患者さん向け 前立腺がん、栄養、栄養補助食品(PDQ®)

    • 原文更新日:2019-06-25
    • 翻訳更新日:2020-03-12

ご利用について

このPDQがん情報要約では、前立腺がんの発生リスクを低下させるための、あるいは前立腺がんを治療するための栄養補助食品の使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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はじめに

米国では、前立腺がんにかかる男性の数が、皮膚がんを除くその他のがんになる男性の数を上回っています。前立腺がんは主に高齢男性にみられます。米国では男性の5人に1人が前立腺がんと診断されます。前立腺がんと診断された大部分の男性は、それが原因では死亡しません。

補完代替医療(CAM)は標準治療に追加して(補完)またはその代わりに(代替)用いられる治療法です。一般的に、CAMの治療法は標準治療とは考えられていません。標準治療は長期にわたる慎重な研究過程を経て安全性と有効性が証明されていますが、大半のCAMの治療法ではそれらの点があまり明らかになっていません。

前立腺がんの患者さんの間では、CAMは一般的に使用されています。前立腺がんの患者さんがCAMを利用する理由についての研究によると、患者さんの選択は、自身の病歴や、標準治療と比較した場合のCAMの安全性と副作用に対する考え、さらには治療が自分の管理下にあるという感覚の必要性などに基づきます。

前立腺がんの患者さんに利用されているCAMには、特定の食品、栄養補助食品ハーブビタミンミネラルなどがあります。

このPDQ要約には、前立腺がんの患者さんによって前立腺がんの予防や治療に使用される、以下の食品や栄養補助食品などについてのセクションがあります:

それぞれのセクションで、食品や栄養補助食品ごとに以下の情報を記載しています:

注:PC-SPESに関する別のPDQ要約もご覧ください。

前立腺がんにおけるCAM使用の概要

前立腺がんの治療を目的としたCAM使用についての研究では、次のような点が示されています:

前立腺がんのリスク低下や再発予防を目的としたCAM使用についての研究により、次のような点が示されています:

前立腺がんの予防についての詳しい情報は、前立腺がんの予防に関するPDQ要約をご覧ください。

カルシウムに関する質問と回答
1.カルシウムとは何ですか。

カルシウムは、血管や筋肉、神経の基本的な機能や、細胞間シグナル伝達ホルモン分泌に必須のミネラルです。体内に最も多く存在するミネラルです。体は主に骨組織にカルシウムを蓄えます。

2.カルシウムの投与または摂取方法はどのようなものですか。

カルシウムは主に食品と栄養補助食品から摂取されます。食事で摂取するカルシウムの約3分の1は、牛乳やチーズまたはヨーグルトなどの乳製品に由来します。野菜の摂取源には、ハクサイ、ケール、ブロッコリーなどがあります。カルシウムが添加されている食品には、フルーツジュースなどの飲み物、豆腐、シリアルなどがあります。

カルシウムと前立腺がんのリスクに関するほとんどの研究は、食事に含まれるカルシウムを対象としており、栄養補助食品に含まれるカルシウムを検討していません。

3.これまでにカルシウムを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象にカルシウムの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。カルシウムを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたカルシウムの試験は行われていますか。

乳製品やカルシウムと前立腺がんのリスクとの関連を明らかにするため、ヒトを対象とした研究が世界各地で行われています。

集団研究

前立腺がんの予防に関する臨床試験

複合的研究

5.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でカルシウムをがんの治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、カルシウムをがんの治療薬として使用することを承認していません。

FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、カルシウムの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

緑茶に関する質問と回答
1.緑茶とは何ですか。

お茶はチャノキ(Camellia sinensis)という植物から作られます。この植物の葉を処理する方法によって、生産されるお茶の種類が決まります。

研究されている緑茶の健康上の利益は、ポリフェノールと呼ばれる成分に由来すると考えられています。ポリフェノールは植物由来化学物質の大きなグループの1つで、その中にはカテキンフリーラジカルにより被る損傷から細胞を保護する働きがある抗酸化物質)も含まれています。緑茶に含まれるポリフェノールのほとんどがカテキンです。

使用する茶葉や処理方法によって、緑茶には多種多様なカテキンが含まれています。そのため、緑茶がもつ健康上の利益に関連する化学的要素を特定することは困難です。

緑茶には心血管疾患や前立腺がんを含む一部のがんに対する保護作用がある可能性を示唆する研究がいくつかあります。緑茶が前立腺がんを予防または治療できるかどうかを示す十分な証拠はありません。

2.緑茶の投与または摂取方法はどのようなものですか。

通常、緑茶は飲み物や栄養補助食品として摂取します。

3.これまでに緑茶を使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象に緑茶の効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。緑茶を使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象とした緑茶の試験は行われていますか。

緑茶が前立腺がんを予防または治療できるかどうかを明らかにするために、集団研究や臨床試験が実施されています。結果は一貫していません。

集団研究

前立腺がんの予防と治療に関する臨床試験

5.緑茶について副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

固形腫瘍を有する患者さんを対象に経口の緑茶抽出物を調査した試験では、緑茶7~8杯(120ml/杯)分の量を1日3回に分けて6ヵ月間摂取しても、安全な用量であることが報告されました。カフェインによる副作用が発生しました。

数件の臨床試験で、前立腺がんの予防を目的とした緑茶化合物の長期使用の安全性が報告されています。1件の米国の試験では、前立腺がんのリスクがある男性に1年間、緑茶抽出物かプラセボを投与しました。緑茶抽出物を投与された群では、プラセボ投与群よりも多くの副作用が報告されました。

前立腺がんの患者さんを対象とした数件の安全性試験で、90日以内という短期間の緑茶の使用は、患者さんにとって十分に耐えられるものでした。ある研究によると、緑茶の副作用として、食欲不振、胸やけ、吐き気下痢が多く報告されました。これらの症状は、重度の食欲不振と呼吸困難の2件の報告を除いて軽度でした。進行がんの患者さんでは、不眠症錯乱疲労などの副作用が報告されました。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国で緑茶をがんの治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、緑茶をがんやその他の疾患の治療薬として使用することを承認していません。

FDAのDivision of Drug Oncology Products(抗腫瘍薬製品担当部門)では、臨床試験に参加している患者さんに緑茶抽出物を食事と一緒に服用するよう勧告し、治療中には肝機能検査を検討することを勧めています。

米国では、緑茶は食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、緑茶の栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

リコピンに関する質問と回答
1.リコピンとは何ですか。

リコピンカロテノイド(植物により作られる天然の色素)の一種です。赤色で、脂肪と結合する、または脂肪に溶ける性質があります。リコピンは植物を光に関連するストレスから守るほか、植物が太陽エネルギーを利用して栄養素を作る働きに関係しています。リコピンはトマトやアプリコット、グァバ、スイカなどの果物や野菜に含まれています。

リコピンを多く含む主な食品は、トマトベースの製品です。生のトマトよりも、トマトペーストやピュレーなどの加工食品に含まれるリコピンのほうが、生物学的に利用可能な(体内で用いられやすい)状態になっています。

リコピンの心血管疾患がんにおける役割が研究されています。

2.リコピンの投与または摂取方法はどのようなものですか。

リコピンは食事から摂取するか、栄養補助食品を使用して摂取します。

3.これまでにリコピンを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんに対するリコピンの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。リコピンを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたリコピンの試験は行われていますか。

リコピンが前立腺がんを予防または治療できるかどうかを明らかにするために、集団研究臨床試験が実施されています。臨床試験の結果は一貫していません。

集団研究

リコピンの摂取源と種類、食事の種類、遺伝性のリスク因子肥満タバコアルコールの使用などが関与して、相反する研究結果につながっている可能性があります。ほとんどの研究は、前立腺がん全体のリスクに対するリコピンの効果を調べており、低悪性度高悪性度の前立腺がんに対するリコピンの効果を比較していません。

早期前立腺がんの予防と治療に関する臨床試験

前立腺がんの治療に関する臨床試験

本要約の併用療法のセクションでは、リコピンを含む併用療法に関する他の試験について記載しています。

5.リコピンについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

リコピンは多くの臨床試験で投与されていますが、副作用はごく少数です。消化管の症状(例えば、下痢、吐き気と嘔吐、腹部膨満、ガスがたまる、炎)などがわずかに報告されているだけです。1件の研究では、リコピンを食事とともに摂取すると症状は消失しました。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でリコピンをがんの予防薬または治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、リコピンをがんやその他の病の治療薬として使用することを承認していません。

米国では、リコピンは食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、リコピンの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

調整シトラスペクチンに関する質問と回答
1.調整シトラスペクチンとは何ですか。

ペクチンは多糖類(多数の小さな糖分子が化学的に結合した炭水化物)の一種です。ペクチンはほとんどの植物の細胞壁に認められ、ゲル状の性質を持ち、多くの種類の食品や医薬品を製造する上で有用です。

シトラスペクチンはオレンジやグレープフルーツ、レモン、ライムなど、柑橘系の果物の皮と果肉に含まれます。高いpHと熱でシトラスペクチンを処理し(変化させ)、その分子を細かく分解することができます。調整シトラスペクチン(MCP)は体内で消化、吸収されます。

2.MCPの投与または摂取方法はどのようなものですか。

MCPは粉末またはカプセルの形で服用します。

3.これまでにMCPを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象にMCPの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。MCPを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたMCPの試験は行われていますか。

前立腺がんの患者さんを対象として、数件の試験が行われています。

前立腺がんを含む進行性の固形腫瘍の患者さんを対象とした1件の試験では、水に溶かしたMCP粉末を1日に3回、8週間以上にわたって投与しました。この試験では、健康全般、疲労、痛み、不眠の改善が報告されました。約4分の1の患者さんには8週間の治療後に不変(疾患が安定している)状態が確認され、より少数の患者さんは24週後でも不変でした。

前立腺特異抗原(PSA)の倍加時間血液中のPSA値が2倍になるまでの時間)に対するMCPの影響を調べる研究では、PSA値が上昇している前立腺がんの患者さんにMCPカプセルを1日3回、12ヵ月間投与しました。治療後、10人中7人の患者さんでPSA倍加時間が遅くなりました。

5.MCPについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

MCPについての2件の研究は、大半の患者さんでほとんど副作用がみられなかったことを示しています。1件の研究で、かゆみやの不調、ガスがたまるという副作用が報告されています。また、別の研究では、3人の患者さんに腹部の痙攣と下痢がみられましたが、治療を中止すると、それらの症状は消失しました。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でMCPをがんの予防薬または治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、MCPをがんやその他の病の治療薬として使用することを承認していません。

米国では、MCPは食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、MCPの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

ザクロに関する質問と回答
1.ザクロとは何ですか。

ザクロPunica granatum L.)は、アジアをはじめ、地中海沿岸、東南アジア、東インド諸島、アフリカ、米国に分布している果物です。ザクロは何百年も昔から医薬品として利用されてきました。

ザクロは以下の部分で構成されます。

2.ザクロの投与または摂取方法はどのようなものですか。

ザクロの果実と果汁は食事から摂取するか、栄養補助食品を使用して摂取します。

3.これまでにザクロを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象にザクロの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。ザクロを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたザクロの試験は行われていますか。

3件の臨床試験で、手術または放射線療法の後にPSA値が上昇している再発前立腺がんの患者さんを対象として、前立腺特異抗原(PSA)の倍加時間(PSADT)に対するザクロ製品の影響が調べられました。

これらの研究では、登録された患者さんのPSA値が異なり、またプラセボ群を設けていたかどうかにも違いがありました。3件全ての試験で、ザクロ抽出物は安全であることが示されました。今後の研究によって、特定の遺伝子マーカーを持つ患者さんにとってザクロ製品の使用が有益かどうかが解明される可能性があります。

5.ザクロについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

前立腺がんまたは勃起不全の患者さんを対象としたザクロ果汁についての2件の研究では、深刻な副作用は報告されていません。

6.ザクロ果汁を避けるべき理由はありますか。

一部のザクロ製品には、過剰な糖分を含んでいるものがあります。米国がん研究協会(American Institute for Cancer Research、AICR)などの一部のグループは、糖分を含んだ飲み物を避けるよう推奨しています。詳しい情報については、AICRのウェブサイトをご覧ください。

7.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でザクロをがんの予防薬または治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、ザクロをがんやその他の病の治療薬として使用することを承認していません。

米国では、ザクロは食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、ザクロの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

セレンに関する質問と回答
1.セレンとは何ですか。

セレンは微量ミネラル(人体にわずかな量だけ必要な栄養素)です。セレンは生殖や免疫などの多くの身体機能で活発に働く特定の蛋白に含まれています。セレンを含む食物には、肉、野菜、ナッツ類などがあります。食物に含まれるセレンの量は、食物が成長した土壌のセレン含有量に左右されます。セレンは甲状腺肝臓膵臓下垂体腎臓に蓄えられます。

セレンは、がんなどの多くの疾患において、何らかの役割を果たすと考えられます。米国国立がん研究所後援の大規模なセレンとビタミンEによるがん予防試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial、SELECT)の結果から、前立腺がんの男性は推奨摂取を超えたセレンサプリメントを摂取しないようにとの警告が行われています。

2.セレンの投与または摂取方法はどのようなものですか。

セレンは食事から摂取するか、栄養補助食品を使用して摂取します。

3.これまでにセレンを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象にセレンの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。セレンを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたセレンの試験は行われていますか。

セレンが前立腺がんを予防または治療できるかどうかを明らかにするために、集団研究臨床試験が実施されています。試験の結果は一貫していません。

集団研究

前立腺がんの予防と治療に関する臨床試験

セレンとビタミンEによるがん予防試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial、SELECT)

セレンとビタミンEによるがん予防試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial、SELECT)は、2001年に米国国立衛生研究所が開始した大規模な臨床試験であり、前立腺がんの発生に対するセレンやビタミンEの効果を調査しています。50歳以上の男性35,000人以上が、以下の組み合わせのいずれかを毎日、7~12年間投与される群にランダムに割り付けられました:

2009年に報告されたSELECTの最初の結果では、4つの群の間で前立腺がん発生率に差はみられませんでした。ビタミンE単独の群では、前立腺がんの発生率がわずかに上昇し、セレン単独の群では糖尿病の発生率がわずかに高くなりました。これらの変化の原因が栄養補助食品であるかどうかは不明ですが、研究に参加した男性には、研究対象の栄養補助食品の使用を中止するよう助言が行われました。

2011年に更新されたSELECTの結果では、セレンの栄養補助食品は前立腺がんのリスクに影響を及ぼさなかったことが示されました。しかし、ビタミンEを単独で投与された男性ではプラセボ群に比べて前立腺がんのリスクが17%高くなりました。

2014年に発表されたその後のSELECTの結果では、試験開始時点でセレンが低値だった男性に対するセレンの栄養補助食品の投与は、前立腺がんのリスクに影響しないことが明らかになりました;一方で、試験開始時点でセレンが高値だった男性に対するセレンの栄養補助食品の投与は、高悪性度の前立腺がんのリスクを高めました。

ビタミンEの用量やセレンの形態など、複数の因子が研究結果に影響したと考えられます。著者らは、男性は食事での推奨摂取量を超えてセレンを摂取しないようにすべきであると結論付けています。

SELECTに登録された男性1,434人を対象とした1件のコホート研究で、体内でのセレンとビタミンEの使用を制御する特定の遺伝子の変化が、前立腺がんのリスクに影響を及ぼす可能性が示唆されました。

5.セレンの栄養補助食品の摂取に何らかの危険性や副作用は報告されていますか。

セレンの栄養補助食品は多くの臨床試験で良好な忍容性を示しました。2件の発表された試験では、プラセボ群または治療群の間で有害作用に差がみられませんでした。しかしSELECT試験では、セレンの栄養補助食品の使用が糖尿病の発生率のわずかな上昇に関連していました。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でセレンをがんの治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、セレンの栄養補助食品をがんの治療または予防目的で使用することを承認していません。

米国では、セレンは食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、セレンの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

大豆に関する質問と回答
1.大豆とは何ですか。

ダイズはアジアで数千年前から食物として栽培されてきました。ダイズからとれる大豆は、豆乳、味噌、豆腐、大豆粉、油など様々な製品に加工されます。

大豆食品は健康に有益な植物性化学物質を含んでいます。イソフラボンは大豆に含まれる化合物のなかで、一番広く研究されている成分です。大豆に含まれる主なイソフラボンには、ゲニステイン(最も生理活性が高いと考えられるイソフラボン)、ダイゼイン、グリシタインがあります。

イソフラボンは細胞内のエストロゲン受容体に結合するフィトエストロゲン(植物に含まれるエストロゲン様の物質)です。ゲニステインはがんの増殖と転移に関連する前立腺がん細胞内の多くの経路に影響を及ぼすことが示されています。

2.大豆の投与または摂取方法はどのようなものですか。

大豆は食事から摂取するか、栄養補助食品を使用して摂取します。

3.これまでに大豆を使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象に大豆の効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。大豆を使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象とした大豆の試験は行われていますか。

大豆が前立腺がんを予防または治療できるかどうかを明らかにするために、集団研究臨床試験が実施されています。試験の結果は一貫していません。

集団研究

前立腺がんの予防と治療に関する臨床試験

5.大豆について副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

多くの臨床試験で前立腺がんの患者さんが大豆製品とイソフラボンを摂取し、ごく少数の副作用がみられました。最もよく報告された副作用は、軽い消化管症状です。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国で大豆をがんの予防薬または治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、大豆をがんやその他の病の治療薬として使用することを承認していません。

米国では、大豆は食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、大豆の栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

ビタミンDに関する質問と回答
1.ビタミンDとは何ですか。

ビタミンDは、栄養強化された乳製品、脂がのった魚、魚類肝油、卵に含まれる脂溶性ビタミンです。

ビタミンDは体内で次のような数多くの役割を果たします:

ビタミンDは骨の成長に必要な物質であり、成人の骨粗鬆症を防ぎます。通常、ビタミンDの値は、血液中の25-ヒドロキシビタミンDの量を測定して調べます。

2.ビタミンDの投与または摂取方法はどのようなものですか。

ビタミンDは、日光を浴びると体内で自然に作られます。 また、ビタミンDは食事や栄養補助食品からも摂取します。

3.これまでにビタミンDを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象にビタミンDの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。ビタミンDを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたビタミンDの試験は行われていますか。

ビタミンDが前立腺がんの予防または治療に有用かどうかを明らかにするため、多くの集団研究臨床試験が実施されています。試験の結果は一貫していません。

集団研究

複合的な集団研究

前立腺がんの治療に関する臨床試験

5.ビタミンDについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

ビタミンDは長年にわたって大に摂取すると有毒な場合があります。多量のビタミンDを摂取すると、で過剰な量のカルシウムが吸収され、血中カルシウム濃度が急激に上昇することがあります。この病態高カルシウム血症と呼ばれます。

26件の研究を対象としたレビューで、ビタミンDの安全性と有効性、および前立腺がんや他の腫瘍の治療に用いられる薬物との相互作用の有無が検討されました。このレビューを実施した研究者らは、薬物相互作用のリスクは低いとみています。

数件の研究で、アンドロゲン非依存性前立腺がんの男性の治療に高用量のビタミンDを使用することの安全性と、化学療法ドセタキセル)と併用した場合の有効性が検討されました。ドセタキセル単独より高い毒性は認められませんでした。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でビタミンDをがんの治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、ビタミンDをがんの治療薬として使用することを承認していません。

米国では、ビタミンDは食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、ビタミンDの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

ビタミンEに関する質問と回答
1.ビタミンEとは何ですか。

ビタミンEは、心血管疾患などの慢性疾患から体を保護する働きがあると考えられる栄養素です。ビタミンEはいくつかの種類のがん予防する目的で研究されています。

ビタミンEには8つの種類があり、そのうちの4種類はトコフェロール(α-、β-、γ-、δ-)、あとの4種類はトコトリエノール(α-、β-、γ-、δ-)です。α-トコフェロール栄養補助食品に多く含まれるビタミンEの一形態)は体内に存在する量が多く、最も活性の高いビタミンEです。食事に含まれるビタミンEは、ほとんどがγ-トコフェロールに由来します。ビタミンEを含む食品には、植物油、ナッツ類、卵黄などがあります。

ビタミンEは抗酸化物質であり、フリーラジカルによる損傷から細胞を保護します。ビタミンEには細胞内のシグナル伝達経路や遺伝子発現に関係する他の機能もあります。

2.ビタミンEの投与または摂取方法はどのようなものですか。

ビタミンEは食事から摂取するか、栄養補助食品を使用して摂取します。

3.ヒトを対象としたビタミンEの試験は行われていますか。

ビタミンEが前立腺がんを予防または治療することができるかどうかを明らかにするため、集団研究臨床試験が実施されています。結果は一貫していません。

集団研究

前立腺がんの予防と治療に関する臨床試験

セレンとビタミンEによるがん予防試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial、SELECT)

セレンとビタミンEによるがん予防試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial、SELECT)は、大規模な臨床試験であり、前立腺がんの発生に対するセレンやビタミンEの効果を調査しています。50歳以上の男性35,000人以上が、以下の組み合わせのいずれかを毎日、7~12年間投与される群にランダムに割り付けられました:

2009年に報告されたSELECTの最初の結果では、4つの群の間で前立腺がん発生率に差はみられませんでした。ビタミンE単独の群では、前立腺がんの発生率が上昇し、セレン単独の群では糖尿病の発生率が高くなりました。これらの結果に基づいて、研究に参加した男性に対し、研究対象の栄養補助食品の使用を中止するよう助言が行われました。

その後、2011年に更新されたSELECTの結果では、セレンの栄養補助食品は前立腺がんのリスクに影響を及ぼさなかったことが示されました。しかし、ビタミンEを単独で投与された男性では、プラセボ群の男性に比べて前立腺がんのリスクが17%高くなりました。

2014年に発表されたその後のSELECTの結果では、ビタミンEの栄養補助食品の投与は、試験開始時点でセレンが高値だった男性の前立腺がんリスクに影響しないことが明らかになりました。その一方で、ビタミンEの栄養補助食品の投与は、試験開始時点でセレンが低値だった男性の低悪性度および高悪性度の前立腺がんリスクを高めました。

ビタミンEの用量やセレンの形態など、複数の因子が研究結果に影響したと考えられます。

SELECTに登録された男性1,434人を対象とした1件のコホート研究で、体内でのセレンとビタミンEの使用を制御する特定の遺伝子の多様体が、前立腺がん(高悪性度のものを含む)のリスクに影響を及ぼす可能性が示唆されました。

4.ビタミンEについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

医師の健康研究II(Physicians' Health Study II)では、ビタミンEを投与された男性とプラセボを投与された男性の間で、消化管症状疲労、眠気、皮膚の変色または発疹、片頭痛の発生率に差はみられませんでした。しかし、ビタミンEを投与された男性では、プラセボを投与された男性よりも出血性脳卒中が多く発生しました。α-トコフェロール、βカロチンによるがん予防研究(Alpha-Tocopherol, Beta-Carotene Cancer Prevention Study、ATBC)でも、ビタミンEを投与された群の男性の間で出血性脳卒中が増加しました。

SELECT試験の早期結果では、ビタミンEの投与を受けた群と他の治療群との比較で、軽度の有害作用(脱毛、皮膚の炎症吐き気など)の発生率に差はみられませんでした。その後の経過観察で、ビタミンEのみの投与を受けた群の男性に前立腺がんリスクの増大が認められました。

5.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でビタミンEをがんの治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、ビタミンEをがんの治療薬として使用することを承認していません。

α-トコフェロールは、FDAによって一般に安全(Generally Recognized as Safe)と認められています。

米国では、ビタミンEは食品または栄養補助食品から摂取することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、ビタミンEの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

併用療法

Pomi-T(ザクロ、緑茶、ブロッコリー、ウコン)

ポリフェノールは多くの植物に含まれ、花や果実、野菜を色づける化合物です。ポリフェノールには、フリーラジカルによる損傷から細胞を保護する抗酸化作用があります。

転移していない前立腺がんの男性の集団を対象として、ポリフェノールを多く含む栄養補助食品の研究が行われました。この栄養補助食品には以下の成分が含まれています:

あるランダム化臨床試験では、男性199人に栄養補助食品またはプラセボのいずれかを6ヵ月にわたって投与しました。この試験を開始する前に、半数足らずの男性は局所療法後に前立腺特異抗原(PSA)値の上昇を経験し、半数と少しの男性は積極的サーベイランスを受けていました(つまり未治療でした)。栄養補助食品を摂取した群では、プラセボ群に比べ、PSA中央値の上昇が小さいという結果が得られました。栄養補助食品は忍容性が良好で、栄養補助食品群とプラセボ群の間には、有害事象に関する顕著な差は報告されませんでした。ただし、栄養補助食品群の患者さんには消化管の症状が発生しやすいという傾向(ガスや軟便の発生が多いなど)が認められました。

リコピン、セレン、緑茶

リコピンセレン、緑茶カテキンを含む栄養補助食品に関する1件のランダム化臨床試験が、高悪性度前立腺上皮内腫瘍(HGPIN)の男性を対象に行われました。その栄養補助食品を投与された患者さんは、6ヵ月後に行われた再度の生検で、投与を受けていない患者さんよりも前立腺がんの発見率が高いという結果が得られました。ただし、研究開始時のがんの検出漏れが原因である可能性があるため、さらなる研究が必要です。

リコピンとその他の療法

前立腺全摘除術を受ける予定の患者さん79人を対象として、1件のランダム化試験が実施されました。手術の3週間前に、それぞれの患者さんは次の3つのいずれかを飲食する群に割り当てられました。1)リコピンを含むトマト製品、2)トマト製品とセレン、オメガ3脂肪酸大豆イソフラボン、ブドウまたはザクロの果汁、緑茶または紅茶、3)対照となる食事。その結果、栄養素摂取群と対照群との間でPSA値に差はみられませんでした。しかし、トマト製品を摂取した中リスク前立腺がんの男性とリコピン値が最も上昇した患者さんに、PSA値の低下がみられました。

Zyflamendに関する質問と回答

1.Zyflamendとは何ですか。

Zyflamendは、以下に挙げる10種類のハーブ抽出物をオリーブ油に入れた栄養補助食品です:

Zyflamendにみられるこれらの抽出物には、抗炎症性作用に加え、抗がん作用の可能性もあります。腫瘍の増殖に対してZyflamendがどのように作用するかについては、証拠が限られています。Zyflamendは、炎症を促すとともにがんの発生も促進する可能性があるCOX-1およびCOX-2酵素活性を妨げることが示されています。また、Zyflamendは、腫瘍の増殖を刺激する蛋白であるNF-κBやリポキシゲナーゼ(LOX)ファミリーにも作用する可能性があります。

2.Zyflamendの投与または摂取方法はどのようなものですか。

Zyflamendは、カプセル剤の栄養補助食品として服用します。

3.これまでにZyflamendを使用した基礎研究や動物試験は行われていますか。

基礎研究では、腫瘍細胞を使用して、特定の物質が抗がん作用をもつかどうかを調べます。動物試験では、特定の薬物、処置、治療法などが動物において安全で有効かどうかを調べる試験が行われます。基礎研究や動物試験は、ヒトを対象とした試験に先立って行われます。

前立腺がんを対象にZyflamendの効果について研究する基礎研究や動物試験が行われています。Zyflamendを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。

4.ヒトを対象としたZyflamendの試験は行われていますか。

高悪性度前立腺上皮内腫瘍(HGPIN)で、Zyflamendを1日3回、18ヵ月にわたって服用した1人の患者さんの報告では、PSA値に影響はみられませんでした。しかし、18ヵ月の治療終了時点で再度実施した前立腺生検では、HGPINもがんも認められませんでした。

Zyflamendの第I相安全性試験では、HGPINの患者さんがZyflamend(780mg)を1日3回、18ヵ月にわたって服用し、同時に栄養補助食品(プロバイオティクスサプリメント、マルチビタミン、緑茶抽出物と白茶抽出物、コガネバナ、ドコサヘキサエン酸、ホーリーバジル、ウコン)も服用しました。Zyflamendとその他の栄養補助食品は忍容性良好で、重篤な副作用はみられませんでした。18ヵ月の治療終了時点で実施した生検の結果では、過半数の患者さんが良性で、約4分の1の患者さんがHGPIN、約8分の1の患者さんが前立腺がんでした。

5.Zyflamendについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。

毒性や重篤な副作用は報告されていません。一部の患者さんに軽度の胸やけがみられましたが、Zyflamendを食事と同時に服用することで消失しました。

6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でZyflamendをがんの予防薬または治療薬として使用することを承認していますか。

米国食品医薬品局は、Zyflamendをがんやその他の疾患の治療薬として使用することを承認していません。

米国では、Zyflamendを栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法は規制されていないため、Zyflamendの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。

前立腺の健康に関するその他の栄養補助食品

概要

アフリカミカン(pygeum africanum)とβ-シトステロールという2種類の栄養補助食品が、前立腺がんの治療法として研究されています。アフリカミカン(pygeum africanum)とβ-シトステロールに関する詳しい情報については、前立腺がん、栄養、栄養補助食品に関する医療専門家向けの要約をご覧ください。注:PC-SPESに関する別のPDQ要約もご覧ください。

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、前立腺がんの発生リスクを低下させるための、あるいは前立腺がんを治療するための栄養補助食品の使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Board.PDQ Prostate Cancer, Nutrition, and Dietary Supplements.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/patient/prostate-supplements-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389501]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

補完代替医療(CAM)についての一般的な情報

補完代替医療(CAM)は、統合的医療とも呼ばれ、ヒーリングに関する原理やアプローチ、治療法などを幅広く意味します。従来の治療に加えて実施する場合は補完療法と呼ばれ、また、従来の治療の代わりに実施する場合は、よく代替療法と呼ばれます(従来の治療とは医学界で広く受け入れられ、かつ主流となっている治療を意味します)。どのように用いられるかによって、補完療法とみなされる場合と、代替療法とみなされる場合があります。補完代替療法は、病気の予防やストレスの軽減、副作用や症状の予防と軽減、そして疾患の管理や治癒を目的として用いられます。

がんの従来の治療とは異なり、補完代替療法は保険が適用されないことが多くあります。患者さんは加入保険会社に、補完代替医療が保険の適用対象となっているかどうかを確認することをお奨めします。

補完代替療法を検討されているがん患者さんは、どんな治療法でも必ず、担当医や看護師、薬剤師と相談して意思決定を行ってください。補完代替療法の中には、標準治療を妨げるものや、従来の治療と併用した場合に有害となるものがあります。

補完代替医療(CAM)の治療法の評価

CAM療法は、従来の治療に対する検証と同じように、科学的な方法で検証することが重要です。米国国立がん研究所および米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は医療施設において、がんに対するCAM療法の検証を行うための臨床試験(調査研究)を数多く主催しています。

一般的に、がんの治療における従来のアプローチは、多数の患者さんを対象とした臨床試験の実施など、科学的プロセスを経て、安全性や有効性が検討されています。それに比べ、補完代替医療の安全性や有効性についてはあまり知られていません。ほとんどのCAM療法は厳密な科学的方法で検証されていません。純粋に代替アプローチとみなされていた少数のCAM療法は、治癒を目指すものではなく、患者さんをより楽にし回復を早めるための補完医療として、がんの治療で用いられつつあります。1つの例が鍼療法です。1997年11月に開催された米国国立衛生研究所(NIH)の専門家委員会によると、鍼療法は化学療法に関連した吐き気や嘔吐、そして手術に関連した疼痛の管理を助けることがわかりました。一方で、レートリルの使用などのいくつかのアプローチは、検討の結果、効果がないか、または有害となりうることがわかりました。

1991年に始まったNCIのBest Case Series Programは、臨床で用いられているCAMアプローチの評価を行うプログラムの1つです。このプログラムはNCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)の監視下で進められています。がん代替医療を行う医療専門家は、患者さんのカルテや関連資料をOCCAMに提出します。OCCAMはこれらの資料を慎重に検討し、さらに調査を行う価値があるかどうかを判断します。

補完代替医療(CAM)について医療提供者に質問すべきこと

補完代替療法を受けることを考えている場合、患者さんは主治医などの医療提供者に次の質問を行ってください。

補完代替医療(CAM)についてさらに知るには

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)

米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、補完代替医療の研究および評価を促進し、医療専門家や一般の方を対象に様々なアプローチについての情報を提供しています。

CAM on PubMed

NCCIHおよびNIH国立医学図書館(NLM)は共同でCAM on PubMedを開発し、CAMに関連するジャーナルの記載内容を無料かつ簡単に検索できる機能を提供しています。NLMの図書目録データベースのサブセットとして、CAM on PubMedには様々な科学ジャーナルのCAMに関連する論文から、230,000を超える文献や抄録が登録されています。このデータベースはさらに、1,800を超えるジャーナルにリンクしており、ユーザーが論文全文を参照できるようになっています(論文全文を参照するには、購読料などの費用が発生する場合があります)。

がん補完代替医療オフィス

NCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)は、補完代替医療(CAM)の分野におけるNCIの活動をコーディネートしています。OCCAMはCAMのがん研究をサポートし、がんに関連するCAMについての情報を、NCIのウェブサイトを通して医療提供者や一般の方に提供しています。

米国国立がん研究所(NCI)のがん情報サービス

米国にお住まいの方は、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)にフリーダイヤル+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)で電話をすることができます(月曜日から金曜日の午前9時から午後9時まで)。訓練を受けたがん情報スペシャリストが質問にお答えします。

食品医薬品局

食品医薬品局(FDA)は、薬物や医療機器を規制し、それらの安全性と有効性を確保しています。

連邦取引委員会

連邦取引委員会(FTC)は消費者保護法を施行しています。FTCから入手可能な出版物は以下の通りです: