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ホジキンリンパ腫(小児): 治療

小児ホジキンリンパ腫についての一般的な情報

小児ホジキンリンパ腫は、リンパ系に悪性(がん)細胞が形成される疾患です。

小児ホジキンリンパ腫は、免疫系の一部であるリンパ系に発生するがんの一種です。リンパ系は下記のもので構成されています:


リンパ組織は全身に存在するため、ホジキンリンパ腫はほぼ全ての身体部分から発生し、ほぼ全ての組織や臓器に拡がる可能性があります。

リンパ腫は一般的に次の2種類:ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。(詳しい情報については、PDQの非ホジキンリンパ腫(小児)の治療に関する要約をご覧ください。)

ホジキンリンパ腫は小児、成人ともに発生しますが、小児患者さんの治療は、成人患者さんとは異なる場合があります。(詳しい情報については、PDQのホジキンリンパ腫(成人)の治療に関する要約をご覧ください。)

小児のホジキンリンパ腫には2つのタイプがあります。

小児ホジキンリンパ腫は次の2種類です:


古典的ホジキンリンパ腫は、顕微鏡観察に基づき下記の4つのタイプに分けられます:


年齢、性別、およびエプスタイン・バー・ウイルス(EBウイルス)感染は、小児ホジキンリンパ腫が発生する危険性に影響します。

危険因子には下記のものがあります:


小児ホジキンリンパ腫の可能性がある徴候には、リンパ節腫脹、発熱、寝汗、体重減少などがあります。

これらの症状や他の症状は、小児ホジキンリンパ腫や他の疾患でも起こりえます。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:


リンパ系を調べる検査を用いて小児ホジキンリンパ腫を見つけ診断します。

下記の検査と方法が用いられます:


特定の因子が、予後(回復の見込み)や治療の選択に影響します。

予後(回復の見込み)と治療の選択は下記の項目によって決まります:


治療法の選択は下記の因子によっても決まります:


新たにホジキンリンパ腫と診断された小児と青年の患者さんのほとんどは治癒します。


小児ホジキンリンパ腫の病期

小児ホジキンリンパ腫の診断後、がん細胞がリンパ系内あるいは他の身体部分にまで拡がっているか検査をして調べます。

がんリンパ系内あるいは他の身体部分にまで拡がっているのかを調べるプロセスを病期分類と呼びます。病期分類の過程で集められた情報により、疾患の病期が決まります。治療法は、病期など予後に影響を及ぼす因子によって決まります。病期分類には、下記の検査と方法が用いられます:


小児ホジキンリンパ腫の病期は、英文字の「E」と「S」を使って表されることがあります。

小児ホジキンリンパ腫には、下記の病期分類を用います:
I期

I期は、I期とIE期に分けられます。


II期

II期は、II期とIIE期に分けられます。


III期

III期は、III期、IIIE期、IIIS期、およびIIIS+E期に分けられます。


IV期

IV期は、以下のようなことがみられます:


未治療の古典的ホジキンリンパ腫は、リスクグループ別に分類されます。

小児の未治療の古典的ホジキンリンパ腫は、腫瘍の大きさ(5cm以上の腫瘍は「巨大」とする)および患者さんに「b」症状(発熱、体重減少、寝汗)がみられるかどうかに基づいてリスクグループに分けられます。治療法は、リスクグループに基づいて実施されます。


小児ホジキンリンパ腫の病期は初期の化学療法後に再決定されます。

PETガリウムスキャンが、化学療法の終了後に行われ、化学療法がどれほど効いたかを調べます。


小児および青年における原発性進行期または再発ホジキンリンパ腫

進行性原発ホジキンリンパ腫は、治療中に増殖、拡大し続けるリンパ腫です。 再発性ホジキンリンパ腫は、治療後に再発(再び発生)するがんです。リンパ腫は、リンパ系のほか、肝臓、骨、骨髄などに再発します。


治療選択肢の概要

ホジキンリンパ腫の小児には様々な種類の治療があります。

ホジキンリンパ腫の小児は様々な種類の治療を受けられます。標準的な治療もあり、臨床試験で検証中の治療もあります。治療法の臨床試験とは、がんの患者さんのための現在の治療法の改良や、新しい治療法に関する情報収集を意図した調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合、その新しい治療法が標準治療となります。

小児のがんはまれなため、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験は米国各地で行われています。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。最適ながん治療の選択は、患者さん、ご家族そして医療チームが関わって行うことが理想です。

ホジキンリンパ腫の小児患者さんは、小児がんの専門医のチームによって計画された治療を受けるべきです。

小児の場合、小児腫瘍医(小児科腫瘍医)、すなわち小児がん治療の専門医が治療を統括することになります。小児腫瘍医は、小児ホジキンリンパ腫の治療経験や専門知識が豊富な小児科医および特定の分野を専門とする他の小児科医に紹介することがあります。これらには下記の専門家が含まれます:


下記の2種類の標準治療が使用されます:
化学療法

化学療法はがん細胞を殺したり細胞分裂を止めてがん細胞の増殖を止める薬を使用するがんの治療法です。化学療法が経口、あるいは静脈もしくは筋肉に注射される場合、薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱や臓器、そして腹部など体腔に薬を直接注入する化学療法では、薬は主にその領域にあるがん細胞に作用します。併用化学療法は、複数の抗がん剤を用いる治療です。化学療法の処方は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を用いてがん細胞を死滅させるがんの治療法です。放射線療法には、2種類あります。体外照射療法は、体外にある機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法では、直接がんの中、あるいはその近くに留置された針、シード、ワイヤー、またはカテーテルに密封された放射性物質を使用します。放射線療法の方法は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

その他の治療法は臨床試験で検証中です。これには下記のものがあります:
幹細胞移植を併用する大量化学療法

幹細胞移植を併用する大量化学療法は、大量の(用量の大きい)抗がん剤や放射線療法により破壊された造血細胞を置換する手法です。幹細胞(未熟な血球)を患者さんまたはドナーの骨髄血液から採取し凍結保存します。治療が終了した後、保存していた幹細胞を解凍し、患者さんの体内に注入し戻します。これらの再注入された幹細胞は、血液細胞に成長し体内を巡ります。

手術

手術腫瘍をできる限り取り除くために行います。

本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


ホジキンリンパ腫の小児および青年の患者さんの治療の選択肢


低リスクの小児ホジキンリンパ腫

低リスクの小児ホジキンリンパ腫の治療には下記のものがあります:


本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


中程度のリスクの小児ホジキンリンパ腫

中程度のリスクの小児ホジキンリンパ腫の治療には下記のものがあります:


本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


高リスクの小児ホジキンリンパ腫

高リスクの小児ホジキンリンパ腫の治療には、患部への低線量放射線療法を併用した強力な、あるいは大量併用化学療法などがあります。


結節性リンパ球優位型小児ホジキンリンパ腫

結節性リンパ球優位型小児ホジキンリンパ腫の治療法には下記のものがあります:


本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


原発性進行期または再発性ホジキンリンパ腫の小児および青年の患者さんに対する治療法の選択肢

原発性進行期または再発性小児ホジキンリンパ腫の治療には下記のものがあります:



小児および青年のホジキンリンパ腫治療による晩期障害

小児および青年の患者さんは、ホジキンリンパ腫治療開始後数カ月から数年後に治療に関連した副作用を起こす場合があります。この晩期障害は健康や発育に影響を及ぼすため、定期的な経過観察が重要です。晩期障害には下記の項目に関する問題があります:


上記の長期副作用の危険性は、治療法を決定する場合に考慮されます。


2007-06-27