医療専門家向け 小児卵巣がんの治療(PDQ®)

    • 原文更新日:2020-06-08
    • 翻訳更新日:2020-09-03

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児卵巣がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

CONTENTS 全て開く全て閉じる

小児卵巣がんに関する一般情報

小児における卵巣腫瘤のほとんどは悪性ではない。[ 1 ]

最もよくみられる新生物は胚細胞腫瘍であり、次に上皮性腫瘍、間質腫瘍、そしてバーキットリンパ腫などのその他の腫瘍が続く。[ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]

悪性卵巣腫瘍のほとんどは15~19歳の女児に発生する。[ 6 ]

参考文献
  1. Lawrence AE, Gonzalez DO, Fallat ME, et al.: Factors Associated With Management of Pediatric Ovarian Neoplasms. Pediatrics 144 (1): , 2019.[PUBMED Abstract]
  2. Morowitz M, Huff D, von Allmen D: Epithelial ovarian tumors in children: a retrospective analysis. J Pediatr Surg 38 (3): 331-5; discussion 331-5, 2003.[PUBMED Abstract]
  3. Schultz KA, Sencer SF, Messinger Y, et al.: Pediatric ovarian tumors: a review of 67 cases. Pediatr Blood Cancer 44 (2): 167-73, 2005.[PUBMED Abstract]
  4. Aggarwal A, Lucco KL, Lacy J, et al.: Ovarian epithelial tumors of low malignant potential: a case series of 5 adolescent patients. J Pediatr Surg 44 (10): 2023-7, 2009.[PUBMED Abstract]
  5. You W, Dainty LA, Rose GS, et al.: Gynecologic malignancies in women aged less than 25 years. Obstet Gynecol 105 (6): 1405-9, 2005.[PUBMED Abstract]
  6. Brookfield KF, Cheung MC, Koniaris LG, et al.: A population-based analysis of 1037 malignant ovarian tumors in the pediatric population. J Surg Res 156 (1): 45-9, 2009.[PUBMED Abstract]
小児上皮性卵巣腫瘍

組織学、臨床像、および予後

悪性の上皮成分に由来する卵巣腫瘍には以下のものがある:

各分類内での亜型には、良性腫瘍、悪性の可能性が低いか、境界線上にある腫瘍、および腺がんがある。小児年齢層におけるほとんどの卵巣腫瘍は、良性または境界線上であり[ 1 ]、青年で悪性病変はまれである。[ 2 ]以下のことが研究で報告されている:

卵巣がん(上皮性卵巣腫瘍)の女児は組織型が類似している成人よりも予後良好であるが、これはおそらく通常女児は早期のがんを呈するためであろう。[ 4 ][ 5 ]小児患者で可能性のある遺伝的素因との関連(BRCA変異など)については、まだ検討されていない。

小児上皮性卵巣腫瘍の治療

小児上皮性卵巣腫瘍に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術単独。

上皮性卵巣腫瘍の治療法は、病期および組織型に基づく。ほとんどの小児および青年患者の病期がI期である。良性腫瘍患者8人を対象としたTREP研究[ 3 ]で、7人の病期がI期で、1人の病期がIII期であった。境界線上の腫瘍の患者8人のうち、3人の病期がI期で、5人の病期がIII期であった(洗浄および大網充填に基づく)。16人の全患者が手術単独による治療を受けた。15人の患者が無病状態で生存している;1人の死亡は卵巣がんによるものではなかった。

悪性の小児上皮性卵巣がんに対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 放射線療法。
  3. 化学療法。

悪性の上皮性卵巣がんの治療は、病期に依存し、成人のプロトコルに従う;それには手術、放射線療法、および化学療法が含まれることがある。(詳しい情報については、成人の上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

参考文献
  1. Childress KJ, Patil NM, Muscal JA, et al.: Borderline Ovarian Tumor in the Pediatric and Adolescent Population: A Case Series and Literature Review. J Pediatr Adolesc Gynecol 31 (1): 48-54, 2018.[PUBMED Abstract]
  2. Hazard FK, Longacre TA: Ovarian surface epithelial neoplasms in the pediatric population: incidence, histologic subtype, and natural history. Am J Surg Pathol 37 (4): 548-53, 2013.[PUBMED Abstract]
  3. Virgone C, Alaggio R, Dall'Igna P, et al.: Epithelial Tumors of the Ovary in Children and Teenagers: A Prospective Study from the Italian TREP Project. J Pediatr Adolesc Gynecol 28 (6): 441-6, 2015.[PUBMED Abstract]
  4. Tsai JY, Saigo PE, Brown C, et al.: Diagnosis, pathology, staging, treatment, and outcome of epithelial ovarian neoplasia in patients age < 21 years. Cancer 91 (11): 2065-70, 2001.[PUBMED Abstract]
  5. Nasioudis D, Alevizakos M, Holcomb K, et al.: Malignant and borderline epithelial ovarian tumors in the pediatric and adolescent population. Maturitas 96: 45-50, 2017.[PUBMED Abstract]
小児性索間質性腫瘍

組織学と分子的特徴

卵巣の性索間質性腫瘍は、性腺非胚細胞成分に由来するまれな異種性腫瘍群を1つにまとめたものである。[ 1 ]組織学的サブタイプは、いくつかの性腺分化領域を表すもので、若年性(およびまれに成人性)顆粒膜細胞腫、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、および硬化性間質性腫瘍が含まれる。ステロイド細胞腫瘍、卵巣の輪状細管を伴う性索腫瘍、または莢膜細胞腫などの他の組織学的サブタイプは、きわめてまれである。小児および青年における卵巣のセルトリ-ライディッヒ細胞腫は、一般的にDICER1の生殖細胞変異の存在と関連しており、家族性胸膜肺芽腫症候群の一症状の可能性がある。[ 2 ]

臨床像

性索間質性腫瘍の臨床像および予後は組織型により異なる。すべての疾患で、転移が生じることはまれであり、転移がみられる場合は通常腹腔に限局する。[ 1 ]遠隔転移は、ほとんどが再燃の状況で生じる。[ 3 ]一部の腫瘍はホルモン分泌と関係している場合がある;例えば、顆粒膜細胞腫におけるエストロゲンまたはセルトリ・ライディッヒ細胞腫におけるアンドロゲンがある。[ 4 ]

診断的評価

米国では、これらの腫瘍がTesticular and Ovarian Stromal Tumorレジストリーに登録される場合がある。[ 5 ]欧州では、患者は全国希少腫瘍グループ(national rare tumor groups)にプロスペクティブに登録される。[ 5 ][ 6 ]診断的精密検査、病期分類、治療戦略に関する推奨はこれらのレジストリー間で調整されている。[ 5 ]

予後因子

German Maligne Keimzelltumoren(MAKEI)研究からの報告で、プロスペクティブに性索間質性腫瘍に登録された小児および青年54人が解析された。48人の患者がI期の腫瘍で、6人の患者が腹膜転移を有していた。全体的な予後は良好であったが、リスクのある患者は、病期(Ic期、術前の破裂、II期およびIII期)および細胞分裂数が多いなどの組織学的基準により特定可能であった。[ 7 ]

小児性索間質性腫瘍の治療

小児性索間質性腫瘍に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 化学療法。

フランスのレジストリーで18歳未満の卵巣性索腫瘍の女児38人が同定された。[ 4 ]38人中23人で外科的完全切除が得られ、補助治療を受けなかった。2人が再発を来し、1人の腫瘍は化学療法に反応し、もう1人は死亡した。15人の女児が腫瘍の破裂および/または腹水を生じた。この15人の患児中11人が化学療法を受け、再発を来さなかった;化学療法を受けなかった4人の患児では、全員が再発し、2人が死亡した。

小児若年性顆粒膜細胞腫

発生率

18歳未満の女児において最も多くみられる組織学的サブタイプは、若年性顆粒膜細胞腫である(年齢中央値、7.6歳;範囲、0歳~17.5歳)。[ 8 ][ 9 ]小児および青年における卵巣腫瘍では、若年性顆粒膜細胞腫が約5%を占め、成人にみられる顆粒膜細胞腫とは区別される。[ 1 ][ 10 ][ 11 ][ 12 ]

危険因子

オリエ病およびMaffucci症候群の患児において、若年性顆粒膜細胞腫が報告されている。[ 13 ][ 14 ]

臨床像

若年性顆粒膜細胞腫の患児は以下の症状を呈する:[ 15 ][ 16 ]

小児若年性顆粒膜細胞腫の治療

小児若年性顆粒膜細胞腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。若年性顆粒膜細胞腫患児の90%までもが国際産科婦人科連合(FIGO)基準で早期の卵巣がん(I期)と分類され、通常は片側の卵管卵巣摘出術のみで根治可能である。
  2. 化学療法。 自然腫瘍破裂または悪性腹水(FIGO分類のIC2期、IC3期)、進行がん(FIGO分類のII~IV期)、および分裂活性の高い腫瘍の患児は、より予後不良であり、化学療法が必要となる。[ 4 ][ 6 ][ 17 ]補助療法および再発例の治療のいずれの状況でも、シスプラチンをベースとした化学療法レジメンの使用が報告されており、ある程度の成功を収めている。[ 6 ][ 8 ][ 12 ][ 18 ][ 19 ][証拠レベル:3iiiA]

小児セルトリ-ライディッヒ細胞腫

発生率、危険因子、および臨床像

セルトリ-ライディッヒ細胞腫は若年女児ではまれであり、青年期により頻繁に認められる。これらの腫瘍はアンドロゲンを分泌することがあり、それにより、男性化、続発性無月経症[ 20 ]、または思春期早発症[ 21 ]を呈する。これらの腫瘍はポイツ・ジェガース症候群と関連することもあるが、DICER1の腫瘍範囲の一部であることの方が多い。[ 2 ][ 22 ][ 23 ]セルトリ-ライディッヒ細胞腫患者は、生殖細胞DICER1変異について評価すべきである。生殖細胞DICER1変異がみつかった場合は、卵巣腫瘍や甲状腺疾患(多発結節性甲状腺腫、がん腫)といった他の腫瘍に対する定期的なフォローアップおよび遺伝カウンセリングを検討すべきである。[ 23 ][ 24 ]

小児セルトリ-ライディッヒ細胞腫の治療および転帰

小児セルトリ-ライディッヒ細胞腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。セルトリ-ライディッヒ細胞腫に対しては手術が一次治療であり、低病期(FIGO分類のIa期)については唯一の治療法であり、基本的に100%のイベントフリー生存(EFS)率が得られる。[ 4 ][証拠レベル:3iiiA]しかしながら、最大10%の患者が異時性の対側腫瘍を発症する可能性があり、特にDICER1生殖細胞変異が基礎にある状況でみられる。[ 25 ]
  2. 化学療法。 手術中の腹部漏出、自然腫瘍破裂、または転移性病変を伴うセルトリ-ライディッヒ細胞腫患者(FIGO病期IC期、II期、III期、IV期)はシスプラチンベースの多剤併用化学療法により治療するが、化学療法の影響について臨床試験での研究は行われていない。[ 4 ][ 26 ]別の1件の研究が、FIGO病期I期またはIc期の卵巣のセルトリ-ライディッヒ細胞腫の女性40人(平均年齢、28歳)について報告した。[ 27 ][証拠レベル:3iiA]中分化または低分化の患者34人中、23人が術後化学療法(ほとんどのレジメンにシスプラチンが含まれた)を受けた;再発した患者はなかった。術後化学療法を受けなかった11人の患者のうち、2人が再発した;2人とも腫瘍は化学療法により救助された。

European Cooperative Study Group on Pediatric Rare Tumorsからの44人の患者を対象とした研究で、セルトリ-ライディッヒ細胞腫の予後が病期と病理組織学的分化度によって決定されることが示された。[ 26 ]

参考文献
  1. Schneider DT, Jänig U, Calaminus G, et al.: Ovarian sex cord-stromal tumors--a clinicopathological study of 72 cases from the Kiel Pediatric Tumor Registry. Virchows Arch 443 (4): 549-60, 2003.[PUBMED Abstract]
  2. Schultz KA, Pacheco MC, Yang J, et al.: Ovarian sex cord-stromal tumors, pleuropulmonary blastoma and DICER1 mutations: a report from the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. Gynecol Oncol 122 (2): 246-50, 2011.[PUBMED Abstract]
  3. Wessalowski R, Spaar HJ, Pape H, et al.: Successful liver treatment of a juvenile granulosa cell tumor in a 4-year-old child by regional deep hyperthermia, systemic chemotherapy, and irradiation. Gynecol Oncol 57 (3): 417-22, 1995.[PUBMED Abstract]
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  7. Schneider DT, Calaminus G, Wessalowski R, et al.: Ovarian sex cord-stromal tumors in children and adolescents. J Clin Oncol 21 (12): 2357-63, 2003.[PUBMED Abstract]
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  11. Zaloudek C, Norris HJ: Granulosa tumors of the ovary in children: a clinical and pathologic study of 32 cases. Am J Surg Pathol 6 (6): 503-12, 1982.[PUBMED Abstract]
  12. Vassal G, Flamant F, Caillaud JM, et al.: Juvenile granulosa cell tumor of the ovary in children: a clinical study of 15 cases. J Clin Oncol 6 (6): 990-5, 1988.[PUBMED Abstract]
  13. Tanaka Y, Sasaki Y, Nishihira H, et al.: Ovarian juvenile granulosa cell tumor associated with Maffucci's syndrome. Am J Clin Pathol 97 (4): 523-7, 1992.[PUBMED Abstract]
  14. Sampagar AA, Jahagirdar RR, Bafna VS, et al.: Juvenile granulosa cell tumor associated with Ollier disease. Indian J Med Paediatr Oncol 37 (4): 293-295, 2016 Oct-Dec.[PUBMED Abstract]
  15. Kalfa N, Patte C, Orbach D, et al.: A nationwide study of granulosa cell tumors in pre- and postpubertal girls: missed diagnosis of endocrine manifestations worsens prognosis. J Pediatr Endocrinol Metab 18 (1): 25-31, 2005.[PUBMED Abstract]
  16. Gell JS, Stannard MW, Ramnani DM, et al.: Juvenile granulosa cell tumor in a 13-year-old girl with enchondromatosis (Ollier's disease): a case report. J Pediatr Adolesc Gynecol 11 (3): 147-50, 1998.[PUBMED Abstract]
  17. Wu H, Pangas SA, Eldin KW, et al.: Juvenile Granulosa Cell Tumor of the Ovary: A Clinicopathologic Study. J Pediatr Adolesc Gynecol 30 (1): 138-143, 2017.[PUBMED Abstract]
  18. Powell JL, Connor GP, Henderson GS: Management of recurrent juvenile granulosa cell tumor of the ovary. Gynecol Oncol 81 (1): 113-6, 2001.[PUBMED Abstract]
  19. Schneider DT, Calaminus G, Wessalowski R, et al.: Therapy of advanced ovarian juvenile granulosa cell tumors. Klin Padiatr 214 (4): 173-8, 2002 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]
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  21. Choong CS, Fuller PJ, Chu S, et al.: Sertoli-Leydig cell tumor of the ovary, a rare cause of precocious puberty in a 12-month-old infant. J Clin Endocrinol Metab 87 (1): 49-56, 2002.[PUBMED Abstract]
  22. Zung A, Shoham Z, Open M, et al.: Sertoli cell tumor causing precocious puberty in a girl with Peutz-Jeghers syndrome. Gynecol Oncol 70 (3): 421-4, 1998.[PUBMED Abstract]
  23. Schultz KA, Harris A, Messinger Y, et al.: Ovarian tumors related to intronic mutations in DICER1: a report from the international ovarian and testicular stromal tumor registry. Fam Cancer 15 (1): 105-10, 2016.[PUBMED Abstract]
  24. Schultz KAP, Williams GM, Kamihara J, et al.: DICER1 and Associated Conditions: Identification of At-risk Individuals and Recommended Surveillance Strategies. Clin Cancer Res 24 (10): 2251-2261, 2018.[PUBMED Abstract]
  25. Schultz KAP, Harris AK, Finch M, et al.: DICER1-related Sertoli-Leydig cell tumor and gynandroblastoma: Clinical and genetic findings from the International Ovarian and Testicular Stromal Tumor Registry. Gynecol Oncol 147 (3): 521-527, 2017.[PUBMED Abstract]
  26. Schneider DT, Orbach D, Cecchetto G, et al.: Ovarian Sertoli Leydig cell tumours in children and adolescents: an analysis of the European Cooperative Study Group on Pediatric Rare Tumors (EXPeRT). Eur J Cancer 51 (4): 543-50, 2015.[PUBMED Abstract]
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小児卵巣小細胞がん、高カルシウム血症型

発生率、分子的特徴、および予後

卵巣小細胞がんはきわめてまれな侵攻性の強い腫瘍であり、高カルシウム血症と関連することがある。[ 1 ]

これらの腫瘍では、SMARCA4変異が報告されており、ラブドイド腫瘍の範疇に含められる。[ 2 ]

臨床経過は通常侵攻性で、予後は不良である。

小児卵巣小細胞がん、高カルシウム血症型の治療

小児卵巣小細胞がんに対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 積極的な集学的治療。2~3例の症例において、積極的な療法を用いる治療での成功が報告されている。[ 1 ][ 3 ][証拠レベル:3iiB];[ 4 ][ 5 ][証拠レベル:3iiiA]
  2. タゼメトスタット。タゼメトスタットはEZH2阻害薬で、SMARCA4欠失を伴う卵巣の小細胞がんの前臨床モデルに対して活性が実証されている。[ 6 ]SMARCA4欠失を伴う卵巣の小細胞がん患者2人がタゼメトスタットの第I相試験に登録された;1人が部分奏効に達し、1人が長期安定に達した。タゼメトスタットに関連した最も一般的な毒性作用は、無力症、貧血、食欲不振、筋痙攣、吐き気、および嘔吐であった。[ 7 ]
参考文献
  1. Distelmaier F, Calaminus G, Harms D, et al.: Ovarian small cell carcinoma of the hypercalcemic type in children and adolescents: a prognostically unfavorable but curable disease. Cancer 107 (9): 2298-306, 2006.[PUBMED Abstract]
  2. Witkowski L, Goudie C, Foulkes WD, et al.: Small-Cell Carcinoma of the Ovary of Hypercalcemic Type (Malignant Rhabdoid Tumor of the Ovary): A Review with Recent Developments on Pathogenesis. Surg Pathol Clin 9 (2): 215-26, 2016.[PUBMED Abstract]
  3. Pressey JG, Kelly DR, Hawthorne HT: Successful treatment of preadolescents with small cell carcinoma of the ovary hypercalcemic type. J Pediatr Hematol Oncol 35 (7): 566-9, 2013.[PUBMED Abstract]
  4. Christin A, Lhomme C, Valteau-Couanet D, et al.: Successful treatment for advanced small cell carcinoma of the ovary. Pediatr Blood Cancer 50 (6): 1276-7, 2008.[PUBMED Abstract]
  5. Kanwar VS, Heath J, Krasner CN, et al.: Advanced small cell carcinoma of the ovary in a seventeen-year-old female, successfully treated with surgery and multi-agent chemotherapy. Pediatr Blood Cancer 50 (5): 1060-2, 2008.[PUBMED Abstract]
  6. Chan-Penebre E, Armstrong K, Drew A, et al.: Selective Killing of SMARCA2- and SMARCA4-deficient Small Cell Carcinoma of the Ovary, Hypercalcemic Type Cells by Inhibition of EZH2: In Vitro and In Vivo Preclinical Models. Mol Cancer Ther 16 (5): 850-860, 2017.[PUBMED Abstract]
  7. Italiano A, Soria JC, Toulmonde M, et al.: Tazemetostat, an EZH2 inhibitor, in relapsed or refractory B-cell non-Hodgkin lymphoma and advanced solid tumours: a first-in-human, open-label, phase 1 study. Lancet Oncol 19 (5): 649-659, 2018.[PUBMED Abstract]
小児卵巣がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

米国国立がん研究所(NCI)が支援している臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトに掲載されている。他の組織がスポンサーの臨床試験に関する情報については、ClinicalTrials.govウェブサイトを参照のこと。

以下は、現在実施されている全米および/または施設の臨床試験の例である:

小児がん治療に関する特別な考慮事項

小児および青年におけるがんはまれであるが、小児がんの全発生率は1975年以降徐々に増加している。[ 1 ]小児および青年のがん患者については、小児期および青年期に発生するがんの治療経験を有するがん専門家から構成される集学的チームのある医療機関への紹介を検討すべきである。この集学的チームのアプローチとは、至適生存期間および至適QOLを得られるような治療、支持療法、およびリハビリテーションを小児が必ず受けられるようにするため、以下に示す医療専門家の技術を集結したものである:

(小児および青年のがんの支持療法に関する具体的な情報については、PDQの支持療法および緩和ケアの要約を参照のこと。)

米国小児科学会によって、小児がん施設とそれらが小児がん患者の治療において担う役割に関するガイドラインが概説されている。[ 2 ]このような小児がん施設では、小児および青年に発症するほとんどの種類のがんに関する臨床試験が行われており、大半の患者およびその家族に参加する機会が与えられている。小児および青年のがんに関する臨床試験は一般に、現在標準とされている治療法と、それより効果的であると思われる治療法とを比較するようデザインされる。小児がんの治癒を目指した治療法の進歩の大部分は、このような臨床試験によって達成されたものである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

小児および青年のがん患者の生存において、劇的な改善が達成されている。1975年から2010年の間に、小児がんの死亡率は50%以上低下した。[ 3 ]小児および青年のがん生存者では、治療から数ヵ月または数年経過後もがん療法の副作用が持続または発現することがあるため、綿密なモニタリングが必要である。(小児および青年のがん生存者における晩期合併症(晩期障害)の発生率、種類、およびモニタリングに関する具体的な情報については、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関するPDQ要約を参照のこと。)

小児がんはまれな疾患であり、米国において20歳未満で診断される症例は年間約15,000例である。[ 4 ]米国の2002年希少疾患対策法(Rare Diseases Act of 2002)では、希少疾患を罹患者が20万人未満の疾患と定めている。そのため、小児がんはすべて希少疾患とみなされる。

まれな腫瘍の指定は小児および成人のグループ間で統一されていない。成人のまれながんは、年間発生率が10万人当たり6例未満のがんとして定義され、欧州連合で診断されるすべてのがんの最大24%および米国で診断されるすべてのがんの約20%を占めていると推定される。[ 5 ][ 6 ]また、小児のまれな腫瘍の指定は、以下に示すように国際的グループ間で統一されていない:

このようなまれながんは、個々の診断を受ける患者の発生率が低いこと、青年集団にまれながんが多いこと、およびまれながんの青年についての臨床試験が行われていないことから、研究がきわめて困難である。

これらの腫瘍に関する情報は、成人上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの治療に関するPDQ要約など、成人のがんに関連する情報源でも記載されている場合がある。

参考文献
  1. Smith MA, Seibel NL, Altekruse SF, et al.: Outcomes for children and adolescents with cancer: challenges for the twenty-first century. J Clin Oncol 28 (15): 2625-34, 2010.[PUBMED Abstract]
  2. Corrigan JJ, Feig SA; American Academy of Pediatrics: Guidelines for pediatric cancer centers. Pediatrics 113 (6): 1833-5, 2004.[PUBMED Abstract]
  3. Smith MA, Altekruse SF, Adamson PC, et al.: Declining childhood and adolescent cancer mortality. Cancer 120 (16): 2497-506, 2014.[PUBMED Abstract]
  4. Ward E, DeSantis C, Robbins A, et al.: Childhood and adolescent cancer statistics, 2014. CA Cancer J Clin 64 (2): 83-103, 2014 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]
  5. Gatta G, Capocaccia R, Botta L, et al.: Burden and centralised treatment in Europe of rare tumours: results of RARECAREnet-a population-based study. Lancet Oncol 18 (8): 1022-1039, 2017.[PUBMED Abstract]
  6. DeSantis CE, Kramer JL, Jemal A: The burden of rare cancers in the United States. CA Cancer J Clin 67 (4): 261-272, 2017.[PUBMED Abstract]
  7. Ferrari A, Bisogno G, De Salvo GL, et al.: The challenge of very rare tumours in childhood: the Italian TREP project. Eur J Cancer 43 (4): 654-9, 2007.[PUBMED Abstract]
  8. Pappo AS, Krailo M, Chen Z, et al.: Infrequent tumor initiative of the Children's Oncology Group: initial lessons learned and their impact on future plans. J Clin Oncol 28 (33): 5011-6, 2010.[PUBMED Abstract]
  9. Howlader N, Noone AM, Krapcho M, et al., eds.: SEER Cancer Statistics Review, 1975-2012. Bethesda, Md: National Cancer Institute, 2015. Also available online. Last accessed February 20, 2020.[PUBMED Abstract]
本要約の変更点(06/08/2020)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

小児卵巣がんに関する一般情報

参考文献1としてLawrence et al.が追加された。

小児卵巣小細胞がん、高カルシウム血症型

本文に以下の記述が追加された;タゼメトスタットに関連した最も一般的な毒性作用は、無力症、貧血、食欲不振、筋痙攣、吐き気、および嘔吐であった。

本要約はPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児卵巣がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Ovarian Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/ovarian/hp/child-ovarian-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

免責条項

入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。