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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

移行期のケア計画(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2014-04-16
    翻訳更新日 : 2015-02-22

はじめに

移行期のケア計画に関する患者さん向けの本要約は、がんの専門家が医療従事者向けに作成した要約を編集したものです。本稿を含め、がんの治療、スクリーニング予防支持療法、および現在米国で行われている臨床試験についての信頼できる情報が米国国立がん研究所(NCI)より提供されています。本要約では、移行期のケア、評価、およびケアの選択肢について記載されています。

本要約は成人のがん患者さんに対するケア水準の変更の計画について書かれたものです。

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移行期のケア計画とは

移行期のケア計画を立てておくことは、がんという体験の様々な段階を通じて、がんのケアを中断することなく継続していくことの助けとなります。

移行とは、ある段階から別の段階に移ることをいいます。移行期のケア計画は、ケアの各段階の間の移行を円滑するための作業といえます。がん治療の目標やケア施設が変わるとき、患者さんは移行期特有の問題に直面することがあります。患者さんは、自身の病状や治療法という要素と、家族の要求や経済状態、雇用、霊的または宗教的信念、生活の質などの様々な要素の間でバランスを取りながらの判断をしていかなければなりません。適切なリハビリテーション施設の決定、特殊な機器の調達、必要なケアにかかる費用など、現実的な問題が生じてきます。うつ病不安などの精神衛生面の問題も考えらます。移行期のケア計画を立てておけば、こうした問題を明確にし対応しておくことによって、ケアを中断することのない円滑な移行を進めることができます。その結果、患者さんとその家族にかかるストレスが軽減され、患者さんの健康状態の改善にもつながります。

詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


移行期のケア計画には、患者さんや家族の方々への支援や情報提供と、支援プログラムや支援団体への紹介などが含まれます。これらは、患者さんを担当する医療提供者がチームを組んで取り組むのが理想的とされています。そして、チームのメンバー間の情報交換を緊密にすることや、その情報交換の場に患者さんや家族の方に参加してもらうことが重要です。

病状の変化によって、がんケアの目標が変わってくる場合があります。

必要となるケアの内容はがんの種類毎に異なり、また、患者さんの病状の好転や悪化に伴って治療の目標も変化してきます。がんケアには以下のようなものが含まれます:


  • 積極的治療:がんの治癒を目的とした治療。

  • 支持療法:病気の症状、治療の副作用、病気とその治療に関連する心理的問題、社会的問題、霊性に関する問題などを予防あるいは可能な限り早急に治療ないし解決することを目的としたケア。

  • 緩和療法:症状の緩和と生活の質の向上を目的とした治療。緩和療法は、別のがん治療法と並行して実施される場合もあれば、もはや治療を行っても治癒が望めない患者さんに対して終末期の苦痛を取り除くことを目的として行われる場合もあります。

水準も目標も異なるこれらのケアの間での移行に適応していく際には、医療面、現実面、感情面などで問題が生じてくるものですが、移行期のケア計画は、こうした問題を抱える患者さんの助けになってきます。

疾患の経過の中では、ケアを受ける状況が何度か変化する場合があります。

がんの患者さんが受けるケアは、病院以外の場所で提供されるものが大半を占めます。がんの患者さんが治療を受ける場所は疾患の経過の中で何度か変わってくる場合があります。入院または外来でのケアから始まって、在宅ケアや、療養施設でのケア、リハビリテーション施設(筋力や運動能力を取り戻すといった特別な訓練を行うための施設)でのケア、ホスピスチームによる終末期ケアなどへの移行が考えられます。患者さんがある所から他の所へケアを受ける場所を変更するとき、そのときの移動に関する計画のプロセスはしばしば退院計画と呼ばれます。このプロセスでは、患者さんに代わって、ケースマネージャーが病院や訪問看護、ヘルスケア会社、リハビリテーション施設、療養施設、その他必要なケアを提供する団体との交渉を代行する場合もあります。ケースマネージャーは、地域の支援団体や支援プログラムなどと連携して、患者さんとその家族への情報提供や専門機関や専門家への紹介など、各種のサービスが提供されるように手配を行います。

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移行期のケア計画の評価

評価にあたっては、ケアの変化に適応していく上でその患者さんに生じそうな問題点を医療チームが把握し対応していくのに役立てられる情報が収集されます。

がんが患者さんに及ぼす影響は健康状態だけにとどまりません。その影響は精神衛生、家族の生活、労働能力、金銭的な計画、社会的関係、信用などにも及びます。あるケア水準から別のケア水準に移行する際には、患者さんの多くがこうした問題に直面します。例えば、患者さんの家族が特殊な在宅用機器の調達や使用法の修得に苦労する場合があります。この他にも、積極的ながんケアから、特定の緩和ケアやホスピスケアなどの症状の緩和のみを目的としたケアへの変更を、患者さんがなかなか受け入れられない場合などもあります。移行期のケア計画は、患者さんとその家族毎に個別に作成されます。ここで評価を行っておくことは、移行時に問題が生じる可能性のある患者さんを把握し、移行を円滑に進めるために必要となる支援方法を特定することの助けとなります。この評価には、徹底的な病歴の聴取;身体診察;学習に関する技能を評価する検査;日常生活活動の能力を測る検査;精神衛生面の評価;患者さんが利用できる社会的支援の検討;交通手段や在宅ケア、健康的な食事、投薬管理などの問題で必要となる地域の支援団体や支援プログラムの紹介などが含まれます。

評価は日常的なケアの一環として、患者さんのがん体験が続く限り何度でも行われます。

患者さんがある施設から別の施設(例えば、病院から自宅)へ移る際にも評価が行われます。また、疾患の経過の中の節目となる時期にも評価が行われ、そのような時期としては通常、診断時、各治療コースの終了時、再発時、治癒を目的とした治療を中止するとき、治療を中断する(終末期ケアに移行する)ときなどが考えられます。これは、こうした時期に情緒的なストレスが新たに生じやすいからです。定期的に評価を行っていけば、こうしたストレスを始めとする、患者さんの苦痛の原因(例えば、失業、愛する人や介護者の死や病気)を特定することが可能になってきます。 (詳しい情報については、PDQ悲嘆、死別、喪失への対処に関する要約をご覧ください。)

将来的に患者さんにとって何が必要となるかは誰にも分からないため、評価は、患者さんのがん体験が続く限り日常的なケアの一環として何度でも行われます。そうすることで、患者さんは必要とする時期に必要なサービスを確実に受けることができます。

評価のプロセスには、患者さんを担当する医療チームのメンバー全員が参加します。

がんケアの変更を計画する場合には、医療チームの医師、看護師、および他のメンバーが、影響が及ぶであろう患者さんの生活のあらゆる場面を想定します。移行期のケア計画の評価では以下のような専門家が各々異なる部分を担当していきます:


移行期のケア計画では以下のような評価が行われます:

身体的評価

身体的評価では患者さんの健康状態、治療計画、病状の変化などが調べられ、具体的には以下のような要因が注目されます:


  • がんの種類と病期

  • がんの症状

  • 治療の副作用

  • 患者さんの喫煙状況。

  • 栄養状態に関係する副作用および合併症

  • 日常生活活動を行う能力。

詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


家族と住居の評価

患者さんの年齢や生活環境などの要因によっては、ケア水準の変更が困難になったり容易になったりします。この評価では以下の点が注目されます:


  • 患者さんとその家族の年齢。

  • 生活環境。

  • 配偶者および子供の有無。

  • 患者さんとその家族の教育水準。

  • 家庭での使用言語。

  • 文化的な信条と習慣。

  • 治療時に家族や友人からの支援が望めるかどうか。

  • 自宅の築年数と間取り。寝室に医療機器(病院用ベッド、酸素ボンベ、携帯型モニターなど)を設置でき、必要に応じて適切に配線することができるか。家の中を車いすで容易に移動できるか。

精神衛生面の評価

変化がもたらされることは、患者さんだけでなくその家族にとってもストレスの原因となりえます。家族内外の人々と患者さんとの間にどのような関係が構築されているのかを把握しておくことは、家族が移行期の問題に対処していく際に必要となるであろうサービスの種類を特定するのに役立ってきます。ここでは以下のような質問が行われます:


  • 患者さんとその家族は、がん自体、治療方法、および治療目標に対してどのように感じているか。患者さんには、ときにうつ病不安などの深刻な問題が生じることもあります。また、家族の方々にも、自身の感情に対応していくために支援が必要となる場合があります。こうした問題の多くは対処可能です。医師や医療従事者は、こうした患者さんを支援団体カウンセラーメンタルヘルスカウンセラーなどに紹介することができます。

  • 患者さんはどのような信条や価値観を重視しているか、また、それらは患者さんの治療法の選択に影響を及ぼすか。

  • 患者さんの家族は過去のストレスや危機にどのようにして対処してきたか。このことは、治療法の変更によって発生するストレスに対して患者さんの家族がどのような反応を示すかを予測する際に役立ちます。

  • がんとは無関係であるがその変更に対する患者さんとその家族の対応方法に影響を及ぼしうる問題が家庭内に存在しないか。

  • 現在および過去において家族内に精神衛生面の問題は生じていなかったか。

  • 患者さんの過去に身体的または性的虐待の経験はなかったか。

  • 患者さんが在宅ケアを希望している場合は、患者さんとその家族の中に喫煙者や飲者、薬物を服用している人はいないか。酸素装置の周辺での喫煙は危険です。また、患者さんへの投薬やその他のケアを担当する家族の方は、意識のはっきりした状態でなければならず、処方通りのケアを行う能力に影響を及ぼすような医薬品を服用していてはいけません。

詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


社会的評価

患者さんは、利用できる支援サービスへの紹介を、医師や他の医療従事者に求めることができます。以下のような問題を整理することによって、患者さんがその時点で利用できるソーシャルサービスの種類についての再検討が行われます:


  • 在宅や地域内で受けることのできる支援にはどのようなものがあるか。患者さんが病院や他の場所に行くのに、どのような手段があるか。患者さんが支援を求めた場合に、それに応じることができるのは誰か。患者さんの居住する地域によって、利用できるサービスや病院に行くまでの交通手段が異なります。在宅看護サービス、食料や医薬品の配達サービス、治療施設への送迎サービスなど、各種のサービスを提供している地元の事業者を紹介することも可能です。

  • 患者さんはホスピスケアや緩和ケアのことを理解しているか、また、利用可能な地域のプログラムのことを知っているか。(詳しい情報については、PDQの人生の最後の数日間に関する要約をご覧ください。)

  • 自宅でのケアを考慮する際には、その前に在宅ケアの支援が受けられるかどうかを確認しておくべきです。家庭内に患者さんを介護できる人物がいるか、あるいは外部からの支援が必要か。

  • 主要な介護者にその介護を支援してくれる人物がいるか、休みを取ることができるか。

  • その変化による患者さんの職業面の能力への影響はどの程度のものになるか。

  • 患者さんは保険(職場の団体保険、メディケア、メディケイド、退役軍人恩給など)に加入しているか。

  • 患者さんの資金源は何か。医療費はどのようにして支払われるのか。

霊的評価

患者さんの人生における宗教や霊性の役割を把握しておくことは、医療チームにとって、患者さんの信条が新たなケアへの移行の際にどのように影響してくるのかを予測するのに役立ちます。霊性に関する評価では以下のようなことが質問されます:


  • 患者さんは自分自身を霊的な存在だと考えているか。

  • 患者さんにとって宗教の重要性とは何か。

  • がんやその治療によって霊的な苦痛が生じているか。

  • 所属する宗教団体による支援はあるか。多くの患者さんが、所属する宗教団体から見舞いが来ることを価値のあることと感じています。また、患者さんは、治療中に宗教指導者(例えば、カトリック、ユダヤ教、プロテスタントの司祭)との対話を望むことがあります。

米国の大半の病院(特に大病院)では、治療中の患者さんやその家族を手助けするための訓練を積んだ病院付き牧師が勤務しています。病院付き牧師は専門の訓練を受けているため、宗教や霊性に関する信条や関心事に幅広く対応することができます。

(詳しい情報については、PDQのがん医療における霊性に関する要約をご覧ください。)

法的評価

患者さんが自身の希望を周囲に伝えられない状態に陥った場合、事前指示書などの法的文書があれば、医師や家族はそれに基づいて治療に関する判断を下すことができます。患者さんは以下の文書のいずれかを作成したかどうかを尋ねられることがあります:


  • 事前指示書:自身の希望を表明できない状態に陥った場合の特定の治療法に対する個人の意思を表明した文書を広く指す用語で、様々な種類のものが存在します。「医学的に妥当な治療の全てを受ける」、「一部の治療だけを受ける」、「一切の治療を受けない」などのように、患者さんが自身の希望を宣言します。事前指示書は、患者さんと医師が患者さん自身による意思決定について話し合い、指示書の内容が確実に守られるように計画を立てている場合に最も効果的です。

  • 医療委任状(HCP):患者さんの意思決定能力が失われた場合に備えて、医療判断を代行する人物(代理人と呼ばれる)を患者さんが前もって指定しておくための文書。医療委任状は、公証の必要はありませんが、患者さん本人以外に2名の証人が必要です。この文書の特徴は、個々の治療法に関して個別の判断を表明する必要がなく、代理人に医療判断の権限を与えることを表明するだけで済むという点です。HCPは、医療に関する永続的委任状(DPOAHC)や医療代理人委任状(MPOA)などとしても知られています。

  • リビングウィルリビングウィルとは、「特定の状況下では特定の延命処置を実行しないあるいは中止してほしい」といった意思を表明するための、法的効力をもった文書。リビングウィルは事前指示書の一種です。ただし、リビングウィルの法的効果は、米国内でも全ての州で有効というわけではありません。

  • 永続的委任状:患者さんが指名した人物に自身に関する法的決断を委任するための文書。

  • 蘇生処置不要(DNR)指示:できるだけ自然な死を迎えるために、患者さんが医師に対して、臨終の際に心肺蘇生(心臓の拍動を再開させるための処置)を行わないように指示するための文書。DNR指示は、心肺蘇生を行っても患者さんの生命を救える可能性が低い場合に、医学的に妥当とされます。

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移行期のケアの選択肢

様々なニーズに対応するために、様々な種類のケアが用意されています。移行期のケアには、病状の管理やリハビリテーションに加え、快適性、安全性、衛生状態、栄養状態などといった基本的なニーズに対応していくための支持的なサービスについてもその範囲内に含まれてきます。また、教育的、社会的、霊的、経済的ニーズに対する支援サービスが組み込まれることもあります。以下は、移行期間中の患者さんにおける、評価されたニーズに対応するためのケアの選択肢の一部です:

ケアを提供する場所


  • 病院。

  • 療養施設

  • リハビリテーションユニットまたはリハビリテーション施設。

  • 患者さんの自宅。

  • 家族介護者の自宅。

  • ホスピス
    • 場合により、ホスピス側が指定する入院施設や患者さんの自宅でのケアとなることもあります。

    (詳しい情報については、PDQ人生の最後の数日間に関する要約をご覧ください。)

介護者

医療専門家や他の介護者は1つのチームとして、自宅、医療施設、その他の状況における患者さんへのサービス提供を行います。このチームには以下のような専門家が参加します:


ケアを提供するためのプログラムには以下のものがあります:


医薬品支援


栄養面の支援

通常の食事が不可能となった場合には、補助栄養の経口投与、経管栄養、あるいは補助栄養の静脈内投与などが必要になってきます。(詳しい情報については、PDQのがん医療における栄養に関する要約をご覧ください。)

特殊機器

必要とされる機器の種類は、患者さんの状態に応じて異なります。一般的に必要とされる機器には以下のものがあります:


  • 医療器具(例えば、カテーテル、ドレナージチューブ、人工肛門用のバッグ)。

  • 補助具(車いす、歩行器、特注のベッドとマットレス)。

  • 体内に薬物を送り込むためのポンプ

  • 人工呼吸器(患者さんの呼吸を補助するための装置)。

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特殊な事情

患者さんのケアを自宅で行うことは、身体面と精神面の両方において、介護者の負担増大につながる可能性があります。

在宅ケアからくるストレスや責任は家族関係に悪影響を及ぼすこともあるため、この問題は慎重に考慮するべきです。在宅ケアを開始すると、家庭内の全員に日常生活の変化が生じてきます。そして多くの家庭が、生じた役割の変化に慣れていくまでに何らかの問題を抱えます。こうした問題に対しては、患者さんとその家族へのカウンセリングが有用となってきます。

痛みのコントロールは、在宅ケアを成功させる重要な要因です。鎮痛の投与は、患者さんの気持ちを和らげるために行われ、しばしばがんケアの一部となります。患者さんの症状、特に痛みをコントロールすることで、患者さんと介護者の双方にとってより対処しやすい状況が生まれます。そのため、家族や介護者が患者さんの快適さを維持するための鎮痛薬や他の治療法の使用について理解を示すことが重要です。

詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


在宅ケアを考慮する場合には以下のものを始めとした様々な因子の評価が行われます:


  • 提供するケアの種類。

  • 患者さんや介護者に必要とされる意思決定能力。

  • 必要な機器が自宅に設置できるかどうか。

  • 在宅ケアを家族だけで行うのかホームヘルパーの助けを借りるのかという点に関する、家族の能力と意向。

こうした評価を行うことで、その患者さんにとって在宅ケアが実行可能な選択肢であるかどうかが分かります。

移行期のケア計画を行うことは、必要なサービスやケアにかかる費用の支払方法を探す場合にも有用です。

医療保険、メディケア(米国の高齢者向け医療保険制度)、退役軍人恩給、メディケイド(米国の低所得者向け医療扶助制度)などによって、患者さんの医療費の一部が負担される場合があります。しかしながら、これらの保険や恩給には補償範囲に限度があり、患者さんは補償されない費用については他の支払い方法を検討せねばなりません。例えば、在宅ケアの費用の補償は一定の条件の下で一定期間のみに限られるのが通常です。

移行期のケア計画には、保険で補償されない分の治療費の支払い計画を支援してくれる地域の支援団体やプログラムなどを紹介することも含まれます。特定のケアのニーズに対しては、ソーシャルサービス機関を利用することができます。組織によっては、医療機器のレンタル(例えば、車いすや病院用ベッド)や、看護補助やハウスキーパーによる短期支援の提供、病院への送り迎えなどを行ってくれるところもあります。

Cancer Information Service(CIS)の各オフィスでは、米国各地で利用できるがん関連のサービスや支援プログラム、支援団体に関する情報を提供しています。

移行期のケアには、患者さんに対する職業相談が含まれる場合もあります。

がんの患者さんのなかには仕事への復帰を望む人も多くいます。がんの患者さんにとって、仕事には単に収入を得るということだけでなく、日常感覚を取り戻すという意義もあります。患者さんによっては、治療期間中にも職場に戻れるほど調子が良くなる場合もあります。一方で、治療が完了するまで待たなければならない患者さんもいます。障害のある患者さんや治療後も他の特別なケアを必要とする患者さんでは、以前の仕事に復帰することが不可能になる場合もあります。

職業面の問題を抱える患者さんを支援しているサービスを紹介してもらうことができます。こうしたサービスとしては、雇用相談、教育および技能訓練、補助技術と介護用具の調達と使用に関する支援などが挙げられます。

患者さんが職場に復帰したとしても、患者さんと何を話せばいいのか、あるいはがんを話題にすることを患者さんは望むのかなどで、同僚が戸惑ってしまうといった事態も生じてきます。そこで、がんに関する情報提供を患者さんの同僚に対して行っておけば、こうした移行を円滑なものにできます。

事前指示書は患者さんが携帯しておかなければなりません。

ケアの移行段階では、患者さんの事前指示書医療委任状永続的委任状などを適切な介護者に受け渡すべきです。この手続きを踏むことで、がんという疾患の全ての段階を通じて、また、ケアを受ける全ての場所を通じて、患者さんの希望が確実に周知されることになります。(この書類に関する情報については、法的評価法的評価のセクションをご覧ください。)

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終末期の判断

がんの患者さんに対するケアは、症状が現れて診断がついた時点から始まり、寛解期に入るか治癒に至るまで、もしくは患者さんが死亡するまで継続していきます。(詳しい情報については、PDQ人生の最後の数日間悲嘆、死別、喪失への対処に関する要約をご覧ください。)終末期に関する判断は、その必要性が出てくる前、できれば診断直後に行っておくべき事柄です。この問題について考えることは楽しいことでも簡単なことでもありませんが、動揺のなか重大な決断をしなければならない家族の精神的負担を考えれば、終末期のケア計画を前もって立てておくことは非常に重要といえます。

患者さんの考え方は人によって様々で、その人がもつ哲学や道徳観、宗教心、霊的背景などが反映されます。終末期の問題について何らかの考え方をもっている人は、それらが実際の終末期に実践されるようにするためにも、その感情を周囲の人に表明しておくべきです。しかし、繊細な問題であるためか、患者さんと家族や医師の間でこのような話し合いが行われることは少ないようです。話し合う時間なら後からでも十分にあると認識している人も多いようです。しかし、終末期の判断が必要となる場面で患者さんの希望を知らない人物が判断しなければならなくなるといった事態がよくみられます。患者さんはできるだけ早いうち(例えば、入院時)に医師や介護者と蘇生処置について話し合っておくべきで、後になってからでは自身で判断できなくなるという事態も生じてきます。ここで事前指示書を作成しておけば、自身の希望を前もって周囲に知らしめることが可能です。(この書類に関する情報については、法的評価法的評価のセクションをご覧ください。)

この問題では、ケアを受ける場所を自宅;病院、療養施設、またはホスピス;あるいはそれ以外の施設とするかを議論することが重要です。

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本要約の変更点(04/16/2014)

PDQ がん情報要約は定期的に見直され、新しい情報が利用可能になり次第更新されます。本セクションでは、上記の日付における本要約の最新変更点を記述しています。

本要約には編集上の変更が行われました。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、患者の入院から外来への移行に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中には標準治療が存在しない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

National Cancer Institute: PDQ® Transitional Care Planning. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Date last modified <MM/DD/YYYY>. Available at: http://cancer.gov/cancertopics/pdq/supportivecare/transitionalcare/Patient. Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのCoping with Cancer: Financial, Insurance, and Legal Informationページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのContact Formから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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本要約に関するご質問やご意見

本要約に関するご質問やご意見は、ウェブサイトのContact FormよりCancer.govにお送りください。ご質問等は英語でお書きください。英語以外ではお答えできません。

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