患者さん向け 直腸がんの治療(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、直腸がんの治療法に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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直腸がんについての一般的な情報

直腸がんは、直腸の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

直腸消化器系の一部を構成する臓器です。消化器系は、食物中の栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂質、蛋白質、水分)の取り込みと、老廃物の体外への排出という役割を担っています。消化器系は、食道小腸および大腸から構成されます。結腸(太い)は大腸の最初の部分で、長さは約5フィート(およそ152cm)です。加えて、大腸の終端部に直腸と肛門管があり、これらの長さは6~8インチ(15~20cm)です。肛門管は肛門(大腸から体外への開口部)で終わります。

消化器系の解剖図;食道、肝臓、胃、結腸、小腸、直腸、および肛門を示す図。

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下部消化器系の解剖図:結腸、直腸、および肛門を示しています。消化器系を構成する他の臓器も示しています。

直腸がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:

病歴は直腸がんの発生リスクに影響を及ぼします。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。大腸がんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

大腸がんのリスク因子には以下のようなものがあります:

高齢はほとんどのがんの主要なリスク因子です。歳をとればとるほど、がんになる確率は高まります。

直腸がんの徴候には、排便習慣の変化や血便などがあります。

これらに加え、別の徴候症状が直腸がんにより引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

直腸がんの診断には、直腸と結腸を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:

直腸がんの病期

直腸がんの診断がついた後には、直腸内でのがん細胞の拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん直腸内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。

病期分類の過程では以下のような検査法や手技が用いられます:

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、直腸がんがに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は直腸がんの細胞です。この疾患は転移性直腸がんであり、肺がんではありません。

直腸がんでは以下のような病期が用いられます:

0期(上皮内がん)

0期の大腸上皮内がん:図は結腸/直腸の断面を示している。拡大図は、結腸/直腸壁の各層を示し、粘膜層に異常な細胞がある様子を表している。他に、粘膜下層、筋層、漿膜、血管、リンパ節も示している。

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0期(直腸上皮内がん)。直腸壁の粘膜層に異常な細胞が認められます。

0期直腸がんでは、直腸壁の粘膜(最も内側の層)に異常な細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。

I期

I期の大腸がん:図は結腸/直腸の断面を示している。拡大図は結腸/直腸壁の各層を示し、がんが粘膜と粘膜下層にある様子を示している。他に、筋層、漿膜、血管、リンパ節も示している。

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I期の直腸がん。直腸壁の粘膜から粘膜下層または筋層までがんが拡がっています。

I期直腸がんでは、がん直腸壁の粘膜(最も内側の層)に生じており、粘膜下層(粘膜の下にある組織の層)または筋層まで拡がっています。

II期

II期の大腸がん:図は結腸/直腸の断面図とともに3つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層、すなわち粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管およびリンパ節も示している。左側の拡大図はIIA期を示し、がんは粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜に生じている。中央の拡大図はIIB期を示し、全ての層にがんが拡がり、漿膜を越えて臓側腹膜にも拡がっている。右側の拡大図はIIC期を示し、全ての層にがんが拡がり、漿膜を越えて周辺の臓器に転移している。

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II期の直腸がん。IIA期では、直腸壁の筋層を越えて漿膜にがんが拡がっています。IIB期では、がんが漿膜を越えて拡がっているものの、隣接する臓器には転移していません。IIC期では、がんが漿膜を越えて隣接する臓器に転移しています。

II期の直腸がんは、IIA期、IIB期、IIC期に分けられます。

III期

III期の直腸がんは、IIIA期IIIB期IIIC期に分けられます。

IIIA期の大腸がん:図は結腸/直腸の断面図とともに2つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層、すなわち粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管およびリンパ節も示している。左側の拡大図では、粘膜、粘膜下層、筋層、および2個のリンパ節にがんが生じている。右側の拡大図では、粘膜、粘膜下層、および5個のリンパ節にがんが生じている。

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IIIA期の直腸がん。がんが直腸壁の粘膜を越えて粘膜下層に拡がっており、さらに筋層にも達している場合があり、隣接する1~3ヵ所のリンパ節またはリンパ節近くの組織に転移しています。または、がんが粘膜を越えて粘膜下層に拡がっており、さらに隣接する4~6ヵ所のリンパ節に転移しています。

IIIA期では、がんは以下のように拡がっています:

IIIB期の大腸がん:図は結腸/直腸の断面図と3つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層、すなわち粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管およびリンパ節も示している。左側の拡大図では、全ての層にがんがあり、3個の周辺リンパ節と臓側腹膜にも拡がっている。中央の拡大図では、全ての層にがんがあり、5個の周辺リンパ節に転移している。右側の拡大図では、がんが粘膜、粘膜下層、筋層と7個の周辺リンパ節に拡がっている。

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IIIB期の直腸がん。がんが直腸壁の筋層を越えて漿膜に拡がっているか、または漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移しておらず;さらに、隣接する1~3個のリンパ節またはリンパ節近くの組織に転移しています。または、がんが筋層または漿膜に拡がっており、さらに隣接する4~6個のリンパ節に転移しています。または、がんが粘膜を越えて粘膜下層に拡がっており、筋層に拡がっている場合もあり;さらに、隣接する7個以上のリンパ節に転移しています。

IIIB期では、がんは以下のように拡がっています:

IIIC期の大腸がん:図は結腸/直腸の断面図と3つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層、すなわち粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管およびリンパ節も示している。左側の拡大図では、全ての層にがんがあり、4個のリンパ節と臓側腹膜にも拡がっている。中央の拡大図では、全ての層にがんがあり、7個のリンパ節に転移している。右側の拡大図では、全ての層にがんがあり、2個のリンパ節と周辺の臓器に転移している。

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IIIC期の直腸がん。がんが直腸壁の漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移しておらず;さらに、隣接する4~6個のリンパ節に転移しています。または、筋層を越えて漿膜にがんが拡がっているか、または漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移しておらず;さらに、隣接する7個以上のリンパ節に転移しています。または、漿膜を越えて隣接する臓器に転移しており、さらに、隣接する1個以上のリンパ節またはリンパ節近くの組織に転移しています。

IIIC期では、がんは以下のように拡がっています:

IV期

IV期の直腸がんは、IVA期、IVB期、IVC期に分けられます。

IV期の直腸がん:図は遠隔部のリンパ節、肺、肝臓、腹壁、前立腺など、直腸がんが転移しうる体内の場所を示している。拡大図は、がん細胞が直腸から血液やリンパ系を介して体の別の部位に移動し、転移がんを形成する様子を示している。

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IV期の直腸がん。がんが血管およびリンパ節を経由して、肺、肝臓、腹壁、卵巣など、体の他の部位に転移しています。

直腸がんは治療後に再発する(再び現れる)ことがあります。

再発は直腸に生じることもあれば、結腸、骨盤、肝臓や肺などの直腸以外の場所に発生することもあります。

治療選択肢の概要

直腸がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

直腸がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の6種類が用いられています:

手術

手術は、全ての病期の直腸がんで最もよく用いられている治療法です。がんの摘出には以下の手術法のいずれかが用いられます:

がんの摘出後、外科医は次のいずれかの処置を行います:

放射線療法化学療法は、腫瘍を小さくしてがんを摘出しやすくし、手術後の排便のコントロールに伴う問題を軽減するために、手術前に実施されることがあります。このように手術前に行われる治療は術前補助療法と呼ばれます。手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に放射線療法や化学療法が実施される場合があります。 このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。直腸がんの治療には外照射療法が用いられます。

一部の種類の直腸がんには、短期コースの術前放射線療法が実施されます。この治療では、標準治療よりも低線量の放射線を照射し回数も少なく、最終照射の数日後に手術を行います。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。

肝動脈化学塞栓療法は局所化学療法の1つで、肝臓に転移したがんの治療に用いられます。この治療法では、肝動脈(肝臓に血液を供給する主要な動脈)を遮断して、遮断部と肝臓の間の領域に抗がん剤を注入します。すると、この肝臓の動脈を介して肝臓に薬剤が運ばれます。肝臓以外の部分に達する薬の量はごくわずかです。動脈を遮断するのに使用する物質の種類に応じて、動脈の閉塞は一時的なものにも永久的なものにもできます。肝臓への血液供給は、から血液を運んでくる肝門脈によって維持されます。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

詳しい情報については、結腸がんと直腸がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

積極的サーベイランス

積極的サーベイランスとは、検査結果に変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く観察していくことです。病態の悪化の徴候を早期に発見するために用いられます。積極的サーベイランスでは、患者さんの診察と検査を行い、がんが増殖していないか確認します。がんの増殖が始まっている場合は、がんの治癒に向けた治療法を行います。以下のような検査を行います:

標的療法

標的療法とは、特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。標的療法では一般に、化学療法や放射線療法に比べて、正常な細胞に及ぼす害が少なくなります。

直腸がんの治療に用いられる標的療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、結腸がんと直腸がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

免疫療法

免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物学的療法の一種です。

免疫チェックポイント阻害薬療法:免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞などの免疫系細胞や一部のがん細胞により作られるチェックポイントと呼ばれる蛋白の働きを阻害します。これらのチェックポイント蛋白は、免疫反応が強くなり過ぎないように抑制する働きがあり、T細胞によるがん細胞の殺傷を妨げることがあります。こうしたチェックポイント蛋白を阻害すると、T細胞によるがん細胞の殺傷が促進される可能性があります。この種の薬剤は、転移性大腸がんの患者さんの治療に用いられることがあります。

免疫チェックポイント阻害薬療法には2種類あります:

免疫チェックポイント阻害薬:左図はPD-L1(腫瘍細胞上)とPD-1(T細胞上)という蛋白間の結合を示しており、この結合によってT細胞が体内の腫瘍細胞を殺傷する働きが抑制されている。腫瘍細胞の抗原とT細胞の受容体も示されている。右図は免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1と抗PD-1)がPD-L1とPD-1の結合を阻害し、T細胞が腫瘍細胞を殺傷できる状態になっているところを示している。

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免疫チェックポイント阻害薬。腫瘍細胞上のPD-L1とT細胞上のPD-1などのチェックポイント蛋白は、免疫反応の抑制に関与します。PD-L1とPD-1が結合すると、T細胞による体内の腫瘍細胞の殺傷は抑制されます(左図)。免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1または抗PD-1)でPD-L1とPD-1の結合を阻害すると、T細胞が腫瘍細胞を殺傷できるようになります(右図)。

詳しい情報については、結腸がんと直腸がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

その他にも、いくつかの治療法が臨床試験で試されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

直腸がんの治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療によって引き起こされる副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

直腸がんの治療の終了後には、がんの再発の有無を調べるためにがん胎児性抗原(CEA:がんが存在すると血液中の濃度が上昇することのある物質)の量を測定する血液検査が実施されることがあります。

0期(上皮内がん)の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

0期の直腸上皮内がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

I期の直腸がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

I期の直腸がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

II期およびIII期直腸がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

II期およびIII期直腸がんの治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

IV期および再発直腸がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

IV期の直腸がんと再発直腸がんの治療法には、以下のようなものがあります:

他の臓器に転移している直腸がんの治療法は、がんが転移した部位によって異なります。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

直腸がんについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している直腸がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、直腸がんの治療法に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Rectal Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/colorectal/patient/rectal-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389378]

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