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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

中枢神経系原発リンパ腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-09-21
    翻訳更新日 : 2017-02-17

 このPDQがん情報要約では、中枢神経系原発リンパ腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

中枢神経系原発リンパ腫についての一般的な情報

中枢神経系原発リンパ腫は、脳や脊髄のリンパ組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

リンパ腫は、リンパ系悪性がん細胞が発生する疾患です。リンパ系は免疫系の一部で、リンパ液リンパ管リンパ節脾臓胸腺扁桃骨髄から構成されています。リンパ球は(リンパ液の中を浮遊しながら)中枢神経系を出入りしています。このリンパ球の集団の一部の細胞が悪性細胞となり、それが中枢神経系の内部でリンパ腫を引き起こすものと考えられています。中枢神経系原発リンパ腫は、脳、脊髄髄膜(脳の外側を覆っている膜)のいずれかより発生します。また、その位置が脳に非常に近いことから、眼球からも中枢神経系原発リンパ腫が発生することがあります(これは眼内リンパ腫と呼ばれます)。

リンパ系:リンパ管と、リンパ節、扁桃、胸腺、脾臓、骨髄を含むリンパ器官を示す。上の拡大図には、リンパ節とそれにつながるリンパ管の内部構造が示されており、さらにリンパ節内外へのリンパ液(透明な液体)の流れが矢印で示されている。もう一方の拡大図には、骨髄と血液細胞が示されている。



リンパ系の解剖図:リンパ管とリンパ節、扁桃、胸腺、脾臓、骨髄を含むリンパ器官を示しています。リンパ液(透明な液体)とリンパ球はリンパ管を介してリンパ節まで移動し、リンパ球はそこで有害な物質を破壊します。リンパ液は心臓の近くの大きな静脈から血流に流れ込みます。



免疫系の機能が弱まった状態では、中枢神経系原発リンパ腫の発生リスクが高くなる場合があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

後天性免疫不全症候群(AIDS)を始めとする免疫系疾患の患者さんや腎臓 移植を受けた患者さんでは、中枢神経系原発リンパ腫が発生することがあります。AIDSの患者さんにおけるリンパ腫に関する詳しい情報については、PDQAIDS関連リンパ腫の治療に関する要約をご覧ください。

中枢神経系原発リンパ腫の発見と診断には、眼と脳と脊髄を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 神経学的検査 :脳と脊髄および神経の機能を調べる目的で行われる一連の問診と検査のこと。この検査のチェック項目には、精神状態、協調運動、歩行能力、それに筋肉や感覚、反射がどの程度機能しているかなどが含まれます。この検査は神経検査や神経学的診察と呼ばれることもあります。

  • 細隙灯検査 :細いスリット状の明るいライトが付いた特殊な顕微鏡を用いて眼球の外部および内部を調べる検査法。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、脳や脊髄の内部の精細な連続画像を作成する検査法。まずガドリニウムと呼ばれる物質を患者さんの静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性腫瘍細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成します。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 腰椎穿刺 脊柱内から脳脊髄液(CSF)を採取する際に用いられる手技。脊椎内の2本の骨の間から脊柱内に針を刺し、脊髄周囲を流れるCSFに到達させ、CSFを採取します。CSFのサンプルを顕微鏡で観察し、腫瘍細胞の徴候がないか確認します。そのサンプルに含まれる蛋白と糖の量を調べることもあります。蛋白が正常より多い、あるいは糖が正常より少ない場合は、腫瘍の徴候である可能性があります。この手技はLPまたは脊椎穿刺とも呼ばれます。

    腰椎穿刺:台の上で背中を曲げた姿勢で横たわっている患者さんと、腰の部分に脊椎穿刺針(長くて細い針)が挿入されている様子を示す。右側の拡大図には、脊柱下部の脳脊髄液(CSF)の中に脊椎穿刺針が挿入されている様子が示されている。
    
    


    腰椎穿刺。まず患者さんに背中を曲げた姿勢で台の上に横たわってもらいます。腰の小さな領域に麻酔を施してから、腰椎穿刺針(長くて細い針)を脊柱の下部に挿入して、脳脊髄液(CSF、青色で示されている)を採取します。採取された液体は、検査のために検査室に送られることもあります。




  • 定位生検 :コンピュータと三次元(3D)スキャン装置を駆使して腫瘍の位置を割り出し、そのガイド下で問題の組織を採取する生検方法で、切除された組織は顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。

     採取された組織のサンプルに対して、以下のような検査が実施されます:


    • フローサイトメトリー :試料中の細胞の数、試料中の生きている細胞の割合、細胞の特徴(大きさ、形状、表面の腫瘍マーカーの有無など)を計測する臨床検査。まず蛍光色素で細胞を染色し、それを液体に混ぜて細い管に流し、レーザー光などの光を照射します。計測は、蛍光色素の光に対する反応の強さに基づいて行われます。

    • 免疫組織化学検査 抗体を利用して、組織のサンプルに含まれる特定の抗原を調べる臨床検査。この抗体には通常、放射性物質または色素が結合されており、その作用によって顕微鏡で観察したときに組織が明るく見えます。この種の検査法は、様々な種類のがんを判別するのに用いられることがあります。

    • 細胞遺伝学的分析:顕微鏡で組織サンプルの細胞を調べ、染色体に特定の変化があるかどうかを確認する臨床検査。染色体に特定の変化がないかを調べるために、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などの別の検査が実施されることもあります。


  • 全血球算定(CBC)と分画 血液を採取して以下の項目について調べる検査法:


    全血球算定(CBC):左側の図には、注射器と注射針によって肘の静脈から血液が採取されている様子が示されており;右の図には、試験管中の血液が血漿、白血球、血小板、赤血球のそれぞれの層に分離された様子が示されている。
    
    


    全血球算定(CBC)。静脈内に針を挿入して注射器の中に血液を吸い込むことによって、血液を採取します。採取された血液は検査室に送られ、そこで赤血球と白血球と血小板の数が調べられます。CBCは、様々な病態の診断やモニタリングのための検査法として用いられています。




  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


  • 患者さんの年齢と健康状態。

  • 血液中および脳脊髄液(CSF)中での特定の物質の濃度。

  • 中枢神経系内での腫瘍の位置。

  • 患者さんがAIDSであるかどうか。

治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期

  • 中枢神経系内での腫瘍の位置。

  • 患者さんの年齢と健康状態。

  • 新たに診断されたがんか、再発した(再び現れた)がんか。

中枢神経系原発リンパ腫の治療では、腫瘍が大脳(脳の最も大きな部分)の外部に拡がっていない、患者さんが60歳未満である、日常行動の大半に支障をきたしていない、AIDSなどの免疫系の機能を弱める疾患にかかっていない、これらの条件が全て揃っている場合に最も大きな効果がみられます。

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中枢神経系原発リンパ腫の病期分類

中枢神経系原発リンパ腫の診断がついた後には、がん細胞の脳と脊髄の内部での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

中枢神経系原発リンパ腫が増殖を続けても、通常は中枢神経系や眼球以外の場所に拡がることはありません。がんの拡がりの程度を調べていくプロセスは病期分類と呼ばれます。治療計画を立てるためには、他の部位への転移の有無を把握しておくことが重要です。病期分類の過程では、以下のような検査法や手技が用いられます:


  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。中枢神経系原発リンパ腫の検査で実施されるCTスキャンでは、胸部、腹部骨盤(左右の股関節部の間にある部分)が対象となります。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍 細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成します。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。 PETスキャンとCTスキャンは同時に行われることがあります。この実施法はPET-CTと呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 骨髄穿刺と骨髄生検 :腰骨または胸骨に中空の針を挿入して骨髄血液、骨の小片などを採取する手技。採取された骨髄、血液、骨が病理医によって顕微鏡で観察され、がんの 徴候がないか調べられます。

    骨髄穿刺と骨髄生検:図は、台の上にうつ伏せになった患者さんの腰骨に骨髄穿刺針が挿入されている様子を示す。拡大図は、皮膚の上から腰骨の骨髄に挿入した骨髄穿刺針を示している。
    
    


    骨髄穿刺と骨髄生検。皮膚の小さな領域に麻酔を施してから、患者さんの腰骨に骨髄穿刺針を挿入します。そして顕微鏡での検査用に血液、骨、骨髄などのサンプルを採取します。




体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、中枢神経系原発リンパ腫が肝臓に転移した場合、肝臓にできたがん細胞は、実際はリンパ腫の細胞です。この疾患は転移性中枢神経系リンパ腫であり、肝がんではありません。

中枢神経系原発リンパ腫には、標準的な病期分類システムがありません。
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再発中枢神経系原発リンパ腫

再発 中枢神経系原発リンパ腫とは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。中枢神経系原発リンパ腫の再発は脳か眼球内に起こるのが一般的です。

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治療選択肢の概要

中枢神経系原発リンパ腫の患者さんには様々な治療法が存在します。

中枢神経系原発リンパ腫の患者さんは、様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

中枢神経系原発リンパ腫の治療では、手術は用いられません。

標準治療として以下の3種類が用いられています:
放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。

脳に対して高線量の放射線療法を実施すると、正常組織が損傷を受けることによって、思考や学習、問題解決、会話、読解、書字、記憶などに悪影響を及ぼす障害が引き起こされることがあります。そこで化学療法の単独での治療法や、放射線療法の前に化学療法を実施して正常脳組織への損傷を減らす治療法が、現在臨床試験で検証されています。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内(髄腔内化学療法)や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。中枢神経系原発リンパ腫では、髄腔内化学療法と、脳室液体で満たされた空洞)に抗がん剤を注入する脳室内注入化学療法のいずれか、または両者を併用した治療法が考えられます。

髄腔内化学療法:脳および脊髄内部の脳脊髄液(CSF)とオンマイヤーレザバー(手術によって頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内へと薬剤を流し込むことができる)を示す。図の上の方には、注射器と針を用いてオンマイヤーレザバーに抗がん剤を注入している様子が示されている。図の下の方には、注射器と針を用いて脊柱の下部から脳脊髄液中に直接抗がん剤を注入している様子が示されている。



髄腔内化学療法。脳脊髄液(CSF、青色で示されている)で満たされた空洞である脊髄腔の中に抗がん剤が注入されます。2種類の方法があります。1つめはこの図の上の方に示されているもので、オンマイヤーレザバー(手術によって頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内へと薬剤を投与することができる)に薬剤を注入するという方法です。もう1つは図の下の方に示されているもので、腰の小さな領域に麻酔を施してから、脊柱の下部より直接CSF内に薬剤を注入するという方法です。



脳は、血液脳関門と呼ばれる血管と組織から構成されるネットワークによって、有害な物質から保護されています。しかし、この血液脳関門は脳への抗がん剤の到達を阻む場合もあります。そのため中枢神経系原発リンパ腫の治療では、血液脳関門を構成する細胞同士の隙間を広げるためにある薬が使用されることがあります。この方法は血液脳関門の破壊と呼ばれます。これにより血流内に注入された抗がん剤は脳内に到達できるようになります。

ステロイド療法

ステロイドとは、正常時から体内で生産されているホルモンの一種です。この物質は製造ラボで合成することもでき、薬として使用されることがあります。グルココルチコイドリンパ腫に対して抗がん作用を示すステロイド薬です。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

幹細胞移植を伴う大量化学療法

幹細胞移植を伴う大量化学療法とは、高用量の化学療法を実現する手段で、このようながん治療によって破壊された造細胞を外部から補充します。まず患者さん自身またはドナーから採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

標的療法

標的療法はがん細胞を攻撃する薬物などの物質を使用する治療法の一種です。標的療法は一般に、化学療法や放射線療法に比べ、正常な細胞に及ぼす有害性が小さい療法です。モノクローナル抗体療法は標的療法の一種で、CNS原発リンパ腫の治療法として研究されています。

モノクローナル抗体療法は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作り出した抗体を使用するがん治療法です。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、がん細胞の増殖を促進する物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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中枢神経系原発リンパ腫の治療選択肢

AIDSとは無関係の中枢神経系原発リンパ腫

AIDSではない患者さんの中枢神経系原発リンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:


AIDSが関連した中枢神経系原発リンパ腫

AIDSの患者さんの中枢神経系原発リンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:


AIDSの患者さんの中枢神経系原発リンパ腫では、治療の副作用が重大になる可能性があるため、その治療法は多岐にわたっています。(詳しい情報については、PDQAIDS関連リンパ腫の治療に関する要約をご覧ください)。

再発中枢神経系原発リンパ腫

再発 中枢神経系原発リンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、中枢神経系原発非ホジキンリンパ腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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中枢神経系原発リンパ腫についてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している中枢神経系原発リンパ腫に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:


米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:


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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、中枢神経系原発リンパ腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Primary CNS Lymphoma Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/lymphoma/patient/primary-cns-lymphoma-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389274]

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