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子宮肉腫: 治療

子宮肉腫についての一般的な情報

子宮肉腫は、子宮の筋肉組織や子宮を支えているその他の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

子宮は女性の生殖系の一部です。子宮は骨盤内に位置する洋ナシの形をした中空の臓器で、胎児の成長の場となります。子宮頸部とは、子宮の下の方の狭くなった部分のことで、その下はへとつながっています。

子宮肉腫とは、子宮の筋肉組織や子宮を支えているその他の組織に発生する、非常にまれな種類のがんです。(その他の肉腫に関する情報については、PDQ成人軟部肉腫の治療に関する要約をご覧ください。)子宮肉腫は、子宮の内側を覆う膜からがん細胞が発生してくる子宮内膜がんとは別の病気です。(さらに詳しい情報については、PDQの子宮内膜がんの治療に関する要約をご覧ください。)

子宮肉腫の発生リスクに影響を及ぼしうる要因にX線への暴露があります。

過去の骨盤に対する放射線療法は子宮肉腫の危険因子となります。

子宮肉腫の徴候として考えられるものに、異常出血があります。

子宮肉腫では、膣からの異常出血などの症状が引き起こされることがあります。ただし別の病態が原因で同様の症状が生じてくる場合もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:


子宮肉腫の発見と診断には、子宮を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


特定の因子によって予後(回復の見込み)や治療法の選択肢が変わってきます。

予後(回復の見込み)や治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:



子宮肉腫の病期

子宮肉腫の診断がついた後には、がん細胞の子宮内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん子宮内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この病期分類の過程で集められた情報を基に病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要になります。病期分類の過程では以下のような検査法が用いられます:


子宮肉腫では、診断、病期分類、治療の全てを1度の手術で行うことがあります。

子宮肉腫では、診断、病期分類、治療に手術が用いられます。 この手術では、医師はできるだけ多くのがんを切除します。子宮肉腫の診断、病期分類、治療で用いられる手術法には、以下のようなものがあります:


場合により手術に加えて他の治療が追加されますが、 その治療法についてはこの要約の治療選択肢の概要のセクションで紹介されています。

子宮肉腫では、以下の病期分類が用いられます:
I期

I期では、がん子宮内のみに認められます。I期は、がんの拡がりの程度に応じてIA期、IB期、IC期に分けられます。


II期

II期では、がん子宮から子宮頸部へと拡がっています。II期は、がんの拡がりの程度に応じてIIA期とIIB期に分けられます。


III期

III期では、がん子宮および子宮頸部を越えて拡がっていますが、骨盤外までは拡がっていません。III期は、骨盤内でのがんの拡がりの程度に応じてIIIA期とIIIB期に分けられます。


IV期

IV期では、がん骨盤外の領域まで拡がっています。IV期は、がんの拡がりの程度に応じてIVA期とIVB期に分けられます。



再発子宮肉腫

再発子宮肉腫とは、治療後に再び悪化(再発)したがんのことをいいます。再発は、子宮内に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。


治療選択肢の概要

子宮肉腫の患者さんには様々な治療法があります。

子宮肉腫の患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中の治療法もあります。治療を開始する前に、まず臨床試験への参加を検討してみるのもよいでしょう。治療法の臨床試験とは、現在用いられている治療法の改善や、がんの新しい治療法に関する情報収集を目的とした調査研究のことです。新しい治療法が標準治療よりも優れているということが複数の臨床試験から示されると、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。がん治療の選択では、患者さんとご家族に医療チームが加わって最適な治療法を決定していくのが理想的な形となります。

標準治療として以下の4種類が用いられています:
手術

手術は子宮肉腫で最も多く用いられている治療法で、その内容についてはこの要約の子宮肉腫の病期のセクションで紹介されています。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、術後に化学療法放射線療法を実施する場合があります。治癒の可能性を高めるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞を死滅させる、がんの治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に置いた機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に放射性物質を封入し、がんの内部または近くに直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによりがんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱内や臓器内、もしくは腔などの体腔内に薬を直接注入する化学療法では、薬はその領域のがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

ホルモン療法

ホルモン療法は、ホルモンを体内から除去したりその働きを阻害したりすることにより、がん細胞の増殖を阻止するがんの治療法です。ホルモンとは、体内の内分泌で生産されて血流内を循環する物質のことです。ホルモンの中には、特定のがんを増殖させるものがあります。がん細胞上にホルモンが結合できる部分(受容体)が存在していることが検査によって判明した場合は、ホルモンの生産量の低下やその作用の阻害を狙って、薬物投与や手術、放射線療法などが行われます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


病期ごとの治療選択肢


I期の子宮肉腫

I期の子宮肉腫の治療法には以下のようなものがあります:



II期の子宮肉腫

II期の子宮肉腫の治療法には以下のようなものがあります:



III期の子宮肉腫

III期の子宮肉腫の治療法には以下のようなものがあります:



IV期の子宮肉腫

IV期の子宮肉腫では標準治療は存在しません。治療は化学療法を用いる臨床試験への参加となります。

本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


再発子宮肉腫の治療選択肢

再発子宮肉腫では標準治療は存在しません。治療は化学療法を用いる臨床試験への参加となります。

再発したがん肉腫腫瘍の一種)の場合は、以下のような治療法があります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27