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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

肝(肝細胞)がんの予防(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-07-31
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Screening and Prevention Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、肝(肝細胞)がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

肝がんと肝内胆管がん がんの予防

予防とは

がん 予防とは、がんにかかる可能性を低くするためにとる行動です。がんを予防することで、集団または人口におけるがんの新規症例の数が減少します。うまくいけば、それにより、がんによる死亡者の数を減らすことができます。

新たながんの発生を予防するため、科学者リスク因子防御因子に注目します。がん発生の可能性を高めるものは全てがんのリスク因子と呼ばれ、がん発生の可能性を低減させるものは全てがんの防御因子と呼ばれます。

がんのリスク因子には回避できるものもありますが、回避できないものも数多くあります。例えば、喫煙の習慣と特定の遺伝子をもっていることは、どちらもある種のがんのリスク因子ですが、避けることができるのは喫煙だけです。普段から運動や健康的な食事を心がけることは、いくつかの種類のがんに対する防御因子となります。リスク因子を避けて防御因子を増やすことはリスクの低減につながりますが、それでがんに罹らなくなるということではありません。

現在、以下のような様々ながんの予防法が研究されています:


  • 生活習慣や食習慣の改善。

  • がんの原因となることが分かっている因子の回避。

  • 前がん性の 状態の治療やがん発生の阻止を目的とした薬剤の使用。

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肝(肝細胞)がんについての一般的な情報

肝がんは、肝臓の組織に悪性(がん)細胞が発生する疾患です。

肝臓は体内で最も大きな臓器の1つです。4つのから構成され、腹部の右上部の、肋骨の後ろの空間を占めています。肝臓には重要な機能が多くありますが、その主なものは以下の3つです:


  • 血液をろ過して有害物質を取り除き、それを便尿として体外に排泄できるようにする。

  • 胆汁を作って、食物中の脂肪の消化を助ける。

  • 身体がエネルギーを消費するのに必要となるグリコーゲン(糖質)を貯蔵する。



肝臓の解剖図:図は、肝臓前面の右葉と左葉、胆管、胆嚢、胃、脾臓、膵臓、結腸、小腸を示す。肝臓の後面にある2つの葉は示されていない。



肝臓の解剖図。肝臓は、上腹部の胃、腸、胆嚢、膵臓の近くに位置しています。肝臓には4つの葉が存在します。肝臓の前面に2つの葉があり、後面に2つの小さな葉(示されていない)があります。



肝(肝細胞)がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


肝がんは米国ではあまり多くはみられません。

肝がんは、世界で4番目に多くみられるがんで、がんによる死亡原因の第3位です。また、米国では、男性(特に中国系アメリカ人の男性)の方が女性より肝がんのリスクが高くなっています。肝がんの新規症例数と肝がんによる死亡者数は、特に中年の黒人、ヒスパニック系、および白人の男性の間で、ともに増加し続けています。このがんを発症する際の年齢は40歳以上であるのが通常です。

肝がんを早期に発見して治療を行えば、肝がんによる死亡を予防することができます。

特定の種類の肝炎ウイルスへの感染は肝炎の発生や肝がんリスクの増大につながります。

肝炎の原因としては、肝炎ウイルスが最も一般的です。肝炎は、肝臓の炎症(腫れ)を引き起こす疾患です。長期間持続する肝炎による肝臓の損傷は、肝がんのリスクの増大につながります。

肝炎ウイルスには6種類があります。最もよくみられるのは、A型肝炎(HAV)、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)の3種類です。これらの3つのウイルスは同様の症状を引き起こしますが、肝臓への感染方法や影響は異なります。

A型肝炎ワクチンとB型肝炎ワクチンは、A型肝炎とB型肝炎への感染を予防するためのものです。C型肝炎への感染を予防するワクチンはありません。過去にいずれかの種類の肝炎に感染している人が、さらに他の種類の肝炎に感染することもあります。

肝炎ウイルスには以下のものがあります:

A型肝炎

A型肝炎は、A型肝炎ウイルスに汚染された飲食物を摂取することによって感染が成立します。この肝炎は慢性化することはありません。A型肝炎に感染しても、通常は治療なしで回復します。

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染した人の血液、精液、その他の体液に接触することによって感染が成立します。慢性化して肝臓の瘢痕(肝硬変)を引き起こす可能性がある重篤な感染症です。肝がんにつながる場合もあります。現在では、血液銀行において全てのドナー血液を対象としたB型肝炎ウイルス検査が実施されているため、輸血によってこのウイルスに感染するリスクは非常に低くなっています。

C型肝炎

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染した人の血液に接触することで感染が成立します。C型肝炎の疾患は、数週間続く軽度のものから生涯にわたる重篤なものまであります。C型肝炎の患者さんの大半では感染が慢性化して肝臓の瘢痕(肝硬変)を引き起こす可能性があります。肝がんにつながる場合もあります。現在では、血液銀行において全ての献血血液を対象としたC型肝炎ウイルス検査が実施されているため、輸血によってこのウイルスに感染するリスクは非常に低くなっています。

D型肝炎

D型肝炎は、すでにB型肝炎ウイルスに感染した人に発生します。D型肝炎ウイルス(HDV)によって発生する疾患で、感染した血液や使用済みの注射針との接触、あるいはHDVに感染した人との無防備な性交渉を介して伝染します。D型肝炎は急性肝炎を引き起こします。

E型肝炎

E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV)によって引き起こされます。E型肝炎は肛門の接触や汚染された水の摂取によって伝染することがあります。E型肝炎は米国ではまれな疾患です。

G型肝炎

G型肝炎ウイルス(HGV)の感染が原因で肝がんが発生したという報告はありません。

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肝(肝細胞)がんの予防

リスク因子を回避することと防御因子を増やすことは、がんの予防につながる可能性があります。

がんリスク因子を避けることで、特定のがんを予防できる場合があります。リスク因子には、喫煙や過体重、運動不足などがあります。禁煙、健康的な食事、運動などの防御因子を高めることも、がんの予防につながります。がんのリスクを低減させる方法については、担当の医師か他の医療専門家にご相談ください。

以下のリスク因子には肝がんのリスクを高める可能性があります:
B型およびC型肝炎

慢性 B型肝炎またはC型肝炎肝がんの発生リスクを高めます。B型肝炎とC型肝炎の両方にかかっている人では、さらにリスクが高くなります。また、肝炎感染期間が長くなるほど(特にC型肝炎の場合)リスクが高まります。

慢性C型肝炎の患者さんを対象とした研究において、血液を体から抜き取って体内のの量を減少させつつ、鉄の摂取量を制限した食事を続けるという治療法を受けた患者さんでは、この治療を受けなかった患者さんと比べて、肝がんの発生する可能性が低かった、という結果が示されています。

肝硬変

肝硬変(正常な肝臓 組織が瘢痕組織に置き換わった状態)のある人では、肝がんの発生リスクが高くなります。瘢痕組織によって肝臓内での血液の流れが遮られ、肝臓が正常な機能を果たせなくなります。肝硬変の原因としては、慢性アルコール依存症と慢性C型肝炎が最も一般的です。

アフラトキシン

アフラトキシン(保存状態の悪い穀類や木の実などの食物中で繁殖する真菌が出す毒素)を含む食物を摂取することで肝がんの発生リスクが高まることがあります。

以下の防御因子には肝がんのリスクを下げる可能性があります:
B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスへの感染予防(B型肝炎の予防接種による)によって小児における肝がんのリスクが減少することが示されています。成人においてもリスクを低減できるかについてはまだ明らかになっていません。

がんの予防法の研究では、がん予防臨床試験が実施されます。

特定のがんの発生リスクを低下させる方法を研究するには、がん予防臨床試験が実施されます。がん予防臨床試験には、がんにかかってはいないものの、がんのリスクが高い人々を対象として行われるものもあります。また、すでにがんにかかっていて、同種のがんのさらなる発生を予防しようとしている人々や、別の種類のがんが発生する可能性を小さくしようとしている人々を対象とした予防試験もあります。その他にも、がんのリスク因子をもっていることが判明していない健康なボランティアを対象とした試験もあります。

一部のがん予防の臨床試験の目的は、何らかの行動によってがんを予防できるかどうかを検証することです。具体的には、果実や野菜を食べる、運動をする、喫煙をやめる、特定のビタミンミネラル栄養補助食品などを摂取する、などが挙げられます。

現在、肝がんの新たな予防法が臨床試験で検証されています。

臨床試験は米国各地で行われています。臨床試験の情報は、NCIのウェブサイトの臨床試験のセクションでご覧いただけます。NCIのがん臨床試験リストから、現在患者さんを受け入れている肝がん予防の臨床試験を調べることができます。(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、肝(肝細胞)がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board. PDQ Liver (Hepatocellular) Cancer Prevention. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/liver/patient/liver-prevention-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389299]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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