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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児甲状腺がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-06-29
    翻訳更新日 : 2019-03-11

 このPDQがん情報要約では、小児甲状腺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

小児甲状腺がんについての一般的な情報

甲状腺がんは甲状腺の組織に悪性(がん)細胞が発生する疾患です。

甲状腺咽頭最下部の気管付近にあるです。蝶のような形状であり、右と左葉があります。峡部という薄い組織によって、2つの葉が接続されています。通常は皮膚の上から感触を得ることはできません。



甲状腺と副甲状腺の解剖図:図は咽頭基部の気管付近に位置する甲状腺を示している。拡大図は甲状腺の正面図と背面図である。正面図からは甲状腺が蝶のような形状であること、右葉と左葉が峡部という細い組織で連結されていることがわかる。背面図は4つの豆粒大の副甲状腺を示している。喉頭も示されている。



甲状腺と副甲状腺の解剖図。甲状腺は、咽頭の最下部の気管付近に位置しています。蝶のような形状であり、右葉と左葉が峡部という細い組織で連結されています。副甲状腺は4つの豆粒大の器官で、頸部の甲状腺の近くに存在します。甲状腺と副甲状腺はホルモンを産生します。



甲状腺はヨウ素(一部の食品やヨウ素添加塩に含まれるミネラル)を使用して、数種類のホルモンを作っています。甲状腺ホルモンには次のような働きがあります:


  • 心拍や体温を調節したり、食物をエネルギーに変換(代謝)する速さを調整したりする。

  • 血液中のカルシウム量の調節。

甲状腺結節は、腺腫の場合とがん腫の場合があります。

次の2種類の甲状腺結節があります:


  • 腺腫:腺腫は非常に大きく成長し、ホルモンを分泌することもあります。腺腫はがんではありませんが、まれに悪性(がん)となり、や頸部リンパ節に転移することがあります。

  • がん腫:小児の甲状腺がんには以下の3種類があります:
    • 甲状腺乳頭がん。甲状腺乳頭がんは、小児に最もよくみられる甲状腺がんです。リンパ節に転移することが多く、肺に転移することもあります。ほとんどの患者さんで予後回復の見込み)は非常に良好です。

    • 甲状腺濾胞がん。甲状腺濾胞がんはしばしば骨や肺に転移します。遺伝性の(親から子へ受け継がれる)場合もあります。ほとんどの患者さんで予後は非常に良好です。

    • 甲状腺髄様がん。甲状腺髄様がんは、診断時に他の部位に転移していることがあります。このがんは4歳までの幼児で最もよく発生し、しばしば遺伝性です。診断時の腫瘍の大きさによって予後が異なります。


甲状腺乳頭がんと甲状腺濾胞がんは、ときに分化型甲状腺がんと呼ばれます。甲状腺髄様がんと甲状腺未分化がんは、ときに低分化または未分化甲状腺がんと呼ばれます。甲状腺未分化がんは小児では非常にまれであるため、この要約では取り上げません。

甲状腺結節は定期健診で発見されることがあり、多くの場合はがんではありません。

定期健診の際に、お子さんの甲状腺にしこり(結節)が見つかることがあります。甲状腺結節は異常に増殖した甲状腺の細胞です。これらの結節は固形の場合や内部が液体で満たされている場合があります。

甲状腺結節が見つかると、多くの場合、甲状腺の超音波検査や穿刺吸引生検によってがんの徴候が調べられます。また血液検査が行われ、血液中の甲状腺ホルモンの濃度と抗甲状腺抗体が調べられます。この検査では他の種類の甲状腺疾患がないか確認します。

甲状腺結節は通常、症状がみられないか治療の必要がありません。時折、甲状腺結節が肥大し、ものを飲み込んだり呼吸したりしにくくなって、さらなる検査と治療が必要になることがあります。5分の1の甲状腺結節ががんになります。

放射線に曝されたり特定の遺伝性症候群を患っていたりすると、甲状腺がんのリスクが高くなることがあります。

病気になるリスクを増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば、必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければ、がんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

小児甲状腺がんのリスク因子には以下のものがあります:


甲状腺髄様がんは、親から子に受け継がれる遺伝子内の変化によって引き起こされることがあります。

細胞内の遺伝子は、親から子へ受け継がれる遺伝情報を保持しています。RET遺伝子の特定の変化は親から子へと受け継がれ(遺伝し)、甲状腺髄様がんの原因になることがあります。

変化が生じた遺伝子を調べるために、遺伝子検査が行われます。最初に患者さんが遺伝子の変化について調べる検査を受けます。患者さんの遺伝子に変化が認められたら、ご家族の方々にも、甲状腺髄様がんのリスクが高いかどうかを確認する検査が行われることがあります。遺伝子にそうした変化が認められた家族の方は、幼い小児であっても、甲状腺摘除術(甲状腺を切除する手術)を受ける場合があります。これにより、甲状腺髄様がんが発生する確率を下げることができます。

甲状腺がんの徴候には、頸部の腫れやしこりなどがあります。

甲状腺腫瘍では徴候や症状がみられないことがあります。これらに加え、別の徴候や症状が甲状腺がんにより引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。

お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 頸部のしこり。

  • 鎖骨付近にできる無痛のしこり。

  • 呼吸障害。

  • 嚥下障害(物を飲み込む動作の問題)。

  • しわがれ声などの声の変化。

  • 甲状腺機能亢進症(不整脈、震え、体重減少、睡眠障害、頻繁な排便、発汗)。

甲状腺がんの発見と診断には、甲状腺、頸部、血液を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:頸部、喉頭、リンパ節などのしこり(結節)や腫れ、あるいは他の通常はみられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 甲状腺機能検査:血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)が異常な値になっていないかを調べる検査法。TSHは脳の下垂体から分泌されます。このホルモンには、甲状腺ホルモンの分泌を誘導するとともに、甲状腺濾胞細胞の増殖速度を調節する作用があります。カルシトニン(甲状腺によって作られ、血液中のカルシウムの量を減らすホルモン)というホルモンの血中濃度を調べる場合もあります。

  • サイログロブリン検査:血液中のサイログロブリン(甲状腺で作られる蛋白)の量を調べる検査法。甲状腺が正常に機能していれば、サイログロブリンの値は低いかゼロになりますが、甲状腺がんなどの病態では高い値になることがあります。

  • RET遺伝子検査:血液または組織のサンプルを調べ、RET遺伝子に変化があるかどうかを確認する臨床検査。この検査は甲状腺髄様がんの可能性がある小児に行われます。

  • 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を頸部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する方法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。この検査法では、甲状腺結節の大きさと、腫瘍が固形腫瘍か内部が液体で満たされた嚢胞かを知ることができます。超音波は、穿刺吸引生検の際に誘導法としても用いられます。手術の前に、頸部の全体的な超音波検査が行われます。

  • CTスキャン(CATスキャン):頸部など、体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    頭頸部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン):図のように小児は台の上に横たわり、この台がCT装置内を水平に移動するうちに頭頸部のX線写真が撮影される。
    
    


    頭頸部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに頭頸部のX線写真が撮影されます。




  • 甲状腺の穿刺吸引生検:細い針を用いて甲状腺の組織を採取する検査。この検査では、皮膚から甲状腺の内部に針を挿入します。その甲状腺の数ヵ所から組織のサンプルを採取します。切除された組織サンプルは病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。甲状腺がんの種類についての診断は難しくなる場合もあるため、甲状腺がんの診断に熟練した病理医にその生検材料を診てもらうのもよいでしょう。

  • 外科生検:手術中に甲状腺結節や甲状腺の片側の葉を切除する検査で、切除された組織は病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候の有無が調べられます。甲状腺がんの種類についての診断は難しくなる場合もあるため、甲状腺がんの診断に熟練した病理医にその生検材料を診てもらうのもよいでしょう。

特定の因子が予後(回復の見込み)に影響を及ぼします。

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


  • 診断時の患者さんの年齢。

  • 甲状腺がんの種類。

  • 腫瘍の大きさ。

  • 診断時にリンパ節やその他の部位に腫瘍が拡がっているかどうか。

  • 患者さんの健康状態。

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甲状腺がんの病期

甲状腺がんの診断後は、がん細胞が甲状腺の内部や周辺領域で拡がっているかどうか、または他の部位に転移しているかどうかを調べる検査が行われます。

治療計画を立てるうえで、がん 細胞甲状腺の内部や周辺領域で拡がっているかどうか、または他の部位に転移しているかどうかを把握することが重要です。

がん細胞の拡がりを調べるために、以下の検査法と手技が行われることがあります:


  • CTスキャン(CATスキャン):胸部、腹部、脳など、体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    腹部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン):図のように小児は台の上に横たわり、この台がCT装置内を水平に移動するうちに腹部のX線写真が撮影される。
    
    


    腹部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに腹部のX線写真が撮影されます。




  • ガドリニウムを使用するMRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、胸部などの精細な連続画像を作成する検査法。まずガドリニウムと呼ばれる物質を静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。

  • 甲状腺シンチグラフィ:少量の放射性物質を飲み込んでもらうか注射します。この放射性物質は甲状腺に集まります。コンピュータに接続した特殊なカメラを用いて、放出されている放射線を検出し、甲状腺の外観と機能を示す画像を撮影します。小児の中の甲状腺刺激ホルモン値が低い場合は、手術に先立って、甲状腺の画像を撮影するスキャンが行われることがあります。

  • センチネルリンパ節生検:手術中にセンチネルリンパ節を採取する手技。センチネルリンパ節とは、腫瘍からのリンパ液の流れを最初に受けるリンパ節のことです。これは、腫瘍中のがん細胞が最初に転移する可能性の高いリンパ節です。まず、放射性物質や青色の色素が腫瘍の付近に注入されます。注入された放射性物質や色素は、リンパ を通ってリンパ節へと流れ込みます。そうして、放射性物質や色素が最初に到達したリンパ節が切除されます。切除された組織は病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。そこでがん細胞が発見されなければ、それ以上のリンパ節の切除が不要になる場合もあります。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、甲状腺がんに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は甲状腺がんの細胞です。この疾患は転移性甲状腺がんであり、肺がんではありません。

転移:がんの拡がりかた
多くのがんによる死亡は、がんが元の腫瘍を離れて他の組織や臓器に転移した後に発生します。こうしたがんは転移がんと呼ばれます。このアニメーションでは、がん細胞が最初に発生した部位を離れて、体の別の部位に移動する様子を示します。



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再発小児甲状腺がん

再発 甲状腺がんは、治療後に再発した(再び現れた)がんです。甲状腺がんの再発は甲状腺でも他の部位でも起こることがあります。

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治療選択肢の概要

甲状腺がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

甲状腺がんの小児の治療では、小児がんの治療に精通した医師で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児がんの治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児医療専門家と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:


標準治療として以下の4種類が用いられています:
手術

手術は、甲状腺がんに対して最もよく行われる治療法です。以下の手技のいずれかが実施されることがあります:


  • 甲状腺全摘術甲状腺全体を切除する手技。がん付近のリンパ節も切除して、がんの徴候の有無を顕微鏡で調べる場合もあります。小児の場合、通常は甲状腺全摘術が行われます。

  • 甲状腺亜全摘術:甲状腺のごく一部だけを残し、他を全て切除する手技。がん付近のリンパ節も切除して、がんの徴候の有無を顕微鏡で調べる場合もあります。

放射性ヨウ素療法

甲状腺濾胞がん甲状腺乳頭がんの治療にはときに放射性ヨウ素(RAI)療法が用いられることがあります。RAI療法は、手術を受けた小児に対し、術後も残存している甲状腺がん細胞を全て殺傷するために実施されるほか、手術で切除できない腫瘍が生じている小児にも行われます。経口で投与されたRAIは、残存している甲状腺組織や他の部位に転移している甲状腺がん細胞に集まります。ヨウ素を取り込む性質があるのは甲状腺組織だけであるため、RAIは他の組織に害を及ぼすことなく、甲状腺組織と甲状腺がん細胞を破壊します。RAIの全用量を投与する前に、少量を投与して、患者さんの腫瘍がヨウ素を取り込むかどうかを調べます。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。

チロシンキナーゼ阻害薬療法(TKI)は、腫瘍の増殖に必要となる指令を妨害する標的療法です。バンデタニブ進行 甲状腺髄様がんの小児に対する治療に用いられるTKIです。

標的療法は、再発した(再び現れた)小児甲状腺がんの治療法として研究されています。

ホルモン補充療法

ホルモンは体内ので作られる物質で、血流に乗って体内を循環します。甲状腺がんの治療を受けると、甲状腺は十分な甲状腺ホルモンを作ることができなくなります。患者さんは残りの生涯にわたって、甲状腺ホルモンを補充する錠剤を服用します。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

小児甲状腺がんの治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

特に10歳未満の小児でリンパ節にがんが存在している場合は、甲状腺がんの再発がよくみられます。がんが再発しているかどうかを確認するために、時折、超音波検査とサイログロブリン検査が行われます。生涯にわたる経過観察で血液中の甲状腺ホルモンの値を把握し、適切な量のホルモン補充療法(HRT)を実施する必要があります。どのくらいの頻度でこれらの検査を受ける必要があるかは、担当医にご相談ください。

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小児甲状腺がんの治療選択肢

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児甲状腺乳頭がんと小児甲状腺濾胞がんの治療

小児の甲状腺乳頭がん甲状腺濾胞がんの治療法には、以下のようなものがあります:


手術から12週以内に、甲状腺がんが体内に残存しているかどうかを調べる検査を行います。この検査では、サイログロブリン検査とRAIスキャンなどが行われます。放射性ヨウ素スキャン(RAIスキャン)を実施し、手術で切除されなかった甲状腺がん細胞が急速に分裂している可能性のある領域を検出します。RAIが使用されるのは、甲状腺細胞だけがヨウ素を取り込む性質を持つためです。極めて少量のRAIを患者さんに飲み込んでもらうと、この物質は流に乗って移動し、甲状腺の組織と体内に存在する甲状腺がん細胞に集まっていきます。体内にがん細胞が残存しているかどうかに応じて、さらなる治療が行われます:


  • 甲状腺外でがん細胞が検出されない場合、より高い線量のRAIを投与し、残存している甲状腺組織を破壊します。

  • がんがリンパ節に残っている場合、または体内の他の部位に転移している場合、より高い線量のRAIを投与して残存している甲状腺組織と甲状腺がん細胞を破壊します。

  • RAIによる治療の4~7日後に、がん細胞が存在する領域の有無を調べるために、全身SPECTスキャン(単一光子放出型コンピュータ断層撮影)を行うことがあります。SPECTスキャンでは、コンピュータに接続された特殊なカメラを使用して、体内の三次元(3D)画像を撮影します。最初に、ごく少量の放射性物質を静脈注入します。この物質が血流に乗って体内を循環しているときに、体の周囲でカメラを回転させて画像を撮影します。甲状腺がん細胞が増殖している領域は、画像内で明るく表示されます。この検査はCTスキャンの直前または直後に行われることがあります。

詳しい情報については、小児にはまれながんの治療に関する要約の多発性内分泌腫瘍症候群のセクションをご覧ください。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

小児甲状腺髄様がんの治療

小児の甲状腺髄様がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

進行性または再発小児甲状腺がんの治療

進行性または再発小児甲状腺乳頭がんと小児甲状腺濾胞がんの治療法には以下のようなものがあります:


進行性または再発小児甲状腺髄様がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • チロシンキナーゼ阻害薬バンデタニブ)による標的療法。

  • 患者さんの腫瘍のサンプルを検査し、遺伝子に特定の変化がないかを調べる臨床試験への参加。遺伝子に生じた変化の種類によって、患者さんが受ける標的療法の種類は異なります。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児甲状腺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Thyroid Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/thyroid/patient/child-thyroid-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

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