ページの先頭へ

最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

AIDS関連リンパ腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-02-04
    翻訳更新日 : 2018-04-20


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、AIDS関連リンパ腫の治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

AIDS関連リンパ腫に関する一般情報

背景および定義

後天性免疫不全症候群(AIDS)は、1981年に初めて報告され、最初のAIDSを定義する疾患には、ある種の日和見感染、カポジ肉腫、および中枢神経系(CNS)リンパ腫があった。1984年に、ある多施設研究がAIDSの危険性のある母集団における非ホジキンリンパ腫(NHL)の臨床スペクトラムを示した。 [1] 非ホジキンリンパ腫の発生率はAIDSの流行とほとんど同じ経過で増加しており、新たに診断されたAIDS症例の2~3%を占める。 [2] 併用抗レトロウイルス療法(cART)が1990年代中頃に導入されて以降、リンパ腫の発生率は減少し、治療成績が向上している。 [3] cART時代における高いCD4陽性Tリンパ球(CD4)数は、組織学的診断を変化させている。この変化により、最も低いCD4数で発生する原発性滲出液リンパ腫およびCNS原発リンパ腫が診断されることが少なくなり、バーキットリンパ腫やホジキンリンパ腫(HL)など、比較的高いCD4数で発生する組織型が診断されるようになっている。 [4] [5] [6] cART時代になってすべてのリンパ増殖性疾患の発生率が低下したのとは対照的に、肛門がんの発生率は変化していない。 [7]

組織型

病理学的に、AIDS関連リンパ腫は狭い範囲の組織型からなり、そのほとんどが侵攻性のB細胞腫である。これらには以下のものがある:


  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(B細胞免疫芽球性リンパ腫を含む)。

  • バーキットまたはバーキット様の小型非切れ込み細胞型リンパ腫。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リンパ腫は以下のように分類できる:


  • 侵攻性B細胞リンパ腫(上記を参照のこと)。

  • 中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)。

  • 原発性滲出液リンパ腫。

  • 形質芽球性の多中心性キャッスルマン病。

  • ホジキンリンパ腫。

HIV関連ホジキンリンパ腫

AIDS発症の危険性がある患者に発生するホジキンリンパ腫に関して多くのレビューが実施されている [8] [9] ;しかしながら、ホジキンリンパ腫は、HIVと連動して発生率が増加することがはっきりと実証されたわけではないため、まだAIDSの疾病予防管理センター(CDC)定義には含まれておらず、それは侵攻性のNHLの場合も同じである。CDCは、サンフランシスコ公衆衛生局と共同で、HIV感染男性患者は、HIV感染に起因して10万人年当たり19.3人がホジキンリンパ腫を、10万人年当たり224.9人が非ホジキンリンパ腫を発症する過剰リスクを有したとするコホート研究を報告している。この報告では、HIV感染男性同性愛者にホジキンリンパ腫の過剰な発生率が見られたが、CDCがホジキンリンパ腫をHIV関連悪性腫瘍であることを再検討する前に、さらなる疫学的研究が必要である。 [10]

HIV関連ホジキンリンパ腫は侵攻性を呈し、しばしばリンパ節外や骨髄に浸潤を伴う。 [8] [9] [11] HIV関連ホジキンリンパ腫に固有の特徴は、非HIV関連ホジキンリンパ腫に比べ縦隔リンパ節腫脹の頻度が低いことである。これらのシリーズにおける患者のほとんどが混合細胞型またはリンパ球減少型ホジキンリンパ腫であり、リード-ステルンベルグ細胞中にエプスタイン-バーウイルス(EBV)関連の蛋白が発現し、B症状を有し、またCD4リンパ球数の中央値が300/dL以下であった。 [12] 患者62人を対象にした1件の多施設レトロスペクティブレビューにおいて、化学療法とともにcARTを受けた患者の2年全生存(OS)率が74%であったのに対し、cARTを受けなかった患者ではOS率は30%であった(P < 0.001)。 [13] [証拠レベル:3iiiA]2件の無対照の比較では、HIV陽性の古典的ホジキンリンパ腫患者201人においてABVD(ドキソルビシン + ブレオマイシン + ビンブラスチン + ダカルバジン)または類似したレジメンおよびcARTによる治療後の2年~5年OS率は88~90%であり、新たにホジキンリンパ腫を診断されたHIV陰性患者のOS率と有意差は認められなかった。 [14] [15] [証拠レベル:3iiiDiv]これらの研究により、標準レジメンとcARTにより治療されたホジキンリンパ腫患者は、非感染集団の治療成績とほぼ同じ治療成績を有することが確認されている。 [16] さらに、化学療法完了後6~9ヵ月の間に免疫機能が回復する。 [15]

原発性滲出液リンパ腫

原発性滲出液リンパ腫は、カポジ肉腫(KS)関連ヘルペスウイルス(KSHV)/ヒトヘルペスウイルス8型(HHV8)と関連している。 [17] [18] 原発性滲出液リンパ腫は、漿膜にそった液相として発現し、腫瘤やリンパ節腫脹はみられない。 [17] HHV8に加えて、多くの症例がEBVにも関連している。滲出から下部組織へとリンパ腫の進展が起こりうる。

形質芽球性の多中心性キャッスルマン病

形質芽球性の多中心性キャッスルマン病もまた、KSHV/HHV8およびHIVの同時感染と関連している。 [19] [20] 患者は一般的に発熱、寝汗、体重減少、リンパ節腫脹、および肝脾腫を呈する。患者は原発性滲出液リンパ腫あるいは、形質芽球性または未分化の大細胞リンパ腫に進行しうる。抗CD20モノクローナル抗体、リツキシマブ単独または(cARTとともに)リポソーマルドキソルビシンとの併用への反応に関する報告は十分な根拠がない。 [19] [21] [証拠レベル:3iiiDiv]113人の患者を対象にした1件のレトロスペクティブレビューにおいて、HIV関連形質芽球性の多中心性キャッスルマン病に対するリツキシマブの使用により、リンパ腫発症リスクの11倍の低下が得られた;しかしながら、比較的高いカポジ肉腫発生率が示された。 [22]

発生率および予防

米国、ヨーロッパ、およびオーストラリアの血清HIV陽性患者48,000人の国際的なデータベースから、1992年から1996年に比べて1997年から1999年の間でPCNSLと全身性リンパ腫の両方で非ホジキンリンパ腫の発生率が42%減少したことが明らかにされた。 [23] cARTの導入がこの減少に対する提示された説明である。 [24] 約50%の患者においてAIDSの診断が非ホジキンリンパ腫の発症に先立つ;しかしながら、残りの半数の患者では、AIDSの診断は非ホジキンリンパ腫およびHIV陽性の診断時になされている。 [3] これらのリンパ腫の地理的分布もAIDSの地理的広がりと似ている。男性同性愛者に多く、発生率が減少傾向にあるカポジ肉腫とは異なり、すべてのリスクグループが過剰な数の非ホジキンリンパ腫を有する;これらのリスクグループには静注薬物使用者およびHIV陽性者の子供が含まれる。

臨床症状

一般に、AIDS関連リンパ腫患者の臨床状況および治療に対する反応はHIV感染のないリンパ腫患者とは大きく異なる。侵攻性リンパ腫のHIV感染患者は通常進行病期を示し、しばしばリンパ節外性病変を伴う。 [25]

共通の節外部位として、以下のものがある:


  • 骨髄。

  • 肝臓。

  • 髄膜。

  • 消化管。

きわめてまれな部位も特徴的であり、以下のものがある:


  • 肛門。

  • 心臓。

  • 胆管。

  • 歯肉。

  • 筋肉。

臨床経過はより侵攻性であり、病変はより広範囲に進展し化学療法には反応性がより低い。免疫不全や血球減少は、初診時のこれらの患者において一般的で、化学療法の施行により悪化する。悪性腫瘍の治療は日和見感染のリスクを増大させ、日和見感染がさらに適切な治療を行うことも困難にする。

予後および生存率

AIDS関連リンパ腫患者の予後は以下と関連している: [26]


  • 病期(すなわち、病変の範囲、節外病変、乳酸脱水素酵素値、および骨髄病変)。

  • 年齢。

  • 基礎疾患である免疫不全の重症度(末梢血中のCD4リンパ球数により評価)。

  • パフォーマンスステータス。

  • 過去のAIDS診断(すなわち、日和見感染またはカポジ肉腫の既往歴)。

AIDS関連PCNSL患者は、全身性リンパ腫の患者よりも重度のHIV関連基礎疾患を有するようである。ある報告において、PCNSL患者の方が過去のAIDS診断率が高いこと(73% vs 37%)、CD4リンパ球数の中央値が低いこと(30/dL vs 189/dL)、および生存期間中央値が短いこと(2.5ヵ月 vs 6.0ヵ月)により、この重症度が証明された。 [27] この報告ではまた、予後不良な危険因子を有する患者(カルノフスキーのパフォーマンスステータスが70%未満、以前のAIDS診断歴、および骨髄浸潤で定義される)は、生存期間中央値が4.0ヵ月であるのに対し、これらの危険因子を有さない予後良好群患者の生存期間中央値は11.3ヵ月であることが示された。

別の報告(NIAID-ACTG-142)では、新たにAIDS関連リンパ腫と診断された患者192人のグループを対象に、低用量のメトトレキサートブレオマイシンドキソルビシンシクロホスファミドビンクリスチン、およびデキサメタゾンの併用療法(m-BACOD)または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子を加えた標準用量のm-BACOD療法のいずれかにランダムに割り付け、予後因子が評価された。 [28] この2つの治療法の間には無病生存、生存期間中央値、または死亡危険度の点で効力の差はなかった。 [28] [証拠レベル:1iiA]多変量解析では、生存率低下と関連する因子として、35歳を超える年齢、静注による薬物使用歴、III期またはIV期の病変、およびCD4数が100個/mm3未満であることが挙げられた。国際予後指標も生存を予測しうる。 [29] [30] [31] 203人の患者を対象とした多施設コホート研究では、多変量Coxモデルにおいて、cARTに対する反応は生存期間の延長と独立して関連していた(相対ハザード、0.32;95%信頼区間、0.16-0.62)。 [32] [証拠レベル:3iiiDii]

関連する要約

AIDS関連リンパ腫に関する情報を含む他のPDQ要約には以下のものがある:



参考文献
  1. Ziegler JL, Beckstead JA, Volberding PA, et al.: Non-Hodgkin's lymphoma in 90 homosexual men. Relation to generalized lymphadenopathy and the acquired immunodeficiency syndrome. N Engl J Med 311 (9): 565-70, 1984.[PUBMED Abstract]

  2. Rabkin CS, Yellin F: Cancer incidence in a population with a high prevalence of infection with human immunodeficiency virus type 1. J Natl Cancer Inst 86 (22): 1711-6, 1994.[PUBMED Abstract]

  3. Dunleavy K, Wilson WH: How I treat HIV-associated lymphoma. Blood 119 (14): 3245-55, 2012.[PUBMED Abstract]

  4. Little RF, Wilson WH: Update on the Pathogenesis, Diagnosis, and Therapy of AIDS-related Lymphoma. Curr Infect Dis Rep 5 (2): 176-184, 2003.[PUBMED Abstract]

  5. Carbone A, Gloghini A: AIDS-related lymphomas: from pathogenesis to pathology. Br J Haematol 130 (5): 662-70, 2005.[PUBMED Abstract]

  6. Gopal S, Patel MR, Yanik EL, et al.: Temporal trends in presentation and survival for HIV-associated lymphoma in the antiretroviral therapy era. J Natl Cancer Inst 105 (16): 1221-9, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. Piketty C, Selinger-Leneman H, Bouvier AM, et al.: Incidence of HIV-related anal cancer remains increased despite long-term combined antiretroviral treatment: results from the french hospital database on HIV. J Clin Oncol 30 (35): 4360-6, 2012.[PUBMED Abstract]

  8. Spina M, Vaccher E, Nasti G, et al.: Human immunodeficiency virus-associated Hodgkin's disease. Semin Oncol 27 (4): 480-8, 2000.[PUBMED Abstract]

  9. Thompson LD, Fisher SI, Chu WS, et al.: HIV-associated Hodgkin lymphoma: a clinicopathologic and immunophenotypic study of 45 cases. Am J Clin Pathol 121 (5): 727-38, 2004.[PUBMED Abstract]

  10. Hessol NA, Katz MH, Liu JY, et al.: Increased incidence of Hodgkin disease in homosexual men with HIV infection. Ann Intern Med 117 (4): 309-11, 1992.[PUBMED Abstract]

  11. Re A, Casari S, Cattaneo C, et al.: Hodgkin disease developing in patients infected by human immunodeficiency virus results in clinical features and a prognosis similar to those in patients with human immunodeficiency virus-related non-Hodgkin lymphoma. Cancer 92 (11): 2739-45, 2001.[PUBMED Abstract]

  12. Dolcetti R, Boiocchi M, Gloghini A, et al.: Pathogenetic and histogenetic features of HIV-associated Hodgkin's disease. Eur J Cancer 37 (10): 1276-87, 2001.[PUBMED Abstract]

  13. Hentrich M, Maretta L, Chow KU, et al.: Highly active antiretroviral therapy (HAART) improves survival in HIV-associated Hodgkin's disease: results of a multicenter study. Ann Oncol 17 (6): 914-9, 2006.[PUBMED Abstract]

  14. Montoto S, Shaw K, Okosun J, et al.: HIV status does not influence outcome in patients with classical Hodgkin lymphoma treated with chemotherapy using doxorubicin, bleomycin, vinblastine, and dacarbazine in the highly active antiretroviral therapy era. J Clin Oncol 30 (33): 4111-6, 2012.[PUBMED Abstract]

  15. Hentrich M, Berger M, Wyen C, et al.: Stage-adapted treatment of HIV-associated Hodgkin lymphoma: results of a prospective multicenter study. J Clin Oncol 30 (33): 4117-23, 2012.[PUBMED Abstract]

  16. Kaplan LD: Management of HIV-associated Hodgkin lymphoma: how far we have come. J Clin Oncol 30 (33): 4056-8, 2012.[PUBMED Abstract]

  17. Simonelli C, Spina M, Cinelli R, et al.: Clinical features and outcome of primary effusion lymphoma in HIV-infected patients: a single-institution study. J Clin Oncol 21 (21): 3948-54, 2003.[PUBMED Abstract]

  18. Nador RG, Cesarman E, Chadburn A, et al.: Primary effusion lymphoma: a distinct clinicopathologic entity associated with the Kaposi's sarcoma-associated herpes virus. Blood 88 (2): 645-56, 1996.[PUBMED Abstract]

  19. Goedert JJ: Multicentric Castleman disease: viral and cellular targets for intervention. Blood 102 (8): 2710-11, 2003.[PUBMED Abstract]

  20. Marcelin AG, Aaron L, Mateus C, et al.: Rituximab therapy for HIV-associated Castleman disease. Blood 102 (8): 2786-8, 2003.[PUBMED Abstract]

  21. Uldrick TS, Polizzotto MN, Aleman K, et al.: Rituximab plus liposomal doxorubicin in HIV-infected patients with KSHV-associated multicentric Castleman disease. Blood 124 (24): 3544-52, 2014.[PUBMED Abstract]

  22. Gérard L, Michot JM, Burcheri S, et al.: Rituximab decreases the risk of lymphoma in patients with HIV-associated multicentric Castleman disease. Blood 119 (10): 2228-33, 2012.[PUBMED Abstract]

  23. International Collaboration on HIV and Cancer: Highly active antiretroviral therapy and incidence of cancer in human immunodeficiency virus-infected adults. J Natl Cancer Inst 92 (22): 1823-30, 2000.[PUBMED Abstract]

  24. Stebbing J, Gazzard B, Mandalia S, et al.: Antiretroviral treatment regimens and immune parameters in the prevention of systemic AIDS-related non-Hodgkin's lymphoma. J Clin Oncol 22 (11): 2177-83, 2004.[PUBMED Abstract]

  25. Sparano JA: Clinical aspects and management of AIDS-related lymphoma. Eur J Cancer 37 (10): 1296-305, 2001.[PUBMED Abstract]

  26. Bower M, Gazzard B, Mandalia S, et al.: A prognostic index for systemic AIDS-related non-Hodgkin lymphoma treated in the era of highly active antiretroviral therapy. Ann Intern Med 143 (4): 265-73, 2005.[PUBMED Abstract]

  27. Levine AM, Sullivan-Halley J, Pike MC, et al.: Human immunodeficiency virus-related lymphoma. Prognostic factors predictive of survival. Cancer 68 (11): 2466-72, 1991.[PUBMED Abstract]

  28. Kaplan LD, Straus DJ, Testa MA, et al.: Low-dose compared with standard-dose m-BACOD chemotherapy for non-Hodgkin's lymphoma associated with human immunodeficiency virus infection. National Institute of Allergy and Infectious Diseases AIDS Clinical Trials Group. N Engl J Med 336 (23): 1641-8, 1997.[PUBMED Abstract]

  29. Navarro JT, Ribera JM, Oriol A, et al.: International prognostic index is the best prognostic factor for survival in patients with AIDS-related non-Hodgkin's lymphoma treated with CHOP. A multivariate study of 46 patients. Haematologica 83 (6): 508-13, 1998.[PUBMED Abstract]

  30. Rossi G, Donisi A, Casari S, et al.: The International Prognostic Index can be used as a guide to treatment decisions regarding patients with human immunodeficiency virus-related systemic non-Hodgkin lymphoma. Cancer 86 (11): 2391-7, 1999.[PUBMED Abstract]

  31. Straus DJ, Huang J, Testa MA, et al.: Prognostic factors in the treatment of human immunodeficiency virus-associated non-Hodgkin's lymphoma: analysis of AIDS Clinical Trials Group protocol 142--low-dose versus standard-dose m-BACOD plus granulocyte-macrophage colony-stimulating factor. National Institute of Allergy and Infectious Diseases. J Clin Oncol 16 (11): 3601-6, 1998.[PUBMED Abstract]

  32. Hoffmann C, Wolf E, Fätkenheuer G, et al.: Response to highly active antiretroviral therapy strongly predicts outcome in patients with AIDS-related lymphoma. AIDS 17 (10): 1521-9, 2003.[PUBMED Abstract]

 | 

AIDS関連リンパ腫の細胞分類

病理学的に、AIDS関連リンパ腫は狭い範囲の組織型からなり、そのほとんどが侵攻性のB細胞腫である。これらには以下のものがある:


  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(B細胞免疫芽球性リンパ腫)。

  • バーキットまたはバーキット様の小型非切れ込み細胞型リンパ腫。

AIDS関連リンパ腫は、免疫グロブリン重鎖遺伝子再構成研究で実証されているように、通常B細胞由来であるが、オリゴクローン性、ポリクローン性、およびモノクローン性のものが存在することも示されている。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)には直接的な病因的役割はないとみられるが、HIV感染は実際に免疫学的な環境の変化を引き起こす。HIVは通常Tリンパ球に感染するが、Tリンパ球の調節機能が失われると、高ガンマグロブリン血症およびポリクローン性B細胞増殖を引き起こす。B細胞はHIV感染の標的ではない。そのかわり、エプスタイン-バーウイルス(EBV)が、これらのリンパ腫のうちのいくつかの病因の、少なくともコファクターではあると考えられる。EBVゲノムはほとんどのAIDS関連リンパ腫患者で検出されている;分子解析は、クローン性増殖が始まる前に細胞が感染したことを示唆している。 [1] まれな原発性滲出液リンパ腫では常にヒトヘルペスウイルス8型が内在しており、また、しばしばEBVも存在する。 [2] HIV関連T細胞リンパ腫も同定されており、EBV感染と関連していると考えられる。 [3]


参考文献
  1. Thorley-Lawson DA, Gross A: Persistence of the Epstein-Barr virus and the origins of associated lymphomas. N Engl J Med 350 (13): 1328-37, 2004.[PUBMED Abstract]

  2. Simonelli C, Spina M, Cinelli R, et al.: Clinical features and outcome of primary effusion lymphoma in HIV-infected patients: a single-institution study. J Clin Oncol 21 (21): 3948-54, 2003.[PUBMED Abstract]

  3. Thomas JA, Cotter F, Hanby AM, et al.: Epstein-Barr virus-related oral T-cell lymphoma associated with human immunodeficiency virus immunosuppression. Blood 81 (12): 3350-6, 1993.[PUBMED Abstract]

 | 

AIDS関連リンパ腫の病期情報

注:米国がん合同委員会(AJCC)は、AJCCのがん病期分類マニュアルの第8版を発表しており、これには本疾患に対する病期分類の変更が含まれている。第8版の実装は2018年1月に開始された。本要約を更新しているPDQ Adult Treatment Editorial Boardは、改訂された病期分類をレビューしており、必要に応じて適切な変更が行われる。

AIDSではない非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の治療法を選択する際に病期は重要であるが、ほとんどのAIDS関連リンパ腫患者は病態がはるかに進行している。

ステージングの亜分類システム

表1.解剖学的病期/予後グループa

病期 予後グループ
aAJCCから許諾を得て転載:Hodgkin and non-Hodgkin lymphomas.In Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 607–11.
I 1つのリンパ節領域のみの病変があるもの(すなわち、リンパ節領域、ワルダイエル輪、胸腺または脾臓)(I)。
または
リンパ節転移がなくリンパ節外の1つの臓器または部位に病変が限局したもの(IE)(ホジキンリンパ腫ではまれ)。
II 横隔膜の同側の2つ以上のリンパ節領域に病変があるもの(II)。
または
所属リンパ節病変に関連して1つのリンパ節外臓器または部位に限局した病変があり、場合によっては同側横隔膜の他のリンパ節領域にも病変があるもの(IIE)。病変のある領域の数を下付き数字で表す、例えば、II3
III 横隔膜の両側のリンパ節領域に病変があるもの(III)、この病変のほかに隣接したリンパ節転移に関連してリンパ節外進展を伴うもの(IIIE)または脾臓に病変を伴うもの(IIIS)、またはその両方に病変があるもの(IIIE、IIIS)。脾臓の病変は、Sで指定される。
IV 1つ以上のリンパ節外臓器にびまん性または播種性の病変があり、場合によっては関連リンパ節の病変を伴うもの。
または
隣接する所属リンパ節に病変はないが遠隔部位の病変を伴うリンパ節外臓器の孤立病変。IV期には、肝臓、骨髄、肺(別の部位からの直接進展によるもの以外)、または脳脊髄液への転移が含まれる。


NHL患者にはAnn Arbor病期分類システムがよく用いられる。 [1] [2] この病期分類システムでは、I期、II期、III期、およびIV期の非ホジキンリンパ腫は、AとBの2つのカテゴリーに下位分類できる:定義された全身性症状を示すものをBとし、そうでないものをAに分類する。以下のいずれかの症状のある患者をBに分類する:


  • 診断前6ヵ月間における10%を超える原因不明の体重減少。

  • 38℃より高い原因不明の発熱。

  • 寝汗。(詳しい情報については、ほてりおよび寝汗に関するPDQ要約を参照のこと。)

時として特殊な病期分類システムが用いられることもある。したがって医師は、個々の報告に用いられている分類法を正しく把握しておくべきである。

Eの指定は、節外リンパ性悪性腫瘍が主要な集合リンパ節から離れた(しかし近い)組織に発生した場合に用いる。IV期は肝臓など1つの節外部位全体に播種性に拡がった病変を指す。1つ以上の節外部位に浸潤の証拠が病理的に証明された場合には、浸潤部位を示す記号のあとに(+)を付記する。

表2.部位特定のための記号

N = リンパ節 H = 肝 L = 肺 M = 骨髄
S = 脾 P = 胸膜 O = 骨 D = 皮膚


現在現場では、臨床評価の所見に基づく臨床病期(CS)と初回生検以外の侵襲的手技の結果得られる所見に基づく病理学的病期(PS)が用いられている。

例えば、鼠径部のリンパ節腫脹がみられリンパ管造影陽性で全身症状がみられない患者で、経皮的生検に基づいて肝臓および骨髄への浸潤が認められたとする。この患者の正確な病期は、CS IIA、PS IVA(H+)(M+)となる。

非ホジキンリンパ腫患者の病期および予後には、上述の病期分類システムには含まれていない重要な因子が数多く存在する。そうした因子としては、以下が挙げられる:


  • 年齢。

  • パフォーマンスステータス(PS)。

  • 腫瘍の大きさ。

  • 乳酸脱水素酵素(LDH)値。

  • 節外病変の数。


参考文献
  1. Lymphoid neoplasms. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 599-628.[PUBMED Abstract]

  2. National Cancer Institute sponsored study of classifications of non-Hodgkin's lymphomas: summary and description of a working formulation for clinical usage. The Non-Hodgkin's Lymphoma Pathologic Classification Project. Cancer 49 (10): 2112-35, 1982.[PUBMED Abstract]

 | 

AIDS関連リンパ腫に対する治療法選択肢の概要

AIDS関連リンパ腫患者の治療には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染によるさまざまな制限を有し、悪性リンパ腫の病期やその組織型に適切な治療法を組み合わせるという困難が存在する。 [1] 抗腫瘍療法に加えて、非ホジキンリンパ腫の至適治療戦略の中で不可欠な要素には以下のものがある: [2] [3]


  • 併用抗レトロウイルス療法。

  • 日和見感染の予防。

  • 併発感染の早期発見と治療。

HIV陽性で免疫不全の基礎疾患を有する患者は骨髄予備能が不良で、そのため薬物強度を上げられない可能性がある。日和見感染の併発が、薬剤投与量を低下させうる1つのリスクである。さらに、化学療法自体も免疫系を損ない、日和見感染の可能性が増加する。


参考文献
  1. Levine AM: Acquired immunodeficiency syndrome-related lymphoma: clinical aspects. Semin Oncol 27 (4): 442-53, 2000.[PUBMED Abstract]

  2. Tirelli U, Bernardi D: Impact of HAART on the clinical management of AIDS-related cancers. Eur J Cancer 37 (10): 1320-4, 2001.[PUBMED Abstract]

  3. Dunleavy K, Wilson WH: How I treat HIV-associated lymphoma. Blood 119 (14): 3245-55, 2012.[PUBMED Abstract]

 | 

AIDS関連末梢/全身性リンパ腫

AIDS関連リンパ腫の治療にはいくつかの克服すべき問題が伴っている。これらはすべて侵攻性リンパ腫であり、びまん性大細胞/免疫芽球性リンパ腫または小型非切れ込み細胞型リンパ腫(バーキットリンパ腫)と定義される。これらリンパ腫は骨髄および中枢神経系(CNS)に浸潤している頻度が高いため、一般に進行した病期である。その上、AIDSの免疫不全およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に一般的にみられる白血球減少は、免疫抑制作用がある化学療法の使用を困難にする。

併用抗レトロウイルス療法(cART)の導入により、日和見感染の顕著な減少、HIV感染での生存期間の延長、およびAIDS関連リンパ腫患者に対しては、非免疫抑制集団における治療成績と同等の全生存(OS)期間中央値がもたらされている。 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [証拠レベル:3iiiDiv]cARTの使用はまた、AIDS関連リンパ腫患者に対して妥当な安全性で標準用量およびさらに集中的な化学療法レジメンの実施も可能にしており、これはHIV感染のない患者における治療成績と同等である。 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

数件のプロスペクティブ非ランダム化試験および1,546人の患者を対象にした19件のプロスペクティブ試験から併合された個別データにより、多剤併用化学療法にリツキシマブを追加することで、完全奏効率、無増悪生存、およびOSが改善することが示されている。 [3] [4] [5] [6] [証拠レベル:3iiiDiv]さらに他の数件のプロスペクティブ非ランダム化試験および同じ1,546人の患者から併合された個別データにより、注入投与のEPOCH(注入投与のエトポシド、注入投与のビンクリスチン、注入投与のドキソルビシンシクロホスファミド、およびプレドニゾン)がCHOP(シクロホスファミドドキソルビシンビンクリスチン、およびプレドニゾン)よりも良好な治療成績をもたらした(OS HR、0.33;P = 0.03)ことが示されている。 [3] [6] [7] [証拠レベル:3iiiDiv]注入投与のEPOCHレジメンとcARTの同時使用については見解が一致していない;あるグループでは化学療法完了後のcARTが提唱された一方 [7] 、他のグループでは同時療法が受け入れられた。 [6]

バーキットリンパ腫の患者については、R-CODOX(シクロホスファミドドキソルビシンビンクリスチンメトトレキサートシタラビンおよびリツキシマブ)-M/IVAC(イホスファミドエトポシド、および大量のシタラビン)またはR-EPOCH(リツキシマブと併用するエトポシドプレドニゾンビンクリスチン、および塩酸ドキソルビシン[塩酸ヒドロキシダウノルビシン])などの用量を修正したレジメンが、cARTを同時または逐次投与して良好な結果が示されている。 [7] [11] [12]

CNS浸潤が後発する危険性がある患者として、骨髄に浸潤が認められた患者、あるいはEBVが原発腫瘍または脳脊髄液(すなわち、ポリメラーゼ連鎖反応により)に同定された患者が挙げられる。 [13] [14] CNS浸潤の危険の高い患者に対しては通常髄腔内化学療法が検討される。

第一選択化学療法実施後に抵抗性または再燃リンパ腫を呈し、cARTに継続して反応性を示す特に選択された患者が、第二選択の化学療法を受け、その後高用量療法および自家末梢血幹細胞移植を受けた。再燃したこれらの特に選択された患者に関し、長期生存者が逸話的に報告されている。 [15] [16] [17] [18] [証拠レベル:3iiiDiv]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Mounier N, Spina M, Gabarre J, et al.: AIDS-related non-Hodgkin lymphoma: final analysis of 485 patients treated with risk-adapted intensive chemotherapy. Blood 107 (10): 3832-40, 2006.[PUBMED Abstract]

  2. Weiss R, Mitrou P, Arasteh K, et al.: Acquired immunodeficiency syndrome-related lymphoma: simultaneous treatment with combined cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone chemotherapy and highly active antiretroviral therapy is safe and improves survival--results of the German Multicenter Trial. Cancer 106 (7): 1560-8, 2006.[PUBMED Abstract]

  3. Barta SK, Xue X, Wang D, et al.: Treatment factors affecting outcomes in HIV-associated non-Hodgkin lymphomas: a pooled analysis of 1546 patients. Blood 122 (19): 3251-62, 2013.[PUBMED Abstract]

  4. Wyen C, Jensen B, Hentrich M, et al.: Treatment of AIDS-related lymphomas: rituximab is beneficial even in severely immunosuppressed patients. AIDS 26 (4): 457-64, 2012.[PUBMED Abstract]

  5. Levine AM, Noy A, Lee JY, et al.: Pegylated liposomal doxorubicin, rituximab, cyclophosphamide, vincristine, and prednisone in AIDS-related lymphoma: AIDS Malignancy Consortium Study 047. J Clin Oncol 31 (1): 58-64, 2013.[PUBMED Abstract]

  6. Sparano JA, Lee JY, Kaplan LD, et al.: Rituximab plus concurrent infusional EPOCH chemotherapy is highly effective in HIV-associated B-cell non-Hodgkin lymphoma. Blood 115 (15): 3008-16, 2010.[PUBMED Abstract]

  7. Dunleavy K, Little RF, Pittaluga S, et al.: The role of tumor histogenesis, FDG-PET, and short-course EPOCH with dose-dense rituximab (SC-EPOCH-RR) in HIV-associated diffuse large B-cell lymphoma. Blood 115 (15): 3017-24, 2010.[PUBMED Abstract]

  8. Ratner L, Lee J, Tang S, et al.: Chemotherapy for human immunodeficiency virus-associated non-Hodgkin's lymphoma in combination with highly active antiretroviral therapy. J Clin Oncol 19 (8): 2171-8, 2001.[PUBMED Abstract]

  9. Wang ES, Straus DJ, Teruya-Feldstein J, et al.: Intensive chemotherapy with cyclophosphamide, doxorubicin, high-dose methotrexate/ifosfamide, etoposide, and high-dose cytarabine (CODOX-M/IVAC) for human immunodeficiency virus-associated Burkitt lymphoma. Cancer 98 (6): 1196-205, 2003.[PUBMED Abstract]

  10. Cortes J, Thomas D, Rios A, et al.: Hyperfractionated cyclophosphamide, vincristine, doxorubicin, and dexamethasone and highly active antiretroviral therapy for patients with acquired immunodeficiency syndrome-related Burkitt lymphoma/leukemia. Cancer 94 (5): 1492-9, 2002.[PUBMED Abstract]

  11. Dunleavy K, Wilson WH: How I treat HIV-associated lymphoma. Blood 119 (14): 3245-55, 2012.[PUBMED Abstract]

  12. Noy A, Kaplan L, Lee J: Feasibility and toxicity of a modified dose intensive R-CODOX-M/IVAC for HIV-associated Burkitt and atypical Burkitt lymphoma (BL): preliminary results of a prospective multicenter phase II trial of the AIDS Malignancy Consortium (AMC). [Abstract] Blood 114 (22): A-3673, 2009.[PUBMED Abstract]

  13. Cingolani A, Gastaldi R, Fassone L, et al.: Epstein-Barr virus infection is predictive of CNS involvement in systemic AIDS-related non-Hodgkin's lymphomas. J Clin Oncol 18 (19): 3325-30, 2000.[PUBMED Abstract]

  14. Scadden DT: Epstein-Barr virus, the CNS, and AIDS-related lymphomas: as close as flame to smoke. J Clin Oncol 18 (19): 3323-4, 2000.[PUBMED Abstract]

  15. Re A, Michieli M, Casari S, et al.: High-dose therapy and autologous peripheral blood stem cell transplantation as salvage treatment for AIDS-related lymphoma: long-term results of the Italian Cooperative Group on AIDS and Tumors (GICAT) study with analysis of prognostic factors. Blood 114 (7): 1306-13, 2009.[PUBMED Abstract]

  16. Krishnan A, Molina A, Zaia J, et al.: Durable remissions with autologous stem cell transplantation for high-risk HIV-associated lymphomas. Blood 105 (2): 874-8, 2005.[PUBMED Abstract]

  17. Costello RT, Zerazhi H, Charbonnier A, et al.: Intensive sequential chemotherapy with hematopoietic growth factor support for non-Hodgkin lymphoma in patients infected with the human immunodeficiency virus. Cancer 100 (4): 667-76, 2004.[PUBMED Abstract]

  18. Balsalobre P, Díez-Martín JL, Re A, et al.: Autologous stem-cell transplantation in patients with HIV-related lymphoma. J Clin Oncol 27 (13): 2192-8, 2009.[PUBMED Abstract]

 | 

AIDS関連中枢神経系原発リンパ腫

その他のAIDS関連リンパ腫同様、中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は侵攻性B細胞型新生物、すなわちびまん性大細胞型B細胞あるいはびまん性免疫芽球性非ホジキンリンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のサブタイプ)のいずれかである。AIDS関連PCNSLはエプスタイン-バーウイルス(EBV)に100%関連することが報告されている。 [1] 通常これらの患者はCD4陽性Tリンパ球数が少ない証拠を有し、ヒト免疫不全ウイルスのウイルス量が多く、重度に衰弱状態であり、また痙攣、精神状態の変化、麻痺などの局所性神経学的症状を呈する。

コンピュータ断層撮影スキャンは、エイズ患者で生じるトキソプラズマ症などその他のCNS病変と必ずしも鑑別できないコントラスト増強性の腫瘤病変を示す。 [2] ガドリニウム造影による磁気共鳴映像法の研究は、リンパ腫を大脳性トキソプラズマ症や進行性多発性白質脳症と鑑別するより有用な初期診断における手段である。リンパ腫はガドリニウムにより増強される大型の病変を呈する傾向がある。大脳性トキソプラズマ症では、リング造影が非常に一般的で、病変は小さい傾向があり、また複数の病変がみられる。 [3] [4] [5] 陽電子放出断層撮影スキャン法の使用により、PCNSLとトキソプラズマ症との鑑別能力の改善が示されている。 [6] [7] PCNSLでは陽子の取り込みが増加するが、トキソプラズマ症病変は代謝が不活性である。ほとんどの大脳性トキソプラズマ症は以前の感染の再活性化の結果として生じるため、トキソプラズマ症の抗体もまた非常に有用である。免疫グロブリンGの力価が1:4を下回った場合、病変はおそらくトキソプラズマ症ではない。腰椎穿刺は有用で、脳脊髄液(CSF)中に悪性腫瘍細胞を有する23%もの患者を検出する。EBVはすべてのPCNSL患者に存在するため、CSFのEBV DNA評価はリンパ腫に特異的な有用な方法である。しかしながら、多くの評価にもかかわらず、ほとんどのPCNSL患者は病理診断を必要とする。 [8] [9] [10] 診断は生検によって行われる。ときに生検は、大脳性トキソプラズマ症患者において1~3週間以内に臨床的およびX線撮影でも改善をもたらすであろうトキソプラズマ症に対する抗生物質治療に失敗した場合にのみ行われる。 [11]

この患者群では通常放射線療法のみが施行されてきた。35~40Gyの範囲の線量で、生存期間中央値はわずか72~119日である。 [2] [12] [13] 良好なパフォーマンスステータスを有し日和見感染もない若年患者の生存期間はより長期である。 [14] 併用抗レトロウイルス療法(cART)の時代では、放射線療法単独で18ヵ月の生存期間中央値が得られている。 [15] ほとんどの患者が治療に反応して神経学的症状の部分的な改善を示す。剖検は、これらの患者が腫瘍の進行や日和見感染により死亡することを明らかにしている。これらの患者に対する治療は、亜急性AIDS脳症、サイトメガロウイルス脳炎、およびトキソプラズマ脳症など、その他のAIDS関連CNS感染症によっても複雑になる。cART後に自然寛解が報告されている。 [16]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. MacMahon EM, Glass JD, Hayward SD, et al.: Epstein-Barr virus in AIDS-related primary central nervous system lymphoma. Lancet 338 (8773): 969-73, 1991.[PUBMED Abstract]

  2. Goldstein JD, Dickson DW, Moser FG, et al.: Primary central nervous system lymphoma in acquired immune deficiency syndrome. A clinical and pathologic study with results of treatment with radiation. Cancer 67 (11): 2756-65, 1991.[PUBMED Abstract]

  3. Nyberg DA, Federle MP: AIDS-related Kaposi sarcoma and lymphomas. Semin Roentgenol 22 (1): 54-65, 1987.[PUBMED Abstract]

  4. Fine HA, Mayer RJ: Primary central nervous system lymphoma. Ann Intern Med 119 (11): 1093-104, 1993.[PUBMED Abstract]

  5. Ciricillo SF, Rosenblum ML: Use of CT and MR imaging to distinguish intracranial lesions and to define the need for biopsy in AIDS patients. J Neurosurg 73 (5): 720-4, 1990.[PUBMED Abstract]

  6. Hoffman JM, Waskin HA, Schifter T, et al.: FDG-PET in differentiating lymphoma from nonmalignant central nervous system lesions in patients with AIDS. J Nucl Med 34 (4): 567-75, 1993.[PUBMED Abstract]

  7. Pierce MA, Johnson MD, Maciunas RJ, et al.: Evaluating contrast-enhancing brain lesions in patients with AIDS by using positron emission tomography. Ann Intern Med 123 (8): 594-8, 1995.[PUBMED Abstract]

  8. Cinque P, Brytting M, Vago L, et al.: Epstein-Barr virus DNA in cerebrospinal fluid from patients with AIDS-related primary lymphoma of the central nervous system. Lancet 342 (8868): 398-401, 1993.[PUBMED Abstract]

  9. Cingolani A, De Luca A, Larocca LM, et al.: Minimally invasive diagnosis of acquired immunodeficiency syndrome-related primary central nervous system lymphoma. J Natl Cancer Inst 90 (5): 364-9, 1998.[PUBMED Abstract]

  10. Yarchoan R, Jaffe ES, Little R: Diagnosing central nervous system lymphoma in the setting of AIDS: a step forward. J Natl Cancer Inst 90 (5): 346-7, 1998.[PUBMED Abstract]

  11. Mathews C, Barba D, Fullerton SC: Early biopsy versus empiric treatment with delayed biopsy of non-responders in suspected HIV-associated cerebral toxoplasmosis: a decision analysis. AIDS 9 (11): 1243-50, 1995.[PUBMED Abstract]

  12. Baumgartner JE, Rachlin JR, Beckstead JH, et al.: Primary central nervous system lymphomas: natural history and response to radiation therapy in 55 patients with acquired immunodeficiency syndrome. J Neurosurg 73 (2): 206-11, 1990.[PUBMED Abstract]

  13. Remick SC, Diamond C, Migliozzi JA, et al.: Primary central nervous system lymphoma in patients with and without the acquired immune deficiency syndrome. A retrospective analysis and review of the literature. Medicine (Baltimore) 69 (6): 345-60, 1990.[PUBMED Abstract]

  14. Corn BW, Donahue BR, Rosenstock JG, et al.: Performance status and age as independent predictors of survival among AIDS patients with primary CNS lymphoma: a multivariate analysis of a multi-institutional experience. Cancer J Sci Am 3 (1): 52-6, 1997 Jan-Feb.[PUBMED Abstract]

  15. Hoffmann C, Tabrizian S, Wolf E, et al.: Survival of AIDS patients with primary central nervous system lymphoma is dramatically improved by HAART-induced immune recovery. AIDS 15 (16): 2119-27, 2001.[PUBMED Abstract]

  16. McGowan JP, Shah S: Long-term remission of AIDS-related primary central nervous system lymphoma associated with highly active antiretroviral therapy. AIDS 12 (8): 952-4, 1998.[PUBMED Abstract]

 | 

本要約の変更点(02/04/2018)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

AIDS関連リンパ腫の病期情報

本セクションには編集上の変更がなされた。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

 | 

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、AIDS関連リンパ腫の治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

AIDS関連リンパ腫の治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ AIDS-Related Lymphoma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/lymphoma/hp/aids-related-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389186]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

     |