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科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児中枢神経系胚細胞腫瘍の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-06-10
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Pediatric Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、小児中枢神経系胚細胞腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

小児中枢神経系胚細胞腫瘍 小児脳腫瘍 小児中枢神経系肺細胞腫 小児中枢神経系奇形腫 小児中枢神経系絨毛がん 小児中枢神経系混合型胚細胞腫瘍 小児中枢神経系卵黄嚢腫瘍

小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍についての一般的な情報

小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍は胚細胞から発生します。

胚細胞は、胎児(出生前の児)が発生する際に形成される細胞です。これらの細胞は、後に精巣内の精子卵巣内の卵子になります。ときには胎児の形成が進む間に、胚細胞が体の他の部位に移動して増殖し、胚細胞腫瘍になることがあります。脳や脊髄にできた胚細胞腫瘍は、CNS胚細胞腫瘍と呼ばれます。

1つ以上の中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍が形成される典型的な部位は、松果体付近、および下垂体とそのすぐ上の組織を含む脳領域内です。胚細胞腫瘍は脳の他の領域に発生することもあります。



脳の内部図で、脳室(液体で満たされた空間)、脈絡叢、視床下部、松果体、下垂体、視神経、脳幹、小脳、大脳、髄質、脳橋、脊髄を示す。



脳内部の解剖図で、松果体、下垂体、視神経、脳室(青色の部分が脳脊髄液)などの脳の各部分を示しています。



本要約は、中枢神経系(脳と脊髄)から発生する胚細胞腫瘍について書かれたものです。胚細胞腫瘍は体内の他の部位に生じることもあります。頭蓋外(脳の外側)の胚細胞腫瘍に関する詳しい情報については、PDQ小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

CNS胚細胞腫瘍は通常、小児に発生しますが、成人に生じることもあります。小児に対する治療法と成人に対する治療法は異なります。成人の治療に関する詳しい情報については、次のPDQ要約をご覧ください:


他の種類の小児脳腫瘍および脊髄腫瘍に関する情報については、PDQの小児脳腫瘍および脊髄腫瘍の治療の概要に関する要約をご覧ください。

小児CNS胚細胞腫瘍には様々な種類があります。

様々な種類のCNS胚細胞腫瘍があります。CNS胚細胞腫瘍の種類は、顕微鏡で観察したときの細胞の外見によって異なります。本要約は、次のCNS胚細胞腫瘍の治療について書かれたものです:

胚細胞腫

胚細胞腫は最もよくみられるCNS胚細胞腫瘍で、予後は良好です。

胚細胞腫以外の胚細胞腫瘍

一部の胚細胞腫以外の胚細胞腫瘍はホルモンを産生します。CNS奇形腫は、胚細胞腫以外の胚細胞腫瘍の一種でホルモンを作りません。この腫瘍は、腫瘍内に毛髪や筋肉、骨などの様々な組織を含んでいる場合があります。奇形腫は、顕微鏡で観察したときの細胞の正常度に基づいて、成熟奇形腫または未熟奇形腫に分類されます。ときに、成熟細胞と未成熟細胞が混在している奇形腫もみられます。

胚細胞腫以外の胚細胞腫瘍には、他にも以下のような種類があります:


ほとんどの場合、小児CNS胚細胞腫瘍の原因は不明です。
小児CNS胚細胞腫瘍の徴候と症状には、異常な喉の渇き、頻尿、思春期早発、視覚の変化などがあります。

徴候症状は、以下の要因によって異なります:


  • 腫瘍が形成された部位。

  • 腫瘍の大きさ。

  • 腫瘍がホルモンを作るかどうか。

徴候や症状が現れたとしても、小児CNS胚細胞腫瘍が原因の場合もあれば、別の病態が原因である場合もあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 非常に喉が渇く。

  • 透明、またはほとんど透明な尿が大量に出る。

  • 頻尿。

  • 夜尿、もしくは夜間、排尿のために起きる。

  • 眼球運動の障害、または視力低下。

  • 食欲不振。

  • 原因不明の体重の減少。

  • 思春期の早発または遅発。

  • 身長(通常より背が低いこと)。

  • 頭痛。

  • 吐き気嘔吐

  • ひどい疲労感。

  • 学業不振。

小児CNS胚細胞腫瘍の検出(発見)と診断には、画像検査やその他の検査が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴 聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 神経学的検査 :脳と脊髄および神経の機能を調べる目的で行われる一連の問診と検査。この検査でのチェック項目には、精神状態、協調運動、歩行能力、さらに筋肉、感覚、反射がどの程度機能しているかなどが含まれます。この検査は神経検査や神経学的診察と呼ばれることもあります。

  • 視野検査:患者さんの視野(物を見ることができる全範囲)を調べる検査法。この検査では中心視野(まっすぐ前を見たときに見える範囲)と周辺視野(まっすぐ前を見たときにその周囲の全方向で見える範囲)を調べます。検査は片眼ずつ行われます。検査を行っていないほうの眼は覆います。

  • ガドリニウムを用いたMRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、脳や脊髄の内部の精細な連続画像を作成する検査法。ガドリニウムと呼ばれる物質を静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 腰椎穿刺 脊柱内から脳脊髄液(CSF)を採取する際に用いられる手技。脊椎内の2本の骨の間から脊柱内に針を刺し、脊髄周囲を流れるCSFに到達させ、CSFを採取します。CSFのサンプルを顕微鏡で観察し、腫瘍細胞の徴候がないか確認します。そのサンプルに含まれる蛋白の量を調べることもあります。正常量以上の蛋白や正常量以下の糖は腫瘍の徴候かもしれません。この手技はLPまたは脊椎穿刺とも呼ばれます。

    腰椎穿刺:台の上で背中を曲げた姿勢で横たわっている患者さんと、腰の部分に脊椎穿刺針(長くて細い針)が挿入されている様子を示す。右側の拡大図には、脊柱下部の脳脊髄液(CSF)の中に脊椎穿刺針が挿入されている様子が示されている。
    
    


    腰椎穿刺。まず患者さんに背中を曲げた姿勢で台の上に横たわってもらいます。腰の小さな領域に麻酔を施してから、腰椎穿刺針(長くて細い針)を脊柱の下部に挿入して、脳脊髄液(CSF、青色で示されている)を採取します。採取された液体は、検査のために検査室に送られることもあります。




  • 腫瘍マーカー試験 :採取した血液や脳脊髄液(CSF)を調べて、体内の臓器や組織、腫瘍細胞から血液中やCSF中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。特定の物質の血中濃度が上昇している場合には、その物質と関連性のある特定の種類のがんの存在が疑われます。このような物質は腫瘍マーカーと呼ばれます。一部のCNS胚細胞腫瘍の診断には、以下の腫瘍マーカーが用いられます:

  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。特定の物質の異常値(正常値よりも高いまたは低い値)は、疾患の徴候である可能性があります。

  • 血中ホルモン検査:採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定のホルモンの濃度を測定する検査法。特定の物質の異常値(正常値よりも高いまたは低い値)は、その物質を作り出している臓器や組織における疾患の徴候である可能性があります。下垂体やその他のが作るホルモンの濃度を調べるために、血液を検査します。

CNS胚細胞腫瘍の診断を確定するために、生検が行われることもあります。

医師が小児にCNS胚細胞腫瘍の疑いがあるとして、生検を実施することがあります。脳腫瘍の場合、生検は頭蓋の一部を切除し、針を用いて組織のサンプルを採取します。コンピュータによる誘導の下で針を操作し、組織のサンプルを採取することもあります。採取された組織を病理医が顕微鏡で観察し、がん細胞の有無を確認します。ここでがん細胞が発見された場合には、そのまま手術が継続され、安全を確保できる範囲内で可能な限りの腫瘍の摘出が行われます。通常は手術で取り外した頭蓋骨の小片が元に戻されます。

画像検査と腫瘍マーカー検査の結果から診断を下すことができ、生検を行う必要のないこともあります。



開頭術の図:頭皮の一部を切り取り、頭蓋骨片を切除し、脳を覆う硬膜を切開して脳を露出させている。頭皮の下の筋層も示されている。



開頭術:頭蓋骨に開口部を設け、頭蓋骨片を切除して脳の一部を露出させる手技。



採取された組織サンプルについて、以下の検査を実施する場合があります:


  • 免疫組織化学検査 抗体を利用して、組織のサンプルに含まれる特定の抗原を調べる臨床検査。この抗体には通常、放射性物質または色素が結合されており、その作用によって顕微鏡で観察したときに組織が明るく見えます。この種の検査法は、様々な種類の脳腫瘍を判別するのに用いられることがあります。

特定の要因が予後(回復の見込み)に影響を及ぼします。

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


  • 胚細胞腫瘍の種類。

  • 検出された腫瘍マーカーの種類と値。

  • 脳または脊髄内での腫瘍の位置。

  • がんが脳や脊髄の内部で拡がっているか、または体内の他の部位に拡がっているか。

  • 新たに診断された腫瘍か、それとも治療後に再発した(再び現れた)腫瘍か。

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小児CNS胚細胞腫瘍の病期

小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍は、まれに脳と脊髄の外部に転移します。

病期分類とは、どれほど大きながんなのか、またはがんが転移しているかどうかを調べるために行うプロセスのことです。小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍には、標準的な病期分類システムがありません。治療計画は以下に応じて異なります:


  • 胚細胞腫瘍の種類。

  • 腫瘍がCNS内に拡がっているか、あるいは体の他の部位に拡がっているか。

  • 小児CNS胚細胞腫瘍を診断するために行われた検査と手技の結果。

  • 新たに診断された腫瘍か、それとも治療後に再発した(再び現れた)腫瘍か。

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再発小児CNS胚細胞腫瘍

小児中枢神経系 胚細胞腫瘍は、治療後に再発する(再び現れる)ことがあります。多くの場合、腫瘍は最初の腫瘍と同じ部位に再発します。また、腫瘍が他の位置または髄膜(脳と脊髄を覆って保護している組織の薄い層)の内部、もしくはその両方で再発することもあります。

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治療選択肢の概要

小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍の患者さんには様々な治療法が存在します。

小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍の患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、がんの患者さんを対象に、既存の治療法の改良に役立てたり、新しい治療法に関する情報を集めたりするための調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

小児CNS胚細胞腫瘍の患者さんには、小児のがん治療を専門とする医療提供者で構成されるチームによって治療計画が立てられるべきです。

この疾患の治療は小児腫瘍医放射線腫瘍医が統括します。小児腫瘍医は小児がんの治療を専門とする医師です。放射線腫瘍医は放射線療法によるがんの治療を専門とします。これらの医師は、小児CNS胚細胞腫瘍の治療に精通した他の小児 医療提供者や、特定の医療分野を専門とする医療提供者と協力しながら治療に取り組みます。具体的には以下のような専門医や専門家が挙げられます:


小児CNS胚細胞腫瘍では、がんと診断される前に徴候や症状が現れ、数ヵ月~数年にわたって続くことがあります。

小児CNS胚細胞腫瘍では、数ヵ月~数年にわたって続く徴候症状が現れることがあります。腫瘍が引き起こす徴候や症状は、がんの診断より早く現れることがあります。治療が原因で生じる徴候や症状は、治療中や治療直後に始まることがあります。

がんの治療法によっては、治療が終わって数ヵ月ないし数年間経過してから副作用が現れてくるものもあります。

がんの治療法によっては、治療後の数ヵ月ないし数年間にわたって副作用が続く場合や、そのくらいの期間が経過した後に副作用が現れる場合があります。これらは晩期障害と呼ばれます。がん治療の晩期障害には以下のようなものがあります:


  • 身体的問題。

  • 気分、感情、思考、学習、記憶における変化。

  • 二次がん(新しい種類のがん)。

晩期障害には治療や制御することが可能なものもあります。治療によって引き起こされる可能性の晩期障害について担当の医師とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期障害に関する要約をご覧ください。)

以下の4種類の治療法が用いられます:
放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には次の2種類があります:


  • 外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。特定の方法で放射線療法を実施すると、周辺の健康な組織の損傷を防ぐことができます。そうした放射線療法には、以下の種類のものがあります:
    • 定位放射線手術:放射線療法中に頭部が動かないよう、頭蓋骨に硬いフレームを取り付けます。装置は脳腫瘍に直接、高線量の放射線を1回照射します。新たに診断された奇形腫の治療に用いられます。この治療法は実際に手術を行うものではありません。ほかに定位手術的照射やラジオサージェリー、放射線手術とも呼ばれます。


  • 内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。

外照射療法は小児CNS胚細胞腫瘍の治療で用いられます。脳に対する放射線療法は幼児期の成長や発達に影響を及ぼす可能性があります。特定の方法で放射線療法を実施すると、健康な脳組織の損傷を少なくすることができます。3歳未満の小児の場合は、代わりに化学療法を実施します。この療法は放射線療法が必要になる時期を遅らせる、またはその必要性を下げることができます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。

手術

腫瘍を切除する手術を実施するかどうかは、脳内の腫瘍の有無に左右されます。腫瘍を切除する手術は長期にわたる重度の副作用を引き起こすことがあります。

手術は奇形腫を切除するために実施されるほか、再発した胚細胞腫瘍に対しても行われることがあります。医師が手術の際に確認できるがんを全て切除した場合でも、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、手術後に化学療法や放射線療法を受けます。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

幹細胞救援を伴う大量化学療法

幹細胞救援を伴う大量化学療法は、高用量の化学療法を実施する手段の1つで、このがん治療によって破壊された造細胞を外から補充します。患者さん自身またはドナーから採取した血液または骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、現在実施中の臨床試験のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

がんの診断時に、がんが下垂体に及んでいる小児は、多くの場合、血中ホルモン濃度を調べるべきです。血中ホルモン濃度が低い場合、ホルモン補充療法を実施します。

がんの診断時に腫瘍マーカーα-フェトプロテインβ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値が高い小児は、多くの場合、血中の腫瘍マーカー値を調べるべきです。最初の治療後に腫瘍マーカー値が上昇した場合、腫瘍が再発した可能性があります。

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小児CNS胚細胞腫瘍の治療選択肢

新たに診断されたCNS胚細胞腫

新たに診断された中枢神経系(CNS)胚細胞腫の治療法には、以下のようなものがあります:


新たに診断されたCNS奇形腫

新たに診断された中枢神経系(CNS)の成熟奇形腫未熟奇形腫の治療法には以下のようなものがあります:


新たに診断された胚細胞腫以外のCNS胚細胞腫瘍

新たに診断された胚細胞腫以外の中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍に、どのような治療が最適かは不明です。絨毛がん胎児性 がん、卵黄嚢腫瘍、混合型胚細胞腫瘍の治療法には、以下のようなものがあります:


  • 化学療法とその後の放射線療法。化学療法後も腫瘤が残っている場合は、手術を行い、腫瘤が成熟奇形腫か、線維症か、増殖する腫瘍かを確認することもあります。
    • 腫瘤が成熟奇形腫または線維症である場合は、放射線療法を施行します。

    • 増殖する腫瘍である場合は、他の治療法がとられることもあります。


  • 腫瘍マーカーの値が正常で、腫瘤の増大が続く(増殖性奇形腫症候群)場合は、できるだけ多くの腫瘤を切除する手術と腫瘍細胞の検査。

  • 化学療法の後に、治療に対する腫瘍の反応に応じてより低い線量の放射線療法を行う臨床試験への参加。

再発小児CNS胚細胞腫瘍

再発小児中枢神経系(CNS)胚細胞腫瘍の治療法には、以下のようなものがあります:


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現在実施中の臨床試験

NCI支援のがん臨床試験リストから、小児中枢神経系胚細胞腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児中枢神経系胚細胞腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

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PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board. PDQ Childhood Central Nervous System Germ Cell Tumors Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/brain/patient/child-cns-germ-cell-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389502]

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