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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児上衣腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2017-04-06
    翻訳更新日 : 2017-06-19

Childhood Ependymoma (PDQ®): Treatment PDQ Pediatric Treatment Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児上衣腫の治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

小児上衣腫 小児脳腫瘍

小児上衣腫に関する一般情報

PDQ小児脳腫瘍の治療要約は主に、神経系腫瘍に関する世界保健機関(WHO)の分類に従って構成されている。 [1] 神経系腫瘍の分類の詳しい説明と各種の脳腫瘍に対応する治療要約へのリンクについては、小児脳腫瘍および脊髄腫瘍の治療の概要に関するPDQ要約を参照のこと。

小児および青年のがん患者の生存において、劇的な改善が達成されている。1975年から2010年の間に、小児がんの死亡率は50%以上低下している。 [2] 小児および青年がん生存者には、治療から数ヵ月または数年経過後もがん療法の副作用が持続または発現することがあるため、綿密な追跡が必要である。(小児および青年のがん生存者における晩期障害の発生率、種類、およびモニタリングに関する具体的な情報については、小児がん治療の晩期障害のPDQ要約を参照のこと。)

原発性脳腫瘍は、小児の最も一般的な充実性腫瘍をともに構成する多様な疾病からなる1つのグループである。腫瘍の診断と分類には、免疫組織化学的分析、細胞遺伝学的ならびに分子遺伝学的所見、および細胞分裂能の測定が用いられることが多くなっている。脳腫瘍はその組織像によって分類されるが、腫瘍存在部位およびその拡がりは治療および予後を左右する重要な因子である。

上衣腫は脳室と脳内の通路、および脊髄中心部を覆う上衣細胞から発生する。上衣細胞は脳脊髄液(CSF)を産生する。この種の腫瘍はテント上またはテント下に分類される。小児の場合、ほとんどの上衣腫がテント下腫瘍であり、第四脳室内またはその周辺から発生する。中枢神経系腫瘍に関するWHO分類の2016年の改訂版によれば、上衣腫瘍は以下の5つの主要な亜型に分類される: [1]


  • 上衣下腫(WHO分類の悪性度I)。

  • 粘液乳頭状上衣腫(WHO分類の悪性度I)。

  • 上衣腫(WHO分類の悪性度II)。

  • 上衣腫、RELA融合陽性(WHO分類の悪性度IIまたはIII)。

  • 退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III)。

腫瘍の位置によって臨床像が決まる。治療は手術から開始する。2度目の手術、化学療法、または放射線療法など、補助療法の種類は以下の因子により異なる。


  • 上衣腫の亜型。

  • 初回手術時に腫瘍が完全に摘出されたかどうか。

  • 腫瘍が中枢神経系の全域に播種しているかどうか。

  • 患児の年齢。

発生率

小児上衣腫は小児脳腫瘍全体の約9%を占め、米国では年間約200の症例がある。 [3] [4]

解剖学

図1.松果体、下垂体、視神経、脳室(青色の部分が脳脊髄液)などを示す脳内の解剖図。小脳テントは大脳と小脳を区切っている。テント下(後頭蓋窩)は小脳テントの下部に位置する領域で、脳幹、小脳、第四脳室が含まれている。テント上は小脳テント上部の大脳が含まれる領域を指す。

分子的特性

分子的特性化研究から、上衣腫について、その特有のDNAメチル化および遺伝子発現プロファイルならびにその特有の一連のゲノム変化に基づき、7つの生物学的亜型が同定されている。 [5] [6] [7]


  • テント下腫瘍。
    • EPN-PFAと呼ばれる、後頭蓋窩A、CpG island methylator phenotype(CIMP)陽性上衣腫。

    • EPN-PFBと呼ばれる、後頭蓋窩B、CIMP陰性上衣腫。


  • テント上腫瘍。
    • C11orf95-RELA陽性上衣腫。

    • C11orf95-RELA陰性およびYAP1融合陽性上衣腫。


  • 脊髄腫瘍。

図2. 上衣腫瘍の亜型の主要な分子的および臨床的特徴を要約したグラフ。メチル化プロファイリングにより同定された上衣腫瘍の9つの分子的亜型の主要な遺伝子的所見およびエピジェネティックな所見の略図。CIN、染色体不安定性。Elsevierから許諾を得て転載:Cancer Cell, Volume 27, Kristian W. Pajtler, Hendrik Witt, Martin Sill, David T.W. Jones, Volker Hovestadt, Fabian Kratochwil, Khalida Wani, Ruth Tatevossian, Chandanamali Punchihewa, Pascal Johann, Juri Reimand, Hans-Jorg Warnatz, Marina Ryzhova, Steve Mack, Vijay Ramaswamy, David Capper, Leonille Schweizer, Laura Sieber, Andrea Wittmann, Zhiqin Huang, Peter van Sluis, Richard Volckmann, Jan Koster, Rogier Versteeg, Daniel Fults, Helen Toledano, Smadar Avigad, Lindsey M. Hoffman, Andrew M. Donson, Nicholas Foreman, Ekkehard Hewer, Karel Zitterbart, Mark Gilbert, Terri S. Armstrong, Nalin Gupta, Jeffrey C. Allen, Matthias A. Karajannis, David Zagzag, Martin Hasselblatt, Andreas E. Kulozik, Olaf Witt, V. Peter Collins, Katja von Hoff, Stefan Rutkowski, Torsten Pietsch, Gary Bader, Marie-Laure Yaspo, Andreas von Deimling, Peter Lichter, Michael D. Taylor, Richard Gilbertson, David W. Ellison, Kenneth Aldape, Andrey Korshunov, Marcel Kool, and Stefan M. Pfister, Molecular Classification of Ependymal Tumors across All CNS Compartments, Histopathological Grades, and Age Groups, Pages 728-743, Copyright (2015).

小児上衣腫の約3分の2は後頭蓋窩に発生し、後頭蓋窩腫瘍にはゲノム的に定義された主要な2つの亜型が認められている。同様に、大半の小児テント上腫瘍は2つのゲノム亜型のいずれかに分類することができる。このような亜型および関連する臨床的特徴を以下に説明する。 [5] これらの亜型の中で、2016年版の世界保健機関(WHO)分類では、別個に診断される疾患実体として、上衣腫、RELA融合陽性が採択された。 [8]

後頭蓋窩上衣腫で最も多い亜型はEPN-PFAであり、その特徴は以下の通りである:


  • 幼児での発症(年齢中央値、3歳)。 [5]

  • 蛋白の構造に影響を及ぼす突然変異率が低く(ゲノム当たり約5個)、再発性の突然変異はみられない。 [6]

  • 染色体の増加や欠失がほとんどない均衡の取れた染色体プロファイル(図3を参照のこと)。 [5] [6]

    図3. 後頭蓋窩上衣腫のゲノムにおける亜型別のコピー数の変化の同定。(A)10KアレイCGHを用いた75件のPF上衣腫のコピー数プロファイリングにより、A群およびB群の腫瘍間の異なる遺伝子的全体像が同定されている。トロントおよびハイデルベルクのコピー数データセットをまとめてヒートマップに要約している。ヒートマップは腫瘍と細胞遺伝学的リスク群1、2、および3との関連性についても示している(Korshunov et al., 2010)。フィッシャーの正確検定により算出された、統計的に有意な染色体異常(黒塗りのマス)も両下位群間に示されている。Witt H, Mack SC, Ryzhova M, et al.: Delineation of two clinically and molecularly distinct subgroups of posterior fossa ependymoma.Cancer Cell 20 (2): 143-57, 2011, doi:10.1016/j.ccr.2011.07.007.Copyright © 2011 Elsevier Inc.All rights reserved.


  • 症例の約25%での、上衣腫の予後不良因子として知られている染色体1q25の増加。 [8] [5] [7]

  • CIMPの存在(すなわち、CIMP陽性)。 [7]

  • 他の亜型(5年無増悪生存[PFS]率、68%)と比較して高い疾患再発率(5年PFS率、33%)および低い生存率。 [5]

小児ではEPN-PFBの亜型はEPN-PFAの亜型より少なく、以下を特徴とする:


  • 主に青年および若年成人での発症(年齢中央値、30歳)。 [5]

  • 蛋白の構造に影響を及ぼす突然変異率が低く(ゲノム当たり約5個)、再発性の突然変異はみられない。 [7]

  • 主に染色体全体の増加/欠失に関わる多数の細胞遺伝学的異常(図3を参照のこと)。 [5] [7]

  • CIMPの不在(すなわち、CIMP陰性)。 [7]

  • EPN-PFAよりも転帰良好であり、5年PFS率は73%および全生存(OS)率は100%である。 [5]

小児テント上(ST)上衣腫の最大のサブセットは、NF-κB経路の活性において重要な転写因子であるRELA [9] [10] に関わる遺伝子融合を特徴とする。この亜型はST-EPN-RELAと呼ばれ、以下を特徴とする:


  • 小児のテント上上衣腫の約70%を占め [10] [11] 、発症年齢中央値は8歳である。 [5]

  • 染色体11q13.1が関わる染色体の粉砕現象(chromothripsis)により生じたC11orf95-RELA融合の存在。 [10]

  • 蛋白およびRNAレベルでのNF-κB経路の活性化の証拠。 [10]

  • 蛋白の構造に影響を及ぼす突然変異率の低さおよびC11orf95-RELA融合外の再発性の突然変異の不在。 [10]

  • 上衣腫の予後不良因子として知られるCDKN2Aのホモ接合欠失 [9] が症例の約15%で認められる。 [5]

  • 症例の約4分の1での、上衣腫の予後不良因子として知られる染色体1qの増加。 [5]

  • 他の上衣腫の亜型と比較して転帰不良であり、5年PFS率は29%およびOS率は75%である。 [5]

  • 分枝する毛細血管を有するテント上明細胞性上衣腫は通例C11orf95-RELA融合を示し [12] 、年齢中央値10.4歳の患児20人のあるシリーズは比較的良好な予後を示した(5年PFS率が68%およびOS率が72%)。 [12]

ST-EPN-YAP1と呼ばれる2番目のそれほど多くないテント上上衣腫のサブセットは、YAP1が関わる融合を有し、以下を特徴とする:


  • 診断時の年齢中央値は1.4歳。 [5]

  • YAP1が関わる遺伝子融合が存在し、MAMLD1が最も多い融合パートナーである。 [5] [10]

  • ゲノムが比較的安定しており、YAP1融合以外の染色体変化がほとんどない。 [5]

  • 予後が比較的良好(小数例に基づくものであるが)であり、5年PFS率が66%およびOS率が100%である。 [5]

ゲノムの変化の臨床的意義

診断時にEPN-PFAおよびEPN-PFBの亜型には再発性の突然変異がみられないため、治療法の指針としてそのゲノムプロファイルを使用することはできない。テント上上衣腫にみられるRELAおよびYAP1の融合遺伝子は診療所において薬剤による直接の標的となるわけではないが、将来の研究へのヒントをもたらす可能性がある。

臨床的特徴

上衣腫の臨床像は腫瘍の位置によって異なる。


  • テント下(後頭蓋窩)上衣腫:

    小児では、上衣腫の約65~75%が後頭蓋窩に発生する。 [13] 後頭蓋窩に上衣腫を有する小児は、第四脳室のレベルにおける閉塞により閉塞性水頭症の徴候と症状を呈することがある。また、運動失調、頸部痛、または脳神経麻痺を呈することもある。

  • テント上上衣腫:

    テント上上衣腫では、頭痛、痙攣発作、または部位依存性の局所神経障害が生じることがある。

  • 脊髄上衣腫:

    脊髄上衣腫はしばしば粘液乳頭状の異型となり、背部痛、下肢の脱力、および/または腸と膀胱の機能不全を呈する傾向がみられる。

診断的評価

上衣腫が疑われる患者はすべて、脳全体および脊髄の画像診断によって評価を行う。脊髄のくも膜下転移を評価するために利用可能な最も感度が高い方法は、ガドリニウムを用いた脊髄の磁気共鳴画像法(MRI)である。画像診断は術後の出血との混同を避けるため、手術前に実施するのが理想的である。MRIを使用する場合は一般的に、ガドリニウム増強後、連続するMRIスライスを用い少なくとも2平面画像上で、脊髄全体が映し出される。

可能であれば、CSFの細胞学的評価を実施する。 [14]

予後因子

治療成績に影響を及ぼす不良因子には(上述のものを除いて)以下のものがある:


  • 遺伝子発現プロファイル。

    後頭蓋窩上衣腫は、特有の遺伝子発現パターンに基づいて以下の2つのグループに分類することができる。 [5] [6] [15] [16]


      EPN-PFAは主に幼児に起こり、ゲノムプロファイルの大部分は均衡がとれているものの染色体1qの増加が多発すること [9] [17] [18] [19] 、ならびに以前に予後不良との関連が示された遺伝子や蛋白、具体的にはテネイシンCや上皮成長因子受容体などが発現することを特徴とする。 [17] [20]
      これとは対照的に、EPN-PFBは主に年長児と成人に起こり、比較的良好な予後と、染色体全体または染色体腕部に関する多数の細胞遺伝学的異常を特徴とする。 [15]

    小児上衣腫の予後不良との関連が報告されている他の因子には、テロメラーゼの酵素サブユニット(hTERT)の発現 [21] [22] [23] と、神経幹細胞マーカーであるネスチンの発現がある。 [24] [証拠レベル:3iiiA]


  • 腫瘍の位置。頭蓋内に発生する種類の上衣腫は、原発性脊髄上衣腫より治療成績は好ましくない。 [25] [26] 脊髄内の位置も治療成績に影響を及ぼす可能性があり、脊髄下部に生じた腫瘍の予後は不良である。 [27] [証拠レベル:3iiiA]

  • 診断時に幼小であること。 [28] [証拠レベル:3iiiDii]

  • 退形成性の組織型。 [28] [29] [30] ; [31] [証拠レベル:3iA]; [32] [証拠レベル:3iiiDi]

  • 亜全摘例であること。 [28]

  • 照射が低線量であること。 [33]

  • 免疫組織化学検査により、治療失敗の高いリスクを示す予後因子として、増殖マーカー(例、Ki-67およびMIB-1)の発現増加 [34] [35] および遺伝子発現のエピジェネティックな調節に関与するポリコーム群蛋白の1つ、EZH2の発現増加 [36] が同定されている。

治療後の経過観察

上衣腫の治療後には神経画像検査によるサーベイランスと臨床評価をともに実施することが、一般的に推奨される。実施の頻度と間隔は任意に決定されており、その有用性は明らかになっていない。 [37] 大半の医師は治療後最初の1~2年の間、3ヵ月ごとに脳および/または脊髄のMRI画像を撮影している。2年経過後、続く3年間は6ヵ月ごとに画像検査が実施される場合が多い。


参考文献
  1. Louis DN, Ohgaki H, Wiestler OD: WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System. 4th rev.ed. Lyon, France: IARC Press, 2016.[PUBMED Abstract]

  2. Smith MA, Altekruse SF, Adamson PC, et al.: Declining childhood and adolescent cancer mortality. Cancer 120 (16): 2497-506, 2014.[PUBMED Abstract]

  3. Gurney JG, Smith MA, Bunin GR: CNS and miscellaneous intracranial and intraspinal neoplasms. In: Ries LA, Smith MA, Gurney JG, et al., eds.: Cancer incidence and survival among children and adolescents: United States SEER Program 1975-1995. Bethesda, Md: National Cancer Institute, SEER Program, 1999. NIH Pub.No. 99-4649, Chapter 3, pp 51-63. Also available online. Last accessed April 05, 2017.[PUBMED Abstract]

  4. Central Brain Tumor Registry of the United States: Statistical Report: Primary Brain Tumors in theUnited States, 1997-2001. Hinsdale, Ill: Central Brain Tumor Registry of the United States, 2004. Also available online. Last accessed April 05, 2017.[PUBMED Abstract]

  5. Pajtler KW, Witt H, Sill M, et al.: Molecular Classification of Ependymal Tumors across All CNS Compartments, Histopathological Grades, and Age Groups. Cancer Cell 27 (5): 728-43, 2015.[PUBMED Abstract]

  6. Witt H, Mack SC, Ryzhova M, et al.: Delineation of two clinically and molecularly distinct subgroups of posterior fossa ependymoma. Cancer Cell 20 (2): 143-57, 2011.[PUBMED Abstract]

  7. Mack SC, Witt H, Piro RM, et al.: Epigenomic alterations define lethal CIMP-positive ependymomas of infancy. Nature 506 (7489): 445-50, 2014.[PUBMED Abstract]

  8. Louis DN, Perry A, Reifenberger G, et al.: The 2016 World Health Organization Classification of Tumors of the Central Nervous System: a summary. Acta Neuropathol 131 (6): 803-20, 2016.[PUBMED Abstract]

  9. Korshunov A, Witt H, Hielscher T, et al.: Molecular staging of intracranial ependymoma in children and adults. J Clin Oncol 28 (19): 3182-90, 2010.[PUBMED Abstract]

  10. Parker M, Mohankumar KM, Punchihewa C, et al.: C11orf95-RELA fusions drive oncogenic NF-κB signalling in ependymoma. Nature 506 (7489): 451-5, 2014.[PUBMED Abstract]

  11. Pietsch T, Wohlers I, Goschzik T, et al.: Supratentorial ependymomas of childhood carry C11orf95-RELA fusions leading to pathological activation of the NF-κB signaling pathway. Acta Neuropathol 127 (4): 609-11, 2014.[PUBMED Abstract]

  12. Figarella-Branger D, Lechapt-Zalcman E, Tabouret E, et al.: Supratentorial clear cell ependymomas with branching capillaries demonstrate characteristic clinicopathological features and pathological activation of nuclear factor-kappaB signaling. Neuro Oncol 18 (7): 919-27, 2016.[PUBMED Abstract]

  13. Andreiuolo F, Puget S, Peyre M, et al.: Neuronal differentiation distinguishes supratentorial and infratentorial childhood ependymomas. Neuro Oncol 12 (11): 1126-34, 2010.[PUBMED Abstract]

  14. Moreno L, Pollack IF, Duffner PK, et al.: Utility of cerebrospinal fluid cytology in newly diagnosed childhood ependymoma. J Pediatr Hematol Oncol 32 (6): 515-8, 2010.[PUBMED Abstract]

  15. Wani K, Armstrong TS, Vera-Bolanos E, et al.: A prognostic gene expression signature in infratentorial ependymoma. Acta Neuropathol 123 (5): 727-38, 2012.[PUBMED Abstract]

  16. Ramaswamy V, Hielscher T, Mack SC, et al.: Therapeutic Impact of Cytoreductive Surgery and Irradiation of Posterior Fossa Ependymoma in the Molecular Era: A Retrospective Multicohort Analysis. J Clin Oncol 34 (21): 2468-77, 2016.[PUBMED Abstract]

  17. Mendrzyk F, Korshunov A, Benner A, et al.: Identification of gains on 1q and epidermal growth factor receptor overexpression as independent prognostic markers in intracranial ependymoma. Clin Cancer Res 12 (7 Pt 1): 2070-9, 2006.[PUBMED Abstract]

  18. Kilday JP, Mitra B, Domerg C, et al.: Copy number gain of 1q25 predicts poor progression-free survival for pediatric intracranial ependymomas and enables patient risk stratification: a prospective European clinical trial cohort analysis on behalf of the Children's Cancer Leukaemia Group (CCLG), Societe Francaise d'Oncologie Pediatrique (SFOP), and International Society for Pediatric Oncology (SIOP). Clin Cancer Res 18 (7): 2001-11, 2012.[PUBMED Abstract]

  19. Godfraind C, Kaczmarska JM, Kocak M, et al.: Distinct disease-risk groups in pediatric supratentorial and posterior fossa ependymomas. Acta Neuropathol 124 (2): 247-57, 2012.[PUBMED Abstract]

  20. Korshunov A, Golanov A, Timirgaz V: Immunohistochemical markers for intracranial ependymoma recurrence. An analysis of 88 cases. J Neurol Sci 177 (1): 72-82, 2000.[PUBMED Abstract]

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  22. Tabori U, Wong V, Ma J, et al.: Telomere maintenance and dysfunction predict recurrence in paediatric ependymoma. Br J Cancer 99 (7): 1129-35, 2008.[PUBMED Abstract]

  23. Modena P, Buttarelli FR, Miceli R, et al.: Predictors of outcome in an AIEOP series of childhood ependymomas: a multifactorial analysis. Neuro Oncol 14 (11): 1346-56, 2012.[PUBMED Abstract]

  24. Milde T, Hielscher T, Witt H, et al.: Nestin expression identifies ependymoma patients with poor outcome. Brain Pathol 22 (6): 848-60, 2012.[PUBMED Abstract]

  25. McGuire CS, Sainani KL, Fisher PG: Both location and age predict survival in ependymoma: a SEER study. Pediatr Blood Cancer 52 (1): 65-9, 2009.[PUBMED Abstract]

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  33. Vaidya K, Smee R, Williams JR: Prognostic factors and treatment options for paediatric ependymomas. J Clin Neurosci 19 (9): 1228-35, 2012.[PUBMED Abstract]

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  36. Li AM, Dunham C, Tabori U, et al.: EZH2 expression is a prognostic factor in childhood intracranial ependymoma: a Canadian Pediatric Brain Tumor Consortium study. Cancer 121 (9): 1499-507, 2015.[PUBMED Abstract]

  37. Good CD, Wade AM, Hayward RD, et al.: Surveillance neuroimaging in childhood intracranial ependymoma: how effective, how often, and for how long? J Neurosurg 94 (1): 27-32, 2001.[PUBMED Abstract]

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小児上衣腫瘍の病理組織学的分類

初めて、2016年版の世界保健機関(WHO)の中枢神経系(CNS)腫瘍の分類は選択されたCNS腫瘍の分類に遺伝子型所見の追加を組み入れた。統合されたこの分類は、より均質な疾患を定義して診断の正確さを向上させ、予後判定を洗練させ、より高い信頼性で治療戦略に関する結論に到達させることを意図している。

上衣腫瘍は現在以下の5つの主要な亜型に分類される: [1]

  1. 上衣下腫(WHO分類の悪性度I):

    上衣下腫は増殖速度が緩徐な新生物であり、典型的には脳室壁に付着し、線維性基質に埋没したグリア系腫瘍細胞集塊で構成されている。

    上衣下腫(WHO分類の悪性度I)の真の発生率を明らかにするのは困難である。これらの腫瘍は無症状であることが多く、剖検時に偶発的に発見されることもある。上衣下腫はすべての上衣腫瘍の5%未満を占めると考えられる。

  2. 粘液乳頭状上衣腫(WHO分類の悪性度I):

    粘液乳頭状上衣腫のほとんどは主に脊髄円錐、馬尾、および脊髄終糸領域に発生し、血管化した粘液状の間質コア周囲に乳頭状に配列した腫瘍細胞が組織学的特徴である。
  3. 上衣腫(WHO分類の悪性度II):

    上衣腫は、脳室壁または脊柱管から生じる悪性度IIの新生物と考えられ、腫瘍性の上衣細胞で構成される。2016年版のWHOの改訂では、細胞性上衣腫という用語は、標準的な上衣腫と同義であると考えられたために、亜型として削除された。上衣腫のWHO分類の悪性度II腫瘍の他の3つの亜型は以下の通りである:
    • 乳頭状上衣腫-脳脊髄液曝露に伴い直線的な上皮様の表面を形成する。

    • 明細胞性上衣腫-核周囲明庭を伴う乏突起膠腫様の外見を呈する;この変異体は脳のテント上部に優先的に位置する。

    • タン細胞性上衣腫-悪性度II上衣腫の中で最もまれな型;この亜型は最も一般的には脊髄で発見される;腫瘍細胞はさまざまな幅および細胞密度の束で配列されており、絡み合わせは不完全である。

  4. 上衣腫、RELA融合陽性(WHO分類の悪性度IIまたはIII):

    この統合診断は小児の大半のテント上上衣腫瘍で認められる。表現型として、これは上衣腫(WHO分類の悪性度II)または退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III)と類似している。これらの腫瘍はC11orf95-RELA融合を特徴とし、L1CAM免疫組織化学がこの亜型の代替指標の役割を果たす可能性がある。 [2]
  5. 退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III):

    悪性上衣腫とも呼ばれる。退形成性上衣腫は上衣系分化を示す悪性グリオーマと考えられており、悪性度IIの上衣腫と比較して、高い細胞密度および有糸分裂活動増加を示し、これはしばしば微小血管増生および壊死と関連する。

上衣下腫および粘液乳頭状上衣腫は通常、悪性度IIおよび悪性度IIIの上衣腫とは臨床的および病理学的に異なると考えられている。

テント上上衣腫とテント下上衣腫は、ともに放射状グリア細胞由来と考えられているが、ゲノム的にも、遺伝子発現的にも、免疫組織化学的にも異なる特徴を有する。 [3] [4] [5] テント上腫瘍の方が、多くの場合に神経細胞分化によって特徴付けられる。 [4]

上衣芽腫は現在ではWHO分類には含まれておらず、多層性ロゼットを有する胚芽腫として分類されている。

小児脳腫瘍の病理学的分類は、現在進展中の専門領域である;この領域において特に専門知識をもった神経病理医が組織診断することを強く推奨する。


参考文献
  1. Louis DN, Ohgaki H, Wiestler OD: WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System. 4th rev.ed. Lyon, France: IARC Press, 2016.[PUBMED Abstract]

  2. Parker M, Mohankumar KM, Punchihewa C, et al.: C11orf95-RELA fusions drive oncogenic NF-κB signalling in ependymoma. Nature 506 (7489): 451-5, 2014.[PUBMED Abstract]

  3. Taylor MD, Poppleton H, Fuller C, et al.: Radial glia cells are candidate stem cells of ependymoma. Cancer Cell 8 (4): 323-35, 2005.[PUBMED Abstract]

  4. Andreiuolo F, Puget S, Peyre M, et al.: Neuronal differentiation distinguishes supratentorial and infratentorial childhood ependymomas. Neuro Oncol 12 (11): 1126-34, 2010.[PUBMED Abstract]

  5. Grill J, Bergthold G, Ferreira C: Pediatric ependymomas: will molecular biology change patient management? Curr Opin Oncol 23 (6): 638-42, 2011.[PUBMED Abstract]

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小児上衣腫の病期情報

公式の病期分類システムはないが、上衣腫はテント上腫瘍、テント下腫瘍、および脊髄腫瘍に分けることができる。小児上衣腫の約30%が脳のテント上領域に発生し、70%は後頭蓋窩に発生する。 [1] 上衣腫は通常、脳室の上衣被膜または脊髄の中心管あるいは終室を起源とし、脳脊髄液に接している。そのため、これらの腫瘍は脳脊髄軸全体に拡がっている可能性があるが、播種が報告されるのは悪性度IIおよび悪性度IIIの上衣腫を有する患者の10%未満である。粘液乳頭状上衣腫は疾患の経過の初期に神経系に播種する可能性が高い。


参考文献
  1. Villano JL, Parker CK, Dolecek TA: Descriptive epidemiology of ependymal tumours in the United States. Br J Cancer 108 (11): 2367-71, 2013.[PUBMED Abstract]

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小児上衣腫に関する治療法選択肢の概要

最も実用的で許容できる従来の治療法をさらに向上させるために、種々の臨床試験が実施され、その結果として、小児がんにおける生存率が幾度も改善されてきた。小児科での臨床試験は、新たな治療法と現在標準とされている治療法とを比較するようデザインされる。こうした比較は、二群ランダム化試験か、新たな単一治療法の成績を評価しその結果を従来の治療法で得られた以前の結果と比較することによって行われる。

小児のがんは比較的まれであるため、侵攻性脳腫瘍の患児はすべて臨床試験に組み入れることが検討されるべきである。至適治療法を決定しこれを実施するために、治療計画は小児脳腫瘍の治療経験があるがん専門医の集学的なチームが行う必要がある。小児脳腫瘍の放射線療法には、高度な技術が必要とされ、至適結果を確実に得るためにはその領域での経験を積んでいる施設で行う必要がある。

表1.小児上衣腫に対する標準治療法の選択肢

治療群 標準治療法の選択肢
新たに診断された小児上衣下腫 手術
経過観察(まれな症例)
新たに診断された小児粘液乳頭状上衣腫 手術と場合により放射線療法
新たに診断された小児上衣腫(WHO分類の悪性度II)、退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III)、またはRELA融合陽性上衣腫: 手術
補助療法
  残存腫瘍も播種性腫瘍も認められない場合 放射線療法
  残存腫瘍があり、播種性腫瘍が認められない場合 セカンドルック手術
放射線療法
照射前化学療法
  中枢神経系に播種性腫瘍が認められる場合 放射線療法
  3歳未満の小児の場合 化学療法
放射線療法
再発小児上衣腫 手術
放射線療法および/または化学療法


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新たに診断された小児上衣下腫の治療

上衣下腫は小児ではきわめてまれであり、治療アプローチは成人集団での経験から推論されてきた。

新たに診断された上衣下腫(WHO分類の悪性度I)の標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 経過観察(まれな症例)。

治療が必要な症例では、外科的完全切除によって、しばしば治癒が得られる。一部の上衣下腫は偶発的所見と考えられ、介入を伴わない経過観察が行われる。

ときに、上衣下腫は脳室閉塞を引き起こし、これらの症例では脳室腹腔シャント留置が適応となる。自発性の腫瘍内出血も観察されている。 [1]


参考文献
  1. Jain A, Amin AG, Jain P, et al.: Subependymoma: clinical features and surgical outcomes. Neurol Res 34 (7): 677-84, 2012.[PUBMED Abstract]

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新たに診断された小児粘液乳頭状上衣腫の治療

上衣腫の良性の組織学的亜型と考えられている粘液乳頭状上衣腫でも、診断時および経過観察時の中枢神経系への腫瘍の播種率は比較的高い。診断時および経過観察中の全脳脊髄軸の画像検査が適応とされる。 [1] [2]

新たに診断された粘液乳頭状上衣腫(WHO分類の悪性度I)の標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術と場合により補助放射線療法。

歴史的に、粘液乳頭状上衣腫(WHO悪性度I)の管理は腫瘍の一塊切除を試み、ほぼ全摘が行われた症例にはさらなる治療は行われてこなかった。 [3] ; [4] [証拠レベル:3iiiDi]しかしながら、これらの腫瘍が、特に完全切除が得られなかった場合に脳脊髄軸の他の部位に播種しうるという知見、および局所放射線療法により無増悪生存が改善しうるという証拠に基づき、多くの開業医が現在では、原発腫瘤の外科的切除後の放射線療法を支持している。 [1] [3] ; [5] [証拠レベル:3iiiDi]; [6] [7] [証拠レベル:3iiiDiii]


参考文献
  1. Fassett DR, Pingree J, Kestle JR: The high incidence of tumor dissemination in myxopapillary ependymoma in pediatric patients. Report of five cases and review of the literature. J Neurosurg 102 (1 Suppl): 59-64, 2005.[PUBMED Abstract]

  2. Bagley CA, Kothbauer KF, Wilson S, et al.: Resection of myxopapillary ependymomas in children. J Neurosurg 106 (4 Suppl): 261-7, 2007.[PUBMED Abstract]

  3. Akyurek S, Chang EL, Yu TK, et al.: Spinal myxopapillary ependymoma outcomes in patients treated with surgery and radiotherapy at M.D. Anderson Cancer Center. J Neurooncol 80 (2): 177-83, 2006.[PUBMED Abstract]

  4. Bagley CA, Wilson S, Kothbauer KF, et al.: Long term outcomes following surgical resection of myxopapillary ependymomas. Neurosurg Rev 32 (3): 321-34; discussion 334, 2009.[PUBMED Abstract]

  5. Pica A, Miller R, Villà S, et al.: The results of surgery, with or without radiotherapy, for primary spinal myxopapillary ependymoma: a retrospective study from the rare cancer network. Int J Radiat Oncol Biol Phys 74 (4): 1114-20, 2009.[PUBMED Abstract]

  6. Agbahiwe HC, Wharam M, Batra S, et al.: Management of pediatric myxopapillary ependymoma: the role of adjuvant radiation. Int J Radiat Oncol Biol Phys 85 (2): 421-7, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. Jeibmann A, Egensperger R, Kuchelmeister K, et al.: Extent of surgical resection but not myxopapillary versus classical histopathological subtype affects prognosis in lumbo-sacral ependymomas. Histopathology 54 (2): 260-2, 2009.[PUBMED Abstract]

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新たに診断された小児上衣腫、退形成性上衣腫、またはRELA融合陽性上衣腫の治療

新たに診断された上衣腫(WHO分類の悪性度II)、退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III)、またはRELA融合陽性上衣腫の標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術
  2. 補助療法

通常は、すべての患者が腫瘍の摘出手術を受ける。それに追加して治療が行われるかどうかは、腫瘍切除の程度と播種性腫瘍の有無によって異なる。

手術

手術を実施して最大限の腫瘍の切除を試みる。切除の程度が増すと生存率が改善することを示唆する証拠がある。 [1] [2] [3] [4] [5] ; [6] [7] [証拠レベル:3iDii]手術後には、切除の程度を確認するために磁気共鳴画像法(MRI)を実施する。手術前にMRIを実施していない場合には、腫瘍の播種と脳脊髄液の細胞病理について評価するために脳脊髄軸全体のMRIを行う。

残存腫瘍または播種性腫瘍のある患者は再燃リスクが高いと考えるべきであり、そのような患者のために特別に計画されたプロトコルに基づいて治療する場合がある。残存腫瘍の証拠がない患者も、術後放射線療法の実施にもかかわらず、再燃リスクは約20~40%ある。

逸話的経験は、完全に切除されたテント上の退形成性以外の腫瘍、および硬膜内脊髄上衣腫(intradural spinal cord ependymomas)については手術単独が、症例を選択した場合に適切な治療アプローチとなりうることを示唆している。 [8] [9] [証拠レベル:3iiiDi]; [10] [11] [12] [証拠レベル:3iiiDiii]

後頭蓋窩上衣腫(EPN-PFB)患者の転帰についてのレトロスペクティブ解析から、これらの患者は肉眼的完全切除単独により十分な治療を行える可能性が示唆されているが [7] 、このアプローチはプロスペクティブなランダム化臨床試験で検証されていない。

補助療法

残存腫瘍も播種性腫瘍も認められない場合の治療法選択肢

放射線療法

これらの患者に対する従来の術後治療は、3歳以上の小児の腫瘍床に対する54Gy~59.4Gyの放射線療法である。 [5] [13] これらの腫瘍は通常は、初期に局所に再発するため、CNS全体(全脳および全脊髄)に照射する必要はない。 [14] ; [15] [証拠レベル:3iiiA]可能であれば、患者は脳腫瘍の小児患者に対する高度な原体照射療法強度変調放射線療法または荷電粒子線療法を含む)の実施経験がある施設で治療されるべきである。

証拠(放射線療法):

  1. 1件の研究で、1~21歳の患者74人が手術後に原体照射療法による治療を受けた。 [16]
    • 3年無増悪生存(PFS)率は77.6%±5.8%だった。

  2. 153人の患者を対象とした2つ目のシリーズでは、107人が先行する切除の直後に原体照射法を受けた。 [5] [証拠レベル:3iA]
    • 7年イベントフリー生存率は76.9%±13.5%であった。

  3. 特定の症例では、局所放射線療法が実施されている。 [17] 限局性の上衣腫を有する小児に関する小規模シリーズで、手術単独の場合と補助放射線療法を実施する場合とが比較された。 [18]
    • 切除の程度の調整後であっても、補助放射線療法がPFSを改善するようであった。実際、肉眼的全切除の後に補助放射線療法を受けた患者には、放射線療法を受けなかった患者に比べて、PFSにおける有益性が観察された。

    • これらの知見を確認するには、さらなる研究が必要である。

  4. 陽子線治療(荷電粒子線療法の一種)は、脳および神経内分泌の重大な正常組織を回避しながら、(テント上またはテント下の)腫瘍を標的にするための潜在的な長所を備えている。

    70人の小児が2000年から2011年の間にMassachusetts General Hospitalで浸潤領域への陽子線治療で治療された(年齢中央値、生後33ヵ月;範囲、生後3ヵ月~20歳)。 [19]


    • 研究者らによる報告では、3年局所制御率は83%、PFS率は76%、全生存(OS)率は95%であり、亜全切除は不良な治療成績と関連していたことが確認された。

    • データは知能、適応能力、および神経内分泌欠乏や他の罹病については優位性を示したが、他の種類の原体照射療法を上回る優位性はまだ示していない。


    非常に幼い小児(3歳未満)における後頭蓋窩に対する陽子線治療後の脳幹毒性についての懸念から、これらの小児においてより保存的な線量の使用が増えている。 [20]

化学療法

骨髄除去的化学療法 [21] の使用を含めた補助化学療法が非播種性上衣腫を全摘した患者の治療成績を改善するという証拠はない。そのため、現在行われている治療アプローチは、新たに診断され完全に切除される上衣腫を有する小児に対する初回治療の標準的な構成要素として化学療法を含まない。

肉眼的全切除を受けた小児における放射線療法後の化学療法の有効性を評価するランダム化試験が進行中である。

残存腫瘍があり、播種性腫瘍が認められない場合の治療法選択肢

セカンドルック手術

全摘患者の方が腫瘍コントロールが良好であるため、セカンドルック手術が検討されるべきである。 [22] 症例によっては、小児脳外科医が別の手術法によって腫瘍の肉眼的全切除が達成できると判断した場合に、初回の切除試行後にさらなる手術が実施されることがある。また、それ以上の先行手術を実施しても肉眼的全切除が得られないとの予測から、将来のセカンドルック手術を想定に入れて補助療法が開始される場合もある。

放射線療法

上記の残存腫瘍も播種性腫瘍も認められない場合の治療法選択肢サブセクションで述べた放射線療法の根拠は、播種性ではない残存腫瘍が認められる小児の治療にも関係する。亜全摘患者においては、放射線療法を用いた治療により、患者の30~50%で3~5年PFSが得られるが、 [16] 脊柱管内に残存腫瘍を認める患者の治療成績がより良好となる場合がある。 [23]

照射前化学療法

1件の研究で、全摘に近い(90%超の)切除を受けた小児における照射前化学療法の有益性が示され、肉眼的全切除が達成された後に放射線療法を受けた小児と同等の治療成績が認められた。 [24] 小児腫瘍学グループ(COG)は、先行手術後の残存腫瘍を有する小児に照射前化学療法を実施し、その小児が化学療法またはセカンドルック手術によって完全寛解を達成できるかどうかを調べる研究を完了した。結果はまだ得られていない。

幹細胞救助を併用する大量化学療法に何らかの有益性があるという証拠はない。 [25] ; [26] [証拠レベル:2A]

CNSに腫瘍が播種している場合の治療法選択肢

放射線療法

腫瘍切除の程度に関係なく、これらの患者には一般的に、全脳および全脊髄に対する放射線療法と、局所病変および播種性腫瘤病変へのブースト照射を実施する。こうした患者における術後の局所照射の従来量は54Gy~55.8Gyである。また、脳脊髄軸全体(すなわち、全脳および全脊髄)にも約36Gyの照射が行われるが、患者の年齢によっては照射量を調節する場合がある。 [27] 脊髄の腫瘍塊へは41.4Gy~50.4Gyのブースト照射が実施されるが、線量は患者の年齢および腫瘍の位置による。しかしながら、このアプローチを支持する最近の研究発表は存在しない。

化学療法

播種性上衣腫を有する小児の管理における化学療法の役割は明らかにされていない。 [28]

3歳未満の小児の治療選択肢

化学療法

すべてではないが一部の化学療法は、新たに上衣腫と診断された3歳未満の小児に客観的奏効をもたらす。 [29] [30] [31] [32] 上衣腫を全摘した乳児および幼児の最大40%が化学療法単独により長期生存を達成する。 [33] [証拠レベル:2Di]

放射線療法

歴史的に、上衣腫の3歳未満の小児に対しては術後放射線療法が省略されていた。以前の2件のCOG研究は、このように比較的幼い小児の転帰を改善するために、術後放射線療法の年齢制限を1歳に下げている。この2件の研究の最初のもの(ACNS0121 [NCT00027846])はこのアプローチの有用性についての証拠をもたらすべく発表が待たれている。

証拠(放射線療法):

  1. Surveillance, Epidemiology, and End Resultsプログラムで報告された3歳未満の小児184人についてのデータを対象として、1件のレトロスペクティブ解析が実施された。 [13]
    • 腫瘍の位置または切除の程度に対する調整後でも、3年OS率は術後放射線療法を受けた小児で81%であり、術後放射線療法を受けなかった小児(58%)に比べ、有意に良好であった(P = 0.005)。

  2. 原体照射法は上衣腫の幼児における放射線誘発性の神経損傷を最小限に抑えるための代替アプローチである。化学療法が奏効し残存腫瘍がない小児では、放射線療法の必要性およびその時期は依然として確定されていない。
    • このアプローチを用いた最初の経験により、上衣腫の3歳未満の小児において診断時の神経学的欠損が原体照射法による治療後、時がたつにつれ改善することが示唆されている。 [16]

    • 別の研究では、より年齢の高い小児においてでさえ局所放射線療法で治療された後、時の経過とともに知能低下傾向が認められたことが示唆された。 [34] [証拠レベル:3iiiC]

正常な脳組織への損傷を最小限に抑える三次元原体照射療法などの原体照射法や、陽子線治療などの荷電粒子線療法は、上衣腫の乳児と小児を対象とした評価段階にある。 [16] [35] 上衣腫の幼児の治療後に神経学的結果を分析する場合、治療開始前に欠損が幼児に存在していることがあるため、長期欠損のすべてを放射線療法に帰することはできないという点を考慮することが重要である。 [16] 例えば、診断時の水頭症の存在は、外科的切除後および放射線療法の開始前に測定される知能指数の低下と関連がある。 [36]

最近、上衣腫の小児に関するCOGプロトコル(ACNS0121 [NCT00027846])が終了したが、このプロトコルは1歳以上の幼児を対象としていた。この試験は術後放射線療法のプロスペクティブ評価を下すものである。結果の発表が待たれる。

新たに診断された小児上衣腫または退形成性上衣腫に対する、臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施中または解析中の米国および/または施設の臨床試験の例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

  1. COG-ACNS0831(NCT01096368)

    (新たに診断された上衣腫の若年患者の治療における導入化学療法および放射線療法とその後の維持化学療法または観察)

    この第III相試験の目的は次の通りである:残存腫瘍も播種性腫瘍も認められない場合
    • この試験は、放射線療法後に化学療法を追加することで、放射線療法単体に比べ、生存率が改善するか否かを判定する。

    • この試験は、テント上の退形成性以外の上衣腫が認められ、完全切除を受けるかまたは化学療法による治療後に完全寛解を達成した小児について、放射線療法を実施せずに治療が成功するか否かを判定する。

    残存腫瘍があり、播種性腫瘍が認められない場合
    • この試験は、放射線療法の前後に化学療法を追加することで生存率が改善するか否かを、放射線療法後に追加化学療法を受けなかった小児を対象とした先行研究と比較して、判定する。

最新の臨床試験

新たに診断された小児上衣腫患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. van Veelen-Vincent ML, Pierre-Kahn A, Kalifa C, et al.: Ependymoma in childhood: prognostic factors, extent of surgery, and adjuvant therapy. J Neurosurg 97 (4): 827-35, 2002.[PUBMED Abstract]

  2. Abdel-Wahab M, Etuk B, Palermo J, et al.: Spinal cord gliomas: A multi-institutional retrospective analysis. Int J Radiat Oncol Biol Phys 64 (4): 1060-71, 2006.[PUBMED Abstract]

  3. Kothbauer KF: Neurosurgical management of intramedullary spinal cord tumors in children. Pediatr Neurosurg 43 (3): 222-35, 2007.[PUBMED Abstract]

  4. Zacharoulis S, Ji L, Pollack IF, et al.: Metastatic ependymoma: a multi-institutional retrospective analysis of prognostic factors. Pediatr Blood Cancer 50 (2): 231-5, 2008.[PUBMED Abstract]

  5. Merchant TE, Li C, Xiong X, et al.: Conformal radiotherapy after surgery for paediatric ependymoma: a prospective study. Lancet Oncol 10 (3): 258-66, 2009.[PUBMED Abstract]

  6. Cage TA, Clark AJ, Aranda D, et al.: A systematic review of treatment outcomes in pediatric patients with intracranial ependymomas. J Neurosurg Pediatr 11 (6): 673-81, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. Ramaswamy V, Hielscher T, Mack SC, et al.: Therapeutic Impact of Cytoreductive Surgery and Irradiation of Posterior Fossa Ependymoma in the Molecular Era: A Retrospective Multicohort Analysis. J Clin Oncol 34 (21): 2468-77, 2016.[PUBMED Abstract]

  8. Volpp PB, Han K, Kagan AR, et al.: Outcomes in treatment for intradural spinal cord ependymomas. Int J Radiat Oncol Biol Phys 69 (4): 1199-204, 2007.[PUBMED Abstract]

  9. Hukin J, Epstein F, Lefton D, et al.: Treatment of intracranial ependymoma by surgery alone. Pediatr Neurosurg 29 (1): 40-5, 1998.[PUBMED Abstract]

  10. Little AS, Sheean T, Manoharan R, et al.: The management of completely resected childhood intracranial ependymoma: the argument for observation only. Childs Nerv Syst 25 (3): 281-4, 2009.[PUBMED Abstract]

  11. Venkatramani R, Dhall G, Patel M, et al.: Supratentorial ependymoma in children: to observe or to treat following gross total resection? Pediatr Blood Cancer 58 (3): 380-3, 2012.[PUBMED Abstract]

  12. Ghia AJ, Mahajan A, Allen PK, et al.: Supratentorial gross-totally resected non-anaplastic ependymoma: population based patterns of care and outcomes analysis. J Neurooncol 115 (3): 513-20, 2013.[PUBMED Abstract]

  13. Koshy M, Rich S, Merchant TE, et al.: Post-operative radiation improves survival in children younger than 3 years with intracranial ependymoma. J Neurooncol 105 (3): 583-90, 2011.[PUBMED Abstract]

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  16. Merchant TE, Mulhern RK, Krasin MJ, et al.: Preliminary results from a phase II trial of conformal radiation therapy and evaluation of radiation-related CNS effects for pediatric patients with localized ependymoma. J Clin Oncol 22 (15): 3156-62, 2004.[PUBMED Abstract]

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  18. Pejavar S, Polley MY, Rosenberg-Wohl S, et al.: Pediatric intracranial ependymoma: the roles of surgery, radiation and chemotherapy. J Neurooncol 106 (2): 367-75, 2012.[PUBMED Abstract]

  19. Macdonald SM, Sethi R, Lavally B, et al.: Proton radiotherapy for pediatric central nervous system ependymoma: clinical outcomes for 70 patients. Neuro Oncol 15 (11): 1552-9, 2013.[PUBMED Abstract]

  20. Indelicato DJ, Flampouri S, Rotondo RL, et al.: Incidence and dosimetric parameters of pediatric brainstem toxicity following proton therapy. Acta Oncol 53 (10): 1298-304, 2014.[PUBMED Abstract]

  21. Zacharoulis S, Levy A, Chi SN, et al.: Outcome for young children newly diagnosed with ependymoma, treated with intensive induction chemotherapy followed by myeloablative chemotherapy and autologous stem cell rescue. Pediatr Blood Cancer 49 (1): 34-40, 2007.[PUBMED Abstract]

  22. Massimino M, Solero CL, Garrè ML, et al.: Second-look surgery for ependymoma: the Italian experience. J Neurosurg Pediatr 8 (3): 246-50, 2011.[PUBMED Abstract]

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  24. Garvin JH Jr, Selch MT, Holmes E, et al.: Phase II study of pre-irradiation chemotherapy for childhood intracranial ependymoma. Children's Cancer Group protocol 9942: a report from the Children's Oncology Group. Pediatr Blood Cancer 59 (7): 1183-9, 2012.[PUBMED Abstract]

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再発小児上衣腫の治療

上衣腫は悪性度にかかわらず再発がめずらしくなく、初期治療から何年も経過してから再発することがある。 [1] 10~15年以上経過してからの晩期再発が報告されている。 [2] 腫瘍は一般に原発部位に再発するが、同時に脳脊髄軸播種が認められる場合もある。全身に再燃をみることは、きわめてまれである。再燃時にはすべての患者に、再発腫瘍範囲の十分な評価が適応とされる。

再発小児上衣腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術
  2. 放射線療法および/または化学療法

手術

さらに手術が必要かどうかは、以下の点に基づいて個別に判断する:


  • 腫瘍の範囲。

  • 初期治療から再発までの期間。

  • 臨床像。

症例によっては、手術可能な病変に対し、代わりに放射線療法を実施することもある。

放射線療法および/または化学療法

再発上衣腫患者には、以下の方法を用いた治療を検討すべきである: [3] [証拠レベル:3iiiB]

  1. 定位放射線手術、 [4] [5] [証拠レベル:3iiiA]; [6] [7] [証拠レベル:3iiiDi] 強度変調光子治療、陽子線治療 [8] [証拠レベル:3iiiB]など、さまざまな放射線の治療法による局所再治療。
  2. 活性を示す抗がん剤にはシクロホスファミドシスプラチンカルボプラチンロムスチンエトポシドがある。

治療戦略に関係なく、再発した患者の予後は不良である。 [1] 新たな治療アプローチの臨床試験への参加を検討すべきである。

臨床評価段階にある再発小児上衣腫の治療法の選択肢

選択された患者では、初期相の臨床試験が利用できる場合がある。これらの試験は、小児腫瘍学グループ(COG)やPediatric Brain Tumor Consortiumなどの団体を介して利用できる。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

再発小児上衣腫患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Zacharoulis S, Ashley S, Moreno L, et al.: Treatment and outcome of children with relapsed ependymoma: a multi-institutional retrospective analysis. Childs Nerv Syst 26 (7): 905-11, 2010.[PUBMED Abstract]

  2. Wu J, Armstrong TS, Gilbert MR: Biology and management of ependymomas. Neuro Oncol 18 (7): 902-13, 2016.[PUBMED Abstract]

  3. Messahel B, Ashley S, Saran F, et al.: Relapsed intracranial ependymoma in children in the UK: patterns of relapse, survival and therapeutic outcome. Eur J Cancer 45 (10): 1815-23, 2009.[PUBMED Abstract]

  4. Kano H, Yang HC, Kondziolka D, et al.: Stereotactic radiosurgery for pediatric recurrent intracranial ependymomas. J Neurosurg Pediatr 6 (5): 417-23, 2010.[PUBMED Abstract]

  5. Bouffet E, Hawkins CE, Ballourah W, et al.: Survival benefit for pediatric patients with recurrent ependymoma treated with reirradiation. Int J Radiat Oncol Biol Phys 83 (5): 1541-8, 2012.[PUBMED Abstract]

  6. Merchant TE, Boop FA, Kun LE, et al.: A retrospective study of surgery and reirradiation for recurrent ependymoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 71 (1): 87-97, 2008.[PUBMED Abstract]

  7. Kano H, Niranjan A, Kondziolka D, et al.: Outcome predictors for intracranial ependymoma radiosurgery. Neurosurgery 64 (2): 279-87; discussion 287-8, 2009.[PUBMED Abstract]

  8. Eaton BR, Chowdhry V, Weaver K, et al.: Use of proton therapy for re-irradiation in pediatric intracranial ependymoma. Radiother Oncol 116 (2): 301-8, 2015.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(04/06/2017)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

小児上衣腫に関する一般情報

本文に以下の記述が追加された;2016年版の世界保健機関(WHO)分類では、別個に診断される疾患実体として、上衣腫、RELA融合陽性が採択された(引用、参考文献8としてLouis et al.)。

新たに診断された小児上衣腫、退形成性上衣腫、またはRELA融合陽性上衣腫の治療

参考文献27としてMerchant et al.が追加された。

再発小児上衣腫の治療

本文に以下の記述が追加された;再発小児上衣腫に対する治療法の選択肢として、手術および放射線療法および/または化学療法が含まれる。

本文で以下の記述が改訂された;定位放射線手術、強度変調光子治療、陽子線治療など、さまざまな放射線の治療法による局所再治療が再発上衣腫の患者に対する治療法の選択肢である(引用、参照文献8としてEaton et al.および証拠レベル:3iiiB)。

本要約はPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児上衣腫の治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

小児上衣腫の治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.gov まで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Pediatric Treatment Editorial Board は、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Ependymoma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/brain/hp/child-ependymoma-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389373]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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