The U.S. National Cancer Institute does not currently endorse any foreign translations of PDQ® and no such endorsement should be inferred for the following translation.

カポジ肉腫: 治療

解説


カポジ肉腫とは

カポジ肉腫(KS)とは、口腔、鼻、肛門を覆う皮膚や粘膜の下にある組織がん悪性細胞が見つかる疾患です。カポジ肉腫(KS)では、皮膚や粘膜上に紅斑または紫斑の病変が現れ、やがて肝臓管など身体の他の臓器に拡がります。

1980年代初期まではカポジ肉腫は極めてまれな疾患で、高齢の男性、臓器移植を行った患者さん、アフリカ人男性などで主にみられました。1980年代初期における後天性免疫不全症候群(AIDS)の流行に伴い、医師たちはアフリカや男性同性愛者のAIDSの患者さんに、より多くのカポジ肉腫の症例がみられることに気付き始めました。通常、これらの患者さんでは、カポジ肉腫がより速く拡がります。

カポジ肉腫(KS)の徴候があると、医師は皮膚やリンパ節(リンパ節は全身にわたってみられる小さな豆のような形をした組織で、感染と闘う細胞を作り貯蔵する)を注意深く診察します。また、医師はカポジ肉腫以外の疾患がないかどうかを確認するため、他の検査を行うこともあります。

回復の見込み(予後)は、患者さんのカポジ肉腫の種類、年齢と全身の健康状態、AIDSに罹っているかどうかなどによって異なります。


病期の説明


カポジ肉腫の病期

カポジ肉腫に対して一般に認められている病期分類システムはありません。患者さんはカポジ肉腫の種類によって分類されます。カポジ肉腫には下記の3つの種類があります:


古典型カポジ肉腫

古典型カポジ肉腫は通常、ユダヤ人、イタリヤ人、地中海の高齢男性にみられます。この種類のカポジ肉腫はゆっくりと、時に10年から15年かけて進行します。疾患が進むにつれて、下腿部に浮腫が生じ、血液が正常に流れにくくなります。しばらくして、疾患が他の臓器に拡がることもあります。多くの古典型カポジ肉腫の患者さんに、将来他の種類のがんが発生します。


免疫抑制治療関連性カポジ肉腫

カポジ肉腫は、免疫系を弱める免疫抑制剤)を投与されている人に発生する可能性があります。免疫系は身体が感染と闘うのを助けます。臓器移植肝臓腎臓移植など)を受けた患者さんは、移植された臓器を免疫系が攻撃しないように免疫抑制剤を飲む必要があります。


流行性カポジ肉腫

後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者さんにおけるカポジ肉腫は、流行性カポジ肉腫と呼ばれます。AIDSの発生原因はヒト免疫不全ウイルス(HIV)と呼ばれるウイルスで、このウイルスは免疫系を攻撃し免疫力を弱めます。その結果、感染症や他の疾患が体内に侵入しても免疫系はそれらと闘うことができません。AIDSの患者さんに起こるカポジ肉腫は通常、他の種類のカポジ肉腫よりも速い速度で拡がり、しばしば身体中のいたる箇所で見つかります。


再発カポジ肉腫

再発疾患とは、治療後に再び悪化(再発)したカポジ肉腫(KS)を意味します。がんは発生部位で再発することもあれば、体の他の部位で再発することもあります。


治療選択肢の概要


カポジ肉腫の治療法

カポジ肉腫の患者さん全てに、治療法が存在します。治療法には下記の4種類があります:


放射線療法がカポジ肉腫の一般的な治療法です。放射線療法では、がん細胞を破壊し、腫瘍を縮小させるためにX線や他の高エネルギー線を用います。カポジ肉腫に放射線療法を行う場合、体外の機械から放射線を照射します(外照射療法)。

手術とはがんを除去するという意味です。医師は以下の1つを用いてがんを取り除きます:


化学療法では、薬を使ってがん細胞を殺します。化学療法薬は、経口投与されるか、あるいは静注または筋注で投与されます。化学療法が全身療法と呼ばれるのは、薬が血流に入り、体中をかけめぐり、最初に発生した部位以外のがん細胞も破壊することができるからです。カポジ肉腫に化学療法を行う場合、病変に直接注射されることもあります(病変内局注化学療法)。

生物学的治療は、身体ががんと闘えるようにします。体内あるいは製造ラボで作られる物質を用いて、疾患に対する体本来の防御機能を増強、支持、あるいは修復します。生物学的治療は生物学的反応修飾物質(BRM)療法または免疫療法と呼ばれることがあります。

流行性カポジ肉腫の治療には、高活性抗レトロウイルス療法(HAART)と呼ばれる種類の生物学的治療が単独で用いられるか、または他の治療法と併用されます。HAARTでは、(レトロウイルスの1つである)HIVを標的とするいくつかの抗レトロウイルス薬が組み合わされます。これらの薬物は、体内でウイルスが増殖するのを阻止し、流行性カポジ肉腫のリスクを低下させるのに役立ちます。


病期別の治療法

カポジ肉腫の治療法は、カポジ肉腫の種類、年齢、全身の健康状態によって決まります。

標準治療は過去の研究において患者さんでの有効性が認められている治療法であることから、標準治療を考えても、また臨床試験への参加を考えてもよいでしょう。全ての患者さんが標準治療治癒するとは限りませんし、標準治療の中には予想よりも副作用が強く出るものもあります。このような理由から、臨床試験は最新の情報に基づき、がんの患者さんにより良い治療法を見い出すためにデザインされます。ほとんどの病期のカポジ肉腫を対象とした臨床試験が米国各地で行われています。 


古典型カポジ肉腫

治療法は下記のいずれかになります:


  1. 放射線療法
  2. 局所切除
  3. 全身化学療法または病変内局注化学療法。
  4. 化学療法と放射線療法。

免疫抑制療法に関連して発生したカポジ肉腫

患者さんの状態によっては、免疫抑制の投与を中止すればがんのコントロールが可能です。免疫抑制薬の投与を中止できない場合、あるいは中止してもがんをコントロールできない場合には、下記のいずれかの治療法の実施が考えられます:


  1. 放射線療法
  2. 化学療法臨床試験への参加。

流行性カポジ肉腫

治療法は下記のいずれかになります:


  1. 放射線療法を併用する、または併用しない外科手術局所切除電気乾固および掻爬[そうは]、または凍結療法)。
  2. 全身化学療法臨床試験では、新およびそれらの薬の組合せ方法が検証されています。
  3. 生物学的治療
  4. 新しい治療を評価する臨床試験への参加。

再発カポジ肉腫

再発カポジ肉腫の治療は、カポジ肉腫の種類、患者さんの全身の健康状態、以前に行った治療に対する反応によって異なります。患者さんが臨床試験への参加を望むこともあります。


2007-06-27