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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

がん性疼痛(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2017-06-29
    翻訳更新日 : 2017-08-22

がん性疼痛(PDQ®) PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、疼痛の病態生理および治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は、編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

疼痛

がん性疼痛に関する一般情報

疼痛はがん患者において最も一般的な症状の1つであり、しばしば患者の機能的状態および生活の質に負の影響を及ぼす。以下の要約の目標は、がん性疼痛の管理に関する、証拠に基づいた、最新の、実用的情報を提供することにある。

効果的な疼痛管理は一般に以下の段階に注意を払うことで達成することができる: [1]

  1. 患者の疼痛を早期に認識するための定期的スクリーニング。(詳しい情報については、本要約の疼痛の評価のセクションを参照のこと。)
  2. 治療選択肢に大きな影響を及ぼしうる、基礎にある病態生理を同定するための疼痛の適切な特徴付け。(詳しい情報については、本要約の疼痛の分類のセクションを参照のこと。)
    • その疼痛は急性か慢性か?

    • がん、がんの治療、他の原因、またはその組み合せに続発するものか?

    • 体性か、内臓性か、神経障害性か、または混合性か?

    • 偶発痛の要素があるか?

    • 突出痛があるか?

  3. 疼痛に薬理学的および/または他の方法による治療が必要かどうかの判断。疼痛はしばしば多因子的性質を有するため、心理的苦痛および物質使用などの、疼痛の表現を変化させる可能性のある因子について評価すべきである。(詳しい情報については、本要約の背景および定義のセクションを参照のこと。)
    • 疼痛が患者に対しどのような影響を及ぼしているか?

    • 治療の有益性がリスクを上回る可能性が高いか?

  4. 必要に応じた専門医への紹介を含む、至適な薬理学的治療および非薬理学的治療の選択肢の同定(詳しい情報については、本要約の疼痛コントロールのための薬理学的療法のセクションを参照のこと)。(詳しい情報については、本要約の疼痛コントロールの方法:その他のアプローチのセクションを参照のこと。)複雑な疼痛の場合、しばしば多次元的な集学的評価および介入が必要となる。最適な治療法を決定する際には、以下のように考慮すべき点が多数存在する:
    • 以前の疼痛治療。

    • 患者の予後。

    • 疼痛コントロールの予測因子(例、心理学的苦痛)。

    • 機能への影響。

    • 併存症(例、腎不全または肝不全)。

    • 鎮痛薬の誤用または依存のリスク。

    • 患者の好み。

  5. 医薬品の投与、予想される副作用と関連する治療法、および患者が改善を期待できる時期などの治療に関する適切な教育の提供。オピオイドを考慮する場合、オピオイド恐怖症、オピオイドの使用と誤用のリスクについて取り組むべきである。患者と家族の介護者はオピオイドの安全な保管、使用、および処分について教育を受けるべきである。1件の研究で、外来がん患者では不適切な使用、保管、および処分がよくみられることが実証された。 [2]
  6. 治療薬の漸増/調節のための再来院による患者の長期的モニタリング。長期治療を必要とするがん性または非がん性疼痛の患者は、治療を至適化し、誤用または乱用などのオピオイド使用の合併症の可能性を最小化するために綿密にモニタリングする。オピオイド使用のリスクおよび有益性を定期的に評価し、医師の印象を隠さずに患者と話し合う。

背景および定義

International Association for the Study of Painによると、疼痛とは、「実際的または潜在的な組織損傷に伴ってみられる、あるいはそのような損傷の観点から説明できる不快な感覚および感情的体験である」と定義されている。 [3] がん患者は疼痛をよく経験する。その適切な評価にあたっては、疼痛強度の測定;疼痛が患者の心理的、社会的、精神的、実存的領域に及ぼす影響の明確化;治療遵守および治療への反応性の確立が必要となる。

疼痛管理でよく用いられるアプローチは世界保健機関(WHO)の疼痛緩和ラダーを使用するが、これは疼痛強度を重症度に従って分類し、鎮痛薬をその強さに基づいて推奨するものである。 [4] 疼痛強度はしばしば0から10の数値評点尺度(NRS)を用いて評価される。この尺度では、0が疼痛なし、1~3が軽度の疼痛、4~6が中等度の疼痛、7~10が重度の疼痛を示す。 [5]

WHOの疼痛緩和ラダーのステップ1では軽度の疼痛を治療する。この区分の患者はアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、または必要に応じ鎮痛補助薬などの非オピオイド鎮痛薬の投与を受ける。ステップ2では非オピオイド鎮痛薬を鎮痛補助薬との併用または併用なしで既に服用しているが、なおも鎮痛が適切に得られていない軽度から中等度の疼痛を経験している患者を治療する。ステップ2の薬物には、ヒドロコドンオキシコドンコデインを含有するトラマドールおよびアセトアミノフェン製剤などがある。ステップ3では強力な鎮痛薬により中等度から重度の疼痛を治療する。ステップ3のオピオイドには、モルヒネヒドロモルフォン、フェンタニル、レボルファノールメサドンオキシモルフォン、およびオキシコドンなどがある。中等度のがん性疼痛を治療するための低用量のモルヒネ vs 弱いオピオイドを比較した1件のオープンラベルのランダム化試験により、低用量のモルヒネ群にランダムに割り付けられた患者は疼痛強度の低下がより頻繁で大きく、同等の良好な忍容性とより早期の効果を示したことから、中等度のがん性疼痛を有する患者に対して弱いオピオイドを省略した直接強いオピオイド(ステップ3の薬物)への移行が受け入れられることが示唆されている。 [6]

オピオイドを安全かつ効果的に使用するには、オピオイドの薬物動態、等鎮痛用量、および有害作用について精通している必要がある。疼痛管理を至適化するためには補助的な薬理学的および非薬理学的介入の適切な使用が必要である。

有病率

疼痛はがん患者の20~50%で生じる。 [7] 進行がん患者では約80%が中等度から重度の疼痛を生じる。 [8] 52件の研究の併合データを検討した1件のメタアナリシスでは、患者の半数超が疼痛を生じていたことが判明した。 [9] 若年患者の方が高齢患者よりがん性疼痛および疼痛フレアを生じる可能性が高い。 [10]

がん患者はしばしば複数の疼痛部位を有している。 [11] 患者は疼痛をNRSで4~6(重度)と評価し、増悪の評価は7と高かった。

がん性疼痛の原因:がん、がんの治療、併存症

緩和ケアサービスを受けている進行がん患者(N = 100)の特性を評価した1件の研究では68%の患者で原発腫瘍が疼痛の主因であることが認められた。 [11] 大半の疼痛は体性であり、持続痛と間欠痛が同程度あった。

疼痛が、手術、放射線療法、化学療法、分子標的療法、支持療法、および/または診断検査を含むがんの治療が原因で生じることがある。文献の系統的レビューから、抗がん治療を受けた患者の59%および治癒的治療後の患者の33%で疼痛が生じたという報告が確認された。 [9] がん患者における非悪性の慢性疼痛-慢性の腰痛、骨関節炎痛、線維筋痛、慢性連日性頭痛など-の有病率の特徴は十分に明らかにされていない。有病率は2~76%と報告されており、患者集団と疼痛の評価方法によって異なる。 [12] [13] [14] [15]

注入関連疼痛症候群

静脈内化学療法の注入は以下の4つの疼痛症候群の原因となる:静脈痙攣、化学的静脈炎、発疱薬の血管外漏出、アントラサイクリン関連フレア。 [16] [17] [18] 静脈痙攣は温罨法の適用または注入速度の低減により治療する。化学的静脈炎は化学療法または塩化カリウムおよび高張液などの非化学療法の注入により生じことがある。 [17] 水疱性血管外漏出は強い疼痛を引き起こし、その後落屑および潰瘍化が生じることがある。 [16] ドキソルビシンにより、局所蕁麻疹、疼痛、または刺痛を含む静脈フレア反応が生じることがある。 [18] ビノレルビンなどの数種類の化学療法薬が腫瘍部位に疼痛を引き起こすことがある。 [19]

治療関連粘膜炎

骨髄除去的化学療法および標準強度療法の結果としてしばしば重度の粘膜炎が生じる。 [20] 粘膜炎と一般的に関連する細胞障害性薬物はシタラビン、ドキソルビシン、エトポシド、5-フルオロウラシル、およびメトトレキサートである。上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬、マルチターゲットチロシンキナーゼ阻害薬、および哺乳類ラパマイシン標的蛋白阻害薬も粘膜炎の原因となる。 [21] [22] 粘膜炎の危険因子には既存の口腔病理、歯科衛生不良、若年などがある。 [20]

化学療法関連の筋骨格痛

パクリタキセルは10~20%の患者でびまん性の関節痛および筋肉痛の症候群を引き起こす。 [23] 関節および筋肉のびまん性疼痛が注入後1~2日で生じ、中央値で4~5日間持続する。疼痛は背部、股関節、肩、大腿、脚、および足に発生する。疼痛は荷重負荷、歩行、接触により悪化する。ステロイドにより筋肉痛および関節痛の発症傾向を抑えられる場合がある。ホルモン療法では、アロマターゼ阻害薬が筋骨格系症状、骨粗鬆症性骨折、関節痛、および筋肉痛の原因となる。 [24]

皮膚合併症と化学療法

EGFR阻害薬は皮膚炎およびその後の疼痛の原因となる。 [25] 帯状疱疹による急性神経痛が、がん患者、特に血液悪性腫瘍患者および免疫抑制療法を受けている患者に顕著な発生率の高さで生じる。 [26] 疼痛は通常2ヵ月以内に消失するが、持続して帯状疱疹後神経痛となる場合もある。手掌-足底発赤知覚不全症候群が5-フルオロウラシル、カペシタビン [27] 、リポソーマルドキソルビシン [28] 、およびパクリタキセル [29] の持続注入に関連して認められている。ソラフェニブおよびスニチニブなどの標的薬も手足症候群様の症状と関連している。 [30] 患者は手掌および足底にチクチク感や灼熱感を感じ、その後、紅斑性皮疹を生じる。管理ではしばしば治療の中止または投与量の減量が必要となる。

支持療法と疼痛

ビスホスホネート系薬物に関連する顎の骨壊死に代表されるように、支持療法が疼痛の原因となることがある。 [31] コルチコステロイドの使用も虚血性骨壊死の発生と関連付けられている。 [32]

放射線誘発性疼痛

放射線はいくつかの異なる疼痛症候群に関連している。第一に、密封小線源治療および治療中の体位(すなわち、放射線治療台上の位置)により疼痛を生じることがある。第二に、粘膜炎、放射線照射部位の粘膜の炎症、皮膚炎などの遅発性の組織損傷は疼痛を伴うことがある。第三に、治療部位における疼痛の一時的な悪化(疼痛フレア)は、骨転移に対する放射線治療で起こりうる副作用である。 [33] 1件のランダム化試験では、デキサメタゾン(放射線療法実施日とその後の4日間は毎日8mg)により、プラセボと比較して疼痛フレア発生率が低下することが実証された。 [34] (詳しい情報については、本要約の外照射療法のセクションを参照のこと。)

機能および生活の質に及ぼす影響

がん性疼痛は感情的苦痛の増加と関連している。疼痛の期間および重度の両方がうつ病発症のリスクと相関している。がん患者はがんのために1ヵ月当たり平均12~20日間能力障害状態となり、28~55%は就労できない。 [35] がん生存者は、がん治療の終了後に疼痛が予想外に持続する場合に苦痛を感じることがある。 [36] また腫瘍専門医が患者のケアをプライマリケア提供者に差し戻すために、生存者はそれまでの医療チームからの支援を受けられなくなる。

ある研究では、がん患者の20~50%が治療後何年も疼痛および機能的制限を経験し続けていた。 [37] 未治療の疼痛は医師幇助自殺の依頼につながる。 [38] また未治療の疼痛は不必要な入院および救急部門の受診にもつながる。 [39]


参考文献
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疼痛の分類

全人的苦痛

全人的苦痛という概念は、疼痛の身体的、心理的、社会的、精神的要素を明確に含めることで疼痛の多次元的性質を捉えるものである。 [1] [2] [3] [4] 臨床家に直接関わってくる意味はいくつかある:

  1. 疼痛を効果的に治療し、疼痛緩和を阻む障壁を予測するために、疼痛の完全な評価では心理的苦痛、社会的中断、実存的危機のスクリーニングが必要となる。
  2. 患者による疼痛の描写が判明している病理と不釣り合いに思える場合はうつ病などの他の症候群や実存的苦痛を反映している可能性がある。 [5]
  3. 疼痛に苦しむ患者では緩和ケア、牧師との面会、または精神療法などの支持療法サービスによる多次元的介入がしばしば必要となる。 [6]
  4. 全人的苦痛という概念は、疼痛が心理的または実存的苦痛によってのみ引き起こされるのではなく、心理的および精神的要素が疼痛経験を悪化させたり、緩和したりすることを示唆している。臨床家が身体化を疑う場合は、精神医学的または心理学的評価への紹介が適応となる。

疼痛機序

疼痛は、基礎にある病態生理学的機序、持続期間、または疼痛と関連する識別可能な症候群の記述に基づいて分類される。 [7] 疼痛の病態生理学の基礎にある3つの機序は、侵害受容性、神経障害性、心因性である。

侵害受容性疼痛は、体性または内臓性の場合があり、組織に対する化学的、機械的、または熱的損傷によって痛覚受容体が刺激されることで始まり、受容体が信号を中枢神経系(CNS)に伝達して疼痛の知覚を引き起こす。痛覚受容体は体性組織(例、皮膚、骨)および内臓組織に存在する。内臓知覚神経支配の量および脳内での内臓痛の信号拡散が、体性痛と比較して患者が内臓痛を記述したり、限局化したりしにくい理由である。内臓痛の特異的タイプが関連痛であり、これは脊髄レベルでの体性侵害受容器と内臓侵害受容器の神経線維の混合によるものである。患者は疼痛が神経支配されている体性組織から生じていると誤って解釈してしまう。内臓痛は発汗、蒼白、徐脈などの自律神経徴候を伴う場合がある。体性痛の方が限局化しやすい。

神経障害性疼痛は末梢神経系または中枢神経系(脊髄または脳)の損傷により引き起こされる疼痛である。がんに特に関連のある神経障害性疼痛の原因には化学療法(例、ビンカアルカロイド系薬物)、神経根への腫瘍の浸潤、または腫瘍塊による神経根(神経根障害)または神経根群(神経叢障害)の損傷、または治療の合併症(例、放射線神経叢障害)などがある。 [8] 疼痛は刺激により誘発されることもあれば、自発的に生じることもある。非侵害性刺激による疼痛を生じている患者はアロディニアに罹患しているものと分類される。痛覚過敏は通常経験される疼痛とは不釣り合いな痛覚の増大を意味する。

感情的苦痛もまた疼痛経験の一因となりうる。がんで疼痛を経験している患者のほとんどでは、身体症状障害が認められない。しかしながら、疼痛愁訴が基礎にある疼痛刺激とは不釣り合いと思われる場合、その疼痛愁訴の一因となっている心理学的および実存的苦痛、ケミカルコーピング、および物質乱用について評価することが重要である。

急性および慢性がん性疼痛

疼痛はしばしば急性または慢性として、もしくは時間経過による変化の仕方によって突出持続、または偶発などの用語により分類される。急性疼痛は一般的には組織損傷により誘発され、損傷によって急に始まり、組織の治癒とともに次第に和らぐ。明確な期間はないが、急性疼痛は一般に3~6ヵ月以内に消失する。 [9] 急性疼痛の治療では、組織が治癒しつつある間、侵害受容経路を遮断することに重点を置く。

慢性疼痛は一般的に損傷が治癒した後も持続するが、例えば、慢性関節疾患患者は持続的組織損傷を生じている場合があり、このため慢性疼痛を生じる。疼痛は、誘発病変の治癒後1ヵ月を超えて持続する場合、数ヵ月にわたり持続したり再発したりする場合、または退縮したり、治癒したりする可能性の低い病変から生じる場合に慢性となる。 [9] 急性疼痛から慢性疼痛への移行は中枢神経系における一連の比較的個別の変化として理解することができるが [9] 、慢性疼痛の発生には明らかに行動的交絡因子も存在する。慢性疼痛には、N-メチル-D-アスパラギン酸チャネルのアップレギュレーションおよびミクログリア細胞の細胞構築の変化による二次ニューロンの感作などの二次的機序の活性化が関わっている。慢性疼痛は、永続化に複数の因子が関わっていることから、しばしば集学的治療アプローチが有益となる。

突出痛

疼痛のある患者のケアにおいて、突出痛背景痛と区別される。 [10] [11] 突出痛とは、急性または慢性疼痛が比較的良好にコントロールされている状況における疼痛の一過性の増大またはフレアである。 [12] 偶発痛とは、転移性病変による椎体痛を増大させる動きなどの、一定のしばしば決まった活動または因子と関連するタイプの突出痛である。このような疼痛は偶発性のため、効果的に治療することがしばしば困難である。 [13] ある研究では、75%の患者が突出痛を経験しており、そのうち30%が偶発性、26%が非偶発性であり、16%が投与間隔終盤の失敗(end-of-dose failure)により引き起こされ、残りは複合的病因によるものであった。 [14]


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疼痛の評価

患者報告による転帰

効果的な疼痛治療は来院時ごとのスクリーニングおよび疼痛がみられる場合の徹底的評価から始まる。患者の自己報告は疼痛評価のための標準治療である。 [1]

疼痛強度の定量化のために多くのツールが開発されている。使われる主なツールには数値評点尺度(0~10:0 = 疼痛なし、10 = 考えられる最悪の疼痛);分類尺度(なし、軽度、中等度、重度);および視覚アナログ尺度(0~100mm:0mm = 疼痛なし、100mm = 考えられる最悪の疼痛)などがある。McGill Pain Questionnaire、Brief Pain Inventory [2] 、およびPROMIS-PI(Patient-Reported Outcomes Measurement Information System—Pain Interference) [3] などの多次元的疼痛評価ツールが疼痛およびその日常機能の支障の評価のために開発されている。これらのツールは重要だが、複雑かつ相当の時間を要することから、研究の場で適用することが最適となりうる。

小児および認知障害患者などの特別な集団用の疼痛評価ツールが開発されている(詳しい情報については、本要約の特別な考慮事項のセクションを参照のこと)。

疼痛強度は「現在」、「過去24時間」、または「過去1週間」などの異なる時間枠について評価することが可能である。平均疼痛強度に加え、最悪または最低の強度を評価することができる。来院時ごとに疼痛強度を評価することで、臨床家は変化および治療反応性をモニタリングすることができる。個別化した疼痛目標を立てるためにも疼痛強度尺度を使用することができる。 [4]

臨床家による評価

痛みを適切に評価できなければ過小治療につながる。評価には臨床家の観察および患者の報告の両方が関わる。疼痛の初期評価の目標は、その疼痛の病態生理の特徴を明らかにし、疼痛の強度と患者の機能への影響を明らかにすることである。心理社会的問題が疼痛体験を悪化させたり、緩和したりする場合があるのを認識することが重要である。 [5] そのような心理社会的問題は薬理学的アプローチによっては容易に治療することができないため、適切な治療資源に紹介できるよう、臨床家が疼痛のある患者の初回およびその後の診察でこれらの問題を対象とすることがきわめて重要である。さらに、疼痛の多次元的評価では、文化が疼痛の体験、疼痛の伝達、および疼痛の表現に対する医療提供者の対応などにどのように影響を及ぼすかなど、特有の文化的要素を組み込まなければならない場合もある。 [6] [7] [8] [9]

痛みの病因の同定は疼痛管理に重要である。がん患者を治療する臨床家は、よくみられるがん性疼痛症候群を認識しておく必要がある。(詳しい情報については、本要約の体性痛に対するアプローチ内臓痛に対するアプローチ、および神経障害性疼痛に対するアプローチのセクションを参照のこと。)

疼痛を効果的に管理するには治療開始後の患者の反応を綿密にモニタリングする必要がある。外来患者の緩和ケア施設に紹介された患者1,612人のレビューでは、中等度から重度の疼痛を有する患者の半数以上が最初の緩和ケアの診察後に疼痛の緩和(疼痛尺度の10ポイント中2ポイントの低下または30%の低下)を示さなかった。 [10] さらに、軽度の疼痛を有する患者の1/3が、初回フォローアップの来診時までに中等度から重度の疼痛に増悪した。この研究ではまた、反応を予測する因子としてベースライン時の疼痛強度、疲労、およびEdmonton Symptom Assessment Systemによる症状の負荷が確認された。 [10]

理想的には、包括的疼痛評価には患者の目標および疼痛管理に対する期待についての話し合いが含まれる。この話し合いにより、疼痛のレベルと精神覚醒状態などの患者の他の目標のバランスをとることについて有意義な検討が行える場合がある。包括的疼痛評価には疼痛歴、疼痛強度、疼痛の質、疼痛部位も含まれる。それぞれの疼痛部位について、疼痛の放散パターンを評価する。患者の現在の疼痛管理治療計画および患者が治療に対しどのように反応しているかについての医療提供者の認識も重要であり、これには現在の治療計画が突出痛や発作的疼痛にどれほど適切に対応しているかが含まれる。完全な評価では、以前に試みられた疼痛治療および中止理由;睡眠障害、疲労、抑うつ、および不安などの他の関連症状;機能障害;ならびに関連する検査データおよび診断的画像検査のレビューも行う。焦点を絞った身体診察には疼痛行動、疼痛部位、機能的制限についての臨床的観察が含まれる。

疼痛に影響を及ぼしうる心理社会的および実存的因子も評価し、適切に治療する。うつ病および不安が疼痛体験に大きな影響を及ぼすことがある。多様な種類の疼痛を通じ、疼痛に対する患者の自己効力感を考慮することの重要性が研究から示されている:自己効力感が低かったり、薬理学的解決法のみに焦点を合わせていたりすると鎮痛薬の使用が増加する可能性が高い。 [11] [12] さらに、疼痛を繰り返し大げさに述べる患者(例、10ポイント尺度で10を超える疼痛を報告する患者)は大げさに述べない患者より高用量が必要となる可能性が高い。大げさに述べることは自己効力感の低さおよびケミカルコーピング戦略への依存と強く関連している。 [13] [14] [15] [16] [17] さらに、患者の生活に対する疼痛の影響および疼痛を悪化させる、または緩和する関連因子を評価することで、心理社会的問題がどのように患者の疼痛レベルに影響を及ぼしているかを明らかにすることができる。

疼痛評価には、物質使用についての患者の病歴および家族歴ならびにがん診断の前後の患者のケミカルコーピング戦略の程度についてのレビューが含まれる。合法的物質(例、ニコチン、アルコール、睡眠薬)への依存などのケミカルコーピング戦略の程度から、苦痛を緩和するための化学物質への依存歴が示唆されることがある。また、特定のオピオイドの示差的な代謝のされ方および疼痛コントロールを得るために必要となるオピオイドの量に影響を及ぼす可能性のある、患者のニコチン使用に関する情報を臨床家が得られる可能性もある。 [18] 遠い昔の物質乱用の既往がなおも現在の疼痛レベルおよび鎮痛薬の必要量に影響を及ぼすことがある。遠い昔の物質使用は、患者にオピオイド使用を長期的に自制している病歴がある場合でも、痛覚感受性に対し長期的影響を及ぼす場合がある。 [19] 個人および家族の物質使用が全体として、薬物の潜在的乱用、潜在的な鎮痛薬の必要量、および処方薬流用のリスク評価について情報をもたらす可能性がある。

疼痛の予後スコア

疼痛治療に対する反応性を予測する疼痛関連因子および患者関連因子がいくつか存在する。特に、ベースラインでの疼痛強度の高さ、神経障害性疼痛、および偶発痛がみられる場合は管理がより困難となることが多い。 [20] さらに、違法薬物使用、アルコール依存症 [21] [22] 、喫煙 [23] [24] [25] 、身体化 [26] 、うつ病や不安などのメンタルヘルスの問題 [27] および認知機能障害 [28] [29] [30] の個人歴または家族歴などのいくつかの患者特性が疼痛の表現の強さ、オピオイド使用量の多さ、疼痛コントロールが得られるまでの期間の長さと関連している。

これらの予測因子に基づき、臨床診療で臨床家を支援するために、Edmonton Classification System for Cancer Pain(ECS-CP) [20] [31] およびCancer Pain Prognostic Scale(CPPS) [32] などのいくつかのリスクスコアが開発されている。


  • ECS-CPは(1)神経障害性疼痛、(2)偶発痛、(3)心理的苦痛、(4)依存、(5)認知障害から構成される。これらのいずれかの因子が存在する場合、疼痛のコントロールがより難しくなる可能性があることを示唆している。ECS-CPはさまざまながん性疼痛の状況で妥当性が確認されている。 [33]

  • CPPSはリスクスコアを判定するための公式に4つの変数を含んでおり、その中には最悪の疼痛重症度(Brief Pain Inventory)、Functional Assessment of Cancer Therapy - General(FACT-G)の心理的幸福感、初回のモルヒネ1日鎮痛当量(60mg/日以下;60mg/日超)、混合性疼痛症候群がある。CPPSのスコアは0~17の範囲をとり、スコアが高いほど疼痛緩和の可能性が高いことを示唆する。

予測因子はがん性疼痛の管理の個別化に有用となりうる。特に疼痛予後が不良の患者に対して、臨床家は疼痛緩和の現実的目標について話し合い、機能および集学的療法の使用に焦点を当てることを考慮してもよい。反復的または頻回に鎮痛薬の用量を漸増させても疼痛の改善がみられない場合は、臨床家は疼痛に対する代替アプローチを考慮してもよい。

特別な考慮事項

自己報告は疼痛評価のゴールドスタンダードとして認められているが、小児、学習障害患者、および認知障害患者などの一定の弱者集団では自己報告が実行可能ではないか信頼性が低い場合がある。

成人および7歳以上の小児は数値評点尺度を効果的に利用することができるが、幼児や認知障害患者はFaces Pain Scaleなどの絵入り尺度の使用が有用な場合がある。 [34] (詳しい情報については、小児の支持療法に関するPDQ要約を参照のこと。)

認知障害によって患者が疼痛を説明したり、疼痛事象を思い出したり、疼痛評価に使用されるツールを理解したりする能力が妨げられる場合があり、そのような患者は鎮痛薬の投与量が多くなったり、少なくなったりする。 [35] [36] [37] American Society for Pain Management Nursingは、臨床的推奨事項を含む、言語運用能力の低い患者における疼痛評価に関する立場表明を出している。 [38] 疼痛評価は直接的観察、家族/介護者の報告、疼痛緩和介入に対する反応性の評価によって行うことができる。進行性認知症患者について、専門職の介護者による患者の行動の観察を通じた疼痛評価に依拠するツールが開発されている。 [39] [40] [41] このようなツールの妥当性および信頼性については疑問視されているものの、疼痛評価を促進し、疼痛の過小治療を避ける手段として、疼痛を報告できない進行性認知症患者に対し、また他の認知障害群患者による自己報告と併せ、しばしば推奨されている。

認知障害は、脳腫瘍および進行がんでよくみられる合併症であるせん妄を有する患者など、認知症の診断を受けた患者以外にも及ぶ。このような患者では、Faces Pain Scale [42] およびColoured Analogue Scale [43] ならびに水平方向ではなく垂直方向の尺度が数値評点尺度より望ましい場合がある。 [44]

患者の疼痛体験および疼痛報告においては文化も一定の役割を果たす。例えば、一部のアジア文化では、患者が疼痛を報告しない傾向がある。 [6] 疼痛を訴えることが弱さの表れと受け取られる場合がある。家族に負担をかけないようにと患者が疼痛を隠すこともある。一部の患者にとっては疼痛が精神的価値を持っている場合があり、薬物治療により疼痛体験を和らげるよりも疼痛を受け入れることを選ぶ。 [45] したがって、疼痛評価のアプローチにおいては、思い込みを持たずに個々の患者の精神的、文化的背景を理解することが重要である。

ある横断研究において、白人患者のがん性疼痛体験は個人的および独立的であったのに対し、民族的マイノリティの患者では家族志向であった。マイノリティの患者はがん治療中に家族からの支援を受け、家族のためにがんと闘っていた。家族はがん治療および疼痛管理に関する患者の意思決定に深く関わっていた。 [7]

他の研究からは、アジア系患者は欧米諸国の患者よりも疼痛管理に対する障壁が大きく、あきらめを示しやすいことが示唆されている。 [8] [9]


参考文献
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疼痛コントロールのための薬理学的療法

アセトアミノフェンおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)

患者が軽度の疼痛を有する場合にしばしば開始されるアセトアミノフェンとNSAIDは、オピオイドの補助薬として中等度および重度の疼痛の管理に有用である。他のものより望ましい単一のNSAIDはなく、いずれも鎮痛作用についてプラセボより優れている。 [1] オピオイドの補助薬として、アセトアミノフェンとNSAIDは鎮痛作用の改善およびオピオイド使用量低減の両方で有益性を示している。このような薬物は、高齢患者もしくは腎疾患、肝疾患、または心疾患を有する患者では注意して使用するか、場合によっては避ける。 [1] (詳しい情報については、本要約の特定の患者集団における疼痛の治療のセクションにある高齢のがん患者のサブセクションを参照のこと。)

アセトアミノフェンとNSAIDはそれ自体が鎮痛作用をもたらす一方で、いくつかのランダム化比較試験では、いずれかの薬物をオピオイドに追加することでがん患者における疼痛コントロールを改善し、オピオイドの必要量を低減させうることが報告されている。 [2] [3] [4] しかし、このような有益性は諸試験にわたり一貫して認められているわけではない。 [5] [6]

ケトロラクおよびジクロフェナクなどの強力なNSAIDがより広く研究されており、がん性疼痛の管理における有益性を示しているが、ある製剤が他の製剤より優れていることを示す旧世代の薬物との比較データは存在しない。著明な副作用に胃腸刺激、潰瘍形成、および消化不良があり、懸念される他の副作用に心毒性、腎毒性、肝毒性、および血液学的作用がある。 [7] [8] セレコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)特異的薬物は、比較的高額の費用でより良好な消化管副作用プロファイルを有する可能性がある。 [7] 長期的安全性および有効性データは依然として不明である。

表1.アセトアミノフェンおよび一部の非ステロイド性抗炎症鎮痛薬

薬物 投与量 解説 参考文献
COX-2 = シクロオキシゲナーゼ-2;GI = 消化管;IM = 筋肉内;IV= 静脈内;NSAID = 非ステロイド性抗炎症薬;PO = 経口。
アセトアミノフェン 4,000mg/日未満 使用する用量および製剤により、4~8時間ごとに投与。 [2]
セレコキシブ 200~400mg/日 COX-2特異的。非選択的NSAIDと比較して抗血小板作用がわずか。 [7]
ジクロフェナク 100~200mg/日 速効性および腸溶性/徐放性製剤として利用可能。 [9]
イブプロフェン 600~2,400mg/日   [9]
ケトプロフェン 100~300mg/日 世界の一部の地域で、望ましい場合のある非経腸製剤として利用可能。 [7] [10]
ケトロラク 40~60mg/日、一般に6時間ごとの投与 消化管の有害事象が懸念されるため、ケトロラクの非経腸(IV、IM)投与が5日以下の期間で行われる。経口投与される場合もある。 [7]


オピオイド

一般的原則

大半の患者において、中等度から重度のがん性疼痛の緩和のためのオピオイド使用が必要と考えられる。 [1] 中等度の疼痛に対しては、弱オピオイド(例、コデインまたはトラマドール)または比較的低用量の強オピオイド(例、モルヒネオキシコドン、またはヒドロモルフォン)がしばしば投与され、非オピオイド鎮痛薬と併用されることが多い。重度の疼痛に対しては、強オピオイドがルーチンで使用されるが、他の薬剤より高い有効性を示すものはなく、医療提供者が精通していること、広く入手しやすいこと、比較的費用が安いことからしばしばモルヒネが第一選択のオピオイドと考えられている。 [1] デザインの優れた1件のレビューでは、中等度から重度のがん性疼痛を有する患者の大半が経口モルヒネにより著明な疼痛の緩和を得ていた。 [11] 1件の研究でも、低用量のモルヒネ(最大30mg/日、経口投与)により弱オピオイド(コデインまたはトラマドール)で得られるよりも優れた鎮痛が得られたことが示されている。 [12]

急性疼痛の管理は即放性オピオイド製剤により開始する。疼痛が安定すれば、過去24時間のオピオイド消費量を、患者の24時間のオピオイド消費量(モルヒネ1日鎮痛当量[MEDD]による測定)に基づいて放出調節型またはより長時間作用型のオピオイドに変更する。ランダム化比較試験から、長時間作用型オピオイドの12時間ごとの投与により、短時間作用型オピオイドの4時間ごとの定期的投与と同様の有効性が得られることが示されている。 [13] [14] 突出痛の管理については即放性製剤の使用を継続する。 [1] 継続的疼痛管理時には、即放性オピオイドにより長時間作用型製剤の用量設定についての情報が得られる。速効性の経口、頬粘膜、舌下、経粘膜、経直腸、および鼻腔内製剤はすべて突出痛の治療について許容可能である。経口薬が服用できない患者では、モルヒネおよびヒドロモルフォンについて皮下投与法が静脈内経路と同程度有効である。

表2.オピオイド鎮痛薬

オピオイド薬 等鎮痛用量 解説 参考文献
ブプレノルフィン コンセンサスは得られていない 経皮製剤および舌下製剤が利用可能。他のオピオイドより便秘および吐き気を起こしにくい可能性がある。 [15] [16] [17]
コデイン 100mg 最大360mg/日。アセトアミノフェンと併用または単独。 [1] [18]
ジアモルヒネ 利用できない 主に英国で使用されている。 [19]
フェンタニル 7.5μg/時×24時間≒経口モルヒネ換算で15mg/日 経皮的、経粘膜的、または静脈内投与。悪液質患者は、経皮パッチからの吸収が減少している。 [18] [20] [21]
ヒドロコドン 10mg 中等度の疼痛に対してのみ、一般にアセトアミノフェンと併用。 [22]
ヒドロモルフォン 3mg   [10]
メサドン 3mg(等鎮痛用量比率は投与量により大きく異なる) 主に非オピオイド未使用患者の重度の疼痛に対して使用される。独特の薬物動態のために経験を積んだ医師が必要となる。 [1]
モルヒネ 15mg ランダム化試験が使用を支持している。精通性、利用可能性、費用により第一選択のオピオイドである。 [1] [18]
オキシコドン 10mg ランダム化試験が使用を支持している。 [18]
オキシモルフォン 5mg   [10]
タペンタドール 75mg モルヒネ40~100mgと同等。 [23] ; [24] [証拠レベル:I]
トラマドール 150mg アセトアミノフェンとの併用または単独で400mg/日未満で使用。中等度の疼痛用。 [1]


表3.鎮痛薬の投与経路

経路 薬物 解説 参考文献
NSAID = 非ステロイド性抗炎症薬。
頬粘膜 フェンタニル 主に突出痛用。 [25]
硬膜外 オピオイド、局所麻酔薬 経口または静脈内投与の鎮痛薬では鎮痛作用が不十分または耐え難い副作用がある場合に考慮する。 [1]
筋肉内注射 オピオイド、アセトアミノフェン、ケトロラク 注射による痛みのために通常は避けられる。 [10]
鼻腔内 フェンタニル 作用発現は経粘膜的フェンタニルまたは経口モルヒネより速い。突出痛用。 [25]
髄腔内 オピオイド 経口または静脈内投与の鎮痛薬では鎮痛作用が不十分または耐え難い副作用がある場合に考慮する。 [1]
静脈内 大半の強いオピオイド(オキシコドンを除く)およびいくつかのNSAID 利用可能性は世界の地域によって異なる。 [10]
経口 フェンタニルおよびブプレノルフィンを除く大半のオピオイド 最も一般的で望ましい投与法。 [10]
経直腸 モルヒネメサドン 作用発現は経口と同様;吸収性はより優れている可能性がある。小児および終末期の患者に有用となりうる。 [1]
皮下 モルヒネ、ジアモルヒネ、フェンタニル、ヒドロモルフォンケトプロフェンメサドン 有益性は静脈内投与と同様;経口服用不能の場合の代替経路とされている。 [1] [2] [26]
舌下 フェンタニル、ブプレノルフィン 主に突出痛用。 [16] [25]
外用 リドカイン 主に表面麻酔の適用。 [10]
経皮的 フェンタニル、ブプレノルフィン オピオイド未使用患者における中等度から重度の疼痛に対し経口薬と同様の有効性。 [1]
経粘膜的 フェンタニル 主に突出痛用。 [25]


速効性フェンタニル製剤

非経腸経路を使用せずに迅速な鎮痛作用を得るための速効性オピオイドが開発されている。モルヒネより50~100倍強力な合成オピオイドであるフェンタニルはさまざまな投与法のものが利用でき、突出痛の管理に対するさらなる選択肢となる。 [27] 作用発現が迅速であるとともに、これらの製剤は初回通過肝臓代謝および腸内消化を回避する。

すべての速効性フェンタニル製剤はオピオイドに対し既に耐性が生じている患者に対してのみ使用し、オピオイド未使用患者では開始しない。しかし、他製剤と生物学的に同等のものがないことから用量の互換性が複雑となり、別のフェンタニル製剤の以前の投与量にかかわらず、各製剤について個々に投与量を漸増させる必要がある。投与量の漸増スケジュールは各製剤に固有のものであり、各製剤を使用する際には製剤情報を個別にレビューすることがきわめて重要となる。このような速効性製剤による依存症のリスクは解明されていない。米国では、これらの薬物の処方には米国食品医薬品局(FDA)のRisk Evaluation and Mitigation Strategies(REMS:リスク評価・緩和戦略)プログラムへの登録が必要となる。

表4.フェンタニルの投与経路

薬物 開始量(μg) T 解説 証拠
DB = 二重盲検;PC = プラセボ対照;RCT = ランダム化比較試験;Tmax = 最大血中濃度到達時間。
経粘膜的フェンタニルトローチ剤(Actiq、一般名) 200 20–40 スティック上のトローチ剤、頬の内側に擦りつける。含有糖分により齲蝕が増加する場合がある。 複数のRCTでプラセボおよび経口モルヒネを上回る有益性が示されている。
フェンタニルバッカル錠(Fentora) 100、200、または400 35–45 粘膜炎により吸収に影響が生じることがある。使用前に、口内が乾燥している場合は湿らせる。 RCTでプラセボを上回る有益性が示されており、オープンラベル研究では疼痛レスキューについて有益性が示されている;オキシコドンより作用発現が速い。
フェンタニルバッカルフィルム(Onsolis) 200 60 使用前に、口内が乾燥している場合は湿らせる。 DB、PC、RCTで有益性が示されている。
フェンタニル鼻腔スプレー(Lazanda) 100 15–21 空にした際にバイアルにフェンタニルが残留しているため、特別な廃棄処分が必要となる。鼻閉改善薬のスプレーとは併用しないこと。 DB、PC、RCTで有益性が示されている。オープンラベルRCTで経粘膜的フェンタニルおよび経口モルヒネを上回る有益性が示されている。
フェンタニル舌下スプレー(Subsys) 100 40–75 空にした際にフェンタニルが残留しているため、特別な廃棄処分が必要となる。 オープンラベルおよびPC RCTで有益性が示されている。
フェンタニル舌下錠(Abstral) 100 30–60 粘膜炎により吸収に影響が生じることがある。使用前に、口内が乾燥している場合は湿らせる。 複数のPC RCTで有益性が示されている。


メサドン

メサドンはμ受容体アゴニストおよびN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストであり、複数の経路(経口、静脈内、皮下、および経直腸)により投与可能であり、半減期が長く(13~58時間)、作用発現が迅速で、安価であるため、がん性疼痛のコントロールにおいて魅力的な選択肢となる。そのNMDA特性により、メサドンはオピオイド誘発性の神経毒性、 痛覚過敏、神経障害性疼痛の管理に特に有用な可能性があるが、そのような理論的有益性の確認にはさらなる研究が必要である。メサドンは腎不全の患者に対し比較的安全であり、また合成オピオイドであることから、既知のオピオイドアレルギーを有する患者では望ましい。しかし、メサドンには、薬物相互作用、QT延長のリスク、等鎮痛用量比率のばらつきなどのいくつかの明確な短所もあり、ローテーションが比較的困難である。

メサドン投与に関わる複雑さを踏まえ、このオピオイドは経験を積み、注意深いモニタリングを行うことのできる臨床医が処方することが重要である。疼痛専門医または緩和ケアチームへの紹介が適応となる場合がある。

メサドンはCYP3A4およびCYP2D6により代謝される。CYP3A4誘導薬(例、ある種の抗痙攣薬および抗レトロウイルス薬)が潜在的に鎮痛作用を低下させる可能性がある。 [28] 対照的に、CYP3A4基質薬/阻害薬は副作用を含め、メサドンの活性を高める可能性がある。臨床家にとっては、顕著な薬物間相互作用の可能性があるということは、一部の薬物を変更する必要があること、および患者にさらなるモニタリングが必要であることを意味しうる。さらに、メサドンはP糖蛋白の基質であるため、このトランスポーターの活性を阻害するベラパミルやキニジンなどの薬物によりメサドンの生物学的利用能が上昇する可能性がある。

メサドンはQT延長と関連する。このリスクは高用量(特に100mg/日超)の投与を受けている患者または一部の抗がん剤による治療などの既存の危険因子を有する患者で増加する。QT延長の危険因子のある患者では、メサドンによる治療の前にベースラインの心電図検査を行うことが重要である。患者に既知の危険因子がある場合はメサドン開始の2~4週間後、全患者について新規危険因子の発生時、およびリスクにかかわらず全患者についてメサドンの投与量が30~40mg/日および100mg/日に達した場合にフォローアップの心電図検査が推奨される。 [29]

ある研究者グループが、経口モルヒネからメサドンへの切り替えの変換比が2.5~14.3であり、MEDDが増えるほど効力が高いことを報告している。 [30] 1件の小規模レトロスペクティブ研究で、メサドンから経口モルヒネへの切り替えの等鎮痛用量比率は経口メサドンが4.7および静脈内メサドンが13.5であったことを他の研究者らが認めている。 [31]

系統的レビューから文献におけるメサドン切り替えについての3つのアプローチが浮き彫りとなっている; [32] [33] しかし、証拠は不十分であり、どのアプローチが優れているか結論付けることは困難である。メサドンの迅速滴定では、その半減期が長いため遅発性の呼吸抑制が起こる場合がある。 [34]

有害作用

オピオイドによる有害作用はよくみられ、十分な疼痛コントロールを得る妨げとなることがある。しかし、すべての有害作用がオピオイドにより引き起こされるわけではなく、他の病因も評価する必要がある。関連する因子の例には疾患の進行、併存する健康障害、薬物相互作用(鎮痛補助薬を含む)、および脱水または栄養障害などの臨床状態による症状などがある。 [35] 一般に、オピオイドと関連する有害作用に対処するための選択肢には有害作用の積極的管理、オピオイドローテーション、または投与量の減量などがある。ほとんどの場合、確定的な推奨を行うことはできない。

表5.使用期間別のオピオイドの有害作用の相対的有病率a

有害作用 相対的有病率 解説
急性使用 慢性使用
a報告されている有病率はオピオイドの選択、投与量、投与経路、使用期間に基づいて異なる可能性がある。
b相対的有病率:(-)なし;(+)まれ;(++)比較的まれ;(+++)高頻度。
c急性使用は2週間以下の使用、必要に応じた使用、および顕著な増量時と定義される。
d慢性使用は一定の投与量での2~3ヵ月以上の一貫した使用と定義される。
心血管
低血圧 + + 大半が静脈内オピオイドによる。
中枢神経系
鎮静 +++ + オピオイド開始時および増量時に多い。 [36]
めまい ++ + [10]
せん妄/幻覚 + + [10]
認知障害状態 ++ + [10]
睡眠障害 ++ + [10]
消化管
吐き気 +++ + 緩やかな増量によりリスクが低下する。モルヒネよりヒドロモルフォンの方が有病率が低い。 [36] [37]
嘔吐 ++ + [10]
便秘 +++ +++ [38]
自律神経系
口腔乾燥 +++ + [10]
膀胱機能障害/尿閉 + + [10]
呼吸器
呼吸抑制 + 適切に使用する場合はきわめてまれ。 [36]
皮膚
そう痒 ++ 脊髄鎮痛で比較的多い。 [36]
その他
痛覚過敏 + オピオイド誘発性の神経毒性とともに認められることが多い。モルヒネおよびヒドロモルフォンで多い場合がある。 [39]
オピオイド内分泌障害/性腺機能低下症 + [40] [41]
低血糖症 + + トラマドールまたはメサドン投与中の患者で認められることがある。糖尿病患者でより多い。


中枢神経系(CNS)作用

中枢神経系に対する有害作用はオピオイドの抗コリン活性またはニューロンに対する直接的作用に起因する可能性がある。 [42] [43] 鎮静および眠気がよくみられるが、一般に一過性の有害作用である。持続性の問題がある患者にはオピオイドローテーションが有益となることがある。オピオイド誘発性の鎮静を軽減する介入としてメチルフェニデートが提案されている。 [44] [45] 認知または精神運動機能に対するオピオイドの作用は十分に分かっていない。鎮静の発生率を踏まえ、オピオイドの開始時または投与量の漸増が必要な場合は注意する。しかし、長期的に一定量の投与を受けている患者が認知または運動障害を示すという証拠は少ない。 [46]

せん妄はオピオイドと関連しているが、一般に原因は多因子的である。 [47] 1件のレトロスペクティブ研究では、せん妄症例の80%はオピオイドと関連していなかった。 [48] (せん妄の管理に関する詳しい情報については、人生の最後の数日間に関するPDQ要約のせん妄のセクションを参照のこと。)

呼吸抑制

オピオイド誘発性呼吸抑制は、二酸化炭素および酸素レベルに対する化学受容器の反応性の鈍化ならびに効率的な換気およびガス交換に必要な肺の機械的機能の変化により引き起こされる可能性がある。 [49] オピオイド誘発性呼吸抑制は、呼吸数の低下、低酸素血症、または総呼気二酸化炭素量の増加として発現することがある。 [50] 呼吸抑制の有病率は不明だが、適切なオピオイド使用および漸増を行えば生じることはまれである。 [51] [52] [53] [54]

呼吸抑制がオピオイドと関連すると考えられる場合(例、縮瞳および鎮静を伴う)、非選択的競合的オピオイド拮抗薬であるナロキソンが有用な場合がある;しかし、疼痛コントロールを妨げることがあり、オピオイド依存症患者では離脱症状を誘発することがあるため、注意深い漸増を考慮すべきである。メサドンは半減期が長いため、メサドンを原因とする呼吸抑制にはナロキソン注入を要する場合がある。

吐き気および嘔吐

オピオイド誘発性の吐き気は、オピオイドを投与されている患者の最大3分の2で生じ、そのうち半数は嘔吐を生じる。 [55] オピオイドは前庭器官の感受性亢進、化学受容器引金帯に対する直接的作用、および胃内容排出の遅延を引き起こすことにより吐き気および嘔吐の原因となる。 [56] 制吐薬を、吐き気を生じるリスクのある患者で前もって開始するか、症状が生じた後に開始することができる。オピオイド誘発性の吐き気および嘔吐(OINV)に対する耐性が生じることがあり、症状は1週間以内に消失する。制吐薬による治療を行っても症状が持続する場合は、オピオイドローテーションを考慮するか、吐き気の他の原因を検討する。

OINVは化学療法誘発性の吐き気および嘔吐に対し使用されるものと同じ制吐薬の多くにより治療する。OINVに対しては多くの制吐薬レジメンが提案されているが、現在標準となるものはない。 [56] 化学受容器引金帯はドパミン、セロトニン、およびヒスタミンにより刺激される。メトクロプラミドは、制吐作用および運動促進作用により、特に魅力的な選択肢となりうる。プロクロルペラジンプロメタジン、およびオランザピンなどの他のドパミンアンタゴニストがOINVの治療に使用されている。体位変更により吐き気が悪化する患者に対しては、スポコラミンパッチ剤が有効であることが判明している。オンダンセロトンなどのセロトニンアンタゴニストを使用することができるが、既にオピオイド投与を受けている患者で便秘を悪化させる場合がある。

便秘

便秘はオピオイド治療で最も多い有害作用であり、患者の40~95%に生じる。 [57] モルヒネの単回投与後に生じることがあり、患者は一般にオピオイド誘発性便秘に対する耐性を生じない。慢性便秘により痔核形成、直腸痛、腸閉塞、および宿便を生じることがある。

オピオイドは、胃液分泌の減少および縦走筋収縮の弛緩により生じる蠕動運動の低下によって便秘を引き起こし、乾燥した硬い便を生じる。 [58] 便秘は脱水、不活動、および脊髄圧迫などの併存病態により悪化する。患者は緩下剤の服用に加え、十分な水分補給、繊維の摂取、定期的運動を維持することが推奨される。

オピオイドの開始とともに定期的な刺激性下剤を開始する。便軟化剤を加えてもさらなる有益性は得られない。 [59] [60] 緩下剤は1~2日ごとに1回の無理のない排便という目標が得られるまで漸増する。予防的処置を行っても便秘が持続する場合は、便秘の原因および重症度の追加的評価を行う。閉塞および宿便が除外された後は、便秘の他の原因(高カルシウム血症など)を治療する。

この状況で他との比較で、あるクラスの緩下剤を推奨する証拠はない。適切な薬物にはビサコジル、ポリエチレングリコール、水酸化マグネシウム、ラクツロース、ソルビトール、およびクエン酸マグネシウムなどがある。座薬は好中球減少症または血小板減少症の状況では一般に避けられる。

メチルナルトレキソンおよびナロキセゴールは、従来の緩下剤レジメンに対する反応が不十分であった患者におけるオピオイド誘発性便秘の治療について承認された末梢性オピオイド拮抗薬である。末梢性オピオイド拮抗薬の開始前に緩下剤を中止する。これらの薬物は、術後イレウスまたは機械的腸閉塞が疑われる場合は使用しない。 [61] [62]

痛覚過敏

「反復的薬物曝露後に疼痛抑制を維持するためにオピオイド用量を漸増させる必要性」と定義されるオピオイド誘発性痛覚過敏(OIH)は研究文献においてオピオイド耐性と鑑別されている臨床現象である。 [39] [63] [64] [65] [66]

その臨床的関連性はさらに研究する必要があり、またこの問題は臨床診療では正当に評価されていない可能性がある。

OIHが疑われる場合は、徹底的な病歴聴取および身体診察が適切となる。痛覚の変化およびオピオイド必要量の増加はOIH、オピオイド耐性、または疾患の進行により生じる可能性がある。OIHの診断および治療については、標準の推奨事項は存在しない。漸進的なオピオイド投与量減量の試行によりOIHによる疼痛の改善が得られることがある。しかし、これはオピオイド治療が必要な腫瘍患者にとって心理的に苦痛となる場合がある。オピオイド耐性が生じた場合は、オピオイドローテーションがしばしば用いられる戦略である。メサドンは、オピオイド受容体アゴニストおよびNMDA受容体アンタゴニストとしての作用機序を考慮すれば、切り替えるべき理想的オピオイドである。OIHと神経障害性疼痛の類似性を踏まえ、プレガバリンなどの補助薬の追加が推奨されている。 [39]

オピオイド内分泌障害

オピオイド内分泌障害(OE)とは、オピオイドが長期的に視床下部-下垂体-副腎軸および視床下部-下垂体-性腺軸に対し及ぼす作用である。オピオイドは視床下部のオピオイド受容体に作用し、ゴナドトロピン放出ホルモンの分泌を減少させる。 [67] これにより黄体化ホルモンおよび卵胞刺激ホルモンの分泌が減少し、最終的に性腺からのテストステロンおよびエストラジオールの分泌が減少する。この作用は男性および女性の両方で生じる。 [41] 患者は性欲減退、勃起障害、無月経または月経不順、乳汁漏出、うつ病、ホットフラッシュなどの性腺機能低下症の症状を呈することがある。

OEの治療法は十分に確立されていない。ある研究者グループがオピオイド誘発性アンドロゲン欠乏症の男性23人を対象に、テストステロンパッチ剤の24週間、オープンラベル、パイロット研究を実施し、アンドロゲン欠乏症の症状、性的機能、気分、うつ病、およびヘマトクリット値の改善を報告している。 [68] オピオイド使用に変化はなかった。OEの男性および女性に対し、リスク-便益についての十分な話し合いの後にホルモン補充療法を行うことがある。前立腺がんの男性ではテストステロン補充療法は禁忌である;乳がんおよび卵巣がんの患者ではエストロゲン補充療法が禁忌となる場合があり、重大な関連健康リスクが生じる。

オピオイド誘発性の免疫学的変化

オピオイドは、神経内分泌機序を通じ、および免疫細胞上のオピオイド受容体に対する直接的作用により免疫調節作用を生じる。 [69] オピオイドは免疫細胞の発達、分化、および機能を変化させ、免疫抑制を引き起こすことがある。 [40] オピオイドの種類が異なれば、免疫系に対する作用も異なる。マウスおよびラットのモデルでは、メサドンモルヒネより免疫抑制作用が少ない。対照的に、トラマドールはナチュラルキラー細胞活性を改善する。感染症リスクなどの、オピオイド誘発性免疫抑制の真の臨床的意義を判断するためにはさらなる研究が必要である。

オピオイドローテーション

以下のいずれかが生じた場合は、オピオイドローテーションつまり切り替えが必要となることがある: [70] [71]


  • 患者に、簡便な手段で管理可能な範囲を超える副作用が生じている。例えば、オピオイド誘発性の神経毒性(例、ミオクローヌス、幻覚、鮮明な夢、痛覚過敏、またはせん妄)がみられる場合はほぼ必ずオピオイドローテーションが必要となる。

  • 積極的にオピオイド投与量の調節を行っても疼痛コントロールが最適以下にとどまる。理想的には、あるオピオイドを早まって断念するのを避けるために、切り替えを行う前に、そのオピオイドを患者に対する最大許容濃度まで増量する。

  • 投与経路の変更(例、退院に備えて静脈内から経口に、または重度の嚥下痛のために経口から経皮に);腎/肝不全の発症による毒性を最小化する必要性(例、モルヒネからフェンタニルまたはメサドンへ);および費用の問題(例、長時間作用型オキシコドンからメサドンへ)などの諸般の事情により切り替えが必要となる。

変更するオピオイドはローテーションの理由に応じて選択される。強いオピオイドはすべて等鎮痛用量で同様の有効性および副作用プロファイルを有する。特定のオピオイドを示す予測因子は存在しないため、最適なオピオイドを同定するには経験的試行が必要となる。切り替えの理由がオピオイド誘発性の神経毒性の場合は、異なる薬物でありさえすれば、どのオピオイドに切り替えるかは問題とならないことがある。重要な点として、患者の希望、オピオイドの使用歴、投与経路、費用が最終選択を行う前に考慮が必要な事項となる。

外来緩和ケアの場における1件のオピオイドローテーションの研究から、一連の385人の患者の約3分の1が、主にコントロール不良の疼痛(83%)およびオピオイド誘発性の神経毒性(12%)のためにオピオイドローテーションが必要となったことが明らかにされた。 [72] 成功率は65%であり、疼痛改善の中央値は10ポイント中2ポイントであった(臨床的に重要な最小差は1ポイント)。 [73]

オピオイド使用に関連する障壁

がん性疼痛の治療における適切なオピオイド使用を阻む障壁に、医療提供者、患者、および社会のオピオイドに対する誤解がある。ある研究者グループが、オピオイド使用を阻む患者レベルの障壁を理解するために、オーストラリアにおける学術的診療で治療を受けているがん患者93人について調査した。 [74] 患者の3分の1が活動、気分、睡眠、生活の楽しみに悪影響を及ぼす高レベルの疼痛を報告した。高い割合の患者が依存症(76%)または副作用(67%)に関する懸念を報告した。さらに、患者は、疼痛が疾患の進行を示している(71%)、自分が医師の注意をそらせている(49%)、または自分が「よい患者」とみられないだろう(46%)という懸念を表した。 [74] 疼痛が重度の患者ほど副作用に関する懸念を表す可能性が高く、疼痛コントロールに対して従来と異なるアプローチを使用することが少なかった。結果は過去10年間の米国の患者についての調査のものと同様であった。 [75]

オピオイドの処方を阻む、医師が感じている障壁は患者のものと似ている傾向がある。 [76] 医師および他の医療提供者は、処方を阻む、例えば依存症に関する考え方を持っている。さらに、知識がかなり少ないことがオピオイドの不十分な投与および副作用への未対処につながっている。

オピオイドの処方およびコンプライアンスを阻む他の障壁にオピオイドの乱用および誤用のコストがあり、これは数百億ドルと推定されており、死亡率の増加を含む。 [77] 結果として、多くの州が処方薬物モニタリングプログラムを立ち上げており、またFDAはある種のオピオイド(速効性フェンタニル製剤など)についてREMSを求めており、これがオピオイド処方を阻むさらなる障壁となっている可能性がある。他の障壁としてオピオイドの処方集および医療費償還の不十分さまたは制約がある。

肝疾患

肝臓はオピオイドおよび大半の薬物の代謝および薬物動態において大きな役割を果たしている。肝臓は以下の2種類の代謝に関わる酵素を産生する:第1相代謝(修飾反応、CYP)および第2相代謝(抱合反応、グルクロン酸抱合)。 [28]

メサドンおよびフェンタニルは肝疾患による影響を受けることがなく、肝不全患者で選択される薬物である。 [78] [79]

モルヒネオキシモルフォン、およびヒドロモルフォンはもっぱらグルクロン酸抱合を受ける。CYP2D6はコデインヒドロコドン、およびオキシコドンを代謝する;CYP3A4およびCYP2D6はメサドンを代謝する;CYP3A4はフェンタニルを代謝する。 [28] 肝障害はCYP酵素およびグルクロン酸抱合のプロセス両方に影響を及ぼす。処方情報は肝障害患者に対するオピオイドの処方時に注意を払うことを推奨している。

肝硬変では、モルヒネの排出半減期が長くなり、最高濃度が上昇する。 [80] 中等度から重度の肝疾患ではオキシコドンおよびその主要代謝物であるノルオキシコドン両方の最高濃度が上昇し、曲線下面積(AUC)が増大する。 [81] 別の活性代謝物であるオキシモルフォンの最高血漿濃度およびAUCはそれぞれ30%および40%低下する。 [81]

オキシモルフォン自体はCYPを介した代謝を受けないが、オキシコドン投与量の一部はCYP2D6により代謝されてオキシモルフォンとなる。オキシコドンオキシモルフォンに変換されないことでオキシコドンおよびノルオキシコドンが蓄積し、関連して有害事象が増加することがある。肝疾患では、肝機能の悪化によりオキシモルフォンの生物学的利用能が上昇する。 [82]

腎機能不全

腎機能不全はモルヒネオキシコドンヒドロモルフォンオキシモルフォン、およびヒドロコドンの排泄に影響を及ぼす。メサドンおよびフェンタニルは腎不全患者で使用しても安全であるが、フェンタニルの肝抽出が尿毒症による影響を受けるとの証拠が若干存在する。 [83]

腎機能不全患者がヒドロモルフォンおよびモルヒネの投与を受けると、ヒドロモルフォンおよびモルヒネの代謝物の両方が蓄積し、神経興奮性有害作用が生じる可能性がある。モルヒネは薬物および代謝物の蓄積リスクが比較的高く、軽度腎不全患者で使用することは可能だが、十分な安全性を確保して有益性を得るために、投与間隔を延ばすか、1日量を減らして投与する必要がある。 [81] 第III期~第IV期の慢性腎臓病患者(糸球体濾過量59cc/分未満)では、モルヒネは望ましくない場合がある。 [81]

腎不全患者におけるヒドロモルフォンの安全性に関しては矛盾する報告がある。1件の症例シリーズが、腎不全患者に持続注入によりヒドロモルフォンを投与する場合に有害作用が増加することを示唆している。 [84] 他の症例シリーズは使用が安全であることを示唆している。 [85] 腎障害はモルヒネよりもオキシコドンに対し大きな影響を及ぼすが、有害事象を生じる活性代謝物の重大な蓄積は認められない。 [81]

オピオイドおよび依存症

米国では、1999年から2013年の間にオピオイド処方数と鎮痛剤による死亡数が4倍になった。 [86] 2013年単独では、200万人の米国人がオピオイドを乱用しているか、依存状態にあると推定されており、処方薬の過量投与に関連して22,767人が死亡した。オピオイドを処方されているがん患者のほとんどはオピオイドを安全に使用しているが、1件の研究では、最大8%のがん患者がオピオイド依存症になっている可能性があると推定された。 [87] したがって、がん患者の疼痛を治療している臨床医は患者を注意深く監視し、安全なオピオイド処方を採用することが重要である。 [88]

大半の患者はがん進行による疼痛発作などの急性事象の後にオピオイド治療を開始する。 [89] ときに、がん治療およびその作用によりオピオイド使用が増加することがある。オピオイドの投与を受けている全患者について乱用または依存症のリスク評価が必要である。 [89]

依存症は、害があるにも関わらず薬物を持続的、強迫的に使用することと定義される。他の多くの状態が依存症と誤認される可能性があるため、臨床家が両者を鑑別することが重要である。 [90] そのような状態には以下のものがある: [91] [92]


  • 異常行動:医師-患者関係においてできるだけ早期に確立された合意された治療計画の境界を越える行動。 [93]

  • ケミカルコーピング:感情的苦痛に対処するためのオピオイドの使用であり、不適切および/または過度のオピオイド使用を特徴とする。 [92]

  • 流用:処方薬を意図する使用者から別の個人に横流しすること。

  • 誤用:意図的か非意図的かに関わらない薬物の不適切な使用。

  • 身体依存:薬物の使用を急激に中止すると離脱症候群が生じる状態。

  • pseudo-addiction:依存症に似ているが疼痛緩和を得たいという望みにより促される、薬物ためこみ症などの行動を特徴とする状態;通常は過小治療の疼痛または将来的に疼痛が治療されなくなるという不安を示唆する。

  • 自己治療:うつ病または不安などのストレス因子または障害を緩和するために医療専門家に相談することなく薬物を使用すること。

  • 物質乱用:顕著な障害または苦痛につながる不適応な物質使用パターン。

  • 耐性:身体が一定量の薬物に対し耐性を生じることで鎮痛作用が低下する現象で、同じ鎮痛作用を得るために投与量の増量が必要となる。 [91]

以下の異常行動は依存症または乱用を示唆する場合があり、診断を下すためにさらなる評価が必要となる:


  • 薬物がさらに必要であるという積極的な訴え。

  • 症状が和らいでいる時期の薬物ためこみ症。

  • 他の医療ソースからの同様の薬物の取得。

  • 特定の薬物の要望。

  • 医師が意図しない精神的作用の報告。

  • 重度の症状がぶり返すことに関わる不安の表現を伴う、忍容できる有害作用に関わる治療変更に対する抵抗。

  • メンタルヘルス専門家への紹介に対する抵抗。

  • 別の症状を治療するための薬物の承認外の使用、または軽い症状に対する薬物の使用(例、軽度の頭痛に対するフェンタニルの使用)。

  • 1回または2回の未承認の用量漸増または他の治療に対する不遵守。

  • 複数のオピオイドに対する確証のない複数のアレルギー。

表6.オピオイド誤用評価用のリスク緩和ツールa

ツール 説明 解説
a出典:DiScala SL, Lesé MD: Chronic pain.In Murphy JE, Lee MW, eds.: Pharmacotherapy Self-Assessment Program.Book 2: CNS/Pharmacy Practice.Lenexa, Kan: American College of Clinical Pharmacy, 2015, p. 102.
Current Opioid Misuse Measure(COMM) 患者用の17項目の自己評価ツール 異常行動を同定する;既にオピオイド投与を受けている慢性疼痛患者用。
Diagnosis, Intractability, Risk, Efficacy(DIRE) 8項目のツール 慢性疼痛患者における長期的オピオイド使用のリスクを判定する;レジメンの有効性を評価する。
Opioid Risk Tool(ORT) 5項目のツール 異常行動または薬物関連行動を予測する。
Prescription Drug Use Questionnaire(Self-Report)(PDUQp) 31項目の自己評価ツール 慢性疼痛患者におけるオピオイド誤用を評価、予測する。
Pain Medication Questionnaire(PMQ) 26項目のツール 慢性疼痛患者におけるオピオイド誤用リスクを評価する。
Screening Instrument for Substance Abuse Potential(SISAP) 5項目のツール 物質乱用の既往およびオピオイド誤用のリスクのある患者を評価する;プライマリケアの場で使用される。
Screener and Opioid Assessment for Patients with Pain(SOAPP)Version 1.0 24項目の自己評価 慢性疼痛患者における長期的オピオイド治療のリスクを評価する。
Screener and Opioid Assessment for Patients with Pain—Revised(SOAPP-R) 24項目の自己評価 既にオピオイドの投与を受けている患者、またはこれから開始する予定の(治療開始前の)患者を評価する。


オピオイド乱用の危険因子には喫煙、精神疾患、小児期の性的虐待歴、および物質乱用の個人歴または家族歴などがある。 [90] スクリーニングツールはリスク評価に有用である。一般的なツールとしては、Opioid Risk Tool(ORT) [94] 、Screener and Opioid Assessment for Patients with Pain-Revised(SOAPP-R) [95] 、およびScreening Instrument for Substance Abuse Potential(SISAP)がある。 [91] [96] どのツールを使用するかは診療のタイプに応じて選択する。ORTは短いものであり、多忙な診療において有用である。 [91]

リスク評価は、最小限の構造からさらなる構造にわたる場合のある治療の構造を決定する。高度に構造化されたオピオイド治療では、頻回の受診、処方当たりの錠数の制限、他の専門家の利用、および尿中薬物検査などのアプローチが必要となる。 [90] opioid agreementsは患者に期待される内容の概略を示し、薬物保管に関する教育を行い、許容できるまたはできない行動について詳しく説明する。 [97] 患者には、流用されないように「自分の財布のように」薬物を守る必要があることを教える。さらに、長期的オピオイド使用に関する州のガイドライン、州の処方薬物モニタリング、および薬剤師の利用により依存症行動が悪化する可能性を低減できる場合がある。 [98]

ランダムな尿中薬物検査はオピオイド治療に対する反応が不十分な患者および長期にわたりオピオイドの投与を受けている患者に対し用いられる。 [99] 尿中薬物検査で処方されたオピオイドが認められない場合は流用またはためこみを示唆することから有用となりうる;他の非処方薬または違法物質の併用が明らかになった場合も情報価値が高い。多様な種類の尿中薬物検査が利用できるため、臨床家は自分の地域で利用可能な検査の種類および解釈についてよく理解するとよい。臨床家の検査室で問題の物質の同定が可能である。臨床家は、治療開始時、偶発的に、または長期的オピオイド治療への移行時に必要とするなど、尿中薬物検査をさまざまな形で使用する。リスク評価は尿中薬物検査の頻度を判断するのに役立つ。 [99]

薬理学的な抑止(pharmacologic deterrence)が、オピオイドの使用による多幸感を得にくくすることで誤用および乱用を思いとどまらせるよう設計された別の選択肢として登場している。 [99] オピオイドの生物学的利用能の上昇を阻む障壁を作り出すことが薬理学的な抑止の1つの方法である。アプローチには、製剤へのオピオイド拮抗薬の追加 [100] またはあまりに多くの錠剤を服用した場合に口内の味を悪くするニコチン酸の追加がある。 [101] 破砕または化学抽出により得ることのできない基質にオピオイドを包埋することも別の薬理学的な抑止手段である。 [102]

ガバペンチンおよびプレガバリン

ガバペンチンおよびプレガバリンは抑制性神経伝達物質であるγアミノブチル酸(GABA)に構造的に関連しているが、GABA結合に対し作用を生じない。その代わりに、電位開口型カルシウムチャネルのα2δ-1サブユニット結合し、これにより疼痛関連感覚ニューロンの興奮性を低下させる可能性がある。このような薬物は神経障害性疼痛症候群の治療(詳しい情報については、本要約の神経障害性疼痛に対するアプローチのセクションを参照のこと)において、およびオピオイドと併用する補助薬として幅広く研究されている。

このような薬物は鎮静、めまい、末梢浮腫、吐き気、運動失調、および口渇を引き起こすことがある。ガバペンチンを最大3,600mg/日まで、およびプレガバリンを300mg/日まで徐々に漸増することが、用量依存性の鎮静およびめまいに有用となる。さらに、鎮静に耐える上で役立つよう、ガバペンチンの開始量を就寝時に投与することができる。両薬物の用量は腎機能障害の患者では調節する必要がある。 [10] [103]

ベンラファキシンおよびデュロキセチン

抗うつ薬のベンラファキシンおよびデュロキセチンが神経障害性疼痛症候群の治療において若干の有効性を示している。ベンラファキシンおよびデュロキセチンは元来うつ病について承認されたセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるが、両薬は化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)の治療に適応外で使用されている。セロトニンおよびノルエピネフリンはいずれも鎮痛作用において重要な役割を果たす。

デュロキセチンの一般的投与量は30~60mg/日である。副作用としては吐き気、頭痛、疲労、口渇、および便秘がある。 [104] デュロキセチンは肝障害患者および重度の腎障害患者では避けられ、出血リスクを高める。

ベンラファキシンは低用量でセロトニンの再取り込みをより強く阻害し、高用量ではノルエピネフリンの再取り込みをより強く阻害する;CIPNの緩和には比較的高用量が必要となる。 [105]

ベンラファキシンは37.5mgで開始することができ、最大量は225mg/日である。有害作用としては、比較的高用量での吐き気、嘔吐、頭痛、傾眠、および高血圧がある。これらの作用は長時間作用型製剤の使用により減少する。ベンラファキシンは双極性障害患者または痙攣発作の既往のある患者では注意して使用し、腎または肝不全患者では用量調節する。ベンラファキシン中止の判断を行う場合は、離脱症状を最小化するために徐々に漸減させる方法が役立つことがある。

三環系抗うつ薬(TCA)

TCAのアミトリプチリンデシプラミン、およびノルトリプチリンが多くの神経障害性疼痛症候群の治療に使用される。これらの薬物はセロトニンおよびノルエピネフリンの再取り込みを遮断することで痛覚抑制経路を亢進させる。

TCAには抗コリン作用、抗ヒスタミン作用、および抗アドレナリン作用があり、口渇、眠気、体重増加、および起立性低血圧を生じる。顕著な薬物相互作用が懸念となり、抗コリン薬、向精神薬、クラスIC抗不整脈薬、および選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)との相互作用などが生じる。このような有害作用および薬物相互作用のため、TCAは高齢患者、痙攣性疾患患者、および既存の心疾患のある患者では注意して使用する。

コルチコステロイド

がん性疼痛の治療におけるコルチコステロイドの有効性を示す高品質のデータは存在しない。文献の系統的レビューから4件のランダム化比較試験が得られ、コルチコステロイドががん性疼痛の治療において中等度の活性を有することを示唆する低グレードの証拠が存在すると結論付けられている。 [106] 小規模だがデザインの優れた研究から、短期的(7日)にオピオイド鎮痛薬にコルチコステロイドを追加することには有益性がないことが示されている。 [107]

十分な証拠がないものの、コルチコステロイドはしばしば臨床の場で使用されている。コルチコステロイド(デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾン)が骨、神経障害、悪性腫瘍による腸閉塞に起因するがん性疼痛に対する鎮痛補助薬として使用されることがある。鎮痛作用の機序には炎症の緩和、腫瘍周囲の浮腫の緩和、神経活動および神経可塑性の調節などがある。 [108]

この状況でのコルチコステロイドの投与量は確立されていないものの、推奨はデキサメタゾン1~2mgまたはプレドニゾン5~10mg X 1~2/日などの低用量による試験的治療 [109] 、デキサメタゾンを10mg X 2/日までの範囲がある。 [110] 1件のランダム化試験では、デキサメタゾン(放射線療法実施日とその後の4日間は毎日8mg)により、プラセボと比較して疼痛フレア発生率が低下することが実証された。 [111] (詳しい情報については、本要約の外照射療法のセクションを参照のこと。)即時的副作用には高血糖、不眠、免疫抑制、および精神疾患などがある。ミオパチー、消化性潰瘍、骨粗鬆症、およびクッシング症候群といった重篤な長期的作用があるために短期的使用が推奨される。3週間を超えて服用する場合は、可能であれば疼痛の改善時にコルチコステロイドを漸減させる。コルチコステロイドを長期的に継続する場合は、感染予防を考慮する。デキサメタゾンはミネラルコルチコイド作用を減らし、体液貯留を減少させることから望ましいが、チトクロムP450を介した薬物相互作用を示す。

ビスホスホネート系薬物およびデノスマブ

ビスホスホネートの薬物クラスは破骨細胞性骨吸収を阻害し、骨に転移したがんと関連する骨痛および骨関連事象を減少させる。パミドロン酸およびゾレドロン酸は骨転移を来した患者のがん関連骨痛を緩和し、鎮痛薬使用を減らし、QOLを改善する。 [112] [113] [114] [115] 乳がん患者および骨髄腫患者におけるこのような骨修飾薬の使用についての米国臨床腫瘍学会(ASCO)ガイドラインは、これらを単剤療法ではなく、鎮痛薬および非薬理学的介入を含む治療レジメンの一部として使用すべきであることを明記している。 [116] [117] ビスホスホネート系薬物は、発熱、インフルエンザ様症状、関節痛、および筋痛を特徴とする急性期反応を引き起こす場合があり、投与後最長3日間続くことがある。さらなる有害作用に腎毒性、電解質平衡異常、および顎骨壊死などがある。 [118] [119] [120] 腎機能障害患者に対しては用量を調節する。

デノスマブは、NFκB活性化受容体リガンド(RANKL)を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体であり、前破骨細胞の活性化を防ぎ、主に骨転移の治療で使用される。ゾレドロン酸をデノスマブと比較した6件の試験のレビューで、デノスマブについて疼痛が悪化するまでの期間の延長がより長いことが示された(相対リスク、0.84;95%信頼区間、0.77-0.91)。 [121]

デノスマブは骨髄腫患者では避けられるが、これは1件の試験のサブグループ解析がこの患者集団における死亡率の増加を示唆したためである。 [119] ゾレドロン酸との比較で、デノスマブは有害作用が似ており、腎毒性が低く、低カルシウム血症が多い。腎機能障害に対して調節は行われないが、クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の患者は低カルシウム血症を生じるリスクが高い。デノスマブは、皮下注射投与製剤であり、静脈内注入投与製剤ではないため、ゾレドロン酸より便利だが、費用対効果は顕著に低い。

ケタミン

ケタミンはFDA承認の解離性全身麻酔薬であり、オピオイド抵抗性がん性疼痛の治療に麻酔量以下の用量で適用外使用されている。がん性疼痛の治療におけるオピオイドに対する補助薬として使用されたケタミンについての2012年のコクランレビューは、この状況における有効性を評価するための証拠は不十分であると結論している。 [122]

臨床的有益性が実証されておらず、顕著な有害事象が生じ、CYP3A4関連薬物相互作用が生じることから、がん性疼痛の治療におけるケタミンの有用性は限定的である。ケタミンはNMDA受容体アンタゴニストであり、低用量で鎮痛作用を生じ、 中枢性感作を調節し、オピオイド耐性を回避する。しかし、コントロール不良の慢性がん性疼痛患者を対象にケタミンを皮下投与したランダム化プラセボ対照試験では、患者のオピオイドレジメンにケタミンを追加した場合の臨床的純有益性は示されなかった。 [123] 薬物有害反応には高血圧、頻脈、精神異常発現作用、頭蓋内圧および眼圧の上昇、鎮静、せん妄、および膀胱機能障害などがある。


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疼痛コントロールの方法:その他のアプローチ

疼痛の処置

世界保健機関(WHO)のガイドラインを用いた薬理学的治療により大半のがん性疼痛が効果的に管理される一方で、約10~20%の患者は治療抵抗性の疼痛を示すか過度の副作用を生じる。 [1] 治療抵抗性の疼痛または特異的な局所的疼痛症候群を有する患者に対しては、WHOの疼痛緩和ラダーに対する第4のステップとして疼痛治療に対する介入的アプローチが提案されている。以下に、いくつかの一般的介入およびその有益性の証拠について検討する。

神経ブロック

腹腔神経叢ブロックは、主に膵がんにより上腹部痛を生じた患者に対して使用され、最もよく用いられる交感神経経路の神経破壊ブロックであり、下腹部痛または骨盤痛患者に対する上下腹神経叢ブロックおよび不対神経節ブロックが続く。従来、自律神経ブロックは経口オピオイドに対する反応性が不十分な患者にのみ用いられていたが、一部の研究者がこの介入 - 疼痛緩和、オピオイド消費の低減、パフォーマンスステータスの改善、合併症の少なさと関連している - が第一選択アプローチとみなされていることを示唆している。 [2] [3]

局所疼痛を有する患者に対しては、局所麻酔薬を注入する末梢神経ブロックにより局所疼痛のコントロールを得ることができる。このアプローチは大腿神経、坐骨神経、脊椎傍体神経、腕神経叢、胸膜腔内神経などのあらゆる末梢神経に適用することができる。 [4]

鎮痛法の脳脊髄幹送達

患者に、高用量のオピオイドおよび他の鎮痛薬を投与しても持続する疼痛がある場合、または、せん妄、鎮静、または吐き気などの経口オピオイドに対する耐え難い副作用が生じる場合は、代替送達経路を検討してもよい。オピオイドの静脈内投与と比較して、硬膜外および髄腔内の送達経路はそれぞれ10倍および100倍強力である。このような送達経路により、高用量の鎮痛薬を、より少ない体内吸収および副作用で投与することが可能となる。 [5]

患者を植込み型薬物デリバリーシステムまたは包括的な内科的管理のいずれかにランダムに割り付けた1件の研究で、植込み型ポンプによる鎮痛薬投与を受けた患者は6ヵ月時点で疼痛が少なく、毒性が低く、生存期間が長いことが認められた。 [6] 他の研究では延命効果は持続しなかったが、髄腔内ポンプは治療抵抗性の疼痛および余命が3ヵ月を超える選択された患者に対する選択肢となりうる。 [7] しかし、髄腔内ポンプによりケアが必要であることと費用の問題から患者がホスピスケアを利用することが困難となる場合があり、また髄腔内ポンプでは主に心理的苦痛に関連する疼痛を効果的に治療することができない。 [8] 余命がより短い患者では、硬膜外カテーテルの留置が安全かつ効果的な手法となりうる。 [4]

脊髄切断術

脊髄切断術は他のアプローチに対し抵抗性を示す疼痛に対してのみ用いられるが、現在ではあまり一般的には行われていない。これは胴から下肢への片側性の体性痛の治療に最も効果的である。入手可能な文献から高率の有効性が示唆されており、処置直後に60~80%で完全な疼痛緩和が得られ、12ヵ月後には50%に低下していた。脊髄切断術は一般に余命が2年以内と考えられ、他のアプローチに対し抵抗性の疼痛を有する患者でのみ用いられており、観血的または経皮的に実施できる。 [9] [10] [11]

局所的疼痛症候群の患者または漸増全身薬物療法に対し抵抗性の疼痛を有する患者については、がん専門医は疼痛専門医または神経外科医と相談し、疼痛コントロールのための介入的アプローチを検討してもよい。

緩和ケアの紹介

緩和ケアは、患者および家族の両方についてQOLを最大化することを目標とする、重篤な疾患患者に対する専門的医療であり、疼痛および他の非疼痛症状の専門家による評価および管理を提供することができる。緩和ケア提供者は、医師、看護師、メンタルヘルス専門家、社会福祉士、牧師、ときに薬剤師および栄養士を含む集学的チームを組んで働く。治療抵抗性の疼痛、顕著な非疼痛症状、または強い心理社会的苦痛を有する患者に対しては、利用可能であれば、緩和ケアへの紹介が適切となる場合がある。多くの緩和ケアチームが現在は、支持療法チームと自称しているが、これはこの用語の方が多くの紹介者および患者と家族に受け入れられているためである。 [12] [13]

緩和ケア専門家は複数の併存症を有する患者、高用量のオピオイドが必要な患者、および疼痛管理および推奨される薬物の服薬遵守を複雑化しうる物質乱用または複雑な心理社会的動態の既往のある患者の管理にも有用な場合がある。大半の緩和ケア専門家は疼痛に対しメサドンの使用経験がある。

がん治療に統合された専門的緩和ケアの役割は十分に研究されており、研究は専門的緩和ケアを早期にがん治療に統合することで患者および家族双方の症状の負担を軽減し、QOLを高め [14] [15] [16] [17] 、延命しうることを示している。 [14] (詳しい情報については、進行がんにおける終末期ケアへの移行計画に関するPDQ要約を参照のこと。)

外照射療法

症状緩和目的の放射線療法は進行がんに関連する疼痛に対する効果的な方法である。骨転移、皮膚病変、または孤立性腫瘍病変に関連する疼痛は短期間の放射線療法により緩和しうる。

骨転移に対しては、放射線照射はしばしば8Gyの単回照射、20Gyの5分割照射、24Gyの6分割照射、30Gyの10分割照射として行われる。3,435例からなる11件のランダム化試験を含むコクランレビューから、骨痛に対する単回放射線療法により、多分割放射線療法との比較で、同様の全奏効率(60% vs 59%)および完全奏効率(34% vs 32%)が得られたことが示されている。 [18] しかし、単回放射線療法を受けた患者では再治療(22% vs 7%)および病的骨折(3% vs 1.6%)が高率で生じた。 [18] この所見は他の系統的レビューと一致していた。 [19] Dutch Bone Metastasis Studyでは、最初の疼痛緩和までの平均期間は3週間であり、最大効果は4~6週間で得られ、反応の平均期間は約30週間であった。 [20] [21] 単回放射線療法には、次のようないくつかの潜在的な利点がある:放射線療法を実施する施設への通院、放射線治療ベッドへの上り下りに伴う高い利便性、低コスト、突出痛の少なさ。

初回放射線療法により疼痛緩和を得られなかったまたは部分的にしか得られなかった、または初期反応の後に疼痛の悪化を生じた選択された患者では再照射を考慮してもよい。再照射は一般的に初回放射線療法の少なくとも4週間後に行う。骨転移に対する再照射を検討した系統的レビューが15件の研究を対象とし、20%の完全奏効率および50%の部分奏効率を報告した。 [22] 再照射は一般的に忍容性良好であった。脊髄圧迫および病的骨折などの重篤な有害作用はまれであった(3%未満)。1件のランダム化比較試験が単回再照射(8Gy)を分割再照射(5日間で20Gy)と比較し、intention-to-treat解析で2ヵ月時点の奏効率が同様であることを認めている(28% vs 32%;P = 0.02)。 [23]

疼痛性骨転移に対する症状緩和目的の放射線療法で起こりうる副作用は、疼痛レベルの一時的増加、すなわち、疼痛フレアである。疼痛フレアは約40%の患者で生じ、かなりの苦痛をもたらすことがある。1件の研究 [24] により、298人の患者(単回で8Gyの線量の放射線を受けるように計画された)がプラセボまたはデキサメタゾン、0~4日目に8mgを受ける群にランダムに割り付けられた。デキサメタゾン群の患者では疼痛フレアを経験することが少なかった(26% vs 35%;P = 0.05)。重篤になる可能性がある高血糖症は、デキサメタゾン群患者の2人でのみみられた。本研究から、この設定におけるデキサメタゾンの予防的な使用が支持される。

放射性核種

複数部位に症候性骨芽細胞性骨転移を有する患者では、β放射体であるストロンチウム-89またはサマリウム-153などの放射性核種を検討してもよい。2件の二重盲検ランダム化試験が、疼痛コントロールおよび鎮痛薬使用の低減をもたらす上でプラセボよりサマリウム-153が優れていることを裏付けている。 [25] [26] 全奏効率は30~80%とさまざまであり、最初の1週間以内に疼痛緩和の発現がみられる;一部の患者は長期的有益性を報告している(最長18ヵ月)。最も一般的な毒性は疼痛フレアおよび血球減少症である。疼痛フレアは一般的に約10%の患者で投与後24~48時間で生じ、コルチコステロイドまたはオピオイドにより治療できる場合がある。 [27] 白血球減少および血小板減少が認められることがあり、治療の4週間後に最低の状態となり、8週間後までには回復する。放射性核種療法に対する禁忌には、パフォーマンスステータスの不良(カルノフスキーのパフォーマンスステータスが50%未満)および余命の短さ(3ヵ月未満)がある。

ラジウム-223(α放射体)が去勢抵抗性前立腺がん患者での使用について承認されている。第III相ランダム化試験がラジウム-223とプラセボを2:1の比率で比較した。登録された921例の症候性患者のうち、ラジウム-223の投与を受けた患者は、全生存期間の長さに加え(14.9ヵ月 vs 11.3ヵ月、P < 0.001)、最初の症候性骨事象までの期間が長かった(15.6ヵ月 vs 9.8ヵ月、P < 0.0001)。 [28]

物療医学およびリハビリテーション

がんおよび疼痛を有する患者は体力、運動機能、および、最終的に疼痛の原因(例、椎骨転移、偶発痛、および非悪性の慢性疼痛)に続発する機能的状態の喪失を来すことがある。このため、疼痛および機能的状態が理学療法または作業療法、筋力強化および伸展のための治療、ならびに補助具の使用により改善することがある。 [29] 包括的計画を立てることのできる理学療法医(リハビリテーション医学を専門とする医師)への紹介が患者の利益となることがある。さらに、一部の理学療法医は介入的鎮痛医学の診療を行っている。

補完療法

がん患者はしばしば補完または代替医療または介入(CAM)を利用する。 [30] 明示されているCAMの有益性の1つが疼痛緩和である。しかし、がん関連疼痛についての多施設、ランダム化、比較試験のメタアナリシスは、方法論的欠陥により、数少ない入手可能な研究の解釈が妨げられていると結論付けている。鍼治療、支援グループ、催眠、生薬系サプリメントについて、CAMを支持する短期的なプラスの効果が認められている。 [31] (詳しい情報については、統合医療、代替医療、補完医療に関するPDQ要約を参照のこと。)


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疼痛治療のための一般的アプローチ

意思決定アプローチ

疼痛管理は複雑さにおいて大きな幅がある。意思決定過程では多くの患者関連および疼痛関連因子の注意深い検討が必要となる。これらには、一部を挙げれば、疼痛機序、疼痛の表現、治療歴、利用可能な選択肢、および予後などがある。管理の指針を立てるにあたり特定の疼痛症候群を認識することが有用となる。

体性痛に対するアプローチ

筋肉、皮膚、関節、結合組織、または骨に生じた損傷および/または炎症により侵害受容経路が活性化し、体性痛が生じる。この種の疼痛はしばしば明確に限局しており、鋭い、うずくような、ずきずきする、および/または刺すような性質のものと描写され、しばしば動きにより悪化する。この疼痛はアセトアミノフェン、抗炎症薬、およびオピオイドにより管理できることが多い。がん患者においては転移に関連する骨痛が特に多いため、以下に詳しく検討する。

骨痛

転移性病変による骨痛はがん患者における疼痛の原因として最も一般的なものの1つである。 [1] [2] 骨は機械的損傷に敏感な受容体を持つ、高度に神経支配されている組織である。 [3] がん細胞および免疫細胞による破骨細胞活性および炎症性サイトカイン放出の増加を原因として虚脱する骨基質に神経線維が絞扼されることも、骨痛の病態生理において中心的なものである。 [3] 患者は一般的に疼痛を持続的、深い、ずきずきすると表現し、動きによりしばしば誘発されるより重度の疼痛の短期的エピソード(すなわち、偶発痛の一種)を伴う。

大半の患者は十分な疼痛の緩和を得るためにモルヒネまたは当量のオピオイドを必要とするが、偶発痛は反応性が比較的弱い。非ステロイド性抗炎症薬およびコルチコステロイドなどの補助薬がしばしば処方され、中等度に有効かつ安全と考えられる。 [4]

臨床家は、鎮痛作用をもたらすことに加え、機能的状態の喪失またはさらなる疼痛につながる可能性のある、さらなる骨格状態の脆弱化を予防するようデザインされた治療を取り入れる。ビスホスホネート系薬物(ゾレドロン酸またはパミドロン酸)またはデノスマブなどの骨を標的とする薬物(詳しい情報については、本要約のビスホスホネート系薬物およびデノスマブのセクションを参照のこと)が進行がん患者における将来の骨格関連事象を減らし、疼痛増大またはオピオイド使用増加を低減することが実証されている。 [5]

症状緩和目的の放射線療法は治療した患者の最大80%で完全または部分的な疼痛緩和をもたらす;緩和期間の中央値は6ヵ月を超える。 [6] (詳しい情報については、本要約の外照射療法のセクションを参照のこと。)

最後に、病的骨折を予防および/または治療するための外科的介入が必要かどうかを判断するために、整形外科医との相談がしばしば必要となる。

内臓痛に対するアプローチ

内臓痛とは内臓を神経支配している侵害受容器に起始するタイプの侵害受容性疼痛である。内臓痛のいくつかの特徴から治療アプローチのための情報が得られる:

  1. すべての内臓に侵害受容器があるわけではない。一般的に、管腔臓器(胃、腸、膀胱、および尿管)は神経支配されており、機械的、炎症、および化学的に誘発された損傷に反応する。例えば、肝臓または脾臓から生じる感覚は一般的に被膜の膨張により引き起こされる。
  2. 内臓損傷の程度および知覚される疼痛の強度の間の相関関係は限定的である。 [7]
  3. 内臓痛の原因はしばしば限局化が困難である。関連痛が実際の罹患臓器とはかけ離れたものとして知覚されることがある(例、脾損傷による肩関節痛)。
  4. 感作現象では、胃炎が胃についての過剰な認識または痛覚過敏関連蠕動運動を引き起こすなど、臓器の正常な活動が疼痛として知覚される。

オピオイドは現在も重度または苦痛をもたらす内臓痛についての中核的治療法である。 [8] 他の介入に反応しうる基礎的原因(例、腸閉塞)を検索するための放射線検査も重要である。

神経障害性疼痛に対するアプローチ

神経障害性疼痛を示唆する特徴を持つ疼痛はがん患者ではよくみられ、顕著なマイナスの影響をもたらしうる。がん患者1,051人を対象とした1件の研究では17%が神経障害性疼痛を生じていた。このような患者は、侵害受容性疼痛を有する患者よりも身体的、認知的、および社会的機能の悪化を報告することが多く、鎮痛薬を多く投与され、オピオイドの投与量が多く、パフォーマンスステータスが悪かった。 [9] 神経障害性疼痛はオピオイドに対する反応性が低いと考えられている。オピオイドに代わる、またはオピオイドに追加する複数の治療選択肢が研究されている。このような研究の大半は非悪性の原因による神経障害性疼痛患者を対象に実施されたもので、神経障害性疼痛の病因が異なるがん患者に対し適用可能ではない可能性がある。

ガバペンチンは神経障害性疼痛に対し第一選択の設定での単剤療法として、もしくはオピオイド、三環系抗うつ薬(TCA)、または他の薬物で十分な緩和が得られない場合は併用療法で使用することができる。コントロール不良のがん関連の神経障害性疼痛に対し、ガバペンチンをオピオイドに追加した場合に鎮痛作用が改善した。 [10] [11] ガバペンチンをオピオイドレジメンに対する補助として使用した場合、疼痛コントロールの改善は4~8日以内に認められた。 [12] 「明らかな」神経障害性疼痛を有する120人のがん患者を対象にプレガバリンをフェンタニルと比較したオープンラベル研究では、視覚アナログ尺度による測定で、30%以上の疼痛低減を報告した患者はプレガバリン群(73.3%)の方がフェンタニル群(36.7%)より2倍多かった。 [13] 神経障害性がん性疼痛の研究で、アミトリプチリン、ガバペンチン、またはプラセボによる単剤療法との比較で、プレガバリンの使用は疼痛スコアの有意な減少を生じた。 [14]

注目すべきこととして、主に非悪性の原因による神経障害性疼痛患者を対象とした神経障害性疼痛の1件の体系的レビューでは、ガバペンチンおよびプレガバリンの作用はそれほど強くないようであった。 [15] ガバペンチンまたはプレガバリンをTCAおよびセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)と直接比較したデータは、特にがん患者では限定的である。TCAおよびSNRIの有効性は同等とみられ、一部の症例では、ガバペンチンまたはプレガバリンより優れているようであった。(詳しい情報については、本要約の化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)のセクションを参照のこと)。副作用および薬物間相互作用に関する懸念のために、多くの医師は神経障害性疼痛に対する第一選択治療をガバペンチンまたはプレガバリンにより開始する傾向がある。しかし、後述のように、特定の神経障害性症候群はこれらの薬物にあまり反応しない場合がある。(詳しい情報については、本要約の開胸後疼痛症候群および化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)のセクションを参照のこと。)神経障害性疼痛患者での使用におけるリドカインパッチ、トラマドール、局所適用カプサイシン、およびA型ボツリヌス毒素についても研究で検討されているが [15] 、結果ははっきりしない。

乳房切除術後疼痛症候群

乳房切除術後疼痛の発生率は25~33%の範囲であり [16] [17] [18] [19] 、一般的な合併症となっている。乳房切除術後疼痛を有する女性は、身体的、感情的、精神的健康問題による役割の制約を述べることが多い。 [16] 乳房切除後疼痛と手術、放射線療法、および化学療法の程度との関連性は研究間で一貫していない。1件の横断研究で、乳房切除術後疼痛と抑うつ、不安、身体化、および大げさに述べるなどの心理社会的因子との間の関連性が認められた。 [17] [19]

いくつかの小規模研究が術中または術後すぐに投与された麻酔薬の作用を検討しており、さまざまな結果が得られている; [20] あるグループは注入中の疼痛の減少を認めたが、注入後12ヵ月後までの有益性は認めなかった。 [21] [22] ベンラファキシンまたはガバペンチンを手術の前日から10日間使用することで乳房切除後疼痛が低減することがある [23] が、検証的研究が必要である。

開胸後疼痛症候群

開胸手術の2ヵ月後に生じる疼痛として定義される開胸後疼痛症候群は約50%の患者で生じ、過少報告および過小治療されている可能性がある。疼痛は術中、および術後の胸腔ドレーンによるドレナージによる肋間神経の損傷に関連すると考えられている。疼痛には神経障害性および非神経障害性の両方の要素がある。 [24]

オピオイドおよび非オピオイド鎮痛薬が治療の標準的アプローチの一部である。手術直後の期間におけるいくつかのアプローチが研究されている。5%リドカインパッチのオープンラベル無対照研究で術後1ヵ月後に1疼痛スコアの改善が示されている。 [25] 1件の経皮的電気神経刺激についての小規模ランダム化試験が、手術直後の期間における疼痛低減ならびにモルヒネおよび非オピオイド鎮痛薬の使用減少を実証している。 [26] 術中冷凍無痛法にランダムに割り付けられた患者は、プラセボとの比較で術後最長60日の時点で疼痛が少なく、最初の3日間の鎮痛薬使用が減少したことが認められた。 [27] これらの結果を検証するためにはさらなる研究が必要である。ガバペンチンを術前に開始し、術後5日間かけて漸増させたランダム化、二重盲検、プラセボ対照研究において、ガバペンチンは有益性を示さなかった。 [28]

化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)

末梢神経障害は化学療法の一般的な毒性作用であり、主に感覚神経障害である。患者は「靴下・手袋型」の分布でしびれおよびチクチク感を報告する。CIPNは白金化合物(例、重症度の高い順にオキサリプラチン、シスプラチン、およびカルボプラチン)、タキサン系薬物(例、パクリタキセル、ドセタキセル)、サリドマイド、およびビンカアルカロイド系薬物に関連することが最も多い。比較的新しい薬物では、イクサベピロン、レナリドミド、ポマリドミド、およびボルテゾミブが原因として多い。これらの薬物では、CIPNにより化学療法の投与量が制限され、これにより治療転帰に影響を及ぼすことがある。 [29] タキサン系薬物による治療を受けた女性のシリーズでは、およそ4人に1人がCIPNを報告した。 [30] CIPNは化学療法の中止または終了後に改善することが多いが、一部の患者、特にタキサン系薬物による治療を受けた患者では、1年以上にわたり症状が長引くことがある。 [31]

CIPNに対する治療を評価した研究は、小規模であることおよびオープンラベル比較であることなどの方法論的欠陥を抱えている。定義されたエンドポイントの違いによっても研究間の比較が困難となっている。デュロキセチンは、CIPNの治療における有効性が大規模第III相研究のデータにより裏付けられている唯一の薬物である。 [32] ある研究者グループが、デュロキセチンを最大60mg/日まで漸増された患者の疼痛スコアのプラセボとの比較での平均低下が0.73であったことを認めている。患者は日常機能およびQOLの改善も生じた。 [32] 統計的に有意ではあるものの、0から10の疼痛スケールでの1未満の差(0.73)は臨床的に重要ではないと主張する研究者もいる。ガバペンチンは、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験において単剤療法として使用された場合に、CIPNにおける有益性を示さなかった。 [32] [33]

研究者がオキサリプラチン誘発性急性神経障害の予防および緩和におけるベンラファキシン使用について研究し、治療後3ヵ月の時点で急性神経障害の有意な減少および緩和の増大を認めている。 [34] ベンラファキシンの抗酸化作用がオキサリプラチンの有効性を低下させる可能性があるため、ベンラファキシンの予防的使用には躊躇がある。米国臨床腫瘍学会(ASCO)のCIPNガイドラインは、既存データに強さがないことから、CIPNに対するベンラファキシンのルーチンの使用を推奨していない。 [35]

CIPNにおけるノルトリプチリンおよびアミトリプチリンの有効性の証拠は、小規模でしばしば検出力の低い試験での相反する結果に限定されている。 [36] [37] [38] ASCOガイドライン [35] は、既存のCIPNの治療に対し一般に処方されている多くの薬物の使用を推奨しておらず、CIPNの予防についてはいかなる薬物も推奨していない。治療について、同ガイドラインは前述のランダム化比較試験に基づいて、現在の最善の証拠はデュロキセチンの使用を支持していることを示唆している。 [32] 研究で結論が出なかったにも関わらず、著者らは、他の種類の神経障害に対するこれらの薬物の有益性を裏付ける証拠およびこの状況における有効な代替薬が相対的に存在しないことに照らし、TCA、ガバペンチン、および外用バクロフェン/アミトリプチリン/ケタミンの試行が妥当となりうることを示唆している。 [39]

処置に伴う急性疼痛に対するアプローチ

骨髄生検および穿刺

骨髄生検および穿刺は84%の患者で疼痛を引き起こし、強度は8~35%で重度と報告されている。 [40] 疼痛の強さに関連する因子には処置時間の長さ(10分を超える)、若年、肥満指数の高さ、女性、不安、検査部位(胸骨が最も痛い)、処置前に与えられた情報の不十分さ、医師の経験不足がある。 [41] 疼痛コントロールに対する薬理学的介入は局所麻酔 [42] からベンゾジアゼピン系薬物および/またはオピオイドの静脈内鎮静法 [43] 、亜酸化窒素吸入の使用、 [44] オピオイドの前投薬までさまざまである。不安への対処は重要な非薬理学的介入である。 [41]

腰椎穿刺

腰椎穿刺は、血液悪性腫瘍および中枢神経系に生じた固形腫瘍に対する診断および病期分類ツールである。患者に腰椎穿刺後頭痛が生じることがある。頭痛は通常処置後数時間から数日で生じ、脳脊髄液の漏出、潜在的な代償性の頭蓋内血管の拡張、または脳および髄膜に対する張力増大により引き起こされる。 [45] 無外傷性小口径針の使用により腰椎穿刺後頭痛の発生率が低下することが認められている。 [46] [47] 主に非がん患者を対象とした13件の小規模ランダム化試験を対象としたコクランレビューは、腰椎穿刺後頭痛の治療におけるカフェイン、ガバペンチン、ヒドロコルチゾン、およびテオフィリンの使用を裏付け、スマトリプタン、副腎皮質刺激ホルモン、プレガバリン、およびコシントロピンに有効性がないことを裏付ける若干の証拠を報告している。 [48]

特定の患者集団における疼痛の治療

小児がん患者

詳しい情報については、小児の支持療法に関するPDQ要約を参照のこと。

高齢のがん患者

高齢患者は65歳以上の個人と定義されており、75歳以降では共存症の発生率が有意に高くなる。 [49] [50] 高齢のがん患者の最大80%では疾患の経過中に疼痛がみられる。 [51] この患者集団のがん性疼痛の治療においては、多くの鎮痛薬および補助的薬剤で治療指数が狭いため、特有の懸念がある。年齢に関係した生理学的変化により、薬物の薬力学および薬物動態学的性質が変わってくる(表7を参照のこと)。 [52] [53] [54] [55] 共存症が増えると、それに伴う多剤併用により、患者は薬物-疾患間および薬物-薬物間の相互作用のリスクが高くなる。さらに、薬物の安全性および効力を確認するための臨床試験は65歳を超える患者にはほとんど実施されていない。高齢患者に対しては、鎮痛薬は低用量で開始し、徐々に漸増する必要がある。このアプローチの理論的根拠には、この患者集団における比較的高い疼痛閾値 [56] 、疼痛の表現の違い [57] 、ならびに身体的および心理社会的機能に対する比較的大きな影響などがある。 [58] (詳しい情報については、本要約の疼痛の評価のセクションを参照のこと。)

表7.薬物動態学的および薬力学的変化a

年齢に関係した生理学的変化 影響を受ける薬物の例
NSAID = 非ステロイド性抗炎症薬。
a出典:American Geriatrics Society Panel on Pharmacological Management of Persistent Pain in Older Persons, [52] Miller, [53] Bosilkovska et al., [54] and Lexicomp Online. [55]
腎機能低下 モルヒネ代謝物の蓄積増加
NSAID誘発性の腎機能障害のリスク増加
体脂肪増加/体液量減少 メサドンなどの脂溶性薬物の排泄遅延
悪液質 経皮フェンタニルパッチからのフェンタニル吸収の減少 [59]
肝機能の低下 オピオイドの経口での生体利用率および半減期が増加する
- 用量を低下させる:ヒドロモルフォンオキシコドン
- 投与間隔を長くする:モルヒネオキシコドン
蛋白結合の低下 薬物感受性/副作用の増加
チトクロムP450酵素活性の低下 フェンタニルおよびメサドンの薬物濃度の増加
消化管運動性の低下 オピオイド誘発性便秘のリスク増加


高齢患者はまた、疼痛の過小報告、コミュニケーション困難、および有害作用と異常な行動に関する医師の懸念のために、過小治療されるリスクがある。不十分な疼痛コントロールの持続により、より高齢の患者では以下のような不良な転帰に至る: [52]


  • 機能障害。

  • 緩慢なリハビリテーション。

  • 睡眠および食欲の変化。

  • 医療資源の使用増加。

根底にある抑うつの治療は、疼痛治療の促進に役立つ場合がある。 [60]

American Geriatrics Society(AGS)は、軽度から中等度の筋骨格系疼痛の治療には、可能な場合は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)よりもアセトアミノフェンの使用を推奨している。 [52] アセトアミノフェンと比較して、NSAIDでは消化管出血/消化性潰瘍疾患、および増悪性高血圧と心不全のリスクが高い。アセトアミノフェンの最大推奨投与量は3~4g/日である。慢性炎症性疼痛の症例のようにNSAIDの使用が必要な場合、腎機能低下、胃疾患、心血管系疾患、または脱水が認められる患者は、特に注意すべきである。

消化管の有害作用を回避するための戦略には以下のものがある: [52]


  • H2受容体拮抗薬またはプロトンポンプ阻害薬などの胃保護薬の同時投与。

  • COX-2選択的NSAIDの使用。

  • NSAID外用薬の使用。

オピオイドは引き続き、高齢患者における中等度から重度の疼痛に対する治療の中心である。高齢患者では、オピオイドおよびその代謝物の腎および肝クリアランスが低下しているため、これらの薬物への感受性が高い可能性がある。 [61] [62] また高齢患者はオピオイドにより比較的大きな鎮痛作用を得るため、必要な用量が少ない場合がある。高齢患者におけるオピオイド消費についての1件のレトロスペクティブ研究で、高齢患者は急性および慢性疼痛治療でオピオイド必要量が少ないことが判明した;高齢患者は投与経路に関係なくオピオイド必要量が少なく、偶発痛および/または神経障害性疼痛は、年齢およびオピオイド消費の間の相関性を混乱させることはなかったが、比較的高用量のオピオイドと関連していた。 [63] 高齢患者は鎮静や便秘といったオピオイドの有害作用の影響をより受けやすい。ガイドラインでは、オピオイドは低用量で開始し、投与間隔を長めにとり、過少投与を避けるため疼痛コントロールの再評価を頻繁に行うように推奨している。メペリジンは、効力が不足しており、痙攣発作を含む有害作用のリスクが高いため避けるべきである。 [52]

高齢患者では、疼痛コントロールを改善するため、しばしば補助薬がオピオイドと併用される。これらの補助薬の多くは、AGS Beers Criteria for Potentially Inappropriate Medication Use in Older Adultsにおいて、有害作用のリスクが高いために高齢患者では避けるか、慎重に使用するように記載されている(表8を参照のこと)。 [49] 例えば、神経障害性疼痛症状の治療に一般的に用いられる三環系抗うつ薬は、抗コリン作用、鎮静、および失神と転倒のリスクが高いため、高齢患者では避けるべきである。神経障害性疼痛の治療に提案されている代替案としては、デュロキセチン、ガバペンチン、局所カプサイシン、およびリドカインパッチが挙げられる。 [64]

表8.Beers Criteriaaに基づいて不適切な可能性のある医薬品

薬物/クラス 理論的根拠
CNS = 中枢神経系;COX-2 = シクロオキシゲナーゼ-2;NSAID = 非ステロイド性抗炎症薬。
a出典:American Geriatrics Society 2015 Beers Criteria Update Expert Panel. [49]
三環系抗うつ薬 アミトリプチリンクロミプラミンイミプラミン 抗コリン作用、鎮静、起立性低血圧
メペリジン   効力の低下、神経毒性の可能性
非COX-2選択的NSAID イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン 消化管出血のリスク、血圧上昇、腎毒性
骨格筋弛緩薬 シクロベンザプリン、メタキサロン、メトカルバモール 抗コリン作用、鎮静、骨折のリスク
CNS 腎障害では、次の薬物を避けるか、用量を低くする: CNSの有害作用
-ガバペンチン
-プレガバリン
-デュロキセチン



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本要約の変更点(06/29/2017)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

がん性疼痛に関する一般情報

本文で、放射線誘発性疼痛に関する記述が改訂された(引用、参考文献34としてChow et al.)。

疼痛コントロールのための薬理学的療法

本文に、放射線誘発性の疼痛フレア発生率を低下させるためのデキサメタゾンの研究に関する記述が追加された(引用、参考文献111としてChow et al.)。

疼痛コントロールの方法:その他のアプローチ

本文に、疼痛フレアに関する記述が追加された(引用、参考文献24としてChow et al.)。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、疼痛の病態生理および治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

がん性疼痛に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Cancer Pain.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/pain/pain-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389387]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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