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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

悲嘆、死別、喪失への対処(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2017-04-20
    翻訳更新日 : 2017-06-19

悲嘆、死別、喪失への対処(PDQ®) PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、個人が悲嘆、死別、服喪にどのように対処するかについて包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は、編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

喪失、悲嘆、死別

概要

医療提供者は自らの個人的生活と職業生活の全体を通じて遺族に遭遇する。 [1] 愛する人のがん闘病の最終段階から死亡までの経過は人によってさまざまである。すべての人が独特であるため、悲嘆経験には個々に多くの違いがある。ほとんどの人が一般的または正常な悲嘆を経験し上手く対処する;長期のまたは複雑性悲嘆など、より重度の悲嘆反応を経験する者もおり、彼らは治療から便益を得る。なかには、がんの経験は辛くて苦しいものであるが、有意義な人間的成長をもたらしてくれると気づく人もいる。

死に対処することは通常、容易な過程ではなく、料理の本のように扱うことはできない。嘆き悲しみ方は、その人の性格および故人との関係に依存する。がんの経験;がんの進行の仕方;文化的および宗教的信念、対処技術と精神科病歴;支援制度の利用可能性;および社会経済的状況のすべてが、愛する人をがんで喪失した際の対処方法に影響する。

本要約では最初に悲嘆、死別、服喪の構造を定義する。次に予期悲嘆の悲嘆反応、正常なまたは一般的な悲嘆、正常な悲嘆の段階モデル、および複雑性または長期の悲嘆を分類する。心理社会的治療と薬物治療について説明する。小児の重要な発達段階の問題および悲嘆について紹介し、悲嘆と服喪に対する異なる文化の反応のセクションで本要約を締めくくる。

以下の情報は、悲嘆、死別、服喪に関する一般的な文献の理論的および経験的レビューを統合したものであり [2] [3] [4] [5] 、がんによる喪失に限定されていない。利用可能な場合には、がんに焦点を当てている研究であることを強調する。

特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。


参考文献
  1. Casarett D, Kutner JS, Abrahm J, et al.: Life after death: a practical approach to grief and bereavement. Ann Intern Med 134 (3): 208-15, 2001.[PUBMED Abstract]

  2. Stroebe MS, Hansson RO, Schut H, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research and Practice: Advances in Theory and Intervention. Washington, DC: American Psychological Association, 2008.[PUBMED Abstract]

  3. Stroebe MS, Hansson RO, Stroebe W, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research: Consequences, Coping, and Care. Washington, DC: American Psychological Association, 2001.[PUBMED Abstract]

  4. Bonanno GA, Kaltman S: The varieties of grief experience. Clin Psychol Rev 21 (5): 705-34, 2001.[PUBMED Abstract]

  5. Jacobs S: Pathologic Grief: Maladaptation to Loss. Washington, DC: American Psychiatric Press, Inc., 1993.[PUBMED Abstract]

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用語の定義

悲嘆

悲嘆(grief)は、愛する人の死による喪失に対して反応する主に情動的/感情的な過程と定義される。 [1] 悲嘆では個人の内面の、精神内部の過程に焦点が当てられている。正常なまたは一般的な悲嘆反応には、以下のような要素が含まれている: [2]


  • 麻痺および不信。

  • 別離の苦痛から生じる不安。

  • しばしば抑うつ症状を伴う服喪の過程。

  • 最終的な回復。

悲嘆反応はまた、異常な、外傷性の、病的な、または複雑性とみなされることがある。コンセンサスは得られていないが、複雑性悲嘆に対する診断基準が提案されている。 [3] (詳しい情報については、本要約の精神障害としての長期のまたは複雑性悲嘆のセクションを参照のこと。)

死別

死別(bereavement)は、人が死によって重要な人を喪失した後に直面する客観的状況と定義される。 [1] 死別は、3つの用語の中で最も広範で、死亡による喪失という状況の客観的現実性を示す表現として概念化されている。

服喪

服喪(mourning)は、悲嘆の表向きの表現として定義される。 [1] 悲嘆が喪失に対する内面のまたは精神内部の経験に焦点を当てているのに対し、服喪は悲嘆の外面のまたは表向きの表現を強調している。結果的に、服喪は人の信念、宗教的実践、および文化的背景による影響を受ける。

悲嘆と服喪には明らかに重複があり、それぞれが互いに影響している;この2つを区別することはしばしば困難である。愛する人の喪失に伴う情緒的苦痛(すなわち、悲嘆)の表向きの表現(すなわち、服喪)は、文化に依存した信念、社会習慣、価値観による影響を受ける。


参考文献
  1. Stroebe MS, Hansson RO, Schut H, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research and Practice: Advances in Theory and Intervention. Washington, DC: American Psychological Association, 2008.[PUBMED Abstract]

  2. Jacobs S: Pathologic Grief: Maladaptation to Loss. Washington, DC: American Psychiatric Press, Inc., 1993.[PUBMED Abstract]

  3. Prigerson HG, Jacobs SC: Perspectives on care at the close of life. Caring for bereaved patients: "all the doctors just suddenly go". JAMA 286 (11): 1369-76, 2001.[PUBMED Abstract]

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悲嘆反応の種類

多くの著者が悲嘆反応の種類を提案している。 [1] [2] 研究では正常な悲嘆および複雑性悲嘆に注目しながら、複雑性悲嘆の種類 [3] および利用可能な経験的支持 [4] について明記し、さまざまな種類の機能障害についてその特徴に焦点を当てている。 [1] 悲嘆を連続した段階における進行と考えること(すなわち、段階説)が最も正確であるかどうかに関する議論が続いている。 [5] [6] ほとんどの文献では、正常な悲嘆と、慢性的悲嘆または悲嘆の不在/遅発性悲嘆/抑制された悲嘆といったさまざまな形態の複雑性悲嘆とを区別するよう試みられている。 [1] [3] [4]

死別の研究では、利用可能な経験的支持のレビューによりこれらの悲嘆パターンの同定が試みられている一方で [1] 、これらの悲嘆反応が独特であり、単純に大うつ病、不安、または心的外傷後ストレスの形態を示しているのではないという証拠も調査されている。 [7]

予期悲嘆

予期悲嘆とは、差し迫った喪失を予期したときに起こる悲嘆反応のことである。 [8] 予期悲嘆というテーマには、多くの関心が向けられ、議論も行われている。 [9]

予期悲嘆という用語は、死にゆく患者の家族について述べるときに最もしばしば使用されるが、末期患者自身も予期悲嘆を経験することがある。予期悲嘆には、喪失後の悲嘆と同じ症状が多く含まれる。予期悲嘆は、「患者と家族が感じる予期された死に対する認知反応、情動反応、文化的反応および社会的反応の総体」と定義されている。 [10]

予期悲嘆のこうした側面が、生存者において次のように確認されている:


  • 抑うつ。

  • 死にゆく患者に対する懸念の高まり。

  • 死のリハーサル。

  • 死という結果に適応しようとする試み。

予期悲嘆によって、家族は時間をかけて徐々に喪失が現実であることを理解することができる。周囲の人たちは死にゆく人に関する未完の仕事を完了させることができる(例えば、「さようなら」、「愛しているわ」、「あなたを許すわ」と言うこと)。

生命を脅かす疾患の警告が与えられたから、あるいは発病から実際の死亡まで十分な時間が経過したからというだけでは、予期悲嘆が存在するとは限らない。予期悲嘆は従来知られてきた(死亡後の)悲嘆がただ早く始まったものであるという考えは大きな誤解である。また、経験される悲嘆の量は決まっており、喪失の予期に経験した悲嘆の量だけ死亡後に経験しなければならない悲嘆の残り分が少なくなるという考えも間違っている。 [9]

数件の研究 [11] [12] により、予期しない死の後の悲嘆は予期悲嘆とは異なることを示す臨床データが得られている。予期せぬ喪失は、その人の適応能力を破壊し、複雑性でない回復が期待できないほど、その人の機能を著しく損ねる。予期せぬ悲嘆では適応能力がひどく障害されるため、悲嘆者は喪失の十分な意味をしばしば把握できない。死を知的には認識していても、解釈できないような状態が続く喪失を心理的および情緒的に受容することは困難である。世界は秩序がないように思われ、また喪失と同じく意味をなさない。

研究者のなかには、予期悲嘆はめったに起こらないと報告する者もいる。彼らは、いかに早く告知されたとしても、悲嘆過程の早期に通常みられる受容と回復の期間は患者が実際に死ぬ前にはめったにみられないことを示して、この観察を支持している。 [9] さらに彼らは、悲嘆はすでに喪失があったという意味を含むと示している;最愛の人は未だ生きているのにその死を受け入れれば、その人を一部、見捨てているという自責感に曝されかねない。また、喪失を予期することによって、その人への愛着が強まる場合が多い。

予期悲嘆は家族やその他の介護者とっては治療的に作用しうるが、死にゆく人は過剰な悲嘆を経験するために社会的引きこもりおよび社会的孤立を来すことが懸念される。研究によれば、妻は通常、死が訪れるまで、末期の夫と親密な関係を保つことが示されている。 [13] このことは、妻が夫の死を先取りして嘆き始めることは親密な関係の妨げとなることを示唆している。妻は死が現実のものとなってはじめて、嘆き始めることができる。

正常なまたは一般的な悲嘆

一般的に、正常なまたは一般的な悲嘆反応は次第に喪失の受容へと向かう動きを特徴としており、日常の活動は非常に困難ではあるが、基本的な日々の活動を何とか継続している状態である。正常な悲嘆は通常、感情麻痺、ショック、不信、および/または否認など一般的な情緒的反応を含み、死の直後、特にその死が予期せぬものであった場合にしばしば発生する。情緒的苦痛の多くは愛する人との別離から生じる不安に集中しており、その結果しばしば熱望、希求、愛する人にとらわれること、および死の頻繁な侵入的イメージを招く。 [2]

そうした苦痛には、号泣;ため息;故人の夢、幻想、およびさらに幻覚さえも見ること;および故人とかかわりのある物や場所を探し求めることが付随しうる。一部の遺族は怒りを経験し、喪失の現実性に異議を申し立て、かなりの期間にわたって悲しみ、絶望、不眠、食欲不振、疲労、罪悪感、興味の喪失、日課における解体を経験する。 [2]

遺族の多くは非常に強い、一時的な(例、20-30分)苦痛を経験するが、これは悲嘆の突発(grief bursts)または悲嘆の激痛(grief pangs)などさまざまに呼ばれる。ときにこれらの激痛は故人を思い出すものに対する理解できる反応として起こるが、他の場合には予想外に生じるように思われることもある。 [2]

時間の経過とともに、ほとんどの遺族は症状を経験する頻度が少なくなり、症状の期間が短くなるか、症状の強さが低下する。回復に必要な具体的な期間に関する明確な合意はないが、正常な悲嘆を経験しているほとんどの遺族は喪失後6ヵ月から2年の間に症状の軽減を示す。正常なまたは一般的な悲嘆は喪失後の遺族の50%~85%に起こると考えられており、時間限定性で、喪失の直後に始り、大部分は最初の1年または2年以内に回復する。

正常な悲嘆の段階モデル

正常な悲嘆に関して理論的に導き出された多くの病期モデルが提案されている。 [14] [15] [16] [17] ほとんどのモデルでは、正常な悲嘆の過程をさまざまな種類の複雑性悲嘆と区別して仮定している。一部のモデルでは、悲嘆に関連した症状の多様性からフェーズまたは段階が系統立てされ、悲嘆は一連のフェーズにより特徴づけられる過程であり、それぞれのフェーズに最も優勢な特徴が含まれていると提唱されている。よく知られている1つの段階モデル [18] では、末期患者が自身の死を意識した場合の反応に焦点が当てられ、否認、怒り、取引、抑うつ、および受容の段階が同定された。このモデルは広く用いられているが、経験的支持はほとんど得ていない。

より最近の正常な悲嘆の段階モデル [2] は、心理的反応を4つの段階:麻痺-不信、別離の苦痛、抑うつ-服喪、および回復に分けて構成している。 [5] このモデルは段階モデルとして提案されているが、「悲嘆は一定のフェーズにおいて厳然と進展するという考えは、情動的な過程における高度複雑な個人的振幅の過度の単純化であると強調することが重要である」と説明している。 [2] 死別の研究者はこの4段階のモデルに対する経験的支持を明らかにしているが [5] 、他の研究者はこれらの知見に異議を唱えている。 [19] [20]

複雑性悲嘆のパターン

ジークムント-フロイトの時代以降、多くの著者が病的なまたは複雑性悲嘆のさまざまなパターンを提案している。 [1] [2] 一部の著者は、悲嘆のパターンが広範な臨床的観察から導き出されており [20] 、こうした観察はさまざまな理論(例、精神力動的防御機構[psychodynamic defense mechanisms]および愛着のパターンと関連する人格特性)により裏づけられていることを提唱している。 [21]

これらのパターンは正常な悲嘆と比較して記述され、正常なパターンとの違いを強調している。これには、以下のような記述的表示が含まれている:


  • 抑制された悲嘆または悲嘆の不在:予期される別離の苦痛や探求、熱望をはじめとする正常な悲嘆の特徴の証拠がほとんど示されないパターン。

  • 遅発性悲嘆:苦痛や探求、熱望などの症状が通常よりもはるかに遅れて起こるパターン。

  • 慢性的悲嘆:悲嘆症状の持続期間が際立って長期化しているパターン。

  • 歪曲された悲嘆:きわめて強いまたは非定型的な症状を特徴とするパターン。

経験的レビューでは抑制された悲嘆、悲嘆の不在、または遅発性悲嘆の証拠は明らかにされていないが、代わりにこれらのパターンはヒトの回復力および強さの形態としてよりよく説明できる可能性が強調されている。 [6] 証拠から、極小の悲嘆反応の存在-人が顕性の苦痛または機能障害の徴候を全く、またはごくわずかしか経験しないパターンが裏づけられている。この極小の反応は喪失後、最初の1年目または2年目の人の15%~50%に生じると考えられる。 [6]

また、慢性的悲嘆(一般的な悲嘆の症状であるが、典型的な1年または2年よりもはるかに長い間、症状を経験する反応のパターン)に対する経験的支持も存在する。慢性的悲嘆は遺族の約15%に起こると考えられる。 [6] 慢性的悲嘆は大うつ病、全般性不安、およびおそらく心的外傷後ストレスに酷似している場合がある。

これらの理論的および経験的に裏づけられた悲嘆反応のパターンに加えて、正常な悲嘆と複雑性悲嘆との区別が特に強調されている。ほとんどの臨床家は、以下のように正常な悲嘆反応と複雑性悲嘆反応との違いの理解に集中している:両者の違いは何か。どのような状況で患者/家族を悲嘆療法に紹介すべきか。

精神障害としての長期のまたは複雑性悲嘆

Diagnostic and Statistical Manual for Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision(DSM-IV-TR)には診断可能なコードとして死別が含まれており、死別が愛する人の死後における臨床的注意の焦点である場合に用いられる。現在の形態では死別は正式な診断基準ではなく、一般的には死亡による喪失に対する正常な反応とみなされている。正常な悲嘆と複雑性悲嘆とを明確に区別するために、コンセンサス会議 [22] では長期の悲嘆障害と呼ばれる精神障害に対する診断基準が開発されており、DSMの次回の改訂に含めるように提案されている。 [23]

以下が、複雑性悲嘆に対して提案されている診断基準である: [24]


  • 基準A:大切な人の死を経験しており、反応として以下の4つの症状のうち3つを含み、少なくとも毎日経験するか、または程度が著しい:
      故人の侵入的想起。
      故人への熱望。
      故人に対する希求。
      死亡以降の過剰な孤独。

  • 基準B:死亡に対する反応として、以下の8つの症状のうち4つを少なくとも毎日経験するか、または程度が著しい:
      目的のなさまたは将来についての無価値の感情。
      麻痺の主観的感覚、孤立、または感情的反応の欠如。
      死を認めることが困難(例、不信)。
      人生が空しく意味がないような感覚。
      自身の一部が死んでしまったような感じ。
      粉砕された世界観(例、安心感、信用、制御の喪失)。
      故人の、または故人と関係した症状または有害な行動の仮定。
      死に関係した過度の神経過敏、苦痛、または怒り。

  • 基準C:障害(一覧に挙げた症状)が少なくとも6ヵ月間持続している必要がある。

  • 基準D:障害によって、社会的、職業的、または他の重要な領域の機能において臨床的に重大な機能障害を来している。

これらの基準は正式に採用されておらず、そのためDSMにおける長期の悲嘆障害に対する正式な診断カテゴリーは存在しない。しかしながら、これらの基準は症状、症状の重症度、および複雑性悲嘆と正常な悲嘆を区別する方法の規定に役立つ。


参考文献
  1. Bonanno GA, Kaltman S: The varieties of grief experience. Clin Psychol Rev 21 (5): 705-34, 2001.[PUBMED Abstract]

  2. Jacobs S: Pathologic Grief: Maladaptation to Loss. Washington, DC: American Psychiatric Press, Inc., 1993.[PUBMED Abstract]

  3. Stroebe MS, Hansson RO, Schut H, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research and Practice: Advances in Theory and Intervention. Washington, DC: American Psychological Association, 2008.[PUBMED Abstract]

  4. Stroebe MS, Hansson RO, Stroebe W, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research: Consequences, Coping, and Care. Washington, DC: American Psychological Association, 2001.[PUBMED Abstract]

  5. Maciejewski PK, Zhang B, Block SD, et al.: An empirical examination of the stage theory of grief. JAMA 297 (7): 716-23, 2007.[PUBMED Abstract]

  6. Bonanno GA: Loss, trauma, and human resilience: have we underestimated the human capacity to thrive after extremely aversive events? Am Psychol 59 (1): 20-8, 2004.[PUBMED Abstract]

  7. Bonanno GA, Neria Y, Mancini A, et al.: Is there more to complicated grief than depression and posttraumatic stress disorder? A test of incremental validity. J Abnorm Psychol 116 (2): 342-51, 2007.[PUBMED Abstract]

  8. Casarett D, Kutner JS, Abrahm J, et al.: Life after death: a practical approach to grief and bereavement. Ann Intern Med 134 (3): 208-15, 2001.[PUBMED Abstract]

  9. Corr CA, Nabe CM, Corr DM: Death and Dying, Life and Living. 2nd ed. Pacific Grove, Calif: Brooks/Cole Publishing Company, 1997.[PUBMED Abstract]

  10. Knott JE, Wild E: Anticipatory grief and reinvestment. In: Rando TA, ed.: Loss and Anticipatory Grief. Lexington, Mass: Lexington Books, 1986, pp 55-60.[PUBMED Abstract]

  11. Glick IO, Weiss RS, Parkes CM: The First Year of Bereavement. New York: Wiley-Interscience Publication, 1974.[PUBMED Abstract]

  12. Parkes CM, Weiss RS: Recovery from Bereavement. New York, NY: Basic Books, 1983.[PUBMED Abstract]

  13. Silverman PR: Widow-to-widow. Springer Series on Social Work. Vol 7. New York: Springer Publishing Company, 1986.[PUBMED Abstract]

  14. Bowlby J: Attachment and Loss. Volume III: Loss: Sadness and Depression. New York, NY: Basic Books, Inc., 1980.[PUBMED Abstract]

  15. Parkes CM: Bereavement: Studies of Grief in Adult Life. New York, NY: International Universities Press, Inc., 1972.[PUBMED Abstract]

  16. Rando TA: The increasing prevalence of complicated mourning: the onslaught is just beginning. Omega (Westport) 26 (1): 43-59, 1992-1993.[PUBMED Abstract]

  17. Worden JW: Grief Counseling and Grief Therapy: A Handbook for the Mental Health Practitioner. New York, NY: Springer Publishing Company, Inc., 1982.[PUBMED Abstract]

  18. Kubler-Ross E: On Death and Dying. New York: Macmillan Publishing Company Inc.,1969.[PUBMED Abstract]

  19. Silver RC, Wortman CB: The stage theory of grief. JAMA 297 (24): 2692; author reply 2693-4, 2007.[PUBMED Abstract]

  20. Bonanno GA, Boerner K: The stage theory of grief. JAMA 297 (24): 2693; author reply 2693-4, 2007.[PUBMED Abstract]

  21. PARKES CM: BEREAVEMENT AND MENTAL ILLNESS. 2. A CLASSIFICATION OF BEREAVEMENT REACTIONS. Br J Med Psychol 38: 13-26, 1965.[PUBMED Abstract]

  22. Prigerson HG, Shear MK, Jacobs SC, et al.: Grief and its relation to post-traumatic stress disorder. In: Nutt D, Davidson JRT, Zohar J, eds.: Post-traumatic Stress Disorder: Diagnosis, Management and Treatment. London, United Kingdom: Martin Dunitz, 2000, pp 163-86.[PUBMED Abstract]

  23. Prigerson HG, Vanderwerker LC, Maciejewski PK: A case for inclusion of prolonged grief disorder in DSM–V. In: Stroebe MS, Hansson RO, Schut H, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research and Practice: Advances in Theory and Intervention. Washington, DC: American Psychological Association, 2008, pp 165-86.[PUBMED Abstract]

  24. Prigerson HG, Jacobs SC: Perspectives on care at the close of life. Caring for bereaved patients: "all the doctors just suddenly go". JAMA 286 (11): 1369-76, 2001.[PUBMED Abstract]

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複雑性悲嘆および他の否定的な死別の転帰の危険因子

末期がん患者の介護者248人を対象とした1件の研究 [1] で、死亡前の複雑性悲嘆の存在とその相関が調査された。結果から、より高レベルの死亡前の複雑性悲嘆と関連する以下の変数が明らかにされた。


  • 60歳未満の年齢。

  • 認識された利用可能な社会的支援の不足。

  • うつ病の既往歴および現在のうつ病。

  • 低所得。

  • 悲観的な思考。

  • ストレスの多い生活上の出来事の重症度。

これらの相関のうち、悲観的な思考とストレスの多い生活上の出来事の重症度は、死亡前の複雑性悲嘆の独立した予測因子であった。

他の研究では、うつ病症状や否定的な健康上の全体的結果といった転帰の予測因子に焦点が当てられている。以下の3つの変数のカテゴリーが調査されている:


  • 状況(例、死の状況)。

  • 個人(例、性格の特徴、性別)。

  • 人間関係の背景(例、社会的支援、血縁)。

ほとんどの研究では配偶者/パートナーの喪失に焦点を当てており、特にがんによる死亡に集中しているわけではない。

状況:予期された死または予期されなかった死

突然の予期されなかった喪失はより難解な悲嘆となることが理論的に示唆されているが、経験的知見は入り混じっている。 [2] 予期されなかった喪失の影響は自尊心および統制感により和らげられるようである:自尊心が低いおよび/または人生が統制できないという感覚をもつ遺族の方が、自尊心が高くおよび/または統制感をもつ遺族よりも予期せぬ死後のうつ病または身体的愁訴に苦しむようである。 [2]

個人:性格の特徴

愛着理論 [3] により、人の最も早期の(典型的には両親との)愛着の性質から人が喪失にどのように反応するかが予測されることが示唆されている。愛着のスタイルが安定している遺族は複雑性悲嘆を経験する可能性が最も低い一方で、愛着のスタイルが安定していないか、愛着のスタイルが不安で相反している遺族は否定的な転帰を経験する可能性が最も高い。 [4]

末期疾患の配偶者を介護している59人を対象とした研究において、愛着スタイルの性質および夫婦間の質が評価された。結果から、愛着のスタイルが安定していないか、「安定が増しつつある」夫婦関係にある介護者は複雑性悲嘆の症状を経験する可能性がより高いことが示された。 [5] 「熟考する対処」、つまり苦痛の症状に過度に集中するパターンの傾向を有する人もまた、喪失後に長期にわたる抑うつを経験することが示されている。 [6]

個人:宗教的信念

強い宗教的信念および宗教的活動への参加は、以下の2つの異なる機序を介して喪失の苦痛の緩衝材となりうることが理論的に提唱されている。


  • 人が死に対処する助けとなる信仰システム。

  • 宗教的活動への参加に伴う社会的支援のネットワーク。

しかしながら、死に対処する際の宗教の便益に関する経験的結果は入り混じっている傾向があり、プラスの便益を示すものもあれば、便益を全く示さないどころか、信者にとってより大きな苦痛にさえなるものもある。 [7] 宗教のプラスの便益を示す研究は、定期的な礼拝のような宗教的活動への参加を測定する傾向があり、参加の便益は社会的支援の増加と関連する傾向があることを明らかにしている。そのため、定期的な礼拝を介した宗教的活動への参加およびその結果としての社会的支援の増加が、宗教が肯定的な悲嘆の転帰と関連する機序であると考えられる。

個人:性別

一般的に、男性の方が女性よりも配偶者を失った後に否定的な結果を経験する。先立たれていない人と比較して先立たれた男性および女性の死亡率は両性で高かった:しかしながら、死亡率における相対的増加は男性の方が女性よりも高かった。男性はまた、女性よりも配偶者の死後、重度のうつ病および重度の否定的な健康上の全体的結果を経験しがちである。 [2] 一部の研究者により、この相違の機序は、先立たれた女性と比べて先立たれた男性に対して提供される社会的支援が少ないことであると示唆されている。

個人:年齢

一般的に、比較的若い遺族はより高齢の遺族よりも喪失後に多くの困難を経験する。こうした困難としては、より重度の健康上の結果、悲嘆症状、心理的および身体的症状が挙げられる。 [2] この年齢に関係した違いの理由は、比較的若い遺族が予期されない突然の喪失を経験する可能性が高いという事実によるものであろう。しかしながら、若い遺族はより高齢の遺族よりも喪失後の初期には多くの困難を経験するものの、さまざまな種類の資源(例、社会的支援)を利用する機会が多いことから急速に回復することも考えられる。 [2]

人間関係の背景:社会的支援

社会的支援は高度複雑な構造をしており、さまざまな要素(利用可能であることを知ること、ソーシャルネットワーク、支援の情勢/環境、支援の探究)で構成され、さまざまな方法で測定される。しかしながら、上述のように社会的支援の不足は否定的な死別の転帰の危険因子である:社会的支援の不足は否定的な健康上のアウトカムの一般的な危険因子であり、また喪失後の否定的な転帰の死別特異的な危険因子でもある。 [2] 例えば、近しい家族(例、配偶者)の死後は、多くの人が所得、生活様式、日課-すべてが重要な社会的支援の側面である-の喪失など多くの関係する喪失(しばしば予期されない)を報告する。


参考文献
  1. Tomarken A, Holland J, Schachter S, et al.: Factors of complicated grief pre-death in caregivers of cancer patients. Psychooncology 17 (2): 105-11, 2008.[PUBMED Abstract]

  2. Stroebe W, Schut H: Risk factors in bereavement outcome: a methodological and empirical review. In: Stroebe MS, Hansson RO, Stroebe W, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research: Consequences, Coping, and Care. Washington, DC: American Psychological Association, 2001, 349-71.[PUBMED Abstract]

  3. Bowlby J: Attachment and Loss. Volume III: Loss: Sadness and Depression. New York, NY: Basic Books, Inc., 1980.[PUBMED Abstract]

  4. Parkes CM, Weiss RS: Recovery from Bereavement. New York, NY: Basic Books, 1983.[PUBMED Abstract]

  5. van Doorn C, Kasl SV, Beery LC, et al.: The influence of marital quality and attachment styles on traumatic grief and depressive symptoms. J Nerv Ment Dis 186 (9): 566-73, 1998.[PUBMED Abstract]

  6. Nolen-Hoeksema S, McBride A, Larson J: Rumination and psychological distress among bereaved partners. J Pers Soc Psychol 72 (4): 855-62, 1997.[PUBMED Abstract]

  7. Shuchter SR, Zisook S: The course of normal grief. In: Stroebe MS, Stroebe W, Hansson RO, eds.: Handbook of Bereavement: Theory, Research, and Intervention. Cambridge, United Kingdom: Cambridge University Press, 1993, pp 23-43.[PUBMED Abstract]

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治療

以下の情報は、愛する人の死後(必ずしもがんの結果としての死ではない)に起こる悲嘆の治療に関するものである。

正常なまたは一般的な悲嘆反応

正常なまたは一般的な悲嘆反応に医療専門家またはメンタルヘルス専門家による何らかの介入が必要であるかどうかについては、議論が続いている。悲嘆カウンセリングの効力に関して確かな証拠が存在するかどうかについて、研究者の意見は一致していない。 [1] [2] [3] [4] ほとんどの遺族は痛ましく、しばしば非常に苦悩を与える情緒的、身体的、および社会的反応を経験する;しかしながら、ほとんどの遺族が時の経過とともに(典型的には最初の6ヵ月から2年以内に)適応するということで大部分の研究者の意見が一致している。したがって、問題は、資源が限られ説明責任の必要性が高い場合に、専門家の時間を正常な悲嘆への介入に充てることが賢明であるかどうかである。

1つのアプローチは、予防から治療、長期の維持治療に至るまで広範囲の介入を用いることである。 [5] このモデルにおいて、予防的介入は以下のいずれかで行われる:


  • 普遍的に集団のすべての人を標的とする。

  • 選択的に危険因子を有することが明らかになっている人を標的とする。

  • 重大な症状の苦痛を経験している人を適応とする。

対照的に、遺族の正式な治療は、複雑性または病的な悲嘆反応を経験していると確認された患者にのみ実施される。最後に、比較的長期の維持治療は慢性的悲嘆反応を経験している人に正式に認可される。

もう1つのアプローチは家族に焦点を当てている。 [6] [7] この簡潔な、期限付きのアプローチ(90分のセッションを9~18週間にわたり4~8回行う)では、不良な転帰のリスクが高い家族を同定し、家族の団結、コミュニケーション、衝突解消の改善に重点を置いた介入が実施される。家族の結束を強めるための適応的対処、および家族の力の頻繁な確認が強調されている。

1件のランダム化比較試験において [8] [証拠レベル:I]、スクリーニングを受けた257の家族のうち183家族(71%)が不良な転帰のリスクがあると同定された;リスクがあったこれらの家族のうち81家族(44%)が試験に参加した。家族の機能が以下の5つのグループの1つに分類された:


  • 2つの機能グループ:
      支援的な家族。
      衝突-解消家族。

  • 3つの潜在的に機能障害性のグループ:
      無愛想な家族。
      敵対的な家族。
      機能が中程度の家族。

敵対的(n = 19)、無愛想(n = 21)、または機能が中程度(n = 41)と分類された参加者が、治療群または治療なしの対照群にランダムに割り付けられた。 [8]

結果から、すべての参加者について死亡後13ヵ月経過時の苦痛がわずかに低下し、Brief Symptom InventoryおよびBeck Depression Inventoryでベースラインのスコアが最初に比較的高かった家族において苦痛および抑うつが有意に低下したことが示された。 [8] 全体としての広範な家族機能は変化しなかったが、無愛想または機能が中程度に分類された参加者は敵対的と分類された参加者よりも改善を示した。結果から敵対的な家族を扱う際には、そのような家族において衝突を増加させないように注意が必要であると勧められている。 [8]

複雑性悲嘆の心理社会的治療

複雑性悲嘆(すなわち、長期の悲嘆障害)に対して提案されている診断基準の発展に伴って、的を絞った介入が2件のランダム化比較試験で検証されている。両研究は、さまざまな原因(必ずしもがんに関係していない)により愛する人が死亡した遺族に対する介入を扱っている。

最初の研究 [9] [証拠レベル:I]では、事前にスクリーニングを受け、複雑性悲嘆の基準を満たした18歳~85歳の女性83人および男性12人を対象に複雑性悲嘆の治療(CGT)と対人関係療法(IPT)とが比較された。どちらの介入も16回の毎週のセッションで構成されたが、参加者1人当たり平均19週間超に延長された。IPTは抑うつに対して広く研究され、経験に裏づけられた治療介入である。

IPTセラピストにより、出版されているマニュアル [10] (導入期、中間期、終了期の3段階を用いる)に記述されている通りに介入が実施された。導入期では、症状が同定され、対人関係の問題に焦点を当てた対人関係の調査一覧表に記入された。症状、対人関係の問題、および悲嘆の関連が同定され、話し合われた。 [9]

中間期では、これらの対人関係の問題および悲嘆の問題が扱われた。患者は、故人との現実的な関係を構築し、喪失の肯定的側面と否定的側面の両方を認識し、新たに肯定的な関係を築くように促された。 [9]

終了期では、改善の確認とレビューが行われ、将来の計画が立案され、終了についての感覚が話し合われた。 [9]

CGTもまたマニュアルのプロトコルにしたがって実施され、CGTもまた3段階に組織化された。導入期では、セラピストにより正常な悲嘆と複雑性悲嘆との違いが述べられた。セラピストはまた、二重の過程(dual processing)の概念、すなわち、悲嘆は(a)喪失への焦点と(b)回復および将来への焦点とで注意が交互に入れ替わる場合に最適に進行するという考えを説明した。したがって、導入期には喪失の話し合いと将来の目標と熱望の確認の両方が含められた。 [9]

中間期全体を通して、喪失/悲嘆と将来/回復とのテーマで注意が交互に入れ替えられた。CGT特有の特徴は、死の話を再び語ることで喪失を再体験するという概念であった。この概念は、喪失のトラウマについて考えるのを避けがちな患者には特に重要であった。この特異的な処置は心的外傷後ストレス障害に対する介入の「想像曝露」を手本としており、死の話を再び語る際に利用された。 [9]

CGT群の終了期は、IPT群に対するものとほぼ同じであった。 [9]

どちらの治療も症状の改善を示したが、CGT群(51%)の方がIPT群(28%)よりも反応する患者の割合が大きかった。CGT群はまたIPT群よりも反応が速かったようである。すべての研究参加者の計45%が抗うつ薬の投与を受けていた。抗うつ薬の投与を受けていた患者に対して治療成績における有意差は示されなかった。 [9]

複雑性悲嘆の2番目の研究 [11] [証拠レベル:II]では、54人の遺族(全員があらかじめスクリーニングを受け、複雑性悲嘆を経験していることが明らかにされていた)を対象として、2通りの順序で提供する認知行動療法(CBT)と支持的カウンセリングが比較された。

研究者は、不適応な思考と行動が複雑性悲嘆の重要な要素であると仮定し、悲嘆に関係した思考および行動に直接影響するようにデザインされた2つの要素(曝露療法および認知的再体制化)を用いてCBTの介入を構成した。 [11] 参加者は以下の3つの治療の1つを受けるようにランダムに割り付けられた:


  • 曝露療法後に実施する認知的再体制化。

  • 認知的再体制化後に実施する曝露療法。

  • 支持的カウンセリング。

結果から、両CBT群の方が支持的カウンセリング群よりも複雑性悲嘆および一般的な精神病理学症状の改善を経験したことが示された。要素分析では、曝露療法の方が認知的再体制化よりも有効であった;最初に曝露療法を実施した後に認知的再体制化を行う順序が最良の結果をもたらした。 [11]

死別に関連した抑うつの薬物治療

死別の状況における抑うつ症状に対して薬物治療を提供するかどうかの臨床判断は意見が分かれており、あまり広範囲にわたっては研究されていない。一部の医療専門家は、正常な悲嘆の悲しみおよび苦痛とうつ病の悲しみおよび苦痛とを区別することは困難であり、正常な情動的過程における薬物治療は必要でないと主張している。しかしながら、死別に関連した抑うつを抗うつ薬で治療した3件のオープンラベル試験および1件のランダム化比較試験が報告されている(表1を参照のこと)。

オープンラベル試験では、デシプラミン [12] 、ノルトリプチリン [13] 、および徐放性ブプロピオン [14] [証拠レベル:II]が評価された。研究では、愛する人の死後に抑うつ症状を経験している患者が含められた。抑うつ症状はHamilton Depression Rating Scale(HDRS)を用いて評価された。すべての研究で、厳選された悲嘆評価の質問票を用いて悲嘆の強度が評価された。

これらの研究のデータにより、抗うつ薬は良好な耐容性を示し、抑うつ症状を改善することが示唆されている。データはまた、悲嘆の強度は改善したが、抑うつ症状と比較すると改善は一貫して劣っていたことを示唆している。これらの研究の限界としては、オープンラベル治療であったことおよびサンプルサイズが小さかったことが挙げられる。

現在までに実施された唯一のランダム化比較研究 [15] [証拠レベル:I]では、死別に関連した大うつエピソードを治療するためにノルトリプチリンとプラセボが比較された。ノルトリプチリンはまた、他の2つの治療(ノルトリプチリンとIPTを併用する治療とプラセボとIPTを併用する治療)とも比較された。50歳以上の被験者80人が、4つの治療群:ノルトリプチリン(n = 25)、プラセボ(n = 22)、ノルトリプチリン + IPT(n = 16)、およびプラセボ + IPT(n = 17)の1つにランダムに割り付けられた。

抑うつ症状の評価には、17項目のHDRSが用いられた。寛解は3週間連続して7点以下のスコアと定義された。4群の寛解率は以下の通りであった:ノルトリプチリン単独群で56%;プラセボ単独群で45%;ノルトリプチリン + IPT群で69%;プラセボ + IPT群で29%。ノルトリプチリンは寛解達成においてプラセボよりも優れていた(P < 0.03)。 [15]

ノルトリプチリンとIPT併用群は、寛解率および治療完了率が最も高かった。この研究ではIPTとプラセボ間の差は示されなかったが、これはおそらくIPTが短期間であったこと(平均日数、49.5日)およびサンプルサイズが小さかったことを含めて研究デザインの特質によるものであろう。 [15] プラセボ群の高い寛解率はこの研究のもう1つの重大な限界であった。以前のオープンラベル研究および4群すべてについて、悲嘆強度の改善は一貫して抑うつ症状の改善よりも劣っていた。

要約すると、現在までに実施された抗うつ薬のすべての研究で、悲嘆症状の減少の大きさおよび改善の割合は、抑うつ症状の減少の大きさおよび改善の割合よりも緩慢であることが示唆されている。1つのグループの研究者 [15] により、この現象に対して考えられる説明がなされており、抑うつ症状は生物学的な調節不全および神経化学的変化に直接関係しているため、薬理学的介入に対してより反応しうると主張されている。もう1つの可能性は、抑うつ症状を伴わない悲嘆の持続は病的なものではないということである-悲嘆の持続は死別の過程において正常で必要な結果であると考えられる。

表1.死別に関係した抑うつに対する薬理学的介入の研究

文献引用 研究の種類 被験者 年齢(歳) 治療 結果
HDRS = Hamilton Depression Rating Scale;IPT = 対人関係療法;NTP = ノルトリプチリン;PLA = プラセボ;SR = 徐放性。
aHDRSスコア低下のレビュー後は、Clinical Global Impression(CGI)の評価に基づく改善。
b詳細については、本文を参照のこと。
[12] オープンラベル研究 女性8人、男性2人 平均年齢は報告されていない;範囲、26–65 デシプラミン 7人の被験者が非常に改善したa;2人の被験者の改善は最低限であった;脱落者1人
[13] オープンラベル研究 女性8人、男性5人 平均年齢、71.1;範囲、61-78 ノルトリプチリン HDRSの平均スコアは67.9%低下した;脱落者なし
[14] オープンラベル研究 女性17人、男性5人 平均年齢、63.5;範囲、45–83 ブプロピオンSR HDRSの平均スコアは54%低下した;脱落者8人
[15] b ランダム化比較研究 女性58人、男性22人 4群の平均年齢、63.2–69.5 ノルトリプチリン vs プラセボ vs NTP + IPTまたはPLA + IPT PLAと比較してNTPは統計的に有意に改善;NTP + IPT群では損耗率が最も低かった



参考文献
  1. Larson DG, Hoyt WT: What has become of grief counseling? An evaluation of the empirical foundations of the new pessimism. Prof Psychol Res Pr 38 (4): 347-55, 2007.[PUBMED Abstract]

  2. Bonanno GA, Lilienfeld SO: Let's be realistic: when grief counseling is effective and when it's not. Prof Psychol Res Pr 39 (3): 377-8, 2008.[PUBMED Abstract]

  3. Hoyt WT, Larson DG: A realistic approach to drawing conclusions from the scientific literature: response to Bonanno and Lilienfeld. Prof Psychol Res Pr 39 (3): 378-9, 2008.[PUBMED Abstract]

  4. Jordan JR, Neimeyer RA: Does grief counseling work? Death Stud 27 (9): 765-86, 2003.[PUBMED Abstract]

  5. Mrazek PJ, Haggerty RJ, eds.: Reducing Risks for Mental Disorders: Frontiers for Preventive Intervention Research. Washington, DC: National Academy Press, 1994.[PUBMED Abstract]

  6. Kissane DW, Lichtenthal WG: Family focused grief therapy: from palliative care into bereavement. In: Stroebe MS, Hansson RO, Schut H, et al., eds.: Handbook of Bereavement Research and Practice: Advances in Theory and Intervention. Washington, DC: American Psychological Association, 2008, pp 485-510.[PUBMED Abstract]

  7. Kissane DW, Bloch S: Family Focused Grief Therapy: A Model of Family-Centered Care During Palliative Care and Bereavement. Buckingham, United Kingdom: Open University Press, 2002.[PUBMED Abstract]

  8. Kissane DW, McKenzie M, Bloch S, et al.: Family focused grief therapy: a randomized, controlled trial in palliative care and bereavement. Am J Psychiatry 163 (7): 1208-18, 2006.[PUBMED Abstract]

  9. Shear K, Frank E, Houck PR, et al.: Treatment of complicated grief: a randomized controlled trial. JAMA 293 (21): 2601-8, 2005.[PUBMED Abstract]

  10. Weissman MM, Markowitz JC, Klerman GL: Comprehensive Guide to Interpersonal Psychotherapy. New York, NY: Basic Books, 2000.[PUBMED Abstract]

  11. Boelen PA, de Keijser J, van den Hout MA, et al.: Treatment of complicated grief: a comparison between cognitive-behavioral therapy and supportive counseling. J Consult Clin Psychol 75 (2): 277-84, 2007.[PUBMED Abstract]

  12. Jacobs SC, Nelson JC, Zisook S: Treating depressions of bereavement with antidepressants. A pilot study. Psychiatr Clin North Am 10 (3): 501-10, 1987.[PUBMED Abstract]

  13. Pasternak RE, Reynolds CF 3rd, Schlernitzauer M, et al.: Acute open-trial nortriptyline therapy of bereavement-related depression in late life. J Clin Psychiatry 52 (7): 307-10, 1991.[PUBMED Abstract]

  14. Zisook S, Shuchter SR, Pedrelli P, et al.: Bupropion sustained release for bereavement: results of an open trial. J Clin Psychiatry 62 (4): 227-30, 2001.[PUBMED Abstract]

  15. Reynolds CF 3rd, Miller MD, Pasternak RE, et al.: Treatment of bereavement-related major depressive episodes in later life: a controlled study of acute and continuation treatment with nortriptyline and interpersonal psychotherapy. Am J Psychiatry 156 (2): 202-8, 1999.[PUBMED Abstract]

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子供と悲嘆

以前には、小児は大人のミニチュアであり、小児の行動はそうしたものとしてモデル化されると考えられていた。 [1] しかし今日では、小児期とヒトのライフサイクルにおける他の発達段階との発達の差が一層意識されている。小児の悲嘆過程と成人の悲嘆過程との間には差が認められている。現在、悲嘆にくれる小児の真の問題は、悲嘆の有無ではなく、悲嘆と服喪をいかに表すかであると考えられている。 [1]

残されたときの成人と小児の主な違いは、小児は強い情動的表現および行動面での表現が持続しないという点である。小児の悲嘆は成人の悲嘆よりも断続的で短いようにみえることがあるが、実際には通常、成人よりも長期に及ぶ。 [1] [2] [3]

小児期の服喪という作業は、さまざまな発達年齢および歴年齢の重要段階で繰り返し対処する必要があることが多い。死別は長期間にわたり持続する過程であるため、特に、大きなライフイベント(例えば、キャンプへ行く、卒業、結婚、子供の誕生)の間に、小児には繰り返し喪失が訪れることになる。小児はこの悲嘆の過程を完了し、最終的に悲嘆を消散させる必要がある。

喪失の経験は唯一性があり、きわめて個人的なものであるものの、以下のようないくつかの要素は小児の悲嘆に影響を及ぼしている: [2] [3] [4]


  • 年齢。

  • 性格。

  • 発達段階。

  • 以前の死の経験。

  • 故人とのかつての関係。

  • 環境。

  • 死因。

  • 家族内での交流とコミュニケーションのパターン。

  • 喪失後の家族の生活の安定度。

  • 持続的ケアに対する小児のニーズが満たされている度合い。

  • 感情と記憶を共有し表現する機会が得られること。

  • 親がストレスに対処する様式。

  • 大人と一貫した関係が得られること。

小児は成人と同じようには喪失に反応せず、成人のように感情をありのままに示さないことがある。悲嘆にくれる小児は、言語によるコミュニケーションに加えて、遊戯、芝居、芸術、学校の勉強、物語などを用いることがある。 [5] 残された子供は故人のことだけを考えるという行為に引きこもらないことがあり、こうした子供は活動に夢中になることが多い(例えば、ある瞬間は悲しいが、次の瞬間には外で友だちと遊んでいるということがある)。家族はこうした行動を見て、その子が死を本当には理解していない、あるいは死をもう乗り越えたとしばしば誤解する。しかし、いずれも正しい解釈ではなく、小児の心は、自分が処理するには大きすぎる考えや感情から自分を守る。

小児は成人のようには自分のすべての考えと感情を理性的に探ることができないので、悲嘆反応は断続的である。さらに、小児は悲嘆に関する感情を明確に表現することがしばしば困難となる。悲嘆にくれる小児の行動は、口に出せるいかなる言葉よりも大声で話している場合がある。悲嘆にくれる小児の行動には、見捨てられたことや死に対する怒りおよび恐れの強い感情がはっきりと現れていることがある。小児は比較的安全な環境で感情と不安を解決する手段として死のゲームで遊ぶことがよくある。こうしたゲームは子供には馴染みのものであり、感情を表現する安全な機会となる。 [1] [2]

悲嘆と発達段階

小児は年齢および発達段階によって、死とそれをめぐる出来事の理解が異なる(表2を参照のこと)。

幼児

幼児は死を認識しないが、喪失と分離の感情は、発達途上にある死の認識の一部である。母親から引き離され、養育されていない子供は無関心、沈黙、ほほえみや話しかけへの無反応、身体的変化(体重減少など)、活動性の低下および不眠といった変化を示すことがある。 [6]

2~3歳

この年齢では、死を眠りと混同することが多く、多少の不安を経験できる。悲嘆の早期段階では、残された小児は談話喪失および全般性苦痛を示すことがある。 [3] [6]

3~6歳

この年齢の小児は、死を一種の眠りのようなものと考え、その人はある限定された形で生きていると考える。死と生を十分に区別しておらず、故人が(例えば、埋葬された地面の中で)生き続けていると考えることがあり、故人の活動についてしばしば質問する(例えば、死んだ人はどうやってご飯を食べるのか、トイレに行くのか、息をするのか、遊ぶのか)。幼児は肉体の死は認識できるが、一時的または段階的な出来事であり、死は(出かけて帰って来ること、あるいは「いないないばあ」のように)可逆性のものと考え、終結とは考えていない。小児の死の概念には、魔法の力によるという考え、すなわち、自分の考えが作用を引き起こすという考えが含まれることがある。小児は自分が何か悪いことをしたから、あるいは何か悪いことを考えたから病気になったにちがいないと考えることもあり、考えや望みのために愛する人が死んだと考えることもある。5歳未満の小児は、死に反応して、摂食、睡眠、排尿・排便コントロールにしばしば障害を来す。 [3] [6]

6~9歳

この年齢の小児では、死について非常に知りたがり、身体が動かなくなったときに何が起きるのか、きわめて具体的な質問をすることは珍しくない。死は、別の人または精神:骸骨、幽霊、死の天使、ブーギーマンとして擬人化される。死は終結で恐ろしいものと認識しているが、普遍的とは考えていない。この年齢の小児は、死が終結で現実であるが(自分たちにではなく)主に高齢者に起こると認識して、妥協的に考えるようになる。悲嘆にくれる小児は、学校恐怖、学習障害、反社会的行動、攻撃的行動を示すこともあれば、心気性不安を呈することもあり、他者から引きこもることもある。また反対に、この年齢の小児は過剰に丁重になり、他者にまとわりつくようになることもある。男児は攻撃的行動および破壊的行動(例えば、抑圧された感情の学校での表現)が多くなることがあり、率直に悲しみを示すのではなく、こうした行動で感情を表現する。片親が死んだとき、残された片親は自らの悲しみで頭が一杯でしばしば子供を感情的に支えることができないため、子供は死んだ親からも生き残っている親からも見捨てられたと感じることがある。 [3] [6]

9歳以上

9歳までには、死が避けられないことを理解し、もはや罰とは考えないようになる。12歳までには、死は終結で普遍的なものと考えるようになる。 [3] [6]

表2.悲嘆と発達段階

年齢 死の理解 悲嘆の表現
乳児期~2歳児 死をまだ理解できない。 沈黙、不機嫌、活動量低下、睡眠減少、および体重減少。
母親との分離が変化を引き起こす。
2~6歳 死は眠りに似ている。 多くの質問をする(お母さんはどうやってお風呂に行くの?どうやってご飯を食べるの?)。
食事、睡眠、および排尿・排便コントロールにおける問題。
見捨てられることへの恐れ。
激しい怒り。
故人は何らかの形で生きて機能している。 魔法の力によるというような考え(僕[私]が考えたこと、僕[私]がやったことが原因で死んじゃったの?お前なんか嫌いだとか、お前なんか死んじゃえとか僕[私]が言ったから?)。
死は一時的なもので、終結ではない。
故人は生き返りうる。
6~9歳 死は、ある人間または精神(骸骨、幽霊、ブーギーマン)として擬人化される。 死に対する好奇心。
具体的な質問をする。
学校に対して過大な恐怖を抱くことがある。
死は終結で恐ろしいものである。 攻撃的行動を示すことがある(特に男児)。
架空の疾患に不安を抱くものがいる。
死は他者には起こるが、自分には起こらない。 見捨てられたと思うことがある。
9歳以上 誰もが死ぬ。 感情的高まり、罪悪感、怒り、恥ずかしさ。
自己の死に対する不安の増大。
気分の動揺。
死は最終的で変えられないものである。 拒絶されることへの恐れ、仲間と違うことを嫌がる。
自分も死ぬ。 食習慣の変化。
睡眠における問題。
退行的行動(戸外の活動への関心喪失)。
衝動的行動。
生存していることの罪悪感(特に、兄弟や姉妹、あるいは仲間の死に対して)。


米国社会では、多くの嘆き悲しむ成人は自分の中に引きこもり、コミュニケーションを制限する。反対に、小児は、反応を見るように、また自分自身の反応を導いてくれる鍵を探すように、周囲の人に(見知らぬ人にも)よく話しかける。小児は返答に困るような質問を繰り返すことも少なくない。例えば、小児は「おじいちゃんが死んだのは知っているけれど、おじいちゃんはいつ家に帰ってくるの?」と尋ねることがある。これは、小児にとっては、現実性を調べる方法であり、死というストーリーを確認していると考えられる。

悲嘆にくれる小児の問題

残された小児の悲嘆の表現には、以下のような3つの重要テーマがある:

  1. 僕(私)のせいで死んじゃったの?
  2. 僕(私)にもそういうことが起こるの?
  3. これからはだれが僕(私)の世話をしてくれるの? [2] [7]

僕(私)のせいで死んじゃったの?

小児は自分には魔法のような力があると信じていて、魔法によるという考えにしばしば捕えられている。母親が激怒して「お母さんが死ねばいいと思っているんでしょ?」と言い、その後、この母親が死んだ場合、子供は自分のせいで母親が死んだのではないかと考えることがある。同じように、兄弟姉妹の2人が喧嘩したとき、どちらかが「お前なんか死んじゃえ」と言う(または考える)ことは珍しいことではない。もし言われた方が実際に死んだとすれば、残された兄弟姉妹は自分の考えまたは言葉が本当に死を招いたと考えることがある。

僕(私)にもそういうことが起こるの?

兄弟姉妹または他の子供の死は、小児の同年齢集団に非常に近いため、小児に衝撃を与え、特にやっかいな問題となることがある。死が(親や医師によって)防ぐこともできると小児が考えると、自分も死ぬことができると考えることがある。

これからはだれが僕(私)の世話をしてくれるの?

小児は自分の安全と安寧を親などの大人に依存しているため、自分の人生で大切な人の死を悲嘆する小児は、その人がいなくなった後は誰が必要な世話をしてくれるのかを考えはじめることがある。

悲嘆にくれる小児への介入

小児の悲嘆過程を手助けし、援助するのに有用な介入は複数ある。

死の説明

死について何も語らないことは(その話題がタブーであることを意味するものであり)小児が喪失に対処する助けにはならない。死について小児と話し合うときには、説明は常に可能な限り簡潔かつ直接的でなければならない。どの子供にも、その年齢と発達段階で理解できる範囲でなるべく詳細に真実を語る必要がある。質問には正直かつ率直に応じるべきである。小児は自分の安全を保証してもらう必要がある(子供は自分も死ぬのではないか、生き残っている親も死んでしまうのではないかと心配していることが多い)。小児の質問に答えるときには、小児がその情報を処理していることを確認すべきである。

正しい言葉

小児に死について教える会話は難しいものであるが、死に関するいかなる話し合いでも正しい言葉(例えば、がん死んだ死亡)を使用しなければならない。婉曲な表現(例えば、「亡くなった」、「眠っている」、「失った」)は小児を混乱させ、誤解につながるので、決して使用してはならない。 [3] [8]

喪の儀式の計画

死別後、小児は喪の儀式の計画に加わり、参列することができ、また、そうすべきである。残された大人と同じく、こうした儀式は小児が愛する人を追悼するのに有効である。小児には喪の儀式への出席や参加を決して強制してはならないが、参加するように勧めるべきである。小児には、葬儀または追悼の活動の快適に感じる部分に参加するように励ますことができる。その子供が葬儀(通夜、追悼式など)に出席を希望した場合には、前もって予測を十分に説明しておくことが重要である。こうした準備段階では、部屋の配置、出席するであろう人たち(例えば、友人や親族)、そこで目にするものごと(例えば、棺、泣いている人)、起こることを説明する必要がある。生き残っている親は自分自身の悲嘆で一杯で子供に必要な注意を払えないことがある。そのため、葬儀の間、悲嘆にくれる子供の世話を頼むため、慣れた大人の友人や親族を探しておくことはしばしば有用である。 [8]

悲嘆にくれる小児に関する文献および資料

悲嘆にくれる小児に使用できる有用な資料(本、ビデオ)は数多く、内容も多岐にわたっている。

  1. Worden JW: Children and Grief: When a Parent Dies.New York, NY: The Guilford Press, 1996.
  2. Doka KJ, ed.: Children Mourning, Mourning Children.Washington, DC: Hospice Foundation of America, 1995.
  3. Wass H, Corr CA: Childhood and Death.Washington, DC: Hemisphere Publishing Corporation, 1984.
  4. Corr CA, McNeil JN: Adolescence and Death.New York, NY: Springer Publishing Company, 1986.
  5. Corr CA, Nabe CM, Corr DM: Death and Dying, Life and Living.2nd ed., Pacific Grove: Brooks/Cole Publishing Company, 1997.
  6. Grollman EA: Talking About Death: A Dialogue Between Parent and Child.3rd ed., Boston, Mass: Beacon Press, 1990.
  7. Schaefer D, Lyons C: How Do We Tell the Children?: Helping Children Understand and Cope When Someone Dies.New York, NY: Newmarket Press, 1988.
  8. Wolfelt A: Helping Children Cope with Grief.Muncie: Accelerated Development, 1983.
  9. Walker A: To Hell with Dying.San Diego, Ca : Harcourt Brace Jovanovich, 1988.
  10. Williams M: Velveteen Rabbit.Garden City: Doubleday, 1922.
  11. Viorst J: The Tenth Good Thing About Barney.New York, NY: Atheneum, 1971.
  12. Tiffault BW: A Quilt for Elizabeth.Omaha, Neb: Centering Corporation, 1992.
  13. Levine JR: Forever in My Heart: a Story to Help Children Participate in Life as a Parent Dies.Burnsville, NC: Mountain Rainbow Publications, 1992.
  14. Knoderer K: Memory Book: a Special Way to Remember Someone You Love.Warminster,Pa: Mar-Co Products, 1995.
  15. de Paola T: Nana Upstairs and Nana Downstairs.New York, NY: GP Putnam's Sons, 1973.

参考文献
  1. O'Toole D, Cory J: Helping Children Grieve and Grow: a Guide for Those Who Care. Burnsville, NC: Compassion Books, 1998.[PUBMED Abstract]

  2. Corr CA, Nabe CM, Corr DM: Death and Dying, Life and Living. 2nd ed. Pacific Grove, Calif: Brooks/Cole Publishing Company, 1997.[PUBMED Abstract]

  3. Fitzgerald H: The Grieving Child: A Parent's Guide. New York: Fireside, 1992.[PUBMED Abstract]

  4. DeSpelder LA, Strickland AL: The Last Dance: Encountering Death and Dying. 4th ed. Palo Alto, Calif: Mayfield Publishing Company, 1996.[PUBMED Abstract]

  5. Goldman A: ABC of palliative care. Special problems of children. BMJ 316 (7124): 49-52, 1998.[PUBMED Abstract]

  6. Burnell GM, Burnell AL: Clinical Management of Bereavement: A Handbook for Healthcare Professionals. New York: Human Sciences Press, Inc., 1989.[PUBMED Abstract]

  7. Worden JW: Children and Grief: When a Parent Dies. New York: The Guilford Press, 1996.[PUBMED Abstract]

  8. Kastenbaum R: Death, Society, and Human Experience. Boston: Allyn and Bacon, 1995.[PUBMED Abstract]

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悲嘆と服喪に対する異なる文化の反応

愛する人の死への反応であるか、大切な所有物の喪失への反応または人生の重大な変化に対する反応であるかを問わず、悲嘆はすべての年齢と文化に及ぶ普遍的出来事である。しかしながら、悲嘆の多くの側面については悲嘆および服喪の個人の経験に文化的伝統が果たす役割を含めて、ほとんど分かっていない。 [1] [2] 死と悲嘆に関する態度、信念および習慣は、多くの文化的背景、神話、幻想をはじめ、異文化間関係を記述した多くのものにしたがって特徴が明らかになり、説明されている。 [2]

ある人の悲嘆の内面的経験と文化的表現との間に矛盾がある可能性は、悲嘆という言葉(認識した喪失に対して経験している反応のきわめて個人的な過程)と服喪という言葉(社会的または文化的に規定される悲嘆の行動表現)とが、世間一般に(不正確ではあるが)同義で使用されていることから説明がつく。 [3] [4]

いくつかの異なる文化に属する人たちの対象集団の調査結果の解析から、悲嘆の個人的な内面的経験には文化の境界を越えた類似性があることが示されている。被験者が経験した文化的特徴をもつ喪の儀式、伝統および悲嘆の行動表現を考慮しても、こうした類似性の存在は真実である。医療専門家は自分の患者に対して文化に配慮したケアを提供しようとする場合、その人の悲嘆経験全体において服喪に関する文化的習慣が影響する部分を理解する必要がある。 [1]

米国では、死の取扱い方に大きな影響を及ぼす立法措置、衛生法規、習慣および就業規則はあるものの、死別行為は、その人の文化的背景に深く左右されてさまざまである。愛する人の死への反応を評価する際に、臨床家は、その人の文化から予想されることまたは要求されることを明らかにし、正しく評価すべきである。期待する儀式が実施できなければ、家族にとっては未解決の喪失という経験を招きかねない。 [5] このことは、医療専門家がさまざまな民族の患者の医療に携わる際に、しばしば大変な作業となる。 [2]

愛する人の死への対処を支援することには、その家族の文化的伝統に敬意を示し、故人を追悼する方法を決めるのを援助することが含まれる。愛する人の死の情緒的帰結に対処している人に尋ねる質問で、臨床家が特に重要と考えるのは、以下の5つである:

  1. 死にゆく過程、故人の身体、遺体の処理および死の追悼をやり遂げるのに文化的に規定された儀式は何か。
  2. 死後の世界に関するその家族の信念は何か。
  3. その家族は何がその喪失の情動的表現および統合に適切と考えているか。
  4. その家族が死を取扱うための性別ルールと考えているものは何か。
  5. ある種の死は社会的烙印(スティグマ)を伴うか(例えば、自殺)、あるいはある種の死はその文化的集団にとって特にトラウマとなるか(例えば、小児の死)。 [6]

死、悲嘆および服喪は普遍的なものであり、人生の過程の自然な側面である。すべての文化は、死に対処する必要性を最大限満たす習慣を発展させてきた。こうした習慣を妨げれば必要な悲嘆の過程を破壊しかねない。こうした習慣を理解することは、臨床家にとって、特殊な悲嘆を示す他文化の患者を治療する方法を明らかにし、発展させる一助となる。 [7] 現在の民族人口統計学的傾向を考えれば、医療専門家は、こうした集団に最善のサービスを提供するために、これらの文化差に対応する必要がある。 [2]


参考文献
  1. Cowles KV: Cultural perspectives of grief: an expanded concept analysis. J Adv Nurs 23 (2): 287-94, 1996.[PUBMED Abstract]

  2. Irish DP, Lundquist KF, Nelson VJ, eds.: Ethnic Variations in Dying, Death, and Grief: Diversity in Universality. Washington, DC: Taylor & Francis, 1993.[PUBMED Abstract]

  3. Rando TA: Treatment of Complicated Mourning. Champaign: Research Press, 1993.[PUBMED Abstract]

  4. Cowles KV, Rodgers BL: The concept of grief: a foundation for nursing research and practice. Res Nurs Health 14 (2): 119-27, 1991.[PUBMED Abstract]

  5. McGoldrick M, Hines P, Lee E, et al.: Mourning rituals. Family Therapy Networker 10 (6): 28-36, 1986.[PUBMED Abstract]

  6. McGoldrick M, Almedia R, Hines PM, et al.: Mourning in different cultures. In: Walsh F, McGoldrick M, eds.: Living Beyond Loss: Death in the Family. New York: W.W. Norton & Company, 1991, pp 176-206.[PUBMED Abstract]

  7. Eisenbruch M: Cross-cultural aspects of bereavement. II: Ethnic and cultural variations in the development of bereavement practices. Cult Med Psychiatry 8 (4): 315-47, 1984.[PUBMED Abstract]

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最新の臨床試験

現在、米国で参加者を現在受け入れている喪失、悲嘆、死別についての支持療法と緩和ケアの試験は、NCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

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本要約の変更点(04/20/2017)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約には編集上の変更がなされた。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、個人が悲嘆、死別、服喪にどのように対処するかについて包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関しては米国国立がん研究所(NCI)から独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

悲嘆、死別、喪失への対処に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Grief, Bereavement, and Coping With Loss.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/advanced-cancer/caregivers/planning/bereavement-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389487]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

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