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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

胆管がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-11-16
    翻訳更新日 : 2017-01-20

Bile Duct Cancer (PDQ®): Treatment PDQ Adult Treatment Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、胆管がんの治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は、編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

胆管がん

胆管がんに関する一般情報

胆管がん(bile duct cancerまたはcholangiocarcinomaとも呼ばれる)は、きわめてまれである。しかしながら、正確な診断の確定が困難なため、胆管がんの真の発生率は不明である。

伝統的に、肝内に位置する胆管腫瘍は、原発肝腫瘍として肝細胞がんとともに分類されている。 [1] 対照的に、肝外に位置する胆管腫瘍は、肝外胆道腫瘍として胆嚢がんとともに分類されている。 [1] 胆管腫瘍の分類は変更されており、現在は肝内胆管腫瘍および肝門部と遠位の肝外胆管腫瘍が含まれている。

胆管がんの約50%は肝門部領域の胆管に発生する;40%は遠位肝外領域に発生する;そして10%は肝内領域に発生する。

胆管がんの多くは多発性である。大半の患者では、手術によっても完全に腫瘍が切除できず、治癒が得られない。切除、放射線療法(例、密封小線源療法または外照射療法)、またはステント留置術などの症状緩和目的の治療によって十分な胆道ドレナージが維持され、QOLの改善が可能となる。

解剖学

胆管系は肝臓から小腸へ胆汁を運ぶ管路のネットワークで構成されており、解剖学的位置により分類される(図1)。胆汁は肝臓で産生され、脂肪の消化に重要な役割を果たす。

肝内胆管

肝内に位置する胆管は、肝内胆管と呼ばれる。肝内胆管腫瘍は、肝内の細い小管または左右の肝管の分岐部に近い太い肝内管から発生する。これらの腫瘍はまた、肝内胆管がん(intrahepatic cholangiocarcinoma)としても知られる。

図1.肝内胆管の解剖学。

肝外胆管

肝外に位置する胆管は、肝外胆管と呼ばれる。肝外胆管には、肝外の左右の肝管部、総肝管、および総胆管が含まれる。肝外胆管はさらに、肝門部(hilum)領域と遠位部に分類できる。

図2.肝外胆管の解剖学。
  • 肝門部(hilum)領域。

    肝門部は左右の肝管が肝臓から出て合流し、胆嚢管起始部より近位の総肝管を形成する領域である。この領域の腫瘍はまた、肝門部胆管がん、またはクラッキン腫瘍としても知られる。

  • 遠位肝外領域。

    この領域には総胆管が含まれ、小腸に接続している。この領域の腫瘍はまた、肝外胆管がん(extrahepatic cholangiocarcinoma)としても知られる(図2)。

危険因子

原発性硬化性胆管炎、慢性潰瘍性大腸炎、総胆管嚢腫、または肝吸虫類である肝吸虫(Clonorchis sinensis)による感染の病歴のある患者では、胆管がんはより頻繁に発生しうる。 [2]

臨床的特徴

遠位の肝外および肝門部胆管がんは頻繁に胆道閉塞を引き起こし、以下の症状を来す:


  • 黄疸。

  • 体重減少。

  • 腹痛。

  • 発熱。

  • そう痒症。

肝内胆管がんは比較的緩慢な経過を示し、転移性腺がんの肝沈着と臨床的に鑑別することが困難な場合がある。

診断的評価と病期評価

臨床評価は、以下に示す検査室の臨床検査およびX線画像検査次第である:


  • 肝機能検査をはじめとする検査室の臨床検査。

  • 腹部超音波検査。

  • コンピュータ断層撮影。

  • 磁気共鳴画像法。

  • 磁気共鳴胆道膵管造影法。

これらの検査は原発腫瘍の進展度を明らかにして、遠隔転移の有無の判定に役立つ。

患者が内科的に手術に適しており、腫瘍の外科切除が実施可能な場合は、術中精査が実施される。確実な病理学的病期分類を確定させるために切除標本の病理検査が実施される。

予後

予後は腫瘍の解剖学的な位置によってある程度決まり、腫瘍が切除できるかどうかは、その位置に左右される。胆管腫瘍は主要血管に近く、肝内でびまん性に進展するため、切除が困難な可能性がある。遠位胆管を原発とする病変の25~30%では全切除が可能である;これよりも近位部に発生する病変の切除率は低くなる。 [3]

胆管がんでは切除断端陰性の完全切除によってのみ、治癒の機会が与えられる。限局性の切除可能な肝外および肝内腫瘍については、リンパ節転移の存在および神経周囲への浸潤の存在が重要な予後不良因子である。 [4] [5] [6]

また、以下は、肝内胆管がん患者における不良な転帰と関連している: [7] [8] [9]


  • 原発性硬化性胆管炎の個人歴。

  • がん抗原19-9値増大。

  • 胆管周囲に浸潤する腫瘍増殖パターン。

  • 肝血管浸潤の存在。

関連する要約

胆管がんに関する情報を含む他のPDQ要約には、以下のものがある:



参考文献
  1. Siegel R, Ma J, Zou Z, et al.: Cancer statistics, 2014. CA Cancer J Clin 64 (1): 9-29, 2014 Jan-Feb.[PUBMED Abstract]

  2. de Groen PC, Gores GJ, LaRusso NF, et al.: Biliary tract cancers. N Engl J Med 341 (18): 1368-78, 1999.[PUBMED Abstract]

  3. Stain SC, Baer HU, Dennison AR, et al.: Current management of hilar cholangiocarcinoma. Surg Gynecol Obstet 175 (6): 579-88, 1992.[PUBMED Abstract]

  4. Wakai T, Shirai Y, Moroda T, et al.: Impact of ductal resection margin status on long-term survival in patients undergoing resection for extrahepatic cholangiocarcinoma. Cancer 103 (6): 1210-6, 2005.[PUBMED Abstract]

  5. Klempnauer J, Ridder GJ, von Wasielewski R, et al.: Resectional surgery of hilar cholangiocarcinoma: a multivariate analysis of prognostic factors. J Clin Oncol 15 (3): 947-54, 1997.[PUBMED Abstract]

  6. Bhuiya MR, Nimura Y, Kamiya J, et al.: Clinicopathologic studies on perineural invasion of bile duct carcinoma. Ann Surg 215 (4): 344-9, 1992.[PUBMED Abstract]

  7. Rosen CB, Nagorney DM, Wiesner RH, et al.: Cholangiocarcinoma complicating primary sclerosing cholangitis. Ann Surg 213 (1): 21-5, 1991.[PUBMED Abstract]

  8. Shirabe K, Mano Y, Taketomi A, et al.: Clinicopathological prognostic factors after hepatectomy for patients with mass-forming type intrahepatic cholangiocarcinoma: relevance of the lymphatic invasion index. Ann Surg Oncol 17 (7): 1816-22, 2010.[PUBMED Abstract]

  9. Isa T, Kusano T, Shimoji H, et al.: Predictive factors for long-term survival in patients with intrahepatic cholangiocarcinoma. Am J Surg 181 (6): 507-11, 2001.[PUBMED Abstract]

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胆管がんの細胞分類

肝内胆管がん

肝内胆管腫瘍で最もよくみられる病理組織学的タイプには、以下のものがある: [1]


  • 肝内胆管がん。
      腫瘤形成性の腫瘍増殖パターン。
      胆管周囲に浸潤する腫瘍増殖パターン。
      腫瘤形成性と胆管周囲に浸潤する増殖パターンの混合。

  • 肝細胞がんと胆管がんの混合型。

肝門部胆管がん

腺がんは肝門部胆管腫瘍で最もよくみられる組織型である。肝門部胆管がんの組織型には、以下のものがある: [2]


  • 上皮内がん。

  • 腺がん、NOS(他に特定されない)。

  • 腺がん、腸型。

  • 粘液性腺がん。

  • 明細胞腺がん。

  • 印環細胞がん。

  • 腺扁平上皮がん。

  • 扁平上皮がん。

  • 小細胞(燕麦細胞)がん。

  • 未分化がん。
      紡錘体細胞および巨細胞型。
      小細胞型。

  • 乳頭腫症。

  • 乳頭状がん、非浸潤的。

  • 乳頭状がん、浸潤的。

  • がん、NOS(他に特定されない)。

遠位の肝外胆管がん

腺がんは遠位の肝外胆管腫瘍に最もよくみられる組織型である。遠位の肝外胆管がんの組織型には、以下のものがある: [3]


  • 上皮内がん。

  • 腺がん、NOS(他に特定されない)。

  • 腺がん、腸型。

  • 粘液性腺がん。

  • 明細胞腺がん。

  • 印環細胞がん。

  • 腺扁平上皮がん。

  • 扁平上皮がん。

  • 小細胞(燕麦細胞)がん。

  • 未分化がん。
      紡錘体細胞および巨細胞型。
      小細胞型。

  • 乳頭腫症。

  • 乳頭状がん、非浸潤的。

  • 乳頭状がん、浸潤的。

  • がん、NOS(他に特定されない)。


参考文献
  1. Intrahepatic bile ducts. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.[PUBMED Abstract]

  2. Perihilar bile ducts. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-22.[PUBMED Abstract]

  3. Distal bile duct. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.[PUBMED Abstract]

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胆管がんの病期情報

胆管がんの病期分類

胆管がんは切除可能(限局性)または切除不能のいずれかに分類され、明らかに予後に重大な意味をもつ。胆管がんの病期分類には、一般的に手術および切除標本の病理検査後にTNM(腫瘍、リンパ節、転移)病期分類システムが用いられる。開腹時のがんの進展度を評価することは、病期分類の重要な要素である。

胆管がんのAJCC病期分類システム

肝内胆管がんに対するAJCC病期分類システム

米国がん合同委員会(AJCC)は、肝内胆管がんを定義するためにTNM分類による病期判定を指定している。 [1]

表1表2表3表4表5、および表6は、肝内胆管がんの病期に関するものである。

表1.TNM 0期の肝内胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Intrahepatic bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.
0 Tis、N0、M0 Tis = 上皮内がん(胆管内腫瘍)。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表2.TNM I期の肝内胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Intrahepatic bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.
I T1、N0、M0 T1 = 血管浸潤を伴わない孤立性腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表3.TNM II期の肝内胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Intrahepatic bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.
II T2a-b、N0、M0 T2a = 血管浸潤を伴う孤立性腫瘍。
T2b = 血管浸潤を伴うまたは伴わない多発性腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表4.TNM III期の肝内胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Intrahepatic bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.
III T3、N0、M0 T3 = 臓側腹膜に穿孔しているか、直接浸潤により肝外の局所組織に及んでいる腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表5.TNM IVA期の肝内胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Intrahepatic bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.
IVA T4、N0、M0 T4 = 胆管周囲への浸潤を伴う腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
すべてのT、N1、M0 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 原発腫瘍を認めない。
Tis = 上皮内がん(胆管内腫瘍)。
T1 = 血管浸潤を伴わない孤立性腫瘍。
T2a = 血管浸潤を伴う孤立性腫瘍。
T2b = 血管浸潤を伴うまたは伴わない多発性腫瘍。
T3 = 臓側腹膜に穿孔しているか、直接浸潤により肝外の局所組織に及んでいる腫瘍。
T4 = 胆管周囲への浸潤を伴う腫瘍。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表6.TNM IVB期の肝内胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
aAJCCから許諾を得て転載:Intrahepatic bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.
IVB すべてのT、すべてのN、M1 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 原発腫瘍を認めない。
Tis = 上皮内がん(胆管内腫瘍)。
T1 = 血管浸潤を伴わない孤立性腫瘍。
T2a = 血管浸潤を伴う孤立性腫瘍。
T2b = 血管浸潤を伴うまたは伴わない多発性腫瘍。
T3 = 臓側腹膜に穿孔しているか、直接浸潤により肝外の局所組織に及んでいる腫瘍。
T4 = 胆管周囲への浸潤を伴う腫瘍。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M1 = 遠隔転移を認める。


肝門部胆管がんに対するAJCC病期分類システム

AJCCは、肝門部胆管がんを定義するためにTNM分類による病期判定を指定している。 [2]

表7表8表9表10表11表12、および表13は、肝門部胆管がんの病期に関するものである。

表7.TNM 0期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
0 Tis、N0、M0 Tis = 上皮内がん。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表8.TNM I期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
I T1、N0、M0 T1 = 腫瘍が胆管に限局し、筋肉層または線維組織に至っている。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表9.TNM II期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
II T2a-b、N0、M0 T2a = 腫瘍が胆管壁を越えて周囲の脂肪組織に浸潤している。
T2b = 腫瘍が隣接する肝実質に浸潤している。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表10.TNM IIIA期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
IIIA T3、N0、M0 T3 = 腫瘍が門脈または肝動脈の片側の分枝に浸潤している。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表11.TNM IIIB期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
IIIB T1-3、N1、M0 T1 = 腫瘍が胆管に限局し、筋肉層または線維組織に至っている。
T2a = 腫瘍が胆管壁を越えて周囲の脂肪組織に浸潤している。
T2b = 腫瘍が隣接する肝実質に浸潤している。
T3 = 腫瘍が門脈または肝動脈の片側の分枝に浸潤している。
N1 = 所属リンパ節に転移している(胆嚢管、総胆管、肝動脈、門脈に沿ったリンパ節など)。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表12.TNM IVA期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
IVA T4、N0-1、M0 T4 = 腫瘍は次の以下のいずれかに浸潤している:主門脈またはその両側の分枝;または総肝動脈;または両側の左右肝管;または片側の左右肝管と対側の門脈または肝動脈への浸潤。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 所属リンパ節に転移している(胆嚢管、総胆管、肝動脈、門脈に沿ったリンパ節など)。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表13.TNM IVB期の肝門部胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Perihilar bile ducts.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-25.
IVB すべてのT、N2、M0 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 原発腫瘍を認めない。
Tis = 上皮内がん。
T1 = 腫瘍が胆管に限局し、筋肉層または線維組織に至っている。
T2a = 腫瘍が胆管壁を越えて周囲の脂肪組織に浸潤している。
T2b = 腫瘍が隣接する肝実質に浸潤している。
T3 = 腫瘍が門脈または肝動脈の片側の分枝に浸潤している。
T4 = 腫瘍は次の以下のいずれかに浸潤している:主門脈またはその両側の分枝;または総肝動脈;または両側の左右肝管;または片側の左右肝管と対側の門脈または肝動脈への浸潤。
N2 = 傍大動脈、傍大静脈、上腸間膜動脈、および腹腔動脈のリンパ節に転移している。
M0 = 遠隔転移を認めない。
すべてのT、すべてのN、M1 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 原発腫瘍を認めない。
Tis = 上皮内がん。
T1 = 腫瘍が胆管に限局し、筋肉層または線維組織に至っている。
T2a = 腫瘍が胆管壁を越えて周囲の脂肪組織に浸潤している。
T2b = 腫瘍が隣接する肝実質に浸潤している。
T3 = 腫瘍が門脈または肝動脈の片側の分枝に浸潤している。
T4 = 腫瘍は次の以下のいずれかに浸潤している:主門脈またはその両側の分枝;または総肝動脈;または両側の左右肝管;または片側の左右肝管と対側の門脈または肝動脈への浸潤。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 所属リンパ節に転移している(胆嚢管、総胆管、肝動脈、門脈に沿ったリンパ節など)。
N2 = 傍大動脈、傍大静脈、上腸間膜動脈、および腹腔動脈のリンパ節に転移している。
M1 = 遠隔転移を認める。


遠位の肝外胆管がんに対するAJCC病期分類システム

AJCCは、遠位の肝外胆管がんを定義するためにTNM分類による病期判定を指定している。 [3] TNM分類によって定義された病期は、遠位肝外胆管または胆嚢管に発生する原発腫瘍のいずれにも当てはまる;これらの病期は肝門部または肝内胆管がん、肉腫、またはカルチノイド腫瘍には当てはまらない。

表14表15表16表17表18表19、および表20は、遠位の肝外胆管がんの病期に関するものである。

表14.TNM 0期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
0 Tis、N0、M0 Tis = 上皮内がん。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表15.TNM IA期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
IA T1、N0、M0 T1 = 組織学的に胆管に限局する腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表16.TNM IB期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
IB T2、N0、M0 T2 = 胆管壁を越えて浸潤している腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表17.TNM IIA期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
IIA T3、N0、M0 T3 = 腫瘍が胆嚢、膵臓、十二指腸、または他の隣接する臓器に浸潤しているが、腹腔動脈幹または上腸間膜動脈には浸潤していない。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表18.TNM IIB期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
IIB T1、N1、M0 T1 = 組織学的に胆管に限局する腫瘍。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T2、N1、M0 T2 = 胆管壁を越えて浸潤している腫瘍。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T3、N1、M0 T3 = 腫瘍が胆嚢、膵臓、十二指腸、または他の隣接する臓器に浸潤しているが、腹腔動脈幹または上腸間膜動脈には浸潤していない。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表19.TNM III期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
III T4、すべてのN、M0 T4 = 腫瘍が腹腔動脈幹または上腸間膜動脈に浸潤している。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表20.TNM IV期の遠位の肝外胆管がんの定義a

病期 TNM 記述
T = 原発腫瘍; N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。
a AJCCから許諾を得て転載:Distal bile duct.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.
IV すべてのT、すべてのN、M1 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 原発腫瘍を認めない。
T1 = 組織学的に胆管に限局する腫瘍。
T2 = 胆管壁を越えて浸潤している腫瘍。
T3 = 腫瘍が胆嚢、膵臓、十二指腸、または他の隣接する臓器に浸潤しているが、腹腔動脈幹または上腸間膜動脈には浸潤していない。
T4 = 腫瘍が腹腔動脈幹または上腸間膜動脈に浸潤している。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 所属リンパ節に転移を認める。
M1 = 遠隔転移を認める。



参考文献
  1. Intrahepatic bile ducts. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 201-9.[PUBMED Abstract]

  2. Perihilar bile ducts. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 219-22.[PUBMED Abstract]

  3. Distal bile duct. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 227-33.[PUBMED Abstract]

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胆管がんに対する治療法選択肢の概要

胆管がんの治療は主として、がんが手術で完全切除できるかどうかに依存する。

切除可能(限局性)胆管がん

限局性肝内および肝外胆管がんは、外科医によって完全に切除できる可能性がある。これらの腫瘍は症例のうちごく少数で、通常、遠位総胆管に位置する。外科的切除で治療された患者における長期予後は、原発腫瘍の進展度、切除断端の状態、リンパ節転移、および追加の病理学的特徴によって異なる。 [1] [2]

肝葉切除、または肝の4区および5区の部分切除のいずれかにより隣接した肝も含めて、肝管分岐部腫瘍(クラッキン腫瘍、他にも肝門部腫瘍として知られている)の拡大切除を実施する場合もある。完全切除を達成するために肝の広範切除が必要な場合、術後の肝機能予備力を評価すべきである。基礎に肝硬変を有する患者には、Child-PughクラスおよびModel for End-Stage Liver Diseaseスコアが測定される。

切除不能胆管がん

肝内、肝外、および肝門部胆管がんのほとんどの症例は切除不能であり、外科医によって完全には切除できない。多くの場合、がんは門脈、隣接する肝に直接浸潤し、総胆管に沿って浸潤するほか、隣接リンパ節にも浸潤している。門脈への浸潤により、門脈圧亢進症が生じることがある。遠隔転移については、腹腔内転移の中でも特に腹膜転移は起こりうるが、それ以外はまれである。経腹膜転移および肝への血行性転移はあらゆる部位の胆管がんでも起こる。さらに、切除術を受けたほとんどの患者で、肝胆道系内または、頻度は低いが、遠隔部位に再発病変が現れる。

切除不能胆管がん患者の管理は症状緩和を目的として実施される。

胆管がんに対する治療法の選択肢を表21に示す。

表21.胆管がんに対する治療法の選択肢

病期( 治療法の選択肢
肝内胆管がん 切除可能 手術
化学療法
外照射療法
切除不能、再発性、または転移性 緩和療法
全身化学療法
肝門部胆管がん 切除可能 手術
外照射療法
化学療法
切除不能、再発性、または転移性 緩和療法
全身化学療法
遠位の肝外胆管がん 切除可能 手術
外照射療法
化学療法
切除不能、再発性、または転移性 緩和療法
全身化学療法



参考文献
  1. Nagorney DM, Donohue JH, Farnell MB, et al.: Outcomes after curative resections of cholangiocarcinoma. Arch Surg 128 (8): 871-7; discussion 877-9, 1993.[PUBMED Abstract]

  2. Washburn WK, Lewis WD, Jenkins RL: Aggressive surgical resection for cholangiocarcinoma. Arch Surg 130 (3): 270-6, 1995.[PUBMED Abstract]

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肝内胆管がんの治療

切除可能肝内胆管がん

切除可能肝内胆管がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術

手術

肝内胆管がんについて、切除断端陰性を達成するための肝切除は治癒的手技である。切除断端陰性を達成するために肝の広範切除が必要な場合、残存肝容量を増加させるために術前門脈塞栓術が検討されることがある。

切除断端陰性を達成するための部分的肝切除は、肝内胆管がん患者が治癒を得るための基本戦略である。 [1] 必要な肝切除の範囲は、肝実質への転移の程度およびこの領域にある主要血管に対する腫瘍の近接度に応じて異なる。

ルーチンの門脈リンパ節郭清の役割は、総胆管への脈管遮断のリスクのため、十分に確立されていない。

他の治療法の選択肢

他の治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 化学療法。多数のレトロスペクティブ・シリーズで、外科的完全切除後の補助化学療法が有益な可能性が示唆されている。 [2] [3] [証拠レベル:3iiiDiii]
    1. 日本の多施設研究では、手術単独とマイトマイシンCおよび点滴静注による5-フルオロウラシル(5-FU)に続いて疾患が進行するまで5-FUの実施とが比較された。 [4] [証拠レベル:1iiA]
      • 胆管がん患者のサブセット(n = 139)では、生存利益は示されなかった。

  2. 外照射療法(EBRT)。肝内胆管がん切除後のEBRTの役割を評価した文献はほとんど発表されていない。
  3. 臨床試験。すべての患者に補助療法に関する臨床試験への登録が奨励される。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

I期肝内胆管がんおよびII期肝内胆管がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

切除不能、再発性、または転移性の肝内胆管がん

切除不能、再発性、または転移性の肝内胆管がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 緩和療法
  2. 全身化学療法

緩和療法

緩和療法。そう痒感および肝機能障害などの症状が、がんの他の症状より優先される場合は、胆管閉塞の軽減を必要とする。そのような軽減は、可能であれば、手術的、内視鏡的、または経皮的な手技による胆管ステント留置術によって達成できる。 [5] [6]

症状緩和目的の放射線療法が有益な場合があり、患者によっては、温熱療法、放射線増感剤、または細胞毒性化学療法薬など、さまざまな放射線増感剤によって放射線療法の効果を改善する方法を検討する臨床試験への組み入れ候補となる場合がある。経皮カテーテルを留置した場合には、密封小線源療法の線源を留置するための導管としてこれを用いることができる。 [7] [8] 体幹部定位放射線治療 [9] および肝動脈塞栓術 [10] など、肝に向けられた代替治療法の潜在的な役割について入手可能なデータは限られているが、得られつつある。

全身化学療法

十分なパフォーマンスステータスを有し、臓器機能が損なわれていない選択された患者では、全身化学療法が適している。以下の薬物では、少数の患者において一過性の部分寛解が得られたことが報告されている:


1件の第III相研究(NCT00262769)では、切除不能、再発性、または転移性の胆道がん患者410人が最大6ヵ月のシスプラチンとその後のゲムシタビン、またはゲムシタビン単独を受ける群にランダムに割り付けられ、以下のことが観察された: [11]


  • OS期間中央値はシスプラチンゲムシタビン併用療法で治療された患者(11.7ヵ月)の方がゲムシタビン単独で治療された患者(8.1ヵ月)よりも改善された(ハザード比、0.64;95%信頼区間、0.52-0.80;P < 0.001)。 [11] [証拠レベル:1iiA]

  • 肝外胆管がん患者73人および肝門部腫瘍患者57人を含め、すべてのサブグループで、同様なOS期間中央値の有益性が確認された。

  • グレード3および4の毒性は、ゲムシタビン/シスプラチン群にランダムに割り付けられた患者における血液毒性の増加、およびゲムシタビン単剤療法群にランダムに割り付けられた患者における肝毒性の増加を除いて、両研究群とも同様な頻度で発生した。

その他にも、ランダム化試験において評価が待たれている薬剤および薬剤併用がある。

切除不能、再発性、または転移性の胆管がん患者では、可能であれば必ず臨床試験への組み入れを検討すべきである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

III期肝内胆管がんIV期肝内胆管がん、および再発性肝内胆管がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Dodson RM, Weiss MJ, Cosgrove D, et al.: Intrahepatic cholangiocarcinoma: management options and emerging therapies. J Am Coll Surg 217 (4): 736-750.e4, 2013.[PUBMED Abstract]

  2. Todoroki T: Chemotherapy for bile duct carcinoma in the light of adjuvant chemotherapy to surgery. Hepatogastroenterology 47 (33): 644-9, 2000 May-Jun.[PUBMED Abstract]

  3. Murakami Y, Uemura K, Sudo T, et al.: Adjuvant gemcitabine plus S-1 chemotherapy improves survival after aggressive surgical resection for advanced biliary carcinoma. Ann Surg 250 (6): 950-6, 2009.[PUBMED Abstract]

  4. Takada T, Amano H, Yasuda H, et al.: Is postoperative adjuvant chemotherapy useful for gallbladder carcinoma? A phase III multicenter prospective randomized controlled trial in patients with resected pancreaticobiliary carcinoma. Cancer 95 (8): 1685-95, 2002.[PUBMED Abstract]

  5. Nordback IH, Pitt HA, Coleman J, et al.: Unresectable hilar cholangiocarcinoma: percutaneous versus operative palliation. Surgery 115 (5): 597-603, 1994.[PUBMED Abstract]

  6. Levy MJ, Baron TH, Gostout CJ, et al.: Palliation of malignant extrahepatic biliary obstruction with plastic versus expandable metal stents: An evidence-based approach. Clin Gastroenterol Hepatol 2 (4): 273-85, 2004.[PUBMED Abstract]

  7. Fritz P, Brambs HJ, Schraube P, et al.: Combined external beam radiotherapy and intraluminal high dose rate brachytherapy on bile duct carcinomas. Int J Radiat Oncol Biol Phys 29 (4): 855-61, 1994.[PUBMED Abstract]

  8. Shin HS, Seong J, Kim WC, et al.: Combination of external beam irradiation and high-dose-rate intraluminal brachytherapy for inoperable carcinoma of the extrahepatic bile ducts. Int J Radiat Oncol Biol Phys 57 (1): 105-12, 2003.[PUBMED Abstract]

  9. Barney BM, Olivier KR, Miller RC, et al.: Clinical outcomes and toxicity using stereotactic body radiotherapy (SBRT) for advanced cholangiocarcinoma. Radiat Oncol 7: 67, 2012.[PUBMED Abstract]

  10. Hyder O, Marsh JW, Salem R, et al.: Intra-arterial therapy for advanced intrahepatic cholangiocarcinoma: a multi-institutional analysis. Ann Surg Oncol 20 (12): 3779-86, 2013.[PUBMED Abstract]

  11. Valle J, Wasan H, Palmer DH, et al.: Cisplatin plus gemcitabine versus gemcitabine for biliary tract cancer. N Engl J Med 362 (14): 1273-81, 2010.[PUBMED Abstract]

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肝門部胆管がんの治療

切除可能肝門部胆管がん

切除可能肝門部胆管がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術

手術

肝門部胆管がん(クラッキン腫瘍)について、胆管切除単独では肝管と尾状葉が早い段階で合流する結果、局所再発率が高くなる。尾状葉を含む肝部分切除術の追加により、長期の治療成績が改善しているが、術後合併症の増加を伴う場合がある。 [1] この積極的な外科的アプローチにより、20~50%の5年生存率が報告されている。 [2] 正常および変化に富む脈管と肝門部の管の解剖の理解が進み、切除可能な肝管分岐部腫瘍の数が多くなっている。

外科的切除後の再燃の原発部位は局所である;しかしながら、遠隔再発も頻繁に報告されている。 [3] これまでのところ、限局性のがん患者に対する補助療法のランダム化試験は実施されていない。しかしながら、放射線療法(密封小線源療法を伴うまたは伴わない体外照射)によって局所制御が改善されることが報告されている。 [4] [5] [証拠レベル:3iiiDiii]

肝門部胆管がんに対する至適手術法は、胆管系に沿った腫瘍の位置、肝実質への転移の程度、およびこの領域にある主要血管に対する腫瘍の近接度に応じて異なる。所属リンパ節の状態は予後的意義を有するため、手術時に評価される。胆管がんに対する手術は通常広範囲にわたり、手術死亡率が高く(約10%)、治癒の可能性は低い。 [6]

黄疸のある患者における胆管閉塞を軽減するための経皮経肝カテーテルドレナージまたは内視鏡的ステント留置の役割は、有意な臨床的有益性の所見が一貫しておらず、術後合併症のリスクが高いという懸念のために見解の一致をみていない。 [7] しかしながら、特に黄疸が強いか、または高窒素血症の要素がある場合には、胆管閉塞を軽減するために経皮経肝カテーテルドレナージまたは内視鏡的ステント留置を術前に検討してもよい。 [8] [9]

他の治療法の選択肢

他の治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. EBRT。多数のレトロスペクティブ研究で、外科的完全切除後のEBRTの追加が有益な可能性が示唆されている。 [4] [5] [証拠レベル:1iiA]しかしながら、プロスペクティブ・ランダム化試験では、全生存(OS)の有益性は実証されていない。

    膵がんおよび十二指腸乳頭部領域がん患者207人を対象にした1件の小規模ランダム化試験では、手術後の化学放射線療法追加の生存利益は実証されなかった。しかしながら、この研究は、胆管がんの診断を受けた患者は2~3人しかいなかった、および化学放射線療法実施群にランダムに割り付けられた患者の20%が治療を受けなかったため制限がある。 [10] [証拠レベル:3iiiDiv]


    1件の第II相共同グループ試験、SWOG S0809(NCT00789958)では、切除された肝外胆管がんおよび胆嚢がんに対するカペシタビンゲムシタビンの補助的投与とその後の化学放射線療法が評価された。全体では、pT2~pT4疾患、リンパ節転移陽性疾患、または切除断端陽性疾患を有する適格患者79人(肝外胆管がんでn = 54;胆嚢がんでn = 25)が登録された。 [11] [証拠レベル:2A]


    • 2年生存率は65%で、歴史的対照に基づいて予想されたものよりも有意に高かった。 [11] [証拠レベル:2A]

    • グレード3の毒性作用が52%の患者に観察され、グレード4の毒性作用が11%の患者に観察された。

    • これらの結果に基づいて、このレジメンは十分に耐えられ、有望な効力を有することが観察された。

  2. 化学療法。多数のレトロスペクティブ・シリーズで、外科的完全切除後の補助化学療法が有益な可能性が示唆されている。 [12] [13] [証拠レベル:3iiiDiii]しかしながら、プロスペクティブ・ランダム化試験では、OSの有益性は実証されていない。胆管がんを含む膵胆管腫瘍に関する1件のランダム化試験で、追加の化学療法の潜在的な有益性を扱う試みがなされた。
    1. 日本の多施設研究では、手術単独とマイトマイシンCおよび点滴静注による5-フルオロウラシル(5-FU)に続いて疾患が進行するまで5-FUの実施とが比較された。 [14] [証拠レベル:1iiA]

    • 胆管がん患者のサブセット(n = 139)では、生存利益は示されなかった。

  3. 臨床試験。すべての患者に補助療法に関する臨床試験への登録が奨励される。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

I期肝門部胆管がんおよびII期肝門部胆管がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

切除不能、再発性、または転移性の肝門部胆管がん

切除不能、再発性、または転移性の肝門部胆管がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 緩和療法
  2. 全身化学療法

緩和療法

緩和療法。そう痒感および肝機能障害などの症状が、がんの他の症状より優先される場合は、胆管閉塞の軽減を必要とする。そのような軽減は、可能であれば、胆管と腸との吻合術、あるいは手術的、内視鏡的、または経皮的な手技による胆管ステント留置術によって達成できる。 [15] [16]

胆道バイパス後または挿管後における緩和目的の放射線療法が有益な場合があり、患者によっては、温熱療法、放射線増感剤、または細胞毒性化学療法薬など、さまざまな放射線増感剤によって放射線療法の効果を改善する方法を検討する臨床試験への組み入れ候補となる場合がある。経皮カテーテルを留置した場合には、密封小線源療法の線源を留置するための導管としてこれを用いることができる。 [17] [18]

全身化学療法

十分なパフォーマンスステータスを有し、臓器機能が損なわれていない選択された患者では、全身化学療法が適している。以下の薬物では、少数の患者において一過性の部分寛解が得られたことが報告されている:


1件の第III相研究(NCT00262769)では、切除不能、再発性、または転移性の胆道がん患者410人が最大6ヵ月のシスプラチンとその後のゲムシタビン、またはゲムシタビン単独を受ける群にランダムに割り付けられ、以下のことが観察された: [19]


  • OS期間中央値はシスプラチンゲムシタビン併用療法で治療された患者(11.7ヵ月)の方がゲムシタビン単独で治療された患者(8.1ヵ月)よりも改善された(ハザード比、0.64;95%信頼区間、0.52-0.80;P < 0.001)。 [19] [証拠レベル:1iiA]

  • 肝外胆管がん患者73人および肝門部腫瘍患者57人を含め、すべてのサブグループで、同様なOS期間中央値の有益性が確認された。

  • グレード3および4の毒性は、ゲムシタビン/シスプラチン群にランダムに割り付けられた患者における血液毒性の増加、およびゲムシタビン単剤療法群にランダムに割り付けられた患者における肝毒性の増加を除いて、両研究群とも同様な頻度で発生した。

局所切除不能な肝門部胆管がんを有する注意深く選択された患者において、術前補助化学放射線療法および同所性肝移植が評価されている。 [20] [証拠レベル:3iiiD]このアプローチは標準治療と考えられておらず、専門的な移植施設における臨床試験の状況においてのみ検討されるべきである。

その他にも、ランダム化試験において評価が待たれている薬剤および薬剤併用がある。

切除不能、再発性、または転移性の胆管がん患者では、可能であれば必ず臨床試験への組み入れを検討すべきである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

III期肝門部胆管がんIV期肝門部胆管がん、および再発性肝門部胆管がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Burke EC, Jarnagin WR, Hochwald SN, et al.: Hilar Cholangiocarcinoma: patterns of spread, the importance of hepatic resection for curative operation, and a presurgical clinical staging system. Ann Surg 228 (3): 385-94, 1998.[PUBMED Abstract]

  2. Nakeeb A, Tran KQ, Black MJ, et al.: Improved survival in resected biliary malignancies. Surgery 132 (4): 555-63; discussion 563-4, 2002.[PUBMED Abstract]

  3. Hasegawa S, Ikai I, Fujii H, et al.: Surgical resection of hilar cholangiocarcinoma: analysis of survival and postoperative complications. World J Surg 31 (6): 1256-63, 2007.[PUBMED Abstract]

  4. Kim TH, Han SS, Park SJ, et al.: Role of adjuvant chemoradiotherapy for resected extrahepatic biliary tract cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 81 (5): e853-9, 2011.[PUBMED Abstract]

  5. Hughes MA, Frassica DA, Yeo CJ, et al.: Adjuvant concurrent chemoradiation for adenocarcinoma of the distal common bile duct. Int J Radiat Oncol Biol Phys 68 (1): 178-82, 2007.[PUBMED Abstract]

  6. Loehrer AP, House MG, Nakeeb A, et al.: Cholangiocarcinoma: are North American surgical outcomes optimal? J Am Coll Surg 216 (2): 192-200, 2013.[PUBMED Abstract]

  7. Liu F, Li Y, Wei Y, et al.: Preoperative biliary drainage before resection for hilar cholangiocarcinoma: whether or not? A systematic review. Dig Dis Sci 56 (3): 663-72, 2011.[PUBMED Abstract]

  8. Nimura Y: Preoperative biliary drainage before resection for cholangiocarcinoma (Pro). HPB (Oxford) 10 (2): 130-3, 2008.[PUBMED Abstract]

  9. Laurent A, Tayar C, Cherqui D: Cholangiocarcinoma: preoperative biliary drainage (Con). HPB (Oxford) 10 (2): 126-9, 2008.[PUBMED Abstract]

  10. Klinkenbijl JH, Jeekel J, Sahmoud T, et al.: Adjuvant radiotherapy and 5-fluorouracil after curative resection of cancer of the pancreas and periampullary region: phase III trial of the EORTC gastrointestinal tract cancer cooperative group. Ann Surg 230 (6): 776-82; discussion 782-4, 1999.[PUBMED Abstract]

  11. Ben-Josef E, Guthrie KA, El-Khoueiry AB, et al.: SWOG S0809: A Phase II Intergroup Trial of Adjuvant Capecitabine and Gemcitabine Followed by Radiotherapy and Concurrent Capecitabine in Extrahepatic Cholangiocarcinoma and Gallbladder Carcinoma. J Clin Oncol 33 (24): 2617-22, 2015.[PUBMED Abstract]

  12. Todoroki T: Chemotherapy for bile duct carcinoma in the light of adjuvant chemotherapy to surgery. Hepatogastroenterology 47 (33): 644-9, 2000 May-Jun.[PUBMED Abstract]

  13. Murakami Y, Uemura K, Sudo T, et al.: Adjuvant gemcitabine plus S-1 chemotherapy improves survival after aggressive surgical resection for advanced biliary carcinoma. Ann Surg 250 (6): 950-6, 2009.[PUBMED Abstract]

  14. Takada T, Amano H, Yasuda H, et al.: Is postoperative adjuvant chemotherapy useful for gallbladder carcinoma? A phase III multicenter prospective randomized controlled trial in patients with resected pancreaticobiliary carcinoma. Cancer 95 (8): 1685-95, 2002.[PUBMED Abstract]

  15. Nordback IH, Pitt HA, Coleman J, et al.: Unresectable hilar cholangiocarcinoma: percutaneous versus operative palliation. Surgery 115 (5): 597-603, 1994.[PUBMED Abstract]

  16. Levy MJ, Baron TH, Gostout CJ, et al.: Palliation of malignant extrahepatic biliary obstruction with plastic versus expandable metal stents: An evidence-based approach. Clin Gastroenterol Hepatol 2 (4): 273-85, 2004.[PUBMED Abstract]

  17. Fritz P, Brambs HJ, Schraube P, et al.: Combined external beam radiotherapy and intraluminal high dose rate brachytherapy on bile duct carcinomas. Int J Radiat Oncol Biol Phys 29 (4): 855-61, 1994.[PUBMED Abstract]

  18. Shin HS, Seong J, Kim WC, et al.: Combination of external beam irradiation and high-dose-rate intraluminal brachytherapy for inoperable carcinoma of the extrahepatic bile ducts. Int J Radiat Oncol Biol Phys 57 (1): 105-12, 2003.[PUBMED Abstract]

  19. Valle J, Wasan H, Palmer DH, et al.: Cisplatin plus gemcitabine versus gemcitabine for biliary tract cancer. N Engl J Med 362 (14): 1273-81, 2010.[PUBMED Abstract]

  20. Rea DJ, Heimbach JK, Rosen CB, et al.: Liver transplantation with neoadjuvant chemoradiation is more effective than resection for hilar cholangiocarcinoma. Ann Surg 242 (3): 451-8; discussion 458-61, 2005.[PUBMED Abstract]

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遠位の肝外胆管がんの治療

切除可能な遠位の肝外胆管がん

切除可能な遠位の肝外胆管がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 手術

手術

遠位の肝外胆管がんに対しては切除断端陰性の外科的完全切除によってのみ、治癒の機会が与えられる。胆管腫瘍は主要血管に近く、隣接する胆管にびまん性に浸潤するため、切除が困難な可能性がある。遠位胆管を原発とする病変の25~30%では全切除が可能である;これよりも近位部に発生する病変の切除率は低くなる。 [1]

遠位の肝外胆管がんに対する至適手術法は、胆管系に沿った腫瘍の位置、肝実質への転移の程度、およびこの領域にある主要血管に対する腫瘍の近接度に応じて異なる。所属リンパ節は予後的意義を有するため、手術時に評価される。胆管末端にがんがあり、かつ所属リンパ節転移が認められる患者では、広範囲にわたる切除(Whipple法)が妥当である。5年生存率は20~50%の範囲に及ぶ。 [2] [3] 手術中に腫瘍が切除不能と判明した場合には、バイパス術または胆管内ステントがこれに代わる手術である。 [2] [3]

黄疸のある患者における胆管閉塞を軽減するための経皮経肝カテーテルドレナージまたは内視鏡的ステント留置の役割は見解の一致をみていないが、特に黄疸が強いか、または高窒素血症の要素がある場合には術前に検討してもよい。 [4] [5]

他の治療法の選択肢

限局性のがん患者に対する補助療法のランダム化試験のデータは現在のところ、得られていない。しかしながら、放射線療法(密封小線源療法を伴うまたは伴わない体外照射)によって局所制御が改善されることが報告されている。 [6] [7] [証拠レベル:3iiiDiii]

他の治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. EBRT。多数のレトロスペクティブ研究で、外科的完全切除後のEBRTの追加が有益な可能性が示唆されている。 [6] [7] [証拠レベル:1iiA]しかしながら、プロスペクティブ・ランダム化試験では、全生存(OS)の有益性は実証されていない。

    膵がんおよび十二指腸乳頭部領域がん患者207人を対象にした1件の小規模ランダム化試験では、手術後の化学放射線療法追加の生存利益は実証されなかった。しかしながら、この研究は、胆管がんの診断を受けた患者は2~3人しかいなかった、および化学放射線療法実施群にランダムに割り付けられた患者の20%が治療を受けなかったため制限がある。 [8] [証拠レベル:3iiiDiv]


    1件の第II相共同グループ試験、SWOG S0809(NCT00789958)では、切除された肝外胆管がんおよび胆嚢がんに対するカペシタビンゲムシタビンの補助的投与とその後の化学放射線療法が評価された。全体では、pT2~pT4疾患またはリンパ節転移陽性疾患、あるいは切除断端陽性疾患を有する適格患者79人(肝外胆管がんでn = 54;胆嚢がんでn = 25)が登録された。 [9] [証拠レベル:2A]


    • 2年生存率は65%で、歴史的対照に基づいて予想されたものよりも有意に高かった。 [9] [証拠レベル:2A]

    • グレード3の毒性作用が52%の患者に観察され、グレード4の毒性作用が11%の患者に観察された。

    • これらの結果に基づいて、このレジメンは十分に耐えられ、有望な効力を有することが観察された。

  2. 化学療法。多数のレトロスペクティブ・シリーズで、外科的完全切除後の補助化学療法が有益であることが示唆されている。 [10] [11] [証拠レベル:3iiiDiii]しかしながら、プロスペクティブ・ランダム化試験では、OSの有益性は実証されていない。遠位の胆管がんを含む膵胆管腫瘍に関する2件のランダム化試験で、追加の化学療法の潜在的な有益性が扱われた。
    1. 日本の多施設研究では、手術単独とマイトマイシンCおよび点滴静注による5-フルオロウラシル(5-FU)に続いて疾患が進行するまで5-FUの実施とが比較された。 [12]
      • 胆管がん患者のサブセット(n = 139)では、生存利益は示されなかった。

    2. European Study Group for Pancreatic Cancer(ESPAC-3[NCT00058201])試験では、胆管がん患者96人を含む十二指腸乳頭部領域がん患者428人が観察、6ヵ月の5-FU/ロイコボリン、または6ヵ月のゲムシタビンの1つにランダムに割り付けられた。 [13] [証拠レベル:1iiA]
      • すべての患者について、観察と比較した補助化学療法は有意なOSの有益性と関連しなかった。しかしながら、多変量解析による予後変数の調整後、統計的に有意なOSの有益性が補助化学療法に関連した(ハザード比[HR]、0.75;95%信頼区間[CI]、0.57-0.98;P = 0.03)。

      • 胆管がん患者96人を対象に予め計画されていたサブグループ解析では、化学療法で治療された患者における有益性は示されなかった。このサブグループ解析の制限は、統計的検出力が低いことおよび病理学的発生部位として膨大部腫瘍と遠位総胆管腫瘍とを鑑別することが困難なことである。

      • 生存期間中央値は、観察単独群で27ヵ月、5-FU/ロイコボリン群で18ヵ月、およびゲムシタビン単独群で20ヵ月であった。[証拠レベル:1iiA]

  3. 臨床試験。すべての患者に補助療法に関する臨床試験への登録が奨励される。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

限局性肝外胆管がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

切除不能、再発性、または転移性の遠位の肝外胆管がん

切除不能、再発性、または転移性の遠位の肝外胆管がんに対する標準治療法の選択肢には、以下のものがある:

  1. 緩和療法
  2. 全身化学療法

緩和療法

緩和療法。そう痒感および肝機能障害などの症状が、がんの他の症状より優先される場合は、胆管閉塞の軽減を必要とする。そのような軽減は、可能であれば、胆管と腸との吻合術、あるいは手術的、内視鏡的、または経皮的な手技による胆管ステント留置術によって達成できる。 [14] [15]

胆道バイパス後または挿管後における緩和目的の放射線療法が有益な場合があり、患者によっては、温熱療法、放射線増感剤、または細胞毒性化学療法薬など、さまざまな放射線増感剤によって放射線療法の効果を改善する方法を検討する臨床試験への組み入れ候補となる場合がある。経皮カテーテルを留置した場合には、密封小線源療法の線源を留置するための導管としてこれを用いることができる。 [16] [17]

全身化学療法

全身化学療法。十分なパフォーマンスステータスを有し、臓器機能が損なわれていない選択された患者では、全身化学療法が適している。以下の薬物では、少数の患者において一過性の部分寛解が得られたことが報告されている:


1件の第III相研究(NCT00262769)では、切除不能、再発性、または転移性の胆道がん患者410人が最大6ヵ月のシスプラチンとその後のゲムシタビン、またはゲムシタビン単独を受ける群にランダムに割り付けられ、以下のことが観察された: [18]


  • OS期間中央値はシスプラチンゲムシタビン併用療法で治療された患者(11.7ヵ月)の方がゲムシタビン単独で治療された患者(8.1ヵ月)よりも改善された(HR、0.64;95%CI、0.52-0.80;P < 0.001)。 [18] [証拠レベル:1iiA]

  • 肝外胆管がん患者73人および肝門部腫瘍患者57人を含め、すべてのサブグループで、同様なOS期間中央値の有益性が確認された。

  • グレード3および4の毒性は、ゲムシタビン-シスプラチン群にランダムに割り付けられた患者における血液毒性の増加、およびゲムシタビン単剤療法群にランダムに割り付けられた患者における肝毒性の増加を除いて、両研究群とも同様な頻度で発生した。

その他にも、ランダム化試験において評価が待たれている薬剤および薬剤併用がある。

切除不能、再発性、または転移性の胆管がん患者では、可能であれば必ず臨床試験への組み入れを検討すべきである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

切除不能の肝外胆管がん再発性肝外胆管がん、および転移性肝外胆管がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Stain SC, Baer HU, Dennison AR, et al.: Current management of hilar cholangiocarcinoma. Surg Gynecol Obstet 175 (6): 579-88, 1992.[PUBMED Abstract]

  2. Fong Y, Blumgart LH, Lin E, et al.: Outcome of treatment for distal bile duct cancer. Br J Surg 83 (12): 1712-5, 1996.[PUBMED Abstract]

  3. Bortolasi L, Burgart LJ, Tsiotos GG, et al.: Adenocarcinoma of the distal bile duct. A clinicopathologic outcome analysis after curative resection. Dig Surg 17 (1): 36-41, 2000.[PUBMED Abstract]

  4. Nimura Y: Preoperative biliary drainage before resection for cholangiocarcinoma (Pro). HPB (Oxford) 10 (2): 130-3, 2008.[PUBMED Abstract]

  5. Laurent A, Tayar C, Cherqui D: Cholangiocarcinoma: preoperative biliary drainage (Con). HPB (Oxford) 10 (2): 126-9, 2008.[PUBMED Abstract]

  6. Kim TH, Han SS, Park SJ, et al.: Role of adjuvant chemoradiotherapy for resected extrahepatic biliary tract cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 81 (5): e853-9, 2011.[PUBMED Abstract]

  7. Hughes MA, Frassica DA, Yeo CJ, et al.: Adjuvant concurrent chemoradiation for adenocarcinoma of the distal common bile duct. Int J Radiat Oncol Biol Phys 68 (1): 178-82, 2007.[PUBMED Abstract]

  8. Klinkenbijl JH, Jeekel J, Sahmoud T, et al.: Adjuvant radiotherapy and 5-fluorouracil after curative resection of cancer of the pancreas and periampullary region: phase III trial of the EORTC gastrointestinal tract cancer cooperative group. Ann Surg 230 (6): 776-82; discussion 782-4, 1999.[PUBMED Abstract]

  9. Ben-Josef E, Guthrie KA, El-Khoueiry AB, et al.: SWOG S0809: A Phase II Intergroup Trial of Adjuvant Capecitabine and Gemcitabine Followed by Radiotherapy and Concurrent Capecitabine in Extrahepatic Cholangiocarcinoma and Gallbladder Carcinoma. J Clin Oncol 33 (24): 2617-22, 2015.[PUBMED Abstract]

  10. Todoroki T: Chemotherapy for bile duct carcinoma in the light of adjuvant chemotherapy to surgery. Hepatogastroenterology 47 (33): 644-9, 2000 May-Jun.[PUBMED Abstract]

  11. Murakami Y, Uemura K, Sudo T, et al.: Adjuvant gemcitabine plus S-1 chemotherapy improves survival after aggressive surgical resection for advanced biliary carcinoma. Ann Surg 250 (6): 950-6, 2009.[PUBMED Abstract]

  12. Takada T, Amano H, Yasuda H, et al.: Is postoperative adjuvant chemotherapy useful for gallbladder carcinoma? A phase III multicenter prospective randomized controlled trial in patients with resected pancreaticobiliary carcinoma. Cancer 95 (8): 1685-95, 2002.[PUBMED Abstract]

  13. Neoptolemos JP, Moore MJ, Cox TF, et al.: Effect of adjuvant chemotherapy with fluorouracil plus folinic acid or gemcitabine vs observation on survival in patients with resected periampullary adenocarcinoma: the ESPAC-3 periampullary cancer randomized trial. JAMA 308 (2): 147-56, 2012.[PUBMED Abstract]

  14. Nordback IH, Pitt HA, Coleman J, et al.: Unresectable hilar cholangiocarcinoma: percutaneous versus operative palliation. Surgery 115 (5): 597-603, 1994.[PUBMED Abstract]

  15. Levy MJ, Baron TH, Gostout CJ, et al.: Palliation of malignant extrahepatic biliary obstruction with plastic versus expandable metal stents: An evidence-based approach. Clin Gastroenterol Hepatol 2 (4): 273-85, 2004.[PUBMED Abstract]

  16. Fritz P, Brambs HJ, Schraube P, et al.: Combined external beam radiotherapy and intraluminal high dose rate brachytherapy on bile duct carcinomas. Int J Radiat Oncol Biol Phys 29 (4): 855-61, 1994.[PUBMED Abstract]

  17. Shin HS, Seong J, Kim WC, et al.: Combination of external beam irradiation and high-dose-rate intraluminal brachytherapy for inoperable carcinoma of the extrahepatic bile ducts. Int J Radiat Oncol Biol Phys 57 (1): 105-12, 2003.[PUBMED Abstract]

  18. Valle J, Wasan H, Palmer DH, et al.: Cisplatin plus gemcitabine versus gemcitabine for biliary tract cancer. N Engl J Med 362 (14): 1273-81, 2010.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(11/16/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約は包括的に見直され、広範囲にわたって改訂され、再編集された。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、胆管がんの治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は、編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

胆管がんの治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.gov まで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Bile Duct Cancer (Cholangiocarcinoma) Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/types/liver/hp/bile-duct-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389308]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

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