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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

口唇がんおよび口腔がんの治療(成人)(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2019-09-05
    翻訳更新日 : 2019-11-22


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、成人口唇がんおよび口腔がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

口唇がんおよび口腔がんに関する一般情報

解剖学

口腔は、皮膚-赤唇境界部から始まり、上は硬口蓋と軟口蓋との境界部、下は有郭乳頭を結ぶ線にまで拡がっており、次に示す固有の領域に分かれている。


  • 口唇。

  • 舌前方2/3。

  • 頬粘膜。

  • 口腔底。

  • 下顎歯肉。

  • 臼後三角。

  • 上顎歯肉。

  • 硬口蓋。

病理組織学

主なリンパ節の経路は一次リンパ節(すなわち、頬筋リンパ節、頸静脈二腹筋リンパ節、顎下リンパ節およびオトガイ下リンパ節)に入るものである。正中線に近い部位はしばしば両側に流出する。二次リンパ節には、耳下腺リンパ節、頸静脈リンパ節、および上下の後頸部リンパ節がある。

中咽頭の前がん病変には、白板症、紅板症、混合型紅斑白板症などがある。 [1] 3つの病態のうちで最も一般的な白板症は、「臨床的または病理学的に他のどの疾患にも特徴付けることができない白斑または斑」として世界保健機関により定義されている。 [2] 白板症の診断は除外診断である;白板症の診断が下される前にカンジダ症、扁平苔癬、白色浮腫などの疾患が除外される必要がある。 [1]

米国における白板症の有病率は低下している;この低下はタバコ消費の減少と関係している。 [3] 紅板症は白板症ほど一般的ではないが、異形成またはがんと関連している可能性は、はるかに高い。 [1] [4]

予後因子

口唇および口腔の早期がん(I期およびII期)は、手術または放射線療法によって治癒する可能性が高く、治療の選択は、治療から予測できる機能的結果および審美的結果、およびそれぞれの患者に対して、外科医および放射線腫瘍医に必要とされる特別な専門技術の有用性により決定される。 [5] [6] [7] 陽性断端の存在、または腫瘍深度が5mmを超える場合は局所再発リスクが有意に増大する。 [8] [9] 原発腫瘍の浸潤の深さに基づいて潜伏性リンパ節転移のリスクが増加する。浸潤の深さの予後に対する意義のために、浸潤の深さは現在では、腫瘍カテゴリーに対するAJCC病期分類の第8版に組み込まれている。 [10] [11] リンパ節におけるENEの存在は重要な予後不良因子であり、現在ではAJCC病期分類システムの第8版に組み込まれている。 [12] [13]

口唇および口腔の進行がん(III期およびIV期)は、外科医および放射線腫瘍医にさまざまな難題を投げかける。小さなT3病変で所属リンパ節転移および遠隔転移が認められない患者、または直径が2cmを超えるリンパ節転移をもたず、放射線療法単独または手術単独による治療が適切である患者を除いて、ほとんどのIII期またはIV期の患者は、手術および放射線療法の併用治療の候補者となる。 [6] さらに、このグループには局所再発および/または遠隔転移がよくみられるため、臨床試験を考える必要がある。このような試験は、放射線修飾などの潜在的役割、あるいは手術および/または放射線療法と併用する併用化学療法の潜在的役割を評価する。

生存率

頭頸部がん患者は、上部気道消化管に二次的原発腫瘍が発生する可能性が大きい。 [14] [15] ある研究では、これらの患者に中用量のイソトレチノイン(13-cis-レチノイン酸)を1年間連日投与すると、二次腫瘍の発生率を有意に低下させることが可能であると示した。しかしながら、再発および原発がんによる死亡ということもあって、生存に優位な差がみられることはまだ示されていない。ある追加試験でレチノイン酸単独と比較してレチニルパルミテートまたはレチニルパルミテート+βカロチンの便益がないと示された。 [16] [証拠レベル:1iiDii]

口唇がんおよび口腔がんの治癒可能性率は、病期および部位によって異なる。ほとんどの早期口唇がんは、手術または放射線療法によって治癒する可能性が高く、治癒率は90~100%である。臼後三角、硬口蓋、および上顎歯肉の小さながんは、放射線療法または手術のいずれかによって治癒する可能性が高く、生存率は100%までに達する。舌前方、口腔底および頬粘膜の小さながんでは、放射線療法または手術のいずれかによって、90%までに達する局所制御率を得ることができる。 [17]

口唇の中度に進行したがんおよび進行がんも、手術、放射線療法またはこれらの併用によって、効果的に制御することが可能である。治療の選択は一般に、治療によって予測できる機能的結果および審美的結果により決定される。臼後三角の中度に進行したがんで、頸部リンパ節転移の証拠がないものは通常治癒可能で、局所制御率は90%までに達し;硬口蓋、上顎歯肉および頬粘膜の中度に進行したがんで、頸部リンパ節転移の証拠がない病変では局所制御率は80%までに達する。頸部リンパ節転移の臨床証拠がないときは、口腔底および舌前方の中度に進行したがんは一般に治癒可能で、生存率はそれぞれ70%および65%までに達する。 [17] [18]

関連する要約

口唇がんおよび口腔がんに関する情報を含む他のPDQ要約には以下のものがある:



参考文献
  1. Neville BW, Day TA: Oral cancer and precancerous lesions. CA Cancer J Clin 52 (4): 195-215, 2002 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

  2. Kramer IR, Lucas RB, Pindborg JJ, et al.: Definition of leukoplakia and related lesions: an aid to studies on oral precancer. Oral Surg Oral Med Oral Pathol 46 (4): 518-39, 1978.[PUBMED Abstract]

  3. Scheifele C, Reichart PA, Dietrich T: Low prevalence of oral leukoplakia in a representative sample of the US population. Oral Oncol 39 (6): 619-25, 2003.[PUBMED Abstract]

  4. Shafer WG, Waldron CA: Erythroplakia of the oral cavity. Cancer 36 (3): 1021-8, 1975.[PUBMED Abstract]

  5. Cummings CW, Fredrickson JM, Harker LA, et al.: Otolaryngology - Head and Neck Surgery. Saint Louis, Mo: Mosby-Year Book, Inc., 1998.[PUBMED Abstract]

  6. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  7. Wang CC, ed.: Radiation Therapy for Head and Neck Neoplasms. 3rd ed. New York: Wiley-Liss, 1997.[PUBMED Abstract]

  8. Jones KR, Lodge-Rigal RD, Reddick RL, et al.: Prognostic factors in the recurrence of stage I and II squamous cell cancer of the oral cavity. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 118 (5): 483-5, 1992.[PUBMED Abstract]

  9. Po Wing Yuen A, Lam KY, Lam LK, et al.: Prognostic factors of clinically stage I and II oral tongue carcinoma-A comparative study of stage, thickness, shape, growth pattern, invasive front malignancy grading, Martinez-Gimeno score, and pathologic features. Head Neck 24 (6): 513-20, 2002.[PUBMED Abstract]

  10. Sparano A, Weinstein G, Chalian A, et al.: Multivariate predictors of occult neck metastasis in early oral tongue cancer. Otolaryngol Head Neck Surg 131 (4): 472-6, 2004.[PUBMED Abstract]

  11. D'Cruz AK, Vaish R, Kapre N, et al.: Elective versus Therapeutic Neck Dissection in Node-Negative Oral Cancer. N Engl J Med 373 (6): 521-9, 2015.[PUBMED Abstract]

  12. Cooper JS, Pajak TF, Forastiere AA, et al.: Postoperative concurrent radiotherapy and chemotherapy for high-risk squamous-cell carcinoma of the head and neck. N Engl J Med 350 (19): 1937-44, 2004.[PUBMED Abstract]

  13. Bernier J, Cooper JS, Pajak TF, et al.: Defining risk levels in locally advanced head and neck cancers: a comparative analysis of concurrent postoperative radiation plus chemotherapy trials of the EORTC (#22931) and RTOG (# 9501). Head Neck 27 (10): 843-50, 2005.[PUBMED Abstract]

  14. Day GL, Blot WJ: Second primary tumors in patients with oral cancer. Cancer 70 (1): 14-9, 1992.[PUBMED Abstract]

  15. van der Tol IG, de Visscher JG, Jovanovic A, et al.: Risk of second primary cancer following treatment of squamous cell carcinoma of the lower lip. Oral Oncol 35 (6): 571-4, 1999.[PUBMED Abstract]

  16. Papadimitrakopoulou VA, Lee JJ, William WN, et al.: Randomized trial of 13-cis retinoic acid compared with retinyl palmitate with or without beta-carotene in oral premalignancy. J Clin Oncol 27 (4): 599-604, 2009.[PUBMED Abstract]

  17. Wallner PE, Hanks GE, Kramer S, et al.: Patterns of Care Study. Analysis of outcome survey data-anterior two-thirds of tongue and floor of mouth. Am J Clin Oncol 9 (1): 50-7, 1986.[PUBMED Abstract]

  18. Takagi M, Kayano T, Yamamoto H, et al.: Causes of oral tongue cancer treatment failures. Analysis of autopsy cases. Cancer 69 (5): 1081-7, 1992.[PUBMED Abstract]

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口唇がんおよび口腔がんの細胞分類

ほとんどの頭頸部がんは扁平上皮がんであり、これに先立ちさまざまな前がん病変がみられる。これらの部位では、小唾液腺腫瘍はあまりみられない。病変から採取した標本が非浸潤性のがんであれば、「上皮内(in situ)がん」という用語が適用される。浸潤がんは、高分化、中分化、低分化または未分化のいずれかとなる。

腫瘍異型度はブローダスの異型度分類(腫瘍悪性度[G])の使用が推奨される:


  • G1:高分化。

  • G2:中分化。

  • G3:低分化。

  • G4:未分化。 [1]

分化の程度とがんの生物学的反応との間には、統計的に有意な相関はみられない;しかしながら、脈管侵襲は負の予後因子である。 [2]

腺上皮、歯原性器官、リンパ組織、軟組織のほか骨および軟骨に由来する腫瘍には、専門的な検討が必要で、PDQの本セクションには含めない。世界保健機関(WHO)の命名法を参照することを推奨する。

白板症、紅板症、混合型紅斑白板症は、専ら特異的な病理組織学的意味をもたない臨床用語であるため、 [3] 白板症という用語は、擦っても除去できない白い斑点を認めることを意味する臨床記述用語としてのみ使用されるべきであり、その重要性は組織学的所見によって決まる。白板症は、過角化から実際の早期浸潤がんまでの範囲に及び、単なる真菌症、扁平苔癬をはじめとする良性の口腔疾患の場合もある。


参考文献
  1. Bansberg SF, Olsen KD, Gaffey TA: High-grade carcinoma of the oral cavity. Otolaryngol Head Neck Surg 100 (1): 41-8, 1989.[PUBMED Abstract]

  2. Close LG, Brown PM, Vuitch MF, et al.: Microvascular invasion and survival in cancer of the oral cavity and oropharynx. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 115 (11): 1304-9, 1989.[PUBMED Abstract]

  3. Oral cavity and oropharynx. In: Rosai J, ed.: Rosai and Ackerman's Surgical Pathology. Vol. 1. 10th ed. New York, NY: Mosby Elsevier, 2011, pp. 237-264.[PUBMED Abstract]

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口唇がんおよび口腔がんの病期情報

病期システムはすべて臨床病期分類であり、治療前に疾患の進展度をできる限り評価したものに基づいている。原発腫瘍の評価は精査に基づき、可能であれば触診を行い、必要であれば間接鏡検査および直接内視鏡検査を併用して行う。腫瘍は組織学的に確定する必要があり、生検で得たあらゆる病理学的データを含める。考えられるリンパ節ドレナージ領域は、注意深く触診する。診断的画像検査の情報が、病期決定に使用される。頭頸部の腫瘍を検出して位置を確認し、血管とリンパ節とを区別するには、磁気共鳴画像法がコンピュータ断層撮影法より優れている。 [1] 患者が再燃した場合、適切な追加治療を選択するために、完全な再病期決定を実施しなければならない。 [2] [3]

米国がん合同委員会(AJCC)の病期分類とTNMの定義

AJCCは口唇がんおよび口腔がんを定義するためにTNM(腫瘍、リンパ節、転移)分類による病期判定を指定している。この病期分類システムは、口唇粘膜を含む口腔全体(ただし、乾燥している外唇を除く)を反映している。 [4] 以下に述べる病期分類は、頸部リンパ節郭清を受けていない患者に用いられる。

表1.原発腫瘍(T)の定義a

T分類 T基準
DOI = 浸潤の深さ。
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
b臨床的および病理学的DOIは現在、T分類を判定するため腫瘍の大きさとともに用いられる。
cDOIは浸潤の深さであり、腫瘍の厚さではない。
d歯肉を原発巣とし、骨および歯槽(のみ)に表在性びらんが認められる症例はT4としない。
TX 原発腫瘍の評価が不可能。
Tis 上皮内(in situ)がん。
T1 腫瘍が2cm以下で、DOIcが5mm以下。
T2 腫瘍が2cm以下で、DOIcが5mmを超える、または腫瘍が2cmを超え4cm以下でDOIcが10mm以下。
T3 腫瘍が2cmを超え4cm以下で、DOIcが10mmを超える、または腫瘍が4cmを超え、DOIcが10mm以下。
T4 中等度に進行したまたはかなり進行した局所病変。
-T4ad 中等度に進行した局所病変。腫瘍が4cmを超え、DOIcが10mmを超える、または隣接臓器のみに浸潤する腫瘍(例、下顎骨または上顎骨の皮質骨から、または上顎洞あるいは顔面の皮膚に浸潤する)。
-T4b かなり進行した局所病変。咀嚼間隙、翼突板、または頭蓋底に浸潤する腫瘍および/または内頸動脈を包み込む腫瘍。


表2.所属リンパ節-病理学的(pN)の定義a

N分類 N基準
ENE = 節外への進展。
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
注: UまたはLの指定は、すべてのN分類に使用されることがあり、輪状軟骨下縁上方の転移(U)または輪状軟骨下縁下方の転移(L)を指す。同様に、臨床的および病理学的ENEは、ENE(-)またはENE(+)として記録すべきである。
NX 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 同側の単発性リンパ節転移で、最大径が3cm以下およびENE(-)。
N2 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下およびENE(+);または最大径が3cmを超え、6cm以下およびENE(-);または同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下およびENE(-);または両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下、およびENE(-)。
-N2a 同側の単発性リンパ節転移で、最大径が3cm以下およびENE(+);または同側の単発性リンパ節転移で、最大径が3cmを超え、6cm以下およびENE(-)。
-N2b 同側の多発性リンパ節転移で、最大径が6cm以下、およびENE(-)。
-N2c 両側または対側リンパ節転移で、最大径が6cm以下、およびENE(-)。
N3 リンパ節転移で最大径が6cm超およびENE(-);または同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm超およびENE(+);または同側、対側、または両側の多発性リンパ節転移で、いずれかがENE(+);または大きさに関係なく対側の単発性リンパ節転移およびENE(+)。
-N3a 最大径が6cmを超えるリンパ節転移およびENE(-)。
-N3b 同側の単発性リンパ節転移で、最大径が3cm超およびENE(+);または同側、対側、または両側の多発性リンパ節転移で、いずれかがENE(+);または大きさに関係なく対側の単発性リンパ節転移およびENE(+)。


表3.遠隔転移(M)の定義a

M分類 M基準
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
M0 遠隔転移を認めない。
M1 遠隔転移を認める。


表4.TNM分類における0期の定義a

病期 TNM 説明
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
0 Tis、N0、M0 Tis = 上皮内(in situ)がん。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表5.TNM分類におけるI期の定義a

病期 TNM 説明
DOI = 浸潤の深さ。
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
bDOIは浸潤の深さであり、腫瘍の厚さではない。
I T1、N0、M0 T1 = 腫瘍が2cm以下で、DOIbが5mm以下。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表6.TNM分類におけるII期の定義a

病期 TNM 説明
DOI = 浸潤の深さ。
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
bDOIは浸潤の深さであり、腫瘍の厚さではない。
II T2、N0、M0 T2 = 腫瘍が2cm以下で、DOIbが5mmを超える、または腫瘍が2cmを超え4cm以下でDOIbが10mm以下。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表7.TNM分類におけるIII期の定義a

病期 TNM 説明
DOI = 浸潤の深さ;ENE = 節外への進展。
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
bDOIは浸潤の深さであり、腫瘍の厚さではない。
III T3、N0、M0 T3 = 腫瘍が2cmを超え4cm以下で、DOIbが10mmを超える、または腫瘍が4cmを超え、DOIbが10mm以下。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T1、T2、T3、N1、M0 T1、T2、T3 = 表1を参照のこと。
N1 = 同側の単発性リンパ節転移で、最大径が3cm以下およびENE(-)。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表8.TNM分類におけるIVA期、IVB期、およびIVC期の定義a

病期 TNM 説明
DOI = 浸潤の深さ;ENE = 節外への進展。
aAJCCから許諾を得て転載:Oral cavity.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.79–94.
b歯肉を原発巣とし、骨および歯槽(のみ)に表在性びらんが認められる症例はT4としない。
cDOIは浸潤の深さであり、腫瘍の厚さではない。
IVA T4a、N0、N1、M0 T4ab = 中等度に進行した局所病変。腫瘍が4cmを超え、DOIcが10mmを超える、または隣接臓器のみに浸潤する腫瘍(例、下顎骨または上顎骨の皮質骨から、または上顎洞あるいは顔面の皮膚に浸潤する)。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 同側の単発性リンパ節転移で、最大径が3cm以下およびENE(-)。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T1、T2、T3、T4a、N2、M0 T1、T2、T3、T4a = 表1を参照のこと。
N2 = 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下およびENE(+);または最大径が3cmを超え、6cm以下およびENE(-);または同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下およびENE(-);または両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下、およびENE(-)。
M0 = 遠隔転移を認めない。
IVB すべてのT、N3、M0 すべてのT = 表1を参照のこと。
N3 = リンパ節転移で最大径が6cm超およびENE(-);または同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm超およびENE(+);または同側、対側、または両側の多発性リンパ節転移で、いずれかがENE(+);または大きさに関係なく対側の単発性リンパ節転移およびENE(+)。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T4b、すべてのN、M0 T4b = かなり進行した局所病変。咀嚼間隙、翼突板、または頭蓋底に浸潤する腫瘍および/または内頸動脈を包み込む腫瘍。
すべてのN = 表2を参照のこと。
M0 = 遠隔転移を認めない。
IVC すべてのT、すべてのN、M1 すべてのT = 表1を参照のこと。
すべてのN = 表2を参照のこと。
M1 = 遠隔転移を認める。



参考文献
  1. Consensus conference. Magnetic resonance imaging. JAMA 259 (14): 2132-8, 1988.[PUBMED Abstract]

  2. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  3. Wang CC, ed.: Radiation Therapy for Head and Neck Neoplasms. 3rd ed. New York: Wiley-Liss, 1997.[PUBMED Abstract]

  4. Oral cavity cancer. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp. 79–94.[PUBMED Abstract]

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治療法選択肢の概要

原発腫瘍の部位および範囲ならびにリンパ節所見によって、口唇がんおよび口腔がんの治療には、一般的に以下が検討される: [1] [2] [3] [4] [5]


  • 手術単独。

  • 放射線療法単独。

  • 上記の併用。

口腔病変では、手術は肉眼で確認できる大きさすべてのほか、推定される顕微鏡的範囲も十分に切除範囲に含める必要がある。所属リンパ節転移がある場合、通常では一続きに頸部リンパ節郭清術が施行される。最新の治療法をもってすれば、外科医は口腔後方の大きな腫瘍を成功裡に切除することが可能な上、再建法により満足できる機能的結果を得ることができる。特に早期がんでは、最高のQOLを保証するために、歯科補綴的リハビリテーションが重要である。

口唇がんおよび口腔がんに対する放射線療法は、外照射療法(EBRT)単独または密封小線源治療単独を実施できるが、多くの部位ではこの両者を併用して、優れた制御および機能的な結果を生み出している。小さな表在がんは、いくつかの放射線源の1つを用いる局所刺入、口腔内照射筒治療または電子線によって、非常に満足のいく治療が可能である。大きな病変は、臨床的に転移がない場合でも、原発部位および所属リンパ節を含むように、外照射療法によって管理されることが多い。大きな原発腫瘍および/または大きなリンパ節転移巣に十分な線量を実現させるには、組織内放射線源を補充する必要がある。頭頸部がんにおける根治的放射線療法の公表された臨床結果のレビューは、放射線療法が長期にわたれば重大な局所制御不能に陥ることが示唆されている;したがって、標準治療計画を長引かせるのは可能な限り回避すべきである。 [6] [7]

口唇、口腔底、および臼後三角の早期がん(I期およびII期)は、手術または放射線療法によって治癒する可能性が高い。治療の選択は、予測される機能的結果および審美的結果により決定される。それぞれの患者に対して必要とされる特別な専門技術に外科医および放射線腫瘍医が対応できるかどうかもまた、治療の選択における一要素である。

口唇、口腔底、および臼後三角の進行がん(III期およびIV期)は、外科医および放射線腫瘍医にさまざまな難題を投げかける。III期またはIV期腫瘍を有する患者のほとんどは、手術と放射線療法の併用による治療の候補者となる。小さなT3病変で所属リンパ節転移および遠隔転移が認められない患者、または直径が2cmを超えるリンパ節転移をもたず、放射線療法単独または手術単独による治療が適切である患者は例外である。このグループの患者には局所再発および/または遠隔転移がよくみられるため、以下を評価している臨床試験への参加を検討すべきである:


  • 局所制御の改善または罹病率の低下に対する放射線修飾などの潜在的役割。

  • 局所制御を改善し、かつ遠隔転移の頻度を低下させるため化学療法に手術および/または放射線療法を併用したときの役割。

頬粘膜の早期がんは、放射線療法を施行しても十分な切除術を施行しても、同じように治癒可能である。患者因子および地域の専門家の知識が治療法の選択に影響する。大きながんは複合切除術が必要で、有茎皮弁による欠損の再建術を併せて施行する。

舌前方の早期病変(T1およびT2)は、手術単独または放射線療法単独により管理される。早期病変では、どちらの治療法も70~85%の治癒率が得られる。舌の中程度切除は、舌半側切除であっても、舌が拘束されないように創を縫合して、しばしば構音障害がほとんど生じない結果となる。しかしながら、切除がさらに広範囲に及ぶ場合、構音障害に加えて液体および固体の吸引および嚥下困難という問題が生じるであろう。舌腫瘍の患者はときに、舌亜全摘出術を必要とする。大きな病変は一般に、手術および放射線療法の併用を必要とする。大きな病変の制御率は約30~40%である。下顎歯肉がんのうち、外方発育性で、十分な局所切除に適しているものは、浸潤の臨床証拠および放射線的証拠に応じて、骨の一部を含めて切除されるであろう。さらに進行した病変では、病変の範囲およびその位置によって、区域骨切除、下顎骨半側切除または上顎骨切除が必要となる。

上顎歯肉の早期病変または硬口蓋の早期病変で骨浸潤が認められないものは、手術単独によっても放射線療法単独によっても同等の有効性をもって治療できる。進行した浸潤病変および潰瘍性病変は、放射線療法および手術を併用して治療すべきである。硬口蓋に発生する原発がんのほとんどは、小唾液腺由来のものである。硬口蓋の原発性扁平上皮がんはまれで、これらの腫瘍は一般に、上顎歯肉に発生した扁平上皮がんが浸潤したものでかなりよくみられる。上顎歯肉および硬口蓋の扁平上皮がんの管理は通常、ひとまとめに考えられる。硬口蓋がんの外科的治療は通常、上顎洞へ抜けてしまうような洞底面相当部の骨の切除が必要である。この欠損は、歯科補綴装置を用いて被覆充填し、嚥下機能および構音機能の満足な回復を得ることができる。

放射線療法期間にタバコを吸う患者は、タバコを吸わない患者より治療の奏効率が低く、生存期間が短くなるようである; [8] このことから、放射線療法を開始する前にタバコをやめるよう患者に忠告する必要がある。続発症を防ぐために、治療に先立ち歯科的状況を評価する必要がある。


参考文献
  1. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. Wang CC, ed.: Radiation Therapy for Head and Neck Neoplasms. 3rd ed. New York: Wiley-Liss, 1997.[PUBMED Abstract]

  3. Myers EN, Suen MD, Myers J, eds.: Cancer of the Head and Neck. 4th ed. Philadelphia, Pa: Saunders, 2003.[PUBMED Abstract]

  4. Freund HR: Principles of Head and Neck Surgery. 2nd ed. New York, NY: Appleton-Century-Crofts, 1979.[PUBMED Abstract]

  5. Lore JM: An Atlas of Head and Neck Surgery. 3rd ed. Philadelphia, Pa: Saunders, 1988.[PUBMED Abstract]

  6. Fowler JF, Lindstrom MJ: Loss of local control with prolongation in radiotherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys 23 (2): 457-67, 1992.[PUBMED Abstract]

  7. Langendijk JA, de Jong MA, Leemans ChR, et al.: Postoperative radiotherapy in squamous cell carcinoma of the oral cavity: the importance of the overall treatment time. Int J Radiat Oncol Biol Phys 57 (3): 693-700, 2003.[PUBMED Abstract]

  8. Browman GP, Wong G, Hodson I, et al.: Influence of cigarette smoking on the efficacy of radiation therapy in head and neck cancer. N Engl J Med 328 (3): 159-63, 1993.[PUBMED Abstract]

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I期の口唇がんおよび口腔がん

正確な部位により異なるが、手術および/または放射線療法を施行する。 [1] [2]

口唇の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 手術。
  2. 放射線療法。

手術および放射線療法による治癒率はほぼ同じであるため、治療法は予測される審美的結果および機能的結果により決定される。

舌前方の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 経口的に切除可能な小病変では、広範囲にわたる局所切除がしばしば行われる。
  2. より大きなT1病変を有する患者には、以下の標準治療が用いられる:
    1. 手術。
    2. 放射線療法。
    3. 密封小線源治療単独または外照射療法との併用。
    4. 頸部への照射。

頬粘膜の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 直径1cm未満の病変を有する患者には、口角に波及していなければ、手術単独。
  2. 直径1cm未満の病変で口角に波及していれば、治療には(密封小線源治療を含めて)放射線療法を考えるべきである。
  3. それより大きなT1病変は、分層植皮術を伴う外科的切除術または放射線療法を用いて治療される。

口腔底の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. T1病変を有する患者に対する手術。
  2. T1病変の治療に放射線療法が用いられる。
  3. 一般に0.5cm未満の病変の治療には、正常粘膜の境界が病変と歯肉との間にあれば切除術単独が適切である。
  4. 病変が骨膜に達しているものであれば、しばしば手術が施行される。
  5. 病変が舌に浸潤している場合、しばしば放射線療法が施行される。

下顎歯肉の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 小病変は、下顎骨辺縁切除を伴うまたは伴わない口腔内切除術よって治療され、分層植皮術により再建される。
  2. 小病変に放射線療法を施行することもあるが、一般に手術単独の方が結果は良好である。

臼後三角の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 骨浸潤が検出されない早期病変には、下顎限局的切除が実施される。
  2. 限局的切除が不可能であれば、最初に放射線療法を行い、手術は放射線療法が失敗したときに備えて残しておく。

上顎歯肉および硬口蓋の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. ほとんどの小病変の治療には外科的切除術が用いられる。
  2. 実施するのが適切であれば、術後放射線療法を施行する。

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. Guerry TL, Silverman S, Dedo HH: Carbon dioxide laser resection of superficial oral carcinoma: indications, technique, and results. Ann Otol Rhinol Laryngol 95 (6 Pt 1): 547-55, 1986 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

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II期の口唇がんおよび口腔がん

正確な部位により異なるが、手術および/または放射線療法を施行する。 [1]

口唇の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 単純縫合が容認できる審美的結果をもたらす場合は、下唇の小さなT2病変を有する患者には手術を施行する。
  2. 再建術が必要な場合は、皮膚および筋肉の神経支配が保存されて比較的良好な機能的および審美的結果をもたらすという点で、放射線療法が有利であり、これには適宜外照射療法および/または密封小線源治療が含まれる。

舌前方の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 微小浸潤のあるT2病変を有する患者には構音機能および嚥下機能を保存するために、通常、放射線療法が選択される。 [2]
  2. 手術は放射線療法が失敗した患者に備えて残しておく。 [2]
  3. 初期密封小線源治療を施行する場合は、頸部リンパ節郭清術を念頭に置く。 [2]
  4. 深部に浸潤している病変は、手術、放射線療法、またはこの両者の併用によって治療する。

頬粘膜の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 小さなT2病変(3cm以下)を有する患者には放射線療法が通常の治療である。
  2. 大きなT2病変(3cmを超える)の治療が適応とされる場合、手術、放射線療法、またはこれらの併用が行われる。病変が口角に波及していれば、しばしば放射線療法が施行される。腫瘍が下顎骨または上顎骨に浸潤していれば、しばしば手術が施行される。

口腔底の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 小さなT2病変(3cm以下)を有する患者には病変が骨膜に達しているものであれば、しばしば手術が施行される。
  2. 小さなT2病変(3cm以下)を有する患者の治療には、病変が舌に浸潤しているものであれば、しばしば放射線療法が施行される。
  3. 大きなT2病変(3cmを超える)を有する患者には、手術および放射線療法が治療の選択肢となるが、この選択は主に手術により予測される障害の程度に依存する。
  4. 大きな病変は、術後に外照射療法を考え、場合によっては組織内放射線療法の併用を考えるべきである。

下顎歯肉の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 小病変を有する患者は、下顎骨辺縁切除を伴うまたは伴わない口腔内切除術よって治療され、分層植皮術により再建される。
  2. 小病変を有する患者の治療に放射線療法を施行することもあるが、一般に手術単独の方が結果は良好である。

臼後三角の小病変

標準治療法の選択肢:

  1. 骨浸潤が検出されない早期病変を有する患者の治療には、下顎限局的切除が実施される。
  2. 限局的切除が不可能であれば、最初に放射線療法が実施される場合がある。
  3. 手術は放射線療法が失敗した場合に備えて残しておく。

上顎歯肉および硬口蓋の小病変

標準治療法の選択肢:


  • ほとんどの病変の治療には、外科的切除術および適切な場合に術後放射線療法が用いられる。ある小規模試験では、放射線療法が単独の治療法として効果的に用いられることを示している。 [3]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. Pernot M, Malissard L, Aletti P, et al.: Iridium-192 brachytherapy in the management of 147 T2N0 oral tongue carcinomas treated with irradiation alone: comparison of two treatment techniques. Radiother Oncol 23 (4): 223-8, 1992.[PUBMED Abstract]

  3. Yorozu A, Sykes AJ, Slevin NJ: Carcinoma of the hard palate treated with radiotherapy: a retrospective review of 31 cases. Oral Oncol 37 (6): 493-7, 2001.[PUBMED Abstract]

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III期の口唇がんおよび口腔がん

正確な腫瘍部位によって、手術および/または放射線療法が施行される。 [1] [2] 臨床試験に用いられているようなネオアジュバント化学療法は、腫瘍を縮小させて手術または放射線療法のいずれかによって、さらに確実に治療できるようにするために行われている。ネオアジュバント化学療法は、他の治療法に先行して行う化学療法で、放射線による根治治療の終了後または根治治療中または術後に行う標準アジュバント化学療法とは全く異なるものである。多くの併用薬剤がネオアジュバント化学療法として使用されている。 [3] [4] [5] [6] しかしながら、ランダム化プロスペクティブ試験は、ネオアジュバント化学療法を受けている患者の無病生存または全生存のいずれかについては、まだ便益を実証していない。 [7]

口唇の進行病変

骨、神経およびリンパ節へ浸潤している口唇の進行病変は一般に、手術および放射線療法の併用を必要とする。

標準治療法の選択肢:

  1. さまざまな外科的アプローチを用いる手術で、その選択は病変の大きさおよび位置ならびに再建術の必要性に依存する。
  2. 密封小線源治療を併用するまたは併用しない外照射療法(EBRT)など、さまざまな治療技術を用いる放射線療法で、その選択は病変の大きさおよび位置によって決定される。

臨床評価段階にある治療法の選択肢:

  1. 進行した腫瘍を対象として、術前および放射線療法前に行う化学療法、術後のアジュバント療法として行う化学療法または、集学的治療の一環として行う化学療法を評価する臨床試験が適している。 [3] [4] [5] [6] [8] [9] [10]
  2. 超分割照射療法。 [11]

舌前方の中度に進行した病変(T2後期、小さいT3)

標準治療法の選択肢:

  1. 微小浸潤病変の治療には、密封小線源治療を併用するまたは併用しないEBRTが用いられる。
  2. 深部浸潤病変の治療には、手術と術後放射線療法が併用される。 [2]

頬粘膜の進行病変

標準治療法の選択肢:

  1. 根治的外科的切除術単独。
  2. 放射線療法単独。
  3. 外科的切除術と一般に術後に施行する放射線療法との併用。

臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 進行した腫瘍を対象として、術前および放射線療法前に行う化学療法、術後のアジュバント療法として行う化学療法または、集学的治療の一環として行う化学療法を評価する臨床試験が適している。 [3] [4] [5] [6] [8] [9] [10] [12]

口腔底の中度に進行した病変

標準治療法の選択肢:

  1. 下顎骨辺縁切除 + 頸部リンパ節郭清術を施行するか、または部分的下顎骨切除を施行し、実施するのが適切であれば、頸部リンパ節郭清術を施行する手術。
  2. EBRT単独、またはEBRT + 密封小線源治療と併用する放射線療法。

臨床評価段階にある治療法の選択肢:

  1. 進行した腫瘍を対象として、術前および放射線療法前に行う化学療法、術後のアジュバント療法として行う化学療法または、集学的治療の一環として行う化学療法を評価する臨床試験が適している。 [3] [4] [5] [6] [8] [9] [10] [12]
  2. 新規放射線治療分割スキームを用いた臨床試験。 [13]

下顎歯肉の中等度に進行した病変

標準治療法の選択肢:


  • 中等度の骨破壊および/またはリンパ節転移を伴う広範囲病変の治療には、放射線療法および根治的切除術を併用して治療するか、根治的切除術単独が用いられる;放射線療法が術前または術後のいずれかで実施されることがある。

臼後三角の進行病変

標準治療法の選択肢:


  • 外科的複合切除術の後に術後放射線療法を施行する。

臨床評価段階にある治療法の選択肢:

  1. 進行した腫瘍を対象として、術前および放射線療法前に行う化学療法、術後のアジュバント療法として行う化学療法または、集学的治療の一環として行う化学療法を評価する臨床試験が適している。 [3] [4] [5] [6] [8] [9] [10] [12]
  2. 新規放射線治療分割スキームを用いた臨床試験。 [13]

上顎歯肉の中等度に進行した病変

標準治療法の選択肢:

  1. 歯肉、硬口蓋、または軟口蓋への広範囲な浸潤を伴う表在型病変の治療には、放射線療法単独が用いられる。
  2. 骨に波及している深部浸潤病変の治療には、手術と放射線療法が併用される。

硬口蓋の中等度に進行した病変

標準治療法の選択肢:

  1. 歯肉、硬口蓋、または軟口蓋への広範囲な浸潤を伴う表在型病変の治療には、放射線療法単独が用いられる。
  2. 骨に波及している深部浸潤病変の治療には、手術と放射線療法の併用または手術単独が用いられる。

リンパ節の管理を目的とする治療法の選択肢:

[1]


  • 進行病変の患者には、選択的リンパ節放射線療法またはリンパ節郭清術を施行すべきである。リンパ節に転移するリスクは、組織学的高度悪性、大きな病変、再発疾患例にみる口唇の湿粘膜、または頬粘膜への波及のほか、筋肉(すなわち、口輪筋)への浸潤によって増大する。

標準治療法の選択肢:

  1. 放射線療法単独または頸部リンパ節郭清術:
    • N1(0-2cm)。

    • N2bまたはN3;2cm未満の全リンパ節。(手術および放射線の併用療法もまた検討されるべきである。)

  2. 放射線療法および頸部リンパ節郭清術:
    • N1(2-3cm)、N2a、N3。

  3. 手術後に放射線療法を施行、その適応症を次に示す:
    • 多発性の陽性リンパ節。

    • 反対側の不顕性転移。

    • リンパ節被膜を通過した腫瘍の浸潤。

    • N2bまたはN3(頸部の側面で、2cmを超えるリンパ節が1つ以上あるものは適宜)。

  4. 手術に先行する放射線療法:
    • 大きな固定リンパ節。

臨床評価段階にある治療法の選択肢(すべてのIII期病変):


  • 外科的に切除不可能な局所的に進行した疾患がある患者には、化学療法に放射線療法が併用される。 [8] [10] [14] [15]

1965年から1993年にかけて発表された63件のランダム化プロスペクティブ試験のメタアナリシスは、同時化学放射線療法を受けている患者のサブセットで、8%の絶対生存優位性を示した。 [16] [証拠レベル:2A]アジュバント化学療法またはネオアジュバント化学療法を実施した患者に、生存優位性はみられなかった。コスト、生活の質および罹病率に関するデータもなかった;標準レジメンもなかった;試験は不均質過ぎて確定的な推奨を与えることはできないと考えられた。実施中の18試験の成績は、口腔がん管理における同時化学放射線療法の役割をさらに明らかにするだろう。

用いるべき最善の化学療法および2種類の治療法を組み合わせる適切な方法は、まだ明らかにされていない。 [17]

このほか、切除可能ではあるが、切除によって重大な機能障害を来すことになる疾患の患者における同様のアプローチについても、ランダム化試験で検討段階にあるが、現時点では標準治療として推奨できるものではない。

新規分割照射法の臨床試験は臨床評価段階にある。 [13]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. Franceschi D, Gupta R, Spiro RH, et al.: Improved survival in the treatment of squamous carcinoma of the oral tongue. Am J Surg 166 (4): 360-5, 1993.[PUBMED Abstract]

  3. Ervin TJ, Clark JR, Weichselbaum RR, et al.: An analysis of induction and adjuvant chemotherapy in the multidisciplinary treatment of squamous-cell carcinoma of the head and neck. J Clin Oncol 5 (1): 10-20, 1987.[PUBMED Abstract]

  4. Al-Kourainy K, Kish J, Ensley J, et al.: Achievement of superior survival for histologically negative versus histologically positive clinically complete responders to cisplatin combination in patients with locally advanced head and neck cancer. Cancer 59 (2): 233-8, 1987.[PUBMED Abstract]

  5. Adjuvant chemotherapy for advanced head and neck squamous carcinoma. Final report of the Head and Neck Contracts Program. Cancer 60 (3): 301-11, 1987.[PUBMED Abstract]

  6. Ensley J, Crissman J, Kish J, et al.: The impact of conventional morphologic analysis on response rates and survival in patients with advanced head and neck cancers treated initially with cisplatin-containing combination chemotherapy. Cancer 57 (4): 711-7, 1986.[PUBMED Abstract]

  7. Mazeron JJ, Martin M, Brun B, et al.: Induction chemotherapy in head and neck cancer: results of a phase III trial. Head Neck 14 (2): 85-91, 1992 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]

  8. Al-Sarraf M, Pajak TF, Marcial VA, et al.: Concurrent radiotherapy and chemotherapy with cisplatin in inoperable squamous cell carcinoma of the head and neck. An RTOG Study. Cancer 59 (2): 259-65, 1987.[PUBMED Abstract]

  9. Browman GP, Cripps C, Hodson DI, et al.: Placebo-controlled randomized trial of infusional fluorouracil during standard radiotherapy in locally advanced head and neck cancer. J Clin Oncol 12 (12): 2648-53, 1994.[PUBMED Abstract]

  10. Merlano M, Benasso M, Corvò R, et al.: Five-year update of a randomized trial of alternating radiotherapy and chemotherapy compared with radiotherapy alone in treatment of unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck. J Natl Cancer Inst 88 (9): 583-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  11. Johnson CR, Khandelwal SR, Schmidt-Ullrich RK, et al.: The influence of quantitative tumor volume measurements on local control in advanced head and neck cancer using concomitant boost accelerated superfractionated irradiation. Int J Radiat Oncol Biol Phys 32 (3): 635-41, 1995.[PUBMED Abstract]

  12. Licitra L, Grandi C, Guzzo M, et al.: Primary chemotherapy in resectable oral cavity squamous cell cancer: a randomized controlled trial. J Clin Oncol 21 (2): 327-33, 2003.[PUBMED Abstract]

  13. Stuschke M, Thames HD: Hyperfractionated radiotherapy of human tumors: overview of the randomized clinical trials. Int J Radiat Oncol Biol Phys 37 (2): 259-67, 1997.[PUBMED Abstract]

  14. Bachaud JM, David JM, Boussin G, et al.: Combined postoperative radiotherapy and weekly cisplatin infusion for locally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: preliminary report of a randomized trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 20 (2): 243-6, 1991.[PUBMED Abstract]

  15. Merlano M, Corvo R, Margarino G, et al.: Combined chemotherapy and radiation therapy in advanced inoperable squamous cell carcinoma of the head and neck. The final report of a randomized trial. Cancer 67 (4): 915-21, 1991.[PUBMED Abstract]

  16. Pignon JP, Bourhis J, Domenge C, et al.: Chemotherapy added to locoregional treatment for head and neck squamous-cell carcinoma: three meta-analyses of updated individual data. MACH-NC Collaborative Group. Meta-Analysis of Chemotherapy on Head and Neck Cancer. Lancet 355 (9208): 949-55, 2000.[PUBMED Abstract]

  17. Taylor SG, Murthy AK, Vannetzel JM, et al.: Randomized comparison of neoadjuvant cisplatin and fluorouracil infusion followed by radiation versus concomitant treatment in advanced head and neck cancer. J Clin Oncol 12 (2): 385-95, 1994.[PUBMED Abstract]

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IV期の口唇がんおよび口腔がん

ランダム化プロスペクティブ試験は、ネオアジュバント化学療法を受けている患者の無病生存または全生存のいずれかについては、まだ便益を実証していない。 [1] 二次上部気道消化管原発がんの発生を予防するために、イソトレチノイン(13-cis-レチノイン酸)を1年間にわたって毎日投与した試験は臨床評価段階にある。 [2]

口唇の進行病変

骨、神経およびリンパ節へ浸潤している口唇の進行病変は一般に、手術および放射線療法の併用を必要とする。

標準治療法の選択肢:

  1. さまざまな外科的アプローチを用いる手術で、その選択は病変の大きさおよび位置ならびに再建術の必要性に依存する。選択患者には両側頸部の治療が適応とされる。
  2. 密封小線源治療を併用するまたは併用しない外照射療法(EBRT)など、さまざまな治療技術を用いる放射線療法で、その選択は病変の大きさおよび位置によって決定される。

臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 超分割照射療法。 [3]

舌前方の進行病変

標準治療法の選択肢:

  1. 選択患者の治療には、手術(すなわち、舌全摘出術、ときに喉頭摘出術を必要とする)とその後、場合により術後放射線療法の併用が行われる。 [4]
  2. かなり進行した病変を有する患者の治療には、症状緩和のための放射線療法が用いられることがある。

頬粘膜の進行病変

標準治療法の選択肢:

  1. 根治的外科的切除術単独。
  2. 放射線療法単独。
  3. 外科的切除術 + 放射線療法(一般に術後に施行)。

口腔底の進行病変

標準治療法の選択肢:

  1. 手術と放射線療法(一般に術後に施行)の併用がしばしば行われる。
  2. 固定したリンパ節(5cm以上)には、術前放射線療法がしばしば施行される。

下顎歯肉の進行病変

標準治療法の選択肢:


  • 広範囲にわたる下顎骨の破壊およびリンパ節転移を伴う高度進行腫瘍には、手術、放射線療法、またはこの両者を併用しても良好な制御を得ることはできない。

臼後三角の進行病変

標準治療法の選択肢:


  • 外科的複合切除術に続く術後放射線療法。

上顎歯肉の進行病変

標準治療法の選択肢:


  • 広範囲で浸潤性の病変の治療には一般的に、手術と放射線療法が併用される。

硬口蓋の進行病変

標準治療法の選択肢:


  • 広範囲で浸潤性の病変の治療には一般的に、手術と放射線療法が併用される。

リンパ節の管理を目的とする治療法の選択肢:

[5]

進行病変の患者には、選択的リンパ節放射線療法またはリンパ節郭清術を施行すべきである。リンパ節に転移するリスクは、組織学的高度悪性、大きな病変、再発疾患例にみる口唇の湿粘膜または頬粘膜への波及のほか、筋肉(口輪筋)への浸潤によって増大する。

標準治療法の選択肢:

  1. 放射線療法単独または頸部リンパ節郭清術:
    • N1(0-2cm)。

    • N2bまたはN3;2cm未満の全リンパ節。(手術および放射線の併用療法もまた検討されるべきである。)

  2. 放射線療法および頸部リンパ節郭清術:
    • N1(2-3cm)、N2a、N3。

  3. 次に挙げるものは、手術後の放射線療法が適応とされる:
    • 多発性の陽性リンパ節。

    • 反対側の不顕性転移。

    • リンパ節被膜を通過した腫瘍の浸潤。

    • N2bまたはN3(頸部の側面で、2cmを超えるリンパ節が1つ以上あるものは適宜)。

  4. 手術に先行する放射線療法:
    • 大きな固定リンパ節。

臨床評価段階にある治療法の選択肢(IV期の全病変):

  1. 外科的に切除不可能な局所的に進行した疾患がある患者には、化学療法に放射線療法が併用される。 [6] [7] [8] [9]

    1965年から1993年にかけて発表された63件のランダム化プロスペクティブ試験のメタアナリシスは、同時化学放射線療法を受けている患者のサブセットで、8%の絶対生存優位性を示した。 [10] [証拠レベル:2A]アジュバント化学療法またはネオアジュバント化学療法を実施した患者に、生存優位性はみられなかった。コスト、生活の質および罹病率に関するデータもなかった;標準レジメンもなかった;試験は不均質過ぎて確定的な推奨を与えることはできないと考えられた。実施中の18試験の成績は、口腔がん管理における同時化学放射線療法の役割をさらに明らかにするだろう。


    用いるべき最善の化学療法および2種類の治療法を組み合わせる適切な方法は、まだ明らかにされていない。 [11]


    このほか、切除可能ではあるが、切除によって重大な機能障害を来すことになる疾患の患者における同様のアプローチについても、ランダム化試験で検討段階にあるが、現時点では標準治療として推奨できるものではない。

  2. 進行した腫瘍を対象として、術前および放射線療法前に行う化学療法または術後のアジュバント療法として行う化学療法を評価する臨床試験が適している。 [6] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19]
  3. 新規分割照射法の臨床試験は臨床評価段階にある。 [20]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Mazeron JJ, Martin M, Brun B, et al.: Induction chemotherapy in head and neck cancer: results of a phase III trial. Head Neck 14 (2): 85-91, 1992 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]

  2. Hong WK, Lippman SM, Itri LM, et al.: Prevention of second primary tumors with isotretinoin in squamous-cell carcinoma of the head and neck. N Engl J Med 323 (12): 795-801, 1990.[PUBMED Abstract]

  3. Johnson CR, Khandelwal SR, Schmidt-Ullrich RK, et al.: The influence of quantitative tumor volume measurements on local control in advanced head and neck cancer using concomitant boost accelerated superfractionated irradiation. Int J Radiat Oncol Biol Phys 32 (3): 635-41, 1995.[PUBMED Abstract]

  4. Franceschi D, Gupta R, Spiro RH, et al.: Improved survival in the treatment of squamous carcinoma of the oral tongue. Am J Surg 166 (4): 360-5, 1993.[PUBMED Abstract]

  5. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  6. Al-Sarraf M, Pajak TF, Marcial VA, et al.: Concurrent radiotherapy and chemotherapy with cisplatin in inoperable squamous cell carcinoma of the head and neck. An RTOG Study. Cancer 59 (2): 259-65, 1987.[PUBMED Abstract]

  7. Bachaud JM, David JM, Boussin G, et al.: Combined postoperative radiotherapy and weekly cisplatin infusion for locally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: preliminary report of a randomized trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 20 (2): 243-6, 1991.[PUBMED Abstract]

  8. Merlano M, Corvo R, Margarino G, et al.: Combined chemotherapy and radiation therapy in advanced inoperable squamous cell carcinoma of the head and neck. The final report of a randomized trial. Cancer 67 (4): 915-21, 1991.[PUBMED Abstract]

  9. Merlano M, Benasso M, Corvò R, et al.: Five-year update of a randomized trial of alternating radiotherapy and chemotherapy compared with radiotherapy alone in treatment of unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck. J Natl Cancer Inst 88 (9): 583-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  10. Pignon JP, Bourhis J, Domenge C, et al.: Chemotherapy added to locoregional treatment for head and neck squamous-cell carcinoma: three meta-analyses of updated individual data. MACH-NC Collaborative Group. Meta-Analysis of Chemotherapy on Head and Neck Cancer. Lancet 355 (9208): 949-55, 2000.[PUBMED Abstract]

  11. Taylor SG, Murthy AK, Vannetzel JM, et al.: Randomized comparison of neoadjuvant cisplatin and fluorouracil infusion followed by radiation versus concomitant treatment in advanced head and neck cancer. J Clin Oncol 12 (2): 385-95, 1994.[PUBMED Abstract]

  12. Al-Kourainy K, Kish J, Ensley J, et al.: Achievement of superior survival for histologically negative versus histologically positive clinically complete responders to cisplatin combination in patients with locally advanced head and neck cancer. Cancer 59 (2): 233-8, 1987.[PUBMED Abstract]

  13. Adjuvant chemotherapy for advanced head and neck squamous carcinoma. Final report of the Head and Neck Contracts Program. Cancer 60 (3): 301-11, 1987.[PUBMED Abstract]

  14. Toohill RJ, Duncavage JA, Grossmam TW, et al.: The effects of delay in standard treatment due to induction chemotherapy in two randomized prospective studies. Laryngoscope 97 (4): 407-12, 1987.[PUBMED Abstract]

  15. Ensley J, Crissman J, Kish J, et al.: The impact of conventional morphologic analysis on response rates and survival in patients with advanced head and neck cancers treated initially with cisplatin-containing combination chemotherapy. Cancer 57 (4): 711-7, 1986.[PUBMED Abstract]

  16. Fu KK, Phillips TL, Silverberg IJ, et al.: Combined radiotherapy and chemotherapy with bleomycin and methotrexate for advanced inoperable head and neck cancer: update of a Northern California Oncology Group randomized trial. J Clin Oncol 5 (9): 1410-8, 1987.[PUBMED Abstract]

  17. Ryan RF, Krementz ET, Truesdale GL: Salvage of stage IV intraoral squamous cell carcinomas with preoperative 5-fluorouracil. Cancer 57 (4): 699-705, 1986.[PUBMED Abstract]

  18. Ervin TJ, Clark JR, Weichselbaum RR, et al.: An analysis of induction and adjuvant chemotherapy in the multidisciplinary treatment of squamous-cell carcinoma of the head and neck. J Clin Oncol 5 (1): 10-20, 1987.[PUBMED Abstract]

  19. Browman GP, Cripps C, Hodson DI, et al.: Placebo-controlled randomized trial of infusional fluorouracil during standard radiotherapy in locally advanced head and neck cancer. J Clin Oncol 12 (12): 2648-53, 1994.[PUBMED Abstract]

  20. Stuschke M, Thames HD: Hyperfractionated radiotherapy of human tumors: overview of the randomized clinical trials. Int J Radiat Oncol Biol Phys 37 (2): 259-67, 1997.[PUBMED Abstract]

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再発口唇がんおよび再発口腔がん

口唇、舌前方、頬粘膜、口腔底、臼後三角、上顎歯肉、および硬口蓋の病変については、治療は再発病変の位置および大きさによって左右されるほか、先行治療によっても左右される。 [1] [2]

標準治療法の選択肢:

  1. 最初に放射線療法を施行していれば、手術が望ましい治療法である。 [3]
  2. 病変を治療するために最初に手術を施行していれば、治療には手術 [3] 、放射線療法、またはこれらの併用が考えられる。
  3. 化学療法が奏効を導くことが示されているが、生存率の増大は示されていない。 [4]

臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 放射線療法による初期治療後の外科的救助および初期手術後の放射線療法は良い結果が得られないことから、新しい化学療法薬、化学療法および再照射療法、または温熱療法を評価する臨床試験が検討されるべきである。 [5] [6]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Harrison LB, Sessions RB, Hong WK, eds.: Head and Neck Cancer: A Multidisciplinary Approach. 3rd ed. Philadelphia, PA: Lippincott, William & Wilkins, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. Vikram B, Strong EW, Shah JP, et al.: Intraoperative radiotherapy in patients with recurrent head and neck cancer. Am J Surg 150 (4): 485-7, 1985.[PUBMED Abstract]

  3. Wong LY, Wei WI, Lam LK, et al.: Salvage of recurrent head and neck squamous cell carcinoma after primary curative surgery. Head Neck 25 (11): 953-9, 2003.[PUBMED Abstract]

  4. Jacobs C, Lyman G, Velez-García E, et al.: A phase III randomized study comparing cisplatin and fluorouracil as single agents and in combination for advanced squamous cell carcinoma of the head and neck. J Clin Oncol 10 (2): 257-63, 1992.[PUBMED Abstract]

  5. Hong WK, Bromer R: Chemotherapy in head and neck cancer. N Engl J Med 308 (2): 75-9, 1983.[PUBMED Abstract]

  6. Vokes EE, Athanasiadis I: Chemotherapy of squamous cell carcinoma of head and neck: the future is now. Ann Oncol 7 (1): 15-29, 1996.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(09/05/2019)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

口唇がんおよび口腔がんの病期情報

病期情報が2017年度用に更新された(引用、参考文献4としてAmerican Joint Committee on Cancer)。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約について およびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、成人口唇がんおよび口腔がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

口唇がんおよび口腔がんの治療(成人)に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、ウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。 委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Lip and Oral Cavity Cancer Treatment (Adult).Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/head-and-neck/hp/adult/lip-mouth-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389262]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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