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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

がんにおける家族介護者:役割と課題(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-01-21
    翻訳更新日 : 2016-03-30

PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん患者の介護者に対する課題および有用な介入について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

介護者に関連した介入または処置

概要

米国では、2016年には約160万人の症例が新たにがんと診断される。 [1] がんと診断された患者の多くは、最終的に家族介護者のサポートが必要になる。実際、家族介護者は米国における医療システムの基礎をなしており、外来患者および在宅の設定で行われる集学的治療プロトコルな、治療における進歩を支えている。 [2]

定義:介護者とは?

ふだん着の介護者(informal caregivers)とも呼ばれる家族介護者は、身体的、精神的、霊的、および情緒的領域に及ぶ多くの複雑なサポート作業を提供する。 [3] 一般的に言えば、介護者は男性よりも女性の方が多く、大半ががん患者と血縁関係にあり、大半の介護者が55歳以上である。 [4] [5]

家族介護者はがんの管理において重要な役割を果たしている;介護者の協力を得て最初からケアの構成単位として介護者を含めることは、効果的ながん管理に不可欠な要素と考えられる。ほとんどの腫瘍チームがこのことを認識しており、治療計画、意思決定、および実行に家族介護者を含めるようにしている。 [6] しかしながら、介入が実施可能であるためには、家族介護者が腫瘍分野の多忙な医療現場およびサービス提供環境という制約の範囲にみ合う人でなくてはならない。 [7] 短期の入院もまた、介護者がサポートを行うために利用可能な時間を制限しうる。

本要約には以下に関する情報が掲載されている:


  • がんの疾患経過全体における介護者の観点の概要。

  • 典型的な介護者の役割および懸念。

  • 有用な介入。

特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。


参考文献
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  7. Hudson PL, Aranda S, Kristjanson LJ: Meeting the supportive needs of family caregivers in palliative care: challenges for health professionals. J Palliat Med 7 (1): 19-25, 2004.[PUBMED Abstract]

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介護者の観点:疾患経過全体を通して

介護者は患者の診断および予後に対して独自の情動反応を示し、患者に提供されるものとは異なる個別指導や情緒的サポートを必要とすることがある。 [1] [2] 介護者の役割および介護者の負担は患者の予後、疾患の病期、およびケアの目標によってきわめて大きな影響を受ける。がん患者の家族介護者への既存の取り組みは主として、診断時から診断後2年までの急性期の生存の時期(acute survivorship phase)における介護者の適応に焦点が当てられている。 [3]

オープンなコミュニケーションおよび患者に対する診断の告知が普及するにつれて、諸研究は事実を話すことの患者への影響に焦点を当てるようになり、こうしたコミュニケーションのためのガイドラインが開発されている。 [4] [5] ときに介護者がこのような研究に含められることがあるが、介護者の特異的な情報の要求および診断情報への好みまたはこの新たな医学的情報を介護者が統合する準備あるいは意志に対してはほとんど注意が払われていない。しかしながら、介護者には疾患に関係する未知の専門用語を習得し、がん患者とともに未知の治療現場に入り、治療の意思決定に積極的に参加することが期待される。これらのすべての理由から、介護者は、診断および治療中に患者が経験するものと同等の、またはそれを上回るような多くの複雑な強い感情を経験する。 [6] [7] [8]

診断時

米国の家族介護者は、治療法の選択肢に関係した意思決定(診断の時期に始まる)において積極的な役割を担うことが期待される。介護者は以下を行うことが期待される: [8]


  • 未知の医学的情報を統合する。

  • 疾患に関係する未知の用語を習得する。

  • 未知の治療現場に参加する。

  • 患者の診察に同行する時間を見つける。

入院および治療中

治療およびケアに関する意思決定において、介護者は重要な役割を果たしている。家族はしばしば、患者の支持者としておよび患者の要求に対する最も重要な意思決定者として介入する。介護者がこの役割をどの程度満足に果たすかは、介護者と患者のこれまでの関係および患者と介護者間の意見の一致度合いに依存する。不一致および衝突は意思決定を複雑にし、治療の選択に影響することがある。 [9] また、患者のために最も適切な治療法の選択肢に関する家族内での不一致は患者と介護者の両者に過度のストレスを生じさせ、結果としてQOLの低下を招く。 [10]

Cancer Communication Assessment Tool for Patients and Families(CCAT-PF)は患者-介護者間のコミュニケーションにおける調和を評価するツールである。このツールは患者、介護者、または両者に使用でき、介入に適している葛藤特異的領域を特定できる。最初の妥当性検査における高いCCAT-PFスコアは以下と有意に相関した: [11]


  • 患者の抑うつが強い。

  • 家族の葛藤が大きいという認識。

  • 患者および介護者の幸福感が少ない。

  • 表現の乏しさ。

  • 家族の団結力が薄いという認識。

CCAT-PFは腫瘍チームのメンバーの誰が行っても良い。

積極的な治療期間中、介護者は家事、仕事、家族への持続的な義務を果たしながら、患者を感情的(無形の)サポートと実務的な(有形の)サポートという相反する要求に巧みに対応することは困難であると報告する。交通手段を提供し、病院への診察のスケジュールを調整して来院し、在宅ケアの準備をし、保険業者と交渉しなければならないということは、がん患者とその介護者の両者を心身ともに疲れさせるものである。 [8]

在宅ケアへの移行計画

ケア設定の移行は、がん患者とその介護者の両者にとって特にストレスがかかる。退院直後の時期は介護者にとって最も不安な時期であり、患者を在宅で管理しながら自身の健康にも注意を払わなくてはならず、不安が高まるばかりである。 [12] メディケアに登録されている518,240組の高齢の夫婦を対象とした1件の研究では、配偶者の入院は高齢の介護者の死亡リスクの増加と関連した。 [13] がん患者は、見慣れた安心できる環境で、普通の感覚を取り戻すことができるため、通常家に居ることを望む。

在宅ケア

がん患者が在宅ケアを受けている場合、介護者は在宅ケア専門家と協力して、必要な医薬品および食糧品を整え、起こりうる医学的な緊急事態に対処し、健康管理システムに全般的にうまく対応しなければならない。患者の家庭内の責務の多くを引き継ぐことに加えて、家族介護者は社会活動および仕事を諦めて、患者に共感し、患者の診察に同行し、細かな雑用を片付けるという介護者の主要な作業を引き受けなければならない。

治療後の生存

介護者が経験する持続的な心理的苦悩および役割に対する適応の問題は、患者のがん治療完了後、最大1年間続くと報告されており、苦悩のレベルは健康な対照にみられるものよりはるかに高い。 [14] [15] この苦悩の多くは、再発の恐れおよび性的困難が強まっているためである。 [16] [17] しかしながら、諸研究によれば、診断から2年経過すると長期の心理的苦悩は示されていない。 [18] [19] [20]

一般的に言えば、長期にわたる介護者の適応不良を予測する因子には以下が挙げられる:


  • 介護者と患者間の関係の緊張。 [18] [19]

  • 介護者と患者間の否定的なコミュニケーションパターン。 [20]

  • 社会的支援の乏しさ。 [21]

  • 役割の過負荷。 [22]

終末期

介護者のQOLはがん患者の疾患の病期およびケアの目標の影響を受けることが明らかにされている。終末期患者の介護者では積極的/治癒的治療を受けている患者の介護者と比べて、QOLおよび健康状態のスコアが有意に低いことが示されている。 [23] [24]

疾患が終末期に進むにつれて、患者の身体的および情動的要求はピークに達する。患者がホスピスに入っている期間はしばしば、特徴的に、大きな不安および激しい緊張を感じる。再発疾患、末期疾患、または死にゆく過程の状況で、介護者は機能的制限の増加、患者の依存心の増加、および一段と重くなる症状の負荷に対処するという新たな一連の課題を克服しなければならない。 [25] [26] 治療が長期にわたると、患者の毎日の要求を満たす介護者の能力が非常に要求される。

終末期ケアを提供している介護者は、価値ある活動や関心事への参加が制限されると、提供するケアの量に関係なく、精神的苦痛が増加することが示されている。 [26] がん患者の介護者は、不安、抑うつ、疲労、自尊心の低下、および身体的健康の問題など、さまざまな心理的および肉体的問題を生じるリスクがあることが研究により示唆された。 [27] [28] 十分に設計された1件の研究で、6~12ヵ月目のがん生存者の介護者436人を対象として、不安と抑うつに関連する心理社会的変数の実態が調査された。不安と抑うつが頻繁に併発すること、また時間の経過とともに不安は軽減していくが、抑うつ状態の人の割合は一定であったことが示された。最も高い水準の不安と抑うつを示したのは、肺がん、血液のがん、頭頸部がんの生存者のパートナーと介護者であった。通常の活動で回避性の対処や介入を頻繁に実施することは、不安と抑うつの両方に関連していた。これには、感情や情報に関する支援が少ないこと、および積極的な社会的相互行為の機会に乏しいことも含まれていた。12ヵ月時点での不安と抑うつに関する他の変数として、必要性が満たされない度合いが高いこと、および個人的な用件や医療に関する活動に対する介護者の関与が大きいことも挙げられた。診断から12ヵ月が経過した後でも、被験者の3分の1は不安を報告していた。介護者の不安と抑うつに関連する変数を理解することは、早期の同定、より具体的な評価、早期の紹介、個々の状況に応じた介護者への介入につながりうる。 [29] [証拠レベル:II]しかしながら、医学的専門分野としてのホスピスおよび緩和医療が発展し、専門家レベルの緩和ケアのコンサルテーションチームが利用可能となり、ケアの単位としてがん患者と家族介護者へ関心の配分が同等となってからは、状況が変化している。

病院の緩和ケアプログラムは、介護者の健康感、家族の満足、および患者だけでなく介護者についても同様に身体的および心理学的症状の管理を改善することが示されている。介護者524人を含む1件のレトロスペクティブ研究において、緩和ケアのコンサルテーションは、患者の最期の1ヵ月間で介護者によるケアの9つの領域の高いスコアと関連していた。 [30] こうした差は主に、コミュニケーションおよび情緒的サポートの改善に起因した。

一般的に言えば、介護者と関係する緩和ケアの特徴は以下の通りである: [31]


  • 集学的焦点。

  • 患者と家族介護者の両者のQOLに対する懸念。

  • 症状管理、コミュニケーション、および医学的意思決定への介護者の関与。

腫瘍医や他のチームメンバーが家族介護者における心理的苦痛の症状に取り組むように期待することはできないが、それでも介護者が必要とするすべてのサービスに介護者を紹介できるようにこうした症状を認識し特定することは有用である。(終末期ケアに関する詳しい情報については、人生の最後の数日間に関するPDQ要約を参照のこと。)


参考文献
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  31. Morrison RS, Meier DE: Clinical practice. Palliative care. N Engl J Med 350 (25): 2582-90, 2004.[PUBMED Abstract]

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医師と家族介護者の連係

患者と介護者は異なる要求を示すことがあり、誰の要求を優先するかの決定が困難になる。 [1] この状況は特に事実を話す場合によくみられ、家族のメンバーはがん患者には悪い知らせを秘密にしておくように医療チームに求める、あるいは逆の場合もある。

介護者とのコミュニケーション

文化の相違は患者と家族とのコミュニケーションにきわめて大きく影響しうる。例えば、一部のアジア系米国人の間では死または死ぬという話題は縁起が悪いと考えられている。 [2] こうした相違から、予後、治療法の選択についての話し合い、さらには化学療法放射線ホスピスなどの用語の使用でさえ困難となる。 [3] 致死的な診断を患者に秘密にしておくことや疾患進行の話し合いを回避することは、介護者の負担、孤立、および責任の感覚をさらに大きくする。台湾の1つの大学病院で死亡した末期がん患者を介護していた遺族が経験した決定の頻度および困難さを明らかにするために、1件の横断研究が実施された。 [4] アジアの文化では、医療提供者が患者(特に末期疾患の場合)に完全な真実を話さず、しばしば家族介護者にその責任を任せることは珍しいことではない。この研究では、真実の告知は家族介護者が最も一般的に経験する困難な決定であった。医療提供者は、このような患者に文化的に適切なケアを提供するため、真実を伝えるべきであるという西洋の概念とのこうした文化的相違を認識しておくべきである。

悪い知らせの告知

患者および介護者に悪い知らせを告げることは腫瘍医、緩和ケアの医師、および医療チームの他のメンバーにとって必須のスキルである。これをうまくこなすために、医師には以下が求められる: [5]


  • 終末期問題に苦痛のないようになる。

  • 家族に利用可能な選択肢の範囲を理解する。

  • 患者のために、できないことよりもむしろ、できることを介護者に知らせる。

  • 思いやりのある態度で情報を共有し、受け取る。

Oncotalkとは、コミュニケーションスキルを改善するためにデザインされた卒業後の医学練習生用の教育プログラムである。 [6] このプログラムでは、「Ask-Tell-Ask(質問し、話し、質問する)」原則や「Tell me more(もう少し話していただけませんか)」原則などの基本的なコミュニケーションスキルを扱っており、コミュニケーション作業は以下の疾患経過とつながっている: [7]


  • 初診。

  • 抗がん治療の決定。

  • 臨床試験の提案。

  • 抗がん治療の終了。

  • 症状緩和目的の化学療法の中止。

困難な状況への対応

家族介護者は、懸念は避けられず、要求は満たされないと考えている場合がある。 [8] 理想的には、家族介護者との面談に社会福祉士または心理士がフォローアップおよびサポートを支援するために参加すべきである。

患者の家族が代表者を任命するのと同様に、腫瘍チームも家族との連絡係を指定することがある。しかしながら、ほとんどの家族介護者は治療担当腫瘍医との直接の面会を好む;実際、医師による積極的な聞き取りは介護者の負担を軽減するようである。1件の研究により、介護者は治療担当医師が自分たちの要求や意見に耳を傾けていると感じた場合に、介護者が経験する負担および苦痛がより低かったことが明らかにされた。 [8] 腫瘍チームは頻繁なコミュニケーションを維持して、家族に伝えるメッセージや他の情報が一貫しており、治療の目標が関係者全員に明確であるように保証すべきである。

家族の衝突への対応

家族内の関係が最適とは言えない家族もあり、そのような場合は家族内および医療専門家とのコミュニケーションが困難となりうる。多くの家族が幸福で緊密ではなく、がんの近親者を介護するストレスから未解決の衝突が再発生するか、新たな衝突が生まれることがある。 [9] 家族の長年の衝突を解決することは、腫瘍チームの範囲を越えている。家族と面会して、腫瘍チームとコミュニケーションを取る連絡係として家族が任命した1人の代表者を利用すると、こうした難題の改善に役立つことがある。

家族代表者の任命

腫瘍科の臨床医は、複数の家族介護者に同じ情報を繰り返し伝えなければならない状況にイライラさせられることがある。介護者が情報を吸収し、保持する能力は、抑うつ、恐れ、不安、および睡眠不足により損なわれていることがある。 [10] 臨床医は、家族が代表者を1人任命し、その代表者を通して情報を伝えられるように依頼しておくことが望ましい。さらに、腫瘍チームは情報交換のしやすい環境(すなわち、中断が最小限になる静かで他者のいない場所)に促すように努めるべきである。 [11] 介護者が情報を聞き、理解していることを保証するために、介護者に質問があればするように促し、文書による予備の注記、分かりやすい記事、または後で参考にするためのウェブサイトの一覧を提供すべきである。

家族との面会の開催

家族との面会は、医学的情報を伝え、ケアの目標を詳細に説明し、がん治療における意思決定を容易にするための価値ある臨床手段である。家族との面会の有効性を確認したアウトカム研究が、特に集中治療室に関する文献から出現し始めている。家族との面会は、以下を行うために理想的な討論の場である:


  • 介護者の懸念を引き出す。

  • 治療に関する明確な情報を提供する。

  • 終末期ケアの意思決定を容易にする。

  • 不適切な治療法の選択肢を回避する決定をする。

また、介護者は症状が十分に管理され、患者の好みが尊重されるという安心感を得ることができる。 [12]

家族との面会を成功させるためには、介護者が感情をうまく処理することができ、懸念が妥当なものかどうかを確認してもらえる、安心できる状況を作り出すことである。家族との面会は以下の場合に最も効果的になる: [11] [13]


  • 議題が患者、家族、および専門スタッフに全面開示されている。

  • リーダー役を果たすスタッフが明確に指定されている。

  • 家族介護者に対して、質問し、懸念を表明し、および訓練を受けた思いやりのある専門家の助けを得て苦痛に満ちた感情に直面する機会が与えられる。

(臨床医、患者、および家族間のコミュニケーションに関する詳しい情報については、がん医療におけるコミュニケーションに関するPDQ要約を参照のこと。)

心理学的問題への対処

終末期を迎えた患者は、非常に大きな身体的および実存的な難題に直面している。重篤な疾患を有する患者およびその介護者の一般的な心理的懸念をよく理解することで、臨床ケアだけでなく、医師の満足感および臨死患者を治療することの意義が改善される。 [14] 医師はまた、悲嘆および喪失の感覚、同情疲れ、および孤立感などを含む自身の要求に注意を向ける必要がある。患者と家族への配慮に加えて、腫瘍医は適応対処を促進する健康的な立場を追及することが望ましい。 [15]


参考文献
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家族介護者の潜在的役割

がん患者の介護者は、直接の介護、日常生活の支援、ケースマネジメント、情緒的サポート、親交、および薬物療法の監視を行うなど、幅広い役割を果たすことが期待される。 [1] がん患者の介護者の多くは、従業員、親、老人の介護者など、複数の役割を担っている。役割緊張理論の示唆するところでは、数多くの社会的役割を担うことはストレスと負担の増大に関連している。ある研究では、仕事に就き、子供のいる介護者はより高いレベルのストレスを報告し、一方で仕事に就いているが子供のいない介護者は介護を意義深いものとして報告していた。こうした区別は、がん患者の介護者に対する評価と個人に合わせた介入に重要である。 [2] [証拠レベル:II]がん患者の介護者は一般的に、以下のような作業について多面的な責務を引き受ける: [3]


  • 管理業務(ケースマネジメント、保険金請求の管理、請求書の支払い)。

  • 身の回りの世話(診察に行くがん患者に同行する;個人的な使いに行く;料理や掃除、その他の家事を管理する)。

  • ナビゲーション作業(医師を見つけるなど、探しにくい情報を得ようとする)。

  • 社会的支援活動(親交を深め、社会生活に適合させる)。

意思決定者

介護者は患者の疾患の経過中に、圧倒的に多くの意思決定に直面する。治療法の選択肢、役割の変化、および資金繰りについては、一般的に患者-家族単位で決定される。 [4] [5]

医師と患者間で強い関係が築かれている状況においてでさえも、介護者は他の私的(家族、友人)および公的(インターネット、Cancer Information Service、サポートグループ)の両方の情報源から情報を受け入れやすいことがある。家族はメディアやインターネットで見つけたバイアスのかかった情報に基づいて間違った決定を下すことがある。がん患者とその介護者に関する諸研究において、患者と家族は一般的に以下を報告する: [6]


  • 患者のがんおよびその治療法に関する詳しい情報を探すためにインターネットを使用する。

  • 医師から得た情報を確認する。

  • 他の治療法の選択肢を調査する。

  • 代替治療に関する情報を探し求める。

  • 家族や友人から得た情報を探し求める。

がん患者731人を含む1件の研究において、教育水準が高いとより積極的に情報を探求し、乳がんの女性は他の患者よりも積極的に情報を探求することが明らかにされた。 [7]

がん患者における情報の要求は多く広範囲に及んでおり、ほとんどの患者が検査および治療、健康増進、副作用および症状のほか、対人および感情の問題に関して詳しい情報を求める要求が満たされていないことを報告する。がん患者の介護者における情報の要求もまたさまざまであるが、患者の要求とは異なる場合がある。

支持者

介護者はしばしば、がん患者の支持者となる。この役割には、以下のような管理業務が含まれる: [3] [8]


  • 情報を探し求める。

  • 保険金請求を管理する。

  • 請求書の支払いをする。

  • 処方薬物を更新する。

  • 患者に細心の注意を払う。

  • 新たな症状または副作用を報告する。

  • 症状の緩和を依頼する。

  • 生活様式の変化を組み入れる。

  • 治療の遵守を促す。

  • 患者が健康的な行動をするように促す。

伝達者

腫瘍医にとっての重要な目標は、患者が(1)症状および治療法の決定を理解し、(2)現在の要求およびサポートに対する好みを伝達する能力を改善することである。 [9] しかしながら、高齢の患者、教育水準の低い患者、および文化的に異なる集団など、特定の患者集団ではコミュニケーションの問題が生じうる。

家族介護者がしばしば患者の伝達者の役割を引き受けることになる。患者と介護者にとって、コミュニケーションは家族メンバーの健康情報の処理方法およびときにもたらされる辛い健康情報を対処する能力によって影響を受ける。 [9] 心理的および身体的健康の危機の際に起こりうる記憶力および理解力の重大な格差、および患者、家族介護者、および医療専門家のコミュニケーションスタイルの差異によって、意思決定は複雑になりうる。 [10]

実際的な介護提供者

疼痛および症状の管理は介護者の役割の中でも主要な関心事である。介護者は頻繁に鎮痛薬投与を行うか、患者にスケジュール通りの投与量を摂取するように気付かせるが、これには、どの医薬品をいつ、どの用量で投与するかに関する意思決定が必要になる。 [11] しばしば介護者が、記録を付け、疼痛や他の症状を管理するという技術的側面を統括することになる。

患者が家に引きこもっているか、容易に動くことができない場合、介護者はしばしば医薬品処方の補充を繰り返し、医学的な指示を遵守しようとし、定められた時間より早く医薬品の補充をしておかないといけないと考えることがある。 [12] 患者の治療レジメンの管理に加えて、介護者には治療の副作用または新たな症状に気付いて報告することが期待される。

疾患が進むにつれて、がん患者は以下のような多くの新たな副作用および症状に直面するであろう: [13]


  • 疲労、眠気、および睡眠の問題はがん患者の51%~68%に報告されている。(がん患者における疲労および睡眠の問題に関する詳しい情報については、疲労および睡眠障害に関するPDQ要約を参照のこと。)

  • 吐き気、嘔吐、食欲不振、および悪液質は患者の10%~40%に報告されている。(吐き気と嘔吐、食欲不振のほか、栄養所要量に関する詳しい情報については、吐き気と嘔吐およびがん医療における栄養に関するPDQ要約を参照のこと。)

  • 不安、気分障害、および抑うつの報告はがん患者の25%~50%でしっかりと記録されている。(不安、うつ病、および気分障害に関する詳しい情報については、がんへの適応:不安と苦痛およびうつ病に関するPDQ要約を参照のこと。)

これらの複雑な副作用の管理はしばしば外来患者の設定で介護者が行うことになる。

社会的支援

がんおよび疼痛の社会的影響は、社会的支援、経済的保証、および就労の安定性により改善できる。がんの次第に慢性化する性質を考慮すると、介護者はこれらの分野のすべてで支援が徐々に減っていくことに気付く場合がある。家族や友人への追加の支援の要求は、介護者の負担を示す指標として同定されている。 [14] [証拠レベル:II]介護者に他の家族とネットワークを形成するように促し、彼らを公式な情報資源に結びつけることは、社会的支援の非公式な情報資源を強化する上で有用である。介護者に、国内の介護者グループおよび疾患別の組織をオンラインで検索するように勧めても良い。 [15]


参考文献
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  9. Rose JH, Radziewicz R, Bowmans KF, et al.: A coping and communication support intervention tailored to older patients diagnosed with late-stage cancer. Clin Interv Aging 3 (1): 77-95, 2008.[PUBMED Abstract]

  10. Siminoff LA, Graham GC, Gordon NH: Cancer communication patterns and the influence of patient characteristics: disparities in information-giving and affective behaviors. Patient Educ Couns 62 (3): 355-60, 2006.[PUBMED Abstract]

  11. Ferrell BR, Dow KH, Grant M: Measurement of the quality of life in cancer survivors. Qual Life Res 4 (6): 523-31, 1995.[PUBMED Abstract]

  12. Glajchen M: The emerging role and needs of family caregivers in cancer care. J Support Oncol 2 (2): 145-55, 2004 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]

  13. Hickok JT, Morrow GR, Roscoe JA, et al.: Occurrence, severity, and longitudinal course of twelve common symptoms in 1129 consecutive patients during radiotherapy for cancer. J Pain Symptom Manage 30 (5): 433-42, 2005.[PUBMED Abstract]

  14. Burton AM, Sautter JM, Tulsky JA, et al.: Burden and well-being among a diverse sample of cancer, congestive heart failure, and chronic obstructive pulmonary disease caregivers. J Pain Symptom Manage 44 (3): 410-20, 2012.[PUBMED Abstract]

  15. Surbone A, Baider L, Weitzman TS, et al.: Psychosocial care for patients and their families is integral to supportive care in cancer: MASCC position statement. Support Care Cancer 18 (2): 255-63, 2010.[PUBMED Abstract]

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介護が介護者のQOLに及ぼす影響

介護者の負担は一般的に、介護の要求とそうした要求を満たすための資源の利用可能性との不均衡の結果生じる多次元の苦悩として表現されることが多かった。QOLは多次元構造を有するが、介護者において最も多く研究されているQOLの側面は心理的苦痛である。 [1] ほとんどの家族介護者は介護をしている際に臨床的に有意なレベルの抑うつを経験しないが、一部の研究では、がん患者における抑うつ症状と似た、またははるかに超えるレベルの抑うつ症状が介護者において報告されている。 [2] [証拠レベル:II]

身体的影響

介護の身体的側面はまれにしか研究されていない。介護は、排泄や食事の介助などの身体的介護にのみ限定されることがあるが、抱き上げ、体位変換、移乗、マッサージ、および医療機器の操作も含まれる。介護の身体的要求は、以下のような医学的変数と密接に関係している:


  • 病期。

  • 症状のレベル。

  • 機能的能力。

  • 疲労の程度。

  • 副作用のプロファイル。

がん患者は疾患の経過中にさまざまなレベルの実際的な補助を要求する。1日24時間拘束されるか、夜間にのみ拘束される介護者では、累積的な睡眠障害および疲労が多々見られる。十分な休息を取らないか、運動をしていない、および自身の健康を顧みないなどの介護者の行動は抑うつに酷似するが、介護者の健康およびQOLの障害にも寄与する。 [3] ; [4] [証拠レベル:II]

社会的影響

社会的役割および関係はがんによってきわめて大きな影響を受ける。既存の患者-介護者の関係の本質と質は、介護者の負担の評価および治療において重要な考慮事項である。夫婦間または人間関係の悩みががんまたは疼痛の発生より先行している場合、介護者は介護をしぶしぶ行うことがある。さらに、介護は多大な時間を要し、社会的孤立の感情につながることがある。

がんおよび疼痛の社会的影響は、社会的支援、経済的保証、および就労の安定性により改善できる。がんの次第に慢性化する性質を考慮すると、介護者はこれらの分野のすべてで支援が徐々に減っていくことに気付く場合がある。介護者に他の家族とネットワークを形成するように促し、彼らを公式な情報資源に結びつけることは、社会的支援の非公式な情報資源を強化する上で有用である。

経済的な影響

がんの経済的な影響および隠れた費用が介護者の負担に影響しうる。家族は、保険控除免責金額、自己負担分、移動および在宅ケア、給料の逸失など保険の対象とならないサービスによる経済的な負担を背負い込むことがある。がん患者の介護に伴う時間の観点から、介護者には以下の付随的負担が発生する: [5]


  • 診察に同行する。

  • 患者とともに診察を待つ。

  • 仕事に出られない。

  • 手術および医学的処置の準備をする。

  • 普段の活動および関係を疎かにする。

  • 入院している患者に付き添う。

その他の社会的損失としては、患者の回復中に家で過ごす時間、保険の問題に対処するために消費される時間、および交際、情緒的サポート、会話、その他の気晴らしとなる行動ができなくなることが挙げられる。 [6]

心理的影響

重篤な疾患に直面している家族のメンバーは、がん患者ほどではないにしても、がん患者と同等の苦痛を経験することが明らかになっている。この苦痛は介護者の役割自体から生じるほか、患者の苦痛を目の当りにすることによっても生じる。 [7] がん患者および家族介護者における心理的苦痛については1件のメタアナリシスにより、両者ともほぼ同じレベルの苦痛を経験していることが明らかにされた。 [8]

楽観主義や悲観主義など、関係する人格の特徴は介護の心理的影響に作用する。喪失感や、ストレスの多い生活上の出来事、患者との口論により負担を背負う家族介護者は、既に十分苦しんでいる上に、新たな介護の役割を負わされることがある。介護者の心理的要求を満たすことは腫瘍チームの範囲外に当たるが、こうした要求が介護の質のほか、時期尚早で不必要な入院の可能性に影響する場合には、こうした要求は意味をもつ。 [9]

介護者のQOLは、がん患者の疾患の病期およびケアの目標の影響を受けることが明らかにされている。 [10] [証拠レベル:I]1件の集団ベースのプロスペクティブコホート研究により、介護者の緊張は5年以内の死亡リスクを63%増加させることが明らかにされた。 [11] [証拠レベル:II]

霊的影響

介護者のQOLの霊的側面に関する研究は不十分である。 [9] 2~3件の研究で、がんに対処する場合に、疾患の経過の中で意義と希望を見つける一方で人生の意義に関する実存的疑問を投げかけるといった類似した霊的課題を患者と介護者が有することが示されている。 [12]

霊的幸福は介護者にとってストレス緩衝効果があると考えられる。霊性レベルが高いことは、介護者の心理的苦痛の低下と、幸福感の向上に関連している。 [13] さらに、信仰を捨てず意義を見つけることで、介護のストレスがメンタルヘルスに及ぼす悪影響を軽減することが示されている。 [14] 霊性は絶望から介護者を元気付け、介護者ががんの経験から意義を見出す助けとなり、希望と苦痛についての実存的観点を提供する。 [15] 介護に対する個人の反応を特徴付ける霊的または宗教的価値観の調査は腫瘍チームのどのメンバーが行っても良いが、一般的に言えば、この分野については社会福祉士および牧師が最も熟達している。(がん医療における霊性および宗教に関する詳しい情報については、がん医療における霊性に関するPDQ要約を参照のこと。)

介護のプラス面

介護者は、愛する人の苦痛に直面して家族としての義務感、忠義心および利他主義の感覚などの理由から介護を引き受けているが、さらに現実的な理由としては、有料の介助サービスの不足、サービスに対する保険の補償範囲の不足も挙げられる。 [16] 介護のこの他のプラス面は以下の通りである:


  • 逆境を通じての個人的な強さの発見。

  • 自尊心の向上。

  • がん患者との関係強化。

  • 個人的成長の感覚。

諸研究から、がん患者の介護をすることは満足感、がん患者との親近感、および義務を果たしているという感覚といった報いがあると示されている。介護のプラス面とマイナス面は、心理的幸福および介護者が介護を続けようとする意志と関連している。 [17]

介護のプラス面は、医療専門家からの心理的支援および問題解決の実際的な補助により強化されうる。 [18] 専門家が直接行う介護者の妥当性評価および患者の診療を通しての間接的支援は、介護者のより高い満足感および介護を続ける意志と関連している。 [18] [19]

頻繁な通院のストレスを低下させるために、介護者には、長時間作用性の薬物投与レジメンまたは電話でのトリアージなどの選択肢も提供すべきである。がん管理の関連する側面および利用可能な地域コミュニティ資源についての介護者の教育は、医療専門家との個別の連絡またはより正式な教育プログラムを通して達成できる。


参考文献
  1. Kim Y, Given BA: Quality of life of family caregivers of cancer survivors: across the trajectory of the illness. Cancer 112 (11 Suppl): 2556-68, 2008.[PUBMED Abstract]

  2. Kim Y, Duberstein PR, Sörensen S, et al.: Levels of depressive symptoms in spouses of people with lung cancer: effects of personality, social support, and caregiving burden. Psychosomatics 46 (2): 123-30, 2005 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]

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  5. Yabroff KR, Davis WW, Lamont EB, et al.: Patient time costs associated with cancer care. J Natl Cancer Inst 99 (1): 14-23, 2007.[PUBMED Abstract]

  6. Glajchen M: Role of family caregivers in cancer pain management. In: Bruera ED, Portenoy RK, eds.: Cancer Pain: Assessment and Management. 2nd ed. New York, NY: Cambridge University Press, 2009, pp 597-607.[PUBMED Abstract]

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  9. Ferrell BR, Dow KH, Grant M: Measurement of the quality of life in cancer survivors. Qual Life Res 4 (6): 523-31, 1995.[PUBMED Abstract]

  10. McMillan SC, Small BJ, Weitzner M, et al.: Impact of coping skills intervention with family caregivers of hospice patients with cancer: a randomized clinical trial. Cancer 106 (1): 214-22, 2006.[PUBMED Abstract]

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  12. Taylor EJ: Nurses caring for the spirit: patients with cancer and family caregiver expectations. Oncol Nurs Forum 30 (4): 585-90, 2003 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

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  17. Balducci C, Mnich E, McKee KJ, et al.: Negative impact and positive value in caregiving: validation of the COPE index in a six-country sample of carers. Gerontologist 48 (3): 276-86, 2008.[PUBMED Abstract]

  18. Haley WE: Family caregivers of elderly patients with cancer: understanding and minimizing the burden of care. J Support Oncol 1 (4 Suppl 2): 25-9, 2003 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  19. Kim Y, Schulz R, Carver CS: Benefit-finding in the cancer caregiving experience. Psychosom Med 69 (3): 283-91, 2007.[PUBMED Abstract]

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介護者の評価において考慮すべき因子

介護者の評価を効果的に行うには、介護者が何を提供でき、何を提供する気があるかを考慮すべきである。性差を型どおりにとらえると、腫瘍チームは、女性は男性よりも創傷手当て、食事や入浴の介助、車椅子の操作などの作業に向いていると想定しがちであるが、必ずしもそうとは限らない。 [1] 介護は性別、および家族内で介護者に期待される役割の影響を受ける。介護者の負担に関する84件の研究のメタアナリシスにより、介護者が配偶者の場合は他の介護者よりも苦痛が大きく、女性は男性よりも苦痛が大きいことが明らかにされた。 [2] 性差の理由としては、以下が含まれると考えられる: [3]


  • 女性はより個人的な介護作業を行う傾向がある。

  • 女性は介護者の主要な役割を引き受ける可能性が高い。

  • 女性は公的支援を得る可能性が低い。

  • 女性は、文化的および社会的に介護者になるように迫られる可能性がより高い。

理想的には、介護者の負担は多次元の、妥当な、信頼できる、および臨床的に適切なツールを用いて臨床および研究の場で測定されるべきである(下表を参照のこと)。しかしながら、ほとんどのツールは客観的な負担と主観的な負担の両者を同時に測定するのではなく、いずれか一方の負担を測定する。介護者の負担の客観的測定は、介護の提供に費やされた時間や介護者が行った作業の実際の数といった変数で構成されている。 [4] [証拠レベル:II] [5] 客観的測定値は通常、短時間かつ容易に答えがでて、しばしば問題解決および直接介入のための明確な方向性を示す。 [6]

介護者の負担を評価するためのツール

文献引用 ツール名 説明
[7] Brief Assessment Scale for Caregivers(BASC)of the Medically III 負担およびQOLを測定する14項目の評価スケール、およびマイナスの個人的影響を測定する8項目のサブスケール
[8] [9] Caregiver Quality of Life Index-Cancer(CQOLC)Scale 身体的、情緒的、家族の、および社会的機能の負担を測定する35項目の評価スケール
[10] Caregiver Reaction Assessment(CRA) 自尊心、家族の支援の不足、資金、スケジュール、および健康の負担を測定する24項目の評価スケール
[11] Caregiver Strain Index(CSI) 雇用、経済的、身体的、社会的、および時間制約の負担を測定する13項目の評価スケール
[12] Zarit Burden Interview(ZBI) 健康、心理的幸福、財源、社会生活、および患者との関係の負担を測定する22項目の評価スケール
[13] がん患者に対する介護者のQOL質問票(CarGOQoL) 心理的幸福、負担、ヘルスケアとの関係、資金管理、コーピング、身体的健康、自尊心、余暇、社会的支援、私生活を測定する29項目の評価スケール
[14] Care of My Child with Cancer(CMCC) 家族のメンバーが子供のために行う介護作業を測定する28項目の評価スケール


最近使用され始めた言葉である介護者の緊張(Caregiver strain)は、介護者が役割を果たす際に困難を認識するか、課題が手に負えないと感じる場合に用いられる。 [15] 主観的負担としても知られるこの用語は、介護に付随する情動反応を記述するために用いられる。不安、心配、欲求不満、および疲労は介護者の負担および緊張に寄与し、治療チームのメンバーには分からない場合がある。 [2]

介護者の苦痛(例、抑うつ、一般的な心理的苦痛、およびがん特異的な苦痛)と関連する人口統計学的および心理社会的特徴は、以下の通りである: [16]


  • 女性である。

  • 年齢が比較的若い。

  • 患者の配偶者である。

  • 社会経済的地位が比較的低い。

  • 雇用されている。

  • 個人的および社会的支援が不足している。

介護の状況に特異的で、介護者の苦痛とも関係する因子としては、介護の負担、介護に対する自己有効感、提供する介護の種類、および生存者の機能的状態が挙げられる。 [16]

家族介護者は、社会的役割の中での衝突、活動の制限、夫婦および家族関係における緊張、心理的苦痛、および身体的な健康の低下といった介護の経験に伴うさまざまな問題を報告する。 [17]

評価の時期

介護者の評価は、医療システム内のどの接触ポイントで行っても良い。理想的には、患者が最初にがんと診断されたとき、患者が救急治療部に運ばれたとき、および大きな移行が計画されるときに包括的な介護者の評価を実施すべきである。介護者が評価されるシステムでは、介護者は医療チームの貴重なメンバーとして実施者に認められる。介護者の評価により、健康およびメンタルヘルスの問題に対するリスクが最も高い家族のメンバーを特定することができ、それに伴い今後のサービスを計画することができる。 [18]

文化

介護者の評価は多次元的であり、文化的に適切な方法を取り入れる必要がある。 [19] 諸研究は、文化的信念が、がん経験において家族の感情および懸念に影響を与える要因の一部となっていることを示している。

116件の経験的研究のメタアナリシスにおいて、アジア系米国人介護者は、白人、アフリカ系米国人、およびヒスパニック系の介護者よりも長時間介護を提供し;公的支援サービスの利用水準が低く;他のサブグループよりも財源が少なく、教育水準が低く、抑うつのレベルが高いことが明らかにされた。 [19] これらの知見は、外部からの助けを受けていない介護者は助けを受けている介護者よりも抑うつ状態にあるため、腫瘍チームにとって重要である。アジア系米国人介護者における満たされない要求と、サービスの障壁について調べた1件の研究では、介護者は「自尊心が高過ぎて外部からの助けを受けられないと感じている」または「部外者に入って来てもらいたくない」ために外部からの助けを断ったことが明らかにされた;報告された他の障壁としては、「お役所仕事はあまりに複雑である」または「資格を有する介護提供者を見つけられない」が挙げられた。 [20]

ケアへのアクセスは、家族内で疾患の話し合いをする気が進まないことで支障を来すことがある。一部のアジア系米国人の間では死または死ぬという話題は縁起が悪いと考えられており、そのため予後およびインフォームドコンセントの話し合いは非常に困難となる。 [21] がんの診断を患者に秘密にしておくことや疾患進行の話し合いを回避することは、介護者の負担および責任の感覚を大きくすることがある。最初の評価の早い段階で、疾患についての文化的信念および介護者の役割を確認し、話し合うべきである。

諸研究から、ヒスパニック系およびアフリカ系米国人患者および介護者は、カウンセリングやサポートグループ、在宅ケア、居住型療養施設、ホスピスサービスなど地域の健康情報源をあまり利用していない。この過少利用には多くの理由がある。1つの重要な理由は、家族の強い結びつきによって、マイノリティの介護者は家族外からの助けを求めることを避けているということである。 [22] アフリカ系米国人、白人、およびヒスパニック系の介護者を比較した1件の研究により、ヒスパニック系患者の75%およびアフリカ系米国人患者の60%が主要な介護者の家族と同居していることが明らかにされた。マイノリティの家族は、友人および近親者からの非公式な介護に頼っていることが多く、白人の家族よりも大きな社会支援ネットワークをもっていた。しかしながら、高齢の家族のメンバーに介護を提供するというこうした義務感の高さは、白人の介護者によって報告されているよりも長い介護時間、介護についての大きなあきらめ、高いレベルの介護者の緊張、および家計収入の大きな低下と関連した。 [22] [23]

別の研究では、介護による雇用喪失の報告が分析された。結果から、アフリカ系米国人およびヒスパニック系の介護者の方が、白人の介護者よりも患者の介護のために労働時間を減らす傾向が高かったことが示された。さらに、マイノリティの介護者は愛する人のために公的なナーシングホームサービスを利用したがらなかった。ナーシングホームに近親者を入所させるよりもむしろ労働時間を減らす決定は、心理的、社会的、および経済的負担の増加を伴った。 [24]

介護の負担を受け入れることは、介護者の抑うつにつながる場合がある。外部からの助けを受けない介護者は、補助的な非公式の介護者または公的な資源からの助けを受けている介護者よりも抑うつ状態にある。ヒスパニック系およびアフリカ系米国人介護者の多くはストレスを報告するにもかかわらず、サポートグループや他の資源の存在を知っている場合でさえも、外部からの助けを受けようとしない。ケアを受けることについて障壁となっているのは、家族の問題を部外者と共有したくないという気持ちと考えられる。他の障壁としては以下が挙げられる: [25]


  • 外部からの助けの利用可能性の欠如。

  • 地域コミュニティの認識の不足。

  • 社会サービス提供者への信頼の欠如。

  • ホスピスサービスの役割の誤解。

アフリカ系米国人は親密に結びついた友人および家族のグループに大きく依存しているため、在宅ケアワーカーなど外部の人間が自分たちのネットワークに入ってくることをあまり歓迎しない傾向がある。 [25]

さらに、ホスピスケアを受けるための前提条件は、主要な介護者が家にいることである。アフリカ系米国人の家族のメンバーはしばしば家の外で働かなければならないため、患者を介護するための人が不在で、患者はしたがってホスピスケアを受けられないことがある。アフリカ系米国人コミュニティの人々はまた、諦めてがんとの闘いを止めるように患者に促すような緩和ケアの概念に不快感を抱いている場合がある。 [25] こうした異文化間の問題は、介護者の要求を評価する際、およびそうした要求を満たす臨床および教育プログラムを設計する際に重要である。 [26]

介護者の年齢および健康状態

家族介護者は、しばしば覚悟ができていないと感じていて、知識が不十分で、がん患者を介護するための腫瘍チームの指導をほとんど受けていない。 [27] 高齢の介護者は併存疾患を有し、固定収入に頼って暮らしており、利用可能な社会支援ネットワークが縮小している場合があるため、特に弱い立場にある。また、がん患者の高齢の介護者は自身の健康の要求を顧みず、運動する時間が少なく、自身の処方薬物の摂取を忘れ、睡眠が途切れがちで疲労しがちである。そのため、高齢者による介護が不良な身体的健康や抑うつにつながることは一般的であり、死亡の増加につながることもある。 [28] [29]

一般的には、介護者の年齢が低いほど、仕事、自身の家庭での責任、および社会生活に関する犠牲が大きい。中年の介護者は典型的に失われた労働時間、仕事の中断、休暇の取得、および生産性の低下について心配する。 [30] [31]

社会経済的背景

介護に必要な実質的な自己負担費用は、がん患者の家族に経済的負担を生じさせることがある。比較的裕福な家庭ではケアおよび外部の支援サービスを利用できる余裕があるため、収入が高い方が、こうした経済的負担の影響を軽減し、苦痛の感情を弱めることができる。一方、個人収入および家計収入が低いおよび経済的制約のある家族では、治療のコンプライアンスまたは収入に基づいてなされる治療関連の決定が危機にさらされる場合がある。 [32]

Family and Medical Leave Act(育児介護休業法)

Family and Medical Leave Act of 1993(1993年の育児介護休業法:FMLA)は、従業員が自身の重篤な医学的状態または近親者の重篤な医学的状態のために、利益または仕事を失うことなく休暇を取る選択肢を従業員に与えるためにデザインされた。家族のメンバーは法の下で最長12週間の休暇を取る権利が与えられる;しかしながら、その施行以来、FMLAは雇用主から抵抗を受け、従業員もあまり利用していない。慢性疾患の小児の介護者45人を含む1件の探索的研究において、FMLAは年収35,000ドル未満の未婚女性で最も利用が少なかった。 [33]

規範、役割、および期待

介護者の負担を理解するための最初の理論モデルでは、介護者の評価と役割緊張に焦点を当てている。 [34] [35] がん患者の介護者が行う複数の役割は、介護者の身体的および感情的資源との関係において互いに競合することがある。

役割緊張理論は、多くの研究において介護者の負担を説明するために用いられている。中年の介護者457人を対象にした1件の研究の結果から、介護者が果たす社会的役割が増えるほど、介護者はストレスおよび負の影響を経験する可能性が高くなることが明らかにされた。 [36] 雇用された介護者が子供の世話もしている場合には、通常より高いレベルのストレスが報告された;しかしながら、雇用された介護者は、職場から提供される一時休暇や雇用主および仕事仲間からの支援により便宜を得ることで、心理的資源を補充できた。そのため、従業員としての役割を維持するように介護者を励ますことは有益であろう。

家族介護者の役割は複雑で一部重複しているという認識に基づいて、焦点は2つの部分から成る現象としての介護の治療に移っている。本来、介護は基本的に関係があり [37] 、しばしば相反するものである。 [38] [39] 効果的に行うために評価では常に、介護を受ける者が何を要求しているかだけでなく、介護者が何を提供でき、何を提供する気があるかを考慮すべきである。


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介護者への介入

介護者は通常、介護の始まりを患者の最初のがん診断時と明示する;理想的には、介護者への介入はこのときに開始すべきである。しかしながら、家族介護者の経験の解明に適用可能な、妥当性が確認されたモデルは存在せず、医療における意思決定の指針となる適切な枠組みがないため、介護者のルーチンの評価を行う設定もほとんどない-介護者の評価は腫瘍学開業医の仕事をより困難にする。 [1]

一般的に言えば、介護者への介入には以下がある:


  • 教育および情報。

  • カウンセリングおよび心理療法。

  • がん患者のための在宅ケアサービス。

  • がん患者のためのホスピスケア。

  • 家族との面会。

  • 心理教育。

教育および情報

臨床家は一般的に、介護者に情報を提供する価値について意見が一致している。介護者の状況に合わせた情報は、ケアの実施のための指針となる。情報はまた、介護のストレスおよび付随する不適切な感覚および無力感を低下させるのに役立つことがある。 [2] 患者の疾患の経過、予期される疾患の経過、および家族が経験する感情の幅に関する情報は、経験を標準化するのに役立ち、介護者のコントロール感を高める。

介護者およびがん患者は、新たな腫瘍科の臨床医との面談および新しい治療施設への紹介に伴ってストレスを経験することがある。がん患者および介護者に対して、がん治療施設および利用可能なサービスに関する情報を提供するプログラムの効果について、1件のレビューが実施された。介護者と患者にがん医療施設のオリエンテーションを実施する助けとなるようデザインされた介入の効果に関するランダム化比較試験(RCT)、クラスタRCT、および疑似RCTを対象としたレビューでは、参加者610人を含む4件の研究のみが確認された。2件のRCTによる結果では、苦悩レベルの低下に関して有意な有益性が示されたが、不安レベルに関する有益性に有意性は認められなかった。他の肯定的な有益性には、がんセンターおよびがん治療に関する知識の増加、対処能力の向上などがあり、有害な影響つまり否定的な影響は認められなかった。しかしながら、著者らは、この研究は概して質が悪く、参加者の数が少ないことから、患者バイアスの要因になると結論した。 [3] [証拠レベル:I]

介護者はがんおよびその治療、関連する症状、および副作用に関する実際の情報を求める。介護者は、何をすべきか、および特定のがんがどのように行動する可能性が高いかについて個別の詳細を必要とする。1件の調査において、外来のがん患者およびその介護者によって確認された情報および教育の要求の重点領域としては、疼痛、衰弱、および疲労の管理に続いて、在宅での患者の介護を容易にするために利用可能なサービスの種類が挙げられた。 [4] 介護者が患者の疾患の経過中に情報を受けるために最も重要な時期と思われるのは、以下の通りである: [5]


  • 診断時。

  • 入院中。

  • 新しい治療の開始時。

  • 再発時。

  • 終末期。

しかしながら、がんの性質は慢性的で、さまざまな時点で広範な作業をマスターしなければならないため、介護者が必要とする情報の性質は時間の経過とともに変化する。 [4]

疼痛管理の領域では、介護者は薬理的な問題および医薬品の説明書を理解する必要がある。介護者は特に、以下に関する指示を必要としている: [6]


  • 疼痛緩和にどの医薬品を使用すべきか。

  • 投薬すべき時間。

  • 疼痛コントロールの効力を評価する方法。

  • 副作用をモニターする方法。

  • マイナスの結果または無効性を確認する方法。

疼痛や疲労などの症状に関する介護者の知識および態度は患者に影響しうる。薬物依存および過量投与が起こるのではないか、または副作用で不快感を来すのではないかという不安を抱いている介護者は、医薬品の供給を監視し、使用を制限し、患者への投薬を少なくすることがある。 [7] 副作用の経験はがん患者に治療レジメンを諦めさせることがあるため、介護者は治療の副作用の管理について訓練を受ける必要がある。

介護者は、介護技術のほとんどは試行錯誤を重ねて習得したことを報告し、公的な医療システムからのより多くの支援を希望している。 [2] 介護者は、症状管理のために以下のような薬物療法以外の戦略における訓練から利益を得ている:


  • マッサージ。

  • 温罨法および冷罨法の利用。

  • エネルギー温存。

  • 安静および回復戦略。

  • リラクゼーション。

  • 気晴らし。

疼痛の緩和を促進し、疲労を低下させるために、枕を用いた患者の体位変換、患者に移動性をもたせる、および患者の歩行運動を介助するといった技術も教えることができる。 [6]

可動性の障害への対処は、介護者もがん患者も同様に、介護者の最も困難な責務の1つとして位置付けている。介護者は可動性の問題について患者を頻繁に助け、転倒のリスクを最小限に抑える責任を負わねばならない。1件の実施可能性に関する研究で、介護者と患者に都合が良いときに視聴できる教育ビデオを利用することで、安全な可動性に関する介護者の知識と技術を向上させ、転倒のリスクを低下させる能力が実証された。他の研究ではこうした教育用のDVD技術の利用が有効であると証明されている。 [8]

オンラインでの介入を用いた1件のパイロット研究では、介護者の必要に特化した情報を介護者が見つける助けとなることに成功した。参加者は、主に介入の結果としてプラスの幸福感を報告した。 [9] 頻繁に用いられるが、あまり文献で記述されない他の種類の介入としては、以下が挙げられる: [4]


  • 患者と家族に質問するように指導する。

  • 小冊子、パンフレット、ファクトシート、および情報カード。

  • タッチスクリーン情報システム。

  • ウェブ放送。

  • コンピュータ情報システム。

正確な情報は不確実性を低下させるのに役立ち、介護者にコントロール感を与えることで介護者を力付ける。さらに、介護者は疼痛の専門家とともに時間を過ごすことで情緒的サポートを得る。介護者は以下に関する情報が必要であることを報告している: [10] [11]


  • 患者のがん。

  • 症状の病因。

  • 将来、予想されること。

  • 治療の副作用。

  • 医学的な緊急事態の管理。

介護者に対する教育プログラムの価値に関して数件の記述研究が報告されているが、アウトカム(結果)のデータは不足している。研究の多くには、特にアウトカム変数の記述において重大な方法論的欠陥がある。

介護者向けの文書による資料、オーディオテープ、ビデオテープなどの情報ツールの利用可能性は、がん患者向けの同様のツールの利用可能性よりも遅れている。がん患者の家族介護者は問題解決の戦略、特異的な介護戦略、およびセルフケアを含む介護者用の教材を必要としている。 [12]

介護者への介入と患者に提供される介護の増加との関係について調査したデータはごくわずかである。化学療法を受けており、疼痛と疲労がみられるIII期およびIV期のがん患者を対象にした1件のランダム化試験において、患者とその介護者が両者を一組として、看護師による症状管理介入または研究スタッフのメンバーが指導する介入のいずれかにランダムに割り付けられた。 [13] [証拠レベル:I]計225組の介護者-患者が研究に登録された。この試験の目的は、どちらの介入が、患者の症状のケアを支援する際により効果的に介護者の関与を増やし、介護者の感情面での健康状態を改善できるかを明らかにすることであった。

この研究では介護者に対して、患者をサポートして、患者がセルフケア戦略を行えるように助ける役割について介護者が理解しやすくなるようにデザインされていた。問題を解決するための症状管理介入群に割り付けられた介護者は、腫瘍専門看護師から3回の電話連絡を受け、看護師は:


  • 症状に関する支援および介護作業の役割について情報を求めた。

  • 患者に対する感情面のサポートの提供と症状管理の重要性について話し合った。

  • 問題を解決するための技術について支援した。

症状管理のため一覧表を載せたツールキットも提供された。

介護のための情報について指導された群もまた研究スタッフのメンバーから3回電話連絡を受け、研究スタッフは問題解決の指導や支援は行わなかったが、介護者に個別の症状を管理するためのツールキットを参照するように指示した。

研究結果から、10週目に介護者に症状がみられた場合は、問題解決のための介入によって支援に有意な主効果は示されなかった。しかしながら、看護師による介入群でうつ症状のレベルが低い介護者は、患者をサポートする可能性が高かった。どちらの群も介護者の感情面での健康状態に対する効果はみられなかった。

著者らは、うつ症状のレベルが低い介護者では看護師による問題解決のための介入により家族介護者のサポートが増加すると結論付けた。また著者らは、患者の症状の管理にのみ焦点を当てた介入では介護者の感情面での健康状態を改善できないと結論付けた。 [13]

カウンセリングおよび心理療法

カウンセリングおよび心理療法は、介護の要求に介護者が心理学的に適応する一助となることで苦痛を軽減するようにデザインされている。 [2] これらの介入は典型的に士気、自尊心、対処、およびコントロール感を向上させながら、不安および抑うつを軽減するようにデザインされている。個別のカウンセリングは、介護者にサポート、教育、および問題解決技術または対処技術を提供するようにデザインされている。しかしながら、こうした介入は高価で、仕事をもっているまたは強い苦悩状態にある介護者にはあまりにも時間を要する。 [14]

がん患者のための在宅ケアサービス

がん患者のために提供される在宅ケアサービスには一般的に、ケアプランの一環として介護者のサポートが含まれている。介護者はこうしたサービスについて高い満足度を報告し、サービスを有用であると述べる。 [15] [証拠レベル:I]しかしながら、同時に諸研究では、在宅ケアサービスを利用しているがん患者の介護者において高レベルの心理学的な病的状態および満たされない要求が引き続いて示されており、一般的な支持的看護ケアは介護者の要求を完全には満たしていないことを示唆している。 [14]

1つの研究者グループにより、肺がん患者に提供された腫瘍学に特化した在宅ケアサービスが生存者における死別および心理的苦痛に影響するかどうかが研究された。 [16] [証拠レベル:I]参加者は、腫瘍学による在宅ケアサービス群、標準の在宅ケアサービス群、または施設ケア対照群のいずれかにランダムに割り付けられた。腫瘍学による在宅ケアサービス群において、患者の配偶者は、他のいずれの群の患者の配偶者よりも心理的苦痛が有意に低かった。 [16] これらの知見は他の研究によって実証されている。

がん患者のためのホスピスケア

在宅での緩和ケアをベースにした患者の家族介護者は、在宅型の実際的な介護を行う自信と能力を高めるため、実際的な看護技術の指導の必要性および専門家の助言へのアクセスを高める必要性を報告している。 [17] また、人生の最終段階にある患者を支援している介護者は、患者より大きくはないにしても、患者と同じ程度の苦痛を経験する。がん患者および家族介護者における心理的苦痛については1件のメタアナリシスにより、両者ともほぼ同じレベルの苦痛を経験していることが明らかにされた。 [18] こうした理由から、在宅でホスピスケアプログラムを受けている患者とその介護者ではQOLスコアに強い相関がある;介護者は引き続き高い割合の負担を報告する。 [19] [20] [21] [22]

心理教育

心理教育プログラムでは、がん患者の介護者に介護に対処する一助となるようにさまざまな技術、資源、および問題解決戦略を提供する。例えば、COPE(creativity[創造性]、optimism[楽観主義]、planning[計画]、およびexpert information[専門家の情報])の頭字語で要約される問題解決モデルは、介護者の有効性、効力の感覚、および満足を最大化するように設計されている。 [23] 介護者は困難な状況に対して創造的な解決策を見出すように勇気付けられる。COPEの問題解決モデルでは:


  • 楽観主義と現実主義を組み合わせて、問題解決の情動的な側面を扱う。

  • 介護者が個別の状況に合わせるために特異的な計画を作り上げるのを支援する。

  • 介護者に、介護者が取る行動の理論的根拠を教える。

COPE研究の著者らは、このモデルでは介護者のストレスが励ましと訓練を通して緩和されると主張した。 [23]

介護者に対する技術訓練は、QOLの改善、症状管理と関連する負担の軽減、および介護作業の強化において有効であることが証明されている。こうしたプログラムは、終末期やホスピスを含めたすべての病期のがん患者の介護者に有効である。 [22] 最も有効な技術訓練プログラムは、えてして看護介入プログラムであり、このプログラムでは指導、サポート、看護ホーム訪問を組み合わせている。 [6] 看護師が主体となった移行指導プログラムでは、患者と介護者に次のレベルのケアの準備をさせ、コミュニケーション技術を教え、患者が自宅に戻る支援をする。さらに、看護師は退院後2日、7日、および14日経過時に電話連絡を開始し、それにより単一の接触点を介してケアを継続する。 [24]

がん患者の介護者に対する心理教育プログラムの有効性は一貫していない。例えば、がん患者の配偶者に関する6週間の問題解決介入は抑うつの緩和に成功した;しかしながら、対処、社会支援、または心理的幸福への効果はみられなかった。 [25] 別の研究では、237組のがん患者/介護者のペアが次の2つのグループの1つにランダムに割り付けられた:従来のケア群または20週間の実験群。介入のねらいは、介護者の症状管理能力の向上および介護者の悩みの緩和であった。介入により介護者の症状管理能力は向上したが、介護者の抑うつの軽減に対する有効性は示されなかった。 [26]

複数の要素に関する介入は、介護者の支援に有効的である可能性がある。例えば、Family Caregiver Cancer Education Programでは、症状管理に関する教育とともにコミュニケーション、役割および関係の管理、財源管理、およびセルフケアの維持における技術の構築を標的にしている。 [27] 介護者の自信および情報取得に対する満足感はプログラム参加後から増加した一方で、自身の健康の認識は時間をかけて徐々に改善していった。

家族との面会

詳しい情報については、本要約の医師と家族介護者の連係のセクションの家族との面会の開催に関するサブセクションを参照のこと。

介護者向けのリハビリテーション

介護者の負担に関するテーマは文献で十分に表現されていないが、1件の包括的レビューにより、腫瘍学における介護者の苦悩および負担に対する介入を扱ったきわめて少数の研究が明らかにされた。 [28] 広範な文献探索でもわずか20件しか介入研究が見つからず、緊張および負担に対するアウトカムの測定値を明確に引用していたのは、このうちわずか8件であった。2件の系統的レビュー [14] [27] では、腫瘍学または緩和ケア集団の介護者を対象にした研究に限定した調査が行われた。しかしながら、ほとんどの研究デザインは、定性的、記述的、横断的、または非実験的デザインであった;そのため、介護者に提案された介入(例、適格性、サポート、一時休暇、または成人向けデイケア)の多くは、ランダム化臨床試験でさらなる証拠が得られるまでは、有効性が確立できない介入であった。

研究された介入の一部はプラスの心理社会的結果を示したが、諸研究は介護者の負担の軽減を証明できなかった。そのため、これらの特異的な戦略は、介護者の負担の軽減における有効性を確立できるようにするためには、さらなる検証を必要とする。 [28]

研究登録時点から介護者のQOLの改善における効力を実証している介入研究はほとんどない。代わりに、ほとんどの介入研究は介護の知識および技術の向上における効力を実証している。例えば、医学的情報を捜し出し、心理社会的情報源を確認し、または症状を管理する方法に関して介護者を教育するようにデザインされた介入は、介護者の知識、自信、および気分の改善に役立っている。同様に、介護者が問題解決技術(例、がんへの対処)を作り出す一助となるようにデザインされた介入は、介護者がストレスを管理し、心理的苦痛を緩和する上で介護者の自己有効感の増加において有効性を実証している。 [29]

ある研究で、介護者だけでなく、他の家族および臨死患者の近親者(この研究ではすべて「第2の遺族」として定義された)の心理社会的ニーズも検討された。この第2の遺族のニーズに関する定性的評価は、悲しみに対するグループ心理教育学的な介入の8週間後に実施され、これらの人達における無力感および孤立感が明らかになった。また、臨死患者のケアに伴う従来のニーズを超えて拡大するニーズとして、支援も特定された。著者らは、第2の遺族のニーズに向けたソーシャルワーカーによる介入は、有用な場合があると結論した。 [30] [証拠レベル:II]


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  25. Toseland RW, Blanchard CG, McCallion P: A problem solving intervention for caregivers of cancer patients. Soc Sci Med 40 (4): 517-28, 1995.[PUBMED Abstract]

  26. Kurtz ME, Kurtz JC, Given CW, et al.: A randomized, controlled trial of a patient/caregiver symptom control intervention: effects on depressive symptomatology of caregivers of cancer patients. J Pain Symptom Manage 30 (2): 112-22, 2005.[PUBMED Abstract]

  27. Pasacreta JV, Barg F, Nuamah I, et al.: Participant characteristics before and 4 months after attendance at a family caregiver cancer education program. Cancer Nurs 23 (4): 295-303, 2000.[PUBMED Abstract]

  28. Honea NJ, Brintnall R, Given B, et al.: Putting Evidence into Practice: nursing assessment and interventions to reduce family caregiver strain and burden. Clin J Oncol Nurs 12 (3): 507-16, 2008.[PUBMED Abstract]

  29. Kim Y, Given BA: Quality of life of family caregivers of cancer survivors: across the trajectory of the illness. Cancer 112 (11 Suppl): 2556-68, 2008.[PUBMED Abstract]

  30. Clark PG, Brethwaite DS, Gnesdiloff S: Providing support at time of death from cancer: results of a 5-year post-bereavement group study. J Soc Work End Life Palliat Care 7 (2-3): 195-215, 2011 Apr-Sep.[PUBMED Abstract]

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最新の臨床試験

現在、参加者を受け入れている介護者に関連した介入または処置介護者への心理社会的支援および介護者への支援についての支持療法と緩和ケアの試験は、NCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

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本要約の変更点(01/21/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

概要

参考文献1としてAmerican Cancer Society 2016が追加された。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん患者の介護者に対する課題および有用な介入について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

がんにおける家族介護者に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    National Cancer Institute: PDQ® Family Caregivers in Cancer.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Date last modified <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/coping/family-friends/family-caregivers-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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