRCA1の5'末端におけるBRCA1:185delAG多様体キャリアでは、この遺伝子の3'末端におけるBRCA1:5382insC多様体キャリアと比べて、卵巣がんの割合がより高いことが明らかにされている。 [240] [241] しかしながら、乳がん(特に両側乳がん)、および同一個人における乳がんと卵巣がんの両方の発生に対するリスクは、BRCA1:185delAGおよびBRCA2:6174delT多様体キャリアと比べて、BRCA1:5382insC病原性多様体キャリアにおいての方が高いようである。卵巣がんのリスクはBRCA1病原性多様体キャリアではかなり高く、BRCA2:6174delT病原性多様体キャリアの45歳未満ではまれである。 [240] [241]

BRCA1に病原性多様体が認められる122家系を対象にしたオーストラリアの1件の研究では、広範なゲノム再編成多様体は、より低い乳がん診断時年齢や両側性乳がんのより高い発生率など、乳がんおよび卵巣がんにおける高リスクの特徴に関連していた。 [242]

乳がんの病理学

BRCA1の病理学

BRCA1関連乳がんにおいてみられる病理学的パターンを評価した数件の研究により、有害な病理学的および生物学的特性との関連が示唆されている。これらの所見には、予想より高い頻度の髄様組織型、高い組織学的悪性度、壊死領域、索状増殖パターン、異数性、高いS期分画、高い分裂指数、および高頻度のTP53多様体が含まれる。 [148] [243] [244] [245] [246] [247] [248] [249] 3,797人のBRCA1病原性多様体キャリアを対象とした大規模な国際的シリーズで、乳がん診断時年齢の中央値は40歳であった。 [249] 乳房腫瘍が発生したBRCA1キャリアのうち、78%がER陰性;79%がPR陰性;90%がHER2陰性;69%がトリプルネガティブであった。これらの知見は複数のより小規模なシリーズで得られた結果と一貫している。 [87] [246] [250] [251] [252] さらに、乳がん診断時の年齢が高くなるとER陰性腫瘍の割合は有意に低下した。 [249]

乳がんがトリプルネガティブと基底細胞様サブタイプでは、完全ではないが、かなり多くの重複があり、両者ともBRCA1関連乳がん [253] [254] によくみられ、特に50歳未満で診断された女性に多い。 [87] [88] [89] BRCA1関連乳がんでER陽性の集団は少数であり、発症年齢が遅いことに関係している。 [255] [256] これらのER陽性の乳がんでは、ER陰性のBRCA1乳がんとER陽性の散発性乳がんとの「中間」の臨床的挙動特性が認められ、その発症には特異な機序が存在しうるという可能性を高めている。

トリプルネガティブ乳がんの女性では、臨床的な遺伝子検査を受けた女性(および、そのために大半が家族歴で選択された女性)と非選択のトリプルネガティブ患者のいずれでも、BRCA1の生殖細胞病原性多様体の保有率は有意に高く、9~35%に病原性多様体が報告されている。 [89] [90] [250] [257] [258] [259] [260] 注目すべきこととして、非選択のトリプルネガティブ乳がんの女性、特に50歳前に診断を受けた女性にBRCA1病原性多様体の割合が高いことが諸研究により実証されている。12件の研究を通じて集められた、家族歴で選択されていないトリプルネガティブ乳がん患者1,824人についての大規模レポートでは、患者の14.6%に遺伝性のがん感受性遺伝子における病原性多様体が同定された。 [260] BRCA1病原性多様体が最も大きな割合を占め(8.5%)、BRCA2(2.7%);PALB2(1.2%)のほか;BARD1RAD51DRAD51CBRIP1(それぞれの遺伝子について0.3~0.5%)がこれに続く。この研究において、BRCA1/2に病原性多様体または他の遺伝性がん遺伝子が認められる患者は若年齢で診断され、病原性多様体が認められない患者よりも高悪性度の腫瘍を有した。特に、BRCA1病原性多様体キャリアにおける診断時平均年齢は44歳で、94%が高悪性度腫瘍を有した。トリプルネガティブ乳がんの女性308人について調査した研究が1件ある;BRCA1病原性多様体が45人に確認された。家族歴について非選択の女性(58人中11人;19%)および家族歴を有する女性(111人中26人;23%)のいずれにも病原性多様体が確認された。 [261] 12件の研究から集めた患者2,533人をベースにした1件のメタアナリシスが実施され、トリプルネガティブ乳がんの高リスク女性におけるBRCA1病原性多様体のリスクが評価された。 [262] 結果から、トリプルネガティブ乳がんではない女性と比較したトリプルネガティブ乳がんの女性におけるBRCA1病原性多様体のRRは5.65(95%CI、4.15-7.69)であり、トリプルネガティブ乳がんの女性9人のうち約2人がBRCA1病原性多様体を有することが示された。興味深いことに、非選択のトリプルネガティブ乳がん患者77人を対象とし、うち15人(19.5%)に生殖細胞または体細胞のBRCA1/2病原性多様体がみられた1件の研究で、BRCA1病原性多様体を伴うトリプルネガティブ乳がんの患者では、BRCA1病原性多様体を伴わないトリプルネガティブ乳がんの患者より再燃リスクが低いことが明らかになった;実験のサイズにより、この研究には限界がある。 [258] BRCA1関連 vs 非BRCA1関連のトリプルネガティブ乳がんにおける臨床転帰を調べた別の研究で、差は確認されなかったが、BRCA1関連乳がんの患者で脳転移がみられる傾向が高かった。これらのいずれの研究でも、1人のBRCA1病原性多様体キャリアを除く全例が化学療法を受けた。 [263]

BRCA1腫瘍の多くが正常な乳腺細胞の基底上皮層に由来し、それらは非選択的浸潤性乳管がんの3%から15%を占めるという仮説が立てられている。もし乳房の基底上皮細胞が乳房の幹細胞であるならば、野生型のBRCA1に対して提唱されている制御の役割が、BRCA1の機能が損傷された場合のBRCA1関連乳がんの侵攻的な表現型を部分的に説明しうる。 [264] 遺伝性症候群において乳がんのこの亜型の意義を十分に評価するためには、さらなる研究が必要である。

基底細胞様乳がんを同定するための最も正確な方法は遺伝子発現検査を用いるものであり、この方法は乳がんを生物学的および臨床的に意味のあるグループに分類するために用いられている。 [251] [265] [266] この技術はまた、高い割合の症例においてBRCA1およびBRCA2関連腫瘍と散発性腫瘍とを正確に区別することが示されている。 [267] [268] [269] 注目すべきこととして、分子表現型を調べるために遺伝子発現アレイ法を用いて研究された乳房腫瘍症例の集団では、BRCA1が変異した腫瘍はすべて基底細胞腫瘍のサブタイプに分類された [251] ;しかしながら、この技術はコストが高いためルーチンには用いられていない。代わりに、基底細胞様乳がん(典型的にER、プロゲステロン受容体、およびHER2について陰性で、サイトケラチン5/6、または上皮成長因子受容体について染色陽性である)を同定するため、基底上皮の免疫組織化学マーカーが提案されている。 [270] [271] [272] [273] 蛋白発現を測定するためのこれらの方法に基づいて、多くの研究で大多数のBRCA1関連乳がんが基底上皮マーカーについて陽性であることが明らかにされている。 [87] [246] [272]

前浸潤病変はBRCA表現型の一構成要素であるという証拠が増大している。BRCA1関連乳がんでは、非浸潤性に分類されるがんが相対的に欠けていることが、Breast Cancer Linkage Consortiumにより最初に報告され [244] 、さらにその後のBRCA1/BRCA2キャリアを対象にした2件の研究 [274] [275] でも確認されている。しかしながら、非浸潤性乳管がん(DCIS)の369症例を対象にした研究では、BRCA1およびBRCA2病原性多様体が、それぞれ0.8%および2.4%に検出され、浸潤性乳がん患者を対象にした研究で過去に報告された保有率よりわずかに低いだけであった。 [276] 高リスクがんを専門とするクリニックにおける乳がん症例を対象にした1件のレトロスペクティブ研究では、BRCA関連乳がんの73例および病原性多様体陰性の146例において、前浸潤病変、特にDCISの類似した割合が明らかにされた。 [277] [278] AJの女性を対象にした高リスクがんを専門とするクリニックに紹介されたグループおよび非選択のグループの層別研究では、紹介された患者におけるDCISと浸潤性乳がんの有病率がほぼ同じであったのに対し、非選択の被験者ではDCIS症例が浸潤性症例の1/3であった。 [279] 同様に、過形成病変の有病率に関するデータは一貫しておらず、有病率が高い報告 [280] [281] も低い報告 [275] もある。浸潤性乳がんと同様に、若い年齢で診断されたDCIS、または乳がんおよび/または卵巣がんの家族歴を伴うDCIS、あるいはその両者とも、BRCA1/BRCA2病原性多様体に関係している可能性が高い。 [282]

総体的に証拠は、DCISがBRCA1/BRCA2多様体のスペクトラム、特にBRCA2に含まれると示唆している;しかしながら、DCIS患者(家族歴で選択を行っていない)における病原性多様体の保有率は5%未満である。 [276] [279]

BRCA2の病理学

BRCA2関連腫瘍の表現型は、BRCA1の表現型よりもさらに不均質であり、まだ十分に特徴付けられていないが、一般的にERおよびPR陽性である。 [244] [283] [284] BRCA2病原性多様体キャリア2,392人を対象とした大規模な国際的シリーズでは、BRCA2病原性多様体キャリアに発生した腫瘍の23%のみがER陰性;36%がPR陰性;87%がHER2陰性;16%がトリプルネガティブであった。 [249] 12件の研究を通じて集められた、家族歴で選択されていないトリプルネガティブ乳がん患者1,824人についての大規模レポートでは、患者の2.7%にBRCA2病原性多様体が同定された。 [260] (この研究に関する詳しい情報については、本要約のBRCA1の病理学BRCA1の病理学のセクションを参照のこと。)アイスランドの報告によれば、散発性腫瘍の対照群と比較して、BRCA2関連腫瘍では、管状形成が少なく、核多形性が多く認められたほか、細胞分裂能が高かった;しかしながら、単一のBRCA2創始者病原性多様体(999del5)がこの集団のほぼすべての遺伝性乳がんにみられるため、この観察の一般化可能性には限界がある。 [285] 北米とヨーロッパの1件の大規模ケースシリーズでは、BRCA2関連腫瘍に、連続する突出境界(pushing margins;浸潤パターンの病理組織学的記述の1つ)の割合が高く、管状形成および細胞分裂数が少ないと報告された。 [286] BRCA2関連腫瘍では、小葉型および管状小葉型の組織型が過剰に発現するという報告もある。 [245] [283] 要約すれば、BRCA2病原性多様体と関連する組織学的特徴は一貫していない。

散発性乳がんにおけるBRCA1とBRCA2の役割

BRCA1またはBRCA2の生殖細胞病原性多様体が存在すると乳がんに罹患する可能性がきわめて高くなるということを考慮に入れると、これらの遺伝子が、疾患のより一般的な非遺伝性形態の発生にも関与する可能性があると仮定するのは自然なことであった。BRCA1およびBRCA2における体細胞病原性多様体は散発性乳がんの腫瘍には一般的ではないが [287] [288] [289] [290] 、遺伝子プロモーターの高メチル化(BRCA1)およびヘテロ接合性の消失(BRCA2)は頻度の高いイベントであるという証拠が増えている。実際、多くの乳がんではBRCA1 mRNAのレベルが低く、これは遺伝子プロモーターの高メチル化の結果であろう。 [291] [292] [293] 散発性乳がんの約10~15%はBRCA1プロモーターの高メチル化を有するようであり、他の機序によるBRCA1の発現減少はさらに多くが有する。基底細胞型乳がん(ER陰性、PR陰性、HER2陰性、およびサイトケラチン5/6陽性)では、BRCA1発現減少が他の腫瘍タイプよりも多くみられる。 [294] [295] [296] BRCA1関連腫瘍の特徴もまた、BRCA1プロモーターの構造的高メチル化(constitutional methylation)に関連している。BRCA1生殖細胞病原性多様体がみられない女性のうち、40歳前に乳がんと診断された255人の女性の研究において、末梢血中におけるBRCA1のメチル化は、BRCA1に関連した病理学的特徴(例、高い分裂指数および多核細胞を含む増殖パターン)が腫瘍に複数みられた女性では31%に観察されたのに対し、対照群で観察されたメチル化は4%未満であった。 [297] (詳しい情報については、BRCA1の病理学BRCA1の病理学のセクションを参照のこと。)BRCA2病原性多様体については高メチル化が報告されていないが、染色体13q上のBRCA2座は、乳がんにおける高頻度なヘテロ接合性の消失(LOH)のターゲットである。 [298] [299] BRCA1またはBRCA2蛋白発現の消失を認める腫瘍に対して、ターゲット療法が開発されている。 [300]

卵巣がんの病理学

BRCA1およびBRCA2病原性多様体を有する女性にみられる卵巣がんは、高悪性度の漿液性腺がんである可能性が高く、粘液性腫瘍または境界型腫瘍である可能性は低い。 [301] [302] [303] [304] [305] 卵管がんおよび腹膜がんも、BRCA関連疾患スペクトラムの一部である。 [69] [306]

卵巣がんの遺伝的素因を有する女性から切除した卵管の病理組織学的検査では、前がん性の表現型を示唆する異形成および過形成病変がみられる。 [307] [308] リスク低減のための手術時にBRCA病原性多様体キャリアから切除された付属器では、2~11%に潜伏がんが報告されている。 [309] [310] [311] これらの潜伏病変のほとんどは卵管内にみられることから、BRCA関連卵巣がんの多くは、実質的に卵管に起源があるのではないかという仮説が導き出されている。特に、卵管采が卵巣表面にごく近いこと、卵管采が腹腔に露出していること、および卵管采の表面領域が広範なことに基づいて、卵管遠位部(卵管采を含む)は、BRCA病原性多様体キャリアにみられる高悪性度漿液性がんの一般的な起源とみなされている。 [312] ミュラー管由来組織から発生する高悪性度漿液性がんは多中心性起源であるため、現在、International Federation of Gynecology and Obstetricsでは、卵巣がん、卵管がん、および腹膜がんの病期をまとめて判定している。用語の一貫性を保つために、「高悪性度漿液性卵巣がん」という用語を用いて、高悪性度骨盤漿液性がんを表すことがある。 [313]

高悪性度漿液性卵巣がんでは、体細胞TP53病原性多様体の発生率が高い。 [301] [314] DNAマイクロアレイ技術によると、BRCA1関連、BRCA2関連、および散発性の卵巣がんでは、分子的な発がん経路が異なることが示唆される。 [315] さらに、BRCA関連の卵巣がんは、内臓に転移する頻度が高いが、散発性卵巣がんは、腹膜の範囲にとどまることを示唆するデータがある。 [316]

高悪性度漿液性がんとは異なり、低悪性度漿液性卵巣がんがBRCA1/BRCA2関連の疾患スペクトラムに含まれる可能性は低い。 [317] [318]

散発性卵巣がんにおけるBRCA1とBRCA2の役割

BRCA1またはBRCA2の生殖細胞多様体が存在すると卵巣がんに罹患する可能性がきわめて高くなるということを考慮に入れると、これらの遺伝子が、疾患のより一般的な非遺伝性形態の発生にも関与する可能性があると仮定するのは自然なことであった。BRCA1およびBRCA2における体細胞病原性多様体は散発性卵巣がんの腫瘍には一般的ではないが [287] [288] [289] [290] 、遺伝子プロモーターの高メチル化(BRCA1)およびヘテロ接合性の消失(BRCA2)は頻度の高いイベントであるという証拠が増えている。BRCA1またはBRCA2蛋白発現の消失は乳がんよりも卵巣がんにおいてよくみられ [319] 、BRCA1の発現減少はシスプラチンに対する感受性増強およびこの疾患の生存率増加と関連している。 [320] [321] BRCA1またはBRCA2蛋白発現の消失を認める腫瘍に対して、ターゲット療法が開発されている。 [300]

乳がんおよび/または婦人科がんに関連する他の高浸透度の症候群

リンチ症候群(LS)

LSの特徴は、主に右側結腸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、および他の結腸外のがん(腎盂、尿管、小腸および膵臓のがんを含む)に対して感受性を示す常染色体優性遺伝、多重原発がん、ならびにがん発症年齢が若いことである。 [322] この疾患は、MMR遺伝子における生殖細胞多様体によるもので、この遺伝子はDNAミスマッチ多様体の修復に関与している。 [323] MLH1およびMSH2遺伝子は、LSで最もよくみられる感受性遺伝子で、観察される病原性多様体の80~90%を占めており [324] [325] 、これらに次いで多くみられる感受性遺伝子にはMSH6およびPMS2がある。 [326] [327] [328] [329] [330] [331] (この症候群に関する詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約のリンチ症候群のセクションを参照のこと。)

LSの家系で大腸がんに続いて2番目に特徴的ながんは、子宮内膜がんである。Aldred Scott Warthin博士により記述された最初のFamily Gにおいてでさえ、多くの家系員で子宮内膜がんを含む結腸外のがんが見られることが示された。1999年の初版のアムステルダム基準には子宮内膜がんは含められなかった [332] が、アムステルダム基準はリスクのある家系を同定するために、リンチ症候群に関連する結腸外の腫瘍として子宮内膜がんを含めるように改訂された。 [333] また、1997年のBethesdaガイドライン(2004年に改訂)には、リンチ症候群が疑われる場合の腫瘍検査を促すリンチ症候群関連がんとして子宮内膜がんおよび卵巣がんが含められた。 [334] [335]

LSの女性における卵巣がんの生涯リスクは12%と高いことが推定され、報告されている卵巣がんのRRは、LSが既知または疑われることが高リスク専門クリニックにより判明した家系に基づくと、3.6~13の範囲となっている。 [336] [337] [338] [339] [340] [341] LS関連卵巣がんの特徴として考えられるものには、診断時にInternational Federation of Gynecology and Obstetrics病期で1期および2期が過度に多くみられること(報告では81.5%)、漿液サブタイプが少ないこと(報告では22.9%)、集団ベースシリーズおよびBRCA病原性多様体キャリアの両報告より10年生存率が良好なこと(報告では80.6%)などがある。 [342] [343]

LSにおける乳がんのリスクについては、見解の相違がみられる。複数のレトロスペクティブ研究の結果は一致していないが、いくつかの研究ではLSの個人が患う乳がんの一部にマイクロサテライト不安定性がみられた; [344] [345] [346] [347] これらの研究の1つは、LSの個人が有する乳がんリスクを評価し、リスクは増大しないことを示した。 [347] しかし、これまでで最大規模のプロスペクティブ研究では、Colon Cancer Family Registryで集められた罹患していない病原性多様体キャリア446人を対象に、 [348] 最長で10年間の追跡が実施され、乳がんのSIRは3.95と高値であった(95%CI、1.59-8.13;P = 0.001)。 [348] その後、同じグループが以前に大腸がんと診断されたMMR遺伝子病原性多様体キャリア764人のデータを分析した。その結果、大腸がん後の乳がんの10年リスクは2%(95%CI、1-4%)、SIRは1.76(95%CI、1.07-2.59)であった。 [349] 臨床的に参照されたリンチ症候群家系からなる英国のシリーズでは、確認のために訂正しようとして、MLH1の家族で乳がんリスクが2倍高いが、他のMMR多様体の家族ではそうではなかったことが示された。 [350] しかし、絶対リスクと年齢分布を正確に規定してMMR遺伝子病原性多様体キャリアに対する乳がんのサーベイランスガイドラインを開発するには、さらなる研究が必要である。

リー-フラウメニ症候群(LFS)

乳がんはまた、まれに発生するLFS(OMIM)の構成要素の1つでもあり、本症候群の患者では染色体17pに位置するTP53遺伝子(OMIM)の生殖細胞多様体が報告されている。TP53は、染色体17p上に位置し、DNA塩基配列と結びつき、DNA損傷が起こると細胞成長および細胞増殖の負の調節因子として機能する53kdの核内リン蛋白をコードする。それはまた、プログラム細胞死の1つの活性要素である。 [351] TP53遺伝子の不活性化または蛋白産物の破壊により、DNA損傷が持続し、悪性細胞の発生の可能性が生じる。 [352] [353] LFSについて広く使用されている臨床診断基準は2001年に最初にChompret et al.により策定され(「Chompret Criteria」と呼ばれる) [354] 2009年に追加的に得られたデータに基づいて改訂された。 [355]

LFSは、小児期における肉腫、脳腫瘍、白血病および副腎皮質がんのほか、閉経前乳がんを特徴とする。 [352] [356] [357]

TP53における生殖細胞多様体は、乳がん症例の1%未満しか占めないと考えられている。 [358] TP53関連乳がんは、多くの場合、HER2/neu陽性であることに加え、ER陽性、PR陽性、またはその両方でもある。 [359] [360] [361] 化学療法または放射線療法によるTP53関連腫瘍の治療を受けた患者では治療関連の二次悪性腫瘍のリスクが生じてくるとした証拠も存在する。

LFSを定義するための歴史的基準

リー-フラウメニ症候群という用語は1982年に初めて使用され [362] 、その後、この症候群の古典的定義となった以下の基準は1988年にリーおよびフラウメニにより提案された [363] :


  1. 45歳以前の肉腫;
  2. FDRが45歳以前でがんを来した;および
  3. 別の近親者(FDRまたは第二度近親者[SDR])が、45歳以前でがんを来した、または年齢を問わず肉腫を来した。

その後、2001年に、Chompret et al.が [354] 、肉腫、脳腫瘍、乳がん、および副腎皮質がんとして定義される狭い範囲のLFS腫瘍で、TP53遺伝子検査を推奨する臨床基準を系統的に策定した。この基準は以下の通りであった:


  1. 発端者が36歳以前に狭い範囲の腫瘍に罹患しており、かつ1人以上のFDRまたはSDRが、46歳以前に狭い範囲の腫瘍(発端者が乳がんに罹患している場合は乳がん以外)に罹患しているか、多発性原発腫瘍に罹患している;もしくは
  2. 発端者に、家族歴に関係なく、多発性原発腫瘍があり、そのうち2つが狭い範囲の腫瘍に該当し、かつ最初の腫瘍が36歳以前に生じた;もしくは
  3. 発端者が、発症時の年齢および家族歴に関係なく、副腎皮質がんを来した。

これらの基準は、付加的に得られたデータ [353] [364] に基づいて、2009年に以下のように改訂された [355] :


  1. 発端者が46歳以前にLFS腫瘍の範囲*に該当する腫瘍を来し、かつ1人以上のFDRまたはSDRが56歳以前にLFS腫瘍(発端者が乳がんに罹患している場合は乳がん以外)を来したか、多発性腫瘍を来した;もしくは
  2. 発端者が多発性腫瘍(多発性乳房腫瘍を除く)を来し、そのうち2つがLFS腫瘍の範囲に該当し、かつ最初のものが46歳以前に生じた;もしくは
  3. 家族歴に関係なく、患者が副腎皮質がんまたは脈絡叢がんを来した。

*2009年版Chompret基準はLFS腫瘍の範囲を以下のがんを含むものと定義している:軟部肉腫、骨肉腫、脳腫瘍、閉経前乳がん、副腎皮質がん、白血病、および気管支肺胞がん。

2015年に、Bougeard et al.が [357] 、415人の病原性多様体キャリアのデータに基づいて基準を改定し、脈絡叢がんおよび副腎皮質がんに対して推奨されるものと同様に、検査の適応として、小児退形成性横紋筋肉腫および31歳以前の乳がんの存在を含めた。この基準は以下のように改訂された:


  1. 発端者が46歳以前にLFS腫瘍の範囲**に該当する腫瘍を来し、かつ1人以上のFDRまたはSDRが56歳以前にLFS腫瘍(発端者が乳がんに罹患している場合は乳がん以外)を来したか、多発性腫瘍を来した;もしくは
  2. 発端者が多発性腫瘍(多発性乳房腫瘍を除く)を来し、そのうち2つがLFS腫瘍の範囲に該当し、かつ最初のものが46歳以前に生じた;もしくは
  3. 家族歴に関係なく、副腎皮質がん、脈絡叢腫瘍、または胎児性退形成性横紋筋肉腫を来した患者;もしくは
  4. 31歳以前の乳がん。

**2015年版Chompret基準はLFS腫瘍の範囲を以下のがんを含むものと定義している:閉経前乳がん、軟部肉腫、骨肉腫、中枢神経系(CNS)腫瘍、および副腎皮質がん。

LFSの臨床的特徴

TP53の臨床検査のためにCity of Hope研究所に提出された525の標本の17%(n = 91)にTP53生殖細胞病原性多様体が同定された。 [353] TP53病原性多様体を有する家系ではすべて、少なくとも1人の家系員に肉腫、乳がん、脳腫瘍、または副腎皮質がん(基本的ながん)が認められた。さらに、脈絡叢腫瘍を有する8人の患者では全員がTP53病原性多様体を有し、小児副腎皮質がんの患者では21人中14人が有していた。乳がんであるが他の基本的ながんの家族歴がない30~49歳の女性にはTP53多様体はみられなかった。

その後、主に2009年版のChompret基準 [355] に基づいて検査されたフランス人の患者を対象にした1件の大規模臨床シリーズには、214家系の病原性多様体キャリア415人が含められた。 [357] この研究では、キャリアの43%に複数の悪性疾患が認められ、最初の腫瘍発症の平均年齢は24.9歳であった。小児における腫瘍の範囲は、骨肉腫、副腎皮質がん、CNS腫瘍、および軟部肉腫(集合的に23~30%に認められた)が特徴であったのに対し、成人における腫瘍の範囲には、主として乳がん(女性の79%)および軟部肉腫(キャリアの27%)が含まれていた。乳がんを有するが、LFSを示唆する追加の特徴を有さない31歳未満の女性におけるTP53病原性多様体の検出率は6%であった。遺伝子型-表現型の相関について評価したところ、臨床的重症度の傾斜が示され、発症時平均年齢はドミナントネガティブなミスセンス多様体を有する個人(21.3歳)の方が、すべての機能喪失型多様体(28.5歳)またはゲノム再編成(35.8歳)を有する個人よりも有意に低かった。副腎皮質がんを除いて、罹患小児のほとんどにドミナントネガティブなミスセンス病原性多様体が認められた。乳がんを有する127人の女性の病原性多様体キャリアのうち、31%が対側乳がんを発症した。40の腫瘍について受容体の状態に関する情報が得られ、55%がHER2陽性で、37%がトリプルポジティブ(すなわち、ER、PR、HER2が陽性)であったことが示された。病原性多様体キャリアでは複数の悪性腫瘍の割合が異常に高く(43%)、そのうち83%が異時性であった。最初の腫瘍の治療に放射線療法を受けたキャリア64人について治療記録が利用できた;このうち、19人(30%)が放射線照射野内に26の二次性腫瘍を発症し、その潜伏期間は2~26年(平均、10.7年)であった。

多重遺伝子(パネル)検査の使用が増加するにつれ、TP53の病原性多様体がLFSに特徴的な家族歴を有さない個人において予想外に同定されていることを認識することが重要である。 [365] Chompret基準を満たさない個人または家系における単独のTP53病原性多様体の所見の臨床的意義は不明である。このため、予想外に生殖細胞TP53多様体を有することが認められた個人については、その個人歴および家族歴を考慮に入れながら、がんリスクを解釈し、至適管理戦略を判断することがなおも重要である。

MRIによる年1回の乳がんスクリーニングが推奨される [92] ;また、他のがんに対する追加的なスクリーニングも研究されるようになり、進展がみられている。 [366] [367]

PTEN過誤腫腫瘍症候群(コーデン症候群を含む)

コーデン症候群およびBannayan-Riley-Ruvalcaba症候群(BRRS)は、集合的にはPTEN過誤腫腫瘍症候群として知られる一連の疾患群の1つである。コーデン症候群と診断された患者の約85%とBRRS患者の約60%には、同定可能なPTEN病原性多様体が存在する。 [368] さらに、臨床的に大きく異なった表現型を有する患者でPTEN病原性多様体が確認されている。 [369] PTEN過誤腫腫瘍症候群という用語は、臨床症状にかかわらず、PTEN病原性多様体を有する患者であれば使用される。

PTENは、チロシン、セリン、およびスレオニンからリン酸基を除去する両特異性ホスファターゼとして機能する。PTENの病原性多様体はさまざまで、ナンセンス、ミスセンス、フレームシフト、およびスプライス部位の多様体がある。多様体の約40%はホスファターゼのコアモチーフをコードしているエクソン5に見られ、反復性の病原性多様体がいくつか観察されている。 [370] PTEN遺伝子の5'末端またはホスファターゼコア内に多様体を有する人は、複数の器官系が罹患する傾向がある。 [371]

コーデン症候群の診断に関する実用的な基準は既に公開されており、その後の更新も行われている。 [372] [373] これらには、大基準、小基準、ならびに特定の皮膚粘膜症状および成人発症型小脳異形成性神経節細胞腫(Lhermitte-Duclos病)からなる疾病特徴的基準がある。系統的文献レビューに基づく一連の基準の更新版が提示されており、 [374] 現在はNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)のガイドラインで使用されている。 [375] 以前の基準とは対照的に、著者らは、どの特徴についても疾病特徴的なものとして分類するには証拠が不十分であると結論付けた。遺伝子検査、特に多重遺伝子パネルの使用の増加に伴い、コーデン症候群の臨床基準は、確認されている生殖細胞系PTEN病原性多様体を有していながら、これらの基準に適合しない個人の表現型に合わせて調整する必要がある。その調整が行われるまでは、臨床的所見と遺伝子検査結果のどちらに基づいて、コーデン症候群およびその他のPTEN過誤腫腫瘍症候群を定義するかについて、あいまいさが残る。American College of Medical Genetics and Genomics(ACMG)は、1)成人発症型Lhermitte-Duclos病、または2)コーデン症候群の診断について確立されている大基準または小基準のいずれか3つを満たす個人歴を有する、または第一度近親者のいる個人について、遺伝相談への紹介を考慮すべきであることを示唆している。 [94] コーデン症候群の診断基準を含む詳細な推奨はNCCNおよびACMGのガイドラインに記載されている。 [94] [375] その上、PTEN病原性多様体の可能性を推定する臨床基準で用いられる予想モデルが利用可能である;費用対効果解析によると、生殖細胞系PTEN検査は、多様体の可能性が10%より高ければ、費用対効果が高いことが示唆される。 [376]

International Cowden Consortium(ICC)は、米国、ヨーロッパ、アジアにおいて、緩和されたPTEN検査のICC基準に適合する成人および小児患者の連続シリーズを10年にわたりプロスペクティブに募集した。 [377] 大多数の個人はコーデン症候群またはBRRSの診断に対する臨床基準を満たさなかった。募集に応じて検査を受けた3,399人のうち、発端者295人(8.8%)と73人の家系員が生殖細胞系PTEN病原性多様体を有することが明らかにされた。乳がん、甲状腺がん、子宮内膜がんに加えて、著者らはがんリスクに基づいて、黒色腫、腎がん、大腸がんを生殖細胞系PTEN病原性多様体に起因するがんスペクトルの一部と捉えるべきであると結論した。2つ目の研究では、生殖細胞系PTEN病原性多様体を有する患者約100人について、これらの知見が確認され、70歳までの累積がんリスクが85%であることが示された。 [378]

PTEN病原性多様体は20万人に1人の頻度で発生すると推定されており [372] 、ごく一部の遺伝性乳がんの原因であるに過ぎないが、PTENの機能の特徴が分かれば、その信号経路および正常な細胞生理の維持に貴重な洞察が得られる。 [372] [379] コーデン症候群の女性では、生涯乳がんリスクが25~50%であると推定される。 [380] 他の研究では、85%と高いリスクが報告されている [377] [378] [381] [382] ;しかしながら、これらの研究では選択バイアスに関して懸念がある。他の遺伝性乳がんの形態と同様に、若年齢でしばしば発症し、両側性である。 [383] 皮膚症状には、多発性外毛根鞘腫、口腔線維腫および乳頭腫、先端角化症、手掌足底角化症がある。既往歴または特徴的な皮膚所見が認められれば、コーデン症候群が疑われる。CNS症状には巨頭症、発達遅滞、および小脳異形成性神経節細胞腫が挙げられる。 [384] [385] (PTEN過誤腫腫瘍症候群[コーデン症候群を含む]に関する詳しい情報については、大腸がんの遺伝学および皮膚がんの遺伝学に関するPDQ要約を参照のこと。)

びまん性胃がんおよび小葉がん症候群

1998年、びまん性胃がん(DGC)が複数例みられたマオリ人の3家系についてE-カドヘリン遺伝子CDH1が初めて報告され、後にこうした疾患は遺伝性びまん性胃がん(HDGC)と命名されるに至った。その後、HDGC家系における小葉がん過剰発現の報告が複数行われている。 [386] CDH1は染色体16q22.1上に存在し、カルシウム依存性の同種親和性接着分子であるE-カドヘリン蛋白(細胞接着、細胞極性、細胞内信号伝達、細胞分化と組織形態の維持に主要な役割を果たす)をコードする。 [387] E-カドヘリンはさまざまなカテニンと結合して細胞質側の細胞接着複合体を安定させ、E-カドヘリンとアクチンフィラメントの相互作用を維持する。 [388] CDH1の欠失は体細胞多様体、ヘテロ接合性の消失、高メチル化の結果として発生し、ヒトのがんにおける脱分化と浸潤を引き起こす場合がある。 [389] [390] 胃切除術検体に関する古典的な病理組織所見には、上皮内の印環細胞および/または印環細胞のパジェット様の拡がりなどがある。すべての胃がんの1~3%は、遺伝性胃がん症候群に起因する。 [391]

HDGCは、胃の低分化型の浸潤性腺がんに関連する常染色体優性症候群であり、形成性胃組織炎として発現する。浸透度が高く、高度に致死的な症候群であり、臨床的なDGCのリスクは40~83%である。 [386] HDGCでは、一列に並んだ(single file)均一な小型細胞を特徴とする小葉がんのリスクも増大する。浸潤性小葉がんはすべての乳がんの10~15%を占めるに過ぎないが、CDH1病原性多様体キャリアにおける小葉がんの生涯リスクは30~50%である。 [388] [389] CDH1に対するスクリーニングのガイドラインはさまざまであるが、家系内での複数のDGC症例、低年齢でのDGC、DGCの家系における小葉がんなどの基準が含まれる。これらの基準に適合する家系の約25%は、CDH1に病原性多様体を有することが明らかにされている。 [391] CDH1病原性多様体はいくつかの小葉がんの家系で認められているが、胃がん家系では見つかっていない。 [392] CDH1病原性多様体を有し、胃がんの家族歴がない個人の管理方法は不明である。 [392]

ポイツ・ジェガース症候群(PJS)

ポイツ・ジェガース症候群は、早期発症型の常染色体優性疾患であり、口唇および口周辺と頬領域のメラニン細胞性斑、ならびに過誤腫性かつ腺腫性の多発性消化管ポリープが特徴である。 [393] [394] [395] 染色体19p13.3に存在するSTK11遺伝子の生殖細胞病原性多様体が、ほとんどのPJS家系で同定されている。 [396] [397] [398] [399] [400] ポイツ・ジェガース症候群において最も一般的にみられるがんは消化管のがんである。しかしながら、他の臓器も悪性腫瘍を発症するリスクが高い。例えば、累積リスクは乳がんで32~54% [401] [402] [403] 、卵巣がんで21%と推定されている。 [401] PJS患者において、系統的レビューでは、生涯の累積がんリスクが全部位を合わせて最大93%であることが明らかになった。 [404] 表8に、これらの腫瘍の累積リスクを示している。ポイツ・ジェガース症候群ではがんの累積リスクが高いため、さまざまなスクリーニングが推奨されており、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約のポイツ・ジェガース症候群(PJS)におけるがん診断とサーベイランスのために公表されている推奨事項の表に要約されている。

PJSの女性は、非常に侵攻性が高いまれな子宮頸部の腺がんである頸部悪性腺腫の素因も有している。 [405] 加えて、PJSの女性では良性の卵巣性索腫瘍と輪状細管が発生することがよくあり、一方でPJSの男性はセルトリ細胞腫瘍の素因を有している; [406] これら2種類の腫瘍はいずれも悪性ではないが、エストロゲン産生の増加に関連する症状を引き起こす場合がある。

公表されている文献によると、PJS患者では悪性腫瘍のリスクがきわめて高いとみられるが、選択バイアスおよび紹介バイアスが、これらのリスクの過大評価につながっている可能性を考慮すべきである。

表8.規定年齢までのポイツ・ジェガース症候群における累積がんリスクa

部位 年齢(歳) 累積リスク(%) 参考文献
GI = 消化管。
a Macmillan Publishers社から許諾を得て転載:Gastroenterology, copyright 2010.
b 一般集団と比較した全累積リスクは、頸部がんおよび精巣腫瘍を除いて増加した(P < 0.05)。
c 消化管がんには、大腸がん、小腸がん、胃がん、食道がん、および膵がんを含む。
d Westerman et al.: 消化管がんに膵がんは含まない。
e 頸部悪性腺腫または精巣セルトリ細胞腫瘍を含まない。
すべてのがん 60–70 37–93
消化管がんc, d 60–70 38–66
婦人科がん 60–70 13–18

原発腫瘍別

     
胃がん 65 29
小腸がん 65 13
大腸がん 65 39
膵がん 65–70 11–36
肺がん 65–70 7–17
乳がん 60–70 32–54
子宮がん 65 9
卵巣がん 65 21
頸部がんe 65 10
精巣腫瘍e 65 9


ポイツ・ジェガース遺伝子

ポイツ・ジェガース症候群は、染色体19p13上に位置するSTK11LKB1とも呼ばれる)腫瘍抑制遺伝子の病原性多様体により引き起こされる。 [397] [398] 家族性大腸腺腫症にみられる腺腫とは異なり、ポイツ・ジェガース症候群で生じるポリープは過誤腫である。ポイツ・ジェガース症候群患者の過誤腫性ポリープとがんに関する諸研究から、2ヒット仮説に一致するアレルの不均衡(ヘテロ接合性の消失[LOH])が示されており、よってSTK11は腫瘍抑制遺伝子であることが実証されている。 [409] [410] しかしながら、ヘテロ接合性のSTK11ノックアウトマウスでは残存する野生型アレルの不活化がなくても過誤腫が発生してくることから、ポイツ・ジェガース症候群においてはハプロ不全だけで初発腫瘍の発生に十分であることが示唆されている。 [411] STK11+/-マウスに起こるがんはその後LOHを示す [412] ;実際、STK11+/-における病原性多様体がヘテロ接合性で、TP53-/-における病原性多様体がホモ接合性の複合型ミュータントマウスでは、過誤腫とがんのいずれについても発症が早まっている。 [413]

STK11遺伝子の生殖細胞多様体は、ナンセンス、フレームシフト、ミスセンスなどの一連の多様体のほか、スプライス部位多様体および広範な欠失を示す。 [396] [402] 多様体の約85%は発現した蛋白のキナーゼドメインの領域に限局し、エクソン9における生殖細胞多様体は報告されていない。遺伝子型-表現型の強い相関も同定されていない。 [402]

STK11がポイツ・ジェガース症候群を引き起こすことが明白に実証されている。DNAの直接塩基配列決定法を用いた初期の推定では、STK11における病原性多様体の検出率が50%であることが示されたが、広範な欠失を検出する技術を加えた研究では、ポイツ・ジェガース症候群の臨床基準を満たす患者のうち、94%までに病原性多様体が認められている。 [396] [404] [414] これらの研究結果を考えると、他の主要な遺伝子がポイツ・ジェガース症候群を引き起こす可能性は低い。

PALB2

PALB2(BRCA2のパートナーおよびローカライザー)はBRCA2蛋白と相互作用し、相同的組換えおよび二本鎖DNA修復に関与している。BRIP1およびBRCA2と同様に、PALB2における両アレル性病原性多様体もまたファンコニー貧血を引き起こすことが示されている。 [415]

PALB2病原性多様体は、さまざまな集団を対象に家族性乳がんおよび早期発症型乳がんを検討した多くの小規模研究でスクリーニングが実施されている。 [14] [416] [417] [418] [419] [420] [421] [422] [423] [424] [425] [426] [427] [428] [429] [430] 病原性多様体の保有率は0.4~3.9%の範囲に及んでいる。BRIP1およびCHEK2と同様に、遺伝性乳がんを認める家系ではPALB2病原性多様体の分離が不完全であった。 [416] 対側乳がん症例559人および片側乳がんの対応対照565人において、病因性(切断型)PALB2病原性多様体が症例の0.9%に特定され、対照では認められなかった(RR、5.3;95%CI、1.8-13.2)。 [427]

PALB2の機能喪失多様体を有する154家系に基づくデータは、この遺伝子が、リスクがBRCA2と重複する遺伝性乳がんの重要な原因である可能性を示唆している。 [431] この研究では、PALB2病原性多様体を有する154家系からの家系員362人を対象とした分析から、70歳までの女性の乳がんの絶対リスクは、乳がんの家族歴がない女性における33%(95%CI、24%-44%)から、早期発症型乳がんのFDRが2人以上いる女性における58%(95%CI、50%-66%)までの範囲であることが示された。さらに、HER2の状態が判明している乳がん症例63例のうち、30%がトリプルネガティブ乳がんであった。これより初期のフィンランドの研究は、PALB2創始者病原性多様体(c.1592delT)が70歳までに40%の乳がんリスクをもたらし [417] 、トリプルネガティブがんの高い発生率(54%)や、より低い生存率に関連することを報告した。 [418] 多くの集団で、早期発症型乳がんおよび家族性乳がんに病原性多様体が認められている。 [419] [420] 12件の研究を通じて集められた、家族歴で選択されていないトリプルネガティブ乳がん患者1,824人についての大規模レポートでは、患者の1.2%にPALB2病原性多様体が同定された。 [260] (この研究に関する詳しい情報については、本要約のBRCA1の病理学BRCA1の病理学のセクションを参照のこと。)

後に乳がんの非選択女性12,529人以上と対照4,702人を対象として実施されたポーランドの研究では、PALB2病原性多様体が116例(0.93%;95%CI、0.76-1.09)および対照10例(0.21%;95%CI、0.08-0.34)で検出され、乳がんのオッズ比(OR)は4.39(95%CI、36.5-63.2)であった。 [432] この研究の知見は、PALB2病原性多様体を有する75歳までの女性において乳がんリスクがかなり高いこと(24~40%)を裏付けている。対側乳がんの5年累積発生率は、PALB2病原性多様体を有する女性において10%であったのに対し、BRCA1病原性多様体を有する女性では17%であり、いずれの遺伝子にも多様体を有さない女性では3%であった。さらに、PALB2病原性多様体を有する乳がん女性の10年生存率は48%(95%CI、36.5%-63.2%)であったのに対し、BRCA1病原性多様体を有する女性では72.0%、いずれの遺伝子にも多様体がみられない女性では74.7%であった。PALB2キャリアが2cm未満の腫瘍を有する場合の転帰(10年生存率82.4%)と比較して、2cm以上の乳房腫瘍を有する場合の転帰ははるかに不良(10年生存率32.4%)であった。PALB2病原性多様体を有する女性の約3分の1はトリプルネガティブ乳がんを患っており、乳がん診断時の平均年齢は53.3歳であった。

男性の乳がんがPALB2病原性多様体陽性乳がんの家系に観察されている。 [14] [421] [431] 男性の乳がん症例115人を対象とした研究では、18人の男性がBRCA2病原性多様体で、別の2人の男性が病原性または病原性と予測されるPALB2多様体であった(この研究における生殖細胞多様体の約10%を占め、全サンプルでは1~2%を占める)。 [14] 154家系の研究では、PALB2病原性多様体キャリアの男性における乳がんのRRは、一般集団に対して8.30と推定された(95%CI、0.77-88.56;P = 0.08)。 [431]

膵腫瘍にPALB2病原性多様体が特定され、家族性膵臓患者96人中3%に生殖細胞病原性多様体が検出された後に [433] 、数多くの研究が膵がんにおけるPALB2の役割を指摘している。PALB2病原性多様体が検出されたのは、家族性膵がんの81家系で3.7% [434] 、膵がんの個人歴または家族歴があるBRCA1/2病原性多様体陰性の乳がん患者94人で2.1%であった。 [435] 比較的小規模な2件の研究-1件は膵がんの個人歴または家族歴があるBRCA1/2病原性多様体陰性の発端者77人を対象とした研究で、その中の半数がAJの子孫であり、もう1件は乳がんまたは卵巣がんの個人歴または家族歴があるイタリア人の膵がん患者29人を対象とした-では、どのようなPALB2病原性多様体も検出できなかった。 [436] [437] BRCA1/2陰性で、PALB2病原性多様体陽性の乳がん発端者33人の近親者では、膵がんが6倍多いことが認められた。 [421]

全体的に、家族性乳がんにおいて観察されたPALB2病原性多様体の保有率は、膵がんおよび卵巣がんの個人歴および家族歴に関連する確認に応じて変化するが、すべての研究で観察された病原性多様体の割合は4%未満であった。データは、特に強い家族歴を有する人において、乳がんのRRがBRCA2の場合と重複している可能性を示唆している;したがって、より大規模の研究でがんリスクの推定を改良することが依然として重要である。さらに、他のがん(例、膵がん)のリスクはほとんど確定されていない。この集団でのPALB2病原性多様体の保有率が低いことから、最適な検査対象者と適切な管理法を明らかにするために、さらなるデータが必要とされる。

de novo病原性多様体の発生率

1990年代までは、遺伝的に受け継いだ乳がんおよび卵巣がん症候群の診断は、臨床症状と家族歴に基づいて下されていた。現在では、こうした症候群に関与する遺伝子の一部が同定されているため、これらの集団における自然病原性多様体の発生率(de novo病原性多様体の発生率)を推定しようとしている研究は2~3件しかない。興味深いことに、ポイツ・ジェガース症候群、PTEN過誤腫症候群、およびLFSはいずれも自然病原性多様体の発生率が高く、10~30%であると考えられている一方 [438] [439] [440] [441] 、主として発表されている少数の症例報告によればBRCA遺伝子のde novo病原性多様体の推定値は低いと考えられている。 [442] [443] [444] [445] [446] [447] [448] [449] [450] また、乳がん患者がBRCA病原性多様体の検査を受け、de novo多様体が同定されたケースシリーズは1件のみである。具体的には、散発性乳がん患者193人を対象にしたこの研究で、17の病原性多様体が検出され、そのうち1つがde novo病原性多様体であると確認された。 [442] したがって、de novo病原性多様体の発生率は低いと考えられ、実施された少数の研究に基付けば5%以下になると考えられる。 [442] [443] [444] [445] [446] [447] [448] [449] [450] 同様に、リンチ症候群に関連したMMR遺伝子のde novo病原性多様体の推定値は低く、0.9~5%であると考えられている。 [451] [452] [453] しかしながら、BRCA遺伝子およびリンチ症候群遺伝子における自然病原性多様体の発生率のこうした推定値は、さまざまな集団の非実父の割合の推定値(0.6~3.3%)と重複していると考えられるため [454] [455] [456] 、これらの遺伝子に対するde novo病原性多様体の発生率はかなり低くなるということに注意することが重要である。


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乳がんおよび/または婦人科がんに関連する中浸透度の遺伝子

背景

BRCA1BRCA2PALB2、および本要約の高浸透度の乳がんおよび/または婦人科がん感受性遺伝子高浸透度の乳がんおよび/または婦人科がん感受性遺伝子のセクションで述べた他のまれな症候群に関与する遺伝子における病原性多様体家族性の乳がんリスクに占める割合は25%未満である。 [1] 遺伝的連鎖研究が集中的に行われているにもかかわらず、複数の症例を認める残りの家族集積の相当数を説明する、浸透度が高い他の遺伝子は存在しないようである。 [2] しかしながら、乳がんおよび/または婦人科がんに関連するいくつかの中浸透度の遺伝子が特定されている。CHEK2およびATMなどの遺伝子は乳がんの20%以上の生涯リスクと関連している; [3] [4] 同様に、RAD51CRAD51D、およびBRIP1などの遺伝子は卵巣がんのリスクの5~10%と関連している。 [5] [6] 現在、これらの遺伝子の多くは多重遺伝子パネルに含められているが、これらの所見の臨床的利用可能性はなおも不明であり、研究が行われている。

候補遺伝子アプローチにより同定された乳がんおよび婦人科がん感受性遺伝子

さまざまな遺伝子座と乳がんリスク間の関連について記述した遺伝疫学研究に関する非常に大規模な文献がある。これらの研究の多くは重大なデザイン上の制約を受けている。結果としておそらく、ほとんどの研究では、関連は追跡研究で再現されないと報告された。本セクションは、報告されたすべての関連を包括的にレビューしているわけではない。本セクションでは、関連が数件の研究で記述されているか、頑健なメタアナリシスにより支持されているという点で、編集者らにより臨床的に妥当であると考えられている関連について記述している。しかしながら、これらの変異と関連しているリスクは通常、臨床反応を正当化する閾値を下回っているため、これらの観察の臨床的有用性は依然として不明のままである。

ファンコニー貧血遺伝子

ファンコニー貧血(FA)はまれな遺伝性疾患で、骨髄機能不全、悪性腫瘍のリスク増加、および身体的異常を特徴とする。現在までのところ、 BRCA1およびBRCA2 を含めて、16個のファンコニー貧血関連遺伝子が同定されている(表9表9で略述している)。ファンコニー貧血は、X連鎖劣性遺伝であるFANCBにおける病原性多様体を原因とする場合を除いて、主に常染色体劣性疾患である。FANCAは病原性多様体の60~70%を占め、FANCCは約14%、残りの遺伝子がそれぞれ3%未満を占める。 [7]

表9.ファンコニー貧血遺伝子および乳がんリスク

a BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアの乳がんの累積リスクに関する情報は、本要約の BRCA1とBRCA2 のセクションを参照のこと。
b PALB2病原性多様体キャリアの乳がんの累積リスクに関する情報は、本要約の PALB2 のセクションを参照のこと。
c中等度リスクは統計的に有意な2倍までのリスク推定値として定義される。

高リスク遺伝子

BRCA1FANCD1a
BRCA2FANCSa
PALB2FANCNb

中等度リスク遺伝子

c
BRIP1FANCJ/BACH1
FANCD2
RAD51CFANCO

リスクを増加させるかどうかが不明または有意な増加をもたらさない遺伝子

FANCA
FANCB
FANCC
FANCE
FANCF
FANCGXRCC9
FANCIKIAA1794
FANCL
SLX4FANCP
ERCC4FANCQ/XPF


進行性の骨髄機能不全は、血小板減少症および白血球減少症をしばしば発症する患者で典型的に最初の10年以内に発症する。骨髄機能不全の発生率は、40~50歳までで90%である。血液学的悪性腫瘍(主に急性骨髄性白血病)の発生率は10~30%で、非血液学的悪性腫瘍(特に頭頸部、皮膚、消化[GI]管、生殖管の固形腫瘍)の発生率は25~30%である。罹患者の60~75%に身体的異常(低身長、皮膚色素沈着の異常、母指変形といった放射線欠損など)、尿路、眼球、耳、心臓、消化器系、中枢神経系の異常、甲状腺機能低下症、および発達遅滞が認められる。 [7]

一部のファンコニー貧血遺伝子の多様体、中でも最も注目すべきはBRCA1およびBRCA2であるが、さらにPALB2RAD51CRAD51遺伝子ファミリーRAD51遺伝子ファミリーにおいて)、BRIP1の多様体も、ヘテロ接合体において乳がんの素因となりうる。多重遺伝子(パネル)検査が広く利用可能なことを前提として、ファンコニー貧血遺伝子の多くに対する遺伝子検査は、がんリスクが不明であり、これらの遺伝子の多くに対して利用可能な証拠に基づく医学的管理の推奨が不足しているにもかかわらず、頻繁に実施されている。

ファンコニー貧血遺伝子の病原性多様体キャリアであるということは、両親が同じ遺伝子の病原性多様体キャリアである場合にはこれらの遺伝子の病原性多様体により小児に重篤な疾患が発症する可能性があることから、出産に関する意思決定に影響を及ぼす可能性がある。パートナーの検査が検討されることがある。

BRIP1

BRIP1BACH1としても知られる)は、BRCA1 C-末端(BRCT)領域と相互作用するヘリカーゼをコードする。この遺伝子はBRCA1依存性のDNA修復および細胞周期チェックポイント機能においても役割を担っている。BRIP1における両アレル性病原性多様体はファンコニー貧血の原因であり [8] [9] [10] 、BRCA2における同様の病原性多様体とよく似ている。BRIP1の不活性化多様体は乳がんリスクの増加と関連している。1件の研究で、BRCA1/BRCA2病原性多様体陰性家系出身の3,000人を超える個人が、BRIP1多様体について調べられた。乳がんを認める1,212人中9人に病原性多様体が同定されたが、2,081人の対照では2人にしか同定されなかった(P = 0.003)。乳がんの相対リスク(RR)は、2.0(95%信頼区間[CI]、1.2-3.2;P = 0.012)と推定された。注目すべきことは、BRIP1病原性多様体を認め、乳がん症例を複数生じた家系では、乳がんを伴う病原性多様体の分離が不完全であり、浸透度の低いアレルと一致し、CHEK2でみられるものと類似していたことである。 [11] 卵巣がん女性3,236人を対象とした1件のケースコントロール研究では、BRIP1病原性多様体は卵巣がんリスクとより高頻度に関連していた(RR、11.2;95%CI、3.2-34.1)。 [12]

CHEK2

CHEK2OMIM)は、DNA損傷修復反応経路に関与する遺伝子である。多数の研究に基づくと、多型の1100delCは、まれで浸透度が中程度のがん感受性アレルであると考えられる。 [13] [14] [15] [16] [17] [18] この病原性多様体を、欧州人対照の1.2%、欧州人のBRCA1/BRCA2陰性の家族性乳がん症例の4.2%、非選択の女性乳がん症例の1.4%で同定した研究が1件ある。 [13] 浸潤性乳がんの50歳未満のオランダ人女性1,479人の集団において、3.7%がCHEK2 1100delC病原性多様体を有することが明らかにされた。 [19] 別の欧州および米国(この病原性多様体はわずかに少ないとみられる)の研究では、大規模なプロスペクティブ研究 [20] を含め、家族性の乳がんまたは卵巣がん症例で検出されたCHEK2病原性多様体の頻度は、0 [21] ~11%の範囲となっている;全体的に、これらの研究から、女性の乳がんリスクが約1.5倍~3倍高いことが明らかになっている。 [20] [22] [23] [24] [25] しかしながら、10件のケースコントロール研究から得られた20,000人近くの被験者を対象にした多施設併合解析および再解析では、病原性多様体キャリアにおいて2.3倍という乳がんの有意な過剰発現が確認されている。 [26] その後のメタアナリシスによると、25件のケースコントロール研究から29,154人の症例および37,064人の対照を基に、CHEK2 1100delC ヘテロ接合型と乳がんリスクとの間に有意な関連性が認められた(オッズ比[OR]、2.75;95%CI、2.25-3.36)。非選択、家族性、および早期発症型の乳がんサブグループにおけるOR(CI)は、それぞれ2.33(1.79-3.05)、3.72(2.61-5.31)、および2.78(2.28-3.39)であった。しかしながら、研究の限界としては、サブグループ解析を実施しないで集団を併合したこと、集団ベースおよび病院ベースの対照を混合して使用していること、および調整していない推定値で得られた結果を基にしていること(少ない共通因子でのみ症例と対照をマッチさせているため)が挙げられる;そのため、これらの限界を考慮に入れて結果を解釈すべきである。 [27]

CHEK2の1100delC病原性多様体に伴うリスクは両側性乳がんで確認された発端者の家系においてより強かったことが、2件の研究から示唆されている。 [28] [29] さらに、1100delC病原性多様体キャリアのメタアナリシスから、乳がん家族歴を有する女性における乳がんリスクは70歳までで42%と推定された。 [30] 同様に、ポーランドの研究では、CHEK2切断型病原性多様体による乳がんリスクが、乳がんの家族歴に基づいて次のように報告された:家族歴なし:20%;第二度近親者が1人:28%;第一度近親者が1人:34%;および第一度および第二度近親者がいる場合:44%。 [3] さらに、オランダの研究では、CHEK2 1100delC多様体のホモ接合体を有する女性はヘテロ接合体を有する女性と比較して、乳がんのリスクが2倍以上であることが示唆された。 [31] CHEK2病原性多様体に関連した乳がん以外のがんについての報告は矛盾しているものの、多様体の型(すなわち、ミスセンス vs 切断型)や研究される集団によって報告結果は異なっており、現在のところ、臨床的有用性は認められない。 [18] [23] [32] [33] [34] [35] [36] [37] CHEK2多様体の乳がんに対する寄与は研究される集団に依存していると考えられ、ポーランドでは多様体保有率が潜在的に高い。 [38] ポーランドにおけるCHEK2病原性多様体キャリアはER陽性乳がんをより発症しやすいようである。 [39]

現在のところ、CHEK多様体の臨床適用性(clinical applicability)は、多様体の保有率が低く、臨床管理のためのガイドラインが存在しないため、不明のままである。 [40]

86,975人を対象にしたオランダの大規模研究では、CHEK2 1100delC病原性多様体のキャリアについて乳がんおよび結腸がん以外のがんリスク増加が報告された [41] が、こうしたリスクの精度をさらに改良するために追加の研究が必要である。

(詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約の CHEK2 のセクションを参照のこと。)

ATM

毛細血管拡張性運動失調症(AT)(OMIM)は、常染色体劣性の疾患であり、神経学的悪化、末梢血管拡張症、免疫不全状態、電離放射線過敏症を特徴とする。一般集団の1%が、ATM多様体(OMIM)のヘテロ接合体キャリアと推定される。 [42] この遺伝子には、300以上の多様体が同定されており、そのほとんどは切断型多様体である。 [43] ATM蛋白は、細胞周期制御の役割を果たすことが示されている。 [44] [45] [46] in vitroでは、AT欠損細胞は電離放射線および放射線様作用薬に感受性を示し、放射線に曝露したのち、細胞周期制御特性の欠失が認められる。 [47]

乳がん患者にATM病原性多様体が異常集積することを調査した初期の研究では相反する結果が得られたが、おそらくこれは研究デザインおよび多様体検査の戦略が原因と考えられる。 [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] しかしながら、2件の大規模な疫学研究により、女性のヘテロ接合体キャリアでは乳がんリスクが統計的に高いことが明らかになっており、推定されるRRは約2.0である。 [4] [58] この疫学的関連に説得力があるにもかかわらず、ATM多様体を調べる検査の臨床での適用は、広い多様体の範囲および検査のロジスティックスのために不確かである。多様体が存在するとスクリーニングに関連した放射線曝露にリスクが生じるため、さらなる研究が必要である。

CASP8およびTGFB1

国際的な研究者グループのBreast Cancer Association Consortium(BCAC)では、症例15,000~20,000人と対照15,000~20,000人を対象として、乳がんの過剰リスクと関連している可能性がある以前の研究で同定された一塩基多型(SNP)が調査された。SNPのCASP80 D302HおよびTGFB1 L10Pの2つは、浸潤性乳がんと関連し、RRは、それぞれ0.88(95%CI、0.84-0.92)および1.08(95%CI、1.04-1.11)であった。 [59]

RAD51

RAD51およびRAD51パラログとしても知られるRAD51関連遺伝子ファミリーは、相同的組換えやBRCA1およびBRCA2を含む多くの他のDNA修復蛋白との相互作用を介したDNA損傷修復に関連する蛋白をコードすると考えられる。RAD51蛋白は、DNA損傷応答における一本鎖アニーリングで中心的役割を果たす。損傷部位へのRAD51の関与と組換えDNA修復はRAD51パラログに依存するが、それらの正確な細胞機能は十分に解明されていない。 [60] これらの遺伝子の多様体により、DNA損傷に反応するRAD51フォーカス形成能が失われると考えられている。 [61]

5種類のRAD51関連遺伝子の1つであるRAD51Cは、ファンコニー貧血様疾患と家族性の乳がんおよび卵巣がんの両方に関連することが報告されている。しかし、その文献では相反する結果が示されている。BRCA1およびBRCA2病原性多様体陰性の乳がんおよび卵巣がんを特徴とするドイツ人の480家系を対象とした1件の研究では、RAD51Cの片アレル性の多様体が6例認められた(発生頻度は1.3%)。 [62] 別の研究では、乳がんおよび/または卵巣がんのBRCA1/2陰性患者286人に対してスクリーニングを実施したところ、RAD51C-G153Dに可能性の高い1種類の病原性多様体が認められた。 [63] RAD51C病原性多様体はオーストラリア人、英国人、フィンランド人、スペイン人のBRCA1/2に関連しない卵巣がんのみおよび乳がん/卵巣がんの家系において、また選択されていない卵巣がん症例においても報告されており、これらの集団における頻度は0%から3%の範囲である。 [5] [12] [64] [65] [66] [67] [68] [69] 一般的なユダヤ性病原性多様体について事前に検査を受けた高リスクのユダヤ人女性206人(うちアシュケナージ系79人)のサンプルで、以前に記述された、可能性のある2種類のミスセンス病原性多様体が検出された。 [70] 他の4件の研究では、RAD51C遺伝子と遺伝性の乳がんまたは卵巣がんとの関連は確認できなかった。 [71] [72] [73] [74]

RAD51C病原性多様体のキャリアのほかに、RAD51BRAD51DRAD51L1などのRAD51パラログも乳がんおよび/または卵巣がんのリスクに関連する可能性があるが [6] [12] [75] [76] [77] [78] 、これらの知見の臨床的意義は不明である。3,429人の卵巣がん患者を対象とした1件のケースコントロール研究では、RAD51CおよびRAD51Dの病原性多様体が卵巣がん症例(0.82%)で対照群(0.11%、P < 0.001)よりも多く認められた。 [79]

生殖細胞多様体に加え、各種のRAD51多型がDNA欠損に対する修復能を低下させ、家族性乳がんへの感受性を増大させたとの仮説が立てられている。Consortium of Investigators of Modifiers of BRCA1/2(CIMBA)は、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリア8,512人から得られたデータを集積し、BRCA2キャリアの女性とRAD51 135G→C SNPがCCのホモ接合体である女性では乳がんのリスクが高くなる証拠を明らかにした(ハザード比;1.17;95%CI、0.91-1.51)。 [80]

数件のメタアナリシスで、RAD51 135G→C多型と乳がんのリスクとの関連についての調査が実施された。これらのメタアナリシスで報告された研究には多くの重複する内容が含まれ、対象とされた集団の特性には大きなばらつきがあり、得られた知見に対する重要な方法的限界がある。 [81] [82] [83] [84] BRCA1/2の状態が不明な症例13,241例および対照13,203例を対象とした9件の疫学研究のメタアナリシスによると、CCの遺伝子型を保有する女性は、GGまたはGCの遺伝子型を保有する女性と比較して、乳がんのリスクが高い(OR、1.35;95%CI、1.04-1.74)ことが明らかになった。症例12,183例と対照10,183例を対象とした14件のケースコントロール研究についてのメタアナリシスでは、BRCA2キャリアであることが判明していた女性のみリスクが高いことが確認された(OR、4.92;95%CI、1.10-21.83)。 [85] 既知のBRCA陰性症例の研究のみを対象とした12件の研究についてのメタアナリシスでは、RAD51 135G→Cと乳がんとの間に関連はみられなかった。 [86]

要約すると、これらの相反するデータの中にはRAD51Cの生殖細胞多様体と乳がんおよび卵巣がんとの間に若干の関連性があることを示す実質的な証拠が存在する。また、CC遺伝子型のホモ接合体を有する女性、特にBRCA2キャリアの女性において、RAD51 135G→C多型と乳がんとの関連性を示す証拠も存在している。これらの関連性は、RAD51の既知の役割であるゲノム安定性の維持を考慮すると妥当に思われる。

Abraxas

BRCA1と相互作用する遺伝子Abraxasの病原性多様体が、フィンランドの3つの乳がん家系に認められ、対照にはみられなかった。 [87] この集団外におけるこの知見の意義は明らかになっていない。

RECQL

高リスクのポーランド人家系とケベックのフランス系カナダ人家系に対する完全なエクソーム配列決定から、両方の集団でRECQL遺伝子に複数のまれな切断型多様体変異が見い出された。 [88] (全エクソーム配列決定に関する詳しい情報については、がん遺伝学の概要のPDQ要約の臨床シークエンシングのセクションを参照のこと。)この遺伝子の切断型多様体は、同じ集団でその後に実施された2つの検証段階でも、高リスク家系に属する他の乳がん患者、ならびに多様体の頻度が対照における頻度より高かった別の乳がん症例で同定された。研究結果からは切断型の生殖細胞RECQL病原性多様体が乳がんリスクの増大に関連していることが示唆されるが、依然として正確なリスクの大きさは不明であり、今後の研究で臨床的有用性を見極める必要がある。これら2つの集団外におけるこの知見の意義は明らかになっていない。

SMARCA4

SMARCA4はBRG1をコードし、クロマチンが遺伝子発現の調節に利用できるようにする上で大きな役割を果たすSWI/SNFクロマチン再構築複合体の触媒サブユニットである。

卵巣小細胞がん、高カルシウム血症型(SCCOHT)は、まれな侵攻性の腫瘍であり、発症年齢が低く(40歳以前)、予後不良である。 [89] [90] [91] ときに家族内集積が認められる。SCCOHT腫瘍は片側性または両側性の場合があり、 組織学的には活発な有糸分裂活性を示す小さな過染色性細胞の存在を特徴とする。 [90] SCCOHTの治療については手術、化学療法、および放射線療法を含む集学的アプローチが提案されている。 [90] [91] 60%の症例で高カルシウム血症の腫瘍随伴現象がみられることを考慮し、疾患の経過のモニタリングにおいてはカルシウム濃度の追跡が有用である。胚細胞腫瘍、性索間質性腫瘍、未分化がんなどの広範な鑑別診断により、SCCOHTは世界保健機関により「その他の腫瘍」として分類されているが、最近、配列決定により悪性ラブドイド腫瘍であるとされている。 [92] エキソーム配列決定により、SCCOHT症例の大半は機能的SMARCA4/BRG1を欠くことが認められている;実際、SMARCA4の病原性多様体がSCCOHTの原因となる唯一の多様体である可能性がある。

文献には300例程度しか報告がないが、SCCOHTがSMARCA4遺伝子の生殖細胞および体細胞の病原性多様体と関連していることを3つの別個の研究グループが示している。SCCOHTの若年女性12人を対象とした研究では、 腫瘍と正常サンプルの対の配列決定から、各症例において両アレル性SMARCA4病原性多様体の不活性化が明らかとなった。 [93] 配列決定された他の278遺伝子のすべてで非反復性体細胞遺伝子は他にわずか4つしか同定されなかった。免疫組織化学検査で、検査された9症例中7例でSMARCA4蛋白発現の消失が示されたが、これは腫瘍抑制遺伝子の機能と一致していた。別の患者12人についての2番目の研究で、次世代の塩基配列決定法でも、唯一の反復性多様体を生じた遺伝子としてSMARCA4が同定され、多様体の大多数は短縮蛋白を生じるものと予測された。 [94] 3番目の研究は3家系を対象とし、Sanger塩基配列決定法での確認による全エキソーム配列決定法により26例中24例で少なくとも1つの生殖細胞または体細胞の病原性多様体が同定された。 [95] 全体として、SCCOHT腫瘍では43例中38例(88%)がSMARCA4発現の消失を示したのに対し、他の種類の卵巣腫瘍では139例中1例のみ(0.7%)であった。

この腫瘍が希少であることから、SMARCA4の浸透度は不明である。現在、管理についてコンセンサスは存在しないが、SMARCA4は遺伝子検査用に現在利用できるより大規模な多重遺伝子パネルに組み込まれており、病原性多様体のキャリアに対してはリスク低減のための手術が提供されている。 [96]


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低浸透度の遺伝子および遺伝子座

乳がんおよび婦人科がんに対する多遺伝子性の感受性の根底にある多型は低浸透度と考えられているが、低浸透度という用語は、最小から中等度のリスクに関連する塩基配列多様体に対してしばしば用いられる。これは、典型的にはより重度の表現型と関連する「高浸透度」の多様体またはアレル(例えば、BRCA1/BRCA2の病原性多様体は家系内で常染色体優性の遺伝様式を示す)、ならびにBRIP1CHEK2、およびRAD51Cなどの「中浸透度」の多様体とは対照的である。(詳しい情報については、本要約の高浸透度の遺伝子高浸透度の遺伝子および中浸透度の遺伝子中浸透度の遺伝子のセクションを参照のこと。)このような塩基配列変異(低浸透度の遺伝子、アレル、多様体、多型とも呼ばれる)は一般集団中に比較的高頻度でみられ、それらのがんリスクへの全体的な寄与は、BRCA1およびBRCA2病原性多様体の集団における寄与リスクよりもはるかに大きいと推定される。例えば、分離解析による推定では、全乳がんの半数が最も感受性が高いとされる集団の12%に発生する。 [1] BRCA1/BRCA2には既知の低浸透度の多様体は存在しない。当初は低浸透度のアレルと考えられていたBRCA2のN372H多様体は、ある大規模な併合解析では確認されなかった。 [2]

乳がんの感受性につながる低浸透度の多型を同定するために以下の2つの戦略が試みられている:候補遺伝子および全ゲノム検索。どちらも疫学的なケースコントロール研究デザインを要する。候補遺伝子アプローチでは、既知のまたは推定される生物学的機能、発がんまたは器官生理学との関連性に基づいて遺伝子を選択し、その後がんリスクとの関連について既知の遺伝子多様体の探索または検査を行う。この戦略は不完全および不完備の生物学的知見に依存しており、いくつかの関連(以下に示す)が確認されているにもかかわらず、相対的に期待に反するものとなっている。 [2] [3] 候補遺伝子アプローチは、ゲノムワイド関連解析(GWAS)にほとんど取って代わられており、GWASでは非常に多くの一塩基多型(SNP)(約100万~500万)がゲノム内で選択され、ほとんどが可能性のある生物学的機能に関係なく、代わりにゲノム全体ですべての遺伝的変異をより一律に捕捉するために検査される。

全ゲノム検索

候補遺伝子および/またはアレルの評価とは対照的に、GWASではゲノム全体にわたって存在する遺伝子多様体の非常に大きなセットを比較する。現在のパラダイムでは、HapMap計画および1000 Genomes Projectに基づいてゲノム内に一般的にみられる変異の大部分を捕捉するように選択した500万もの多くのSNPセットが用いられる。 [4] [5] 多数の症例と対照(典型的にはそれぞれ1,000例以上)間のアレルの頻度を比較し、被験者の複製セットにおける有望な信号を確認することにより、関連についての非常に頑強な統計的信号が得られている。 [6] [7] [8] 染色体上で互いに物理的に密接なSNP間の多くに強い相関(連鎖不平衡)がみられるが、これにより、生物学的に関連のある多様体が検査されたSNPのセットに存在しない場合でも、感受性アレルがないかゲノムを「スキャン」することが可能である。このSNP間の相関により、すべてのSNPを分析する必要もなく大部分のゲノムを調べることができるが、相関が確認された際に、相関している多くの多様体のうち、どの多様体が原因であるかは一般に不明である。

全ゲノム検索は、乳がんを含む多くの複合疾患 [9] に対する一般的な低浸透度の感受性アレルを同定する上で非常に有望であることを示している。 [10] [11] [12] [13] 最初の研究では家族性乳がん症例で初期スキャンを行い、その後散発性乳がんの2つの大規模なサンプルセットで反復され、最後の研究では、Breast Cancer Association Consortiumからのそれぞれ2万人を超える症例と対照の集合について行われた。 [10] FGFR2TNRC9MAP3K1、およびLSP1遺伝子内または付近、または染色体8q領域で5つの異なるゲノム領域が同定された。8q領域およびその他の領域には、リスクに関連する独立した遺伝子座が複数隠れている可能性がある。その後の全ゲノム検索では、これらの遺伝子座が再確認され、新たな遺伝子座が同定されている。 [11] [12] [14] [14] [15] [16] [17] [18] [19] 散発性乳がんの大規模な研究で同定された多数のSNPは、エストロゲン受容体陽性乳がんと比較的強く関連していると思われる [20] ;しかしながら、一部のSNPは主として、またはもっぱらトリプルネガティブ乳がんなど、他のサブタイプと関連している。 [21] [22] 形質/疾患関連SNPのゲノムの特徴を研究する際に使用するため、発表されているGWASからのSNP-形質関連のオンライン目録が利用できる。

これらの遺伝子座における遺伝的変異と乳がんおよび卵巣がんリスクとの関連性に関する統計的証拠は圧倒的に多いが、生物学的に関連している多様体とそれらによりリスク増加に至る機序は不明であり、遺伝学的および機能的な特徴について、さらに調査が必要である。さらに、これらの遺伝子座は非常に軽度のリスクとしか関連しておらず(一般的に、オッズ比[OR] < 1.5)、新たなリスク多様体が同定される可能性が高い。SNPと疫学的な乳がんの危険因子との相互関係は特定されていない。 [23] [24] さらに複数の理論的モデルで、一般的な中等度リスクのSNPが個別化したリスク評価用のモデルを改善する可能性は限られることが示唆されている。 [25] [26] [27] これらのモデルでは、識別の正確度の1つの指標として受信者動作特性(ROC)曲線分析を用いて曲線下面積(AUC)が算出された。その後の研究では、5,500例を超える乳がん症例と6,000例近くの対照の臨床データセットを対象に、ROC曲線分析を用いてSNPの有用性を調査するために、従来の危険因子を用いたモデルと、標準の危険因子および以前に同定された10個のSNPの両方を用いたモデルが比較された。遺伝情報の追加により、AUCは58%から61.8%にわずかに変化したが、結果は臨床的に有意であるとは考えられなかった。これにもかかわらず、遺伝情報を含めた場合の乳がんリスクでは、32.5%の患者がリスクの高い方の五分位に含まれ、20.4%の患者がリスクの低い方の五分位に含まれた。このような情報に臨床的有用性があるかどうかは不明である。 [25] [28]

卵巣がんリスクに関して利用できるデータはさらに限られている。卵巣がんでは、10,000人を超える症例と13,000人の対照を対象とした段階的な解析を伴う3件のGWASが実施されている。 [29] [30] [31] 他のGWASと同様に、各ORはわずかに大きいだけで、一般に約1.2以下であるが、その蛋白が複合してBRCA1を制御している可能性があるBABAM1、およびBRCA1/BRCA2欠損細胞では重要な可能性がある分子であるポリ(ADPリボース)ポリメラーゼをコードしているTIRAPRのように、卵巣がんと生物学的に関連している可能性が高い多くの遺伝子に、このORは関係している。

がんリスクに対するこれらのSNPの個別のおよび集合的な影響がプロスペクティブに評価されていないため、これらは臨床的に意義があるとはみなされない。

一般的な遺伝子多様体を調べるゲノムワイド解析に加え、全ゲノムまたは全エクソーム配列決定に関する塩基配列決定に基づく解析 [32] でも、XRCC2や、まれで浸透度が中程度の乳がん感受性遺伝子などの乳がんに関連する遺伝子が特定されている。 [33] (全エクソーム配列決定に関する詳しい情報については、がん遺伝学の概要のPDQ要約の臨床シークエンシングのセクションを参照のこと。)


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BRCA病原性多様体キャリアの臨床管理

乳がんおよび卵巣がんに対して遺伝的感受性を有する集団を対象に、リスクを低減する介入の結果に関して利用可能なデータが増加している。 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] 本要約の他のセクションで概説しているように、家族歴または遺伝子検査が陽性の場合にみられるがんリスクのレベルに関しては、不確実性が無視できないことが多い。このような環境では、個人の好みがリスク低減戦略について患者が決定する際の重要因子になる可能性が高い。

スクリーニングおよび予防戦略

乳がん

スクリーニング/サーベイランス

一般集団におけるスクリーニングに関する情報については、乳がんのスクリーニングに関するPDQ要約を参照のこと、さらに、スクリーニングおよび予防に関連する証拠レベルに関する情報については、PDQ要約のがん遺伝学研究に関する証拠レベルを参照のこと。

乳房自己検査

一般集団では、乳房自己検査(BSE)の価値を示す証拠が限られている。中国の上海で実施されたBSEのランダム化研究から、予備成績が報告されている。 [8] 5年目の時点で、女性の対照群と比較したところ、BSE群では乳がんによる死亡率の低下はみられなかっただけでなく、乳がん診断時の病期分類に実質的な移行もみられなかった。(詳しい情報については、乳がんのスクリーニングに関するPDQ要約を参照のこと。)

乳がんリスクが高い個人において、BSEに関する直接的かつプロスペクティブな証拠はほとんど存在しない。カナダ国家乳がんスクリーニング研究(CNBCSS)では、乳がんに罹患している第一度近親者(FDR)がいる女性は、家族歴のない女性よりもBSE能力スコアが統計的に有意に高いとの報告がある。ある紹介センターでの高リスク女性251人の研究では、以前の検診後1年未満の間に自己検査により5例の乳がんが検出された(臨床医の診察により検出された1例のがん、およびマンモグラフィの結果により検出された11例のがんと比較)。このコホートの女性は自己検査の指導を受けていたが、この期間のがんが計画された自己検査の結果検出されたのか、偶然の乳房腫瘤の発見なのかは述べられていない。 [9] BRCA1/BRCA2 病原性多様体 キャリアを対象にした別のシリーズでは、がんを発症した9例中4例が、マンモグラムでは正常と報告された後で触知可能な腫瘤と診断されたことから、自己検査の潜在的価値がさらに強く示唆される。 [10] Cancer Genetics Studies Consortiumにより召集された作業部会は、「規則正しい習慣を身につけ、乳房組織の正常な特徴を知っておくためにも、成人期の初期(例、年齢18~21歳まで)から開始する、月1回の自己検査を行うこと」を推奨している。また「自己検査に関する教育と指導を行うこと」を推奨している。 [11]

証拠レベル:5

乳房視触診

乳房視触診(CBE)に関するプロスペクティブなデータはほとんど存在しない。

Cancer Genetics Studies Consortiumの作業部会は、「早発型乳がんの遺伝リスクを有する女性では、自己検査と同様に、臨床検査の役割が特に重要であろう」と結論を下した。彼らはBRCA1またはBRCA2の高リスク病原性多様体の女性キャリアは、年齢25歳~35歳で1年に1回または半年に1回診察を受けるよう推奨している。 [11]

証拠レベル:5

マンモグラフィ

一般集団では、年齢50歳~59歳の女性が定期的にマンモグラフィスクリーニングを受けたことにより、乳がんによる死亡率が25~30%低下したことを示す強力な証拠がある。(詳しい情報については、乳がんのスクリーニングに関するPDQ要約を参照のこと。)40歳~49歳でマンモグラフィによるスクリーニングを受け始めた女性では、スクリーニング開始から15年後に乳がんによる死亡率が17%低下したことが認められている。 [12] 28,000人以上の女性を対象にしたコホート研究から得られた観測データにより、若い女性ではマンモグラフィの感度が低いことが示唆されている。この研究では、乳がんに罹患しているFDRが1人いる比較的若い女性(年齢30歳~49歳)に対する感度は最も低かった。このような女性の場合、最初のマンモグラフィのスクリーニングから13ヵ月以内に診断された乳がんの69%がマンモグラフィにより検出された。これとは対照的に、家族歴のない50歳未満の女性に対する感度は、88%(P=0.08)であった。50歳以上の女性の場合、感度は13ヵ月目で93%であり、家族歴によって変わることはない。 [13] 予備データにより、マンモグラフィの感度は、BRCA1およびBRCA2非キャリアよりもキャリアにおける方が低いことが示唆される。 [10] 続いて実施された観察研究は、マンモグラフィの陽性適中率(PPV)が年齢とともに高くなり、高齢女性および乳がん家族歴のある女性で最も高いことを明らかにしている。 [14] 陽性適中率が高くなるのは、乳がん発症率が増大し、感度および/または特異度が高くなるためである。 [15] 1件の研究により、26人がBRCA1病原性多様体を有し、2人がBRCA2病原性多様体を有した全28人の女性において、突出境界の存在と乳腺X線写真偽陰性との関連が明らかにされた。髄様組織型の特徴である突出境界は、線維性反応の欠如と関連している。 [16] さらに、急速な腫瘍倍加時間により、見かけは正常な検査後まもなく、腫瘍が現れることがある。ある研究では、BRCA1/BRCA2キャリアにおける平均腫瘍倍加時間は45日であったのに対し、非キャリアでは84日であった。 [17] BRCA病原性多様体を有する女性におけるマンモグラフィでの乳腺密度を評価した別の研究では、病原性多様体の保有状況とマンモグラフィでの乳腺密度との間に関連は認められなかった;しかしながら、キャリアと非キャリアのいずれにおいても、高い乳腺密度は乳がんリスクの増大と関連していた。 [18]

カナダのランダム化乳がんスクリーニング研究-2は、一般集団から抽出した50歳~59歳の女性を対象として年1回のCBEとマンモグラフィの併用とCBEのみとを比較した。両群ともBSEに関する指導は受けていた。 [19] マンモグラフィにより、CBEよりも小さな原発浸潤性腫瘍、多くの浸潤性乳管がん、多くの非浸潤性乳管がん(DCIS)が検出されたが、CBEとマンモグラフィの併用群とCBE単独群の乳がんによる死亡率はほぼ同じであり、他の乳がんスクリーニング試験と比べ、勝るとも劣らなかった。平均追跡期間13年(範囲11.3~16.0年)後の乳がんによる累積死亡比率は1.02(95%信頼区間[CI]、0.78-1.33)であった。この知見に関する1つの可能な解釈として、CBEを実施する医療専門家に対する行き届いた訓練および監督が挙げられた。

デジタルマンモグラフィとは、X線像を検出し記録するデジタル検出器の使用を意味する。この技術によりコントラスト分解能が向上するため [20] 、マンモグラフィの感度が向上する可能性のある戦略として提案されている。40歳以上の女性の6,736の診察において、デジタルとルーチンのマンモグラフィとを比較したスクリーニング研究は、がん検出率における差を見い出さなかった [21] ;しかしながら、デジタルマンモグラフィの方が、再検診が少ない結果となった。42,760人の女性においてデジタルマンモグラフィとマンモグラフィ単純撮影とを比較した別の研究(ACRIN-6652)では、2つの技術による診断の全体的な正確度はほぼ同じであった。 [22] 受信者動作特性曲線を比較したところ、50歳未満の女性、乳房がX線画像で濃く描出される女性、および閉経前または閉経期前後の女性では、デジタルマンモグラフィの方が正確であった。

BRCA病原性多様体を有し、スクリーニングとリスク低減のための手術に関する一律の推奨を受けた個人251人のプロスペクティブ研究において、年1回のマンモグラフィは、BRCAの結果を受け取った後、平均20.2ヵ月で6人の女性の乳がんを発見した。 [9] Cancer Genetics Studies Consortiumの作業部会は、BRCA1またはBRCA2の高リスク病原性多様体の女性キャリアに対して、「25歳~35歳から年1回のマンモグラフィを開始する」ことを勧めている。「マンモグラムは、以前のフィルムがあれば比較することができるため、可能であれば、同じ位置で行うべきである」と推奨している。 [11] 電離放射線ツールを用いるスクリーニング vs CBEまたは非電離放射線ツールによるスクリーニングの相対利益および相対リスクに関するプロスペクティブ研究から得られたデータは、有用な可能性がある。 [23] [24] [25]

ある観察によって、BRCA病原性多様体キャリアは、病原性多様体が認められない女性よりも放射線誘発性乳がんに罹患する傾向がより強い可能性があると懸念されている。BRCA1およびBRCA2蛋白は、放射線誘発性の損傷の修復に関与する機序を含めて、DNA損傷修復の細胞メカニズムにおいて重要な役割を果たしていることが知られている。一部の研究では、BRCA多様体についてヘテロ接合性の細胞では中間の放射線感受性が示唆されているが、これは一貫しておらず、実験の体系およびエンドポイントによって異なる。

BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアを対象とした3件の研究では、電離放射線曝露と乳がんリスクの間に関係があるという納得できる証拠は得られていない。 [26] [27] [28] 対照的に、2件の大規模な国際研究では、胸部X線により [29] 、または診断用放射線への総曝露の推定値により [30] 、乳がんリスクが上昇するという証拠が認められた。病原性多様体キャリア1,601人を対象とした大規模な国際共同ケースコントロール研究によると、胸部X線検査をかつて受けたことのある女性では乳がんリスクが高く(ハザード比[HR]、1.54)、1949年より後に出生し、X線への曝露が20歳より前に限られる40歳以下の女性でリスクが最も高いことが報告された。 [29] この研究における被験者の一部は、欧州の3施設による病原性多様体キャリアを対象としたより大規模でより包括的な解析にも含まれていた。 [30] これは、英国、フランス、およびオランダから1,993人のBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアを対象とした試験で、年齢層ごとの診断用放射線(例えば、X線、マンモグラフィ、蛍光透視、およびコンピュータ断層撮影)による推定総曝露量は、自己報告式質問票から得られた。30歳前に曝露された女性は、それまでに曝露されていない女性に比べリスクが高かった(HR、1.90;95%CI、1.20-3.00)。このリスクは、20歳未満の女性におけるマンモグラフィ以外の放射線曝露(HR、1.62;95%CI、1.02-2.58)により主に導かれたものであった。その後、研究参加時点で乳がんの診断を受けていないBRCA1キャリア1,844人とBRCA2キャリア502人を対象としたプロスペクティブ研究によると、平均追跡期間が5.3年で、マンモグラフィの受診歴と乳がんリスクとの間に有意な関連性は観察されなかった。 [28] 30歳未満の女性を対象とした追加のサブグループ解析で、乳がんリスクと関連しないことが実証された。

BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける磁気共鳴画像法(MRI)のルーチン使用に関して、特に若い女性では、マンモグラフィによるスクリーニングから得られる可能性のある何らかの有益性を、潜在リスクに対して慎重に比較検討しなければならない。 [31] 1件の研究から、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアで最も費用効果の高いスクリーニング戦略は、年1回のMRIを25歳で開始し、30歳からはMRIとデジタルマンモグラフィを交互に実施する(各検査を年1回実施するが、スクリーニングは6ヵ月ごとになるようにする)ことではないかと提案されている。 [32] 現在NCCNは、25~29歳では年1回のMRIによるスクリーニング、また30~75歳では年1回のMRIとマンモグラフィによるスクリーニングを推奨している。 [33]

MRI

乳がんについて遺伝性リスクのある女性では、マンモグラフィの感度が比較的低いため、BRCA病原性多様体キャリアを含めた高リスク女性において多くのスクリーニング方法が提案され研究されている。乳がんリスクのある女性を対象とした乳房のMRIによるスクリーニングに関しては、比較的大規模な多施設試験の報告を含め、多くの研究による経験が報告されている。 [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42]

こうした研究には制限があるにもかかわらず、研究は、乳房のMRIが遺伝性乳がんの発見に関してマンモグラフィまたは超音波のいずれよりも感度が高いことを一貫して示している。6件の大規模研究の結果が表10表10、遺伝性乳がんのリスクがある女性におけるMRIスクリーニング検査の要約に示されている。 [34] [36] [37] [40] [43] [44] これらのプログラムにおけるほとんどのがんがスクリーニングで発見されており、スクリーニングとスクリーニングの合間に発症したがんはわずか6%であった。(研究の方法論によって定義されているように)MRIの感度は71~100%であった。研究を総合すると、MRIにより77%のがんが同定され、マンモグラフィにより42%のがんが同定された。

他のスクリーニング方法と比較してMRIの低い特異度に関する問題が提起されている。1件の研究では、最初のMRIスクリーニング後、精密な評価のために16.5%の患者が呼び戻され、6ヵ月経過時にさらに7.6%の患者が短期間の追跡検査を受けるように勧められた。 [37] これらの割合は、後のスクリーニング期間中にかなり低下し、より詳しいMRIのために呼び戻された被験者は10%未満、短期間の追跡検査を受けるように勧められたのは3%未満であった。2つ目の研究、Magnetic Resonance Imaging for Breast Screening (MARIBS)では、追加の評価のために呼び戻された割合は年間10.7%であった。 [36] 最初の研究において生検が良性であった割合は、1巡目で11%、2巡目で6.6%、3巡目で4.7%であった。 [37] MARIBS研究における集合外科的生検率(aggregate surgical biopsy rate)はスクリーニング1,000エピソード当たり9例であったが、MARIBSの計算の分子には、追跡の超音波、コア針生検、および穿刺吸引法が含まれていないため、負担が過小評価されている可能性がある。 [36] MRIのPPVはさまざまなシリーズで計算方法が異なっており、検査におけるすべての異常、または生検を来した検査のみが分母に含められるかによっていくぶん変動する。一般に、組織採取のために推奨されるPPVは(追加の調査とは対照的に)ほとんどのシリーズで50%程度である。

これらの試験により、MRIは遺伝性乳がんの発見においてマンモグラフィより優れていること、および年1回のMRIスクリーニングを含むこれらの試験に参加した女性はスクリーニングで見逃されるがんを有する可能性は低かったことが証明されると考えられる。 [45] しかしながら、マンモグラフィは、MRIでは同定されないある種のがん、特にDCISを同定しうる。 [46]

病期の低下に関して、遺伝性乳がんのリスクがある患者では、2つの非ランダム化対照群の女性よりも、腫瘍が小さくリンパ節転移陰性の乳がんと診断される傾向が高かったことを明らかにしたスクリーニング研究が1件ある。 [34] しかしながら、エンドポイントとして腫瘍の病期または死亡を用いた、MRIを併用するまたは併用しないスクリーニングのランダム化研究は実施されていない。MRIスクリーニングの明らかな感度にもかかわらず、MRIをベースにしたプログラムの一部の女性は致死的な乳がんを発症する。年1回のマンモグラフィおよびMRIでスクリーニングを受けた51人のBRCA1病原性多様体キャリアおよび41人のBRCA2病原性多様体キャリア(このうち80人がリスク低減のための卵巣摘出術を受けた)を対象にした1件のプロスペクティブ研究では、11人に乳がんが発見された(浸潤性:9例およびDCIS:2例)。6人のがんは最初にMRIで発見された;3人が最初にマンモグラムで発見された;2人は中間期がんであった。乳がんはすべてBRCA1病原性多様体キャリアに発生したことから、短期的には卵巣摘出術後もBRCA1関連乳がんのリスクが依然として高いことが示唆される。これらの結果から、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアではサーベイランスおよび予防戦略により転帰が異なることが示唆されている。 [41]

3件の大規模研究(MARIBS、カナダの研究、オランダのMRIスクリーニング研究)からの結果を集約した記事が発表され、MRIをマンモグラフィに追加した場合、BRCA2病原性多様体キャリアで検出されたがんの80%がDCISまたは1cm未満の浸潤がんであったことが実証された。BRCA1病原性多様体キャリアではがんの49%がDCISまたは小さい浸潤がんであった。さらに、著者らはBRCA1およびBRCA2の両方の病原性多様体キャリアに対してMRI追加による死亡率の有益性を予測した。このモデルでは、乳がん死亡率の低下をマンモグラフィで42~47%、MRIで48~61%、併用スクリーニングで50~62%と予測した。 [47] 1997年から2006年の間にMRIを受けたBRCA1/2病原性多様体キャリアを調査した別の研究では、発生がんの97%が0期またはI期であったことが実証されている。 [48] 米国がん協会とNCCNは、遺伝性乳がんリスクのある女性に対して、年1回のMRIによるスクリーニングの利用を推奨している。 [33] [49]

マンモグラフィとMRIの実施時期に関する別の問題は、それらを同時に実施すべきか、交互(各検査を年1回実施するが、スクリーニングは6ヵ月ごとになるようにする)に実施すべきかというものである。1件の研究から、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアで最も費用効果の高いスクリーニング戦略は、年1回のMRIを25歳で開始し、30歳からはMRIとデジタルマンモグラフィを交互に実施することではないかと提案されている。 [32]

要約すると、BRCA1/2病原性多様体キャリアに対する乳がんサーベイランスでは、乳房MRIの不可欠な役割がエビデンスにより強く支持される。

表10.遺伝性乳がんのリスクがある女性における磁気共鳴画像法(MRI)スクリーニング検査の要約

研究シリーズ Rijnsburger Warner MARIBS Kuhl Weinstein Sardanelli 合計
a最初にスクリーニングを受けた1,909人の女性に基づく。
b浸潤性がんのみを有する患者および浸潤性がんと非浸潤性がんの両方を有する患者を含む。
cマンモグラフィとMRIスクリーニングの両方を受けた女性において発見されたがんは75のみである。
d超音波検査が実施された研究に限定される。
患者数 全体 2,157 236 649 687 609 501 4,839
BRCA1/BRCA2キャリア 594 236 120 65 44 330 1,389
スクリーニング回数 6,253 457 1,881 1,679   1,592 11,862
がんの数 ベースライン 22a 13 20 10 0 0 65
その後 97 9 15 17 18 52 208
浸潤性b 78 16 29 8 11 44 186
非浸潤性 19 9 6 9 7 8 58
年間発生率 10.4/1,000   19/1,000        
計画されたスクリーニングでの発見例 78 21 33 27 18 49 226 (83%)
各方法での発見数 マンモグラフィ 31c 8 14 9 7 25 94 (42%)
MRI 51c 17 27 25 12 42 174 (77%)
超音波 d   7   10 3 26 46 (41%)
追跡期間 中央値4.9年 1年以上 2~7年 中央値29.09ヵ月 2年 3年  


証拠レベル:3

超音波

数件の研究が、1件のレビューで考察されたように、マンモグラフィでは見落とされたが超音波により検出された乳がんの例を報告している。 [50] 家族歴に基づいた中等度のリスクをもつ149人の女性において、マンモグラフィの補助として行われた超音波のパイロット研究では、超音波所見に基づきがんが1例検出された。他に9例の良性病変の生検が実施された。1件がマンモグラフィと超音波両方の異常に基づき、残りの8件が超音波のみの異常に基づいていた。 [50] 乳房組織が濃く映る女性2,809人を対象にした大規模研究(ACRIN-6666)により、超音波は乳がんスクリーニングによる検出率をマンモグラフィ単独での1,000例当たり7.6例から、マンモグラフィと超音波併用で1,000例当たり11.8例に増加させることが実証された。 [51] しかしながら、超音波スクリーニングは偽陽性率を増加させ、MRIと併用した場合の有益性は限定的なようである。女性171人(このうち92%がBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア)を対象にした多施設研究では、マンモグラフィ、MRI、および超音波検査を同時に実施したが、超音波単独ではがんは検出されなかった。 [38] 超音波に関し不明確なことは、死亡率におけるスクリーニングの効果、偽陽性結果の割合と転帰、経験豊富な乳房超音波検査士へのアクセスである。

証拠レベル:指定なし

他のスクリーニング方法

多くの他の技術が活発に研究されており、これにはTomosynthesis、造影マンモグラフィ、サーモグラフィ、放射性核種スキャンなどがある。これらの技術を実地臨床に組み入れるには、追加の証拠が必要である。

証拠レベル:指定なし

リスク低減のための手術

リスク低減のための乳房切除術

一般集団では、皮下乳腺摘除術および単純(全)乳房切除術の両方が、予防のために用いられている。皮下乳腺摘除術により、乳房組織の90~95%が切除される。 [52] 全乳房切除術または単純乳房切除術では、乳頭および乳輪まで含めた部分を切除することにより、皮下乳腺摘除術よりも切除する乳房組織の比率が増大する。しかしながら、通常、いずれの手法でも一部の乳房組織はそのまま残される。

乳がん発症リスクが高いと考えられる患者を対象としてリスク低減のための乳房切除術(RRM)と経過観察を比較するプロスペクティブ・ランダム化試験が存在しないため、データはコホート研究およびケースコントロール研究に限定されている。利用できるデータは、RRMにより高リスク患者における乳がん発生率が低下し、 [53] [54] 全生存(OS)が乳がんの発生による全リスクとより密接に相関していることを示している。乳がんの診断を受けたBRCA病原性多様体キャリアでは、2番目の無関係の乳がんのリスクは、初回診断時の年齢、生物学、および使用した全身療法に関連している。 [55] 対側乳房切除術により対側乳がんの発生率は低下するが、 [56] 対側手術自体により死亡率が改善することはないものの、乳がん発症リスクの高い患者のコホートにおける将来の局所療法および全身療法による死亡率を低下させる可能性がある。 [57] しかしながら、BRCA病原性多様体キャリアはその後の乳がん発症リスクがさらに高い。このため、最初のがんの予後が良好なBRCA病原性多様体キャリアでは、2番目の無関係な乳がんイベントのリスクを推定することがリスク低減のための手術に関するキャリアの判断に情報をもたらす上で重要であり、この状況で生存率を改善することが報告されている。 [56] (この集団における対側乳がんのリスクに関する詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がんBRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がんのセクションを参照のこと。)

数件の研究で、再発、対側乳がんリスク、および死亡率に対するRRMの影響が分析されている。常染色体優性素因を疑わせる家族歴により遺伝的リスクが考えられる214人の女性に関する1件のレトロスペクティブなコホート研究では、中央値で14年間の追跡の間に、両側RRMの施行後に乳がんと診断された女性は3人であった。 [58] 37.4個のがんが予測されていたため、リスクの低下は92%(95%CI、76.6%-98.3%)と計算された。追跡亜集団解析では、このコホート研究の214人の高リスク女性のうち176人がBRCA1およびBRCA2の病原性多様体に関する遺伝子検査を受けた。26人の女性に多様体が認められた(18人が有害多様体、8人がVUS)。中央値にして13.4年間追跡したところ、その中で乳がんが発生した者はいなかった。 [53] RRMを受けた後に乳がんと診断された女性3人のうちの2人を検査したところ、どちらも病原性多様体をもっていなかった。病原性多様体キャリアにおけるリスクの低下は89.5~100%(95%CI、41.4-100%)と計算されたが、この数値は病原性多様体のキャリアに予測されたがんの数について行われた仮定と、乳房切除術後にがんが発生したが検査を受けてない女性の状態に依存する。このレトロスペクティブなコホート研究の結果は、RRMを受けその後平均2.9年間プロスペクティブにモニタリングされた病原性多様体キャリア76人のプロスペクティブ解析により支持されている。これらの女性に乳がんは認められなかったが、サーベイランスを定期的に受けている女性では8人に確認された(RRM後の乳がんのHR、0 [95%CI、0-0.36])。 [54]

Prevention and Observation of Surgical Endpoints研究グループは、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを対象としてRRM後に乳がんリスクがどの程度低下するかを推定した。両側RRMを受けた105人の病原性多様体キャリアにおける乳がんの割合が、同手術を選択しなかった378人のキャリアのそれと比較された。両側乳房切除術の施行により乳がんのリスクは平均6.4年間の追跡の後、約90%低下した。 [3]

遺伝性乳がんに罹患している、または重要な家族歴のある女性のサブセットでの片側乳がん女性におけるRRMの有効性についての研究が、対側乳がんの発生率の低下を示している。BRCA1またはBRCA2病原性多様体キャリア148人では、79人がRRMを受け、対側性がんのリスクは91%減少し、リスク低減のための卵巣摘出術の効果とは無関係であった。生存率はRRMを受けた女性の方が優れていたが、この結果は明らかに、手術を受けていないグループにおいて指標となるがん(index cancer)、または異時性の卵巣がんによる高い死亡率に関連していた。 [59] 550人の女性に関するヨーロッパの10施設のデータから、RRMが非常に有効であることが示された。 [60] BRCA1およびBRCA2の病原性多様体キャリア593人を対象としたレトロスペクティブ研究は対側RRMを受けた片側乳がん女性105人を対象とし、10年生存率は89%であったのに対して、リスク低減のための対側乳房切除を受けなかった群では71%であった(P < 0.001)。 [4] この研究には、このサンプルの大部分における乳がんスクリーニング、悪性度、エストロゲン受容体の状態に関する情報がないなどのいくつかの要因による限界があった。

14件の研究を対象としたメタアナリシスで、片側乳がん罹患女性における対側RRMの使用が評価された。 [55] 全分析から、RRMを受けた患者において、同時性対側乳がんの罹患率が4.8%であること、OSの改善(1.09;95%CI、1.06-1.11)および乳がん死亡率の低下が示された。対側RRMを受けた女性における異時性対側乳がん(MCBC)の発生率を評価したところ、MCBCの相対リスク(RR)は0.04(95%CI、0.02-0.09)であったが、このプール解析におけるMCBCの発生率の絶対的低下に達したり、OSを改善したりしなかった。このような所見は、MCBCの発生率が非常に低いこと、ならびに対側RRMを受けた患者を対象としたメタアナリシスにおけるOSの差が、疾患の病期が比較的早期であること、全体的健康状態、生存バイアス、および全身療法の潜在的影響などの他の複数の交絡および/または選択バイアスによるものである可能性が高いことを示唆している。2件の研究は、BRCA病原性多様体が確認されたキャリアのみを対象とし、数件の研究が乳がんの家族歴の影響を対象としていた。MCBCの家系的および/または遺伝的リスクを有する女性においては、このメタアナリシスで対側RRMを受けた患者ではMCBCが減少したが、OSの改善は認められなかった。

オランダで1980年から2011年の間にBRCA病原性多様体を認め、かつ片側乳がんの診断を受けたことが特定された患者583人のコホートについて、対側RRMの有効性が評価された。 [61] 追跡期間中央値11.4年で、患者のうち242人(42%)が診断後のさまざまな時点でRRMを受けた(193人がBRCA1病原性多様体キャリア、49人がBRCA2病原性多様体キャリア)。RRM群では、サーベイランス群と比較してOSの改善が観察され(HR、0.49;95%CI、0.29-0.82)、40歳より前に診断され、腫瘍悪性度が低く、かつ非トリプルネガティブ亜型の患者で改善が最も著しかった。手術までの時間のバイアスについてコントロールしようと、著者らは原発がん診断から2年後に無病状態であることが確認された女性の個別評価を含めた(HR、0.55;95%CI、0.32-0.95)。その上、RRMを受けた群は、両側卵管卵巣摘出術および全身化学療法を受ける可能性が高く、これらの生存所見の意義に影響を及ぼすことがある。

BRCA1/2病原性多様体が既知の家系出身である初期の乳がん女性390人を対象としたレトロスペクティブ研究によると、両側乳房切除を受けた女性では、片側乳房切除を選択した女性と比較して生存に有意な改善が認められた。 [56] 診断時年齢、診断年、治療および他の予後因子で調整した多変量解析によると、対側乳房切除は、乳がんによる死亡の48%減少と関連していることが明らかになった。これは、比較的小規模な研究であり、予後因子の交絡の可能性が高い。

BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する女性におけるRRMで得られた標本の病理組織所見を記載した研究が複数あるが、それらの結果はいくぶん整合性に欠けている。2件のシリーズでは、片側または両側のRRMのいずれかを受ける病原性多様体キャリア女性の37%から46%において、乳がんのリスク増加と関連する増殖性病変(非浸潤性[in situ]小葉がん、小葉の異型過形成、異型乳管過形成、DCIS)が報告された。 [62] [63] [64] これらのシリーズでは患者の13~15%において、予防的に切除した乳房中にそれまで疑っていなかったDCISが見つかった。オーストラリアの既知のBRCA1またはBRCA2の病原性多様体キャリアの中でリスク低減のための両側または対側乳房切除術が実施された47症例では、手術時に3個(6%)のがんが発見された。 [65] 乳がんの遺伝性リスクを有する女性100人を対象にしたスウェーデンの研究によると、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア50人中13人に想定外の病変が発見された。 [66] これらの知見は、第3のレトロスペクティブ・コホート研究において再現されなかった。この研究では、増殖性の線維嚢胞性変化は、病原性多様体を有する患者に対する11件の両側乳房切除術では1件も認められず、罹患した病原性多様体キャリアに対する7件の対側RRMでは2件だけに認められた。 [67]

これらの研究すべてに、きわめて限られた集団を対象とする比較的小規模のレトロスペクティブ研究に生じるバイアスによる限界がある。社会経済的状態、併存疾患、ケアへのアクセスなどの潜在的な交絡変数に関するデータはしばしば限定的である。RRMを受けることを選択する女性は、より広範囲な手術に耐えることができるという理由でより健康であることが示唆されている。この説は、I~III期の片側乳がん女性において対側RRMと転帰の関連性を検討するためにSurveillance, Epidemiology, and End Results Programのデータを使用した1件の研究により裏付けられている。結果は全原因死亡率および乳がん特異的死亡率、またがん以外のイベントによる死亡率の低下を示しており、これは対側RRMと関連していることが予想されなかった所見である。 [57]

データは少ないが証拠によると、強い乳がん家族歴のある女性の相当数が、治療法選択肢の1つとしてRRMについて話し合うことに関心をもっているが、実際に手術を受けるかどうかは、文化、地理、医療制度、保険の補償範囲、医療提供者の態度、その他の社会的因子によって変化する。例えば、1~2度の現地調査と家族を集めての家族情報交換会および個別のカウンセリングが医療提供者により実施されたところ、追跡調査期間である1年以内にRRMの承諾が得られたのは乳がんに罹患していないキャリアのわずか3%であった。 [68] 家族歴のために乳がんリスクが高くなっている女性のうち、乳房切除術を選択した女性は10%に満たない。 [69] この選択肢の選択は、客観的リスクパラメータ(例えば、乳がんに罹患している近親者の数)とは対照的に、乳がんに関係した不安と関連していた。これとは対照的に、高リスクがんを専門とするセンターで6ヵ月ごとに検診を受けている熱心な女性を対象にしたオランダの研究では、乳がんに罹患していないキャリアの半数以上(51%)がRRMを選択した。RRMのほぼ90%がDNA検査の実施から1年以内に施行された。この研究では、RRMを受ける可能性の最も高い患者は、子供をもつ年齢55歳未満の女性であった。 [70] さらに、自分が認知したリスクは、RRMに対する関心と密接に繋がっている。 [69]

ある理論的モデルでは、リスク低下を90%程度と仮定し、BRCA1またはBRCA2病原性多様体を保有する30歳の女性グループにRRMを施行すれば、余命が平均2.9年から5.3年延長する可能性を示唆している。 [71] これらのデータは公の方針決定に有用であるが、データは十分に検証できない仮定を含むので、臨床のための個別化はできない。リスクを有する女性を対象にした別の研究により、70%の時間得失値が示されたが、これは、対象の女性たちがRRMを回避するために平均余命の30%を犠牲にすることをいとわなかったということを意味している。 [72] 費用対効果を分析した1件の研究では、リスク低減のための手術(乳房切除術または卵巣摘出術)は、延命年数に関してはサーベイランスと比較すると費用対効果が大きいが、QOLの改善に関してはそうではないと推定された。 [73]

モンテカルロモデルを用いたコンピュータ・シミュレーション生存解析では、乳房MRI、マンモグラフィ、RRM、およびリスク低減のため卵管卵巣摘出術(RRSO)を含め、これらのそれぞれがBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアに与える影響について個々に評価した。 [5] 最も有効な戦略は、40歳ではRRSO、25歳ではRRMであり、この場合の70歳における生存率は、一般集団と近い値であることが明らかになった。しかしながら、乳房切除を40歳まで遅らせた場合、または乳房MRIおよびマンモグラムによるスクリーニングに代えてRRMを行った場合は、推定生存率にほとんど影響はみられなかった。例えば、RRSOの女性がMRIベースのスクリーニングに代えて40歳でRRMを受けた場合は、25歳でRRMを受けた場合と比べて、生存率の3~5%減少につながった。この著者らがオンラインツールを開発している。 [74] いずれのモデルでも同じように、多数の仮定があるため、不確実さが残っている;しかしながら、これらの困難な決定を下した女性および医療関係者にとっては、これから追加情報が得られる。

リスク低減のための手技を受けるBRCA病原性多様体キャリアにおける乳輪乳頭温存乳房切除術(NSM)の選択肢は、乳頭および乳輪まで含めた部分(NAC)を生存可能状態に維持するために手術時に残される乳房組織が増えるという懸念のために賛否両論がある。さらに、残存組織量を最小化する能力が経験および技術に関連している可能性がある。2007年から2014年に2病院で施行されたBRCA病原性多様体キャリアにおけるNSMについてのレトロスペクティブ・レビューでは、NSMはBRCA病原性多様体キャリア201人の397の乳房で施行された。 [75] RRM施行患者150人中4人(2.7%)およびがん患者51人中2人(3.9%)で偶発がんが認められた。32.6ヵ月(範囲、1~76ヵ月)の平均追跡期間で、腋窩の再発患者2人、最初のNSMの11ヵ月後の局所および遠隔再発を来した患者1人、および乳房の下部に新規がんを生じた患者1人を含む、その後のがんイベント4件が認められ、NACの再発は認められなかった。2005年から2013年にBRCA病原性多様体キャリア89人に対して実施された177件のNSMを対象とした研究では、同様な優れた局所制御率が報告された。63人の患者がリスク低減を目的としたNSMを受け(追跡期間中央値26ヵ月;範囲、11~42ヵ月)、26人の患者がNSMを受け、乳がんと診断された(追跡期間中央値28ヵ月;範囲、15~43ヵ月)。5人の患者では、追加の乳頭切除が必要であった。局所再発または新たな乳がんの診断はみられなかった。 [76]

Society of Surgical Oncologyでは、BRCA1/BRCA2病原性多様体を認める女性、または乳がんの強い家族歴を有する女性に対する選択肢の1つとしてRRMを支持している。 [77]

RRMに関する非罹患女性の意思決定においては、個人の心理学的要因がある重要な役割を担っている。RRMの心理社会的アウトカムに関する研究が行われるようになってきている。(詳しい情報については、本要約の心理社会学的アウトカム研究心理社会学的アウトカム研究のセクションを参照のこと。)

証拠レベル:3ai

リスク低減のための卵管-卵巣摘出術(RRSO)

一般集団において、両卵巣の切除は、出産歴、体重および人工閉経時の年齢にも依存して、最高75%までの乳がんリスクの低下と関連する。(詳しい情報については、乳がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)家系的リスクのレベルがさまざまな女性680人を対象にしたMayo Clinicの研究では、両側卵巣摘出術を受けた60歳未満の女性における乳がん発症の可能性はすべてのリスクグループで低下した。 [78] しかしながら、卵巣切除は、のぼせ、睡眠障害、膣の乾燥、性交痛、骨粗鬆症および心疾患のリスク増大などの重要な副作用を伴っている。卵巣切除の有害作用を打ち消すためには、さまざまな戦略が必要となる可能性がある。

初期の小規模な研究 [79] [80] を支持して、疾患関連のBRCA1またはBRCA2の多様体を有する女性551人を対象として実施されたレトロスペクティブ研究では、RRSO後に乳がんリスク(HR、0.47;95%CI、0.29-0.77)および卵巣がんリスク(HR、0.04;95%CI、0.01-0.16)が有意に減少したことが明らかになった。 [81] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する女性170人を対象とした単一施設のプロスペクティブ研究でも同様な傾向が示された。RRSOが施行された場合のHRは、卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がんで0.15(95%CI、0.02-1.31)、乳がんで0.32(95%CI、0.08-1.2)であった;いずれかのがんに関するHRは0.25(95%CI、0.08-0.74)であった。 [82] 1,079人の女性を対象とした多施設プロスペクティブ研究によると、追跡期間中央値30~35ヵ月で、RRSOはBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアのいずれにおいても乳がんリスクの低下と関連していたが、このリスク低下はBRCA2キャリアの方に顕著にみられることが明らかになった(HR、0.28;95%CI、0.08-0.92)。 [6] BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるRRSOと乳がんおよび卵巣/卵管がんのすべての報告を対象としたメタアナリシスでは、RRSOが乳がんリスクにおける有意な低下と関連することが確認された(全体:HR、0.49;95%CI、0.37-0.65;BRCA1:HR、0.47;95%CI、0.35-0.64;BRCA2:HR、0.47;95%CI、0.26-0.84)。 [83] しかしながら、キャリアのスクリーニングが全国的に行われるオランダで施行されたBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア822人を対象としたコホート研究では、RRSO後の乳がんリスクの低下は認められなかった(HR、1.09;95%CI、0.67-1.77)。 [84] 著者らは、以前の所見はがん誘発性の検査バイアスおよび無イベント人時間などの方法論的問題により導かれたと主張し、この点を、独自のコホートを用い、以前の研究からの人時間の計数と同じ前提を適用することで経験的に評価した。 [84] これに対し、米国の諸研究の研究者らがこのオランダの研究の前提を使用して自分たちのデータを分析したが、なおもRRSOと乳がんリスク間に逆の相関を認めている。 [85] 女性676人を対象にしたレトロスペクティブ・コホートでは、乳がん診断時にRRSOを受けたキャリアは乳がん特異的死亡のリスクが低下した(BRCA1キャリアについてHR、0.38;95%CI、0.19-0.77およびBRCA2キャリアについてHR、0.57;95%CI、0.23-1.43)。 [86]

BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア2,482人を対象としたプロスペクティブ多施設コホート研究では、全原因死亡率(HR、0.40;95%CI、0.26-0.61)、乳がん特異的死亡率(HR、0.44;95%CI、0.26-0.76)、および卵巣がん特異的死亡率(HR、0.21;95%CI、0.06-0.80)の低下とRRSOが関連することも報告されている。 [2] その後のメタアナリシスにより、乳がんの個人歴ありなしを含めて、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアで、全原因死亡に対するRRSOの効果が確認された(HR、0.32;95%CI、0.27-0.38)。 [87]

既存の文献におけるRRSOと乳がんリスクに関する所見には不一致があるにも関わらず、集計データは有益性が存在することを示唆しているが、この有益性の程度は十分に理解されていない可能性がある。このような所見を確認するためには、さらなるプロスペクティブ研究が必要である。

証拠レベル:3ai

BRCA病原性多様体キャリアにおけるRRSOの卵巣がんへの効果に関する詳しい情報については、本要約の卵巣がん卵巣がんのセクションにあるRRSORRSOのセクションを参照のこと。

化学予防

タモキシフェン

タモキシフェン(合成抗エストロゲン薬)は、乳房細胞増殖抑制因子を増加させ、同時に乳房細胞刺激因子を減少させる。National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project Breast Cancer Prevention Trial(NSABP-P-1)は、プロスペクティブ・ランダム化二重盲検試験であり、5年間にわたりタモキシフェン(20mg/日)とプラセボが比較された。タモキシフェンは、浸潤性乳がんのリスクを49%減少させた。予防効果は、ほとんどがER陽性の乳がんに限定され、この場合のリスク減少は69%であった。ER陰性がんの発生率では、統計的に有意な減少はみられなかった。 [88] 前浸潤性乳がんリスクでも、同じように低下が認められたとの報告がある。乳がん家族歴のある女性でも家族歴のない女性でも、乳がんリスクの減少が認められた。50歳以上の女性では、子宮内膜がんおよび血栓性病変の発生率増大が認められた。ヨーロッパで実施されたタモキシフェン予防研究2件から得られた中間データは、それぞれ追跡調査の中央値48ヵ月後 [89] または70ヵ月後 [90] に、タモキシフェンによる乳がんリスク低下を示さなかった。しかしながら、1件の試験では、ホルモン補充療法(HRT)も受けていたサブグループに乳がんリスクの低下が認められた。 [89] これらの試験は、研究デザインまたは集団がかなり異なっていた。(詳しい情報については、乳がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)

その後、International Breast Cancer Intervention Study 1(IBIS-1)乳がん予防試験では、35~70歳の女性7,154人が5年間のタモキシフェン投与を受ける群かプラセボ群のいずれかにランダムに割り付けられた。この試験に対する適格性は、家族歴または異常な良性乳房疾患に基づいていた。追跡期間中央値16年の時点で、タモキシフェン群の乳がんリスクに29%の低下が認められた(HR、0.71;95%CI、0.60-0.83)。浸潤性ER陽性乳がん(HR、0.66;95%CI、0.54-0.81)のリスクが43%低下し、DCISのリスクが35%低下した(HR、0.65;95%CI、0.43-1.00)。浸潤性ER陰性乳がんのリスクには低下がみられなかった。 [91] これらの知見は、Breast Cancer Prevention Trial(P-1)の結果を裏付けている。 [88]

証拠レベル(高リスク集団におけるタモキシフェン):1aii

NSABP-P-1試験のサブスタディでは、35歳を過ぎたBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを対象に、乳がん予防におけるタモキシフェンの有効性が評価された。BRCA2陽性の女性では、タモキシフェンにより、BRCA1/BRCA2病原性多様体陰性の参加者と同程度の有益性が得られた;しかしながら、BRCA1病原性多様体を有する健康な女性にタモキシフェンを使用しても、乳がん発生率は減少しないようであった。標本とした病原性多様体キャリアが少数(BRCA1キャリア8人、BRCA2キャリア11人)であるため、これらデータの取り扱いには注意を要する。 [92]

証拠レベル:1aii

BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおいてタモキシフェンを用いた一次予防に関するデータは非常に限られているのとは対照的に、対側乳がんリスクに対するタモキシフェンの予防効果はいくつかの研究により明らかにされている。 [93] [94] [95] BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを約600人含む研究が1件あり、タモキシフェンの使用に関連して、対側乳がんに51%の減少が認められた。 [93] この報告の最新情報では、両側乳がんを有するBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア285人および片側乳がんを有するBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア751人(これらの患者の40%は最初の研究に含まれていた)について調査が行われた。タモキシフェンは、BRCA1病原性多様体キャリアにおける対側乳がんリスクの50%の減少、BRCA2病原性多様体キャリアにおける58%の減少と関連していた。タモキシフェンは卵巣摘出術を受けていた女性には利益をもたらさなかったようであるが、このサブグループの数はかなり少数であった。 [95] BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア160人を含む別の研究により、腫瘤摘出術と放射線療法による乳がん治療の後にタモキシフェンを使用することで、対側乳がんリスクが69%低下することが明らかになった。 [94] 別の研究で、3つの家系コホートから、乳がんの個人歴を有するBRCA1/2病原性多様体キャリア2,464人が特定された。レトロスペクティブ・データおよびプロスペクティブ・データを用いると、診断後にタモキシフェンによる補助療法を受けた女性では、対側乳がんのリスクが有意に低下することを研究者らは見出した。研究者らが診断時年齢および初発がんにおけるER状態について調整した後も、この関係は持続した。この研究の主要な限界は、女性の56%で初発乳がんのER状態に関する情報が欠けていたことである。 [96] これらの研究は、レトロスペクティブなケースコントロールデザインである上に、原発腫瘍のER状態に関する情報が欠けていることから限界がある。

STAR試験(NSABP-P-2)には19,000人以上の女性が参加し、浸潤性乳がんのリスク減少について5年間のラロキシフェンがタモキシフェンと比較された。 [97] 平均3.9年間の追跡で、浸潤性乳がんの発生率における差は認められなかった;しかしながら、非浸潤がんはタモキシフェン群の方が少なかった。血栓塞栓性イベントの発生率および子宮摘出術件数はラロキシフェン群の方が有意に低かった。QOLの詳細なデータはこの2群間の差がわずかであることを示している。 [98] BRCA1またはBRCA2病原性多様体キャリアにおける効力に関するデータは提供されていない。(閉経後女性を含む一般集団における選択的ERモジュレータおよびアロマターゼ阻害薬の使用に関する情報については、乳がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)

BRCA1病原性多様体キャリア714人においてタモキシフェンの卵巣がんリスクに対する影響が検討された。すべての被験者に乳がんの既往歴があった;タモキシフェンの使用とその後の卵巣がんのリスク増加との関連は認められなかった(オッズ比[OR]、0.78;95%CI、0.46-1.33)。 [99]

生殖因子

一般集団では、初潮が早いほど、および閉経が遅いほど、乳がんリスクは増大し、第1子を満期出産する年齢が低いと、そのリスクは低下する。(詳しい情報については、乳がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)Nurses' Health Studyにより、こういったことは、乳がんに罹患している母親または姉妹がいない女性では危険因子であった。 [100] 乳がんの家族歴のある女性では、何歳で妊娠しても妊娠は乳がんリスクと関連するらしく、リスクは年齢70歳まで持続するようである。

1件の研究は、BRCA1の高リスク病原性多様体の女性キャリア333人のリスク修飾因子について評価した。既知のBRCA1遺伝子の病原性多様体を保有する女性では、第1子出産年齢が低く、3人以上出産している場合の乳がんリスクは低かった。出産回数が増え、5回以上になる場合、1回増えるごとのRRは0.85であると推定された;しかしながら、出産回数が増えると、卵巣がんリスクが増大するようであった。 [101] [102] ニュージーランドで実施されたケースコントロール研究では、出産が乳がんリスクに及ぼす影響に関しては、乳がん家族歴のある女性と乳がん家族歴のない女性との間には差は認められなかった。 [103]

乳がんリスクに対する妊娠の影響に関する研究では複雑な結果が示されており、経産との関係は一貫しておらず、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリア間で異なることがある。 [104] [105] [106] 経産は、BRCA1病原性多様体キャリアにおいて、乳がんリスクの低下とより一貫して関連している。 [104] [105] [106] [107] [108] 注目すべきことに、治療的流産も自然流産も乳がんリスクの増加とは関連していないようである。

証拠レベル:4aii

多数の疫学研究を対象にした1件の大規模共同再解析を含め、少数の研究によると、一般集団において授乳は乳がんリスクのわずかな減少と関連しており [110] 、また、少なくとも1件の研究によると、授乳はBRCA1病原性多様体キャリアにおいて予防効果があることが示唆される。複数症例家族から抽出した、乳がんをもつBRCA1病原性多様体キャリア685人および乳がんをもつBRCA2病原性多様体キャリア280人と、乳がんをもたないキャリア965人の多施設ケースコントロール研究によると、BRCA1病原性多様体キャリアでは、1年以上の授乳が乳がんリスクの約45%の減少と関連していた。 [111] BRCA2病原性多様体のキャリアにおいては、そのようなリスクの低下はみられなかった。第2の研究ではこの関連を確認できなかった。 [109]

経口避妊薬

経口避妊薬(OC)の使用により、一般集団における乳がんリスクが増加するという一貫した証拠はない。 [112] (詳しい情報については、乳がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)

数件の比較的小規模な研究では、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアの経口避妊薬の使用による乳がんリスクのわずかな増加が報告されている [113] [114] が、1件のメタアナリシスにより、最近の経口避妊薬製剤については使用に伴うリスクは有意ではないと結論付けられた。 [115] しかしながら、1975年以前に製造された経口避妊薬は、乳がんリスクの増加と関係していた。 [115] このメタアナリシスのベースとなった患者の大部分は、表11に要約した3件の大規模研究から抽出されたものである。 [116] [117] [118]

表11.BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおける経口避妊薬(OC)の使用と乳がんリスク

Brohet 2007 Haile 2006 Narod 2002

研究集団

乳がんのBRCA1キャリア

N = 597 N = 195;50歳未満での診断 N = 981

乳がんのBRCA2キャリア

N = 249 N = 128;50歳未満での診断 N = 330

OC使用経験

BRCA1

1.47 [CI 1.13-1.91] 0.64 [CI 0.35-1.16] 1.38 [CI 1.11-1.72]P = 0.003

BRCA2

1.49 [Cl、0.8-2.7] 1.29 [Cl、0.61-2.76] 0.94 [Cl、0.72-1.24]

20歳未満での使用

BRCA1

1.41 [Cl、0.99-2.01] 0.84 [Cl、0.45-1.55] 1.36 [Cl、1.11-1.67]P = 0.003

BRCA2

1.25 [Cl、0.57-2.74] 1.64 [Cl、0.77-3.46] 報告されなかった

全使用期間

BRCA1

9年未満:1.51 [Cl、1.1-2.08] 5年未満:0.61 [Cl、0.31-1.17] 10年未満:1.36 [Cl、1.11-167]P = 0.003

BRCA2

9年未満:2.27 [Cl、1.1-4.65] 5年未満:0.79 [Cl、0.26-2.37] 10年未満:0.82 [Cl、0.56-1.91]

満期出産前の使用

BRCA1

4年超:1.49 [Cl、1.05-2.11] 4年超:0.69 [Cl、0.41-1.16] 評価されなかった

BRCA2

4年超:2.58 [Cl、1.21-5.49] 4年超:2.08 [Cl、1.02-4.25] 1年間の傾向:1.11;傾向性のP = 0.01

1975年以前の使用

BRCA1

1.48 [Cl、1.11-1.98] 1975年以前にOCを使用していた患者を除外 1.42 [Cl、1.17-1.75]P < 0.001

BRCA2

1.36 [Cl、0.71-2.58]

1975年以降の使用

BRCA1

1.57 [Cl、1.11-2.22] 0.65 [Cl、0.36-1.19] 評価されなかった

BRCA2

1.53 [Cl、0.75-3.12] 1.21 [Cl、0.56-2.58]


避妊の選択肢および避妊方法について患者にカウンセリングを行う場合、経口避妊薬の使用による乳がんおよび卵巣がんのリスクに対する潜在的影響、ならびに経口避妊薬による他の健康に関連する影響について考慮する必要がある。BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリア間で考えられる相違、曝露年齢と曝露期間の影響、浸透度の高い早発型乳がんの家系に対する経口避妊薬の影響など、多くの重要な問題が依然として未解決である。

証拠レベル:3aii

(経口避妊薬の使用とこの集団における卵巣がんに関する考察については、本要約の化学予防化学予防のセクションにある経口避妊薬経口避妊薬のセクションを参照のこと。)

ホルモン補充療法

観察研究およびランダム化臨床試験のデータはともに、一般集団において、HRTと乳がんリスクの増加との間に関連があることを示唆している。 [119] [120] [121] [122] 閉経後の女性約160,000人についてのランダム化比較試験であるWomen's Health Initiative(WHI)は、心疾患、乳がん、大腸がん、骨折の発生を減らすための、食事介入とホルモン療法のリスクと有益性を調査した。16,000人以上の女性を併用ホルモン療法かプラセボ投与のいずれかにランダムに割り付けたこの研究で、エストロゲン + プロゲスチン群は、健康上のリスクが有益性を上回ったために早期に打ち切られた。 [121] [122] 中止を促した有害な転帰の1つは、エストロゲン + プロゲスチン群にランダムに割り付けられた女性で全乳がん(245 vs 185症例)および浸潤性乳がん(199 vs 150)のいずれにも有意な増加が認められたことであった(RR、1.24;95%CI、1.02-1.50;P < 0.001)。 [122] 追跡研究の結果から、特に50~69歳の女性における最近の乳がん発生率の低下は主に、エストロゲン + プロゲスチンHRTの併用の減少と関係していることが示唆されている。 [123] HRT関連乳がんは、プラセボ群に発生したがんに比べ、有害な予後を示す特徴(より進行した病期およびより大きな腫瘍)をもち、またHRTはマンモグラムの異常がかなり多いこととも関連した。 [122]

閉経後HRTによる乳がんリスクは、乳がん家族歴によって増大するという報告もあれば [124] [125] [126] 、乳がん家族歴の影響を受けないという報告もある [101] [127] [128] ;メタアナリシスでは、リスクは家族歴によって変化しなかった。 [112] WHI研究では、乳がんの家族歴に関して層別化した解析が報告されておらず、被験者はBRCA1/BRCA2病原性多様体について系統的に検査されていなかった。 [122] 一般集団では、更年期症状の治療のために短期間ホルモン剤を服用しても、乳がんリスクはほとんど変わらないか、または全く変わらないようである。 [129]

BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるホルモン補充療法

BRCA1またはBRCA2の病原性多様体キャリアにおける乳がんリスクに対するHRTの影響について、2件の研究が調べている。BRCA1またはBRCA2の病原性多様体キャリア462人を対象としたプロスペクティブ研究によると、両側RRSO(n = 155)を受けることで、全体的な乳がんリスクが有意に低下した(HR、0.40;95%CI、0.18-0.92)。比較群として両側RRSOまたはHRTを受けていない病原性多様体キャリアを用いると、HRTの使用(n = 93)によって、両側RRSOに関連する乳がんリスクの低下に有意な変化は認められなかった(HR、0.37;95%CI、0.14-0.96)。 [130] BRCA1病原性多様体をもつ472人の閉経後の女性に関する1件のマッチさせたケースコントロール研究では、HRTの使用は乳がんリスクの全体的な低減と関連した(OR、0.58;95%CI、0.35-0.96;P = 0.03)。両側卵巣摘出術を受けた女性および受けていない女性の両方において、有意ではないリスク低減が観察された。エストロゲンのみを使用している女性ではORが0.51(95%CI、0.27-0.98;P = 0.04)であったが、エストロゲンとプロゲステロンとの関連性は統計的に有意ではなかった(OR、0.66;95%CI、0.34-1.27;P = 0.21)。 [131] 特に、観察研究とWHIとの間で推定したHRT関連リスクにおいて差があるため、これらの知見はランダム化プロスペクティブ研究で確認されるべきであるが [132] 、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるHRTは乳がんリスクも上昇させず、また卵巣摘出術の予防効果も打ち消さないことが示唆されている。

証拠レベル:3aii

卵巣がん

スクリーニング/サーベイランス

一般集団におけるスクリーニングに関する情報については、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんのスクリーニングに関するPDQ要約を参照のこと、さらに、スクリーニングおよび予防に関連する証拠レベルに関する情報については、PDQ要約のがん遺伝学研究に関する証拠レベルを参照のこと。後者では、特定の医学的状態に対してルーチンの医療行為の一環としてスクリーニングが適切であると考える前に、5つの要件を満たさねばならないことも概説している。

診察

一般集団における卵巣の診察は、早期卵巣がんを確実に同定するための特異度や感度をもってない。卵巣がんの遺伝性リスクを有する女性において、卵巣の診察(双合診)の有益性に関するデータは得られていない。

証拠レベル:指定なし

経膣超音波検査

一般集団では、付属器腫瘤の術前診断において、腹式超音波検査よりも経膣超音波検査(TVUS)の方が優れているようである。いずれの手法でも、閉経前の卵巣では月経周期の変化(例えば、一過性の黄体嚢胞)により解釈が難しくなる可能性があるため、閉経前女性では閉経後女性より特異度が低くなる。プロスペクティブ・ランダム化試験、Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial(PLCO-1)では、卵巣がんリスクが一般集団レベルにある無症状の閉経後女性のスクリーニングで、TVUSとがん抗原125(CA-125)が年1回併用されたが、死亡率の低下は認められなかった。 [133]

卵巣がんの遺伝性リスクを有する女性のスクリーニングにおける、TVUSの潜在的有益性に関するデータは限られている。多数のレトロスペクティブ研究により、高リスク女性においてCA-125を併用するまたは併用しないTVUSを使用した卵巣がんスクリーニングの経験が報告されている。 [9] [134] [135] [136] [137] [138] [139] [140] [141] [142] [143] [144] しかしながら、高リスクの基準の定義およびスクリーニングの実施に対するコンプライアンス、および検出されたがんが発生症例か、有病症例かについては統一性がほとんどない。報告された最大規模の研究の1つには、TVUSおよびCA-125による年1回のスクリーニングを受けたBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア888人が含まれていた。10人の女性が卵巣がんを発症し;この10人中5人は、診断前の3~10ヵ月以内に実施したスクリーニングでは結果が正常で、その後中間期がんを発症した。卵巣がんの10人中5人はスクリーニングで検出された発生症例であり、診断前の6~14ヵ月以内にスクリーニング結果が正常であった。これらの5例中、4例はIIIB期またはIV期であった。 [134]

同様の研究で、高リスクの女性312人(152人がBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア)からなるコホートを対象に、年1回のTVUSおよびCA-125の結果が報告された。 [136] TVUSおよびCA-125が異常であるために検出された4つのがんについて、4人の患者すべてに症状が認められ、3人の患者が進行期疾患を有した。オランダの研究で、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアを対象にした骨盤内超音波、TVUS、およびCA-125による年1回のスクリーニングでは、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア241人で早期の卵巣がんを検出できなかった。 [145] 研究期間中に3例のがんが発見されたが、すべて進行IIIC期疾患であった。 [145] 最後に、年1回のTVUSおよびCA-125を受けた中等度のリスクおよび高リスク女性1,100人を対象にした1件の研究の報告では、卵巣腫瘍13例中10例がスクリーニングで検出された。I期またはII期であったのは10例中わずか5例であった。 [135] TVUSおよびCA-125による半年ごとのスクリーニングの有効性に関するデータは限られている。 [9] [143]

United Kingdom Familial Ovarian Cancer Screening Studyでは、卵巣がんの生涯リスクが10%以上と推定された女性3,563人に対して年1回の超音波検査と血清CA-125測定によるスクリーニングを平均3.2年にわたって施行した。スクリーニングで発見されたがん13例中4例が、I期またはII期であった。前年にスクリーニングを受けた女性は、IIIC期より高い病期のがんを有する可能性が低かった;また、最適な腫瘍細胞縮小が得られる率が良好でOSが高い傾向がみられた。さらに、ほとんどのがんは既知の卵巣がん感受性遺伝子を有する女性に発生していたことから、これらの女性はスクリーニングを考慮する上でがんリスクの最も高いコホートと考えられる。 [146] この研究の第II相試験では、スクリーニングの頻度が4ヵ月ごとに増やされたが、これによる影響はまだ報告されていない。

主要アウトカムとして生存率を用いたTVUSおよびCA-125に関する最初のプロスペクティブ研究が2009年に完了した。スクーリングを受けた高リスク女性3,532人中、981人がBRCA病原性多様体キャリアで、そのうち49人が卵巣がんを発症した。5年および10年生存率はそれぞれ58.6%(95%CI、50.9%-66.3%)および36%(95%CI、27-45)で、キャリアと非キャリア間で生存に差はみられなかった。この研究の主な制限は対照群がなかったことである。制限にもかかわらず、この研究では、TVUSおよびCA-125値による年1回のサーベイランスは実質的に生存に影響するほど早期の段階で腫瘍を検出するには有効ではないようであると示唆されている。 [147]

証拠レベル:4

血清CA-125

今までのセクションで述べたように、高リスク女性における卵巣がんに対する血清CA-125スクリーニングが、多くのレトロスペクティブ研究においてTVUSとの併用で評価されている。 [9] [134] [135] [136] [137] [138] [139] [140] [141] [142] [143]

米国国立衛生研究所(NIH)の卵巣がんに関する統一見解では、一般集団を対象にした血清CA-125による卵巣がんの定期スクリーニングに反対することを勧告した。(詳しい情報については、卵巣がんのスクリーニングに関するPDQ要約のCA-125値とTVUの併用のセクションを参照のこと。)しかしながら、NIHの統一見解(Consensus Statement)では、卵巣がんの遺伝性リスクを有する女性は35歳で開始する6~12ヵ月ごとのTVUSおよび血清CA-125値によるスクリーニングを受けるよう勧告している。 [148] がん遺伝学研究協会(Cancer Genetic Studies Consortium)の作業部会では、BRCA1病原性多様体の女性キャリアは年齢25歳~35歳でTVUSおよび血清CA-125値による年1回または半年に1回のスクリーニングを受け始めるよう推奨している。 [11] いずれの推奨も、専門家の意見および最良の臨床判断だけに基づいている。

証拠レベル:5

他の候補となる卵巣がんバイオマーカー

効果的な卵巣がんスクリーニングの必要性は、特にBRCA1およびBRCA2の病原性多様体およびミスマッチ修復(MMR)遺伝子(例、MLH1MSH2MSH6PMS2)の多様体を保有する女性、卵巣がんのリスクが高い障害を有する女性では重要である。BRCA1病原性多様体キャリアでは、卵巣がんの累積生涯リスクが40%を超える場合があり、特に切迫感がある。

したがって、多くの新たな卵巣がんバイオマーカー(単独または組み合わせて)が今後5年~10年の間に卵巣がんのスクリーニング戦略として提案されると期待されている。これは活発に研究が行われている領域で、多くの有望な新しいバイオマーカーが開発初期にあるが、一般集団または遺伝的リスクの高い女性のいずれにおいても、

現時点では、これらのバイオマーカーの単独使用または併用は、十分な研究がなされておらず、スクリーニング目的でルーチンの臨床で使用することは正当化されない

明らかになりつつある卵巣がんバイオマーカーに関する情報に取り組む前に、新たなバイオマーカーを開発し、さらに重要なことにそのバイオマーカーの妥当性を確認するために必要ないくつかの段階を考慮することが重要である。有用な枠組みの1つは、米国国立がん研究所(NCI)のEarly Detection Research Networkの研究者により発表されたものである。 [149] がんスクリーニングプログラムの目標は、治療が成功する可能性を高めるため腫瘍を早期に検出することであると彼らは指摘した。こうしたプログラムを判定するゴールドスタンダードは、スクリーニングを実施するがんの死亡率がスクリーニングを実施された集団で低下するかどうかである。加えて、スクリーニング検査はスクリーニングが実施される集団で広く使用できるよう十分に侵襲性が低く、安価でなければならない。低い偽陽性率でも、多くの人が不要で高価な診断検査を受け精神的ストレスを経験する必要があるため、高い検査特異度(すなわち、偽陽性の結果がほとんどないこと)を維持することは、集団のスクリーニング検査に必須である。スクリーニング検査の感度と特異度の両方を高くするには、こうしたがんバイオマーカーのいくつかを組み合わせて使用する必要があると考えられる。

さらに、臨床的に有用な検査はPPV(感度、特異度、およびスクリーニングを受ける集団における疾患有病率から得られるパラメータ)が高くなければならない。実際のところ、PPVが10%のバイオマーカーは、1例の卵巣がんを同定するために10回の外科的手技を実施する必要があること;残り9回の手術は偽陽性の検査所見を示すことを意味している。一般的に、卵巣がん研究のコミュニティでは、PPVが10%未満のバイオマーカーは、両側の卵管-卵巣摘出術に関係する合併症を考慮すると臨床では受け入れられないものと考えられている。最後に、新たなバイオマーカーは進行性卵巣がん女性(バイオマーカー開発の初期段階で分析される症例のほとんどを占める)の血清では存在しうる一方で、早期疾患の女性では検出できる場合もあればできない場合もあるが、スクリーニング検査が臨床的に有用であるためには早期で検出できることが必須であるということを心に留めておくことが重要である。

現在、バイオマーカーの開発および妥当性の確認には、以下に示す5つの一般的な段階があると提案されている:

第1段階-前臨床の探索的研究
  • 識別できる可能性のあるバイオマーカーを同定する。

  • 通常、正常組織と比較した腫瘍における遺伝子の過剰発現または過小発現を比較することでなされる。

  • 大多数の遺伝子において多くの探索的解析がこの段階で実施されるため、複数のバイオマーカーがランダム確率のみでがんと正常組織間の良好な識別が可能なようである。

第2段階-臨床的疾患に対する臨床アッセイの開発
  • 非侵襲的に入手できるサンプル(例、血液検体)から得ることができる臨床アッセイを開発する。

  • 検査はしばしば、第1段階で興味深いことが明らかになった遺伝子の1つの蛋白産物を標的にしている。

  • 目標は、がんを有する被検者または認めない被検者を判別するためのアッセイの検出能力を示すことである。この時点で、アッセイは最終の構成に入り、この後の段階では確固としたものとなっているべきである。

  • 重要:第2段階の研究における症例被験者は

    既にがんに罹っており

    、疾患診断時に得られるアッセイの結果に関して、想定したバイオマーカーを用いて疾患が早期に発見できるかどうかを決定することはできない。

第3段階-レトロスペクティブで縦断的なレポジトリ研究
  • 臨床診断前にがんの症例被験者から集められた臨床検体を、がんを発症していない被験者から得られた検体と比較する。

  • 臨床診断前の時間の関数として、前臨床の疾患を検出するバイオマーカーの能力を評価する。

  • 第4段階の準備においてスクリーニング検査陽性の基準を決定する。

  • 患者の他の特性(例、年齢、性別、喫煙状態、医薬品の使用)が、前臨床の疾患を認める患者と認めない患者とを判別するためのバイオマーカーの能力に及ぼす影響を探索する。

第4段階-プロスペクティブなスクリーニング研究
  • 検査対象の集団におけるバイオマーカーに基づいたスクリーニング検査の作業特性を決定する。

  • 検出率(疾患を有するすべての人のうち検査異常となる数)と偽陽性率(疾患のないすべての人のうち検査異常となる数)を測定する。

  • 検査により検出されるがんが、治療によって治癒する可能性がより高い時期である早期に発見されているかどうかを評価する。

  • 検査対象となる人の集団において検査が受け入れられるかどうかを査定する。被検者は検査のスケジュールおよび検査結果に従うか。

第5段階-がん比較研究
  • 理想的には、臨床的に関連のある集団(一方はスクリーニングを受け、スクリーニング陽性の場合には適切な介入を受ける群と、もう一方はスクリーニングを受けない群)におけるランダム化比較臨床試験を実施する。

  • スクリーニングを実施されたがんの死亡率がスクリーニング検査を受けた集団で低下するかどうかを判定する。

  • スクリーニングの費用およびスクリーニングで発見されたがんの治療費に関する情報を入手する。

最後に、妥当性が確認されたバイオマーカーの検査を特定の集団に使用するのに適切であるとみなすためには、既知の陽性および陰性が以前に選択されていない特定集団でバイオマーカーを評価する必要がある。さらに、検査では臨床的有用性、つまり検査の適用に関連した有益性とリスクの正の純バランスを実証しなければならない。これらには、健康上のアウトカムの改善とともに、最終的な心理社会的および経済的な有益性が含まれる場合がある。 [150]

卵巣がんには偽陽性検査結果から考えられる影響に関して特有の問題がある。早期疾患に対する非侵襲性の診断検査で信頼性の高いものはなく、臨床的に意義のある早期がんは試験開腹時に肉眼的に見えないことがある。 [151] 結果として、検査異常であるが、がんの存在は示されないことが、卵巣および卵管を外科的に切除し、顕微鏡で調べることでのみ再確認される患者がいると考えられる。偽陽性の女性における不必要な手術および早発閉経への誘導を避けるためには、高い検査特異度(すなわち、非常に低い偽陽性率)が必要となる。

CA-125のバリエーション

CA-125値 + 卵巣がんの症状指数

がんの存在を予測するための卵巣がんの症状指数が、症例75人および高リスクの対照254人(BRCA病原性多様体キャリアまたは乳がんおよび卵巣がんの強い家族歴を有する女性)において評価された。 [152] 女性は、予め定義された症状(鼓脹または腹部のサイズの増加、腹部痛または骨盤部疼痛、および食べるのが困難または早期満腹感)のいずれかを12ヵ月以内にのみ月12回を超えて報告した場合に症状指数陽性とされた。30 U/mLを超えるCA-125値は、異常と考えられた。症状指数は、CA-125値で調整された後に独立して卵巣がんの存在を予測した(P < 0.05)。CA-125高値および症状指数陽性を併用することで、症例の89.3%が正確に特定された。CA-125高値を示さなかった罹患女性の50%で、症状指数はがんの存在と相関していたが、がんではない高リスク対照の11.8%でも症状指数が陽性であった。CA-125と症状指数の両方を含めた複合指数は、いずれかの検定を単独で用いた場合よりも検出特性が良好であり、この戦略は多段階のスクリーニングプログラムにおける最初のスクリーニング法として使用できることを著者らは提案した。非選択的スクリーニング集団において追加で検査性能の妥当性の確認および臨床的有用性の決定が必要である。

証拠レベル:5

卵巣がんのリスクアルゴリズム

CA-125によるスクリーニングの新たな修正は、CA-125を任意のカットオフ値によって正常または異常に単純に分類するよりも、CA-125値の経時的な上昇により得られる卵巣がんスクリーニングの性能特性の方が優れているのではないかという仮説が基になっている。これは、スクリーニングを受けた被検者に卵巣がんが存在する可能性の推定値を算出する計算に、連続的なCA-125検査結果および他の共変量を組み込む調査の統計モデルである卵巣がんのリスクアルゴリズム(ROCA)の形で実行されている。この戦略の最初の報告では、ストックホルム卵巣がんスクリーニング試験による平均リスクの女性5,550人を対象にした再分析に基づくと、99.7%の感度、83%の特異度、および16%のPPVで卵巣がん症例と対照を識別できることが示唆された。このPPVは、CA-125のみを測定して報告される2%のPPVよりも8倍の増加を示す。 [153] この報告の後に、英国のプロスペクティブ卵巣がんスクリーニング試験において、ROCAが平均リスクの閉経後女性9,233人から得られた33,621の連続的なCA-125値に適用された。 [154] 受信者操作曲線下面積は、CA-125を固定したカットオフ値と比較してROCAでは84%から93%(P = 0.01)に増加した。これらの観察は、卵巣がんの臨床前の検出がこのスクリーニング戦略を使用して改善しうるという最初の証拠であった。英国における50歳以上の正常なボランティア13,000人を対象にした1件のプロスペクティブ研究では、連続的なCA-125値およびROCAを使用して参加者を、低リスク、中リスク、および高リスクのサブグループに層別化した。 [155] 各グループがそれぞれ規定の管理戦略を有し、これにはTVUSおよび年1回(低リスク)または3ヵ月ごと(中リスク)のCA-125値の反復測定が含まれた。このプロトコルを用いると、ROCAは99.8%の特異度および19%のPPVが得られることが明らかにされた。

英国における2件のプロスペクティブ試験でROCAが使用された。United Kingdom Collaborative Trial of Ovarian Cancer Screening(UKCTOCS)では、通常リスクの女性を対象に、(1)スクリーニングなし、(2)年1回の超音波検査、または(3)複数の方式によるスクリーニングのいずれかにランダムに割り付け(N = 202,638;登録完了;2014年に追跡終了)、U.K. Familial Ovarian Cancer Screening Study(UKFOCSS)では、高リスク女性を対象に評価した(登録完了)。また、米国ではROCAを実施する2件の高リスクコホート研究が評価段階にある:Cancer Genetics Network ROCA Study(N = 2,500;追跡完了;解析中)、およびGynecologic Oncology Group Protocol 199(GOG-0199;登録完了;2011年に追跡終了)。 [156] したがって、この現在研究中のスクリーニング戦略の有用性に関する追加のデータが今後2~3年以内に利用できるようになる。

証拠レベル:4

その他の新たなマーカー

過去10年間に、多彩な新しい卵巣がんバイオマーカー候補が報告されており、例を挙げれば、HE4;メソテリン;カリクレイン6、10、および11;オステオポンチン;プロスタシン;M-CSF;OVX1;リゾホスファチジン酸;血管内皮増殖因子B7-H4;ならびにインターロイキン6および8がある。 [157] [158] [159] これらは単独で、CA-125と組み合わせて、あるいはさまざまな他の順列で研究されている。研究集団のほとんどは比較的小規模で、バイオマーカー開発初期の第1および第2段階で評価されたタイプの厳選された既知の卵巣がん症例および健康な対照から成る。複数の研究で結果は一貫して再現されていない;現在、いずれも広範な臨床適用の準備ができていないと考えられている。

証拠レベル:5

プロテオミクス

当初、血清蛋白の質量分析は卵巣がん症例と対照を判別できる蛋白パターンを同定するために、複雑な解析アルゴリズムと組み合わされた。 [160] このアプローチでは、パターンの認識だけでそうした判別が十分に可能になること、そして同定されたパターンの原因となっている特定の蛋白を同定する必要はないことが想定されていた。この戦略は、同様の検査ツールを用いて、がん早期発見のためにCA-125測定の代わりに、または組み合わせて使用できる限られた数の既知の特異的血清マーカーを同定するために、修正された。 [161] これらの研究 [159] [162] は一般的に、サンプルサイズおよび含まれる早期がんの症例数により制限がある小規模ケースコントロール研究となっている。この方法で同定された追加のマーカーが、関心のある非選択的臨床集団における卵巣がんの早期発見について臨床的有用性を有するかどうかを決定するためにさらなる評価が必要である。

証拠レベル:5

マルチプレックスアッセイ

個々のバイオマーカーは効果的なスクリーニング検査の基準を満たしていないため、満足のいくスクリーニング検査の結果を得るためには複数の卵巣がんバイオマーカーを組み合わせる必要があると提案されている。この戦略を利用して6つの血清バイオマーカー(レプチン、プロラクチン、オステオポンチン、インスリン様成長因子II、マクロファージ抑制因子、およびCA-125)を定量的に解析するために、複合的な数珠繋ぎのプラットフォーム(multiplex, bead-based platform)が使用された。 [163] 同様のアッセイが製造者により市場から自主回収されるまでOvaSureという商品名で市販されていた。[Response to FDA Warning Letter]

この研究の症例は新たに卵巣がんと診断された患者で、手術直前に採血された:36人がI期およびII期;120人がIII期およびIV期であった。対照は健康な年齢でマッチさせた個人で採血の6ヵ月以内に卵巣がんを発症していなかった。この研究の症例も対照も、家系的および/または遺伝的リスク状態に関する特徴解析が不十分であったが、いずれも高リスク集団を含むことが示唆されている。最初に、対照181人および卵巣がん症例113人を検査して、症例と対照を最も良く区別した最初のバイオマーカーパネル(トレーニングセット)が決定された。結果として得られたパネルが、追加の対照181人および卵巣がん症例43人(検査セット)に適用された。トレーニングセットと検査セットを組み合わせた早期および後期卵巣がんの両方をプールしたところ、高度に選択された研究対象集団でみられるように、卵巣がんの有病率を約50%と仮定した公式を用いた検出能力は感度95.3%、特異度99.4%、PPV99.3%、陰性適中率99.2%と報告された。

検査の性能を実際より良いように思わせるバイアスを避けるために、この種の解析でトレーニング集団および検査集団を組み合わせることは、一般に推奨されない。 [164] 使用すべき最も適切な有病率は、スクリーニングを実施する非選択的集団における疾患の有病率である。一般集団における卵巣がんの有病率は2,500人に1人である。この文書に対して行われた訂正で [163] 、著者らはスクリーニングを実施した集団における卵巣がんの有病率を1/2,500(0.04%)と想定し、PPVはわずか6.5%であると再計算された。これに基づいて、研究者は、この検査が集団のスクリーニングに適しているという主張を撤回している。この検査が卵巣がんのリスクが高い患者に用いられた場合、そうしたターゲット集団における実際の有病率は一般集団において観察される有病率よりも高いと考えられるが、発表された解析に使用された50%という数字の想定よりはかなり低い。この改訂された6.5%のPPVは、検査が陽性の女性15人中約1人が実際に卵巣がんを有し、I期またはII期であるのは卵巣がんを有する女性のごく一部であることを示している。検査が陽性であった残り14人は偽陽性となり、これらの女性は不必要な不安および両側の卵管-卵巣摘出術を含めた合併症を引き起こす恐れのある診断手順に曝されるリスクがある。

先に述べた基準の背景から判断すると [149] 、このアッセイは開発の第2段階に分類される。これは卵巣がんスクリーニング研究の有望な手段であると思われるが、関心のある臨床的なスクリーニング集団を代表する非選択的集団では特に、妥当性の確認を追加で行う必要がある。このアッセイに関するSociety of Gynecologic Oncologistsの立場表明では、「施設内審査委員会の指揮下で適切なインフォームド・コンセントを得た上で実施された調査研究の状況以外で女性にこの検査を提供する前に、この検査の有効性を確認するために追加の研究が必要であるというのが我々の見解である」と表明された。

証拠レベル:5

リスク低減のための手術

RRSO

多数の研究により、乳がんおよび卵巣がんの遺伝性リスクを有する女性では、RRSOの施行後に卵巣がんリスクが低下することが明らかにされている。BRCA1またはBRCA2病原性多様体を有する女性551人を対象としたレトロスペクティブ研究では、両側卵巣摘出術後の乳がんリスク(HR、0.47;95%CI、0.29-0.77)および卵巣がんリスク(HR、0.04;95%CI、0.01-0.16)に有意な低下が明らかになった。 [81] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する女性170人を対象とした単一施設プロスペクティブ研究でも同様な傾向が示された。 [82] 卵巣摘出術が施行された場合のHRは、卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がんで0.15(95%CI、0.02-1.31)、乳がんで0.32(95%CI、0.08-1.2)であった;いずれかのがんに関するHRは0.25(95%CI、0.08-0.74)であった。1,079人の女性を対象に中央値で30~35ヵ月追跡した多施設プロスペクティブ研究によると、BRCA1およびBRCA2の病原性多様体キャリアでは、卵巣がんリスクを低減させる上で、RRSOが非常に有効なことが明らかになった。また、この研究により、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアでは、いずれもRRSOが乳がんリスクの低下と関連していたことも明らかになった;しかしながら、乳がんリスクの低下はBRCA2キャリアの方に顕著にみられた(HR、0.28;95%CI、0.08-0.92)。 [6] イスラエルのケースコントロール研究では、両側卵巣摘出術が卵巣/腹膜がんリスクの低下と関連していた(OR、0.12;95%CI、0.06-0.24)。 [165] BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるRRSOと乳がんおよび卵巣/卵管がんのすべての報告を対象としたメタアナリシスにより、RRSOは卵巣がんまたは卵管がんの有意なリスク低下と関連していたことが確認された(HR、0.21;95%CI、0.12-0.39)。また、この研究により、乳がんの有意なリスク低下も明らかになった(全体:HR、0.49;95%CI、0.37-0.65;BRCA1:HR、0.47;95%CI、0.35-0.64;BRCA2:HR、0.47;95%CI、0.26-0.84)。 [83] その後、BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有し、乳がんに罹患しているまたはしていない女性2,854組を対象としたマッチドケースコントロール研究では、外科手術による閉経を経験した女性(OR、0.52;95%CI、0.40-0.66)は、自然閉経を迎えた女性(OR、0.81;95%CI、0.62-1.07)に比べ、乳がんリスクが大幅に低下することが示された。この研究では、自然閉経後に卵巣摘出術を受けた女性の間で乳がんリスクの高度に有意な減少がみられたことも報告されている(OR、0.13;95%CI、0.02-0.54;P = 0.006)。 [166] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する女性5,783人を中央値で5.6年追跡した他の研究では、卵巣がん、卵管がん、または腹膜がんのいずれかを発症した女性186人中68人が死亡したことが報告された。両側卵巣切除術に関連したこれらのがんのHRは、0.20(95%CI、0.13-0.30;P = 0.001)であった。がんの既往がないBRCA病原性多様体キャリアでは、卵巣切除術に関連した70歳までの全原因死亡のHRは、0.23(95%CI、0.13-0.39;P < 0.001)であった。 [7] 50人以上の被験者を対象にした研究では、有病率が2.3~11%の範囲に及んでいた。こうした有病率の変動は、手術法、組織の病理学的処置、およびRRSO時の年齢における違いが原因となっている可能性が高い。GOG 199研究の高リスク女性966人では、潜伏がん発生率がBRCA1病原性多様体キャリアで最も高く(4.6%)、次いでBRCA2病原性多様体キャリアで高く(3.5%)、非キャリアでは0.5%に過ぎなかった。潜伏病理所見のオッズは、閉経後女性で4倍に上昇した。 [167]

RRSOによって、卵巣がんおよび乳がんのリスク低下に加えて、OS率および乳がんと卵巣がん特異的生存率も有意に改善している可能性がある。BRCA1およびBRCA2の生殖細胞病原性多様体を有する女性666人を対象としたプロスペクティブ・コホート研究では、RRSOを受けた女性における同手術を受けなかった女性と比較した全死亡のHRは0.24(95%CI、0.08-0.71)であった。 [168] この研究結果は、RRSOを受けた女性における生存の優位性を示唆する初めての証拠となった。

RRSOによるリスク低下の程度に関する研究により、手術時に発見される潜伏がんのスペクトラムの解明が始まっている。原発性卵管がん、原発性腹膜がん、不顕性卵巣がんのすべてが報告されている。数件のケースシリーズで、リスク低減のための卵巣摘出術を受けた病原性多様体キャリアにおける悪性所見の有病率が報告されている。50人以上の被験者を対象にした研究では、有病率が2.3~11%の範囲に及んでいた。 [9] [82] [169] [170] [171] [172] [173] [174] [175] こうした有病率の変動はおそらく、手術法、組織の病理学的処置、およびRRSO時の年齢における違いによるものであろう。GOG 199研究の高リスク女性966人では、潜伏がん発生率がBRCA1病原性多様体キャリアで最も高く(4.6%)、次いでBRCA2病原性多様体キャリアで高く(3.5%)、非キャリアでは0.5%に過ぎなかった。潜伏病理所見のオッズは、閉経後女性で4倍に上昇した。 [167]

潜伏がんに加えて、予防のために切除された卵管組織において前悪性病変も報告されている。リスク低減のための手術を受けたBRCA1病原性多様体を有する女性12人の1件のシリーズでは、卵管上皮に11個の過形成または異形成病変が同定された。これらの症例のいくつかは、多病変であった。 [176] このような病理所見は、卵管がんおよび原発腹膜がんの両方に罹患した女性におけるBRCA1およびBRCA2生殖細胞病原性多様体の同定と一致している。 [173] [177] [178] [179] [180] [181] [182] 1件の研究で、早期卵管がん、または卵管上皮内がんとその後の卵管、卵巣、または腹膜の浸潤性漿液性がん(invasive serous carcinoma)との間の因果関係が示唆されている。 [183] (詳しい情報については、本要約の卵巣がんの病理学卵巣がんの病理学のセクションを参照のこと。)

これらの知見から、一般集団における全婦人科がんの1%未満である卵管がんを、遺伝性卵巣がん症候群の仲間に加えることが支持され、リスク低減のための手術時に卵管の切除が必要となる。RRSOでは、ルーチンで腹膜洗浄液を採取する必要性、および連続切片法を用いた全付属器の総合的な病理学的評価を慎重に遵守する必要性があることを示す明確な証拠がある。 [175] [184] [185]

しかしながら、卵巣摘出術後でも、腹膜にはミュラー管型腺がんが発生するリスクがわずかに残っていると考えられる。 [186] [187] [188] [189] [190] リスク低減のための卵巣摘出術を受けたGilda Radner Familial Ovarian Cancer Registryに登録されている女性患者324人のうちの6例(1.8%)に、その後原発性のがん性腹膜炎が発生した。追跡調査期間は特定されなかった。 [191] Creighton Registryに登録されている患者で、BRCA1/BRCA2病原性多様体を有し、リスク低減のための卵巣摘出術を受けた女性238人のうち5人(2.1%)が、その後に腹腔内がん腫症を発症した。注目すべきことは、これらの女性の5人全員にBRCA1病原性多様体が認められたことである。 [192] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する女性1,828人を対象にした研究では、RRSO施行20年後の原発性腹膜がんのリスクが4.3%であったことが示された。 [193]

RRSO時に潜伏病変を有することが明らかになるBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアの転帰に関するデータは限られている。浸潤がん(n = 15)または漿液性卵管上皮内がん(STIC)(n = 17)のいずれかを有する女性32人を対象にした1件の多施設研究では、浸潤がんを有する女性の47%が中央値32.5ヵ月の時点で再発し、OS率は73%であった。 [194] 上皮内病変を有する女性では、患者の1人(約6%)が43ヵ月時に再発し、2つの疾患実体間で疾患の経過が異なると示唆されている。

卵巣がんに対する現在のスクリーニングには限界があり、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアでは卵巣がんのリスクが高いことから、NCCNのガイドラインでは、リスク低減のための有効な選択肢として35~40歳の間に実施する、または出産を終了して間もなく実施するRRSOが推奨されている。RRSOの最適な時期は個別に決定する必要があるが、病原性多様体状態に基づいて、ある女性の卵巣がんリスクを評価することは、意思決定の際に有用な可能性がある。米国のBRCA1およびBRCA2家系を対象にした1件の大規模研究において、40歳での卵巣がんの年齢特異的累積リスクは、BRCA1病原性多様体キャリアで4.7%、BRCA2病原性多様体キャリアで1.9%であった。 [195] BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアを対象とした22件の研究の併合解析によると、BRCA1病原性多様体キャリアでは、卵巣がんリスクが40歳から50歳にかけて最も急激に増加するのに対し、BRCA2病原性多様体キャリアでは、50歳未満ではリスクが低く、50歳から60歳にかけて急激に上昇する。 [196] 卵巣がん患者におけるBRCA病原性多様体の集団ベースの研究において、BRCA2多様体を有する患者は、BRCA1多様体を有する患者よりも発症年齢が有意に遅かった(57.3歳[範囲、40-72] vs 52.6歳[範囲、31-78])。 [197] 要約すれば、BRCA1病原性多様体を有する女性は、BRCA2病原性多様体を有する女性よりもいくぶん早い年齢で卵巣がんリスクを低下させるためのRRSOを検討してもよい;しかしながら、BRCA2多様体を有する女性も卵巣がんリスクを低下させるためのRRSOを早期に検討してもよい。

BRCA1/2病原性多様体キャリアでは、RRSO時点での同時子宮摘出の役割に議論の余地がある。子宮摘出を実施しなかった場合、近位卵管のごく一部が残存し、それにより卵管がんの高いリスクが残存する懸念がある。しかしながら、卵管がんを検討したいくつかの研究によると、これらのがんの大多数が卵管の遠位または中位に発生することが示されており、近位卵管がんの発生はきわめてまれな事象と考えられることが示唆される。病原性多様体キャリアに子宮がんの発生増加を示唆している報告がある一方で [198] 、漿液性子宮がんのリスク増加が確認されなかった報告もある。 [199] 女性857人を対象としたプロスペクティブ研究によると、子宮がんの発生増加は、タモキシフェンを使用したBRCA1病原性多様体キャリアにみられることが示唆された [200] ;このことは、同じグループにより、BRCA1/2病原性多様体キャリア4,456人を対象とした後続の研究で確認された。 [201] タモキシフェンを使用した場合でも、子宮内膜がんの過剰リスクは低度で、10年累積リスクは2%であった。 [201] さらに、現在では、ラロキシフェン(子宮がんのリスクを高めるリスクはない)および閉経後女性における乳がん予防のためのアロマターゼ阻害薬の選択肢があることを考えると、タモキシフェンの使用は最小限に抑えることが可能である。したがって、BRCA病原性多様体キャリアにおける子宮がんのリスクに関する現在の理解に基づくと、子宮がんのリスクを低減するために、RRSOの時点で子宮摘出を検討しなければならないというやむを得ない理由は単独では存在しない。ホルモン摂取を選択したBRCA病原性多様体キャリアでは、同時に子宮摘出を実施することで、ホルモン補充レジメンを簡略化する利点が得られることは確かである。子宮摘出後の女性は、エストロゲン(乳がんのリスクを高めることはない)のみを摂取することが可能で、プロゲスチン類は不要なため、閉経後出血のリスクがなくなる。

子宮摘出は、リスクを低減するための手段としては必ずしも必要ないことが諸研究で示されている。子宮内膜がんのユダヤ人女性200人または子宮の乳頭状漿液性がんの非選択女性56人では、BRCA病原性多様体の保有率に増加は認められなかった。 [199] [202] しかしながら、子宮の乳頭状漿液性がんは、BRCA関連疾患群の一部である可能性が、小規模な研究で報告されている。 [198] [203] [204] タモキシフェンによる治療を受けたER陽性乳がんのBRCA病原性多様体キャリアにおける子宮内膜がんの累積リスクは、この集団でリスク低減のための子宮摘出術に関するカウンセリングを実施する際に検討すべきさらなる因子となる可能性がある。 [200] [205] HRTを受けることは望まないが、子宮摘出術ではエストロゲン単独の簡易レジメンが使用されると考えられる若い非罹患のBRCA病原性多様体キャリアでは、子宮摘出術が検討される場合もある。BRCA病原性多様体キャリアを対象にしたリスクを低減するための至適な外科的選択肢に関するカウンセリングでは、RRSO実施後の遺残卵管組織によるリスクは、やむを得ず子宮摘出術を提案する理由としては弱いことが集計データから示唆される。そのため、タモキシフェンを使用していないか、子宮または子宮頸部に他の潜在的問題がない場合、子宮摘出術はBRCAキャリアに対するRRSOのルーチンの構成要素ではない。

手術時に閉経前の女性では、外科手術による閉経の症状(例えば、ほてり、気分変動、体重増加、および尿生殖器の愁訴)は、生活の質がかなり障害される原因となる。これらの症状の影響を低下させるために、医療提供者はしばしば手術後、コースに期限を設けた全身HRTを処方している。(詳しい情報については、本要約のBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるホルモン補充療法BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるホルモン補充療法のセクションを参照のこと。)

諸研究では、生活の質(QOL)に対するRRSOの効果が調査されている。1件の研究では、846人の高リスク女性が調査され、このうち44%はRRSOを受け、56%は定期的スクリーニングを受けた。 [206] BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア368人のうち、72%がRRSOを受けた。RRSOまたはスクリーニング群間または一般集団と比較して、QOLスコア(Short Form-36により評価)における有意差は観察されなかった;しかしながら、RRSOの女性では乳がんおよび卵巣がんについての心配がより少なく(P < 0.001)、がんリスクの認知がより良好(P < 0.05)であるが、内分泌の症状が多く(P < 0.001)、性機能はより不良(P < 0.05)であった。注目すべき点として、37%の女性がRRSO後にHRTを使用したが、62%は閉経期前後または閉経後であった。 [206] 続いて研究者は、RRSO(36%)またはスクリーニング(64%)を選択した閉経前の高リスク女性450人を調査した。RRSO群の女性のうち、47%がHRTを使用した。HRT使用者(n = 77)は非使用者(n = 87;P < 0.05)よりも血管運動性の症状が少なかったが、スクリーニング群の女性(n = 286)と比べると血管運動性の症状が多かった。同様に、RRSOを受け、HRTを使用した女性では、スクリーニング群の女性よりも膣乾燥および性交疼痛症による性交時の不快感が多くみられた(P < 0.01)。そのため、こうした症状はHRTの使用で改善されるが、HRTは十分に有効であるわけではなく、これらの重要な問題を扱うためにさらなる研究が必要である。

BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおけるRRSOの腫瘍効果以外の長期的効果は不明である。一般集団において、RRSOは心血管疾患、認知症、肺がんによる死亡、および全死亡率の増加と関連している。 [207] [208] [209] [210] [211] 卵巣摘出術時の年齢を分析したところ、45歳以前にRRSOを受け、エストロゲン補充療法を受けていない女性において最も有害な影響が認められている。 [207] RRSOを受けたBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアは、メタボリックシンドロームのリスクが高い可能性がある。 [212] RRSOはまた、この集団における短期死亡率の改善と関連している。 [168] RRSO後のがんリスク低下に関して有益性は明らかであるが、腫瘍以外の長期リスクに関するデータがさらに必要である。

両側卵管切除術

両側卵管切除術は、BRCA病原性多様体キャリアにおけるリスクを低下させるための暫定的な手技として提案されている。 [213] [214] リスク低減のための手技としての卵管切除術の効力に関するデータは得られていない。この手技では卵巣機能が温存され、閉経前の患者は早発閉経の有害作用を免れる。この手技は侵襲性を最小限に抑えたアプローチで実施でき、患者が閉経を迎えるまで、その後の両側卵巣摘出術を延期できる。BRCA病原性多様体キャリアにおいて骨盤の漿液性がんの一部が卵管から発生していることを示す説得力のあるデータがある一方で、一部のがんは明らかに卵巣内に発生する。さらに、両側卵管切除術は、患者が両側卵管卵巣摘出術を受けた場合と同じくらい完全にがんリスクを排除できたという誤った安心感を患者に植えつける可能性がある。若年のBRCA病原性多様体キャリア14人を対象にした1件の小規模研究では、この手技が実施可能であることが実証された。 [215] しかしながら、この研究では効力および卵巣機能への影響は評価されなかった。リスク低減のための介入法としてのこの手技の妥当性を確立するため、今後はプロスペクティブ試験が必要である。

化学予防

経口避妊薬

経口避妊薬は、一般集団において卵巣がんに対し予防効果をもつことが示されている。 [216] 大規模な多施設ケースコントロール研究を含む数件の研究では予防効果が示されたが [119] [217] [218] [219] [220] 、一方でイスラエルの1件の集団ベースの研究では予防効果を実証することができなかった。 [221]

同様の有益性が卵巣がんの遺伝的リスクが高い女性に対して拡張されるかどうか判定することに、大きな関心がもたれている。BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する卵巣がん患者799人、および卵巣がんではないがBRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する対照患者2,424人を対象とした多施設研究では、経口避妊薬の使用により卵巣がんリスクが有意に低下することが示された(OR、0.56;95%CI、0.45-0.71)。経口避妊薬を使用しなかった場合と比較すると、最大1年間の継続使用に伴い、ORが0.67(95%CI、0.50-0.89)となった。経口避妊薬使用の1年ごとのORは0.95(95%CI、0.92-0.97)で、最大の予防効果は使用開始後3~5年で認められた。 [220] この研究では、同じ著者らによる前の研究での女性が含められており、前の研究の結果が確認された。 [119] 卵巣がんの集団ベースのケースコントロール研究によると、BRCA1またはBRCA2の病原性多様体キャリアでは経口避妊薬使用による予防効果が認められなかった(5年以上の使用でOR、1.07)が、非キャリアでは予想されたように予防効果が認められた(5年以上の使用でOR、0.53)。 [221] しかしながら、BRCA1病原性多様体キャリア36人を対象とした小規模な集団ベースのケースコントロール研究では、病原性多様体キャリアおよび非キャリアのいずれにも同様の予防効果が認められた(OR、約0.5)。 [219] 多数の登録から得られた被験者を対象とした多施設研究では、卵巣がんのBRCA1またはBRCA2の病原性多様体キャリア147人において、がんではないマッチさせた病原性多様体キャリア304人と比較して経口避妊薬の予防効果が認められた(6年以上の使用でOR、0.62)。 [218] 最後に、BRCA病原性多様体キャリア13,627人で、そのうち2,855人が乳がん、1,503人が卵巣がんのキャリアを含む18件の研究を対象としたメタアナリシスでは、経口避妊薬の使用に関連した卵巣がんの有意なリスク低下(要約RR、0.50;95%CI、0.33-0.75)が報告された。この著者らは、経口避妊薬の使用期間が長いほどリスク低下も有意に大きくなることを報告した(経口避妊薬の使用期間が10年増すごとにリスクが36%低下)。1975年以後に製造された経口避妊薬の使用では、乳がんリスクとの関係は認められなかった。 [115]

証拠レベル:3aii

(この集団における経口避妊薬の使用と乳がんの考察については、本要約の生殖因子生殖因子のセクションにある経口避妊薬経口避妊薬のセクションを参照のこと。)

生殖因子

周期性損傷および卵巣上皮組織の修復を伴った間断のない排卵は、卵巣がんリスクを増大させることが示唆されている。一般集団における疫学研究では、排卵を防止する生理状態は卵巣がんのリスク低下と関連していた。また、黄体形成ホルモンによる卵巣の慢性過剰刺激が卵巣がん発生機序の役割を果たすことが示唆されている。 [222] こういったデータの大半は、一般集団を対象にした研究から得られたものであるが、一部の情報は、遺伝的素因により高リスクな女性にも当てはまるとしている。

妊娠

一般集団では、未産婦と比較して経産婦は、卵巣がんリスクが45%低下するとの報告がある。その後の妊娠により、卵巣がんリスクは15%低下するようである。 [223] BRCA1/BRCA2病原性多様体を有する女性を対象にした初期の諸研究で、出産により卵巣がんリスクが低下することが明らかになった。 [221] [224] 大規模なケースコントロール研究では、BRCA1病原性多様体を有する女性において、出産が卵巣がんの有意なリスク低下と関連しており、ORは0.67(CI、0.46-0.96)であった。 [220] 各出産では、BRCA1病原性多様体キャリアのORは0.87(CI、0.79-0.95)であった。この同じ研究では、BRCA2病原性多様体キャリアにおいて出産回数と卵巣がんのリスク増加が関連していた;しかしながら、各出産では有意な傾向は認められず、ORは1.08(CI、0.90-1.29)であった。BRCA2病原性多様体キャリアにおける出産と卵巣がんリスクとの関連を明らかにするにはさらなる研究が必要であるが、BRCA1キャリアでは散発性卵巣がんの場合と同様に、生児出生を重ねるとそのたびに卵巣がんのリスクは有意に低下する。

授乳と卵管結紮術

一般集団において、授乳は卵巣がんリスクの低下と関連している。 [225] BRCA病原性多様体キャリアにおけるデータは限られている。1件の研究では授乳による予防効果は示されなかった。 [224] BRCA1またはBRCA2の病原性多様体を有する女性を対象としたケースコントロール研究では、卵管結紮した女性に卵巣がんの有意なリスク低下(OR、0.39)が実証された。この保護効果はBRCA1の病原性多様体を有する女性キャリアに限られており、経口避妊薬の使用、出産歴、乳がん歴、および民族特性を調整した後でも保たれた。 [217] イスラエルの卵巣がんのケースコントロール研究では、婦人科の手術(卵管結紮、子宮摘出、卵巣摘出、片側卵巣摘除、卵巣嚢腫摘除で、両側卵巣摘除は除く)を受けた女性において40%から50%の卵巣がんリスクの減少を認めた。 [165] その防御機序は不明である。作用のメカニズムとして提唱されているものには、卵巣への血流量の減少、そしてそれが排卵および/または卵巣ホルモン生産の阻害につながる;卵管の遮断、そしてそれが発がんの可能性のある経路を遮断する;または卵巣に到達する子宮成長因子の濃度の減少、が挙げられる。 [226] (一般集団に関する情報については、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)

経口避妊薬

詳しい情報については、本要約の化学予防化学予防のセクションにある経口避妊薬経口避妊薬のセクションを参照のこと。

男性BRCA病原性多様体キャリアの管理

BRCA病原性多様体を有する男性は、男性の乳がんおよび前立腺がんなどさまざまながんのリスクが高いことを示唆するデータがある(表5表5を参照のこと)。 [197] [227] [228] [229] [230] [231] しかしながら、BRCA病原性多様体を有する男性キャリアを管理するための臨床ガイドラインは、情報が限られているため統一見解および専門家の意見に基づいている。 [33] [232] [233]

BRCA2関連前立腺がんは侵攻性疾患の表現型と関連していることが示唆されている。 [234] [235] [236] [237] [238] [239] 特に、最近の2件の研究では、前立腺がんを有するBRCA2男性キャリアの生存期間中央値の範囲が4~5年であると報告されている。 [237] [238] さらに、これらの研究の1件では5年後の死亡率が60%であったと報告されたが、最近のヨーロッパ [240] および北米 [241] の前立腺特異抗原(PSA)スクリーニング試験では同等の追跡期間後の死亡率は2~8%であったと報告された。BRCA1関連前立腺がんにおけるデータはさらに限られているが、最近の多くの研究でも同様に侵攻性疾患の表現型が示唆されている。 [234] [236] [239] [242]

BRCAキャリアにおけるPSAスクリーニングの有益性は不明であるが、キャリアでは前立腺がん診断時のPSA値が非キャリアよりも高い可能性があると示唆されている(非常に小規模な研究に基づく)。 [243] [244] これらの知見から、特に侵攻性表現型を考慮すると、BRCA病原性多様体を有する男性におけるPSAスクリーニングの潜在的有用性が示唆されている。IMPACT PSAスクリーニング研究の予備的結果によれば、PSAの上昇に基づいて生検を受けたBRCA2キャリア21人において47.6%のPPVが報告された。 [245] これらの男性のスクリーニングにより臨床的に重要な前立腺がんが発見されたため、著者らはこれらの知見からこうした男性における継続的なスクリーニングの理論的根拠が得られると提案している;しかしながら、こうしたスクリーニングによる生存利益は示されていない。最終的には、男性におけるBRCA病原性多様体の状態に関する情報から、最適なスクリーニングおよび治療戦略を明らかにできる可能性がある。さらに、BRCA2生殖細胞病原性多様体の存在は前立腺がんの生存率に対する独立した予後因子であるという最近のデータから、これらの著者は、積極的サーベイランスは侵攻性疾患の表現型のために最適な管理戦略ではない可能性があると結論付けた。 [238]

BRCA病原性多様体キャリアにおける男性の乳がんのスクリーニングには、NCCN臨床診療ガイドライン [33] で提唱されているように、乳房自己検査の訓練と教育、および35歳で開始する12ヵ月ごとの乳房視触診がある。さらに、NCCNは、BRCA2キャリアに対しては前立腺がんのスクリーニングを40歳から開始するように、BRCA1キャリアに対しては前立腺がんのスクリーニングを検討するように推奨している。 [33]

BRCA病原性多様体キャリアにおける生殖の考慮事項

詳しい情報については、本要約の遺伝性乳がんおよび卵巣がん症候群における心理社会的問題遺伝性乳がんおよび卵巣がん症候群における心理社会的問題のセクションにある出生前診断および着床前遺伝子診断出生前診断および着床前遺伝子診断のセクションを参照のこと。

治療戦略

乳がん

BRCA1およびBRCA2関連乳がんの予後

BRCA1関連乳がん

BRCA1関連乳房腫瘍の独特な特徴は、予後において重要である。さらに、BRCA1関連乳がんは増殖が速いようであるが、それは高い増殖指数および腫瘍サイズとリンパ節の状態の間に予想された相関関係がないことから示唆される。 [246] これらの病理学的特徴を有する乳がんはより予後不良となり、初期の研究では乳がんのBRCA1病原性多様体キャリアは散発例と比較してより予後不良であることが示唆された。 [247] [248] [249] これらの研究は特に、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける同側および対側の二次原発乳がんの増加を指摘した。 [250] [251] [252] [253] [254] (詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がんBRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がんのセクションを参照のこと。)2つのセンターの496人のAJ乳がん患者のレトロスペクティブ・コホート研究では、中央値で116ヵ月追跡されたBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリア56人の中で相対生存率を比較した。BRCA1病原性多様体は独立して、より不良な疾患特異的生存率と関連していた。化学療法を受けた女性では、より不良な予後は観察されなかった。 [255] イスラエル人女性における乳がん発生症例を対象にした1件の大規模集団ベース研究では、非キャリア(n = 1,189)と比較してBRCA1 創始者病原性多様体キャリア(n = 76)に対するOSの差は認められなかった。 [256] 同様の知見はヨーロッパのコホートでも確認され、BRCA1関連乳がんにおける無病生存の差は認められなかった。 [257] その後、北米およびオーストラリアの乳がんを発症した女性3,220人を対象として平均7.9年の追跡を行ったプロスペクティブ・コホート研究(うち、BRCA1キャリア93人とBRCA2キャリア71人)で、BRCA1/2キャリアと散発性疾患が認められる患者の間で同程度の転帰が報告された。 [258] しかし、結果は1990年代後半に使用されていた化学療法レジメンに基づくものであり、さらに外科的アプローチ(腫瘤摘出術 vs 乳房切除術)と卵巣摘出術の影響についての調整が行われていない。

非選択のトリプルネガティブ乳がん患者77人を対象にしたBRCA1/2検査の結果を報告した研究グループがある。この中の15人(19.5%)において、BRCA1(n = 11;14%)またはBRCA2(n = 3;4%)の生殖細胞病原性多様体、あるいはBRCA1(n = 1)の体細胞病原性多様体のいずれかが確認された。がん診断時年齢の中央値は、BRCA1病原性多様体キャリアで45歳、非キャリアで53歳であった(P = 0.005)。興味深いことに、この研究でも、BRCA1病原性多様体に関連したトリプルネガティブ乳がんの患者では、BRCA1と関連しないトリプルネガティブ乳がんの患者より再燃リスクが低いことが明らかになったが、この研究はサンプルサイズに限界があった。 [259] BRCA1関連 vs 非BRCA1関連のトリプルネガティブ乳がんにおける臨床転帰を調べた別の研究では差は確認されなかったが、BRCA1関連乳がんの患者では脳転移がみられる傾向が高かった。これらのいずれの研究でも、1人のBRCA1病原性多様体キャリアを除く全例が化学療法を受けた。 [260] その後、トリプルネガティブ乳がんのBRCA1キャリア89人および非キャリア175人を対象とした研究で、BRCA1病原性多様体状態は、年齢、卵巣摘出術、およびリスク低減のための乳房切除術で調整すると、生存の独立した予測因子ではなかった。 [261] しかしながら、卵巣摘出術を受けたキャリアでは、乳がん関連死の割合が有意に低かった。

ポーランドの50歳未満のI期からIII期の乳がん患者3,345人を対象とした研究で、予後に対するBRCA1病原性多様体の影響が検討された。このコホートでは、233人(7%)の患者が3つのポーランドのBRCA1創始者病原性多様体(5382insC、C61G、または4154delA)の1つを保有していた。BRCA1キャリアは年齢が若く、ER陰性およびHER2/neu-negativeの頻度が高かった。10年生存率は同程度であった(BRCA1キャリアで80.9%、非キャリアで82.2%)。BRCA1キャリアでは、卵巣摘出が生存改善と関連していた(HR、0.30;95%CI、0.12-0.75)。 [262]

要約すると、BRCA1関連腫瘍は臨床的、組織病理学的、および分子的特徴からより侵攻性の高い表現型であることが示されているが、予後は散発性腫瘍とほぼ同じようである。化学療法を受けていないBRCA1病原性多様体キャリアの予後はより不良な可能性がある。しかしながら、BRCA1関連乳がんのほとんどはトリプルネガティブ乳がんであるため、通常は補助化学療法を用いて治療される。BRCA1関連乳がんを散発性腫瘍とは異なる治療法で治療すべきかどうかを判断する研究が進行中である。(詳しい情報については、本要約の全身療法への反応におけるBRCA1とBRCA2の役割全身療法への反応におけるBRCA1とBRCA2の役割のセクションを参照のこと。)

BRCA2関連乳がん

BRCA2関連乳がんの予後に関する初期の研究は、散発性乳がんと比較して実質的な差を示していない。 [256] [263] [264] [265] 1件の小規模研究により、転移性乳がんを有するBRCA2病原性多様体キャリアにおいて統計的に有意に高いOSが報告された。 [257]

全身療法

全身療法への反応におけるBRCA1とBRCA2の役割

前臨床および臨床研究論文の深まりつつある本論は、BRCA関連乳がんの全身化学療法に対する特異な反応を示唆している。これは、DNA損傷に反応するこれらの遺伝子の機能および紡錘体の機構制御が理解されつつあることに基づいている。いくつかの化学療法薬はDNAまたは紡錘体の構造的な完全性を標的にしており、BRCA遺伝子の機能が欠如していると、これらの薬物に対する反応が変化することがある。相同的組換えによるDNA修復では、無傷のBRCA1BRCA2が重要である。BRCA1およびBRCA2欠損細胞系の前臨床研究により、シスプラチン、カルボプラチン、およびマイトマイシンCなど、相同的組換えによって修復可能なDNA損傷を引き起こす薬物に対する感受性の増加が示唆されている。 [266] [267] これに対して、タキサン系など紡錘体毒が有効であるためには無傷のBRCA1が重要であろう。 [268] [269] 複数の前臨床モデルで、変異した細胞系でこれらの薬物に対する感受性の低下が示唆されている。 [270] [271]

ヒトにおけるBRCA1/BRCA2病原性多様体の役割を示す証拠が現れてきている。多数の小規模研究により、特にBRCA1病原性多様体キャリアにおいて臨床奏効率の増加が示唆されているが、設計上の制限のためにこれらの研究を臨床的推奨事項の指針に用いることは困難である。

複数のレトロスペクティブ研究およびプロスペクティブ研究 [272] [273] [274] [275] [276] により、乳がんに対して術前補助化学療法を受けているBRCA1病原性多様体キャリアにおいて、特にシスプラチンを用いる場合に化学療法に対して予想より高い奏効率が示唆されている。 [274] BRCA1病原性多様体キャリアにおける術前化学療法使用に関するポーランドの経験について数件の研究が発表されている。最大規模の報告 [274] には、BRCA1病原性多様体キャリア102人(このうち51人は以前の2件の研究で記述されていた)に関するデータが含まれている。 [277] [272] 女性は6,903人の患者登録から同定された。BRCA1にポーランド人創始者病原性多様体(5382insC、C61G、または4153delA)を有し、術前化学療法も受けていた女性が含められた。これら102人の女性のうち、22%で病理学的完全奏効(pCR)が得られた。12人の女性が臨床試験の一部としてシスプラチンを用いた化学療法を受け、10人でpCR(83%)が得られた。他の患者はすべてレトロスペクティブに調査された。このうち、14人にシクロホスファミド、メトトレキサート、およびフルオロウラシルが投与され、1人にpCR(7%)が認められ、25人にドキソルビシンおよびドセタキセルが投与され、2人にpCR(8%)が認められたほか、51人にドキソルビシンおよびシクロホスファミドが投与され、11人にpCR(22%)が認められた。これを利用可能な他のデータに照らして評価するために、BRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアに対するアントラサイクリンベースの典型的な化学療法についてのレトロスペクティブ研究が数件実施され、術前化学療法後46~90%の臨床的完全奏効率が得られていたこと、 [273] [275] 特にBRCA1病原性多様体キャリアにおいて奏効率が高かったことが実証された。 [276] トリプルネガティブ乳がん患者において術前シスプラチンを用いた1件の試験では、22%のpCRが実証された;しかしながら、この研究における両BRCA1病原性多様体キャリアでもpCRが得られた。 [278]

転移性乳がんを有するBRCA2病原性多様体キャリアでは、散発性の転移性乳がんを有する患者と比較して、第一選択治療への感受性が統計的に有意に高いことが小規模な研究で報告された;逆に、転移性乳がんを有するBRCA1キャリアでは、統計的な有意差が認められなかった。 [257] BRCA1およびBRCA2の病原性多様体キャリアを対象に異なる種類の化学療法を直接比較したデータはない。しかしながら、転移性乳がんを有するBRCA1病原性多様体キャリア20人を対象とした小規模な研究によると、シスプラチン治療に対する全奏効率が80%であった。 [279] 今後の研究では、BRCA1関連およびBRCA2関連の転移性がんにおける白金製剤の役割が評価される。

したがって、BRCA1関連乳がんにおける化学療法奏効率の改善を示唆するこの前臨床および臨床データは、DNA損傷反応および細胞周期制御におけるBRCA1の機能に関して新たに得られた知見と一致している。これらの知見により生殖細胞の状態が治療の選択に影響する可能性が高くなる一方で、現時点では病原性多様体キャリアに対する補助療法および術前補助化学療法において異なるレジメンによる治療を支持する証拠は不十分である。

BRCA1/BRCA2欠損腫瘍において開拓すべき別の特異的過程は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)経路である。BRCA1BRCA2は相同的組換えによるDNA二本鎖切断の修復に活性をもつ一方、PARPは塩基除去修復による一本鎖切断の修復に関与している。BRCA1またはBRCA2が欠損した細胞における塩基除去修復を阻害すると、2つの別々の修復機構が低下するにつれて細胞死の増加に至る-合成致死性の概念が仮定された。in vitroでの諸研究は、PARP阻害により、非常に特異的にBRCA多様体細胞が死滅されることを示している。 [280] [281]

PARP阻害剤にはすぐに臨床試験が開始された。オラパリブと呼ばれるPARP阻害剤経口投与の第I相研究では、乳がん、卵巣がん、および前立腺がんを有するBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける忍容性(最小限の副作用)および活性が実証されている。 [282] 乳がんにおける第II相試験で、病原性多様体キャリアにおけるオラパリブの忍容性および効力が確認された。 [283] [284] それぞれオラパリブ400mg、1日2回およびオラパリブ100mg、1日2回を投与された27人の患者の逐次コホート2群が調査された。女性は、以前に中央値で3つの化学療法レジメンを受けていた。両群で反応がみられた。400mgを1日2回投与した群では、41%の患者(27人中11人)にRECISTにより定義された奏効が得られ、別の44%の患者(27人中12人)で病態の安定が得られた。100mgを1日2回投与した群では、22%(27人中6人)に奏効が得られ、44%(27人中12人)で病態の安定が得られた。ランダム化されなかったため、2つの用量レベルの直接比較はできないが、より高用量のコホートで多くの反応がみられた。他にもいくつかのPARP阻害剤が開発されている。

前臨床モデルでは、PARP阻害剤と化学療法の併用は相乗的であることが示唆されている [285] [286] ;しかしながら、このような相乗作用は毒性作用を犠牲にしてもたらされている可能性がある。現在実施中および最近完了した臨床試験の結果が興味をもって待たれるところである。

BRCA関連卵巣がんに対する治療戦略に関する詳しい情報については、本要約の卵巣がん卵巣がんのセクションにある全身療法全身療法のセクションを参照のこと。)

局所療法

BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアに対する乳房温存療法

腫瘤摘出術 + 放射線療法は早期乳がんの女性に対する標準の局所-領域治療となっているが、乳がんの遺伝的素因を有するが両側乳房切除術をすぐには選択しない女性では、この治療の使用はさらに複雑である。BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアにおける治療用放射線による腫瘍の誘発または過剰な毒性発生の可能性に関する当初の懸念は根拠がなかった。 [287] [288] [289] それにもかかわらず、二次性原発乳がんの高い発生率があり、治療選択に影響を与える可能性がある。

二次性原発乳がんのリスク増加が立証されており、BRCA1病原性多様体を有する若い女性ではリスクが最大で60%に上る可能性があるため [252] 、一部のBRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアは最初のがん診断時点で両側乳房切除術を選択する。(詳しい情報については、本要約のBRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がんBRCA病原性多様体キャリアにおける対側乳がんのセクションを参照のこと。)しかしながら、数件の研究が原発腫瘍を治療する妥当な選択肢として乳房温存療法の使用を支持している。 [290] [291] [292] 10年時点での同側再発のリスクは10~15%の間にあると推定されており、非キャリアにみられるリスクと同程度である。 [252] [290] [291] [292] [293] 追跡期間がより長期の研究では、15年時点での同側性乳房イベントのリスクが(原発腫瘍の再燃ではなく)主に同側性二次乳がんにより、24%と高いことが実証されている。 [290] [292] 研究全体で完全に一致しているわけではないが、放射線療法、化学療法、卵巣摘出術、およびタモキシフェンは、散発性乳がんの場合と同様に両側性イベントのリスク低下と関連している。 [290] [291] [292] [293] 対側乳がんのリスクは、片側乳房切除術に対して乳房温存療法を受けた女性で異なっているとは考えられず、放射線の照射によって対側乳がんのリスクは増えないことが示唆される。 [290] この知見は、55歳未満で乳がんと診断された女性の集団ベースケースコントロール研究によって支持されている。 [294] すべての女性についてBRCA1/2の遺伝子型解析が実施された。キャリアでは、対側乳がんのリスクが非キャリアの4倍と有意に高かったが、原発性乳がんに対して最初に放射線療法を受けたキャリアでは、放射線に曝露していないキャリアと比較して、対側乳がんのリスク増加はみられなかった。(放射線と乳がんリスクに関する詳しい情報については、マンモグラフィマンモグラフィのセクションを参照のこと。)最後に、BRCA1/BRCA2病原性多様体キャリアで乳房温存療法を選択した患者と乳房切除術を選択した患者では、15年時点でOSの差は認められていない。 [290]

証拠レベル:3a

卵巣がん

BRCA1およびBRCA2関連卵巣がんの予後

一般的に不良な予後因子が報告されているにもかかわらず、数件の研究ではBRCA病原性多様体をもつ卵巣がん患者の生存が向上している。 [295] [296] [297] [298] [299] [300] [301] [302] [303] イスラエルで実施された全国規模の集団ベースのケースコントロール研究では、BRCA創始者病原性多様体のある卵巣がん患者は、対照群に比べ、3年生存率が有意に優れていることが分かった。 [296] 同じコホートを5年間追跡したところ、BRCA1BRCA2の両方の病原性多様体キャリア(54ヵ月)では非キャリア(38ヵ月)よりも生存の改善が示され、これはIII期およびIV期卵巣がん女性および高悪性度腫瘍を有する女性で最も顕著であった。 [304] 卵巣がんに罹患しているAJ女性を対象にした米国の1件の研究において、BRCA病原性多様体を有する女性はBRCA病原性多様体を有さない卵巣がんのAJ女性と比較して、また進行期卵巣がんで臨床試験に参加している患者の2つの大規模集団と比較して再発までの期間中央値が長く、全生存率が良好であった。 [300] 米国における病院ベースのレトロスペクティブ研究では、アシュケナージ系のBRCA病原性多様体キャリアは、初回治療に対する反応性、無病生存率、およびOSで評価した場合、プラチナベースの化学療法に対する反応が散発例に比べて優れていた。 [298] 同様に、非アシュケナージ系のBRCA病原性多様体を有する女性を対象にしたケースコントロール研究では、有意な生存優位性が認められた。 [305] オランダの研究でも、散発性卵巣がん患者220人よりもBRCA1/2キャリア112人の方がプラチナベースの初回化学療法に対して良好な反応を示した。 [306] 米国における1件の集団ベースの研究では、BRCA2キャリアでOSの改善が示されたが、BRCA1キャリアでは示されなかった。 [307] しかしながら、本研究にはBRCA2病原性多様体キャリアが12例、BRCA1病原性多様体キャリアが20例しか含まれていなかった。Cancer Genome Atlas研究から得られたBRCA2病原性多様体が既知の高悪性度漿液性卵巣がん症例29人(生殖細胞多様体20人、体細胞多様体9人)では、BRCA病原性多様体が陰性の症例と比較して有意に良好なOSおよび無増悪生存(PFS)が認められた。BRCA1病原性多様体では、予後との有意な関連はみられなかった。 [308] さらに、上皮性卵巣がんのBRCA病原性多様体キャリア1,213人と非キャリア2,666人を含む26件の観察研究のプール解析によると、病原性多様体キャリアの生存の方が良好なことが示された(BRCA1:HR、0.73;95%CI、0.64-0.84;P < 0.001;BRCA2:HR、0.49;95%CI、0.39-0.61;P < 0.001)。 [309] このように、上皮性卵巣がんのBRCA1およびBRCA2キャリアにおける5年生存率は、いずれも非キャリアで観察されたものより良好で、BRCA2キャリアが最も予後良好であった。日本人患者を対象にした研究では、BRCA1関連のIII期卵巣がん患者にシスプラチンレジメンによって治療したところ、同じ方法で治療した非遺伝性がん症例よりも生存率が良好なことが明らかになった。 [299]

対照的に、数件の研究ではBRCA病原性多様体をもつ卵巣がん患者のOSの向上は認められていない。 [248] [310] [311] [312] このうち最大規模の研究では、カナダおよび米国でBRCA1およびBRCA2の病原性多様体検査を受けた非選択患者の大規模シリーズが含まれていた。3年の時点で、病原性多様体の存在は良好な予後に関連していたが、10年の時点では、もはや予後に差はみられなかった。 [313] さらに、家族歴を有する卵巣がん患者では、生存率が不良なことを示唆した研究が1件ある。 [311]

BRCA病原性多様体キャリアでは、説得力のあるデータにより短期生存で有利なことが示唆される。しかしながら、長期転帰については、まだ確定していない。BRCA1またはBRCA2創始者病原性多様体を有するAJの卵巣がん患者では、生存に改善がみられることは確かである [308] [309] ;しかしながら、この生存の優位性がすべてのBRCA関連がんに対してより広く適用されるかどうかを判断するには、適切な対照群を伴う別の集団を対象とした大規模な研究がさらに必要である。

全身療法

遺伝性BRCA関連卵巣がんにおける良好な予後を説明する分子的機序は不明であるが、BRCA遺伝子の機能に関係している可能性がある。BRCA遺伝子は、細胞周期チェックポイント活性化および相同的組換えによるDNA修復において重要な役割を果たしている。 [314] [315] 相同的修復の障害は、シスプラチンなどの特定の化学療法薬に起因するDNAクロスリンクを修復する細胞の能力に影響を与える可能性がある。乳がんおよび卵巣がんの細胞株において、BRCA1は化学療法薬感受性に影響を及ぼすことが前臨床データにより実証されている。BRCA1の蛋白発現量が低いと、シスプラチンによる化学療法に対する感受性が増強されることが示されている。 [267] BRCA関連卵巣がんの患者は、散発性のがん患者と比較して、第一選択治療およびその後の治療でもプラチナ製剤をベースとした化学療法に対する反応が高いことが示されており、このことがより良好な転帰に寄与しうる。 [298] [301]

BRCA1またはBRCA2欠損卵巣がんを治療するため、PARP経路阻害剤が現在研究されている。(PARP阻害剤に関する詳しい情報については、本要約の治療戦略治療戦略のセクションにある全身療法への反応におけるBRCA1とBRCA2の役割全身療法への反応におけるBRCA1とBRCA2の役割のセクションを参照のこと。)PARPが塩基除去修復による一本鎖切断の修復に関与している一方、BRCA1BRCA2は相同的組換えによるDNA二本鎖切断の修復に活性をもつ。したがって、BRCA1またはBRCA2欠損腫瘍においてPARPの阻害によって塩基除去修復を阻害すると、2つの別々の修復機構が低下するにつれて細胞死の増加に至る-合成致死性の概念が仮定された。

経口PARP阻害剤のオラパリブに関する第I相研究では、卵巣がん、乳がん、および前立腺がんを有するBRCA1およびBRCA2病原性多様体キャリアにおける忍容性(最小限の副作用)および活性が実証された。 [282] 2つの異なる用量のオラパリブについて検討した第II相試験では、BRCA1またはBRCA2病原性多様体を有する再発卵巣がん患者における忍容性および効力が実証された。 [284] 全奏効率は、400mgを1日2回投与されたコホートで33%(患者33人中11人)、100mgを1日2回投与されたコホートで13%(患者24人中3人)であった。最も頻繁に見られた副作用は軽度の吐き気と疲労であった。 [316] PARP阻害剤は、BRCA1またはBRCA2生殖細胞病原性多様体を有する卵巣がん患者のほかに、BRCA1またはBRCA2の体細胞病原性多様体を有するか、これらの遺伝子のエピジェネティックサイレンシングを有する卵巣がん患者にも有用な可能性がある。 [317]

卵巣がんにおける複数の研究で、プラチナベースの化学療法後の治療および維持療法の両方でPARP阻害薬が用いられている。数件の第II相治療研究で、再発卵巣がん患者を対象に、白金製剤感受性および白金製剤抵抗性の両方のがんにおけるオラパリブの効力が探索された。単一治療群研究では、乳がん、膵がん、前立腺がん、卵巣がんなど、一連のBRCA関連がん298例を治療するために、オラパリブ1日2回400mgが用いられた。オラパリブで治療された卵巣がんの女性193人中、31%で反応がみられ、40.4%で8週間以上持続した病態の安定が得られた。 [318] 以前に少なくとも3系列の化学療法で治療された154人の女性では、同様に30%の全奏効率がみられ、奏効期間中央値は白金製剤感受性がんで8.2ヵ月および白金製剤抵抗性がんで8.0ヵ月と同等であった。 [319] 白金製剤感受性がんを有する患者173人を対象にした別の研究では、患者がパクリタキセル/カルボプラチン + オラパリブ vs パクリタキセル/カルボプラチン単独で治療された。PFS期間はオラパリブ投与群の方が対照群よりも有意に長く(12.2ヵ月 vs 9.6ヵ月)(HR、0.51;95%CI、0.34-0.77)、特にBRCA病原性多様体を有する患者のサブグループで顕著であった(HR、0.21;95%CI、0.08-0.55)。オラパリブ投与群と対照群間でOSに差は認められなかった。 [320]

対照的に、別の研究では、BRCA遺伝子が野生型の患者における生存優位性が観察された。1件のランダム化オープンラベル試験では、白金製剤感受性再発卵巣がんを有する女性90人がオラパリブまたはセジラニブとオラパリブの併用に割り付けられた。PFS期間中央値は、併用群で有意に長かった(17.7ヵ月 vs 9ヵ月)(HR、0.42;95%CI、0.23-0.76)。その後の解析により、BRCA遺伝子が野生型/不明の患者43人において、セジラニブとオラパリブの併用では、単剤のオラパリブよりも有意に長いPFS期間が得られた(16.5ヵ月 vs 5.7ヵ月)(HR、0.32;P = 0.008)こと、およびBRCA病原性多様体を有する女性47人ではPFSの延長傾向が小さかった(19.4ヵ月 vs 16.5ヵ月)(HR、0.55;P = 0.16)ことが示された。 [321]

別の研究では、BRCA1/2病原性多様体が認められ、以前のプラチナベースのレジメンから12ヵ月以内に再発した卵巣がんの女性が、リポソーム結合ドキソルビシン(Doxil)の投与群(n = 33)、オラパリブ1日2回200mgの投与群(n = 32)、オラパリブ1日2回400mgの投与群(n = 32)にランダムに割り付けられた。この研究では、主要エンドポイントであったPFSのグループ間の差異が示されなかった。 [322] 興味深いことに、リポソーム結合ドキソルビシン投与群は予想よりも奏効率が高く、これはBRCA1/2に関連する卵巣がんは散発性卵巣がんよりもリポソーム結合ドキソルビシンに対する感受性が高い可能性を示唆する他の研究とも一致している。 [323] [324] 別の研究は、再発卵巣がん患者におけるオラパリブに対する有意な奏効を、BRCA1/2病原性多様体を有する患者(客観的奏効率[ORR]、41%)とBRCA1/2病原性多様体を有さない患者(ORR、24%)について示している。 [325] この研究は、特定の散発性卵巣がん、特に高悪性度の漿液性の組織像が認められるがんが、BRCA1/2病原性多様体に関連した腫瘍に似た特性をもつ可能性があることを強調している。

維持療法としてのオラパリブは、白金製剤感受性再発卵巣がんにおけるPFSを有意に改善することが示されている。256人の患者を対象にした1件のランダム化比較研究では、オラパリブを投与された患者のPFSが8.4ヵ月であったのに対して、プラセボを投与された患者では4.8ヵ月であった(HR、0.35;95%CI、0.25-0.49)。 [326] このコホートにおけるプラセボと比較したオラパリブの有益性は、BRCA病原性多様体を有する患者136人で最大となり、PFSは11.2ヵ月 vs 4.3ヵ月(HR、0.18;95%CI、0.1-0.31)であったことが実証された。 [327] コホート全体、またはBRCA病原性多様体のキャリアにおけるOSの差は観察されなかった。その後の探索的な事後解析では、OSに対する交絡因子の影響を最小限に抑えるため、BRCA病原性多様体を有し、増悪時にPARP阻害薬を投与された患者は除外された。この集団の97人の患者では、プラセボと比較してオラパリブにより、OSが改善した(HR、0.52;95%CI、0.28-0.97)。 [328] 白金製剤感受性はBRCA病原性多様体を有する女性におけるPARP阻害薬に対する反応のマーカーであるかどうか、および治療法または維持療法としてのPARP阻害薬の最適な投与時期を判断するには、より成熟したデータが必要である。

証拠レベル:3dii

遺伝性乳がんおよび卵巣がんで利用可能な臨床診療ガイドライン

表12表12に、遺伝性乳がんおよび卵巣がんに関して、がんリスク評価と遺伝カウンセリング、遺伝子検査、および/または管理に対する推奨を公表しているいくつかの機関を掲載している。

表12.遺伝性乳がんおよび卵巣がん(HBOC)で利用可能な臨床診療ガイドライン

機関 紹介の推奨 リスク評価と遺伝カウンセリングの推奨 遺伝子検査の推奨 管理の推奨
ACMG/NSGC = American College of Medical Genetics and Genomics/米国遺伝カウンセラー学会(National Society of Genetic Counselors);ACOG = American College of Obstetricians and Gynecologists;ASCO = 米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology);NAPBC = National Accreditation Program for Breast Centers;NCCN = National Comprehensive Cancer Network;NSGC = 米国遺伝カウンセラー学会(National Society of Genetic Counselors);SGO = Society of Gynecologic Oncology;USPSTF = U.S. Preventive Services Task Force。
a USPSTFガイドラインは、過去にがんの診断を受けていない人に適用する。
ACMG/NSGC(2015) [329] 提供

リスク評価:

提供
非提供 非提供

遺伝カウンセリング:

提供
ACOG(2009年、2015年に再確認) [330] 提供

リスク評価:

提供
非提供 提供

遺伝カウンセリング:

提供
ASCO(2015) [331] 非提供

リスク評価:

一般的推奨;HBOCに特化したものではない
一般的推奨;HBOCに特化したものではない 非提供

遺伝カウンセリング:

提供
NAPBC(2014) [332] 他の公表ガイド