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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児胸膜肺芽腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2019-10-03
    翻訳更新日 : 2019-12-25


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児胸膜肺芽腫の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

胸膜肺芽腫の種類

胸膜肺芽腫は、まれできわめて侵攻性の肺悪性腫瘍であり、肺または胸膜の腫瘤として現れることがある。ほとんどの症例で、胸膜肺芽腫はDICER1遺伝子の生殖細胞変異と関係している。 International Pleuropulmonary Blastoma Registryは、このまれな悪性腫瘍に関する有益な情報源である。 [1] [2]

胸膜肺芽腫については以下の3つの亜型が同定されている:


  • I型:

    わずかに悪性の変化を伴う純粋な肺嚢胞性新生物で、典型的には2歳までに発症し予後良好である。I型腫瘍の診断時年齢中央値は生後8ヵ月で、わずかに男児に多くみられる。I型からIII型への進展が生じる;しかしながら、かなりの割合のI型病変は、II型およびIII型腫瘍に進行しない場合がある。 [2] [3]

    組織学的に、これらの腫瘍は良性上皮表面下にさまざまな数の原始的間葉細胞を伴う多房性嚢胞として現れ、半数の症例で骨分化を伴う。 [3] この病型は一部の発育性肺嚢胞と似ているために臨床的、病理学的に紛らわしい場合がある。


  • Ir型:

    原始的細胞要素を欠く純粋な嚢胞性腫瘍。rの指定は退縮または非増悪を意味する。Ir型は当初は胸膜肺芽腫患児の年長の同胞で認められたが、非常に幼い小児でもみられることがある。DICER1変異を有する比較的年長の患児または胸膜肺芽腫患者の近親者における肺嚢胞は、Ir型である可能性が最も高い。 [2]

    Pleuropulmonary Blastoma Registryの経験によると、ほとんどのI型およびIr型の嚢胞は、片側性(74%)で、半数が単一病巣性、55%が5cmより大きい。I型およびIr型の胸膜肺芽腫症例の最大30%で診断時に気胸がみられる場合がある。 [2]


  • II型:

    II型は嚢胞性および固形性の両要素を示す。固形領域には芽体性および肉腫性の特徴が混在している;症例のほとんどは横紋筋芽細胞を示し、軟骨分化を伴う結節がよくみられる。 [4]

    最大60%の症例に退形成がみられる。 [5] Pleuropulmonary Blastoma Registryにおいて、診断時年齢中央値は生後35ヵ月で、7%の症例で診断時に遠隔転移がみられる。 [2]


  • III型:

    純粋な固形新生物であり、前述の芽体性および肉腫性の要素を有し、70%の症例で退形成がみられる。 [5] [6] [7]

    Pleuropulmonary Blastoma Registryにおける診断時年齢の中央値は生後41ヵ月で、診断時に10%の患者に遠隔転移がみられる。 [2]


Pleuropulmonary Blastoma Registryにより、50年間にわたり中央診断で確定された350例の胸膜肺芽腫症例について報告された(表1を参照のこと)。 [2]

表1.胸膜肺芽腫の相対的割合および特徴a

I型 Ir型 II型 II/III型またはIII型
a出典:Messinger et al. [2]
胸膜肺芽腫症例の相対的割合 33% 35% 32%
生殖細胞DICER1変異の存在 62% 63% 75%
診断時年齢中央値(月齢) 8 47 35 41
5年全生存率 89% 100% 71% 53%



参考文献
  1. The International Pleuropulmonary Blastoma/DICER1 Registry. Minneapolis, Minn: Children's Hospitals and Clinics of Minnesota. Available online. Last accessed June 04, 2019.[PUBMED Abstract]

  2. Messinger YH, Stewart DR, Priest JR, et al.: Pleuropulmonary blastoma: a report on 350 central pathology-confirmed pleuropulmonary blastoma cases by the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. Cancer 121 (2): 276-85, 2015.[PUBMED Abstract]

  3. Hill DA, Jarzembowski JA, Priest JR, et al.: Type I pleuropulmonary blastoma: pathology and biology study of 51 cases from the international pleuropulmonary blastoma registry. Am J Surg Pathol 32 (2): 282-95, 2008.[PUBMED Abstract]

  4. Priest JR, McDermott MB, Bhatia S, et al.: Pleuropulmonary blastoma: a clinicopathologic study of 50 cases. Cancer 80 (1): 147-61, 1997.[PUBMED Abstract]

  5. Dehner LP, Messinger YH, Schultz KA, et al.: Pleuropulmonary Blastoma: Evolution of an Entity as an Entry into a Familial Tumor Predisposition Syndrome. Pediatr Dev Pathol 18 (6): 504-11, 2015 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  6. Priest JR, Hill DA, Williams GM, et al.: Type I pleuropulmonary blastoma: a report from the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. J Clin Oncol 24 (27): 4492-8, 2006.[PUBMED Abstract]

  7. Miniati DN, Chintagumpala M, Langston C, et al.: Prenatal presentation and outcome of children with pleuropulmonary blastoma. J Pediatr Surg 41 (1): 66-71, 2006.[PUBMED Abstract]

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予後因子

Pleuropulmonary Blastoma Registryで報告された患者350人の包括的解析では、次の2つの予後因子のみが確認された:胸膜肺芽腫の種類および診断時の転移病変の存在。 [1] (表1を参照のこと。)さらの3つの小規模なコホートのシリーズで、外科的完全切除を実施できる能力も予後因子として同定された。 [2] [3] [4]

生殖細胞DICER1変異の存在は、予後因子ではない。 [1]


参考文献
  1. Messinger YH, Stewart DR, Priest JR, et al.: Pleuropulmonary blastoma: a report on 350 central pathology-confirmed pleuropulmonary blastoma cases by the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. Cancer 121 (2): 276-85, 2015.[PUBMED Abstract]

  2. Indolfi P, Bisogno G, Casale F, et al.: Prognostic factors in pleuro-pulmonary blastoma. Pediatr Blood Cancer 48 (3): 318-23, 2007.[PUBMED Abstract]

  3. Bisogno G, Brennan B, Orbach D, et al.: Treatment and prognostic factors in pleuropulmonary blastoma: an EXPeRT report. Eur J Cancer 50 (1): 178-84, 2014.[PUBMED Abstract]

  4. Sparber-Sauer M, Seitz G, Kirsch S, et al.: The impact of local control in the treatment of type II/III pleuropulmonary blastoma. Experience of the Cooperative Weichteilsarkom Studiengruppe (CWS). J Surg Oncol 115 (2): 164-172, 2017.[PUBMED Abstract]

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危険因子

胸膜肺芽腫の3分の2に近い患者に生殖細胞DICER1変異が認められる。胸膜肺芽腫の患児の約3分の1の家系では、多数の異形成および/またはDICER1症候群を構成する腫瘍性疾患がみられる。 [1] [2] [3] ほとんどの変異キャリアが罹患していないことから、腫瘍リスクが軽微なことを示している。 [2]

DICER1生殖細胞変異は以下に関連している: [1] [2] [3] [4] [5]


  • 嚢胞性腎腫およびウィルムス腫瘍。胸膜肺芽腫症例の最大10%で、嚢胞性腎腫またはウィルムス腫瘍を発症することが報告されており、これらは最も重要な関連悪性腫瘍である。これらの腫瘍も家系員で有病率が高い。 [6]

  • 卵巣の性索間質性腫瘍(特にセルトリ-ライディッヒ細胞腫)。

  • 多発結節性甲状腺腫。

  • 子宮頸部の胎児型横紋筋肉腫。

  • 鼻腔軟骨中皮性過誤腫。

  • 腎肉腫。

  • 肺分画症。

  • 若年性腸管ポリープ。

  • 毛様体髄上皮腫。

  • 髄芽腫。

  • 松果体芽腫。

  • 下垂体芽腫。

  • セミノーマ。

各病態に関連するDICER1変異の浸透度は十分に解明されていないが、肺嚢胞、胸膜肺芽腫、および甲状腺結節は機能喪失型変異を有する個人において最も一般的に報告されている症状である。 [5] ほとんどの関連疾患は10歳未満の小児に生じるが、卵巣腫瘍および多発結節性甲状腺腫は小児および30歳までの成人で報告されている。 [3] [5] サーベイランスおよびスクリーニングの推奨が提案されている。 [5]


参考文献
  1. Hill DA, Ivanovich J, Priest JR, et al.: DICER1 mutations in familial pleuropulmonary blastoma. Science 325 (5943): 965, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. Slade I, Bacchelli C, Davies H, et al.: DICER1 syndrome: clarifying the diagnosis, clinical features and management implications of a pleiotropic tumour predisposition syndrome. J Med Genet 48 (4): 273-8, 2011.[PUBMED Abstract]

  3. Foulkes WD, Bahubeshi A, Hamel N, et al.: Extending the phenotypes associated with DICER1 mutations. Hum Mutat 32 (12): 1381-4, 2011.[PUBMED Abstract]

  4. Schultz KA, Pacheco MC, Yang J, et al.: Ovarian sex cord-stromal tumors, pleuropulmonary blastoma and DICER1 mutations: a report from the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. Gynecol Oncol 122 (2): 246-50, 2011.[PUBMED Abstract]

  5. Schultz KAP, Williams GM, Kamihara J, et al.: DICER1 and Associated Conditions: Identification of At-risk Individuals and Recommended Surveillance Strategies. Clin Cancer Res 24 (10): 2251-2261, 2018.[PUBMED Abstract]

  6. Boman F, Hill DA, Williams GM, et al.: Familial association of pleuropulmonary blastoma with cystic nephroma and other renal tumors: a report from the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. J Pediatr 149 (6): 850-854, 2006.[PUBMED Abstract]

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サーベイランス

他のがん素因疾患に関して、DICER1変異を有する個人にスクリーニングを実施する前に考慮しなければならない因子には、各疾患の典型的な発症時年齢、早期発見の潜在的有益性、およびスクリーニング方法のリスクと利用可能性がある。International Pleuropulmonary Blastoma Registryにより招集されたコンセンサスパネルで、サーベイランスのためのガイドラインが提案されている。画像検査に基づくサーベイランスに加えて、個人と家族は各来院時にDICER1関連疾患の潜在的な徴候および症状についてカウンセリングを受け、適切な年齢特異的および性別特異的な予防的スクリーニング検査を受けることができる(図1を参照)。 [1]

図1.DICER1病原性多様体を有する個人に関して示唆される症状および徴候ならびに画像サーベイランス(器官別)。出典:Clinical Cancer Research, Copyright 2018, Volume 20/Issue 10, Pages 2251–2261, Kris Ann P. Schultz, Gretchen M. Williams, Junne Kamihara, et al.: DICER1 and Associated Conditions: Identification of At-risk Individuals and Recommended Surveillance Strategies, with permission from AACR.


参考文献
  1. Schultz KAP, Williams GM, Kamihara J, et al.: DICER1 and Associated Conditions: Identification of At-risk Individuals and Recommended Surveillance Strategies. Clin Cancer Res 24 (10): 2251-2261, 2018.[PUBMED Abstract]

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臨床像

主症状は特異的ではなく、一般的に以下のものを含む:


  • 呼吸窮迫。

  • 発熱。

  • 胸痛。

腫瘍は、一般に末梢肺に局在しているが、心臓/大血管、縦隔、横隔膜、および/または胸膜への転移により肺外に現れることもある。 [1] [2] 腫瘍性塞栓症は既知のリスクであり、命に関わることがある塞栓合併症を特定するために、中心循環のX線評価を実施する。 [3]


参考文献
  1. Indolfi P, Bisogno G, Casale F, et al.: Prognostic factors in pleuro-pulmonary blastoma. Pediatr Blood Cancer 48 (3): 318-23, 2007.[PUBMED Abstract]

  2. Bisogno G, Brennan B, Orbach D, et al.: Treatment and prognostic factors in pleuropulmonary blastoma: an EXPeRT report. Eur J Cancer 50 (1): 178-84, 2014.[PUBMED Abstract]

  3. Priest JR, Andic D, Arbuckle S, et al.: Great vessel/cardiac extension and tumor embolism in pleuropulmonary blastoma: a report from the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. Pediatr Blood Cancer 56 (4): 604-9, 2011.[PUBMED Abstract]

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小児胸膜肺芽腫の治療

標準治療法の選択肢は存在しない。これらのまれな腫瘍に対する現在の治療レジメンの情報はコンセンサスを得た見解からもたらされている。

小児胸膜肺芽腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 補助化学療法。

治癒には外科的完全切除が必要である。 [1]

International Pleuropulmonary Blastoma RegistryおよびEuropean Cooperative Study Group in Pediatric Rare Tumors(EXPeRT)のデータによれば、補助化学療法により再発リスクが低下しうることが示唆される。 [2] ; [3] [証拠レベル:3iiiA]化学療法については、横紋筋肉腫の治療に用いる薬剤とほぼ同じものの奏効例が報告されている。 [2] [3] [4]

International Pleuropulmonary Blastoma Registryから一般的な治療上の考慮事項がいくつか得られ、以下のものがある: [2] [5]

  1. I型およびIr型:

    I型およびIr型の胸膜肺芽腫には、手術が選択される治療法である。Pleuropulmonary Blastoma Registryのシリーズでは、5年無病生存(DFS)および全生存率(OS)がそれぞれ82%および91%であった。症例の約10%が手術後にII型またはIII型へ進行することがあるが、補助化学療法は進行および生存の割合に影響を及ぼさないと考えられる。 [2] [3]
  2. II型およびIII型:

    II型およびIII型の胸膜肺芽腫には、集学的肉腫治療アプローチが推奨され、通常は横紋筋肉腫のレジメンを含めた先行手術または待機的手術のいずれかである。 [2] [3] [6] アントラサイクリン系薬物を含むレジメンが優れていると考えられる。 [3] 5年DFS率およびOS率は、II型でそれぞれ59%および71%、III型でそれぞれ37%および53%であった。 [2] 放射線療法の役割はまだ十分に確定していない。International Pleuropulmonary Blastoma Registryのシリーズで、放射線療法の使用は生存に影響を及ぼさなかったが、II型およびIII型の患者で放射線療法を受けたのはわずか20%であった。 [2] 再燃の約50%が脳に発生する。 [2]

参考文献
  1. Indolfi P, Bisogno G, Casale F, et al.: Prognostic factors in pleuro-pulmonary blastoma. Pediatr Blood Cancer 48 (3): 318-23, 2007.[PUBMED Abstract]

  2. Messinger YH, Stewart DR, Priest JR, et al.: Pleuropulmonary blastoma: a report on 350 central pathology-confirmed pleuropulmonary blastoma cases by the International Pleuropulmonary Blastoma Registry. Cancer 121 (2): 276-85, 2015.[PUBMED Abstract]

  3. Bisogno G, Brennan B, Orbach D, et al.: Treatment and prognostic factors in pleuropulmonary blastoma: an EXPeRT report. Eur J Cancer 50 (1): 178-84, 2014.[PUBMED Abstract]

  4. Venkatramani R, Malogolowkin MH, Wang L, et al.: Pleuropulmonary blastoma: a single-institution experience. J Pediatr Hematol Oncol 34 (5): e182-5, 2012.[PUBMED Abstract]

  5. The International Pleuropulmonary Blastoma/DICER1 Registry. Minneapolis, Minn: Children's Hospitals and Clinics of Minnesota. Available online. Last accessed June 04, 2019.[PUBMED Abstract]

  6. Sparber-Sauer M, Seitz G, Kirsch S, et al.: The impact of local control in the treatment of type II/III pleuropulmonary blastoma. Experience of the Cooperative Weichteilsarkom Studiengruppe (CWS). J Surg Oncol 115 (2): 164-172, 2017.[PUBMED Abstract]

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小児感覚神経芽腫に対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

米国国立がん研究所(NCI)が支援している臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトに掲載されている。他の組織がスポンサーの臨床試験に関する情報については、ClinicalTrials.govウェブサイトを参照のこと。

以下は、現在実施されている全米および/または施設の臨床試験の例である:


  • APEC1621(NCT03155620)

    (Pediatric MATCH試験:再発または難治性進行固形腫瘍、非ホジキンリンパ腫、または組織球性疾患を有する小児患者の治療において遺伝子検査の結果に基づいて行う分子標的療法)

    NCI-COG Pediatric Molecular Analysis for Therapeutic Choice(MATCH、Pediatric MATCH試験と呼ばれる)では、難治性および再発固形腫瘍における160以上の遺伝子の4,000以上の変異を標的として次世代シークエンシングで同定された特異的な分子遺伝学的変化と標的薬物が照合される。1~21歳の小児および青年が試験に適格である。

    分子生物学的な検討のために、進行または再発した病変から腫瘍の組織を得る必要がある。この試験で治療の対象とされている分子遺伝学的なvariant(多様体ないしバリアント)が認められる腫瘍を有する患者には、Pediatric MATCHでの治療が提案される。NCIウェブサイトおよびClinicalTrials.govウェブサイトで追加の情報が入手できる。


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小児がん治療に関する特別な考慮事項

小児および青年におけるがんはまれであるが、小児がんの全発生率は1975年以降徐々に増加している。 [1] 小児および青年のがん患者については、小児期および青年期に発生するがんの治療経験を有するがん専門家から構成される集学的チームのある医療機関への紹介を検討すべきである。この集学的チームのアプローチとは、至適生存期間および至適QOLを得られるような治療、支持療法、およびリハビリテーションを小児が必ず受けられるようにするため、以下に示す医療専門家の技術を集結したものである:


  • プライマリケア医。

  • 小児外科医。

  • 放射線腫瘍医。

  • 小児内科腫瘍医/血液専門医。

  • リハビリテーション専門家。

  • 小児専門看護師。

  • 社会福祉士。

  • チャイルドライフ専門家。

  • 心理士。

(小児および青年のがんの支持療法に関する具体的な情報については、PDQの支持療法および緩和ケアの要約を参照のこと。)

米国小児科学会によって、小児がん施設とそれらが小児がん患者の治療において担う役割に関するガイドラインが概説されている。 [2] このような小児がん施設では、小児および青年に発症するほとんどの種類のがんに関する臨床試験が行われており、大半の患者およびその家族に参加する機会が与えられている。小児および青年のがんに関する臨床試験は一般に、現在標準とされている治療法と、それより効果的であると思われる治療法とを比較するようデザインされる。小児がんの治癒を目指した治療法の進歩の大部分は、このような臨床試験によって達成されたものである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

小児および青年のがん患者の生存において、劇的な改善が達成されている。1975年から2010年の間に、小児がんの死亡率は50%以上低下した。 [3] 小児および青年のがん生存者では、治療から数ヵ月または数年経過後もがん療法の副作用が持続または発現することがあるため、綿密なモニタリングが必要である。(小児および青年のがん生存者における晩期合併症(晩期障害)の発生率、種類、およびモニタリングに関する具体的な情報については、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関するPDQ要約を参照のこと。)

小児がんはまれな疾患であり、米国において20歳未満で診断される症例は年間約15,000例である。 [4] 米国の2002年希少疾患対策法(Rare Diseases Act of 2002)では、希少疾患を罹患者が20万人未満の疾患と定めている。そのため、小児がんはすべて希少疾患とみなされる。

まれな腫瘍の指定は小児および成人のグループ間で統一されていない。成人のまれながんは、年間発生率が10万人当たり6例未満のがんとして定義され、欧州連合で診断されるすべてのがんの最大24%および米国で診断されるすべてのがんの約20%を占めていると推定される。 [5] [6] また、小児のまれな腫瘍の指定は、以下に示すように国際的グループ間で統一されていない:


  • イタリアの小児にまれな腫瘍に関する共同プロジェクト(Tumori Rari in Eta Pediatrica [TREP])では、小児にまれな腫瘍を年間発生率が100万人当たり2例未満で、他の臨床試験の対象とならない腫瘍と定義している。 [7]

  • 小児腫瘍学グループはまれな小児がんについて、International Classification of Childhood CancerのサブグループXIにリスト化されているものと定義することを選択しており、その中には、甲状腺がん、黒色腫および非黒色腫皮膚がん、および多種類のがん腫(例、副腎皮質がん、上咽頭がん、乳がんおよび大腸がんなどのほとんどの成人型のがん腫)がある。 [8] これらの診断は、0~14歳の小児に診断されるがんの約4%を占めるのに対し、15~19歳の青年に診断されるがんでは約20%を占める。 [9]

    サブグループXI内のがんのほとんどは黒色腫または甲状腺がんのいずれかであり、サブグループXIの残りのがんの種類は、0~14歳の小児がんの1.3%および15~19歳の青年のがんの5.3%を占めるに過ぎない。


このようなまれながんは、個々の診断を受ける患者の発生率が低いこと、青年集団にまれながんが多いこと、およびまれながんの青年についての臨床試験が行われていないことから、研究がきわめて困難である。


参考文献
  1. Smith MA, Seibel NL, Altekruse SF, et al.: Outcomes for children and adolescents with cancer: challenges for the twenty-first century. J Clin Oncol 28 (15): 2625-34, 2010.[PUBMED Abstract]

  2. Corrigan JJ, Feig SA; American Academy of Pediatrics: Guidelines for pediatric cancer centers. Pediatrics 113 (6): 1833-5, 2004.[PUBMED Abstract]

  3. Smith MA, Altekruse SF, Adamson PC, et al.: Declining childhood and adolescent cancer mortality. Cancer 120 (16): 2497-506, 2014.[PUBMED Abstract]

  4. Ward E, DeSantis C, Robbins A, et al.: Childhood and adolescent cancer statistics, 2014. CA Cancer J Clin 64 (2): 83-103, 2014 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]

  5. Gatta G, Capocaccia R, Botta L, et al.: Burden and centralised treatment in Europe of rare tumours: results of RARECAREnet-a population-based study. Lancet Oncol 18 (8): 1022-1039, 2017.[PUBMED Abstract]

  6. DeSantis CE, Kramer JL, Jemal A: The burden of rare cancers in the United States. CA Cancer J Clin 67 (4): 261-272, 2017.[PUBMED Abstract]

  7. Ferrari A, Bisogno G, De Salvo GL, et al.: The challenge of very rare tumours in childhood: the Italian TREP project. Eur J Cancer 43 (4): 654-9, 2007.[PUBMED Abstract]

  8. Pappo AS, Krailo M, Chen Z, et al.: Infrequent tumor initiative of the Children's Oncology Group: initial lessons learned and their impact on future plans. J Clin Oncol 28 (33): 5011-6, 2010.[PUBMED Abstract]

  9. Howlader N, Noone AM, Krapcho M, et al., eds.: SEER Cancer Statistics Review, 1975-2012. Bethesda, Md: National Cancer Institute, 2015. Also available online. Last accessed June 04, 2019.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(10/03/2019)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約が新たに追加された。

本要約はPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児胸膜肺芽腫の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

小児胸膜肺芽腫の治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Pleuropulmonary Blastoma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/lung/hp/child-pleuropulmonary-blastoma-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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