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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

子宮内膜がん(子宮体がん)の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2017-08-18
    翻訳更新日 : 2017-10-24


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、子宮内膜がん(子宮体がん)の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

子宮内膜がんに関する一般情報

子宮内膜のがんは、米国において最もよくみられる婦人科悪性腫瘍であり、女性における全がんの6%を占める。症例の大多数は早期で診断され、手術単独による治療が可能である。しかし、高再発率を予測する病理学的特徴を有する患者および診断時に子宮外への拡がりのある患者では、補助療法を行っても再発率は高い。

発生率および死亡率

米国において、2017年に推定される子宮内膜がんを含む子宮体がんの新規症例数および死亡数: [1]


  • 新規症例数:61,380。

  • 死亡数:10,920。

子宮内膜がんは通常早期に診断、治療される。心血管系疾患は、関連する代謝性危険因子のために子宮内膜がん患者において最も一般的な死因である。 [2]

解剖学

子宮内膜は子宮内腔を覆う膜であり、機能層および基底層の両方がある。機能層にはホルモン感受性があり、妊娠可能年齢の女性の月経期に周期的に脱落する。正常な子宮内膜を維持するためにはエストロゲンおよびプロゲステロンの両方が必要である。しかし、肥満および無排卵などのエストロゲンの過剰につながる因子により、子宮内膜の沈着増加が生じる。このような変化により子宮内膜増殖症につながることがあり、一部の症例では子宮内膜がんを生じる。原因が何であれ、肥厚化した内膜は子宮内膜組織のendometrial canalを通じて膣への脱落を生じる。その結果、重度の月経出血または閉経後の出血がしばしば子宮内膜がんの初期徴候となる。この症状は疾患経過の早期に生じる傾向があり、ほとんどの女性で早期に疾患を同定することが可能となる。

女性生殖系の解剖図。

危険因子

子宮内膜がんの危険因子には以下のものがある:


  • 子宮内膜増殖症。

  • ホルモン療法。 [3] [4]

  • タモキシフェン療法。 [5] [6]

  • 肥満。

  • 生殖因子(未産婦、早発月経/遅発閉経、または多嚢胞性卵巣症候群)。

  • 家族歴/遺伝的素因。 [7] [8]

  • 高インスリン血症。 [9]

詳しい情報については、子宮内膜がん(子宮体がん)の予防に関するPDQ要約を参照のこと。

子宮内膜がんのリスク増加は、拮抗されないエストロゲンへの長期にわたる曝露と関係があることがわかっている。 [3] [4] しかし、エストロゲン-プロゲステロン併用療法を行えば、拮抗されないエストロゲン使用に伴う子宮内膜がんのリスク増大を避けることができる。 [10] [11]

乳がんの治療および予防のいずれにも使用されるタモキシフェンは子宮内膜がんのリスク増大と関係があることが分かっており(NSABP-B-14)、これはタモキシフェンが子宮内膜に対してエストロゲン様作用を及ぼすことと関連している。 [5] [6] タモキシフェンの投与を受けており、異常子宮出血を生じている患者では追跡検査および子宮内膜組織診を行うことが重要である。米国食品医薬品局は、タモキシフェン使用に関連する子宮悪性腫瘍の増加に関するデータを含む黒枠警告を公表している。(リンチ症候群関連子宮内膜がんの危険因子に関する詳しい情報については、乳がんおよび婦人科がんの遺伝学に関するPDQ要約のリンチ症候群(LS)のセクションを参照のこと。)

臨床的特徴

不正出血は子宮内膜がんの最も一般的な主徴候である。不正出血は一般に疾患経過の早期に生じ、ほとんどの患者が根治の可能性がきわめて高いI期子宮内膜がんで診断される理由となる。

診断的評価

子宮内膜がんの発見に用いられる手技には以下のものがある:


  • 経膣超音波検査。

  • 子宮内膜組織診。

  • 内診。

  • 子宮頸管拡張と子宮内掻爬(D&C)。

  • 子宮鏡検査。

子宮内膜がんの確定診断を下すには、子宮内膜組織の標本を直接採取する手技が必要となる。

パパニコロウスメア検査は、子宮内膜がん発見用のスクリーニングの方法としては信頼性が低いが、レトロスペクティブ研究から、子宮頸部細胞診陽性と高リスクの子宮内膜病変であること(すなわち、高悪性度の腫瘍および深部子宮筋層への浸潤)の間に強い相関があることが分かっている。 [12] 1件のプロスペクティブ研究から、細胞診での悪性所見とリンパ節転移のリスク増大の間に統計的に有意な関連性があることが判明している。 [13]

予後因子

子宮内膜がんの予後因子には以下のものがある:


腫瘍の病期および悪性度(子宮外リンパ節転移を含む)

以下の表では、病期診断手術時の所見に基づくリンパ節転移のリスクが強調されている: [14]

表1.臨床病期I期の子宮内膜がんにおけるリンパ節転移のリスク

予後グループ 患者特性 リンパ節転移のリスク
A 浸潤が子宮内膜に限局している悪性度1の腫瘍 <5%
腹腔内拡散の証拠なし
B 悪性度2~3の腫瘍 骨盤リンパ節について5~9%
子宮筋層の浸潤が50%未満
腹腔内拡散なし 大動脈周囲リンパ節について4%
C 深部筋層への浸潤 骨盤リンパ節について20~60%
高悪性度腫瘍 大動脈周囲リンパ節について10~30%
腹腔内拡散あり


Gynecologic Oncology Groupの研究から、外科的-病理学的パラメータおよび術後療法と、無再発期間および再発部位との間に関連があることが分かった。子宮外への拡がりのない患者においては組織学的悪性度3であることが再発の最大の決定因子であった。この研究では、以下の場合に再発率がきわめて高かった: [15] [16]


  • 骨盤リンパ節陽性。

  • 付属器転移。

  • 腹腔細胞診陽性。

  • 毛細リンパ管腔隙浸潤。

  • 子宮峡部または子宮頸部浸潤。

  • 大動脈周囲リンパ節転移陽性(すべての悪性度および浸潤の深度で)。大動脈リンパ節転移のある症例のうち98%が、骨盤リンパ節陽性、腹腔内転移または子宮筋層外側33%への腫瘍の浸潤が認められる患者であった。

子宮外部への拡がりを示す唯一の証拠が腹腔細胞診陽性である場合、これが転帰に及ぼす影響は明らかにされてはいない。この細胞診所見に焦点をあてた治療の価値には十分な根拠がなく [17] [18] [19] [20] [21] [22] 、矛盾するデータも若干存在する。 [23] 細胞診のための標本採取は依然として提唱されているが、陽性の結果が得られたからといってがんの病期が上がるわけではない。追加の術後療法を考慮する前に、子宮外にも他の病変が存在する必要がある。

病理組織学的検査によって判明する毛細リンパ管腔間隙への浸潤は腫瘍の子宮外およびリンパ節への拡がりと相関している。 [24]

ホルモン受容体の状態

I期およびII期の患者の評価には、可能であれば、生化学的方法または免疫組織化学的染色法のいずれかによって評価したプロゲステロン受容体およびエストロゲン受容体レベルを含める。 [25] [26] [27]

ある報告から、臨床病期がI期およびII期のがんでは、プロゲステロン受容体レベルが3年生存率の単独で最も重要な予後指標であることが判明した。プロゲステロン受容体レベルが100以上の患者では3年間無病生存率(DFS)が93%であったのに対して、100未満の患者では36%であった。プロゲステロン受容体レベルを補正すると、重要な予後変数は子宮頸部浸潤および腹腔細胞診のみとなった。 [28]

この他の報告により、独立した予後因子としてのホルモン受容体の状態の重要性が確認されている。 [29] さらに、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のためのパラフィン包埋組織の免疫組織化学染色は、国際産婦人科連合(FIGO)の悪性度および生存率と相関することが明らかにされている。 [25] [26] [27]

その他の予後因子

予後不良を予測する他の因子には以下のものがある: [27] [30] [31]


  • 高いS期分画。

  • 異数性。

  • PTENがないこと。

  • PIK3CA変異状態。

  • p53変異状態。

  • Her-2/neu過剰発現。

  • がん遺伝子の過剰発現(例、Her-2/neuがん遺伝子の過剰発現は、全般的な予後不良と関連している)。

予後因子の全般的な論説が発表されている。 [32]

関連する要約

子宮内膜(子宮体)がんに関する情報を含む他のPDQ要約には、以下のものがある:



参考文献
  1. American Cancer Society: Cancer Facts and Figures 2017. Atlanta, Ga: American Cancer Society, 2017. Available online. Last accessed July 13, 2017.[PUBMED Abstract]

  2. Ward KK, Shah NR, Saenz CC, et al.: Cardiovascular disease is the leading cause of death among endometrial cancer patients. Gynecol Oncol 126 (2): 176-9, 2012.[PUBMED Abstract]

  3. Ziel HK, Finkle WD: Increased risk of endometrial carcinoma among users of conjugated estrogens. N Engl J Med 293 (23): 1167-70, 1975.[PUBMED Abstract]

  4. Jick SS, Walker AM, Jick H: Estrogens, progesterone, and endometrial cancer. Epidemiology 4 (1): 20-4, 1993.[PUBMED Abstract]

  5. van Leeuwen FE, Benraadt J, Coebergh JW, et al.: Risk of endometrial cancer after tamoxifen treatment of breast cancer. Lancet 343 (8895): 448-52, 1994.[PUBMED Abstract]

  6. Fisher B, Costantino JP, Redmond CK, et al.: Endometrial cancer in tamoxifen-treated breast cancer patients: findings from the National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project (NSABP) B-14. J Natl Cancer Inst 86 (7): 527-37, 1994.[PUBMED Abstract]

  7. Lynch HT, Lynch J, Conway T, et al.: Familial aggregation of carcinoma of the endometrium. Am J Obstet Gynecol 171 (1): 24-7, 1994.[PUBMED Abstract]

  8. Lu KH, Schorge JO, Rodabaugh KJ, et al.: Prospective determination of prevalence of lynch syndrome in young women with endometrial cancer. J Clin Oncol 25 (33): 5158-64, 2007.[PUBMED Abstract]

  9. Nead KT, Sharp SJ, Thompson DJ, et al.: Evidence of a Causal Association Between Insulinemia and Endometrial Cancer: A Mendelian Randomization Analysis. J Natl Cancer Inst 107 (9): , 2015.[PUBMED Abstract]

  10. Jick SS: Combined estrogen and progesterone use and endometrial cancer. Epidemiology 4 (4): 384, 1993.[PUBMED Abstract]

  11. Bilezikian JP: Major issues regarding estrogen replacement therapy in postmenopausal women. J Womens Health 3 (4): 273-82, 1994.[PUBMED Abstract]

  12. DuBeshter B, Warshal DP, Angel C, et al.: Endometrial carcinoma: the relevance of cervical cytology. Obstet Gynecol 77 (3): 458-62, 1991.[PUBMED Abstract]

  13. Larson DM, Johnson KK, Reyes CN Jr, et al.: Prognostic significance of malignant cervical cytology in patients with endometrial cancer. Obstet Gynecol 84 (3): 399-403, 1994.[PUBMED Abstract]

  14. Takeshima N, Hirai Y, Tanaka N, et al.: Pelvic lymph node metastasis in endometrial cancer with no myometrial invasion. Obstet Gynecol 88 (2): 280-2, 1996.[PUBMED Abstract]

  15. Morrow CP, Bundy BN, Kurman RJ, et al.: Relationship between surgical-pathological risk factors and outcome in clinical stage I and II carcinoma of the endometrium: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 40 (1): 55-65, 1991.[PUBMED Abstract]

  16. Lanciano RM, Corn BW, Schultz DJ, et al.: The justification for a surgical staging system in endometrial carcinoma. Radiother Oncol 28 (3): 189-96, 1993.[PUBMED Abstract]

  17. Ambros RA, Kurman RJ: Combined assessment of vascular and myometrial invasion as a model to predict prognosis in stage I endometrioid adenocarcinoma of the uterine corpus. Cancer 69 (6): 1424-31, 1992.[PUBMED Abstract]

  18. Turner DA, Gershenson DM, Atkinson N, et al.: The prognostic significance of peritoneal cytology for stage I endometrial cancer. Obstet Gynecol 74 (5): 775-80, 1989.[PUBMED Abstract]

  19. Piver MS, Recio FO, Baker TR, et al.: A prospective trial of progesterone therapy for malignant peritoneal cytology in patients with endometrial carcinoma. Gynecol Oncol 47 (3): 373-6, 1992.[PUBMED Abstract]

  20. Kadar N, Homesley HD, Malfetano JH: Positive peritoneal cytology is an adverse factor in endometrial carcinoma only if there is other evidence of extrauterine disease. Gynecol Oncol 46 (2): 145-9, 1992.[PUBMED Abstract]

  21. Lurain JR: The significance of positive peritoneal cytology in endometrial cancer. Gynecol Oncol 46 (2): 143-4, 1992.[PUBMED Abstract]

  22. Lurain JR, Rice BL, Rademaker AW, et al.: Prognostic factors associated with recurrence in clinical stage I adenocarcinoma of the endometrium. Obstet Gynecol 78 (1): 63-9, 1991.[PUBMED Abstract]

  23. Garg G, Gao F, Wright JD, et al.: Positive peritoneal cytology is an independent risk-factor in early stage endometrial cancer. Gynecol Oncol 128 (1): 77-82, 2013.[PUBMED Abstract]

  24. Hanson MB, van Nagell JR Jr, Powell DE, et al.: The prognostic significance of lymph-vascular space invasion in stage I endometrial cancer. Cancer 55 (8): 1753-7, 1985.[PUBMED Abstract]

  25. Carcangiu ML, Chambers JT, Voynick IM, et al.: Immunohistochemical evaluation of estrogen and progesterone receptor content in 183 patients with endometrial carcinoma. Part I: Clinical and histologic correlations. Am J Clin Pathol 94 (3): 247-54, 1990.[PUBMED Abstract]

  26. Chambers JT, Carcangiu ML, Voynick IM, et al.: Immunohistochemical evaluation of estrogen and progesterone receptor content in 183 patients with endometrial carcinoma. Part II: Correlation between biochemical and immunohistochemical methods and survival. Am J Clin Pathol 94 (3): 255-60, 1990.[PUBMED Abstract]

  27. Gurpide E: Endometrial cancer: biochemical and clinical correlates. J Natl Cancer Inst 83 (6): 405-16, 1991.[PUBMED Abstract]

  28. Ingram SS, Rosenman J, Heath R, et al.: The predictive value of progesterone receptor levels in endometrial cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 17 (1): 21-7, 1989.[PUBMED Abstract]

  29. Creasman WT: Prognostic significance of hormone receptors in endometrial cancer. Cancer 71 (4 Suppl): 1467-70, 1993.[PUBMED Abstract]

  30. Friberg LG, Norén H, Delle U: Prognostic value of DNA ploidy and S-phase fraction in endometrial cancer stage I and II: a prospective 5-year survival study. Gynecol Oncol 53 (1): 64-9, 1994.[PUBMED Abstract]

  31. Hetzel DJ, Wilson TO, Keeney GL, et al.: HER-2/neu expression: a major prognostic factor in endometrial cancer. Gynecol Oncol 47 (2): 179-85, 1992.[PUBMED Abstract]

  32. Binder PS, Mutch DG: Update on prognostic markers for endometrial cancer. Womens Health (Lond Engl) 10 (3): 277-88, 2014.[PUBMED Abstract]

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子宮内膜がんの細胞分類

子宮内膜がんは以下の2つのタイプのいずれかに分類される:


  • タイプ1は複雑で非典型的な過形成から発生していると考えられ、病理発生上、拮抗されないエストロゲン刺激に関係している。

  • タイプ2は萎縮内膜から発生し、ホルモン主導の病理発生とは関係していない。

子宮内膜がんの中で最もよくみられるタイプは類内膜腺がんである。

細胞のタイプ別にみる子宮内膜がんの頻度を以下に挙げる:

  1. 類内膜がん(75%)は悪性を示す腺上皮成分からなる;ただし、扁平上皮化生が混在することもまれではない。
    1. 繊毛細胞型腺がん。
    2. 分泌型腺がん。
    3. 乳頭状腺がんおよび絨毛腺管状腺がんは、組織学的に卵巣がんおよび卵管がんで認められるものに類似している。これらの腫瘍の予後は悪い。 [1]
    4. 扁平上皮への分化を伴う腺がん。
      • 腺棘細胞がん。

      • 腺扁平上皮がんは悪性を示す腺および扁平上皮成分を含む。 [2]

  2. 混合がんは、2種類のがん性細胞として定義され、少ないほうの成分は全体の少なくとも10%を占める(10%)。
  3. 子宮乳頭状漿液性腺がん(10%未満)。
  4. 明細胞がん(4%)は、組織学的に卵巣がんおよび卵管がんで認められるものに類似している。明細胞腫瘍の予後は不良である。 [1]
  5. がん肉腫(3%)は悪性中胚葉性混合腫瘍としても知られ、がんおよび肉腫の両方の成分を持つ。この腫瘍は歴史的に子宮肉腫の亜型として分類されていた;しかし、最近の証拠は、この腫瘍が肉腫成分への分化を生じた腺がんに由来することを示している。
  6. 粘液性腺がん(1%)。
  7. 扁平上皮がん(1%未満)。
  8. 未分化がん(1%未満)。

分子的亜型

PTEN変異は1型子宮内膜がんに多い;p53およびHer-2/neuの過剰発現は2型子宮内膜がんに多いが、若干の重複が存在する。

Cancer Genome Atlasの数百例の子宮内膜がんの完全な遺伝子ディスプレイにより、子宮内膜がんをさらに特徴づける4つの亜型が同定されている。 [3]


  • POLE (ポリメラーゼε)ultramutated型腫瘍。この亜型には臨床的意義があり、補助療法が避けられる。

  • マイクロサテライト不安定性hypermutated型。

  • コピー数が多い。

  • コピー数が多い。

これらの区分は患者を低リスクおよび高リスクの予後区分に層別化するのに使用することができる。Cancer Genome Atlasの手法をより利用しやすい検査に修正することで、がんを実際的な価値を持つ予後区分に区別するのにも成功している。しかし、予後区分の判定にあたっては、これまでに知られている危険因子を遺伝子データと組み合わせることが最も有効であった。 [4]


参考文献
  1. Gusberg SB: Virulence factors in endometrial cancer. Cancer 71 (4 Suppl): 1464-6, 1993.[PUBMED Abstract]

  2. Zaino RJ, Kurman R, Herbold D, et al.: The significance of squamous differentiation in endometrial carcinoma. Data from a Gynecologic Oncology Group study. Cancer 68 (10): 2293-302, 1991.[PUBMED Abstract]

  3. Kandoth C, Schultz N, Cherniack AD, et al.: Integrated genomic characterization of endometrial carcinoma. Nature 497 (7447): 67-73, 2013.[PUBMED Abstract]

  4. Talhouk A, McConechy MK, Leung S, et al.: A clinically applicable molecular-based classification for endometrial cancers. Br J Cancer 113 (2): 299-310, 2015.[PUBMED Abstract]

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子宮内膜がんの病期情報

子宮内膜がんの拡がりのパターンは、細胞の分化度に一部左右される。高分化がんの場合、拡がりは子宮内膜表層にとどまる傾向があり、子宮筋層へ浸潤する例はあまりみられない。低分化がんでは、子宮筋層浸潤がはるかに起こりやすく、また子宮筋層浸潤はリンパ節転移および遠隔転移の前兆である頻度が高い。

転移の拡がりには特徴的なパターンがある。骨盤リンパ節および大動脈周囲リンパ節への領域進展がよくみられる。遠隔転移がよく生じる部位は以下の通りである:


  • 肺。

  • 鼠径リンパ節および鎖骨上リンパ節。

  • 肝臓。

  • 骨。

  • 脳。

  • 膣。

FIGO病期分類

国際産婦人科連合(FIGO)および米国がん合同委員会(AJCC)はいずれも、子宮内膜がん用の病期分類システムを指定している。子宮内膜がんの病期分類システムとしてはFIGOシステムが最も一般的に用いられている。 [3] [4]

FIGO病期のI~IV期は、腫瘍の組織学的悪性度(G)により、例えば、IB期 G2などとさらに下位分類される。以前は肉腫として指定されていたがん肉腫は、現在では低分化腺がんとみなされているため、本システムに含められている。 [4]

表2.FIGOによるI期子宮内膜のがんの定義a

病期 記述 イラスト
FIGO = 国際産婦人科連合。
a出典:FIGO Committee on Gynecologic Oncology. [3]
bG1、G2、またはG3(G = grade[悪性度])。
Ib 子宮体部に限局する腫瘍。
IAb 子宮筋層浸潤が認められないか、1/2未満。
IBb 子宮筋層の1/2以上に浸潤。


表3.FIGOによるII期子宮内膜のがんの定義a

病期 記述 イラスト
FIGO = 国際産婦人科連合。
a出典:FIGO Committee on Gynecologic Oncology. [3]
bG1、G2、またはG3(G = grade[悪性度])。
c頸管腺上皮の浸潤はI期とみなされており、現在ではII期とはみなされない。
IIb 子宮頸部間質に浸潤しているが、子宮を越えては進展していない腫瘍。c


表4.FIGOによるIII期子宮内膜がんの定義a

病期 記述 イラスト
FIGO = 国際産婦人科連合。
a出典:FIGO Committee on Gynecologic Oncology. [3]
bG1、G2、またはG3(G = grade[悪性度])。
c細胞診が陽性の場合は、病期を変更せずに別途報告する必要がある。
IIIb 局所および/または所属領域に拡がっている腫瘍。  
IIIAb 子宮体部漿膜および/または付属器に浸潤している腫瘍。c
IIIBb 膣部への拡がりおよび/または子宮傍組織浸潤。c
IIICb 骨盤リンパ節転移および/または大動脈周囲リンパ節転移。c
IIIC1b 骨盤リンパ節陽性。
IIIC2b 骨盤リンパ節転移が陽性であるかどうかに関係なく、大動脈周囲リンパ節転移陽性。


表5.FIGOによるIV期子宮内膜がんの定義a

病期 記述 イラスト
FIGO = 国際産婦人科連合。
a出典:FIGO Committee on Gynecologic Oncology. [3]
bG1、G2、またはG3(G = grade[悪性度])。
IVb 膀胱粘膜および/または腸粘膜に浸潤している腫瘍、および/または遠隔転移を認める腫瘍。  
IVAb 膀胱粘膜および/または腸粘膜への腫瘍浸潤。
IVBb 腹腔内転移および/または鼠径リンパ節転移をはじめとする遠隔転移。



参考文献
  1. Hendrickson M, Ross J, Eifel PJ, et al.: Adenocarcinoma of the endometrium: analysis of 256 cases with carcinoma limited to the uterine corpus. Pathology review and analysis of prognostic variables. Gynecol Oncol 13 (3): 373-92, 1982.[PUBMED Abstract]

  2. Nori D, Hilaris BS, Tome M, et al.: Combined surgery and radiation in endometrial carcinoma: an analysis of prognostic factors. Int J Radiat Oncol Biol Phys 13 (4): 489-97, 1987.[PUBMED Abstract]

  3. Pecorelli S: Revised FIGO staging for carcinoma of the vulva, cervix, and endometrium. Int J Gynaecol Obstet 105 (2): 103-4, 2009.[PUBMED Abstract]

  4. Corpus uteri. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 403-18.[PUBMED Abstract]

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子宮内膜がんに対する治療法選択肢の概要

腫瘍の組織学的分化度は、子宮内膜がんの自然史および治療法の選択に重要な影響を及ぼす。

限局性の子宮内膜がん患者は通常治癒する。最善の結果が得られるのは以下の2つの標準治療法のいずれかである:


  • 両側卵管卵巣摘出術を伴う子宮摘出術。

  • 両側卵管卵巣摘出術を伴う子宮摘出術 + 補助放射線療法(子宮筋層深部[50%超]への浸潤を認める場合、または子宮筋層への浸潤を認める悪性度3の腫瘍の場合)。

所属リンパ節および遠隔転移のある患者は、時には標準的なホルモン療法が奏効することもあるが、治癒することはまれである。

プロゲステロン製剤が数件のランダム化試験で補助療法として評価されている;Cochraneグループによるメタアナリシスでは、臨床病期I期疾患におけるプロゲストーゲン製剤による補助療法について臨床的有益性を確認していない。 [1] [証拠レベル:1iiA]

子宮内膜がんの各病期に対する治療法選択肢を表6に示す。

表6.子宮内膜がんに対する治療法選択肢

治療法選択肢
FIGO = 国際産婦人科連合。
I期およびII期の子宮内膜がん 悪性度1および2 手術単独または手術とリンパ節サンプリングの併用
術後膣内小線源治療
放射線療法単独
悪性度3(漿液性、明細胞、およびがん肉腫を含む) 手術
術後化学療法単独または術後化学療法と放射線療法の併用
III期、IV期、および再発子宮内膜がん 手術可能病変 手術とその後の化学療法または放射線療法
手術不能病変 化学療法および放射線療法
手術不能病変で患者が放射線療法の候補ではない場合 ホルモン療法
生物学的療法



参考文献
  1. Martin-Hirsch PP, Bryant A, Keep SL, et al.: Adjuvant progestagens for endometrial cancer. Cochrane Database Syst Rev (6): CD001040, 2011.[PUBMED Abstract]

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I期およびII期の子宮内膜がんの治療

I期およびII期の子宮内膜がんに対する標準治療法の選択肢

I期およびII期の子宮内膜がんの治療法は悪性度および組織型により異なる。

現在の国際産婦人科連合(FIGO)の病期分類システムでは、II期は子宮頸部間質に浸潤している腫瘍を指し、これは以前のIIB期に相当する。早期がんを対象としたほぼすべてのランダム化試験がIIB期患者を除外していた。このため、II期患者に対する臨床的意思決定の根拠とすべき高品質のデータが不足している。

低リスクの組織像:

悪性度1および2の腫瘍は、漿液性または明細胞の亜型でない限り、低リスクとみなされる。

低リスクの組織学的亜型のI期子宮内膜がん患者に対する標準治療法には、以下のものがある:

  1. 手術:両側卵管卵巣摘出術を伴う子宮摘出術および場合によりリンパ節郭清。
  2. 術後膣内小線源治療
  3. 放射線療法単独

ほとんどの患者は手術単独で経過が良好である。I期疾患患者のサブセットでは再発リスクが高く、補助療法の候補となる。

高リスクの組織像:

あらゆる組織型の悪性度3腫瘍および漿液性腫瘍、明細胞腫瘍、またはがん肉腫は高リスクとみなされる。

高リスクの組織型のI期またはII期子宮内膜がん患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術:両側卵管卵巣摘出術を伴う子宮摘出術、ならびに骨盤および傍大動脈リンパ節郭清。
  2. 術後化学療法単独または術後化学療法および放射線療法の併用。

漿液性または明細胞の組織型は、他のI期またはII期子宮内膜がんよりも再発率が高い。この組織学的亜型に対して補助カルボプラチン + パクリタキセル(ときに放射線療法を含む)を実施するレジメンを用いた施設のケースシリーズの治療成績が発表されており、管理ガイドラインの基礎となっている。 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9]

がん肉腫は、以前は肉腫のグループに指定されていたことから、臨床試験で別個に、他の肉腫とともに評価されてきた。I期またはII期のがん肉腫患者を対象としたGynecologic Oncology Group(GOG)の1件の非ランダム化研究では、骨盤放射線療法を受けた患者は放射線療法の照射野内の再発が有意に減少したが、生存に改善は認められなかった。 [10] 主にがん肉腫患者を対象とした1件の非ランダム化研究では、シスプラチンおよびドキソルビシンによる補助療法は有益性を示さなかったようである。 [11]

手術

子宮頸部に浸潤している場合、選択肢には以下の1つ以上がある:


  • 両側卵管卵巣摘出術を伴う標準子宮摘出術とその後の補助放射線療法。

  • 広汎子宮全摘出術。

  • 骨盤および大動脈周囲リンパ節郭清。

単一施設でのレビューから、腫瘍が子宮頸部に浸潤している症例では標準子宮摘出術より広汎子宮全摘出術のほうが有益であることが示唆されている。 [12] [13] [14]

手術単独または手術とリンパ節サンプリングの併用

以下の表では、病期診断手術時の所見に基づくリンパ節転移のリスクが強調されている: [15]

表7.臨床病期I期の子宮内膜がんにおけるリンパ節転移のリスク

予後グループ 患者特性 リンパ節転移のリスク
A 浸潤が子宮内膜に限局している悪性度1の腫瘍 <5%
腹腔内拡散の証拠なし
B 悪性度2~3の腫瘍 骨盤リンパ節について5~9%
子宮筋層の浸潤が50%未満
腹腔内拡散なし 大動脈周囲リンパ節について4%
C 深部筋層への浸潤 骨盤リンパ節について20~60%
高悪性度腫瘍 大動脈周囲リンパ節について10~30%
腹腔内拡散あり


グループAの患者では、リンパ節郭清の有用性は限定的である。逆に、陽性所見の可能性を踏まえれば、グループCの患者では骨盤および傍大動脈リンパ節の完全郭清術が重要となる。グループBの患者の管理法の決定には困難が伴う。

推定される病期がI期で、リンパ節転移のリスクが中等度の子宮内膜がん患者に対して受け入れられている外科的アプローチがいくつかある。

レトロスペクティブデータおよびプロスペクティブデータはいずれも、推定される病期がI期の子宮内膜がんを以下の特性に基づいて2群に層別化することを支持している。


  • 低リスク:高分化型または中分化型腫瘍および/または子宮筋層浸潤の深さが50%未満および/または腫瘍径が2cm未満。

  • 高リスク:低分化型腫瘍および/または子宮筋層浸潤の深さが50%以上および/または腫瘍径が2cm以上。

証拠(リンパ節郭清):

  1. これらの研究では、低リスクがんの患者はリンパ節転移のリスクが十分に低いため、リンパ節サンプリングを省略することができた。高リスク基準を満たす患者では、リンパ節転移のパターンを踏まえ、骨盤および傍大動脈リンパ節の完全郭清術が示唆された。 [16] [17]
  2. 別の戦略は、推定される病期がI期の子宮内膜がん患者におけるセンチネルリンパ節郭清の使用である。 [18] この戦略はさまざまな学術センターで広く採用されているが、このプロトコルの偽陰性率を検討するためのプロスペクティブ多施設試験は存在しない。センチネルリンパ節アプローチを用いて遊離腫瘍細胞が確認された症例に対して治療が必要かどうかについては不明である。
  3. 高リスクの組織型の患者(漿液性、明細胞、がん肉腫、または未分化腫瘍)では、骨盤および傍大動脈リンパ節郭清術を伴う子宮摘出術および両側卵管卵巣摘除術が標準である。
  4. 開腹術が標準の外科的アプローチとなっているが、腫瘍転帰に大きな影響を及ぼすことなく患者の術後の回復が改善することから、現在では腹腔鏡アプローチが支持されている。

証拠(腹腔鏡 vs 開腹術を用いた治療または外科的病期診断):

  1. 早期子宮内膜がん患者について、数件のランダム化試験で全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)と標準の開腹手技である腹式子宮全摘術(TAH)が比較された。腹腔鏡アプローチは実施可能であることが確認されているが、このアプローチでは手術時間が長時間になる。 [15] [19] [20] TLHはTAHと比較して有害事象のプロファイルが改善する [15] [19] か同等 [20] で、入院期間が短い。 [15] [19] [20]
    • TLHでは痛みが少なく、日常活動を早期に再開できる [20] [21] が、1件の研究により、術後6週間経過時の腹腔鏡アプローチを支持するQOLの利点の大部分は、6ヵ月経過時には有意ではなくなっていたことが明らかにされた。 [20] [21]

  2. 1件のGOG試験(GOG-LAP2)には臨床病期がI期~IIA期の疾患を有する患者2,616人が登録され、2:1の割合で腹腔鏡または開腹術による包括的な外科的病期診断にランダムに割り付けられた。 [22] [証拠レベル:1iiA]

    主要エンドポイントは再発までの期間とされ、非劣性は2群間での3年経過時の再発率の差が5.3%未満と定義された。

    1. 3年経過時の再発率は開腹術群の患者で10.24%、腹腔鏡群の患者で11.39%であり、2群間の差の推定値は1.14%であった(90%下方限界、-1.278;95%上方限界、3.996)。
      • この差は事前に規定された限界よりも低かったが、両群で再発数が予想よりも少なかったため、非劣性の統計的要件は満たされなかった。

    2. 両群の5年全生存率(OS)は89.8%であった。
  3. 腹腔鏡による病期診断の使用に関するコクランレビューでは、OSおよび無増悪生存率(PFS)を報告した4件のランダム化比較試験が対象とされた。患者の90%はGOG-LAP2試験からの患者であった。 [23] [証拠レベル:1iiA]
    • 全体として、腹腔鏡および開腹術のOS率とPFS率はほぼ同じであった。

今後の解析で、腹腔鏡による病期分類を用いた場合に再発率の臨床的に有意な低下が認められる患者のサブグループが存在するかどうかが明らかになる可能性がある。 [22] [証拠レベル:1iiDiii]

術後膣内小線源治療

補助放射線療法を実施すると局所および領域再発率が低下するが、生存率の改善は証明されておらず、放射線療法による毒性作用も悪化する。 [24] [25] [26] [27] [28] 膣円蓋の小線源治療は、外照射療法(EBRT)よりも放射線に関連した罹病率が低く、I期疾患の患者に対し短期的にはEBRTと同等であることが示されている。 [29] しかし、EBRT + 膣内小線源治療(VBT)をVBT単独と比較したランダム化試験の長期追跡で、EBRT + VBT群ではOSが低下し、毒性が増大することが認められた。 [30]

証拠(VBT):

  1. I期疾患の患者を対象に補助放射線療法を使用した2件のランダム化試験の結果では、生存率の改善はみられなかったが、副作用の増加を伴う局所領域再発率の低下(追跡期間中央値5~6年後で放射線療法群3~4% vs 対照群12~14%、P < 0.001)が示された。 [27] [31] [32] [証拠レベル:1iiDii]
  2. デンマークのEndometrial Cancer Groupによる研究結果でも、放射線療法なしの場合、I期の中リスク疾患(子宮筋層への浸潤が50%を超える悪性度1および2または子宮筋層への浸潤が50%未満の悪性度3)の患者における生存率の改善は得られないことが示唆されている。 [33]
  3. PORTEC-2(NCT00411138)試験では、I期の子宮内膜がんでリンパ節郭清を受けなかった患者が、主要アウトカムを膣再発の予防としてVBTまたはEBRTのいずれかを受けるようにランダムに割り付けられた。 [29] [34] [証拠レベル:1iA]
    • 5年経過時の膣再発率、局所領域再発率、PFS、またはOS(VBTで84.8%[95%CI、79.3-90.3] vs EBRTで79.6%[95%CI、71.2-88.0];P = 0.57)における差は認められなかった。

    • VBT群における消化管の毒性作用は有意に少なく、QOLが改善したことから、VBTはI期疾患の患者の補助療法として好ましい選択肢とされた。

  4. Norwegian Radium Hospital試験は1968年から1974年にかけて(FIGO外科的病期診断の開始前)臨床病期I期の子宮内膜がん患者568人に治療をランダムに割り付けた。 [30] [証拠レベル:1iiA]子宮摘出術および両側卵管卵巣摘出術の後、患者はEBRTおよびVBTの併用またはVBT単独のいずれかを受けるようにランダムに割り付けられた。
    • 20年以上にわたる追跡データを示す最新報告は両治療群間にOSの差を示していない。EBRT/VBT群のOS中央値は20.5年、VBT単独群では20.48年であった(P = 0.186)。全女性で、EBRT後に二次がんのリスクが増加した(ハザード比[HR]、1.42;95%CI、1.01–2.0)。

    • 試験登録の時点で60歳未満であった女性についての事後サブセット解析から、EBRT群で死亡率の増加が示された(HR、1.36;95%CI、1.06–1.76)。さらに、この群では二次がんのリスクが倍増した(HR、2.02;95%CI、1.3–3.15)。

術後放射線療法

子宮頸部に臨床的転移はないが、術後の病理学検査で子宮頸部への進展が明らかになった場合、放射線療法を考慮すべきである。 [22] [証拠レベル:1iiA]

放射線療法単独

手術が医学的禁忌となる患者は放射線療法単独で治療できるが、その治癒率は手術施行例を下回る場合がある。 [35] [36] [37]

I期およびII期子宮内膜がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

  1. GOG-0249(NCT00807768)試験が、I期またはII期病変の高リスク子宮内膜がん患者を対象に、補助カルボプラチン + パクリタキセルおよび膣円蓋の小線源治療の併用を補助骨盤EBRTと比較した。この研究はすでに募集が締め切られており、予備的知見が抄録形式で発表されているが、2治療群間に有意な差は示されていない。
  2. GOG-0261(NCT00954174)試験は、I期~IV期の治療抵抗性または再発性の子宮、卵巣、卵管、または腹膜がんの診断を新たに受けた患者を対象にパクリタキセル + カルボプラチンパクリタキセル + イホスファミドと比較した。

最新の臨床試験

I期の子宮内膜がんおよびII期の子宮内膜がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
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  2. Boruta DM 2nd, Gehrig PA, Fader AN, et al.: Management of women with uterine papillary serous cancer: a Society of Gynecologic Oncology (SGO) review. Gynecol Oncol 115 (1): 142-53, 2009.[PUBMED Abstract]

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III期、IV期、および再発子宮内膜がんの治療

III期、IV期、および再発子宮内膜がんに対する標準治療法の選択肢

III期、IV期、および再発子宮内膜がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術とその後の化学療法または放射線療法
  2. 化学療法および放射線療法
  3. ホルモン療法
  4. 生物学的療法

IV期の子宮内膜がん患者の治療は、転移巣の部位およびその随伴症状により方針が決定される。

手術とその後の化学療法または放射線療法

一般に、III期またはIV期の子宮内膜がん患者は手術とその後の化学療法、および/または放射線療法を用いて治療する。複数の観察研究でIV期疾患の患者には最大限の腫瘍減量手術が支持されているが、症例数が少なく、選択バイアスの可能性があるため、これらの結論の解釈には注意が必要である。 [1] [2]

長年にわたり、放射線療法は子宮内膜がん患者に対する標準の補助療法であった。しかしながら、数件のランダム化試験により、放射線療法の代わりに補助化学療法を用いた場合の生存の改善が確認されている。

ドキソルビシンは、これまでに使用された中で最も高い抗腫瘍活性を有していた薬剤であり、再発がんのある患者の33%までに、一時的ではあるが有用な反応をもたらす。このほか、プラチナ製剤による化学療法と併用する、または単剤としてのパクリタキセルもかなりの抗がん活性を有する。 [3]

証拠(手術とその後の術後化学療法または放射線療法):

  1. Gynecologic Oncology Group(GOG)によるいくつかのランダム化試験では、ドキソルビシンの既知の抗腫瘍活性が利用されている。 [4]
  2. 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を併用するドキソルビシンシスプラチン、およびパクリタキセルの3剤レジメンは、以下に示すように、シスプラチンドキソルビシンの併用よりも有意に優れていた: [5] [6] [証拠レベル:1iiDiv]

    これらのレジメンに伴う毒性作用および効力の限界から、他の治療法選択肢が広く探求されている。数件の観察研究 [7] [8] および第II相研究 [9] [10] [11] [12] により、子宮内膜がんで初回手術後または再発時に測定可能な病変が認められる患者において、プラチナ製剤による化学療法とパクリタキセルの併用に臨床活性がみられることが示唆されている。

  3. GOGプロトコルGOG-0209(NCT000063999)は、G-CSFを併用するパクリタキセルドキソルビシン、およびシスプラチン(TAP)の併用を、カルボプラチンおよびパクリタキセルの併用と比較する非劣性試験である。 [13]
  4. 2cm未満の残存腫瘍を有し、実質臓器への浸潤が認められないIII期またはIV期疾患の患者において実施された1件の試験で、シスプラチンおよびドキソルビシンの併用が、全腹部放射線療法と比較された。 [14] [証拠レベル:1iiA]
  5. 数件の試験が、III期、IV期、および再発がん肉腫患者に対する併用化学療法を支持している。
    1. 測定可能な進行または再発がん肉腫患者を対象とした第一選択治療としてのイホスファミドおよびシスプラチンの併用またはイホスファミド単独を検討したGOG-108試験から、併用群でより高い奏効率(54% vs 34%)および長いPFS(6ヵ月 vs 4ヵ月)が示されたが、生存期間については有意な改善は認められなかった(9ヵ月 vs 8ヵ月)。 [15] [証拠レベル:1iiA]
    2. 引き続いてのGOG-0161(NCT00003128)研究は、対照群に対して3日間のイホスファミドレジメン(先行研究でのより毒性の強い5日間レジメンの代わり)および試験群に対してイホスファミドおよびパクリタキセルの併用(4日目からG-CSFを併用)を用いた。 [16]
      • 併用群は奏効率(45% vs 29%)、PFS(8.4ヵ月 vs 5.8ヵ月)、およびOS(13.5ヵ月 vs 8.4ヵ月)において優れていた。死亡のHRも併用群が優れていた(HR、0.69;95%CI、0.49-0.97)。[証拠レベル:1iiA]

      • この研究では、評価可能な患者179人中52%が再発病変を、18%がIII期病変を、30%がIV期病変を有していた。また、病変部位と放射線療法の施行歴について治療群間に偏りがみられ、30人の患者が病態上の問題から除外された。

    3. 1件の第II相試験がIII期、IV期、または再発がん肉腫患者を対象にカルボプラチンおよびパクリタキセルの併用を評価している。 [17] 優れた奏効率を確認した後、GOGはカルボプラチンおよびパクリタキセルの併用 vs イホスファミドおよびパクリタキセルの併用についてのランダム化第III相試験であるGOG-0261(NCT00954174)を開始した。この研究はすでに募集が締め切られており、結果が待たれている。

化学療法および放射線療法

骨盤壁まで腫瘍が拡がっているために手術不能の患者は、化学療法および放射線療法の併用で治療される場合がある。放射線療法の通常のアプローチは腔内照射と外照射療法との併用である。 [18] [19]

限局性再発(骨盤および傍大動脈リンパ節)または特定部位への遠隔転移を来した患者に対しては、放射線療法が症状緩和目的の効果的な治療法となる。放射線療法の経験がない患者では、純粋な膣再発巣に骨盤照射を実施すると治癒することがある。

ホルモン療法

子宮内膜がん組織中にはプロゲステロン受容体およびエストロゲン受容体がよくみられる。ホルモン療法に対する反応は、ホルモン受容体の発現およびそのレベルのほか、腫瘍の分化度とも相関している。 [20] 腫瘍がエストロゲン受容体陽性かつプロゲステロン受容体陽性であれば、プロゲスチン療法が最も奏効する。

遠隔転移、特に肺転移が認められる場合は、ホルモン療法が適応となる。手術、放射線療法のいずれも適応とならない患者は、最もよく用いられているホルモン治療薬であるプロゲステロン製剤を用いて治療する場合がある。プロゲステロン製剤は患者の15~30%で良好な抗腫瘍反応をもたらす。この反応は、生存率の著明な改善に関連する。 [20]

標準的なプロゲステロン製剤には以下のものがある: [20]


証拠(プロゲスチン療法):

  1. 1件の研究でプロゲスチン製剤による治療を受けた進行子宮内膜がん患者115人が追跡された。 [21]
    • 治療前に腫瘍がプロゲステロン受容体陽性であった患者の75%(56人中42人)が反応を示した。

    • 治療前にプロゲステロン受容体が検出できなかった患者で反応を示したのは7%(59人中4人)であった。

受容体が少ない状態から、プロゲスチン製剤に対する反応が悪く、細胞毒性化学療法に対する反応のほうが良好となることを予測できる可能性がある。 [22]

他のホルモン剤も子宮内膜がんの治療で有益性を示している。標準プロゲステロン療法に反応しない患者を対象にタモキシフェン(20mg X 2/日)を投与すると20%の奏効率を示す。 [23]

アロマターゼ阻害薬も進行および再発子宮内膜がんの治療について評価が行われているが、プロゲステロン製剤よりも奏効率が低い。 [24]

生物学的療法

子宮内膜がんの治療についていくつかの生物学的製剤が評価されている。

  1. 哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬。

    子宮内膜がんはしばしばAKT-PI3K経路の変化を示すため、転移病変または再発病変のある患者を対象とした臨床研究ではmTOR阻害薬が魅力的な選択肢となる。単剤のエベロリムス [25] およびリダホロリムス [26] [27] についての第II相研究では主に病勢の安定化が示されている。エベロリムスおよびレトロゾールの併用についての第II相研究では、32%の奏効率が示されている。 [28] [証拠レベル:3iiiDiv]

  2. ベバシズマブ
    • ベバシズマブが1件の第II相試験で単剤として投与されており、全奏効率は13.5%であった。 [29] [証拠レベル:3iiiDiv]

    • ベバシズマブおよびテムシロリムス。 [30]

III期、IV期、および再発した子宮内膜がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

進行がん患者はすべて、この疾病に関する単剤投与と多剤併用療法とを評価する臨床試験の対象として検討されるべきである。

治療失敗例のパターンを検討した研究から、上腹部および腹壁外の部位への遠隔転移率が高いことが判明した。 [31] このため、III期の患者は、革新的な臨床試験の候補となりうる。

IV期子宮内膜がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. III期、IV期、および再発子宮内膜がんにおけるパクリタキセルおよびカルボプラチンおよびメトホルミンの併用またはパクリタキセルおよびカルボプラチンの併用(GOG-0286B [NCT02065687])。
  2. 再発または治療抵抗性子宮内膜がんにおけるPI3K/mTOR阻害薬(15-079 [NCT02549989])。
  3. 再発または治療抵抗性子宮内膜がんにおけるエベロリムスおよびレトロゾールの併用またはホルモン療法(GOG-3007 [NCT02228681])。
  4. 進行または再発した子宮内膜がん患者におけるエベロリムスレトロゾール、およびメトホルミン(2012-0543 [NCT01797523])。
  5. I期~IV期の治療抵抗性または再発子宮、卵巣、卵管、または腹膜がんを新規に診断された患者におけるパクリタキセルおよびカルボプラチン vs パクリタキセルおよびイホスファミドGOG-0261[NCT00954174])。

最新の臨床試験

III期の子宮内膜がんIV期の子宮内膜がんおよび再発子宮内膜がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Shih KK, Yun E, Gardner GJ, et al.: Surgical cytoreduction in stage IV endometrioid endometrial carcinoma. Gynecol Oncol 122 (3): 608-11, 2011.[PUBMED Abstract]

  2. Barlin JN, Puri I, Bristow RE: Cytoreductive surgery for advanced or recurrent endometrial cancer: a meta-analysis. Gynecol Oncol 118 (1): 14-8, 2010.[PUBMED Abstract]

  3. Ball HG, Blessing JA, Lentz SS, et al.: A phase II trial of paclitaxel in patients with advanced or recurrent adenocarcinoma of the endometrium: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 62 (2): 278-81, 1996.[PUBMED Abstract]

  4. Thigpen JT, Brady MF, Homesley HD, et al.: Phase III trial of doxorubicin with or without cisplatin in advanced endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 22 (19): 3902-8, 2004.[PUBMED Abstract]

  5. Fleming GF, Brunetto VL, Cella D, et al.: Phase III trial of doxorubicin plus cisplatin with or without paclitaxel plus filgrastim in advanced endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group Study. J Clin Oncol 22 (11): 2159-66, 2004.[PUBMED Abstract]

  6. Fleming GF, Filiaci VL, Bentley RC, et al.: Phase III randomized trial of doxorubicin + cisplatin versus doxorubicin + 24-h paclitaxel + filgrastim in endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group study. Ann Oncol 15 (8): 1173-8, 2004.[PUBMED Abstract]

  7. Arimoto T, Nakagawa S, Yasugi T, et al.: Treatment with paclitaxel plus carboplatin, alone or with irradiation, of advanced or recurrent endometrial carcinoma. Gynecol Oncol 104 (1): 32-5, 2007.[PUBMED Abstract]

  8. Sovak MA, Hensley ML, Dupont J, et al.: Paclitaxel and carboplatin in the adjuvant treatment of patients with high-risk stage III and IV endometrial cancer: a retrospective study. Gynecol Oncol 103 (2): 451-7, 2006.[PUBMED Abstract]

  9. Hoskins PJ, Swenerton KD, Pike JA, et al.: Paclitaxel and carboplatin, alone or with irradiation, in advanced or recurrent endometrial cancer: a phase II study. J Clin Oncol 19 (20): 4048-53, 2001.[PUBMED Abstract]

  10. Pectasides D, Xiros N, Papaxoinis G, et al.: Carboplatin and paclitaxel in advanced or metastatic endometrial cancer. Gynecol Oncol 109 (2): 250-4, 2008.[PUBMED Abstract]

  11. Nomura H, Aoki D, Takahashi F, et al.: Randomized phase II study comparing docetaxel plus cisplatin, docetaxel plus carboplatin, and paclitaxel plus carboplatin in patients with advanced or recurrent endometrial carcinoma: a Japanese Gynecologic Oncology Group study (JGOG2041). Ann Oncol 22 (3): 636-42, 2011.[PUBMED Abstract]

  12. Dimopoulos MA, Papadimitriou CA, Georgoulias V, et al.: Paclitaxel and cisplatin in advanced or recurrent carcinoma of the endometrium: long-term results of a phase II multicenter study. Gynecol Oncol 78 (1): 52-7, 2000.[PUBMED Abstract]

  13. Miller D, Filiaci V, Fleming G, et al.: Late-breaking abstract 1: Randomized phase III noninferiority trial of first line chemotherapy for metastatic or recurrent endometrial carcinoma: A Gynecologic Oncology Group study. [Abstract] Gynecol Oncol 125 (3): 771, 2012.[PUBMED Abstract]

  14. Randall ME, Filiaci VL, Muss H, et al.: Randomized phase III trial of whole-abdominal irradiation versus doxorubicin and cisplatin chemotherapy in advanced endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group Study. J Clin Oncol 24 (1): 36-44, 2006.[PUBMED Abstract]

  15. Sutton G, Brunetto VL, Kilgore L, et al.: A phase III trial of ifosfamide with or without cisplatin in carcinosarcoma of the uterus: A Gynecologic Oncology Group Study. Gynecol Oncol 79 (2): 147-53, 2000.[PUBMED Abstract]

  16. Homesley HD, Filiaci V, Markman M, et al.: Phase III trial of ifosfamide with or without paclitaxel in advanced uterine carcinosarcoma: a Gynecologic Oncology Group Study. J Clin Oncol 25 (5): 526-31, 2007.[PUBMED Abstract]

  17. Powell MA, Filiaci VL, Rose PG, et al.: Phase II evaluation of paclitaxel and carboplatin in the treatment of carcinosarcoma of the uterus: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 28 (16): 2727-31, 2010.[PUBMED Abstract]

  18. Wegner RE, Beriwal S, Heron DE, et al.: Definitive radiation therapy for endometrial cancer in medically inoperable elderly patients. Brachytherapy 9 (3): 260-5, 2010 Jul-Sep.[PUBMED Abstract]

  19. Kupelian PA, Eifel PJ, Tornos C, et al.: Treatment of endometrial carcinoma with radiation therapy alone. Int J Radiat Oncol Biol Phys 27 (4): 817-24, 1993.[PUBMED Abstract]

  20. Lentz SS: Advanced and recurrent endometrial carcinoma: hormonal therapy. Semin Oncol 21 (1): 100-6, 1994.[PUBMED Abstract]

  21. Kauppila A: Oestrogen and progestin receptors as prognostic indicators in endometrial cancer. A review of the literature. Acta Oncol 28 (4): 561-6, 1989.[PUBMED Abstract]

  22. Kauppila A, Friberg LG: Hormonal and cytotoxic chemotherapy for endometrial carcinoma. Steroid receptors in the selection of appropriate therapy. Acta Obstet Gynecol Scand Suppl 101: 59-64, 1981.[PUBMED Abstract]

  23. Quinn MA, Campbell JJ: Tamoxifen therapy in advanced/recurrent endometrial carcinoma. Gynecol Oncol 32 (1): 1-3, 1989.[PUBMED Abstract]

  24. Lindemann K, Malander S, Christensen RD, et al.: Examestane in advanced or recurrent endometrial carcinoma: a prospective phase II study by the Nordic Society of Gynecologic Oncology (NSGO). BMC Cancer 14: 68, 2014.[PUBMED Abstract]

  25. Slomovitz BM, Lu KH, Johnston T, et al.: A phase 2 study of the oral mammalian target of rapamycin inhibitor, everolimus, in patients with recurrent endometrial carcinoma. Cancer 116 (23): 5415-9, 2010.[PUBMED Abstract]

  26. Colombo N, McMeekin DS, Schwartz PE, et al.: Ridaforolimus as a single agent in advanced endometrial cancer: results of a single-arm, phase 2 trial. Br J Cancer 108 (5): 1021-6, 2013.[PUBMED Abstract]

  27. Tsoref D, Welch S, Lau S, et al.: Phase II study of oral ridaforolimus in women with recurrent or metastatic endometrial cancer. Gynecol Oncol 135 (2): 184-9, 2014.[PUBMED Abstract]

  28. Slomovitz BM, Jiang Y, Yates MS, et al.: Phase II study of everolimus and letrozole in patients with recurrent endometrial carcinoma. J Clin Oncol 33 (8): 930-6, 2015.[PUBMED Abstract]

  29. Aghajanian C, Sill MW, Darcy KM, et al.: Phase II trial of bevacizumab in recurrent or persistent endometrial cancer: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 29 (16): 2259-65, 2011.[PUBMED Abstract]

  30. Alvarez EA, Brady WE, Walker JL, et al.: Phase II trial of combination bevacizumab and temsirolimus in the treatment of recurrent or persistent endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 129 (1): 22-7, 2013.[PUBMED Abstract]

  31. Greven KM, Curran WJ Jr, Whittington R, et al.: Analysis of failure patterns in stage III endometrial carcinoma and therapeutic implications. Int J Radiat Oncol Biol Phys 17 (1): 35-9, 1989.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(08/18/2017)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

新規症例数および死亡数の推定値に関する統計が2017年用に更新された(引用、参考文献1としてAmerican Cancer Society)。

本要約は包括的に見直され、広範囲にわたって改訂され、再編集された。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、子宮内膜がん(子宮体がん)の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

子宮内膜がんに対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Endometrial Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/uterine/hp/endometrial-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389270]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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