原文更新日 : 2006-02-17
翻訳更新日 : 2007-06-27
がんのスクリーニングとは、特定の種類のがんについて、たとえ症状がまったく現れていなくても早期の徴候が現れていないか検査することをいいます。科学者たちは、どのような人が特定のがんにかかりやすいのかを解明するため、人口集団におけるがんの発生パターンの研究を続けてきました。さらに、がんの原因となりうる環境や生活習慣についても研究が重ねられてきました。こうして得られた情報は、特定のがんスクリーニングの対象者とされる条件や、スクリーニング検査の種類、スクリーング検査を受ける頻度などについて、医師が患者さんに助言をする際に役立てられています。全てのスクリーニング検査が有用となるわけではなく、スクリーニング検査での異常を確かめるために行った生検によって精巣や鼠径部に出血や感染、痛みが引き起こされるなど、そのほとんどがリスクを伴います。このような理由から米国国立がん研究所(NCI)では、多くのスクリーニング検査についてその有用性を明らかにするための研究が科学者たちの手によって行われています。
担当の医師から健康管理の一環として、特定のがんのスクリーニング検査を勧められたとしても、その医師はあなたががんにかかっていると考えているわけではありません。スクリーニング検査は、症状がなくても実施されます。スクリーニングを受けるかどうかを決めるのは難しくなる場合もありますので、検査について担当の医師とよく相談し、スクリーニング検査の効果や考えられるリスク、また検査を受けることでがんによる死亡のリスクが減ることが証明されているのかどうかについて質問するとよいでしょう。
がんの徴候や症状が認められる場合、医師はがんであるかどうかを確かめるために特定の検査を指示します。こうした検査は診断検査と呼ばれます。
精巣腫瘍のスクリーニングに関するこの要約は、以下のような目的で作成されています:
がんのスクリーニングに関する事柄や、そのスクリーニングがご自身にとって有益となるかどうかについては、担当の医師か医療専門家にご相談ください。
精巣とは、精子の産生を行う、男性の生殖腺のことです。精巣は、陰茎の後方に位置する陰嚢と呼ばれる皮膚の袋の中にあります。精巣は体内における男性ホルモンの主要な供給源となっています。
精巣腫瘍はまれながんです。精巣腫瘍の新規症例数は緩やかに増加していますが、治療法の改善により精巣腫瘍による死亡者数は1960年代以来激的に減少しました。
疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。精巣腫瘍の危険因子には以下のようなものがあります:
年齢:若年の男性では精巣腫瘍のリスクが比較的高くなります。男性におけるがんの発生数では、精巣腫瘍は20〜34歳で第1位、35〜39歳で第2位、15〜19歳で第3位となっています。
家族歴:精巣腫瘍の家族歴のある男性では、精巣腫瘍の発生リスクが高くなります。
遺伝性疾患:出生時から性腺異形成のある男性とクラインフェルター症候群の男性では、精巣腫瘍の発生リスクがさらに高くなります。
個人歴:停留精巣の男性では、精巣腫瘍の発生リスクが平均よりも高くなります。既に精巣腫瘍にかかっている男性では、もう一方の精巣における腫瘍の発生リスクが高くなります。精巣腫瘍の治療終了後の少なくとも35年間は、二次がんの発生リスクが高くなります。
人種:精巣腫瘍は黒人男性よりも白人男性に多くみられます。ヒスパニック系、アメリカインディアン、アジア系の人では、精巣腫瘍の発生頻度は黒人より高くなりますが、白人よりは低くなります。
ほとんどの精巣腫瘍は、患者さん自身によって偶然または自己検査の結果発見されます。通常の身体診察の際に発見される場合もあります。しかしながら、自己検査や通常の身体診察を行うことで精巣腫瘍による死亡者数を減少させることができるかどうかについては、これを扱った研究はまだありません。