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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

結腸がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-06-30
    翻訳更新日 : 2017-02-17

 このPDQがん情報要約では、結腸がんの治療法に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

結腸がんについての一般的な情報

結腸がんは、結腸の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

結腸消化器系を構成する臓器の1つです。消化器系は、食物中の栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂質、蛋白質、水分)の消化吸収と、老廃物の体外への排出という役割を担っています。消化器系は、食道小腸および大腸から構成されます。結腸(太い)は大腸の最初の部分で、長さは約5フィート(およそ152cm)です。加えて、大腸の終端部に直腸肛門管があり、これらの長さは約6~8インチ(15~20cm)です。そしてこの肛門管の終端部が肛門(大腸の体外への開口部)です。

消化器系の解剖図;食道、肝臓、胃、結腸、小腸、直腸、および肛門を示す。



下部消化器系の解剖図:結腸と他の臓器を示しています。



消化管間質腫瘍は結腸に起こる可能性があります。詳しい情報については、PDQ消化管間質腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

小児の大腸がんに関する情報については、小児にはまれながんの治療に関するPDQ要約をご覧ください。

病歴は結腸がんの発生リスクに影響を及ぼします。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。リスク因子には以下のものがあります:


結腸がんの徴候には、排便習慣の変化や血便などがあります。

これらの徴候症状などは、結腸がんや他の病態によって引き起こされます。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 排便習慣の変化。

  • 便への血液(鮮血色または暗赤色)の混入。

  • 下痢便秘、腸内に便が残っているような感覚。

  • 便が通常より細い。

  • 頻繁なガスによる痛み、腹部の膨隆、膨満感、激しい腹痛。

  • 原因不明の体重減少。

  • ひどい疲労感。

  • 嘔吐

結腸がんの発見と診断には、結腸と直腸を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 直腸指診 :直腸を調べる診察法。医師または看護師が、手袋をはめて潤滑剤を塗った指を直腸内に挿入し、しこりなどの異常がないかを調べます。

  • 便潜血検査 顕微鏡でしか見ることのできない微量の血液が便の中に混入していないかを調べる検査法。患者さんに少量の便を専用のカードの上に置いてもらい、それを医師か検査室に提出してもらって、検査を行います。

  • バリウム注腸 検査:下部消化管の一連のX線撮影検査。まずバリウム(銀白色の金属 化合物)を溶かした液体を直腸内に注入します。その後バリウムが下部消化管の表面を覆ったところで、X線撮影を行います。この検査法は下部消化管造影とも呼ばれます。

    バリウム注腸法:バリウム溶液が直腸内に注入され、結腸内を流れていく様子を示す。左上の図には、台の上の患者さんがバリウム注腸検査を受けている様子が示されている。
    
    


    バリウム注腸法。患者さんにはX線撮影台の上に横になってもらいます。バリウム溶液が直腸内に注入され、これが結腸の内部を流れていきます。それからX線撮影を行って、異常な部分がないかを調べます。




  • S状結腸鏡検査 :直腸とS状(下部)結腸の内部を観察して、ポリープ(小範囲の組織の隆起)や異常な領域、がんなどがないかを調べる検査法。この検査ではS状結腸鏡が直腸からS状結腸内部へと挿入されます。S状結腸鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。ポリープや組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

    S状結腸鏡検査:S状結腸鏡が肛門と直腸からS状結腸に挿入される様子を示す。右上の図には、台の上の患者さんがS状結腸鏡検査を受けている様子が示されている。
    
    


    S状結腸鏡検査。ライトの付いた細い管を肛門と直腸から結腸下部まで挿入して、異常な部分がないかを調べます。




  • 結腸鏡検査 :直腸および結腸内部に、ポリープや異常な領域、がんなどがないか調べる検査法。この検査では結腸鏡が直腸から結腸内部へと挿入されます。結腸鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。ポリープや組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

    結腸鏡検査:結腸鏡が肛門と直腸から結腸に挿入される様子を示す。右上の図には、台の上の患者さんが結腸鏡検査を受けている様子が示されている。
    
    


    結腸鏡検査。ライトの付いた細い管を肛門と直腸から結腸の内部まで挿入して、異常な部分がないかを調べます。




  • バーチャル結腸鏡検査 コンピュータ断層撮影と呼ばれるX線による連続撮影法を活用して結腸の連続画像を作成する検査法。コンピュータによってこれらの画像が統合され、結腸内部の表面にできたポリープや異常な領域も描出可能な精細な画像が作成されます。この検査はコロノグラフィやCTコロノグラフィとも呼ばれます。

  • 生検 細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期(がんが結腸の粘膜層だけに存在しているか、結腸壁に拡がっているか、リンパ節に転移しているか、体の他の部位に転移しているかどうか)。

  • がんによって結腸に閉塞や穿孔(孔が開くこと)が起きているかどうか。

  • 手術後にがん細胞が残っているかどうか。

  • 再発したがんかどうか。

  • 患者さんの健康状態。

予後は治療開始前のがん胎児性抗原(CEA)の血中濃度にも左右されます。CEAはがんが存在する場合に血中濃度が上昇する物質です。

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結腸がんの病期

結腸がんの診断がついた後には、結腸内でのがん細胞の拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん結腸内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。

病期分類の過程では以下のような検査法や手技が用いられます:


  • CTスキャン(CATスキャン)腹部や胸部など、体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、結腸内部の領域の精細な連続画像を作成する検査法。まずガドリニウムと呼ばれる物質を患者さんの静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 胸部X線 検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。

  • 手術 :腫瘍を摘出して、その腫瘍が結腸のどのあたりまで拡がっているかを調べる方法。

  • リンパ節 生検 :リンパ節の全体または一部を切除する手技。切除された組織は病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。

  • 全血球算定(CBC)血液を採取して以下の項目について調べる検査法:

  • がん胎児性坑原(CEA)測定 :CEAの血中濃度を測定する検査法。CEAはがん細胞と正常な細胞のどちらからも血流中に放出されます。この検査で正常よりも高い値が出るということは、結腸がんや他の疾患徴候である可能性があります。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、結腸がんがに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は結腸がんの細胞です。この疾患は転移性結腸がんであり、肺がんではありません。

結腸がんでは以下の病期が用いられます:
0期(上皮内がん)


0期の結腸/直腸上皮内がん;結腸/直腸の断面図を示している。拡大図は、結腸/直腸壁の各層を示し、異常な細胞が粘膜にある様子を表している。他に、粘膜下層、筋層、漿膜、血管、リンパ節も示している。



0期(結腸上皮内がん)。異常な細胞が結腸壁の粘膜に認められます。



0期では、結腸壁の粘膜(最も内側の層)に異常な 細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して、拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。

I期


I期の大腸がん; 結腸/直腸の断面図を示している。拡大図は、結腸/直腸壁の各層を示し、がんが粘膜、粘膜下層および筋層にある様子を表している。他に、漿膜、血管、リンパ節も示している。



I期の結腸がん。がんが結腸壁の粘膜から筋層まで拡がっています。



I期では、結腸壁の粘膜(最も内側の層)にすでにがんが形成されており、粘膜下層(粘膜の下にある組織の層)にも拡がっています。さらに、結腸壁の筋層までがんが拡がっている場合もあります。

II期


II期の大腸がん;結腸/直腸の断面図とともに3つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層:粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管とリンパ節も示している。左側の拡大図は、IIA期を示し、がんが粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜にある様子を表している。中央の拡大図は、IIB期を示し、全ての層にがんがあり、漿膜を越えてがんが拡がっている様子を表している。右側の拡大図は、IIC期を示し、隣接する臓器までがんが拡がっている様子を表している。



II期の結腸がんIIA期では、がんが結腸壁の筋層を越えて漿膜まで拡がっています。IIB期では、がんが漿膜を越えて拡がっていますが、隣接する臓器には転移していません。IIC期では、がんが漿膜を越えて拡がっており、隣接する臓器に転移しています。



II期の結腸がんは、IIA期、IIB期、IIC期に分けられます。


  • IIA期:がん結腸壁の筋層を越えて、結腸壁の漿膜(最も外側の層)まで拡がっている。

  • IIB期:がんが結腸壁の漿膜(最も外側の層)を越えて拡がっているが、隣接する臓器には転移していない。

  • IIC期:がんが結腸壁の漿膜(最も外側の層)を越えて拡がっており、隣接する臓器に転移している。

III期

III期の結腸がんは、IIIA期、IIIB期、IIIC期に分けられます。



IIIA期の大腸がん; 結腸/直腸の断面図とともに2つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層:粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管とリンパ節も示している。左側の拡大図は、粘膜、粘膜下層、筋層、および2ヵ所のリンパ節にがんがある様子を表している。右側の拡大図は、粘膜、粘膜下層、および5ヵ所のリンパ節にがんがある様子を表している。



IIIA期の結腸がん。がんが結腸壁の粘膜を越えて粘膜下層まで拡がっており、筋層に達している場合があり、さらに隣接する1~3ヵ所のリンパ節、またはリンパ節近くの組織にがんが転移しています。または、がんが粘膜を越えて粘膜下層まで拡がっており、さらに隣接する4~6ヵ所のリンパ節にがんが転移しています。



IIIA期では、以下の条件が満たされます:


  • がん結腸壁の粘膜(最も内側の層)を越えて、粘膜下層(粘膜の下にある組織の層)まで拡がっており、さらに結腸壁の筋層まで拡がっている場合がある。さらに、隣接する1~3ヵ所のリンパ節にがんが転移しているか、またはリンパ節近くの組織にがん細胞が認められる;または、

  • がんが結腸壁の粘膜(最も内側の層)を越えて、粘膜下層(粘膜の下にある組織の層)まで拡がっている。さらに、隣接する4~6ヵ所のリンパ節にがんが転移している。



IIIB期の大腸がん;結腸/直腸の断面図とともに3つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層:粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管とリンパ節も示している。左側の拡大図は、全ての層にがんがあり、がんが漿膜を越えて拡がり、3ヵ所のリンパ節に転移した様子を表している。中央の拡大図は、全ての層にがんがあり、がんが5ヵ所のリンパ節に転移した様子を表している。右側の拡大図は、がんが粘膜、粘膜下層、筋層にあり、7ヵ所のリンパ節に転移した様子を表している。



IIIB期の結腸がん。がんが結腸壁の筋層を越えて漿膜まで拡がっているか、またはがんが漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移しておらず;さらに、隣接する1~3ヵ所のリンパ節またはリンパ節近くの組織にがんが転移しています。または、がんが筋層または漿膜まで拡がっており、さらに、隣接する4~6ヵ所のリンパ節にがんが転移しています。または、がんが粘膜を越えて粘膜下層まで拡がっていて、筋層にまで拡がっている場合もあり;さらに、隣接する7ヵ所以上のリンパ節にがんが転移しています。



IIIB期では、以下の条件が満たされます:


  • がんが結腸壁の筋層を越えて、結腸壁の漿膜(最も外側の層)まで拡がっているか、または漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移していない。さらに、隣接する1~3ヵ所のリンパ節にがんが転移しているか、またはリンパ節近くの組織にがん細胞が認められる;または、

  • がんが結腸壁の筋層または結腸壁の漿膜(最も外側の層)まで拡がっている。さらに、隣接する4~6ヵ所のリンパ節にがんが転移している;または、

  • がんが結腸壁の粘膜(最も内側の層)を越えて、粘膜下層(粘膜の下にある組織の層)まで拡がっており、結腸壁の筋層まで拡がっている場合もある。さらに、隣接する7ヵ所以上のリンパ節にがんが転移している。



IIIC期の大腸がん;結腸/直腸の断面図とともに3つの拡大図を示している。それぞれの図は、結腸/直腸壁の各層:粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜を示している。他に、血管とリンパ節も示している。左側の拡大図は、全ての層にがんがあり、がんが漿膜を越えて拡がり、4ヵ所のリンパ節に転移した様子を表している。中央の拡大図は、全ての層にがんがあり、がんが7ヵ所のリンパ節に転移した様子を表している。右側の拡大図は、全ての層にがんがあり、がんが漿膜を越えて拡がり、2ヵ所のリンパ節および隣接した臓器に転移した様子を表している。



IIIC期の結腸がん。がんが結腸壁の漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移しておらず;さらに、隣接する4~6ヵ所のリンパ節にがんが転移しています。または、がんが筋層を越えて漿膜まで拡がっているか、または漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移しておらず;さらに、隣接する7ヵ所以上のリンパ節にがんが転移しています。または、がんが漿膜を越えて拡がり、隣接する臓器に転移しており、隣接する1ヵ所以上のリンパ節、またはリンパ節近くの組織にがんが転移しています。



IIIC期では、以下の条件が満たされます:


  • がんが結腸壁の漿膜(最も外側の層)を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移していない。さらに、隣接する4~6ヵ所のリンパ節にがんが転移している;または、

  • がんが結腸壁の筋層を越えて漿膜(最も外側の層)まで拡がっているか、または漿膜を越えて拡がっているものの隣接する臓器には転移していない。さらに、隣接する7ヵ所以上のリンパ節にがんが転移している;または、

  • がんが漿膜(最も外側の層)を越えて拡がり、隣接する臓器に転移している。さらに、隣接する1ヵ所以上のリンパ節にがんが転移しているか、またはリンパ節近くの組織にがん細胞が認められる。

IV期


IV期の結腸がん;図は結腸がんが転移する可能性があるリンパ節、肺、肝臓、腹壁、卵巣などの場所を示している。拡大図は、がん細胞が結腸から血管やリンパ系を介して体の他の部位に移動し、転移がんを形成する様子を示している。



IV期の結腸がん。がんが血管やリンパ節を経由して、肺、肝臓、腹壁、卵巣などの体の別の場所に転移しています。



IV期の結腸がんは、IVA期とIVB期に分けられます。


  • IVA期:がんが結腸壁を越えて拡がっている場合があり、隣接する臓器またはリンパ節に転移している場合もある。さらに、肝臓卵巣など、結腸から離れた臓器の1つ、または遠方のリンパ節にがんが転移している。

  • IVB期:がんが結腸壁を越えて拡がっている場合があり、隣接する臓器またはリンパ節に転移している場合もある。さらに、結腸から離れた2つ以上の臓器へがんが転移しているか、または壁の内側を覆っている組織へ拡がっている。

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再発結腸がん

再発 結腸がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、結腸内に生じることもあれば、肝臓もしくはその両方といったように、体の他の部位に発生することもあります。

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治療選択肢の概要

結腸がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

結腸がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の6種類が用いられています:
手術

手術(がんを取り除く手術)は全ての病期の結腸がんにおいて最もよく用いられている治療法です。がんの摘出には以下の手術法のいずれかが用いられます:


  • 局所 切除:がんが極めて初期の段階で発見された場合には、壁を切開することなくがんを摘出できることがあります。腹壁を切開する代わりに、医師は直腸から結腸内に切除用の器具を備えた管を挿入して、がんを切り取ります。この方法は局所切除と呼ばれます。がんがポリープ(小範囲の組織の隆起)として発見された場合の手術は、ポリープ切除術と呼ばれます。

  • 結腸切除術と吻合術:がんが大きい場合には、部分的な結腸切除術(がんとその周囲の少量の健常組織を切除する手術)が行われます。続いて吻合術(結腸の健常部同士を縫い合わせること)が行われる場合もあります。通常は結腸周囲のリンパ節の切除も行われ、顕微鏡での観察によって、がん細胞が存在していないか調べられます。

    吻合術を伴う結腸がん手術を示した3つの図:左の図には、結腸のがんのある領域が、中央の図には、がんと周辺組織が切除された様子が、そして右の図には、切除された結腸の両端がつなぎ合わされた様子が示されている。
    
    


    吻合術を伴う結腸切除術。結腸のがんのある部分と周辺の健常組織を切除してから、残った結腸の両端をつなぎ合わせます。




  • 結腸切除と人工肛門形成術:結腸の両端を縫い合わせることが不可能な場合は、老廃物の排出経路としてストーマ(開口部)が体の外側に造られます。この手技は人工肛門造設術と呼ばれます。このストーマには、排泄物を捕集するためのバッグが取り付けられます。下部結腸の状態が回復することで人工肛門が不要になる場合もあり、その場合は元の状態に戻すことも可能です。しかしながら、下部結腸全体を切除する必要がある場合には、永久に人工肛門を使用することになります。

    人工肛門造設術を伴う結腸がん手術を示した3つの図:左の図には、結腸のがんのある部分が、中央の図には、がんと周辺組織が切除されストーマが造られた後の様子が、そして右の図には、ストーマに人工肛門バッグが装着された様子が示されている。
    
    


    人工肛門造設術を伴う結腸がん手術。結腸のがんのある部分と周辺の健常組織を切除してからストーマを作成し、そのストーマには人工肛門バッグを取り付けます。




たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

ラジオ波焼灼術

ラジオ波焼灼術は小さな電極の付いた特殊なプローブを用いてがん細胞を死滅させる治療法です。プローブを皮膚から直接刺し込む方法もあり、その場合は局所麻酔のみでの実施が可能です。その他の場合には、腹部切開した上でそこからプローブを挿入していきます。この方法の場合は、大きな病院で全身麻酔を施して実施します。

凍結手術

凍結手術は、専用の装置を用いて異常組織を凍結させ破壊する治療法です。この種の治療は凍結療法とも呼ばれます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。

肝臓に転移したがんに対しては、肝動脈化学塞栓という治療法が用いられる場合があります。この治療法では、肝動脈(肝臓に血液を供給する主要な動脈)を遮断して、遮断部と肝臓の間の領域に抗がん剤を注入します。すると、この肝臓の動脈を介して薬が肝臓全体に運ばれていきます。肝臓以外の部分に達する薬の量はごくわずかです。動脈を遮断するのに使用する物質の種類に応じて、動脈の閉塞は一時的なものにも永久的なものにもできます。肝臓への血液供給は、から血液を運んでくる肝門脈によって維持されます。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

詳しい情報については、結腸がんと直腸がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。外照射療法は、症状を和らげ生活の質を高める緩和療法として用いられます。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。

結腸がんの治療に使用される標的療法には、次の種類があります:


  • モノクローナル抗体:モノクローナル抗体は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作られます。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、がん細胞の増殖を促進する物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。

  • 血管新生阻害薬:血管新生阻害薬は、腫瘍の増殖に必要な新しい血管の成長を阻害します。

詳しい情報については、結腸がんと直腸がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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結腸がんの治療選択肢

0期(上皮内がん)

0期上皮内がん)の治療では以下のような手術が行われます:


NCI支援のがん臨床試験リストから、0期結腸がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

I期の結腸がん

I期の結腸がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、I期結腸がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

II期の結腸がん

II期の結腸がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、II期結腸がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

III期の結腸がん

III期の結腸がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、III期結腸がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期の結腸がんと再発結腸がん

IV期の結腸がんと再発 結腸がんの治療法には以下のようなものがあります:



NCI支援のがん臨床試験リストから、IV期結腸がんおよび再発結腸がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、結腸がんの治療法に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Colon Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/colorectal/patient/colon-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389319]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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