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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

レートリル/アミグダリン(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2010-09-24
    翻訳更新日 : 2011-12-19

概要


  • レートリルは、アミグダリンという化学物質を含む化合物です。アミグダリンは多くの果物の種、生のナッツや植物に含まれています(詳しくは質問1質問1を参照してください)。

  • レートリルにある抗がん活性成分は、シアン化物と考えられています(詳しくは質問1質問1を参照してください)。

  • レートリルは、丸薬として口から、または静脈内注射によって摂取されます(詳しくは質問4質問4を参照してください)。

  • レートリルは基礎研究、動物実験、ヒトを対象にした研究で、ほとんど抗がん作用を示していません(詳しくは質問5質問5質問6質問6を参照してください)。

  • レートリルの副作用は、シアン化物中毒の症状と似ています(詳しくは質問7質問7を参照してください)。

  • レートリルは、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されていません(詳しくは質問8質問8を参照してください)。

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レートリル/アミグダリンについての質問と回答

1.

レートリルとはどのようなものですか。

 

  レートリルとは、がん治療として、世界中のヒトに用いられている化合物です。がんやその他の疾患に対する治療法として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けていません。「レートリル」という用語は、2つの言葉(laevorotatoryとmandelonitrile)に由来し、アミグダリンという化学物質の精製された形態であることを表しています。アミグダリンは、糖を含み、シアン化物を生成する、植物由来の化合物です。シアン化物は、レートリルの抗がん作用の活性成分と考えられています。アミグダリンは、多くの果物の種や生のナッツに含まれています。その他にも、アオイマメ、クローバーやモロコシといった植物にも含まれています。

 レートリル(laetrile、Laetrile)とアミグダリンの名称は、しばしば代用されますが、それらは同じ製品ではありません。米国で特許を取ったレートリル(Laetrile)の化学組成は、メキシコで生産されたレートリル(laetrile)/アミグダリンとは異なった形態をしています。特許取得済みのレートリル(Laetrile)は、アミグダリンを部分的に(人工)合成したものですが、メキシコで作られたレートリル/アミグダリンはアプリコットの種を砕いたものから作っています。本要約で考察されている研究では、メキシコのレートリル/アミグダリンまたはLaetrileのどちらかが使われました。特許取得済みのレートリル(Laetrile)が研究で使用されていることが分かっている場合を除いて、本要約では「レートリル」という一般名を使います。

2.

がんに対する補完または代替治療としての、レートリルの発見の経緯と使用の歴史とはどのようなものですか。

 

 アミグダリンは1830年に初めて分離され、早くも1845年に、ロシアで抗がん剤として使われました。米国でがんの治療に使われたという最初の記録は1920年代のものでした。初期のアミグダリンの錠剤は、毒性があまりにも強いことが分かったため、その化合物の製品化は中止されました。1950年代に、報告によると無毒の、部分的に合成された形態のアミグダリンが米国で製造され、レートリル(Laetrile)として特許を取得しました。レートリル(Laetrile)は、1970年代に単一の抗がん剤として、また食事療法と、高用量ビタミンを含むサプリメントと、膵酵素(食物の消化を助ける蛋白質群)を取り入れた代謝療法プログラムの一環として人気を博しました。米国では1978年までに7万人以上の人がレートリル(Laetrile)による治療を受けたと報告されています。

3.

レートリルががん治療に有用であるという主張の背後にある理論はどのようなものですか。

 

 シアン化物が、レートリルの抗がん作用の主成分であると考えられています。アミグダリンの他の2つの分解産物であるプルナシン(Laetrileと構造が似ている)とベンズアルデヒドも、がん細胞の遮断薬となる可能性があります。理論に関する詳しい情報については、PDQレートリル/アミグダリンに関する医療専門家向けの要約をご覧ください。

4.

レートリルはどのように投与されますか。

 

 レートリル(Laetrile)は錠剤として口から(経口)投与されます。血管(静脈)、または筋肉への注射によっても投与できます。レートリルは一般的に、静脈注射を一定期間行い、その後維持療法(前回受けた治療の効果を維持するために実施される治療)として経口投与されます。

5.

レートリルを用いた前臨床研究(基礎または動物実験)は実施されていますか。

 

 レートリル単独、またはレートリルと他の物質を併用した前臨床研究が実施されています。これらの試験では、がんに対するレートリルの有益性、治療の副作用、体内のどこでどのように分解されるか、レートリルとその代謝産物がどのように体から排出されるかを調べました。基礎および動物での研究では、レートリルががんに対して有用であるという証拠はほとんど示されませんでした。

6.

レートリルの臨床試験(ヒトでの調査研究)は実施されていますか。

 

 レートリルの対照臨床試験(新しい治療を受ける患者さんのグループと、その治療を受けない患者さんのグループとを比較する試験)は報告されていません。

  逸話的な報告(一人もしくはそれ以上の患者さんの病歴/治療歴の不完全な記述)および症例報告(各患者さんの診断、治療、フォローアップについての詳細な報告)は多く存在しますが、それらはがんの治療法としてレートリルを支持する証拠をほとんど提供していません。

  がん患者さんへのレートリルの使用に関するケースシリーズでは以下のことが報告されています:


  • レートリルの治療を受けた44名の患者さんのケースシリーズ(同じような治療を受けた患者さんに関する一連の、または系統立った症例報告)が1953年に発表されました。改善を示した患者さんのほとんどが、放射線療法か、抗がんの投与を受けており、どの治療がその有益性を生み出したかは分かっていません。

  • 1962年に発表された他の系統立った症例報告では、転移がん(体のある部位から他の部位へと広がるがん)の10名の患者さんが、様々な用量のレートリル(Laetrile)の静脈投与を受けました。報告された主な有益性は疼痛緩和でした。リンパ節腫脹の減少や腫瘍の大きさの縮小も報告されました。これらの患者さんに対する長期的な経過観察は実施されておらず、治療後にどのくらい長くその有益性が持続したかは分かっていません。

  • 体内でレートリルが分解された際に生成されるベンズアルデヒドについても、ヒトでの抗がん活性が調べられています。2つの臨床シリーズ(1件のクリニックで連続して治療を受けた多くの患者さんに関する症例報告)において、標準治療に反応を示さなかった進行がんの患者さんたちが、ベンズアルデヒドの治療を受けたと報告されています。完全奏効(がんのすべての徴候や症状の消失)した患者さんもいれば、腫瘍の大きさが縮小した患者さんもいました。その治療が続く限りベンズアルデヒドに対する反応が続きました。患者さんのほぼ全員が、以前に化学療法か放射線療法を受けていますが、それらの治療が終了してからベンズアルデヒドの治療が始まるまでの期間については不明です。

  • 1978年、米国国立がん研究所(NCI)は、レートリルの治療が患者さんの役に立ったと考える開業医に症例報告書を提出するよう要請しました。93の症例報告が提出され、その中の67症例の報告書は完全なもので、十分評価の対象となりました。専門委員会は、67名の患者さんのうち2名に完全奏効が見られ、また4名には腫瘍の大きさの縮小が見られたと結論づけました。これらの6症例に基づき、NCIはレートリルの臨床試験に対して資金提供を行いました。

 レートリルを用いた臨床試験は2つだけですが、それらの結果が公表されています。これらの試験は、NCIの支援を受け、1970年代後半から1980年代初頭に実施されましたが、比較のための対照群を設置していませんでした。

  がんの患者さんにおけるレートリルの使用に関するこれら2つの臨床試験からは以下のことが報告されました:


  • 最初の試験である第I相臨床試験では、6名のがん患者さんで、用量、スケジュールやアミグダリンの投与方法が調べられました。研究者たちは、経口または静脈投与では、アミグダリンの副作用はほとんど発生しないことを報告しました。しかしながら、アミグダリン投与中に生のアーモンドを食べた2名の患者さんにおいて、シアン化物中毒症が発現しました。

  • 1982年の175名の患者さんに対する第II相臨床試験では、どのような種類のがんに、アミグダリンを使った治療の効果が認められるのかについて調べられました。この試験では、殆どの患者さんが、乳がん結腸がん、または肺がんを患っていました。アミグダリンは、注射で21日間投与された後、第I相試験と類似した投与計画に基づいた経口投与による維持療法が行われました。また、食事の改善を含む代謝療法プログラムの一環としてビタミン類と膵酵素も投与されました。ある胃がん患者さんでは腫瘍の大きさが縮小し、その患者さんがアミグダリン療法を受けた10週間に渡ってその効果は維持されました。約半数の患者さんは、この治療の終了時にがんは増殖していました。治療終了から7ヵ月後には、全ての患者さんにおいて、がんは増殖していました。仕事や他の活動を行う能力に改善があったと報告する患者さんもいれば、症状が改善したと言う患者さんもいました。しかしながら、これらの改善は治療終了後は続きませんでした。

7.

レートリルからの副作用やリスクは報告されていますか。

 

 レートリル治療の副作用は、シアン化物中毒の症状と似ています。これらの症状は以下のとおりです:


 レートリルの副作用は投与方法によって異なります。レートリルは注射で投与されるよりも経口投与される方が、より重度の副作用が発生します。これらの副作用は次のものによって増強されます:


  • 生のアーモンドや砕かれた果物の種を食べる。

  • セロリ、桃、もやし、人参を含む特定のタイプの果物や野菜を食べる。

  • 高用量のビタミンCの摂取。

8.

米国において、がんの治療法としてのレートリルの使用は、FDAに承認されていますか。

 

 米国食品医薬品局(FDA)は、米国でのがんに対する治療法としてレートリルを承認していません。レートリルは、メキシコで製造されて、がん治療に使用されています。

  メキシコはレートリルの主要なサプライヤーですが、メキシコ産のレートリル化合物は純度と内容物にバラツキがあります。細菌やその他の物質を含む製品、また不正表示された製品も見つかっています。

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本要約の変更点(09/24/2010)

PDQ がん情報要約は定期的に見直され、新しい情報が利用可能になり次第更新されます。本章では、上記の日付における本要約の最新変更点を記述しています。

本要約には編集上の変更がなされました。

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補完代替医療(CAM)についての一般的な情報

補完代替医療(CAM)は、統合的医療とも呼ばれ、ヒーリングに関する原理やアプローチ、治療法などを幅広く意味します。従来の治療に加えて実施する場合は補完療法と呼ばれ、また従来の治療の代わりに実施する場合は、よく代替療法と呼ばれます(従来の治療とは医学界で広く受け入れられ、かつ主流となっている治療を意味します)。どのように用いられるかによって、補完療法とみなされる場合と、代替療法とみなされる場合があります。補完代替療法は、病気の予防やストレスの軽減、副作用や症状の予防と軽減、そして疾患の管理や治癒を目的として用いられます。

がんの従来の治療とは異なり、補完代替療法は保険が適用されないことが多くあります。患者さんは加入保険会社に、補完代替医療が保険の適用対象となっているかどうかを確認することをお奨めします。

補完代替医療の中には、標準治療を妨げたり、従来の治療と併用した場合に有害となりうるものがあるため、補完代替療法を検討されているがん患者さんはどんな治療法でも必ず、担当医や看護師、薬剤師と相談して意思決定を行ってください。

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補完代替医療(CAM)のアプローチの評価

補完代替医療の治療についても、従来の治療の評価と同様、厳格な科学的評価を行うことが重要です。米国国立がん研究所(NCI)および米国国立補完代替医療センター(NCCAM)は医療施設において、がんに対するCAM療法の評価を行うための臨床試験(調査研究)を数多く主催しています。

一般的に、がんの治療における従来のアプローチは、多数の患者さんを対象とした臨床試験の実施など、厳格な科学的プロセスを経て、安全性や有効性が検討されています。それに比べ、補完代替医療の安全性や有効性についてはあまり知られていません。厳格な評価を経たCAM療法はごくわずかです。はじめは純粋に代替アプローチとみなされていた少数のCAM療法が、治癒を求めるものではなく、患者さんをより楽にし回復を早める手助けとなる補完医療として、がんの治療で用いられつつあります。一つの例が鍼療法です。1997年11月に開催された米国国立衛生研究所(NIH)コンセンサス会議の専門家委員会によると、鍼療法は化学療法に関連した吐き気や嘔吐、そして手術に関連した疼痛の管理に有効であることがわかりました。対照的に、レートリルの使用などのいくつかのアプローチは、検討の結果、無効であるか、または有害となりうることがわかりました。

1991年に始まったNCIのBest Case Series Programは、臨床で用いられているCAMアプローチの評価を行うプログラムの一つです。このプログラムはNCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)の監視下で進められています。がん代替医療を行う医療専門家は、患者さんのカルテや関連資料をOCCAMに提出します。OCCAMではそれらの資料を厳密に精査し、NCI主導の研究を正当化するであろう治療アプローチについては、フォローアップ研究の戦略を立てています。

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補完代替医療(CAM)について医療提供者に質問すべきこと

補完代替療法を受けることを考えている場合、患者さんは主治医などの医療提供者に次の質問を行ってください。


  • どのような副作用が予想されますか。

  • この治療に伴うリスクは何ですか。

  • 既知の有益性はそれらのリスクに勝っていますか。

  • この治療からどのようなメリットが期待できますか。

  • この治療は従来の治療の妨げになりますか。

  • この治療は臨床試験の一部として実施されますか。

  • もしそうなら、誰がその試験を主催しますか。

  • この治療には健康保険が適用されますか。

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補完代替医療(CAM)についてさらに知るには

米国国立補完代替医療センター(NCCAM)

米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完代替医療センター(NCCAM)は、補完代替医療の研究および評価を促進し、医療専門家や一般の方を対象に様々なアプローチについての情報を提供しています。


    NCCAM Clearinghouse
    Post Office Box 7923 Gaithersburg, MD 20898–7923
    電話: +1-888-644-6226 (フリーダイヤル) 301-519-3153 (海外からの場合)
    テレタイプライター付の電話(耳が聞こえないか聴覚に障害のある方用):+1-866-464-3615
    Fax:+1-866-464-3616
    E-mail:info@nccam.nih.gov
    ウェブサイト:http://nccam.nih.gov

CAM on PubMed

NCCAMおよびNIH国立医学図書館(NLM)は共同でCAM on PubMedを開発し、CAMに関連するジャーナルの記載内容を無料かつ簡単に検索できる機能を提供しています。NLMの図書目録データベースのサブセットとして、CAM on PubMedには様々な科学ジャーナルのCAMに関連する論文から、230,000を超える文献や抄録が登録されています。このデータベースはさらに、1,800を超えるジャーナルにリンクしており、ユーザーが論文全文を参照できるようになっています(論文全文を参照するには、購読料などの費用が発生する場合があります)。CAM on PubMedはNCCAMのウェブサイトから利用可能です。NLMのPubMed図書目録データベースからもCAM on PubMedにアクセスできます(「Limits」タブ → 「Complementary Medicine」を選択してください)。

がん補完代替医療オフィス

NCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)は、補完代替医療(CAM)の分野におけるNCIの活動をコーディネートしています。OCCAMはCAMのがん研究をサポートし、がんに関連するCAMについての情報を、米国国立がん研究所(NCI)のホームページを通して医療提供者や一般の方に提供しています。

米国国立がん研究所(NCI)のがん情報サービス

米国にお住まいの方は、NCIがん情報サービスフリーダイヤル+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)に電話をすることができます(月曜日から金曜日の朝8時から夜8時まで)。訓練を受けたがん情報スペシャリストが質問にお答えします。

食品医薬品局

食品医薬品局(FDA)は、薬物や医療機器を規制し、それらの安全性と有効性を確保しています。


    食品医薬品局
    5600 Fishers Lane
    Rockville, MD 20857
    電話:+1-888-463-6332 (フリーダイヤル)
    ウェブサイト:http://www.fda.gov/

連邦取引委員会

連邦取引委員会(FTC)は消費者保護法を施行しています。FTCから入手可能な出版物は以下の通りです:


  • Who Cares: Sources of Information About Health Care Products and Services

  • Fraudulent Health Claims: Don't Be Fooled


    消費者センター
    連邦取引委員会
    CRC-240
    Washington, DC 20580
    電話:+1-877-FTC-HELP(+1-877-382-4357)(フリーダイヤル)
    テレタイプライター付の電話の場合(耳が聞こえないか聴覚に障害のある方用):202-326-2502
    ウェブサイト:http://www.ftc.gov/
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