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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

食道がんのスクリーニング(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-07-27
    翻訳更新日 : 2017-02-17

 このPDQがん情報要約では、食道がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。実際にがんの早発見に役立つ場合もあります。異常 組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合があります。症状が現れる頃には、がんが増殖し拡がり始めていることもあります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、ということをより深く理解しようと科学者たちは挑み続けています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんの存在を疑ってそうしているわけではないということを覚えておくことが重要です。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

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食道がんについての一般的な情報

食道がんは、食道の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

食道は筋肉でできた中空の管で、食べ物や飲み物をからへと送り込みます。食道の壁は、粘膜層、筋肉層、結合組織層などの何層かの組織から構成されています。食道がんは、食道の最も内側を覆う層から発生して、増殖するにつれて外側の層を越えながら外に向かって拡がっていきます。

消化器系の解剖図:図は食道、肝臓、胃、小腸、大腸を示す。



食道と胃は上部消化器系の一部です。



最もよくみられる2種類の食道がんには、悪性(がん性)化した細胞の種類に応じた名前が付けられています:


  • 扁平上皮がん扁平上皮細胞(食道の内側を覆う薄くて平らな細胞)から発生するがん。この種のがんは、食道の上部および中間部で最も多くみられますが、食道内のどこにでも発生します。これは類表皮がんとも呼ばれます。

  • 腺がん(分泌)細胞から発生するがん。食道の表面に存在する腺細胞は、粘液などの液体を作り放出しています。腺がんは通常、胃の近くの食道下部から発生します。

食道がんに関する情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


食道がんは男性により多くみられます。

男性は女性よりも約3倍食道がんにかかりやすくなっています。食道腺がんの新規症例数は年々増加していますが、扁平上皮がんの新規症例数は減少しています。食道扁平上皮がんは白人と比べて黒人でより多くみられます。食道がんの発生率は年齢とともに上昇します。

食道がんの発生リスクに影響を及ぼす要因には喫煙、過度の飲酒、バレット食道があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクが高いと思う人は、そのことについて担当の医師と話し合ってください。

食道扁平上皮がんのリスク因子には以下のものがあります:


食道腺がんのリスク因子には以下のものがあります:


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食道がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査のなかには、がんの早期発見に有効で、なおかつそのがんによる死亡の可能性を低減できるということが明らかとなっているために、実施されているものもあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査法もありますが、こうした検査法にがんによる死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては、臨床試験での証明が得られていません。

最もリスクが少なく最も有益な方法を発見すべく、科学者によりスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんによる死亡リスクが低減できるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部の種類のがんでは、早のうちに発見し治療することで、回復の見込みが高まる場合があります。

食道がんのスクリーニング検査には、標準的なものや決まって行われるものはありません。

食道がんのスクリーニングについては、米国各地で実施されているスクリーニング臨床試験で研究されています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

食道がんを発見できる可能性のある検査法として、以下のものが現在研究されています:
食道鏡検査

食道の内部を観察して、異常な領域がないかを調べる検査法。食道鏡を口もしくは鼻からに入れ、さらに食道の内部まで挿入します。食道鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いている内視鏡もあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

食道鏡検査:口から食道内に挿入された内視鏡を示す。右上の図には、台の上の患者さんが食道鏡検査を受けている様子が示されている。



食道鏡検査。ライトの付いた細い管を口から食道内まで挿入して、異常な部分がないかを調べます。



生検

細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。食道下部の表面組織の数カ所から生検材料を採取することで、早期のバレット食道を検出できる場合もあります。この方法は、バレット食道のリスク因子がある患者さんに対して用いられます。

ブラシ細胞診

食道の内側からブラシでぬぐい取った細胞を顕微鏡で観察して異常がないか調べる検査法。これは食道鏡検査の最中に行われます。

バルーン擦過細胞診

空気を抜いたバルーンを患者さんに飲み込んでもらい、これを用いて食道の内壁表面から細胞を採取する方法。飲み込んでもらったら、バルーンを膨らませて食道から引き出します。それからバルーンの表面に付着した食道の細胞を顕微鏡で観察して、異常がないかを調べます。

色素内視鏡検査

食道鏡検査の実施中に食道の内壁に色素を吹き付ける方法。食道の表面組織の一部の領域が強く染まる場合には、早期のバレット食道の徴候である可能性があります。

蛍光分光法

特殊な光を用いて食道の表面組織を観察する方法。光プローブを内視鏡を通して食道内まで挿入し、食道の表面上で光らせます。それから、食道の内側を覆っている細胞から発せられる光の量を測定します。悪性組織では正常な組織よりも発光量が少なくなります。

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食道がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要です。

食道がんのスクリーニング検査に伴うリスクとしては以下のものがあります:
食道がんが発見されても健康状態の改善や余命の延長につながらない場合もあります。

進行した食道がんの場合や、すでに他の部位に転移している場合には、スクリーニングを受けても健康状態の改善や余命の延長はあまり望めないでしょう。

がんのなかには、何の症状も引き起こさず命を脅かす心配がないものも存在しますが、スクリーニング検査で見つかれば、そのようながんにも治療が行われることがあります。このようながんに対する治療に無治療の場合よりも余命を長くする効果があるのかどうかは不明ですし、その治療によって逆に重篤な副作用がもたらされる可能性もあります。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

実際には食道がんが存在しているのにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が正常と出る場合もあります。偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた人では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る可能性もあります。

実際にはがんが存在していないにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が異常となる場合もあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後も検査(生検など)が引き続き実施されていくのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。

検査そのものによる副作用が生じる可能性もあります。

まれではありますが、食道鏡検査や生検によって重篤な副作用が生じることがあります。具体的には以下のものがあります:


  • 食道の穿孔(孔が開くこと)。

  • 呼吸障害。

  • 心臓発作。

  • 食べ物、水、 嘔吐物などの気道内への迷入。

  • 病院での治療を必要とするほどの重度の出血。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、食道がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board. PDQ Esophageal Cancer Screening. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/esophageal/patient/esophageal-screening-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389194]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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