患者さん向け 外陰がんの治療(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、外陰がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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外陰がんについての一般的な情報

外陰がんは、外陰部組織の中に悪性(がん)細胞ができるまれな疾患です。

外陰がんは女性の外性器に発生します。外陰部には次の各部が含まれます:

外陰部の解剖図;図には恥丘、陰核、尿道開口部、膣の大陰唇と小陰唇、膣口が示されている。会陰と肛門も示されている。

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外陰部の解剖図。外陰部には、恥丘、陰核、尿道開口部、膣の大陰唇と小陰唇、膣口、会陰が含まれます。

外陰がんの大多数は大陰唇に発生します。ただし、頻度は低くなるものの、小陰唇や陰核、膣腺にもがんは発生します。

外陰がんは増殖が遅く、通常は発生するまでに何年もかかります。まず異常細胞外陰部の皮膚の表面で長い時間をかけて増殖します。この状態は、外陰上皮内腫瘍(VIN)と呼ばれます。VINは外陰がんになる可能性があるため、治療を行うことが非常に重要です。

外陰上皮内腫瘍が形成されたり、HPVに感染したりすると、外陰がんのリスクが高くなる可能性があります。

疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。外陰がんのリスク因子には以下のものがあります:

この他にも以下の要因が、リスク因子として考えられます:

外陰がんの徴候として、出血とかゆみがあります。

外陰がんでは、初期症状徴候が現れないことがしばしばあります。症状や徴候が現れたとしても、外陰がんが原因の場合もあれば、別の病態が原因である可能性もあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:

外陰がんの発見と診断には、外陰部を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:

外陰がんの病期

外陰がんの診断がついた後には、がん細胞の外陰部内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん外陰部内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。病期分類の過程では以下のような検査法や手技が用いられます:

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、外陰がんがに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は外陰がんの細胞です。この疾患は転移性外陰がんであり、肺がんではありません。

外陰上皮内腫瘍(VIN)では、外陰部の皮膚の表面上に異常な細胞が認められます。

これらの異常細胞がんではありません。外陰上皮内腫瘍(VIN)は、がん化して周辺の組織に拡がっていく可能性があります。VINは0期または上皮内がんとも呼ばれます。

外陰がんでは以下のような病期が用いられます:

I期

I期では、すでにがんが形成されています。腫瘍外陰部または会陰部直腸の間の領域)にのみ認められます。I期はさらに、IA期とIB期に分けられます。

図は、様々な腫瘍の大きさをセンチメートル(cm)で表した円形と豆(1cm)、ピーナッツ(2cm)、ブドウ(3cm)、クルミ(4cm)、ライム(5cm)、卵(6cm)、桃(7cm)、グレープフルーツ(10cm)とを比較している。10cmと4インチのそれぞれを表す目盛りも示されている。

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腫瘍の大きさはセンチメートル(cm)やインチで表されることがよくあります。次のような身近な食べ物と比較して、腫瘍の大きさをcm単位で表すことができます:豆(1cm)、ピーナッツ(2cm)、ブドウ(3cm)、クルミ(4cm)、ライム(5cmまたは2インチ)、卵(6cm)、桃(7cm)、グレープフルーツ(10cmまたは4インチ)。

II期

II期では、腫瘍の大きさは様々で、尿道の下部やの下部、または肛門に拡がっています。がんリンパ節には拡がっていません。

III期

III期では、腫瘍の大きさは様々で、尿道の下部やの下部、または肛門に拡がっている場合があります。さらにがんは1つ以上の周辺リンパ節に拡がっています。III期は、さらにIIIA期、IIIB期、IIIC期に分けられます。

IV期

IV期では、腫瘍尿道の上部またはの上部に拡がっているか、体の他の部位に転移しています。IV期はさらにIVA期とIVB期に分けられます。

再発外陰がん

再発外陰がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんです。再発は、外陰部に起こることもあれば、体の他の部位に起こることもあります。

治療選択肢の概要

外陰がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

外陰がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の4種類が用いられています:

手術

手術は外陰がんに対して最も多く用いられている治療法です。手術の目標は、女性としての性機能を一切失わずに全てのがんを取り去ることです。以下の手術のいずれかが実施されます:

手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。外陰がんの治療には外照射療法と内照射療法が用いられ、外照射療法は、症状を和らげ生活の質を高める緩和療法として用いられることもあります。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、もしくは腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法や皮膚の上に直接薬剤を塗る化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

外陰がんに対する外用の化学療法は、クリームやローションを皮膚に塗る形式で行われます。

詳しい情報については、外陰がんの治療薬として承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

生物学的療法

生物学的療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんを撃退する治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物療法や免疫療法とも呼ばれます。

イミキモドは外陰部の病変の治療に使用される生物学的薬剤で、クリームを皮膚に塗って使用します。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

外陰がんの治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療によって引き起こされる副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

外陰がん再発していないかを確認するために、定期的な経過観察を受けることが重要です。

病期ごとの治療選択肢

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

外陰上皮内腫瘍(VIN)

外陰上皮内腫瘍(VIN)の治療法には以下のようなものがあります:

I期の外陰がん

I期外陰がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

II期の外陰がん

II期外陰がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

III期の外陰がん

III期外陰がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

IV期の外陰がん

IVA期外陰がんの治療法には以下のようなものがあります:

IVB期外陰がん標準治療は確立されていません。新しい治療法の臨床試験に参加できる場合があります。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

再発外陰がんの治療選択肢

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

再発した外陰がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

外陰がんについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している外陰がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、外陰がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Vulvar Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/vulvar/patient/vulvar-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389324]

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