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子宮内膜がん(子宮体がん)のスクリーニング: 検診

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。その実施が、がんの早発見に役立つ場合もあります。異常組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合もあります。症状が現れる頃には、がんが拡がり始めている可能性があります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、こうした疑問をより深く解明しようとする努力が科学者たちによって続けられています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんが疑われているわけではないということは、忘れてはなりません。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

子宮内膜がん(子宮体がん)の予防、診断、治療に関する情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:



子宮内膜がんについての一般的な情報

子宮内膜がんは、子宮内膜組織に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

子宮内膜とは子宮の内側を覆っている膜のことです。子宮は、女性の骨盤内に位置する筋肉でできた中空の臓器です。子宮は胎児の成長の場となります。妊娠中でない女性では、大抵の場合子宮の全長は約8cm(約3インチ)です。

子宮内膜のがんは、子宮肉腫と呼ばれる子宮の筋肉のがんとは別のものです。さらに詳しい情報については、PDQの子宮肉腫の治療に関する要約をご覧ください。

米国では、子宮内膜がんは女性生殖系の浸潤がんの中で最も多くみられるものです。

白人女性では、黒人女性よりも子宮内膜がんの発生頻度が高くなっています。しかし黒人女性が子宮内膜がんと診断された場合は、より進行していて治癒の可能性も低くなっているのが通常です。

米国における子宮内膜がんの新規症例数は、1978年から1988年までは減少し、それ以降はほぼ横ばいとなっています。子宮内膜がんによる死亡者数は、1974年以来減少を続けています。

病歴と特定の医薬品は子宮内膜がんの発生リスクに影響を及ぼします。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。子宮内膜がんの危険因子には以下のようなものがあります:



子宮内膜がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査の中には、がんの早期発見に役立ち、同時にがんによる死亡の可能性を低減できることが明らかとなっているために、実施されているものがあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査もありますが、こうした検査にがんの死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては臨床試験での証明は得られていません。

最小のリスクで最大の効果が得られる検査法を開発するために、現在もスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんの死亡リスクが低減されるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部の種類のがんでは、早のうちに発見し治療すれば、回復の見込みが高まる場合があります。

子宮内膜がんのスクリーニング検査には、標準的なものや決まって行なわれるものはありません。

子宮内膜がんのスクリーニングは現在研究段階にあり、スクリーニングの臨床試験が米国内の多くの地域で進行しています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。

子宮内膜がんを発見するための検査法として、以下のようなものが研究されています:
パパニコロウ試験

パパニコロウ試験とは、子宮頸部の表面から細胞を採取する検査法です。まず、脱脂綿、ブラシ、または木べらで子宮頸部と膣の細胞を優しくこすり取ります。採取された細胞を顕微鏡で観察し、異常がないかを調べます。この検査法はパパニコロウ塗抹とも呼ばれます。

パパニコロウ試験は現在、子宮内膜がんのスクリーニング検査としては実施されていません;しかし、パパニコロウ試験の結果から子宮内膜子宮の内側を覆う膜)の異常の徴候が見て取れる場合があるのは事実です。その後の経過観察の検査で子宮内膜がんが発見される場合もあります。

経膣的超音波検査

経膣的超音波検査は、膣、子宮、卵管、膀胱を調べる目的で用いられる検査法です。まず、超音波振動子(プローブ)を膣内に挿入し、高エネルギーの音波(超音波)を発生させ内部の組織臓器に反射させることにより、エコーを生じさせます。このエコーをもとにソノグラムと呼ばれる体内の組織の映像が描き出されます。医師はこのソノグラムを見ることによって腫瘍を発見することができます。この検査は、膣の異常出血がみられる女性を検査する際に用いられます。

子宮内膜組織採取

子宮内膜組織採取とは、柔軟性のある細いチューブを子宮頸部から子宮内へと挿入して子宮内膜から組織を採取する処置のことをいいます。このチューブを用いて子宮内膜から少量の組織を優しくこすり取り、組織のサンプルを採取します。その後、病理医がその組織を顕微鏡で観察し、がん細胞がないかを調べます。この検査は、膣の異常出血がみられる女性を検査する際によく用いられます。

膣の異常出血がみられる場合は、医師の診察を受けてください。


子宮内膜がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要になります。

子宮内膜がんのスクリーニング検査のリスクとしては、以下のものが挙げられます:
子宮内膜がんが発見されても健康状態の改善や余命の延長につながらない場合もあります。

子宮内膜がんが存在していても、既に進行している場合や別の部位に転移している場合には、その時点でスクリーニングを受けたとしても健康状態の改善や余命の延長はあまり望めないでしょう。

がんの中には何の症状ももたらさず命を脅かす心配がないものもありますが、スクリーニング検査で見つかれば、そのようながんにも治療が行われることがあります。このようながん治療に無治療の場合と比べて延命効果があるのかどうかは不明な上、その治療によって逆に重篤な副作用がもたらされる可能性もあります。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

スクリーニング検査の結果は、たとえ実際に子宮内膜がんが存在していても、正常となることがあります。 偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた女性では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る場合もあります。

スクリーニング検査の結果は、がんが存在していなくても異常となることがあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後も検査(生検など)が引き続き実施されていくのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。

検査そのものによる副作用も考えられます。

子宮内膜がんのスクリーニング検査によって生じうる副作用には、以下のようなものがあります:


ご自身に関する子宮内膜がんのリスクやスクリーニング検査の必要性について疑問がある場合は、担当の医師にご相談ください。


2007-06-27