患者さん向け 小児髄芽腫およびその他の小児中枢神経系胚芽腫の治療(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、小児髄芽腫およびその他の小児中枢神経系胚芽腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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小児髄芽腫およびその他の小児中枢神経系胚芽腫についての一般的な情報

髄芽腫などの中枢神経系(CNS)胚芽腫は、出生後の脳に残存している胚(胎児)細胞から発生することがあります。

これらの腫瘍は、脳脊髄液(CSF)を介して脊髄の他の部位に拡がる傾向があります。

髄芽腫などのCNS胚芽腫は、悪性がん)の場合もあれば、良性(がんではない)の場合もあります。小児に発生する腫瘍の多くは悪性です。悪性の脳腫瘍は、増殖が速く、脳の他の部分へ拡がる傾向がみられます。腫瘍が脳内で増殖したり、脳を圧迫したりすると、その部分の脳が果たすべき機能が阻害される場合があります。良性の脳腫瘍でも増殖すると、周辺の脳を圧迫します。良性の脳腫瘍では、脳の他の部分まで拡がることはまれです。脳腫瘍が良性でも悪性でも、徴候症状が現れ、治療が必要になることがあります。

小児がんはまれにしかみられませんが、脳腫瘍は白血病に次いで2番目に多くみられる小児がんです。 本要約は、原発性脳腫瘍(最初に脳で発生した腫瘍)の治療法について書かれたものです。様々な種類の脳腫瘍および脊髄腫瘍に関する情報については、PDQ小児脳腫瘍および脊髄腫瘍の治療の概要に関する要約をご覧ください。

脳腫瘍は小児にも成人にも発生します。成人に対する治療法は、小児に対する治療法と異なる場合があります。成人の治療に関する詳しい情報については、PDQの成人中枢神経系腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

転移性脳腫瘍(最初に脳以外の部位に発生し、脳に転移した腫瘍)の治療法については、本要約では扱われていません。

CNS胚芽腫には様々な種類があります:

脳内部の図で、脳室(液体で満たされた空間)、脈絡叢、視床下部、松果体、下垂体、視神経、脳幹、小脳、大脳、髄質、脳橋、脊髄を示す。

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脳内部の解剖図で、松果体、下垂体、視神経、脳室(青色の部分が脳脊髄液)などの脳の各部分を示しています。

以下のような様々な種類のCNS胚芽腫があります:

小児CNS非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍も胚芽腫の一種ですが、他の小児CNS胚芽腫とは治療方法が異なります。詳しい情報については、PDQの小児中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

松果体芽腫は、松果体の細胞に発生します。

松果体は、脳の中央にある小さな器官です。松果体は、私たちの睡眠周期の制御を助ける物質であるメラトニンを作っています。

松果体芽腫は、松果体の細胞に発生し、多くが悪性です。松果体芽腫は増殖の速い腫瘍で、正常な松果体細胞とはかなり異なって見えます。松果体芽腫はCNS胚芽腫の一種ではありませんが、その治療法はCNS胚芽腫に対する治療法とよく似ています。

松果体芽腫は、網膜芽細胞腫RB1)遺伝子に生じている遺伝性の変化に関連します。遺伝性の網膜芽細胞腫(網膜の組織に生じるがん)のある小児は、松果体芽腫のリスクが高くなります。松果体内またはその付近の腫瘍と同時に発生している網膜芽細胞腫は、三側性網膜芽細胞腫と呼ばれます。網膜芽細胞腫の小児では、MRI(磁気共鳴画像法)検査により、治療が成功しやすい早期の松果体芽腫を発見できる場合があります。

特定の遺伝性疾患があると、小児髄芽腫やその他のCNS胚芽腫の発生リスクが高くなります。

病気になるリスクを増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

髄芽腫とその他のCNS胚芽腫のリスク因子となる遺伝性疾患には、以下のものがあります:

特定の遺伝子変異をもつ小児、またはBRCA遺伝子の変異に関連するがんの家族歴がある小児の場合は、遺伝子検査が検討されることがあります。まれにしか実施されないものの、この検査は、他の疾患や別の種類のがんが発生するリスクを上昇させるがん素因症候群に、小児が罹患していないかどうかを調べるために行われます。

ほとんどの場合、髄芽腫や他のCNS胚芽腫の原因は不明です。

小児髄芽腫とその他のCNS胚芽腫の徴候や症状は、お子さんの年齢と腫瘍の位置によって異なります。

これらの徴候や症状などは、小児の髄芽腫やその他のCNS胚芽腫が原因で起こることもあれば、別の病態が原因で起こることもあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

これらの腫瘍の乳児および幼児では、過敏になったり、成長が遅くなったりすることがあります。また、あまり物を食べなくなったり、座る、歩く、言葉を話すなどの発達上のマイルストーンを達成できなくなったりすることもあります。

小児の髄芽腫やその他のCNS胚芽腫の診断には、脳や脊髄を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:

髄芽腫やその他のCNS胚芽腫の診断を確定するために、生検が行われることがあります。

お子さんに髄芽腫やその他のCNS胚芽腫の疑いがある場合は、生検が行われることがあります。脳腫瘍の場合、頭蓋骨に開けた穴から針を挿入し組織のサンプルを採取するという手技によって生検が行われます。ときには、組織サンプルの採取にコンピュータ誘導式の針が用いられます。切除された組織を病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。ここでがん細胞が発見された場合には、そのまま手術が継続され、安全を確保できる範囲内で可能な限りの腫瘍の摘出が行われます。通常は手術で取り外した頭蓋骨の小片が元に戻されます。

開頭術の図:頭皮の一部を切り取り、頭蓋骨片を切除し、脳を覆う硬膜を切開して脳を露出させている。頭皮の下の筋層も示されている。

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開頭術:頭蓋骨に開口部を設け、頭蓋骨片を切除して脳の一部を露出させる手技。

切除された組織のサンプルには以下のような検査が実施されます:

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後と治療選択肢は、以下の因子に左右されます:

小児髄芽腫およびその他の中枢神経系胚芽腫の病期

小児髄芽腫とその他の中枢神経系(CNS)胚芽腫の治療法は、腫瘍の種類とお子さんの年齢によって異なります。

病期分類とは、どれほど大きながんなのか、またはがんが拡がっているかどうかを調べるために行うプロセスのことです。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。

小児髄芽腫とその他の中枢神経系(CNS)胚芽腫には、標準の病期分類システムはありません。その代わり、腫瘍の種類および小児の年齢(3歳以下か3歳を超えるか)に応じて治療法が決定されます。

3歳を超える小児の髄芽腫に対する治療法は、腫瘍が平均リスクか高リスクかによっても変わってきます。

平均リスク(3歳を超えている小児)

以下の条件に全て該当する髄芽腫が平均リスクと呼ばれます:

高リスク(3歳を超えている小児)

以下の条件のいずれかに該当する髄芽腫が高リスクと呼ばれます:

一般に、高リスク腫瘍の患者さんでは、がんが再発する可能性が高くなります。

小児髄芽腫やその他のCNS胚芽腫を診断するための検査や手技で得られた情報は、がんの治療計画を作成する際にも利用されます。

小児髄芽腫やその他のCNS胚芽腫を発見するために用いられた検査の一部は、手術で腫瘍が切除された後に再び行われます。(一般的な情報のセクションをご覧ください。)この検査は手術後に残存している腫瘍の量を調べるためのものです。

次のような別の検査や手技を実施して、がんが拡がっているかどうかを調べる場合もあります:

小児の髄芽腫やその他の中枢神経系胚芽腫は治療後に再発することがあります。

小児の髄芽腫やその他のCNS胚芽腫は、治療から3年以内に再発する(再び現れる)ことがよくありますが、さらに後になって再発することもあります。小児髄芽腫やその他の小児CNS胚芽腫は、元の腫瘍と同じ場所に再発することもあれば、脳または脊髄内の別の場所に再発することもあります。 髄芽腫などのCNS胚芽腫は、まれに体内の他の部位に転移することがあります。

治療選択肢の概要

小児髄芽腫やその他の小児中枢神経系(CNS)胚芽腫の患者さんには、様々な治療法が存在します。

小児髄芽腫やその他の中枢神経系(CNS)胚芽腫の患者さんは様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、がんの患者さんを対象に、既存の治療法の改良に役立てたり、新しい治療法に関する情報を集めたりするための調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

小児の髄芽腫やその他のCNS胚芽腫に対する治療では、小児脳腫瘍の治療に精通した医療提供者で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児脳腫瘍の治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:

小児脳腫瘍では、がんと診断される前に徴候や症状が現れ、それが数ヵ月~数年にわたって続くことがあります。

腫瘍によって引き起こされた徴候症状が、がんと診断される前に始まって、数ヵ月~数年にわたって続く場合があります。治療を行っても腫瘍による徴候や症状が続く場合は、担当の医師とよく相談することが重要です。

以下の5種類の治療法が用いられます:

手術

本要約の一般的な情報のセクションにあるように、小児髄芽腫とその他のCNS胚芽腫の診断と治療では、手術が行われます。

手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法、またはその両方が行われる場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域に放射線を照射する方法です。

特定の方法で放射線療法を実施すると、周辺の健康な組織の損傷を防ぐことができます。こうした放射線療法には以下の種類があります:

放射線療法の実施は、小児(特に3歳以下の幼児)の体の成長や脳の発達に悪影響を及ぼす危険性があることから、放射線療法の開始時期を遅らせたり放射線照射の必要性を減らしたりするために化学療法が行われる場合があります。

脳に対する放射線療法は、3歳以上の小児の成長や発達にも影響を及ぼす可能性があります。このため臨床試験において、標準的な方法と比べて副作用の少ない、放射線の新たな照射方法が現在研究されています。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬物は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。例外的にいくつかの化学療法薬は、血液脳関門を越えて脳内の腫瘍細胞に到達することができます。脳脊髄液に薬剤を直接注入する化学療法は、髄腔内化学療法と呼ばれます。脳室内化学療法は脳の脳室(液体で満たされた空洞)に抗がん剤を投与する治療法です。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。

髄腔内化学療法:脳および脊髄内部の脳脊髄液(CSF)とオンマイヤーレザバー(手術によって頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内へと薬剤を流し込むことができる)を示す。図の上の方には、注射器と針を用いてオンマイヤーレザバーに抗がん剤を注入している様子が示されている。図の下の方には、注射器と針を用いて脊柱の下部から脳脊髄液中に直接抗がん剤を注入している様子が示されている。

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髄腔内化学療法。脳脊髄液(CSF、青色で示されている)で満たされた空洞である脊髄腔の中に抗がん剤が注入されます。2種類の方法があります。1つめはこの図の上の方に示されているもので、オンマイヤーレザバー(手術によって頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内へと薬剤を投与することができる)に薬剤を注入するという方法です。もう1つは図の下の方に示されているもので、腰の小さな領域に麻酔を施してから、脊柱の下部より直接CSF内に薬剤を注入するという方法です。

幹細胞救援を伴う大量化学療法

がん細胞を殺傷するために大量化学療法が行われます。このがん治療は造細胞などの健康な細胞も破壊します。幹細胞移植は造血細胞を置き換える治療法です。患者さん自身またはドナーから採取した血液または骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

標的療法

標的療法とは、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物などの物質を用いる治療法です。標的療法では一般に、化学療法や放射線療法に比べて、正常な細胞に及ぼす害が少なくなります。

シグナル伝達阻害薬:この薬物を使用する治療法は、細胞内で分子から分子へと伝達されるシグナルを遮断します。こうしたシグナルを阻害することで、がん細胞を殺傷できる可能性があります。ビスモデギブは、シグナル伝達阻害薬の一種で、体の成長が進んだ小児の再発髄芽腫の治療に用いられることがあります。

標的療法は再発した(再び現れた)小児髄芽腫やその他のCNS胚芽腫の治療法として研究されています。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

小児の髄芽腫やその他の中枢神経系胚芽腫の治療は、副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

がんの治療の副作用のうち、治療後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:

髄芽腫と診断された小児は、手術または放射線療法の後に、思考力、学習力、注意力の変化など、特定の問題を抱えることがあります。また、手術後に小脳性無言症候群がみられることもあります。この症候群の徴候には以下のものがあります:

晩期合併症(晩期障害)には治療や制御することが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響やがん治療の終了後に生じると想定される症状について、担当医とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する要約をご覧ください)。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。(検査の一覧については、一般的な情報のセクションをご覧ください。)治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。これはときに再病期分類と呼ばれます。

治療が終わってからも度々受けることになる画像検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態が変化していないか、あるいは脳腫瘍が再発して(再び現れて)いないかを知ることができます。画像検査で脳内に異常な組織が認められた場合、その腫瘍が死んだ腫瘍細胞で構成されているかどうか、または新しいがん細胞が増殖していないかどうかを調べるために、生検が実施される場合もあります。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

小児髄芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

年少の小児における髄芽腫

新たに診断された3歳以下の小児の髄芽腫に対する標準治療には以下のものがあります:

手術の後に実施されることのあるその他の治療法には以下のようなものがあります:

3歳を超える小児における平均リスク髄芽腫

3歳を過ぎた小児の新たに診断された平均リスク髄芽腫に対する標準治療には以下のものがあります:

3歳を超える小児における高リスク髄芽腫

3歳を過ぎた小児の新たに診断された高リスク髄芽腫に対する標準治療には以下のものがあります:

髄芽腫以外の小児胚芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

3歳以下の小児における髄芽腫以外および髄上皮腫以外の胚芽腫、多層性ロゼットを示す胚芽腫、または髄上皮腫

3歳以下の小児の新たに診断された髄芽腫以外および髄上皮腫以外の胚芽腫、多層性ロゼットを示す胚芽腫、または髄上皮腫に対する標準治療には以下のものがあります:

手術の後に実施されることのあるその他の治療法には以下のようなものがあります:

3歳を超えている小児における髄芽腫以外および髄上皮腫以外の胚芽腫

3歳を過ぎた小児の新たに診断された髄芽腫以外および髄上皮腫以外の胚芽腫に対する標準治療には以下のものがあります:

3歳を超えている小児における多層性ロゼットを示す胚芽腫または髄上皮腫

新たに診断された多層性ロゼットを示す胚芽腫(ETMR)または髄上皮腫の標準治療には以下のものがあります:

小児松果体芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

3歳以下の小児

新たに診断された3歳以下の小児の松果体芽腫に対する標準治療には以下のものがあります:

3歳を超えている小児

3歳を過ぎた小児の新たに診断された松果体芽腫に対する標準治療には以下のものがあります:

再発小児髄芽腫およびその他の中枢神経系胚芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

再発した小児髄芽腫およびその他のCNS胚芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

小児髄芽腫およびその他の中枢神経系胚芽腫についてさらに学ぶために

小児髄芽腫とその他の小児中枢神経系胚芽腫に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

小児がんに関する情報と一般的ながんに関するその他の資源については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児髄芽腫およびその他の小児中枢神経系胚芽腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

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PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Medulloblastoma and Other Central Nervous System Embryonal Tumors Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/brain/patient/child-cns-embryonal-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389401]

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