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横紋筋肉腫(小児): 治療

解説


横紋筋肉腫とは

横紋筋肉腫がん(悪性)細胞が筋肉組織で増殖し始める病気です。横紋筋肉腫とは肉腫の一種であり、肉腫とは骨や軟部組織結合組織(例えば、軟骨)のがんを指します。横紋筋肉腫は横紋筋と呼ばれる種類の筋肉の軟部組織から発生します。この病気は体のどの部位にも起こる可能性があります。

小児と若年成人でみられる肉腫にはいくつかの種類があります。肉腫の種類を識別するためにがん細胞を顕微鏡で調べなければなりません。横紋筋肉腫は小児の軟部組織にみられる肉腫の中で最も一般的な種類です。(詳しい情報については、PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)軟部肉腫(成人)の治療軟部肉腫(小児)の治療ユーイング腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。)

小児に肉腫の症状がみられる場合、医師はX線や他の検査を指示することがあります。がん細胞の有無を確認するため、医師は組織の小片を切除し、顕微鏡で調べることもあります。これは生検と呼ばれます。

がんがどこにあるか、どれくらい拡がっているか、顕微鏡で細胞がどのように見えるか(組織型)、これまで受けた治療は何か、がんが手術でどの程度摘出できるのか、小児の年齢などによって、回復の見込み(予後)と治療法の選択は異なってきます。


病期の説明


小児横紋筋肉腫の病期

小児横紋筋肉腫がみとめられた時点で、さらに検査を行いがん細胞が体の他の部位へ転移しているかどうかを調べます。これは病期分類と呼ばれます。治療計画のために、医師はがんがどれくらい拡がっているかを知らなければなりません。

小児横紋筋肉腫には数種類の病期分類システムがあります。この要約で紹介する治療法の選択肢は、がんの大きさや位置、がんの拡がりの程度とその部位に基づくものです。


I期

がんは眼窩や頭頸部、生殖器(生殖のための臓器)付近、または肝臓胆嚢胆管付近にみられます。


II期

がんは1つの部位に存在し(ただしI期の領域は含まない)、5cm(2インチ)以下の大きさでリンパ節転移はみられません。


III期

がんは1つの部位に存在し(ただしI期の領域は含まない)、5cm(2インチ)より大きく、リンパ節転移がみられることがあります。


IV期

診断時、がんはすでに他の部位に拡がっています。


再発

再発疾患とは、治療後に再び悪化(再発)したがんを意味します。がんは発生部位で再発することもあれば、体の他の部位で再発することもあります。


治療選択肢の概要


小児横紋筋肉腫の治療法

小児横紋筋肉腫の患者さん全てに、治療法が存在します。3種類の治療法が用いられていますが、多くの場合それらは併用して使用されます:


手術は横紋筋肉腫の一般的な治療法です。がんがどこにあるかにもよりますが、医師は周辺の正常組織と一緒に可能な限りがんを摘出します。がんが摘出できない程大きいか、摘出できない部位にある場合、手術はがんの小片の摘出(生検)に限定されることがあります。手術の後には通常、化学療法や放射線療法を行います。時に、これらの治療後に残存しているがんを摘出するために、2度目の手術が行われます。

化学療法では、薬を使ってがん細胞を殺します。化学療法薬は経口投与されるか、あるいは静注または筋注で投与されます。化学療法が全身療法と呼ばれるのは、薬が血流に入り、体中をかけめぐり、体中のがん細胞を破壊することができるからです。

放射線療法では高エネルギーX線を用いてがん細胞を破壊し、腫瘍を縮小させます。放射線を、体の外部の機械から照射することもあれば(外照射療法)、放射線を出す物質(放射性同位元素)を細いプラスチックのチューブを通してがん細胞がみられる部位に注入することにより照射すること(内照射療法)もあります。臨床試験では、一日に数回低線量で照射する放射線を検証しています(多分割放射線療法)。頭頸部の横紋筋肉腫の患者さんを対象とした臨床試験でも、腫瘍周囲の健康な組織への損傷を低下させるため様々な強さと角度を用いる強度変調放射線療法三次元放射線の一種)が検証されています。

横紋筋肉腫に対する治療法として幹細胞移植を伴う大量化学療法が研究中です。この治療法では、高用量の化学療法を実施し、がん治療によって破壊された造血(血液を産生する)細胞を入れ替えます。幹細胞(未熟血球)を患者さんやドナーの血液または骨髄から採取し凍結保存します。化学療法が終了した後、保存していた幹細胞を解凍し、患者さんの体内に注入し戻します。これらの再注入された幹細胞は、血液細胞に成長し体内を巡ります。患者さん自身の幹細胞が用いられる場合は、自家幹細胞移植と呼ばれます。


病期別の治療法

小児横紋筋肉腫の治療法は、がんがどこにあるのか、どのくらい拡がっているのか、顕微鏡でがん細胞がどのように見えるのかによって異なります。

過去の研究において多くの患者さんで有効性が示されたことから標準治療とみなされている治療を受けることも、あるいは臨床試験への参加を選択することもできます。全ての患者さんが標準治療治癒するとは限りませんし、標準治療の中には予想よりも副作用が強く出るものもあります。このような理由から、臨床試験は、新しい治療法を試みるため、そしてより優れたがんの治療法を見い出すためにデザインされます。大規模な共同グループにより、横紋筋肉腫の全ての病期を対象として、新たな治療法と標準治療を比較する臨床試験が、米国各地で行われています。 


未治療の(I〜IV期)小児横紋筋肉腫

がんが摘出できる場合、小児の治療ではおそらく手術を行いその後化学療法を行います。手術後にがんが残っている場合、放射線療法を行うこともあります。がんが手術で摘出できない場合、小児の治療ではおそらく化学療法に加えて放射線療法が行われ、その後必要ならば手術を行います。臨床試験では、新たな化学療法や放射線照射の新たな方法、大量化学療法に続いて行う自家幹細胞移植(体の他の部位にがんの転移がみられる患者さんを対象とする)を検証しています。


再発小児横紋筋肉腫

治療は手術で切除したがんの大きさや再発部位、以前に受けた治療法によって異なります。しかし、おそらく化学療法を受けることになるでしょう。臨床試験では新たな化学療法とその後の自家幹細胞移植を検証しています。


2007-06-27