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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

非中枢神経系がんの成人における認知障害(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-03-29
    翻訳更新日 : 2018-05-18


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がんの成人における認知障害について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は、編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

がん生存者における認知障害に関する一般情報

がん生存者は、認知障害に関連する予測を上回る数の症状を経験する。 [1] 正式な神経心理学検査では、健康な対照被験者との比較において一部の生存者に一連の客観的認知障害があることが示されているが、症状を報告したすべての生存者で示されているわけではない;そのような障害には、記憶力の問題、集中力の障害、情報処理速度の低下、および実行機能の低下などがある。 [1] [2] [3] さらに、認知障害の主観的報告は正式な神経心理学検査の結果との相関がみられないことが多い。 [4] [5] 年齢、既存の認知機能、がんの種類、化学療法の種類、および認知障害の自然史などの、主観的または客観的な認知障害の危険因子は現在も活発な研究の対象となっている。

腫瘍科の臨床医は、客観的または主観的な認知障害を生じた生存者を治療する際に、以下について考慮するよう助言される:


  • 異常は「集団の平均からの有意な逸脱」と定義されるため、正式な神経心理学検査は診断前または治療前の認知機能からの微妙な変化に対する感度が高くない場合がある。

  • 認知障害についての患者の主観的報告と日常機能の低下 [6] または生活の質の低下 [7] との間には強い相関がある。

  • 認知障害が心理的苦痛に影響を与えているのか、認知障害が心理的苦痛の徴候なのかは不明である。 [4] 認知障害が不安や抑うつ [6] [8] [9] 、否定的情動性の人格特性 [10] 、および自己で認知した治療負担 [8] などの否定的情動状態と関連していることが諸研究から示されている。

  • がんに関連する認知障害を有する患者の治療によって示されている有益性はわずかから若干程度である。このため、思いやりのある態度で患者の懸念を認めることと支持的アプローチが不可欠である。


参考文献
  1. Jean-Pierre P, Winters PC, Ahles TA, et al.: Prevalence of self-reported memory problems in adult cancer survivors: a national cross-sectional study. J Oncol Pract 8 (1): 30-4, 2012.[PUBMED Abstract]

  2. Vardy JL, Dhillon HM, Pond GR, et al.: Cognitive Function in Patients With Colorectal Cancer Who Do and Do Not Receive Chemotherapy: A Prospective, Longitudinal, Controlled Study. J Clin Oncol 33 (34): 4085-92, 2015.[PUBMED Abstract]

  3. Scherwath A, Schirmer L, Kruse M, et al.: Cognitive functioning in allogeneic hematopoietic stem cell transplantation recipients and its medical correlates: a prospective multicenter study. Psychooncology 22 (7): 1509-16, 2013.[PUBMED Abstract]

  4. Pullens MJ, De Vries J, Roukema JA: Subjective cognitive dysfunction in breast cancer patients: a systematic review. Psychooncology 19 (11): 1127-38, 2010.[PUBMED Abstract]

  5. Hutchinson AD, Hosking JR, Kichenadasse G, et al.: Objective and subjective cognitive impairment following chemotherapy for cancer: a systematic review. Cancer Treat Rev 38 (7): 926-34, 2012.[PUBMED Abstract]

  6. Shilling V, Jenkins V: Self-reported cognitive problems in women receiving adjuvant therapy for breast cancer. Eur J Oncol Nurs 11 (1): 6-15, 2007.[PUBMED Abstract]

  7. Von Ah D, Habermann B, Carpenter JS, et al.: Impact of perceived cognitive impairment in breast cancer survivors. Eur J Oncol Nurs 17 (2): 236-41, 2013.[PUBMED Abstract]

  8. Hermelink K, Küchenhoff H, Untch M, et al.: Two different sides of 'chemobrain': determinants and nondeterminants of self-perceived cognitive dysfunction in a prospective, randomized, multicenter study. Psychooncology 19 (12): 1321-8, 2010.[PUBMED Abstract]

  9. Hermelink K, Untch M, Lux MP, et al.: Cognitive function during neoadjuvant chemotherapy for breast cancer: results of a prospective, multicenter, longitudinal study. Cancer 109 (9): 1905-13, 2007.[PUBMED Abstract]

  10. Watson D, Pennebaker JW: Health complaints, stress, and distress: exploring the central role of negative affectivity. Psychol Rev 96 (2): 234-54, 1989.[PUBMED Abstract]

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正常な認知

認知とは、思考、経験、および感覚を通じて知識および理解を獲得する精神的過程のことである。以下に要約する認知機能の6つの領域は、神経認知疾患の病因および重症度を確立するのに役立つよう、精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)で提案されたものである。 [1]


  • 注意力および集中力:

    気を散らすものを無視しつつ、関連性のある情報、思考、および行動を選別する能力;および長期間にわたり注意力を維持する能力。

  • 実行機能:

    仮説を立てて練り、計画を立案し、意思決定を行う能力。

  • 情報処理速度:

    情報を迅速かつ効率的に処理する能力。

  • 視空間技能:

    物体が空間のどこにあるかに関する視覚情報を処理、解釈する能力。

  • 言語:

    口頭または書かれた物のいずれかで、記号情報を理解、伝達する能力。

  • 学習および記憶:

    新情報を獲得する能力;および新情報を、短期または長期のいずれかで蓄え、想起する能力。

これらの領域は相互依存的なものであり、またいかなる提案された分類法も暫定的なものであり、評価で使用される特定の神経心理学検査によって異なる。さらに、発表済みの諸研究では、どの尺度を組み合わせて単一スコアとするのか、および障害のカットオフ値とするのかについて不均一性がある。これらの領域はがん患者が体験する懸念の範囲をかなりよく捕捉しているものの、注意深い病歴聴取または正式な検査を通じて具体的な障害を明らかにすることが重要である。さらに、尺度および定義の違いのために研究間の比較が妨げられている。


参考文献
  1. Sachdev PS, Blacker D, Blazer DG, et al.: Classifying neurocognitive disorders: the DSM-5 approach. Nat Rev Neurol 10 (11): 634-42, 2014.[PUBMED Abstract]

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認知障害に関する患者報告への対応

がん患者は以下の困難を経験することがある:


  • マルチタスクが困難; 一度に一つに集中しなければならない。

  • 集中困難。

  • 物忘れ。

  • 作業に集中できないこと。

  • 指示に従うことの困難。

  • 個人的財務を処理する能力の低下。

  • 解体した行動または思考。

  • 自発性の低下。

  • 一般的な単語を覚えることや名前を思い出すことの困難。

  • 見慣れた物を認識できないこと。

  • 知覚変容。

  • 言葉を選ぶのが困難。

患者を正式な神経心理学検査に紹介する前に、腫瘍科の臨床医は患者の経験に対する薬剤および医学的併存症の潜在的寄与について完全な評価を行うことができる。がんの診断または治療を受ける前の既存の疾患が患者の認知障害に寄与している可能性があるということは十分に確立されている。 [1] 認知障害を示唆する症状または懸念を報告する患者では、可逆的な可能性のある原因の評価および適切な措置を講じることが有益となる場合がある。潜在的な寄与因子には以下のものがある:


  • 年齢。

  • 虚弱。 [2] [3]

  • 薬剤およびその副作用。

  • ホルモン状態および閉経状況。

  • 情動的苦痛および/または抑うつ症状および不安。

  • 疼痛、疲労、および睡眠障害などの症状の負担。

  • 併存症。

  • アルコールまたは認知を変容させる他の薬物の使用。

生存者体験の確認

がん治療後の認知的変化の体験は定性的研究で報告されている。 [4] [5] [6] [7] 生存者により報告された懸念には、記憶障害、集中力の欠如、雇用を含む日常活動で機能する能力の低下などがある。 [4] 生存者は医療提供者の認識不足についてフラストレーションを表し、この問題が生じる可能性について早い段階で知らせてもらう必要性およびこの問題を体験した際に確認を行う必要性を表明した。 [5] [6] 患者は、このような微妙な精神的変化が広く認められており、かつ予想されるものである場合、気持ちが落ち着くことがわかった。医師からの対応で最も役に立たなかったのは変化の軽視および/または変化を深刻に受け取らないことであった。 [5]

認知障害の主観的報告の評価

あらゆる患者報告の症状および徴候とともに、徹底的な評価が認知障害の原因を確定し、症状を反転させる、または患者を安定させるための可能性のある介入を明らかにするのに役立つ。焦点を絞った病歴聴取および身体診察では以下の評価を行う:


  • 学業成績、仕事に関する責任、および発症前の機能などのベースラインの認知機能の測定。

  • 年齢;がんの種類および病期;ならびに最後の治療以降の期間および治療で使用された薬剤を含む治療歴などの潜在的危険因子に基づく認知障害の可能性。

  • 処方薬および市販薬およびサプリメントの使用または誤用。

  • 局所神経脱落症状。限局性の運動障害または失語症もしくは失行症などの個別の皮質性欠損はがん関連認知障害ではまれである。 [8]

  • 脳、髄膜、または両方への転移病変の徴候。

脳への転移がんなどの、がんまたはその治療による特定の合併症の懸念がない限り、神経画像検査のルーチンの使用は正当化されない。


参考文献
  1. Mandelblatt JS, Stern RA, Luta G, et al.: Cognitive impairment in older patients with breast cancer before systemic therapy: is there an interaction between cancer and comorbidity? J Clin Oncol 32 (18): 1909-18, 2014.[PUBMED Abstract]

  2. Mandelblatt JS, Jacobsen PB, Ahles T: Cognitive effects of cancer systemic therapy: implications for the care of older patients and survivors. J Clin Oncol 32 (24): 2617-26, 2014.[PUBMED Abstract]

  3. Mandelblatt JS, Clapp JD, Luta G, et al.: Long-term trajectories of self-reported cognitive function in a cohort of older survivors of breast cancer: CALGB 369901 (Alliance). Cancer : , 2016.[PUBMED Abstract]

  4. Myers JS: Chemotherapy-related cognitive impairment: the breast cancer experience. Oncol Nurs Forum 39 (1): E31-40, 2012.[PUBMED Abstract]

  5. Boykoff N, Moieni M, Subramanian SK: Confronting chemobrain: an in-depth look at survivors' reports of impact on work, social networks, and health care response. J Cancer Surviv 3 (4): 223-32, 2009.[PUBMED Abstract]

  6. Von Ah D, Habermann B, Carpenter JS, et al.: Impact of perceived cognitive impairment in breast cancer survivors. Eur J Oncol Nurs 17 (2): 236-41, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. Munir F, Burrows J, Yarker J, et al.: Women's perceptions of chemotherapy-induced cognitive side affects on work ability: a focus group study. J Clin Nurs 19 (9-10): 1362-70, 2010.[PUBMED Abstract]

  8. Wefel JS, Witgert ME, Meyers CA: Neuropsychological sequelae of non-central nervous system cancer and cancer therapy. Neuropsychol Rev 18 (2): 121-31, 2008.[PUBMED Abstract]

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認知障害に対する事前のアプローチ

認知障害に関する患者の懸念に敬意と思いやりをもって対応することに加え、腫瘍科の臨床医は患者に認知障害のリスクについてどのように伝えることが最善なのか、またすべての患者についてルーチンでスクリーニングを行うべきなのか、または比較的リスクの高い患者にスクリーニングを限定するべきなのかという問題に直面する。

認知障害のリスクに関する教育

がん生存者との詳細な面接により、がん生存者に対する認知障害教育用として利用できるリソースがほとんどないことが明らかとなった。 [1] 生存者が望む情報の量は広範なものから簡便で一般的なものまでさまざまである。 [2] 情報提供の最適な方法も明らかではなかった。患者および生存者は自分が受け取った、治療および副作用に関する書面の情報量に圧倒された感情を報告した;情報を提供する医療提供者と、リラックスした、急がない方法で、自らの望む学習法について話し合いたいという希望を表明する患者もいた。

ある研究で、化学療法を認知障害の経験と関連づけるために患者に前もって教えることの影響について検討が行われた。がんのウェブサイトを通じ、研究者は化学療法を受けていた、または受けたことのあるがん患者150人および化学療法の経験のない患者86人を募集した。 [3] 志願者に、個々の患者に対するがん治療の影響に関する研究への参加を要請し、彼らを、中立的案内または「化学療法による治療を受けた患者の中には認知障害を経験する人もいる」旨の情報を前もって提供する案内のいずれかにランダムに割り付けた。

この研究では、前もっての情報提供と化学療法の施行歴の間に関連性が認められた;化学療法を受けた経験があり、前もって情報提供を受けた患者は比較的高いレベルの認知障害を報告した。 [3] 志願者は化学療法と認知障害の間の関係についてよく知っていたが、その関係について前もって知っていたことが自己報告の認知的愁訴および神経心理学検査の成績に影響を及ぼすことはなかった。このような研究結果は、検査環境がアーチファクトをもたらした可能性を提起している。

認知障害について患者を教育するための至適手段および内容については確立されていない。インフォームド・コンセントの原則が適用される:腫瘍科の臨床医は、個人の自律性を尊重する形で患者にリスクについて伝える必要がある。

スクリーニング

認知障害に対するルーチンのスクリーニングに関する大規模研究は発表されていない。問題の1つは、複数の領域を正確に評価することのできる認知機能の簡易測定法がないことである。 [4] 患者が報告するアウトカム尺度(例、Patient-Reported Outcomes Measurement Information System 8-item scale;Functional Assessment of Cancer Therapy—Cognitive Function)が有用となる可能性があるものの、さらなる研究が必要である。さらなる問題は、多くの患者で介入を行うことなく懸念が発生し、解消するまでの時間が不定であることを踏まえた、スクリーニング活動のタイミングである。


参考文献
  1. Myers JS: Chemotherapy-related cognitive impairment: the breast cancer experience. Oncol Nurs Forum 39 (1): E31-40, 2012.[PUBMED Abstract]

  2. Boykoff N, Moieni M, Subramanian SK: Confronting chemobrain: an in-depth look at survivors' reports of impact on work, social networks, and health care response. J Cancer Surviv 3 (4): 223-32, 2009.[PUBMED Abstract]

  3. Schagen SB, Das E, Vermeulen I: Information about chemotherapy-associated cognitive problems contributes to cognitive problems in cancer patients. Psychooncology 21 (10): 1132-5, 2012.[PUBMED Abstract]

  4. Wefel JS, Vardy J, Ahles T, et al.: International Cognition and Cancer Task Force recommendations to harmonise studies of cognitive function in patients with cancer. Lancet Oncol 12 (7): 703-8, 2011.[PUBMED Abstract]

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認知障害の有病率、危険因子、および自然史に関する調査研究

認知障害について複数の調査研究が発表されている。本セクションでは、メタアナリシス、系統的レビュー、およびその後発表された個々の研究の主要知見について要約する。

International Cognition and Cancer Task Force(ICCTF)は発表された研究についていくつかの方法論的相違または欠点を明らかにしている: [1] [2]


  • 研究に登録された患者が主観的懸念を抱いていたのか、または正式な検査を受ける予定で募集されたのか。

  • 治療前の認知障害の評価およびベースラインの機能がどのように考慮されたかについての研究間の相違。

  • 選択された測定方法、認知領域の定義、および障害の定義などの、客観的神経心理学検査の相違。

ICCTFは、研究者が事前に認知的エンドポイントを定義し、妥当性が検証された主な神経心理学検査を使用し、認知障害についての一般的基準を採用し、縦断的デザインを使用し、対照集団を用いることを推奨している。 [1] [2]

メタアナリシスおよび系統的レビュー

乳がん患者における主観的認知的懸念

ある研究者グループにより、1960年から2009年4月に発表された乳がん患者における主観的認知障害についての研究が27件確認された。 [3] 質の高い研究は8件のみであった。主観的懸念を報告した患者の割合は21~90%の範囲にわたっていた。主観的懸念と客観的所見間の相関性は認められず、タイミングおよび寄与についての疾患と受けた治療の比較に関する決定的情報は得られなかった。

主観的懸念は健康状態、疲労、および心理的苦痛と関連していた。著者らは、このような主観的懸念は客観的認知障害ではなく、不安または抑うつのマーカーである可能性があることを指摘している。 [3]

主観的懸念および客観的所見の関係

1980年から2012年に発表された主観的認知的懸念および客観的認知障害の率を比較した研究を求める包括的選抜により24件の研究が得られた。 [4] 24件の研究のうち、有意な相関を示したのは8件のみであり、そのうち6件は乳がん患者を対象としたものであった。著者らは、相関が認められないことは方法論的なもの(評価法の違い、重大な障害についての定義の違い)であるか、主観的懸念が心理的苦痛の徴候である可能性により説明されうることを指摘している。

乳がん生存者における認知障害のメタアナリシス

ある研究者グループが、研究の前に6ヵ月以上にわたり治療を受けていた乳がん患者の女性における神経心理学検査の結果を報告した研究のデータに関するメタアナリシスを実施した。 [5] 研究者は807人の患者を対象とする17件の研究を同定した;化学療法終了後の平均期間は2.9年であった。研究対象の認知領域の加重平均効果量は、言語能力(効果量、–0.19;95%信頼区間[CI]、–0.30-–0.07;P = 0.002)および視空間能力(効果量、–0.27;95%CI、–0.45-–0.08;P = 0.006)で若干の障害を示した。

がん患者における化学療法および認知障害

ある研究者グループが2010年およびそれ以前に発表された13件の質の高い研究のデータに基づいて効果量を計算した。 [6] 研究への主な組み入れ基準は、一次データ、効果量の計算を可能とする統計学的記載、および対照群のある報告であった;心理的苦痛を抱いていた患者を含む研究は除外された。

いくつかの領域が影響を受けたが、その効果量は小さかった。影響を受けた領域には実行機能(効果量、-0.27)、記憶(効果量、-0.21)、ならびに言語機能および言語技能(効果量、-0.17)があった。構成(描いたり、組み立てたりする能力)、概念形成、推論、知覚、および見当識と注意力について有意ではない効果量が認められた。

著者らは、化学療法を受けた患者の能力が、他の種類の治療を受けた群、治療を受けなかった群、または健常者と比べて悪いという一貫した、しかし普遍的ではない傾向を認めている。さらに、治療期間の長さは障害の増加と関連しており、治療終了後の期間の長さは改善と関連していた。 [6]

前立腺がんに対するアンドロゲン遮断療法を受けた男性における客観的認知障害

研究者らは、PubMed、Medline、PsycINFO、Cochrane Library、およびWeb of Knowledge/Scienceを検索することで、1950年から2012年6月に発表された関連性のある可能性のある論文157編から14件の質の高い研究を同定した。 [7] 研究の組み入れ基準は、適切な対照群、ベースラインの測定値、および客観的神経心理学検査の使用であった。11件は縦断研究であった;著者らは3件の横断研究を対象とした。

結果について効果量が計算された。検出された唯一の有意な効果は視覚運動能力についてのものであった。研究対象とされた以下の他の領域に対して識別可能な否定的効果は認められなかった;注意力/作業記憶、実行機能、言語、言語記憶、視覚記憶、および視覚空間能力。 [7]

個々の調査研究

補助療法を受けた早期乳がん患者の正式な神経心理学検査

数件の研究が、化学療法を受ける早期乳がん女性における認知障害の理解について関連している。

一連の神経心理学検査および心理検査を用い、研究者らは対照健常者および化学療法による治療を受けた(n = 60)または化学療法を受けなかった(n = 72)早期乳がん女性を、治療前およびその後1、6、18ヵ月目に評価した。 [8] 研究対象の主要アウトカムは処理速度であった。結果から、化学療法を受けた60歳以上の女性でベースラインの認知的予備力が低いほど、対照健常者および化学療法を受けなかった女性よりも処理速度のスコアが低いことが示された。これらの結果は加齢の研究での結果と一致するものである。 [9] 言語能力に対する影響も認められたが、これは6ヵ月後までに解消した。期間、年齢、および言語記憶、視覚記憶、作業記憶、分類、転導性、または反応時間についての認知的予備力間に実証可能な相互作用は認められなかった。 [8]

別の研究者グループが早期乳がんの66歳未満の女性60人に対し神経心理学的評価を実施した。 [10] 被験者は補助化学療法の各サイクルの前後に検査を受けた。目標は、用量反応関係を示唆する進行性の低下が認められるかどうかを検討することにあった。年齢および教育を一致させた健康な女性60人の対照コホートについて適切な間隔で検査を行った。著者らは作業記憶、処理速度、言語記憶、および視覚記憶において用量依存性の低下を認めた。 [10]

補助療法を受けている早期乳がん患者による主観的報告

研究者らは、乳がんの女性では2回—化学療法の前および3ヵ月後—および良性乳房疾患の女性では比較できる時期に、主観的認知機能(Cognitive Failures Questionnaireによる測定)および主観的認知機能に対する満足度(世界保健機関のQuality of Life instrumentの認知機能の側面による測定)を比較した。 [11] 主観的懸念の頻度については違いはなかったが、乳がん女性は自分の認知機能に対する満足度が低かった。心理的因子および診断が認知機能に対する満足度に影響を与えていた。

乳がん女性における自己報告の神経認知的症状

研究者は地域のがんクリニックから募集した乳がん患者581人を対象とした縦断研究を実施し、その結果を年齢をマッチさせた対照被験者と比較した。 [12] 患者と対照被験者は、化学療法を受ける前、化学療法の4週間後、および2回目の評価の6ヵ月後にFunctional Assessment of Cancer Therapy—Cognitive Function(FACT-Cog)を記入した。対照被験者は患者と同じ時間枠内で検査を受けた。関連する知見は以下の通りであった:


  • ベースライン時に、乳がん患者は、対照被験者よりも全般的な生活の質スコア(Functional Assessment of Cancer Therapy: General[FACT-G])による)が低かった。

  • FACT-Gの平均スコアは化学療法後の患者では低下したが、対照被験者では変化が見られなかった。

  • 患者では約半数が認知機能の低下を生じたのに対し、対照被験者では10%のみであった。

  • 全般的FACT-Cog尺度の低下の予測因子には読解スコアの低さ、抑うつ度の高さ、不安度の高さなどがあった。

  • 特定の下位スケールの低下の予測因子はさまざまであった。

早期結腸がん患者の縦断的正式神経心理学検査

研究者は、オキサリプラチン、ロイコボリン、および5-フルオロウラシル(FOLFOX4)の投与を受ける予定の早期結腸がん患者81人に対し正式な検査を施行し、化学療法前(n = 81)、化学療法後(n = 73)、および最終サイクルの化学療法終了から6ヵ月後(n = 54)に評価を実施した。 [13] 注意力および視覚運動能力、実行機能、言語記憶、および言語学習が評価された。

結果から、患者の3分の1超(37%)が化学療法を受ける前に処理速度および実行機能において認知障害を有することが示された。患者の半数超(56%)で言語記憶が低下した。6ヵ月後、患者の54%が改善していたが、33%は悪化していた。探索的解析によると、年齢が高いことおよび教育年数が少ないことが認知障害の危険因子であった。逆に、生活の質、不安、抑うつ、または疲労のレベルは認知障害と相関していなかった。 [13]

早期および進行期結腸がん患者の縦断的正式神経心理学検査

化学療法を受けた(173人)、および受けなかった(116人)大腸がん患者362人のコホート(289人が早期および73人が進行期)を対象に、神経心理学検査および認知症状の患者による自己報告尺度(FACT-Cog version 2)の縦断的変化の研究が行われた。このような患者での結果が72例の被験者からなる対照集団での結果と比較された。 [14] 注目すべき結果には以下のものがあった:


  • 6ヵ月後、自己報告の認知障害は、化学療法を受けなかった患者(16%)または対照群の被験者(12.5%)よりも化学療法を受けた患者(32%)で多かった(P = 0.007)。12ヵ月後に差は認められなかった。

  • 患者の自己報告の認知障害は、疲労、生活の質、および不安/抑うつと中程度に関連していた。

  • 神経心理学検査の結果と自己報告の障害の間の相関性は弱かった。

  • ICCTF基準に基づけば、認知障害は大腸がん患者ではベースライン時、6ヵ月、12ヵ月の時点で約50%に認められたのに対し、対照被験者では約15%であった。

  • 化学療法を受けた患者と受けなかった患者の間に差は認められなかった。

アンドロゲン除去療法を受けている前立腺がん男性における縦断的神経心理学検査

研究者はアンドロゲン除去療法(ADT)を受けた前立腺がん男性58人をベースライン、6ヵ月後、12ヵ月後に調べ、その結果を、年齢および教育レベルを対応させたADTを受けなかった前立腺がん患者(n = 88)および前立腺がんに罹患していない男性(n = 84)の結果と比較した。 [15] 個々の検査の結果を併合するICCTF基準によれば、全群はベースラインで同様であったが、6ヵ月後および12ヵ月後には、ADT治療男性は認知能力障害を生じる可能性が高かった。しかしながら、個々の検査での認知能力障害の率について、12ヵ月後にADT治療患者と対照被験者の間に有意差は認められなかった。年齢、認知的予備力、抑うつ症状、疲労、およびほてりは認知能力に対するADTの作用を和らげることはなかった。

同種幹細胞移植(SCT)レシピエントの縦断的神経心理学検査

研究者が102人の移植レシピエントについてSCT前およびSCTの12ヵ月後に検査を行った。 [16] 研究者は14種類の一連の検査を用い、以下の認知領域の評価を行った:言語作業記憶/流暢性、微細運動機能、視空間作業記憶、言語学習および想起、反応時間。研究者は領域別の能力を明らかにするのではなく、個々の検査での通常以下の検査スコアの頻度を報告することを選んだため、他の研究と比較することはできない。

少なくとも1つの領域で障害の若干の証拠が認められた被験者は、ベースラインでは47%、追跡時では41%であった。年齢および発病前の知能レベルが能力と関連していた。最後に、患者の16%が認知機能の低下を示した。 [16]


参考文献
  1. Wefel JS, Vardy J, Ahles T, et al.: International Cognition and Cancer Task Force recommendations to harmonise studies of cognitive function in patients with cancer. Lancet Oncol 12 (7): 703-8, 2011.[PUBMED Abstract]

  2. Joly F, Giffard B, Rigal O, et al.: Impact of Cancer and Its Treatments on Cognitive Function: Advances in Research From the Paris International Cognition and Cancer Task Force Symposium and Update Since 2012. J Pain Symptom Manage 50 (6): 830-41, 2015.[PUBMED Abstract]

  3. Pullens MJ, De Vries J, Roukema JA: Subjective cognitive dysfunction in breast cancer patients: a systematic review. Psychooncology 19 (11): 1127-38, 2010.[PUBMED Abstract]

  4. Hutchinson AD, Hosking JR, Kichenadasse G, et al.: Objective and subjective cognitive impairment following chemotherapy for cancer: a systematic review. Cancer Treat Rev 38 (7): 926-34, 2012.[PUBMED Abstract]

  5. Jim HS, Phillips KM, Chait S, et al.: Meta-analysis of cognitive functioning in breast cancer survivors previously treated with standard-dose chemotherapy. J Clin Oncol 30 (29): 3578-87, 2012.[PUBMED Abstract]

  6. Hodgson KD, Hutchinson AD, Wilson CJ, et al.: A meta-analysis of the effects of chemotherapy on cognition in patients with cancer. Cancer Treat Rev 39 (3): 297-304, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. McGinty HL, Phillips KM, Jim HS, et al.: Cognitive functioning in men receiving androgen deprivation therapy for prostate cancer: a systematic review and meta-analysis. Support Care Cancer 22 (8): 2271-80, 2014.[PUBMED Abstract]

  8. Ahles TA, Saykin AJ, McDonald BC, et al.: Longitudinal assessment of cognitive changes associated with adjuvant treatment for breast cancer: impact of age and cognitive reserve. J Clin Oncol 28 (29): 4434-40, 2010.[PUBMED Abstract]

  9. Whalley LJ, Deary IJ, Appleton CL, et al.: Cognitive reserve and the neurobiology of cognitive aging. Ageing Res Rev 3 (4): 369-82, 2004.[PUBMED Abstract]

  10. Collins B, MacKenzie J, Tasca GA, et al.: Cognitive effects of chemotherapy in breast cancer patients: a dose-response study. Psychooncology 22 (7): 1517-27, 2013.[PUBMED Abstract]

  11. Pullens MJ, De Vries J, Van Warmerdam LJ, et al.: Chemotherapy and cognitive complaints in women with breast cancer. Psychooncology 22 (8): 1783-9, 2013.[PUBMED Abstract]

  12. Janelsins MC, Heckler CE, Peppone LJ, et al.: Cognitive Complaints in Survivors of Breast Cancer After Chemotherapy Compared With Age-Matched Controls: An Analysis From a Nationwide, Multicenter, Prospective Longitudinal Study. J Clin Oncol 35 (5): 506-514, 2017.[PUBMED Abstract]

  13. Cruzado JA, López-Santiago S, Martínez-Marín V, et al.: Longitudinal study of cognitive dysfunctions induced by adjuvant chemotherapy in colon cancer patients. Support Care Cancer 22 (7): 1815-23, 2014.[PUBMED Abstract]

  14. Vardy JL, Dhillon HM, Pond GR, et al.: Cognitive Function in Patients With Colorectal Cancer Who Do and Do Not Receive Chemotherapy: A Prospective, Longitudinal, Controlled Study. J Clin Oncol 33 (34): 4085-92, 2015.[PUBMED Abstract]

  15. Gonzalez BD, Jim HS, Booth-Jones M, et al.: Course and Predictors of Cognitive Function in Patients With Prostate Cancer Receiving Androgen-Deprivation Therapy: A Controlled Comparison. J Clin Oncol 33 (18): 2021-7, 2015.[PUBMED Abstract]

  16. Scherwath A, Schirmer L, Kruse M, et al.: Cognitive functioning in allogeneic hematopoietic stem cell transplantation recipients and its medical correlates: a prospective multicenter study. Psychooncology 22 (7): 1509-16, 2013.[PUBMED Abstract]

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認知障害に対する介入

非薬理学的介入

がん患者および生存者における認知障害を管理するための証拠に基づく介入は十分に確立されていない。認知リハビリテーション、運動、および注意力回復活動ならびに瞑想といった心理社会的介入などのいくつかの非薬理学的アプローチが有望性を示している。 [1] 表1の介入はいずれも有効性について若干の証拠を示しているが、現在も活発な研究が行われている領域である。

表1.認知障害に対する非薬理学的介入

介入 用量 解説 参考文献
RCT = ランダム化比較試験。
認知リハビリテーション 4~96時間 複数のRCTおよび非RCTが主観的/客観的認知のいくつかの要素の改善を示している。 肯定的結果: [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13]
心理教育、代償的訓練、および認知訓練が含まれる。 1件のRCTおよび2件の非RCTで有益性が示されなかった。
ほとんどのRCTはサンプルが少数であった(参加者50人未満)。 否定的結果: [14] [15] [16]
介入、用量、尺度の要素には大きな違いがある。
運動療法 6~36時間 数件の小規模RCTおよび非RCTが主観的/客観的認知のいくつかの要素の改善を示している。 肯定的結果: [2] [17] [18] [19] [20] [21]
さまざまな種類の運動、ヨガ、気功、太極拳が含まれる。 2件の研究で有益性が示されなかった。
運動療法、用量、尺度の種類には大きな違いがある。 否定的結果: [22] [23]
注意回復および瞑想 12~22時間 2件の大規模RCTおよび3件の小規模RCTが主観的/客観的認知のいくつかの要素で改善を示している。 肯定的結果: [24] [25] [26] [27] [28]
静かに、現在の動きに注意を集中させるすべての治療法。


認知リハビリテーション(CR)

CRはがん患者および生存者に対する認知障害の影響を緩和するうえで有望性を示している。CRは脳卒中や外傷性脳損傷などの脳損傷の患者集団の治療用として始まったもので、がんの状況向けに改変されている。 [29] CR介入には以下のようないくつかのリハビリテーションアプローチがさまざまな程度で組み合わされている:


  • 心理療育は脳機能、認知障害、および日常生活におけるその影響に関する有用な情報を提供する。 [4]

  • 代償的訓練は、慢性的機能障害を代償する新しい行動および戦略の習得に焦点を当てる。この介入には、外的補助(カレンダーや電子日記など)で置き換えることで環境を修正または再構築し、本人が自らの認知能力に頼る度合いを下げたり、新しい対処戦略(認知活動のペースを調整し、気を散らすものを最小限にするなど)を学習したりすることが含まれることがある。 [8]

  • 認知訓練は反復的な、難易度が増していく課題(コンピュータによるものが多い)を使用することで、注意力、記憶、および実行機能の領域の認知機能を改善、維持、または回復させるものである。 [9] [13] [30]

CRの有効性についての若干の証拠は、神経心理学的機能の客観的検査および認知障害の主観的尺度の多様な一群を用いた数件のランダム化比較試験に基づくものである。 [6] [7] [8] [9] [11] CR介入群は、自己報告の認知障害 [6] [7] および注意力 [6] 、記憶 [7] [8] [11] および処理速度 [11] についての客観的神経心理学的尺度で、対照被験者よりも大きい改善を示した。他のCR介入研究も同様の結果を示しているが、部分的ランダム化またはランダム化なし [5] [14] 、 単群デザイン [3] [4] または副次解析 [10] による制限があった。

身体活動

認知障害の治療のための運動療法に対する関心が存在するにも関わらず [17] [19] [22] [31] 、完了している臨床試験はごく少数である。気功—穏やかな運動、瞑想、呼吸を協調させて組み合せたもの—についてのランダム化比較試験は、化学療法後のがん生存者における自己報告の認知障害の改善を示している。 [19] その他の単群デザインを用いた運動研究 [22] はランダム化されていないか [21] 、副次解析であった [18] [23] 。

注意回復

注意を向け、能動的に焦点を合わせ、集中する能力—認知機能の諸要素—の維持および回復に特異的に焦点を合わせた介入が乳がん生存者を対象に開発され、検証されている。 [24] この介入は、ウォーキングや戸外で座ること、植物の手入れやガーデニング、鳥などの野生動物の観察、ペットの世話などの活動を含む自然環境への曝露からなるものであった。参加者は、週に120分間をこれらの活動のうちの1つ以上を行って過ごすことを書面で契約した。注意力に関する神経心理学検査では、注意を向ける能力について、注意回復活動に参加した群で、対照群よりも大きな改善が示された。 [25]

瞑想

心配りに基づいた(mindfulness-based)ストレスの低下(MBSR)は1つひとつの動きに中立的な形で注意と意識を寄せることに焦点を合わせる統合療法である。MBSRの有益性は、慢性疼痛、不安、および線維筋痛などの健康障害に関する多数の研究で評価されている。 [26] がん患者を対象としたMBSR研究のレビューで、症例数が少ないものの、肯定的結果を得たランダム化試験が2件認められている。 [28] [32] 乳がん生存者を対象とした1件の大規模な十分な検出力を備えたランダム化試験で、介入期間の終了時点で、対照群との比較でMBSR群に自己報告の錯乱のより大きい改善が示されたが、長期的効果は認められなかった。 [26] この試験では認知機能についての客観的尺度は使用されておらず、障害の証拠は研究参加適格性の要件ではなかった。

1件のより小規模な研究が、MBSR参加者に、自己報告の注意力および作業記憶に対する肯定的効果が対照群よりも多く生じたことを示している;この知見は6ヵ月後に持続していた。 [28] 正確度の客観的尺度もMBSR群での持続的改善を示した。

チベット音楽瞑想についてのランダム化試験では、記憶、処理速度の客観的尺度および自己報告での認知機能の改善が示された。 [27] 症例数は少なかったものの、この研究に対する適格性には自己報告の認知障害が必要であった。

薬理学的介入

数クラスの薬剤が認知障害を管理できる可能性のある介入として検討されている。全体として、研究デザインの質、研究対象となったアウトカム、薬剤の用量およびスケジュールの幅のためにいかなる確実な結論も得られていない。薬剤、推定的作用機序、および結果の要約を以下および表2に示す。


  • 精神刺激薬。

    精神刺激薬は米国食品医薬品局により、主に注意欠陥多動性障害や睡眠覚醒障害について承認されている。これらの薬剤は一般に忍容性良好であり、薬剤またはがん治療による認知障害とともにさまざまな程度の他の関連症状を有する患者において検討されている。 [33] [34] [35] 認知障害および関連症状の治療用の異なる精神刺激薬に関する7件の第II相試験についてレビューが行われた。すべての薬剤が有益性を示したわけではなかった;改善することが多かった症状は覚醒、注意力、および精神運動速度であった。6試験には対照群が設置されており、1試験は結果を記述的に報告していた。また、いくつかの試験は中枢神経系の腫瘍の患者などのさらなる交絡因子を持っていた可能性のある少数の集団でのものであり、結果を他の患者群に外挿することが困難であった。 [34] [35] [36] 最後に、これらの試験は、一部には登録に関する困難のために検出力が低かった。

  • エリスロポエチン刺激薬(ESA)。

    認知機能改善におけるESAの仮説的機序は、脳組織のエリスロポエチン受容体が神経保護作用をもたらし、神経細胞アポトーシスを防ぐことを示した前臨床データから得られている。認知改善の可能性は、心血管イベントおよび血栓性イベント、腫瘍進行の原因となる可能性、および全生存率の低下などのESAのリスクに照らして評価する必要がある。

  • アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬。

    AChE阻害薬であるドネペジルがアルツハイマー病について承認されている。全脳放射線療法(WBRT)がニューロン損傷を引き起こし、これによりアセチルコリンの減少が生じるとの仮説が立てられている。この説はWBRT認知障害とアルツハイマー病の類似性により臨床的に裏づけられている。ドネペジルを使用することで脳内のアセチルコリン濃度が増加する可能性がある。

  • N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト。

    アンタゴニストのメマンチンによるNMDA受容体阻害により、放射線誘発性のニューロン刺激および興奮毒性が減少し、これによりWBRT誘発性の認知低下が防がれる可能性がある。メマンチンはWBRTの条件外の認知障害の緩和については研究が行われていない。

表2.認知障害管理用の薬剤

薬剤 用量 解説
AChE = アセチルコリンエステラーゼ;bid = 1日2回;ESA = エリスロポエチン刺激薬;NMDA = N-メチル-アスパラギン酸;qd = 毎日;RCT = ランダム化比較試験;WBRT = 全脳放射線療法。

精神刺激薬

メチルフェニデート 10~30mg/日、2日間以上 第II相試験で異なる認知変数(覚醒、注意力、記憶、精神運動速度、実行機能)に対するさまざまな程度の有益性が示されている。
小規模試験は、必ずしもランダム化されておらず、常に登録数の目標を満たしたわけではなかった;結果の解釈には注意が必要である。 [33] [34] ; [36] [[証拠レベル:II]
D-メチルフェニデート 5~10mg、1日2回 小規模な検出力の低いプラセボ対照の経験では言語学習についていかなる有益性も示されなかった。
N = 57
プラセボ対照。 [37] [証拠レベル:II]
モダフィニル 200~400mg/日、4日~6週間 さまざまな試験デザインの第II相研究。
精神運動速度、記憶、実行機能、および注意力で有益性が認められ、最大規模の研究は持続的な有益性を示した。 [38] [証拠レベル:II]
以下により、解釈にあたっては注意が必要である:登録の問題、研究期間の短さ、および不十分な検出力。
患者が自らの対照としての役割を果たした研究では有益性は認められなかった。 [34] [35] [39] [証拠レベル:I]

ESA

エリスロポエチン 40,000U/週 複数の臨床試験が相反する結果を示した;主観的認知機能の改善に対する介入の効果は認められなかった。
以下により、結果の一般化は困難である:評価ツールの多様さ、症例数の少なさ、治療の用量および期間の違い。 [40] [証拠レベル:I]; [41] [証拠レベル:I]; [42] [証拠レベル:II]; [43] [証拠レベル:II]; [44] [証拠レベル:II]; [45]

AChE阻害薬

ドネペジル 5mg/日;10mg/日まで増量してもよい 化学療法後1~5年およびWBRT後6ヵ月超の患者を対象に研究が行われた。
各試験で治療効果なしおよび注意力、集中力、および記憶のいくつかの尺度での若干の改善を示す相反する結果が認められた。 [46] [証拠レベル:I]; [47] [証拠レベル:I]; [48] [証拠レベル:II]

NMDA受容体アンタゴニスト

メマンチン 20mg/日 1件のRCT;遅延想起の改善の主要エンドポイントは統計的に有意ではなかった。
治療により、経時的に以下のような認知機能の改善が得られた;認知低下までの期間の延長;記憶、実行機能、および処理速度の低下速度の緩和。 [49]



参考文献
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  3. Ercoli LM, Castellon SA, Hunter AM, et al.: Assessment of the feasibility of a rehabilitation intervention program for breast cancer survivors with cognitive complaints. Brain Imaging Behav 7 (4): 543-53, 2013.[PUBMED Abstract]

  4. Ferguson RJ, Ahles TA, Saykin AJ, et al.: Cognitive-behavioral management of chemotherapy-related cognitive change. Psychooncology 16 (8): 772-7, 2007.[PUBMED Abstract]

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  6. Cherrier MM, Anderson K, David D, et al.: A randomized trial of cognitive rehabilitation in cancer survivors. Life Sci 93 (17): 617-22, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. Ercoli LM, Petersen L, Hunter AM, et al.: Cognitive rehabilitation group intervention for breast cancer survivors: results of a randomized clinical trial. Psychooncology 24 (11): 1360-7, 2015.[PUBMED Abstract]

  8. Ferguson RJ, McDonald BC, Rocque MA, et al.: Development of CBT for chemotherapy-related cognitive change: results of a waitlist control trial. Psychooncology 21 (2): 176-86, 2012.[PUBMED Abstract]

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  10. McDougall GJ, Becker H, Acee TW, et al.: Symptom management of affective and cognitive disturbance with a group of cancer survivors. Arch Psychiatr Nurs 25 (1): 24-35, 2011.[PUBMED Abstract]

  11. Von Ah D, Carpenter JS, Saykin A, et al.: Advanced cognitive training for breast cancer survivors: a randomized controlled trial. Breast Cancer Res Treat 135 (3): 799-809, 2012.[PUBMED Abstract]

  12. McDougall GJ Jr: Memory improvement program for elderly cancer survivors. Geriatr Nurs 22 (4): 185-90, 2001 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

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  44. Massa E, Madeddu C, Lusso MR, et al.: Evaluation of the effectiveness of treatment with erythropoietin on anemia, cognitive functioning and functions studied by comprehensive geriatric assessment in elderly cancer patients with anemia related to cancer chemotherapy. Crit Rev Oncol Hematol 57 (2): 175-82, 2006.[PUBMED Abstract]

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  46. Lawrence JA, Griffin L, Balcueva EP, et al.: A study of donepezil in female breast cancer survivors with self-reported cognitive dysfunction 1 to 5 years following adjuvant chemotherapy. J Cancer Surviv 10 (1): 176-84, 2016.[PUBMED Abstract]

  47. Rapp SR, Case LD, Peiffer A, et al.: Donepezil for Irradiated Brain Tumor Survivors: A Phase III Randomized Placebo-Controlled Clinical Trial. J Clin Oncol 33 (15): 1653-9, 2015.[PUBMED Abstract]

  48. Shaw EG, Rosdhal R, D'Agostino RB Jr, et al.: Phase II study of donepezil in irradiated brain tumor patients: effect on cognitive function, mood, and quality of life. J Clin Oncol 24 (9): 1415-20, 2006.[PUBMED Abstract]

  49. Brown PD, Pugh S, Laack NN, et al.: Memantine for the prevention of cognitive dysfunction in patients receiving whole-brain radiotherapy: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Neuro Oncol 15 (10): 1429-37, 2013.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(03/29/2018)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

認知障害に関する患者報告への対応

がん患者がマルチタスクが困難になるのに、経験する難点の一覧が改訂された;一度に一つに集中しなければならない、一般的な単語を覚えることや名前を思い出すことの困難、言葉を選ぶのが困難。

一覧で認知障害の潜在的な寄与因子が改訂された;年齢、虚弱(引用、参考文献2として 2014 Mandelblatt et al.を参考文献3として2016 Mandelblatt et al.)および、情動的苦痛および/または抑うつ症状および不安。

認知障害に対する介入

参考文献13として、Bray et al.を追加。

本文で以下の記述が改訂された;がん患者を対象としたMBSR研究のレビューで、症例数が少ないものの、肯定的結果を得たランダム化試験が2件認められている(引用、参考文献28としてJohns et al.)。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん患者の認知障害の原因および管理に関する専門家の査読を経た情報の要約について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

非中枢神経系がんの成人における認知障害に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial は、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Cognitive Impairment in Adults with Non−Central Nervous System Cancers.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/memory/cognitive-impairment-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 29112351]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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