喉頭がんの治療(PDQ®): 治療
喉頭がんの治療

喉頭がんについての一般的な情報

喉頭がんは、喉頭の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

喉頭は頸部内の咽頭(のど)のすぐ下に位置しています。喉頭には声帯が存在しますが、この声帯が空気を受けて振動すると音が発生します。この音が咽頭内、口腔内、鼻腔内を通過しながら反響していくことにより、最終的に人の声が作られます。

大部分の喉頭がん扁平上皮細胞(喉頭の表面を覆っている薄く扁平な形をした細胞)から発生します。

喉頭は大きく分けて以下の3つの部分から構成されます:


喉頭がんの発生リスクを高める要因に、喫煙と過度の飲酒があります。
喉頭がんの徴候として考えられるものに、咽頭痛と耳痛があります。

こうした症状は、喉頭がんが原因で生じることもありますが、別の病態が原因の場合もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:


喉頭がんの発見、診断および病期分類には、咽頭と頸部を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


患者さんに喫煙や飲酒の習慣がある場合には、喉頭がんに対する治療の効果は減少してしまいます。喉頭がんの患者さんが喫煙や飲酒をやめない場合は、治癒の可能性が低くなるだけでなく、さらに二次がんの発生リスクが高まります。そのため喉頭がんの治療が終了した後も、経過観察のための入念な診察を頻繁に行っていくことが重要になります。


喉頭がんの病期

喉頭がんの診断がついた後には、がん細胞の喉頭内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん喉頭内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要になります。喉頭がんでは、診断の際に用いられた検査結果の一部が病期分類の際にも用いられることがしばしばあります。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

体内でのがんの拡がり方には以下の3種類があります:


がん細胞原発腫瘍(最初にできた腫瘍)を離れてリンパ液や血液を介して体内の別の場所に移動すると、新たな腫瘍(続発性腫瘍)が形成されることがあります。このプロセスは転移と呼ばれます。続発性(転移性)腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、乳がんが骨に転移する場合、その骨のがん細胞は、実際は乳がんの細胞です。この疾患は転移性乳がんであり、骨がんではありません。

喉頭がんでは以下のような病期が用いられます:
0期(上皮内がん)

0期では、喉頭の表面を覆う組織に異常な細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して付近の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。

I期

I期では、がんが形成されます。I期の喉頭がんがんは、喉頭内でのがんの位置に応じて以下のように定義されています:


II期

II期では、がん喉頭内のみに存在しています。II期の喉頭がんは、喉頭内でのがんの位置に応じて以下のように定義されています:




腫瘍の大きさを日常の身近な物と比べた図:様々な腫瘍の大きさと豆、ピーナッツ、クルミ、ライムとを比較している。
図を拡大する

豆、ピーナッツ、クルミ、ライムによって腫瘍の大きさを示している。


III期

III期の喉頭がんの条件は、がんの最初の発声部位が声門上声門声門下のいずれであるかによって異なります。

III期声門上がんでは以下の条件が満たされます:


III期声門がんでは以下の条件が満たされます:


III期声門下がんでは以下の条件が満たされます:


IV期

IV期はさらにIVA期、IVB期、IVC期に分けられます。これらの3つの病期の条件は、がん声門上声門声門下のいずれに発生した場合でも同じです。



再発喉頭がん

再発喉頭がんとは、治療後に再び発生(再発)したがんのことをいいます。このがんでは、最初の2~3年のうちに再発する可能性が最も高くなります。再発は、喉頭内に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。


治療選択肢の概要

喉頭がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

喉頭がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を考えてもよいでしょう。ただし臨床試験のなかには、まだ治療を開始していない患者さんだけを対象としたものもあります。

標準治療として以下の3種類が用いられています:
放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞を死滅させる治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なってきます。

放射線療法では、治療の開始前に患者さんが喫煙をやめることで効果が高まる場合があります。甲状腺下垂体に対して外照射療法が行われた場合には、甲状腺の機能に変化が生じてくることがあります。そのためこの治療の前後には、甲状腺が正常に機能しているかを確認するために、甲状腺の検査が実施されることがあります。

手術

喉頭がんでは、全ての病期を通じて手術(外科的な方法でがんを取り除く治療法)が一般的な治療法となっています。以下のような手術法が用いられます:


たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法や放射線療法が実施される場合があります。治癒の可能性を高めるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与か静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱内や臓器内、もしくは腔などの体腔内に薬を直接注入する化学療法では、薬はその領域のがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なってきます。

臨床試験で、新しい治療法が研究されています。

本稿では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。

化学予防

化学予防とは、がんの発生リスクや再発リスクを低下させることを目的として、薬やビタミン剤などの物質を使用することです。現在、イソトレチノインと呼ばれる薬が頭頸部がんの患者さんにおける二次がん発生の予防薬として研究されています。

放射線増感剤

放射線増感剤とは、放射線療法に対する腫瘍細胞の反応性を高める薬のことです。放射線療法に放射線増感剤を併用すれば、より多くの腫瘍細胞を死滅させることが可能になります。

患者さんは臨床試験への参加を考えてもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全でかつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方では、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験データベースのものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏功の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。これはときに再病期分類と呼ばれます。

治療が終ってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。


病期ごとの治療選択肢

それぞれの治療のセクションには現在実施中の臨床試験の一覧へのリンクが張られています。がんの種類や病期によっては、臨床試験の掲載が1件もない場合もあります。ここに掲載されていない臨床試験でご自身に適したものがないかは、担当の医師にご確認ください。


I期の喉頭がん

I期の喉頭がんの治療法は、喉頭内でのがんの位置によって異なります。

がんが声門上にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


がんが声門にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


がんが声門下にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、I期喉頭がんの患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。米国国立がん研究所(NCI)のホームページから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。


II期の喉頭がん

II期の喉頭がんの治療法は、喉頭内でのがんの位置によって異なります。

がんが声門上にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


がんが声門にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


がんが声門下にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、II期喉頭がんの患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。米国国立がん研究所(NCI)のホームページから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。


III期の喉頭がん

III期の喉頭がんの治療法は、喉頭内でのがんの位置によって異なります。

がんが声門上または声門にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


がんが声門下にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、III期喉頭がんの患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。米国国立がん研究所(NCI)のホームページから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。


IV期の喉頭がん

IV期の喉頭がんの治療法は、喉頭内でのがんの位置によって異なります。

がんが声門上または声門にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


がんが声門下にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:


NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、IV期喉頭がんの患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。米国国立がん研究所(NCI)のホームページから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。


再発喉頭がんの治療選択肢

再発喉頭がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、再発喉頭がんの患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。米国国立がん研究所(NCI)のホームページから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。


喉頭がんについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している喉頭がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:


米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:



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