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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

乳がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-06-30
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、乳がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

乳がん

乳がんについての一般的な情報

乳がんは、乳房の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

乳房乳管から構成されています。左右の乳房には葉と呼ばれる区分が15~20個ずつ存在します。それぞれの葉は小葉と呼ばれる多数の小さな区分に分かれています。小葉の先には小さな腺房という構造が多数存在しており、そこで乳汁が作られています。これらの葉、小葉、腺房は乳管と呼ばれる細い管でつながっています。

女性の乳房の解剖図:リンパ節、乳頭、乳輪、胸壁、肋骨、筋肉、脂肪組織、葉、乳管、小葉を示す。



女性の乳房の解剖図。乳頭と乳輪は乳房の外表面に示されています。リンパ節、葉、小葉、乳管などの乳房内の各組織も示されています。



乳房の中にはさらに血管リンパ管が通っています。リンパ管にはリンパ液と呼ばれるほぼ無色の液体が流れています。リンパ管はリンパ節の間でリンパ液を運びます。リンパ節は小さな豆のような形をした臓器で、全身に分布しています。リンパ液のろ過、感染や病気に対する防衛などの役割を果たしています。腋窩(わきの下)の乳房付近や鎖骨の上、胸部などには、このリンパ節が群れを成すように存在しています。

乳がんのなかで最も多くみられるのは、乳管がんと呼ばれる、乳管の細胞から発生してくる種類のものです。葉や小葉で発生するがん小葉がんと呼ばれ、他の種類の乳がんと比べて、両方の乳房に同時に見つかることが多い疾患です。また、炎症性乳がんというまれな種類の乳がんもあり、乳房が赤く腫れあがって熱感を生じるのが特徴です。

乳がんに関する詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:


乳がんの家族歴などの因子が乳がんのリスクを高めます。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。乳がんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

乳がんのリスク因子には以下のものがあります:


高齢であることは、ほとんどのがんで主要なリスク因子です:歳をとればとるほど、がんになる確率は高まります。

NCIBreast Cancer Risk Assessment Tool(乳がんのリスク評価ツール)は女性のリスク因子を使用して、次の5年間と最長で90歳までの乳がんに関するリスクの推定を行います。このオンラインツールは医療提供者による使用を想定しています。乳がんのリスクに関する詳しい情報については、+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)までお問い合わせください。

乳がんには、遺伝によって受け継がれた遺伝子の突然変異が原因で起こるものもあります。

細胞内に存在する遺伝子には、両親から受け継がれた遺伝情報が保持されています。乳がん全体の約5~10%は遺伝性の乳がんが占めています。乳がんと関係のある突然変異遺伝子には、特定の民族集団で一般の集団よりも頻繁に認められるものもあります。

BRCA1またはBRCA2突然変異などの特定の遺伝子変異を有する女性では、乳がんのリスクが高くなります。さらに、これらの女性では卵巣がんの発生リスクも高くなり、加えて他のがんのリスクも高くなる場合があります。男性でも乳がんに関係する突然変異遺伝子をもつ人では、乳がんのリスクが高くなります。詳しい情報については、PDQの男性乳がんの治療に関する要約をご覧ください。

突然変異遺伝子は、数種の検査で検出(発見)することができます。このような遺伝子検査は、がんの発生リスクが高い家系の人に対して時折実施されています。詳しい情報については、PDQの乳がんおよび婦人科がんの遺伝学に関する要約をご覧ください。

特定の薬剤使用などの因子は乳がんのリスクを低下させます。

疾患が発生する可能性を低減させるものは全て防御因子と呼ばれます。

乳がんの防御因子には以下のものがあります:


乳がんの徴候には、乳房におけるしこりや異常などがあります。

こうした徴候には、乳がんによるものもあれば、他の病態によるものもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 乳房やその近く、あるいは腋の下に、しこりや皮膚が厚くなったところがある。

  • 乳房の大きさや乳房の形が以前と違う。

  • 乳房の皮膚にくぼみやしわが寄ったところがある。

  • 乳頭が乳房の中へ陥没している。

  • 乳頭から母乳以外の分泌物が出ることがある(特に血が混ざっている場合)。

  • 乳房、乳頭、または乳輪(乳頭を取り囲む浅黒い皮膚の部分)の皮膚が、うろこ状、赤みを帯びている、あるいは腫れている。

  • オレンジの皮のようなくぼみ(橙皮状皮膚と呼ばれる)が乳房にみられる。

乳がんの発見と診断には、乳房を調べる検査法が用いられます。

乳房に何らかの変化がみられる場合は、担当の医師にご相談ください。以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 臨床的乳房検査(CBE):医師やその他の医療専門家が行う乳房の診察。医師が乳房とわきの下の触診を入念に行って、しこりなどの異常がないかを調べます。

  • 乳腺X線撮影(マンモグラフィ):乳房のX線検査。

    乳腺X線撮影:左の乳房を2枚のプレートで挟んで圧迫している。X線装置により、乳房の画像が撮影される。拡大図は、X線フィルムを使用した画像であり、矢印で異常な組織が示されている。
    
    


    乳腺X線撮影。乳房を2枚のプレートで挟んで圧迫しています。X線を用いて、乳房組織の画像が撮影されます。




  • 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、両側の乳房の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。

  • 生検 :細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。乳房内にしこりが発見された場合は、生検が行われることがあります。

     乳がんの検査で用いられる生検には、以下の4種類があります:


    • 摘出生検 :しこりの組織全体を摘出する。

    • 切開生検 :しこりの組織の一部を採取する。

    • コア生検 :太い針を用いて組織を採取する。

    • 穿刺吸引生検(FNA生検) : 細い針を用いて組織または体液を採取する。


ここでがんが発見された場合は、検査を行ってがん細胞が調べられます。

最善の治療法は、これらの検査結果に基づいて決定されます。これらの検査から以下の情報が得られます:


  • がんが増殖する場合の速さ。

  • がんが体全体に拡がる可能性。

  • 特定の治療法の有効性。

  • がんが再発する(再び現れる)可能性。

検査には以下のものがあります:


  • エストロゲン受容体検査とプロゲステロン受容体検査 :がん組織の中に含まれるエストロゲン受容体プロゲステロン受容体というホルモン受容体の量を測定する検査法。エストロゲン(薬剤詳細へ)受容体とプロゲステロン受容体が通常より多いと、がんはエストロゲン受容体陽性またはプロゲステロン受容体陽性と呼ばれ、その両方に当てはまる場合もあります。この種の乳がんはより急速に増殖することがあります。これらの検査結果から、エストロゲン(薬剤詳細へ)とプロゲステロンを遮断する治療法でがんの増殖を阻止できるかどうかが分かります。

  • ヒト上皮成長因子受容体2(HER2/neu)検査:組織サンプル中のHER2/neu遺伝子の数とHER2/neu蛋白の量を測定する臨床検査。通常よりHER2/neu遺伝子が多い、またはHER2/neu蛋白の量が多いと、がんはHER2/neu陽性と呼ばれます。この種の乳がんは増殖が速く、体の他の部位に転移する可能性が高いがんです。そうしたがんは、HER2/neu蛋白を標的としたトラスツズマブペルツズマブなどの薬剤で治療する場合があります。

  • 多重遺伝子検査:組織サンプルを調べて、多くの遺伝子の活性を同時に測定する検査。これらの検査は、がんが体の他の部位に転移するかどうか、あるいは再発する(再び現れる)かどうかを予測するのに役立つ場合があります。
    • Oncotype DX :この検査は、エストロゲン(薬剤詳細へ)受容体陽性でリンパ節転移陰性I期またはII期の乳がんが、体の他の部位に転移するかどうかを予測するために実施されます。がんが転移するリスクが高い場合は、リスクを抑えるために化学療法を実施することが考えられます。

    • MammaPrint :この検査は、リンパ節転移陰性のI期またはII期の乳がんが、体の他の部位に転移するかどうかを予測するために実施されます。がんが転移するリスクが高い場合は、リスクを抑えるために化学療法を実施することがあります。


これらの検査に基づいて、乳がんは次のように表されます:


この情報は、医師が患者さんのがんに最適な治療法を決定するときの参考になります。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期(腫瘍の大きさ、がんに侵されているのは乳房だけか、あるいはリンパ節や体の他の部位にも転移しているのか)。

  • 乳がんの種類。

  • 腫瘍組織中に存在するエストロゲン(薬剤詳細へ)受容体とプロゲステロン受容体の量。

  • 腫瘍組織中に存在するヒト上皮成長因子受容体2(HER2/neu)の量。

  • 腫瘍組織がトリプルネガティブ乳がん(がん細胞にエストロゲン(薬剤詳細へ)受容体、プロゲステロン受容体、大量のHER2/neu蛋白がいずれも認められない)かどうか。

  • 腫瘍が増殖する速度。

  • 腫瘍が再発する(再び現れる)可能性。

  • 患者さんの年齢、健康状態、閉経状況(その時点でまだ月経周期がみられるかどうか)。

  • 新たに診断されたばかりのがんか、再発した(再び現れた)がんか。

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乳がんの病期

乳がんの診断がついた後には、がん細胞の乳房内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん乳房内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。乳がんの診断に用いられた検査結果の一部は、病期分類にも用いられます。(一般的な情報のセクションをご覧ください。)

病期分類の過程では、以下の検査や手技が行われる場合もあります:


  • センチネルリンパ節生検 手術中に実施されるセンチネルリンパ節の摘出。センチネルリンパ節とは、腫瘍からのリンパ液の流れを最初に受けるリンパ節のことです。これは、腫瘍中のがん細胞が最初に転移する可能性の高いリンパ節です。まず、放射性物質や青色の色素が腫瘍の付近に注入されます。すると、この放射性物質や色素はリンパを通ってリンパ節に流れ込みます。そうして、放射性物質や色素が最初に到達したリンパ節が切除されます。切除された組織病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。そこでがん細胞が発見されなければ、それ以上のリンパ節の切除が不要になる場合もあります。

  • 胸部X線検査 :胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。

  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • 骨スキャン :骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まず、ごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血液に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質には骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍細胞を検出するための検査法。まず、放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、乳がんが骨に転移した場合、骨にできたがん細胞は、実際は乳がんの細胞です。このような疾患は、転移性乳がんであって、骨がんではありません。

乳がんでは以下のような病期が用いられます:

このセクションでは、乳がんの病期について説明します。乳がんの病期は、手術や他の検査中に採取された腫瘍やリンパ節に対する検査の結果を基に判定されます。

0期(非浸潤性がん)

非浸潤性乳がんには以下の3種類があります:


  • 非浸潤性乳管がん(DCIS): の内側を覆う組織の中に異常な 細胞が発生する非浸潤性病態。この異常細胞が乳管の壁を越えて乳房内の周辺組織に拡がることはありません。場合によっては、非浸潤性乳管がんが浸潤性のがんに変化して他の組織に拡がっていくことがあります。しかし、現在、どの病変が浸潤性のがんになるのかを予測する方法は知られていません。

    非浸潤性乳管がん(DCIS):乳房の断面図は、葉、乳管、脂肪組織を示している。拡大図は、正常な乳管と異常な細胞を含む乳管を示している。
    
    


    非浸潤性乳管がん(DCIS)。乳管の内壁を覆っている組織に異常な細胞が認められます。




  • 非浸潤性小葉がん(LCIS)は、乳房の小葉に異常な細胞が発生する病態です。この病態が浸潤がんになることはめったにありません。LCISに関する情報は、本要約でとりあげていません。

    非浸潤性小葉がん(LCIS):乳房の断面図は、葉、乳管、小葉、脂肪組織を示している。3つの拡大図は、それぞれ正常な葉、正常な小葉、異常細胞を含む小葉を示している。
    
    


    非浸潤性小葉がん(LCIS)。乳房の小葉に異常な細胞が認められます。




  • 乳頭のパジェット病は、乳頭にのみ異常な細胞が認められる病態です。

I期


I期乳がん。左図はIA期を示している;腫瘍は2cm以下で、乳房の外には拡がっていない。中央と右の図はIB期を示している。中央の図では、乳房内に腫瘍は認められないが、がん細胞の小さな塊がリンパ節に存在している。右図では、2cm以下の腫瘍が存在し、リンパ節にがん細胞の小さな塊が認められる。



I期乳がん。IA期では、腫瘍は2cm以下で、乳房の外には拡がっていません。IB期では、乳房内に腫瘍は認められないか、2cm以下の腫瘍が存在しています。がん細胞の小さな塊(0.2mmより大きく2mm以下)がリンパ節に認められます。



I期では、すでにがんが形成されています。I期は、IA期とIB期に分けられます。


  • IA期では、腫瘍の大きさは2cm以下である。がんは乳房の外には拡がっていない。

  • IB期では、リンパ節乳がん 細胞の小さな塊(0.2mmより大きく2mm以下)が認められ、さらに次のいずれかに該当する:
    • 乳房内に腫瘍が認められない;または

    • 腫瘍の大きさが2cm以下。


II期

II期は、IIA期とIIB期に分けられます。


  • IIA期では、以下の条件が満たされます:


    IIA期乳がん。左図は、乳房内に腫瘍は認められないが、3個の腋窩リンパ節にがんが存在していることを示している。中央の図は、腫瘍の大きさが2cm以下で、3個の腋窩リンパ節にがんが存在していることを示している。右図は、腫瘍が2cmより大きく5cm以下であり、リンパ節には拡がっていないことを示している。
    
    


    IIA期乳がん。乳房内に腫瘍は認められないが、1~3個の腋窩リンパ節、または胸骨付近のリンパ節にがんが存在しています(左図);または2cm以下の腫瘍が認められ、1~3個の腋窩リンパ節、または胸骨付近のリンパ節にがんが存在しています(中央の図);または腫瘍が2cmより大きく5cm以下で、リンパ節には拡がっていません(右図)。




  • IIB期では、腫瘍について以下の条件が満たされます:
    • 2cmより大きく、5cm以下である。乳がん 細胞の小さな塊(0.2mmより大きく2mm以下)がリンパ節に認められる;または

    • 2cmより大きく、5cm以下である。がんが1~3個の腋窩リンパ節に拡がっている、または胸骨付近のリンパ節に拡がっている(センチネルリンパ節生検で発見される);または

    • 5cmを超えている。がんはリンパ節には拡がっていない。



    IIB期乳がん。左図では、腫瘍が2cmより大きく5cm以下であり、がん細胞の小さな塊がリンパ節に存在している。中央の図では、腫瘍が2cmより大きく5cm以下であり、がんが3個の腋窩リンパ節に存在している。右図は、腫瘍が5cmより大きいが、リンパ節には拡がっていないことを示している。
    
    


    IIB期乳がん。腫瘍は2cmより大きく5cm以下であり、がん細胞の小さな塊(大きさが0.2mmを超えるが2mm以下)がリンパ節に存在しています(左図);または腫瘍が2cmより大きく5cm以下であり、がんが1~3個の腋窩リンパ節、または胸骨付近のリンパ節に認められます(中央の図);または腫瘍が5cmより大きく、リンパ節には拡がっていません(右図)。




IIIA期


IIIA期乳がん。左図は、乳房内に腫瘍が認められないが、8個の腋窩リンパ節にがんが存在していることを示している。中央の図では、5cmを超える腫瘍が存在し、複数のリンパ節にがん細胞の小さな塊が認められる。右図では、腫瘍が5cmより大きく、3個の腋窩リンパ節にがんが存在している。



IIIA期乳がん。乳房内に腫瘍が認められないか、または腫瘍の大きさは様々であり、4~9個の腋窩リンパ節または胸骨付近のリンパ節にがんが存在しています(左図);または腫瘍が5cmより大きく、複数のリンパ節にがん細胞の小さな塊(0.2mmより大きく2mm以下)が認められます(中央の図);または腫瘍が5cmより大きく、1~3個の腋窩リンパ節または胸骨付近のリンパ節にがんが認められます(右図)。



IIIA期では、以下の条件が満たされます:


  • 乳房腫瘍が認められない、または腫瘍の大きさは様々である。がんが4~9個の腋窩リンパ節に認められるか、または胸骨付近のリンパ節に認められる(画像検査または身体診察で発見される);または

  • 腫瘍の大きさが5cmを超えている。乳がん 細胞の小さな塊(0.2mmより大きく2mm以下)がリンパ節に認められる;または

  • 腫瘍の大きさが5cmを超えている。がんが1~3個の腋窩リンパ節に認められるか、または胸骨付近のリンパ節に認められる(センチネルリンパ節生検で発見される)。

IIIB期


IIIB期乳がん。左図は、胸骨にがんが転移した乳房の断面図を示している。肋骨、筋肉、脂肪組織も示されている。右図は、乳房の皮膚に拡がった腫瘍を示している。拡大図は炎症性乳がんを示している。



IIIB期乳がん。腫瘍の大きさは様々で、がんが胸壁や乳房の皮膚に転移しており、腫脹または潰瘍を引き起こしています。がんは最大で9個の腋窩リンパ節または胸骨付近のリンパ節に転移していることがあります。乳房の皮膚へ転移したがんは炎症性乳がんになることがあります。



IIIB期では、腫瘍の大きさは様々で、胸壁乳房の皮膚に転移しており、腫脹または潰瘍を引き起こしています。さらに、がんが以下の部位に拡がっている場合があります:


乳房の皮膚に拡がったがんは、炎症性乳がんになることもあります。詳しい情報については、炎症性乳がんのセクションをご覧ください。

IIIC期


IIIC期乳がん。左図は、腋窩リンパ節に存在するがんを示している。中央の図は、鎖骨の上方のリンパ節に存在するがんを示している。右図は、腋窩と胸骨付近のリンパ節に存在するがんを示している。



IIIC期乳がん。乳房内に腫瘍が認められないか、または腫瘍の大きさが様々で、胸壁や乳房の皮膚に転移し、腫脹または潰瘍を引き起こしている場合があります。さらに、がんが10個以上の腋窩リンパ節に転移しています(左図);または鎖骨上方または下方のリンパ節に転移しています(中央の図);または腋窩リンパ節および胸骨付近のリンパ節に転移しています(右図)。乳房の皮膚へ転移したがんは炎症性乳がんになることがあります。



IIIC期では、腫瘍乳房内に認められないか、または腫瘍の大きさは問われません。がんは乳房の皮膚に転移して腫脹または潰瘍を引き起こしている場合がある、または胸壁に拡がっている、もしくはその両方です。さらに、がんは以下の部位に拡がっています:


乳房の皮膚に拡がったがんは、炎症性乳がんになることもあります。詳しい情報については、炎症性乳がんのセクションをご覧ください。

IV期


IV期乳がん:図は、乳がんが転移する可能性のある脳、肺、肝臓、骨などの部位を示している。拡大図は、がん細胞が血液やリンパ節を介して体の別の部位に移動し、転移がんを形成する様子を示している。



IV期乳がん。がんは、脳、肺、肝臓、骨など、体内の他の部位に転移しています。



IV期では、体の他の臓器(ほとんどは骨、肝臓、または脳)にがんが転移しています。

乳がんの治療法は、病期によってある程度決まります。

非浸潤性乳管がん(DCIS)の治療選択肢については、非浸潤性乳管がんをご覧ください。

I期、II期、IIIA期、および手術可能なIIIC期の乳がんの治療法については、早期、限局性、または手術可能な乳がんをご覧ください。

IIIB期、手術不能のIIIC期、炎症性乳がんの治療法については、局所進行または炎症性乳がんをご覧ください。

最初に発生した部位の付近に再発したがんの治療法については、局所領域再発乳がんをご覧ください。

IV期乳がんまたは体の他の部位で再発した乳がんの治療法については、転移性乳がんをご覧ください。

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炎症性乳がん

炎症性乳がんでは、がん乳房の皮膚まで拡がっていて、乳房が赤く腫れあがり、熱感を生じます。この赤みと熱感は、がん 細胞により皮膚中のリンパ管が塞がれることによって生じます。また、乳房の皮膚に、橙皮状皮膚(オレンジの皮のような皮膚)と呼ばれるくぼみが認められることもあります。乳房に触知できるしこりが1つも存在しない場合もあります。炎症性乳がんの場合の病期は、IIIB期IIIC期IV期のいずれかです。



発赤、橙皮状皮膚、陥没乳頭を伴う左胸の炎症性乳がん。



橙皮状皮膚および陥没乳頭を伴う左胸の炎症性乳がん。



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再発乳がん

再発乳がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、乳房内や乳房の皮膚内、胸壁内部、周辺のリンパ節などに生じることがあります。

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治療選択肢の概要

乳がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

乳がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の5種類が用いられています:
手術

乳がん患者さんのほとんどは、がんを摘出する手術を受けます。

センチネルリンパ節生検とは、手術中にセンチネルリンパ節を摘出することをいいます。センチネルリンパ節とは、腫瘍からのリンパ節ドレナージ(リンパ液の流れ)を最初に受けるリンパ節のことです。これは、がんが最初に転移する可能性の高いリンパ節です。まず、放射性物質や青色の色素を腫瘍の付近に注入します。すると、この放射性物質や色素はリンパを通ってリンパ節に流れ込みます。そうして、放射性物質や色素が最初に到達したリンパ節が切除されます。切除された組織病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。このセンチネルリンパ節生検が終われば、続いて外科医乳房温存手術または乳房切除術で腫瘍を摘出します。がん細胞がセンチネルリンパ節に見つからなければ、それ以上リンパ節を切除しなくてよい場合もあります。がん細胞が見つかった場合は、別の切開口からより多くのリンパ節を切除します。この手技はリンパ節郭清術と呼ばれます。

この他にも以下のような手術法があります:


  • 乳房温存手術はがんと若干の周囲の正常細胞を摘出しますが、乳房そのものは切除しません。がんが存在する場合は、併せて付近の胸壁を覆う組織も切除することがあります。この種の手術は、腫瘤摘出術、乳房部分切除術、乳管腺葉区域切除術、乳腺1/4切除術、または乳房温存術とも呼ばれます。

    乳房温存手術:左図は、腫瘍と周囲の正常組織の一部に対する切除を示す。右図は、わきの下にある数個のリンパ節の切除と、腫瘍および近接する胸壁を覆う組織の一部の切除を示している。脂肪組織も示されている。
    
    


    乳房温存手術。腫瘍とその周囲の多少の正常組織を切除しますが、乳房そのものは切除しません。同時にわきの下のリンパ節を部分的に切除する場合もあります。がんの位置が胸壁に近い場合は、胸壁を覆う組織の一部を併せて切除することもあります。




  • 乳房全摘出術:がんに侵された乳房の全体を摘出する手術法。この手術法は単純乳房切除術とも呼ばれます。がんの検査用に、わきの下のリンパ節を部分的に切除する場合もあります。検査用の切除は、乳房手術の実施中または実施後に行われます。この手術は別の切開口から行われることもあります。

    乳房全摘出術(単純乳房切除術):図は切除される乳房とリンパ節の範囲を示す。
    
    


    乳房全摘出術(単純乳房切除術)。切除対象となる乳房全体が点線で示されています。同時にわきの下のリンパ節を部分的に切除する場合もあります。




  • 非定型的根治的乳房切除術:がんに侵された乳房の全体とともに、わきの下の多数のリンパ節、胸筋の表面を覆う膜、さらに場合により胸壁の筋肉を併せて切除する手術法。

    非定型的根治的乳房切除術。左図は、乳房、わきの下のリンパ節の大半または全部、胸筋を覆う膜、胸壁の筋肉の一部(場合による)の切除範囲を示している。右図は乳房の断面図で、胸壁(肋骨と筋肉)、脂肪組織、腫瘍を示している。
    
    


    非定型的根治的乳房切除術。切除対象となる乳房全体とリンパ節が点線で示されています。さらに胸壁の筋肉を切除する場合もあります。




手術で腫瘍を切除する前に、化学療法を実施する場合もあります。化学療法を手術前に実施すると、腫瘍が小さくなり、手術で切除する必要がある組織の量を減らせます。手術前に実施する治療は、術前療法または術前補助療法と呼ばれます。

たとえ医師が手術の際に確認できるがんを全て切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、手術後に放射線療法、化学療法、あるいはホルモン療法を実施する場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後療法または補助療法と呼ばれます。

乳房切除術を受けることになった患者さんには、乳房再建術(乳房切除術の実施後に乳房の形を元に戻す手術)の実施が検討されます。乳房再建術は、乳房切除術と同時に実施することもできますし、後になってから実施することもできます。乳房の再建には、患者さん自身の(乳房以外の)組織を用いることもできますし、生理食塩水シリコンゲルの入ったインプラントを使用することも可能です。 

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。

乳がんの治療には、外照射療法が用いられます。ストロンチウム89放射性核種)を用いる内照射療法は、骨に転移した乳がんにより生じる骨痛を軽減するために行われます。まず、ストロンチウム89を静脈内に注入し、骨の表面に到達させます。放射線が放出され、骨内のがん細胞を殺傷します。

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの病期によってある程度決まります。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。乳がんの治療には全身化学療法が用いられます。

詳しい情報については、乳がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

ホルモン療法

ホルモン療法は、ホルモンを体内から除去したりその働きを阻害したりすることによって、がん細胞の増殖を阻止する治療法です。ホルモンとは、体内の内分泌で作られて血流内を循環する物質のことです。ホルモンのなかには一部のがんを増殖させるものがあります。がん細胞内にホルモンが結合する分子(受容体)が存在するということが検査によって判明した場合は、薬物投与や手術、放射線療法などの手段を用いて、そのホルモンの分泌を抑制したり作用を阻害したりする治療を行います。エストロゲンというホルモンには、一部の乳がんを増殖させる作用がありますが、このホルモンは主に卵巣で作られています。卵巣からのエストロゲン(薬剤詳細へ)の分泌を阻止する治療法は卵巣機能抑制と呼ばれます。

手術で切除可能な早期の限局性乳がんの患者さんと転移性乳がん(体内の他の部位に転移した乳がん)の患者さんには、タモキシフェンを用いたホルモン療法がしばしば実施されます。しかし、タモキシフェン(薬剤詳細へ)やエストロゲン(薬剤詳細へ)を用いるホルモン療法には、全身の細胞に影響を及ぼす可能性があり、また、子宮内膜がん(子宮体がん)の発生リスクを増大させる可能性もあります。そのためタモキシフェン(薬剤詳細へ)を服用している女性は、がんの徴候を見逃さないように内診(骨盤領域を調べる検査)を毎年受けるべきとされています。さらに、出血(月経による出血は除く)がみられる場合は、できるだけ早く医師に報告するべきです。

黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストを用いるホルモン療法は、ホルモン受容体陽性乳がんと診断されて間もない一部の閉経前女性に対して実施されます。LHRHアゴニストは、体内のエストロゲン(薬剤詳細へ)プロゲステロンの量を減らします。

アロマターゼ阻害薬を用いるホルモン療法は、ホルモン受容体陽性乳がんの閉経後女性の一部に対して行われます。アロマターゼ阻害薬は体内において、アンドロゲンをエストロゲン(薬剤詳細へ)に変換するアロマターゼと呼ばれる酵素の働きを阻害します。アナストロゾールレトロゾールエキセメスタンはいずれもアロマターゼ阻害薬です。

手術で切除可能な早期の限局性乳がんに対する治療では、術後補助療法としてタモキシフェン(薬剤詳細へ)の代わりに特定のアロマターゼ阻害薬を使用する場合や、タモキシフェン(薬剤詳細へ)の使用から2~3年後にアロマターゼ阻害薬を投与する場合があります。また、転移性乳がんに対する治療では、アロマターゼ阻害薬をタモキシフェン(薬剤詳細へ)によるホルモン療法と比較するための臨床試験が現在実施されています。

他のホルモン療法には酢酸メゲストロールを使用するものや、フルベストラントなどの抗エストロゲン(薬剤詳細へ)療法があります。

詳しい情報については、乳がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。乳がんの治療で使用される標的療法には、モノクローナル抗体チロシンキナーゼ阻害薬、サイクリン依存性キナーゼ阻害薬哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬PARP阻害薬などがあります。

モノクローナル抗体療法は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作り出した抗体を使用する治療法です。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、がん細胞の増殖を促進する物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。モノクローナル抗体は、術後補助療法として化学療法と組み合わせて用いられることもあります。

モノクローナル抗体療法には、以下のような種類があります:


  • トラスツズマブはモノクローナル抗体の一種で、成長因子であるHER2(乳がん細胞に増殖の指令を送る蛋白)の作用を阻害します。HER2陽性乳がんの治療で他の療法と併用されることがあります。

  • ペルツズマブはモノクローナル抗体であり、乳がんの治療でトラスツズマブ(薬剤詳細へ)および化学療法と併用されることがあります。転移した(体の他の部位に拡がった)HER2陽性乳がんを患っている特定の患者さんの治療に用いられることがあります。早期のHER2陽性乳がん患者さんの一部に、術前補助療法として用いられることもあります。

  • ado-トラスツズマブ・エムタンシンは、抗がん剤を結合させたモノクローナル抗体です。こうした薬物は抗体薬物複合体と呼ばれます。体の他の部位に転移したか再発した(再び現れた)HER2陽性乳がんの治療に用いられます。

チロシンキナーゼ阻害薬は、腫瘍の増殖に必要となる指令を妨害する標的療法薬の一種です。チロシンキナーゼ阻害薬は、術後補助療法として他の抗がん剤と併用されることがあります。チロシンキナーゼ阻害薬には以下のものがあります:


  • ラパチニブはチロシンキナーゼ阻害薬の一種で、腫瘍細胞の内部でHER2蛋白などいくつかの蛋白の作用を阻害します。トラスツズマブ(薬剤詳細へ)による治療後に進行したHER2陽性乳がんの患者さんに対して、他の薬剤と併用されることがあります。

チロシンキナーゼ阻害薬は、がん細胞の増殖を引き起こすサイクリン依存性キナーゼという蛋白の作用を阻害する標的療法薬の一種です。サイクリン依存性キナーゼ阻害薬には以下のものがあります:


  • パルボシクリブは、エストロゲン(薬剤詳細へ)受容体陽性でHER2陰性、かつ体の他の部位に転移した乳がんの治療にレトロゾールと併用されるサイクリン依存性キナーゼ阻害薬です。この薬物はホルモン療法による治療を受けたことのない閉経後女性に用いられます。パルボシクリブはまた、ホルモン療法による治療後に増悪した女性の治療でフルベストラントと併用されます。

哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬は、mTORという蛋白の働きを阻害することで、がん細胞の増殖を防ぎ、腫瘍の増殖に必要な新しい血管の成長を妨げる作用があります。mTOR阻害薬には以下のものがあります:


  • エベロリムスは、閉経後女性のホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がんが他の治療で改善されなかった場合に用いられるmTOR阻害薬です。

PARP阻害薬は標的療法の1つで、DNA修復を阻害し、がん細胞を死滅できる可能性があります。PARP阻害薬療法は、トリプルネガティブ乳がん BRCA1 または BRCA2 突然変異を有する腫瘍の治療法として研究されています。

詳しい情報については、乳がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

乳がんの治療のなかには、治療が終わってから何ヵ月または何年もたって副作用が現れるものがあります。

乳がんの治療のなかには、治療が終わってから何ヵ月または何年も副作用が続いたり、それだけの期間の後に現れたりするものがあります。こうした副作用は晩期障害と呼ばれます。

放射線療法の晩期障害は一般的ではありませんが、以下のようなものがあります:


  • 乳房に対する放射線療法後に起こる炎症、特に同時に化学療法を行った場合。

  • 腕のリンパ浮腫、特にリンパ節郭清の後に放射線療法を施行した場合。

  • 乳房切除術後に胸壁に対する放射線療法を受けた45歳未満の女性では、もう一方の乳房に乳がんが発生するリスクが高くなる可能性があります。

化学療法の晩期障害は、使用する薬剤によって様々な病態が現れます:


トラスツズマブ(薬剤詳細へ)を使用する標的療法の晩期障害には、以下のようなものがあります:


この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

幹細胞移植を伴う大量化学療法

幹細胞移植を伴う大量化学療法とは、高用量の化学療法を実施するとともに、このがん治療によって破壊された造細胞を外部から補充するという治療法です。まず患者さん自身またはドナーから採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

乳がんの治療においては、幹細胞移植を伴う大量化学療法では標準的な化学療法より良好な結果は出せないということが、複数の研究から示されています。そのため医師たちの間では、大量化学療法については当面の間、臨床試験における検証的な実施のみに限定すべきとの考え方が定着しています。患者さんがそのような臨床試験への参加を考える場合は、大量化学療法によって発生しうる重大な副作用(死に至る場合もある)について、担当の医師と充分に話し合っておくべきです。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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乳がんの治療選択肢

早期、限局性、または手術可能な乳がん

早期限局性、または手術可能な乳がんの治療法には、以下のようなものがあります。

手術


術後放射線療法

乳房温存術を受けた女性には、がんが再発する可能性を低下させるために乳房全体に対する放射線療法を行います。場合によっては、病巣周辺のリンパ節に放射線を照射することもあります。

非定型的根治的乳房切除術を受けた女性では、以下の条件のいずれかに該当する場合に、がんの再発可能性を低下させるために放射線療法を実施します:


  • がんが4個以上のリンパ節に認められる。

  • がんがリンパ節周囲の組織に拡がっている。

  • 腫瘍が大きい。

  • 腫瘍を切除した部位の端部付近の組織またはその周辺に腫瘍が存在する。

術後全身療法

全身療法ではを投与して血流に入れ、全身のがん 細胞に到達させます。術後全身療法は、手術で腫瘍を切除した後にがんが再発する可能性を低くするために行われます。

術後全身療法は以下の状況に応じて実施されます。


ホルモン受容体陽性腫瘍を有する閉経前女性では、それ以上の治療が不要か、以下のような術後療法が行われます:


ホルモン受容体陽性腫瘍を有する閉経後女性では、それ以上の治療が不要か、以下のような術後療法が行われます:


  • アロマターゼ阻害薬療法と、場合により化学療法。

  • タモキシフェン(薬剤詳細へ)とその後のアロマターゼ阻害薬療法、さらに場合により化学療法。

ホルモン受容体陰性腫瘍を有する女性では、それ以上の治療は不要か、以下のような術後療法が行われます:


  • 化学療法。

HER2/neu陰性腫瘍を有する女性では、以下のような術後療法が行われることがあります:


  • 化学療法。

小型のHER2/neu陽性腫瘍を有する女性で、リンパ節にがんが認められない場合は、それ以上の治療はおそらく不要です。がんがリンパ節に存在するか、腫瘍が大型である場合は、以下のような術後療法が行われます:


小型でホルモン受容体陰性、HER2/neu陰性(トリプルネガティブ)の腫瘍を有する女性で、リンパ節にがんが認められない場合は、それ以上の治療はおそらく不要です。がんがリンパ節に存在するか、腫瘍が大型である場合は、以下のような術後療法が行われます:


  • 化学療法。

  • 放射線療法。

  • 新しい化学療法レジメンの臨床試験への参加。

  • PARP阻害薬療法の臨床試験への参加。

術前全身療法

全身療法では薬を投与して血流に入れ、全身のがん細胞に到達させます。術前全身療法は手術前に腫瘍を小さくするために行われます。

ホルモン受容体陽性腫瘍を有する閉経後女性では、以下のような術前療法が行われることがあります:


  • 化学療法。

  • 化学療法を受けることができない女性には、タモキシフェン(薬剤詳細へ)やアロマターゼ阻害薬療法などのホルモン療法。

ホルモン受容体陽性腫瘍を有する閉経前女性では、以下のような術前療法が行われることがあります:


  • タモキシフェン(薬剤詳細へ)やアロマターゼ阻害薬療法などのホルモン療法の臨床試験への参加。

HER2/neu陽性腫瘍を有する女性では、以下のような術前療法が行われることがあります:


HER2/neu陽性腫瘍またはトリプルネガティブ腫瘍を有する女性では、以下のような術前療法が行われることがあります:


  • 化学療法。

NCI支援のがん臨床試験リストから、I期乳がんII期乳がんIIIA期乳がん、およびIIIC期乳がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

局所進行または炎症性乳がん

局所進行または炎症性乳がんの治療法は、以下のような療法を組み合わせた併用療法です:


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局所領域再発乳がん

局所領域再発 乳がん(治療後に乳房内、胸壁内、または周辺のリンパ節に再び現れたがん)の治療法には、以下のようなものがあります:


乳房外、胸壁外、周辺リンパ節外の部位に拡がった乳がんの治療選択肢については、転移性乳がんのセクションをご覧ください。

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転移性乳がん

転移性 乳がん(体の離れた部位に転移したがん)の治療法には、以下のようなものがあります:

ホルモン療法

転移性乳がんと診断されたばかりの閉経後女性で、ホルモン受容体陽性かホルモン受容体の状態が不明である場合は、以下のような治療法があります:


転移性乳がんと診断されたばかりの閉経前女性で、ホルモン受容体陽性の場合は、以下のような治療法があります:


ホルモン受容体陽性またはホルモン受容体の状態が不明な腫瘍を有し、骨または軟部組織にのみ転移があり、タモキシフェン(薬剤詳細へ)による治療を受けたことのある女性には、以下のような治療法があります:


標的療法

ホルモン受容体陽性の転移性乳がんを有する女性で、他の治療を行っても効果が得られなかった場合は、以下のような標的療法を用いることがあります:


HER2/neu陽性の転移性乳がんを有する女性には、以下のような治療法があります:


化学療法

転移性乳がんを有する女性で、腫瘍がホルモン受容体陰性か、ホルモン療法を行っても効果が得られないか、他の臓器に転移しているか、または症状がみられる場合には、以下のような治療法があります:


手術


  • 乳房に開放病変または痛みのある病変がみられる女性には、乳房全摘出術手術後に放射線療法を行う場合もあります。

  • 脳または脊椎に転移したがんを切除する手術。手術後に放射線療法を行う場合もあります。

  • に転移したがんを切除する手術。

  • 弱ったり折れたりした骨を補修する手術。手術後に放射線療法を行う場合もあります。

  • 肺または心臓の周囲に溜まった体液を除去する手術。

放射線療法


他の治療選択肢

転移性乳がんに対する他の治療選択肢には、以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、転移性乳がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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非浸潤性乳管がん(DCIS)の治療選択肢

非浸潤性乳管がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、非浸潤性(in situ)乳管がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、乳がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

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PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Breast Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/breast/patient/breast-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389406]

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