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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

皮膚がんの予防(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-05-14
    翻訳更新日 : 2017-02-17

予防とは

がん 予防とは、がんにかかる可能性を低くするためにとる行動です。がんを予防することで、集団または人口におけるがんの新規症例の数が減少します。うまくいけば、それにより、がんによる死亡者の数を減らすことができます。

新たながんの発生を予防するため、科学者リスク因子防御因子に注目します。がん発生の可能性を高めるものは全てがんのリスク因子と呼ばれ、がん発生の可能性を低減させるものは全てがんの防御因子と呼ばれます。

がんのリスク因子には回避できるものもありますが、回避できないものも数多くあります。例えば、喫煙の習慣と特定の遺伝子をもっていることは、どちらもある種のがんのリスク因子ですが、避けることができるのは喫煙だけです。普段から運動や健康的な食事を心がけることは、いくつかの種類のがんに対する防御因子となります。リスク因子を避けて防御因子を増やすことはリスクの低減につながりますが、それでがんに罹らなくなるということではありません。

現在、以下のような様々ながんの予防法が研究されています:


  • 生活習慣や食習慣の改善。

  • がんの原因となることが分かっている因子の回避。

  • 前がん 状態の治療やがん発生の阻止を目的としたの使用。

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皮膚がんについての一般的な情報

皮膚がんは、皮膚の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

皮膚は体のなかで最も大きな臓器です。その機能の1つは、熱や日光、外傷、感染などから体を保護することです。皮膚はまた体温の調節にも関わっていて、さらに水分や脂肪、ビタミンDなどの保持という役割も果たしています。皮膚はいくつかの層から構成されていますが、大きく分けると、表皮(外側の層)と真皮(内側の層)の2つの層があります。

表皮は以下の3種類の細胞から構成されています:


  • 扁平上皮細胞、表皮の大部分を構成している薄くて扁平な細胞。

  • 基底細胞、扁平上皮細胞の下方に存在する円形の細胞。

  • メラニン形成細胞、表皮の最も下方部分の全体にわたって散在する細胞。この細胞では、皮膚の色を作り出している色素であるメラニンが作られています。皮膚が日光に曝されると、メラニン形成細胞で作られる色素の量が増え、これが日焼けや皮膚の黒ずみの原因となります。

真皮の中には管、リンパ管毛包などが存在します。



メラニン形成細胞を含む皮膚の解剖図:図は正常な皮膚の解剖図であり、表皮、真皮、毛包、汗腺、毛幹、静脈、動脈、脂肪組織、神経、リンパ管、油腺、皮下組織が含まれる。抜き出し図には、扁平上皮細胞および基底細胞で構成される表皮と、その下方にある血管を含んだ真皮の拡大図が示されている。細胞の内部にメラニンが示されている。メラニン形成細胞は表皮底部の基底細胞層にある。



表皮、真皮、皮下組織を示す皮膚の解剖図。表皮の最も深層部にある基底細胞の層の中にメラニン形成細胞がみられる。



皮膚がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


皮膚がんにはいくつかの種類があります。

皮膚がんで最も多くみられるのは、扁平上皮細胞から発生する扁平上皮がんと、基底細胞から発生する基底細胞がんです。扁平上皮がんと基底細胞がんは非黒色腫皮膚がんとも呼ばれます。一方、メラニン形成細胞から発生する黒色腫は、増殖と転移のスピードが速い、比較的まれな種類の皮膚がんです。

皮膚がんは全身のどの部分にも発生しますが、最も発生しやすいのは顔面や頸部、手、腕などの日光に曝されている部分です。

皮膚がんは、米国では最も多くみられるがんです。

基底細胞がんと扁平上皮がんは、皮膚がんのなかでも米国で最も多くみられる種類のものです。非黒色腫皮膚がんの新規症例数は年々増加し続けているようです。これらの非黒色腫皮膚がんは通常、治癒させることが可能です。

黒色腫の新規症例数は30年以上にわたって増加し続けています。黒色腫は、周辺の組織や他の部位に拡がる可能性がこれらより高く、治癒が困難となる場合もあります。黒色腫皮膚がんを早期に発見して治療を行えば、黒色腫による死亡を予防できる可能性があります。

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皮膚がんの予防

リスク因子を回避することと防御因子を増やすことは、がんの予防につながる可能性があります。

がんリスク因子を避けることは、特定のがんの予防につながる可能性があります。リスク因子には、喫煙や過体重、運動不足などがあります。禁煙、健康的な食事、運動などの防御因子を高めることも、がん予防に役立ちます。がんのリスクを低減させる方法については、担当の医師か他の医療専門家にご相談ください。

紫外線に曝されることは、皮膚がんのリスク因子です。

複数の研究によると、紫外線(UV)に曝されること、ならびに個人のUVに対する皮膚の敏感さは、皮膚がんリスク因子です。紫外線は、太陽から放射されている光のうち、眼には見えない部分の光(の一部分)のことです。太陽灯や日焼けベッドなどの機器もまたUVを照射します。

非黒色腫皮膚がんと悪性黒色腫のリスク因子は同じではありません。


    非黒色腫皮膚がんのリスク因子:
    • 自然の日光や人工太陽光(日焼けベッドなど)に長時間曝されていること。

    • 色白であること。以下のいずれかに該当します:
      • そばかすがあり日焼けしやすい、日焼けしていない、あまり日焼けしていない白い肌であること。

      • 眼の色が青、緑または明るい色であること。

      • 赤毛または金髪であること。


    • 光線性角化症の症状があること。

    • 過去に放射線治療を受けた経験があること。

    • 免疫系の機能が低下していること。

    • ヒ素に曝されていること。


    黒色腫のリスク因子:
    • 色白であること。以下のいずれかに該当します:
      • そばかすがあり日焼けしやすい、日焼けしていない、あまり日焼けしていない白い肌であること。

      • 眼の色が青、緑または明るい色であること。

      • 赤毛または金髪であること。


    • 自然の日光や人工太陽光(日焼けベッドなど)に長時間曝されていること。

    • 子供の頃や10代のうちに水疱形成性日光皮膚炎に何度もかかった経験があること。

    • 大きなほくろか複数の小さなほくろがあること。

    • 異常なほくろができる病気(異型母斑 症候群)の家族歴があること。

    • 黒色腫の家族歴または個人歴があること。

    • 白人であること。


次の要因により非黒色腫皮膚がんのリスクが低下するかどうかは不明です:
日焼け止めを使用し、日光に曝されないようにすること

日中の外出を控える、日焼け止めを使用する、屋外では日光を避ける衣服を着用するなどの対策によって非黒色腫皮膚がんのリスクが低下するか否かは、明らかになっていません。これらの効果を検証する研究が十分に行われていないためです。

日焼け止めは、皮膚へのUVの照射量を減少させるのに有用です。1件の研究は、日焼け止めの使用が日光角化症(扁平上皮がんに変化しうる鱗状の皮疹)の予防に有効な可能性があることを示しています。

多くの場合、日焼け止めの使用による害は少なく、スキンクリームに対するアレルギー反応が起きたり、日光への曝露が抑制されてビタミンDの生産量が少なくなったりする程度です。

日焼け止めを使用することにより、長時間にわたる日光や有害なUVの曝露による日焼けを避けることもできます。

日光から皮膚と眼を保護することが皮膚がんの発生リスクの低減につながるという証明はなされていませんが、皮膚の専門家は以下のような見解を示しています:


  • UVに対する保護効果のある日焼け止めを使用すること。

  • 長時間日の当たる場所にいないようにすること(特に日差しの強い時間帯)。

  • 屋外では袖と裾の長い衣服、日よけ帽、サングラスなどを着用すること。

化学予防薬

化学予防薬物ビタミンなどの物質を使用して、がんのリスクを低下させるための対策です。次の化学予防薬は、非黒色腫皮膚がんのリスクを低下させるか否かについて研究されています:

βカロチン

βカロチン補助栄養として錠剤の形で摂取される物質)を対象とした数件の研究では、βカロチンが非黒色腫皮膚がんの発生や再発を防止する効果は示されていません。

イソトレチノイン

用量イソトレチノイン色素性乾皮症の患者さんにおける新たな皮膚がんの発生を防止することが示されています。しかし、以前に非黒色腫皮膚がんの治療を受けた患者さんにおいて、イソトレチノインが非黒色腫皮膚がんの再発を防止することは示されていません。イソトレチノインを用いた治療は、重大な副作用を起こす場合があります。

セレン

数件の研究により、セレン(ビール酵母錠剤として摂取)は基底細胞がんのリスクを低下させないこと、また、扁平上皮がんのリスクを上昇させる可能性があることが示されました。

セレコキシブ

日光角化症を患い、非黒色腫皮膚がんの家族歴を持つ患者さんを対象としたセレコキシブの研究では、セレコキシブを投与された患者さんにおいて、再発非黒色腫皮膚がんの発生率がわずかに低くなることが示されました。セレコキシブは心臓と血管に重大な副作用を引き起こす可能性があります。

α-ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)

非黒色腫皮膚がんの既往歴がある患者さんを対象としたα-ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)の研究で、DFMOを投与された患者さんでは、プラセボを投与された患者さんに比べ、非黒色腫皮膚がんの再発率が低くなることが示されました。DFMOは難聴を引き起こす可能性がありますが、この難聴は通常、一時的です。

次の要因により黒色腫のリスクが低下するかどうかは不明です:
日焼け止め

日焼け止めを使用してUVが原因の黒色腫を防止できるかどうかは実証されていません。また、日に焼けやすいこと、良性のほくろがたくさんあること、異形成母斑があることなどのリスク因子も黒色腫の発生に関連する可能性があります。

カウンセリングの実施と日光からの皮膚の防御

日光への曝露を避けるための情報やカウンセリングを受けた人が、日光から皮膚を守る行動をとるようになるかどうかは明らかになっていません。

がんの予防法の研究では、がん予防臨床試験が実施されます。

特定のがんの発生リスクを低下させる方法を研究するには、がん予防 臨床試験が実施されます。がん予防臨床試験には、がんにかかってはいないものの、がんのリスクが高い人々を対象として行われるものもあります。また、すでにがんにかかっていて、同種のがんのさらなる発生を予防しようとしている人々や、別の種類のがんが発生する可能性を小さくしようとしている人々を対象とした予防試験もあります。その他にも、がんのリスク因子をもっていることが判明していない健康なボランティアを対象とした試験もあります。

一部のがん予防の臨床試験の目的は、何らかの行動によってがんを予防できるかどうかを検証することです。具体的には、果実や野菜を食べる、運動をする、喫煙をやめる、特定の、ビタミン、ミネラル栄養補助食品などを摂取する、などが挙げられます。

現在、皮膚がんの新たな予防法が臨床試験で検証されています。

臨床試験は米国各地で行われています。臨床試験の情報は、NCIのホームページの臨床試験のセクションでご覧いただけます。NCIのがん臨床試験リストから、現在患者さんを受け入れている非黒色腫皮膚がんの予防試験および黒色腫の予防試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。

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本要約の変更点(05/14/2015)

PDQ がん情報要約は定期的に見直され、新しい情報が利用可能になり次第更新されます。本セクションでは、上記の日付における本要約の最新変更点を記述しています。

本要約には編集上の変更が行われました。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、皮膚がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

National Cancer Institute: PDQ® Skin Cancer Prevention. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Date last modified <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/skin/patient/skin-prevention-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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本要約に関するご質問やご意見

本要約に関するご質問やご意見は、ウェブサイトのE-mail UsよりCancer.govにお送りください。ご質問等は英語でお書きください。英語以外ではお答えできません。

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