The U.S. National Cancer Institute does not currently endorse any foreign translations of PDQ® and no such endorsement should be inferred for the following translation.

膀胱がん: 治療

膀胱がんについての一般的な情報

膀胱がんは、膀胱組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

膀胱腹部の下方に位置する中空の臓器です。その形状は小さな風船に似ていて、筋肉でできた壁によって大きさを変えられるようになっています。膀胱は排泄時まで尿を溜めておくという役割を果たしています。尿とは、腎臓血液が浄化される際に生成される液体の老廃物のことです。尿は2つの腎臓から尿管と呼ばれる2本の管を通って膀胱へと送られます。排尿時に膀胱が空になっていくと、膀胱を出た尿は尿道と呼ばれる別の管を通って体外へと排出されていきます。

膀胱の内側を覆う層の細胞から発生する膀胱がんには、3種類のものがあります。これらのがんには、以下のように悪性化(がん化)した細胞の種類に応じて名前がつけられています:


膀胱の内側を覆う層の中にとどまっているがんは、表在性膀胱がんと呼ばれます。移行上皮細胞に発生するがんは、膀胱の内表面上を拡がって膀胱の筋肉壁に浸入したり、隣接する臓器やリンパ節に拡がったりすることがありますが、このようなものは浸潤性膀胱がんと呼ばれます。

さらに詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:


膀胱がんの発生リスクに影響を及ぼす可能性のある因子に喫煙、性別、食習慣があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。膀胱がんの危険因子には以下のようなものがあります:


膀胱がんの徴候として考えられるものに、血尿と排尿時の痛みがあります。

膀胱がんでは、こうした症状が引き起こされることがあります。ただし別の病態が原因で同様の症状が生じてくる場合もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:


膀胱がんの発見と診断には、尿、膣、直腸を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


特定の因子によって予後(回復の見込み)や治療法の選択肢が変わってきます。

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


膀胱がんの治療選択肢は病期によって異なってきます。


膀胱がんの病期

膀胱がんの診断がついた後には、がん細胞の膀胱内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

膀胱の内面および筋肉内でのがんの拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この病期分類の過程で集められた情報を基に病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要になります。病期分類の過程では以下のような検査法や手技が用いられます:


膀胱がんでは、以下の病期分類が用いられます:
0期

0期では、がん膀胱の内側を覆う組織層のみに認められます。0期は腫瘍の種類に応じて0a期と0is期に分けられます。


I期

I期では、がん膀胱内の表面組織の下の層まで拡がっています。

II期

II期では、がん膀胱の筋肉壁の内側半分または外側半分まで拡がっています。

III期

III期では、がん膀胱から周辺の脂肪組織まで拡がっていて、さらに生殖器前立腺子宮)に達していることもあります。

IV期

IV期では、がん膀胱から壁または骨盤壁まで拡がっています。がんがリンパ節や体の他の部位まで拡がっていることもあります。


再発膀胱がん

再発膀胱がんとは、治療後に再び悪化(再発)したがんのことをいいます。再発は、膀胱内に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。


治療選択肢の概要

膀胱がんの患者さんには様々な治療法があります。

膀胱がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験で検証中のものもあります。治療を開始する前に、まず臨床試験への参加を検討してみるのもよいでしょう。治療法の臨床試験とは、現在用いられている治療法の改善や、がんの新しい治療法に関する情報収集を目的とした調査研究のことです。新しい治療法が標準治療よりも優れているということが複数の臨床試験から示されると、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。がん治療の選択では、患者さんとご家族に医療チームが加わって最適な治療法を決定していくのが理想的な形となります。

標準治療として以下の4種類が用いられています:
手術

以下の手術のいずれかが行われます:


たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、術後に化学療法を実施する場合があります。治癒の可能性を高めるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞を死滅させる、がんの治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に置いた機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に放射性物質を封入し、がんの内部または近くに直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによりがんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱内や臓器内、もしくは腔などの体腔内に薬を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。膀胱がんの治療では、膀胱内化学療法(尿道から挿入した管を通して膀胱内へと薬を送り込む治療法)が用いられることもあります。化学療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

生物学的療法

生物学的療法は、がんを撃退するために患者さんの免疫系を利用する治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は、生物療法や免疫療法とも呼ばれます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。具体的には以下のようなものがあります:
化学予防

化学予防とは、がんの発生リスクや再発リスクの低減を目的として、薬やビタミン剤、その他の物質を使用することです。

光線力学療法

光線力学療法(PDT)は、薬と特定の波長のレーザー光を用いてがん細胞を死滅させる、がんの治療法です。まず、に当たるまでは作用を生じない性質をもつ薬を静脈内に注射します。この薬には正常な細胞よりもがん細胞により多く集まります。その後、光ファイバーの管を用いてがん細胞にレーザー光を照射すると、この薬が活性化してがん細胞を殺傷していきます。この光線力学療法は、健康な組織がほとんど影響を受けないのが特徴です。

本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


病期ごとの治療選択肢


0期膀胱がん(上皮内がん)

0期膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


I期膀胱がん

I期膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


II期膀胱がん

II期膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:



III期膀胱がん

III期膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:



IV期膀胱がん

IV期膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


再発膀胱がんの治療選択肢

再発膀胱がんの治療法は、以前に受けた治療と再発部位に応じて異なってきます。再発膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27