原文更新日 : 2008-02-22
翻訳更新日 : 2008-10-30
慢性リンパ性白血病(CLLとも呼ばれる)は、通常は緩やかに悪化する血液と骨髄の疾患です。CLLは、成人の白血病のうち2番目に多くみられるものです。中年期以降に発生する場合が多いですが、まれに小児でもみられます。
正常な状態の体内では、いずれは成熟した血液細胞に成長する血液幹細胞(未熟な細胞)が作られています。この血液幹細胞はまず骨髄系幹細胞かリンパ系幹細胞に成長します。
骨髄系幹細胞は以下の3種類の成熟血液細胞のいずれかに成長します:
リンパ系幹細胞はまずリンパ芽球という細胞に成長してから、さらに以下の3種類のリンパ球(白血球の一種)のいずれかに成長します:
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CLLでは、あまりに多くの幹細胞が異常なリンパ球に成長するようになり、正常な白血球が不足する事態に陥ります。このような異常なリンパ球は白血病細胞とも呼ばれます。こうしたリンパ球では感染を十分に防御することはできません。また、血液や骨髄の中のリンパ球が増加することによって、正常な白血球や赤血球、血小板のためのスペースが少なくなってしまいます。このことにより、感染症や貧血が起こったり、出血が起きやすくなったりします。
本要約は慢性リンパ性白血病について書かれたものです。白血病に関する詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:
疾患が発生する危険性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。危険因子をもっているからといって必ずがんになるというわけではありませんし、また、危険因子をもっていなければがんにはならないというわけでもありません。リスクが高いと思う人は、そのことについて担当の医師と話し合ってください。CLLの危険因子には以下のようなものがあります:
通常、CLLでは何の症状もみられず、通常の血液検査で発見されます。ときにはCLLによる症状が現れることもありますが、そうした症状がみられても、他の病態が原因である可能性もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:
以下のような検査法や手技が用いられます:
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治療法の選択を左右する因子には以下のものがあります:
予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:
がんの拡がりの程度を調べていくためのプロセスは病期分類と呼ばれます。最善の治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要になります。病期分類の過程では以下のような検査法が用いられます:
0期の慢性リンパ性白血病では、血液中に過剰な数のリンパ球が認められますが、それ以外に白血病の症状はみられません。0期の慢性リンパ性白血病は緩慢性の(増殖の遅い)白血病です。
I期I期の慢性リンパ性白血病では、血液中に過剰な数のリンパ球が認められ、さらに、リンパ節が正常時より大きくなっています。
II期II期慢性リンパ性白血病では、血液中に過剰な数のリンパ球が認められ、肝臓や脾臓が正常時より大きくなり、さらに、リンパ節が正常時より大きくなっている場合もあります。
III期III期の慢性リンパ性白血病では、血液中に過剰な数のリンパ球が認められ、さらに赤血球の数が不足するようになります。リンパ節や肝臓、脾臓が正常時より大きくなる場合もあります。
IV期IV期の慢性リンパ性白血病では、血液中に過剰な数のリンパ球が認められ、さらに血小板の数が不足するようになります。リンパ節や肝臓、脾臓が正常時より大きくなる場合もあり、また、赤血球の数が不足している場合もあります。
慢性リンパ性白血病の患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療を開始する前に、まず臨床試験への参加を検討してみるのもよいでしょう。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。
臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。がん治療の選択では、患者さんとご家族に医療チームが加わって最適な治療法を決定していくのが理想的な形となります。
標準治療として以下の5種類が用いられています:注意深い経過観察とは、症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く監視していくことです。これは単に経過観察とも呼ばれます。この間も、感染症などの疾患によって問題が生じた場合には、そうした問題に対する治療は行われます。
放射線療法放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なってきます。
化学療法化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱内や臓器内、もしくは腹腔などの体腔内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なってきます。
手術モノクローナル抗体療法は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作り出した抗体を使用する治療法です。がん細胞の表面上に存在する物質に結合する抗体や、がん細胞の増殖を促進する物質に結合する抗体が用いられます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞の下に直接送り届けるという用途でも用いられます。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。具体的には以下のものが挙げられます:幹細胞移植を伴う化学療法とは、まず化学療法を行ってから、そのがん治療によって破壊された造血細胞を外部から補充するというものです。まず患者さん自身またはドナーから採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞へと成長することにより、血液の機能が回復していきます。
本要約では、臨床試験で研究中の個々の治療法について言及していますが、研究中の新しい治療法をすべて紹介しているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。
0期の慢性リンパ性白血病の治療法は注意深い経過観察となるのが通常です。
NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、0期慢性リンパ性白血病の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索はこちらから)。
I期、II期、III期、およびIV期の慢性リンパ性白血病に対する治療法には、以下のようなものがあります:
本要約では、臨床試験で研究中の個々の治療法について言及していますが、研究中の新しい治療法をすべて紹介しているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。
NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、I期慢性リンパ性白血病、II期慢性リンパ性白血病、III期慢性リンパ性白血病、およびIV期慢性リンパ性白血病の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索はこちらから)。
難治性慢性リンパ性白血病の治療法には以下のようなものがあります:
本要約では、臨床試験で研究中の個々の治療法について言及していますが、研究中の新しい治療法をすべて紹介しているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。
NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、軟治性慢性リンパ性白血病の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索はこちらから)。
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