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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

大腸がんのスクリーニング(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-07-23
    翻訳更新日 : 2017-02-17

 このPDQがん情報要約では、大腸がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。実際にがんの早発見に役立つ場合もあります。異常 組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合があります。症状が現れる頃には、がんが増殖し拡がり始めていることもあります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、ということをより深く理解しようと科学者たちは挑み続けています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんの存在を疑ってそうしているわけではないということを覚えておくことが重要です。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。スクリーニング検査を定期的に繰り返し行う場合もあります。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

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大腸がんについての一般的な情報

大腸がんは、結腸または直腸の組織に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

結腸直腸消化器系の一部を構成する臓器です。消化器系は、食物中の栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂質、蛋白質、水分)の消化吸収と、老廃物の体外への排出という役割を担っています。消化器系は口腔、咽頭食道小腸、および大腸から構成されています。結腸(太い)は大腸の最初の部分で、長さは約5フィート(およそ152cm)です。加えて、大腸の終端部に直腸肛門管があり、これらの長さは約6~8インチ(15~20cm)です。そしてこの肛門管の終端部が肛門(大腸の体外への開口部)です。

消化器系の解剖図;食道、肝臓、胃、結腸、小腸、直腸、および肛門を示す。



下部消化器系の解剖図:結腸と他の臓器を示しています。



結腸から発生するがん結腸がんと呼ばれ、直腸から発生するがんは直腸がんと呼ばれます。これらの臓器から発生するがんは、いずれも大腸がんとも呼ばれます。

大腸がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


米国では、大腸がんはがんによる死亡原因の第2位を占めています。

大腸がんの新規症例の数と大腸がんによる死亡者の数は毎年少しずつ減少してきています。しかし、50歳未満の成人では大腸がんの新規症例の数は、1998年以降、毎年やや増加しています。大腸がんは、女性よりも男性で多く発見されます。

結腸がんの発生リスクに影響を及ぼす要因に年齢と病歴があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。大腸がんのリスク因子には以下のものがあります:


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大腸がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査のなかには、がんの早期発見に有効で、なおかつそのがんによる死亡の可能性を低減できるということが明らかとなっているために、実施されているものもあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査法もありますが、こうした検査法にがんによる死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては、臨床試験での証明が得られていません。

最もリスクが少なく最も有益な方法を発見すべく、科学者によりスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんによる死亡リスクが低減できるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部の種類のがんでは、早のうちに発見し治療することで、回復の見込みが高まる場合があります。

がんのスクリーニング方法を研究するための臨床試験が米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

大腸がんのスクリーニングを実施することでこの疾患による死亡者の数を軽減できるということが、複数の研究から明らかにされています。
大腸がんのスクリーニングには以下の4つの検査法が用いられています:
便潜血検査

便潜血検査(FOBT)は、便の中に顕微鏡でしか見えないほどの微量な血液が含まれていないかを調べる検査です。患者さんに少量の便を専用のカードの上に置いてもらい、それを医師か検査室に提出してもらって、検査を行います。便中への血液の混入はポリープやがんの徴候である可能性があります。

免疫化学的便潜血検査(iFOBT)と呼ばれる新たな大腸がんのスクリーニング検査が、進行したポリープやがんの発見においてFOBTよりも有用かどうか研究されています。

S状結腸鏡検査

S状結腸鏡検査は、ポリープや異常組織、がんを発見するために、直腸S状(下部)結腸の内部を調べる検査法です。この検査ではS状結腸鏡が直腸からS状結腸内部へと挿入されます。S状結腸鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。ポリープや組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

S状結腸鏡検査:S状結腸鏡が肛門と直腸からS状結腸に挿入される様子を示す。右上の図には、台の上の患者さんがS状結腸鏡検査を受けている様子が示されている。



S状結腸鏡検査。ライトの付いた細い管を肛門と直腸から結腸下部まで挿入して、異常な部分がないかを調べます。



バリウム注腸検査

バリウム注腸検査は、下部消化管X線で撮影する検査法です。まずバリウム(銀白色の金属 化合物)を溶かした液体を直腸内に注入します。その後バリウムが下部消化管の表面を覆ったところで、X線撮影を行います。この検査法は下部消化管造影とも呼ばれます。

バリウム注腸法:バリウム溶液が直腸内に注入され、結腸内を流れていく様子を示す。左上の図には、台の上の患者さんがバリウム注腸検査を受けている様子が示されている。



バリウム注腸法。患者さんにはX線撮影台の上に横になってもらいます。バリウム溶液が直腸内に注入され、これが結腸の内部を流れていきます。それからX線撮影を行って、異常な部分がないかを調べます。



結腸鏡検査

結腸鏡検査は、ポリープや異常組織、がんなどを発見するために直腸と結腸の内部を調べる検査法です。この検査では結腸鏡が直腸から結腸内部へと挿入されます。結腸鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。ポリープや組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

結腸鏡検査:結腸鏡が肛門と直腸から結腸に挿入される様子を示す。右上の図には、台の上の患者さんが結腸鏡検査を受けている様子が示されている。



結腸鏡検査。ライトの付いた細い管を肛門と直腸から結腸の内部まで挿入して、異常な部分がないかを調べます。



直腸指診による大腸がんのスクリーニングでは、この疾患による死亡者の数を軽減できるということは証明されていません。

直腸指診(DRE)は通常の身体診察の一部として行われる事があります。直腸指診は直腸の診察法の1つです。医師または看護師が、手袋をはめて潤滑剤を塗った指を直腸内に挿入し、しこりなどの異常がないかを調べます。大腸がんのスクリーニング法として、直腸指診は効果がないことを裏付ける証拠が研究結果で示されています。

この他にも新しいスクリーニング検査が臨床試験で研究されています。
バーチャル結腸鏡検査

バーチャル結腸鏡検査は、コンピュータ断層撮影と呼ばれる特殊なX線撮影法を用いて結腸の連続画像を作成する検査法です。コンピュータによってこれらの画像が統合され、結腸内部の表面にできたポリープや異常な領域も描出可能な精細な画像が作成されます。この検査はコロノグラフィやCTコロノグラフィとも呼ばれます。このバーチャル結腸鏡検査と一般的な大腸がんのスクリーニング検査とを比較する臨床試験が現在実施されています。また、緩下薬を使用して結腸内を空にする代わりに、便をコーティングする造影剤を飲んでもらうことでポリープを鮮明に映し出そうとする検査法もあり、その効果を検証する臨床試験も実施されています。

DNA検便

この検査では、便の中に含まれる細胞DNAを調べることによって、大腸がんの徴候となる遺伝子変化を検出します。

スクリーニングの臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

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大腸がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要です。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

実際には大腸がんが存在しているのにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が正常と出る場合もあります。偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた人では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る可能性もあります。

実際にはがんが存在していないにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が異常となる場合もあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後も検査(生検など)が引き続き実施されていくのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。

以下の大腸がんのスクリーニング検査にはリスクが伴います:
便潜血検査

実際にはがんが存在していないにもかかわらず、便潜血検査の結果が異常となる場合もあります。偽陽性の検査結果は不安感をもたらし、結腸鏡検査バリウム注腸S状結腸鏡検査など、さらなる検査につながることがあります。

S状結腸鏡検査

S状結腸鏡検査の実施時には不快感や痛みが生じることがあります。女性は検査中に痛みをより強く感じることがあり、その後のスクリーニングを避けることにつながる可能性があります。結腸の粘膜の裂傷や出血が生じることもあります。

結腸鏡検査

結腸鏡検査に伴う重篤な合併症はまれですが、結腸の粘膜の裂傷や出血、心臓や血管の問題などが生じる可能性があります。これらの合併症は、高齢の患者さんほど多く発生する可能性があります。

バーチャル結腸鏡検査

バーチャル結腸鏡検査では、腎臓、胸部、肝臓卵巣脾臓膵臓など、結腸以外の臓器に問題が見つかることがよくあります。これらの結果を受けて、さらなる検査が行われることもあります。このフォローアップ検査の危険性と有益性についての研究が現在進められています。

ご自身に関する大腸がんのリスクやスクリーニング検査の必要性については、担当の医師にご相談ください。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、大腸がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board. PDQ Colorectal Cancer Screening. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/colorectal/patient/colorectal-screening-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389230]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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