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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

内分泌および神経内分泌腫瘍の遺伝学(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-05-15
    翻訳更新日 : 2018-07-19


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、内分泌および神経内分泌腫瘍の遺伝学について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Cancer Genetics Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

要旨

本要旨では、内分泌および神経内分泌腫瘍の遺伝学に関する本PDQ要約で取り扱われている話題について概要を示すとともに、各話題に関するエビデンスを記述した以下の詳細セクションへのハイパーリンクを提示している。


  • 遺伝およびリスク


    いくつかの遺伝性症候群が内分泌または神経内分泌腺に関与している。多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)、多発性内分泌腫瘍2型(MEN2)、多発性内分泌腫瘍4型(MEN4)、家族性褐色細胞腫(PHEO)および傍神経節腫(PGL)症候群(FPPL)、カーニー-ストラタキス症候群(CSS)、および家族性非髄様甲状腺がん(FNMTC)が本要約で扱われる。常染色体優性遺伝形式をとる病原性多様体がこれらの症候群のほとんどの原因として同定されている。PHEOおよびPGLはまた、フォン・ヒッペル-リンダウ病の個人でもみられることがある。(詳しい情報については、腎がんの遺伝学に関するPDQ要約のフォン・ヒッペル-リンダウ病のセクションを参照のこと。)


  • 関連する遺伝子および症候群


    副甲状腺腫瘍および原発性副甲状腺機能亢進症膵十二指腸神経内分泌腫瘍(NET)、および下垂体腫瘍の発症と主に関連するMEN1は、 MEN1 遺伝子における生殖細胞病原性多様体が原因で生じる。MEN2(MEN2AおよびMEN2Bに細分される)の内分泌に関する主な特徴には、甲状腺髄様がん(MTC);これに先行するC細胞過形成PHEO;ならびに副甲状腺腺腫および/または過形成がある。MEN2は RET 遺伝子における生殖細胞病原性多様体が原因で生じる。MEN4は、臨床所見が他のMEN症候群と重複するまれな症候群である;最も一般的な特徴は原発性副甲状腺機能亢進症および下垂体腺腫である。MEN4はCDKN1B遺伝子における生殖細胞病原性多様体が原因で生じる。FPPLおよびCSSはどちらも、 SDH 遺伝子における生殖細胞病原性多様体が原因で生じる。PHEOおよびPGLは同様に散発性に発生するのが一般的であるが、既知の家族歴のない個人における散発性とみられるPHEOの最大33%および散発性とみられるPGLの最大40%が、既知のPGL/PHEO感受性遺伝子の1つに識別可能な生殖細胞病原性多様体を有する。多病巣性の局所で侵攻性を示す消化管間質腫瘍(GIST)もまた、CSSを有する個人でみられる。FNMTCは多遺伝子性疾患であり、単一の座が大多数の症例または特定が容易な表現型に関与することはなく、浸透度の低い複数のアレルと環境的因子によって変化することが多い。


  • 臨床管理


    定期的なサーベイランスが、MEN1RETCDKN1B、またはSDH遺伝子の1つにおける病原性多様体を保有すると明らかにされたか、保有するリスクがある個人における臨床管理の中心である。サーベイランスの推奨には、疾患の内分泌症状および内分泌以外の症状の両方についての定期的なスクリーニングが含まれる。


    MEN1における下垂体および副甲状腺腫瘍の外科的管理は、臨床像とこの臓器の症状の管理に基づく。MEN1の膵十二指腸NETの外科的管理は、疾患増悪の予防により特化している。


    MEN2におけるPHEOおよびPGLでの手術の決定は、ホルモン分泌過多および症候論に基づく。さらに、リスク軽減のための甲状腺摘出術は、若年期に甲状腺摘出術を受けたMEN2患者における持続性または再発性疾患の発生率を低下させることが示されている。リスク軽減のための甲状腺摘出術の最適な時期については依然として意見が分かれているが、手技の時期の決定にカルシトニンの基礎値を用いることができる。MEN2に関連した副甲状腺疾患もまた外科的に治療するか、手術が高リスクの患者では内科的治療で治療される。MTCの治療は、後部カプセルを含めた甲状腺全体の外科的切除、および中心リンパ節郭清で構成される。


    MEN4に関連する副甲状腺および下垂体腫瘍もまた外科的に管理され、MEN1など、他の家族性症候群に対する治療と一致している。


    FPPL関連PHEOおよびPGLもまた外科的に治療される。術中のカテコールアミン誘発性合併症の予防を目的とした術前の管理が一般的である。


    CSS関連GISTおよびPGLに対する治療の中心は、腫瘍の外科的完全切除である。手術の時期は腫瘍の発生に相関する。


    FNMTCに関連する甲状腺がんもまた外科的に管理され、一般的には甲状腺全摘術が実施される。甲状腺全摘術を受ける患者は、生涯にわたる甲状腺ホルモン補充療法を受ける必要がある。


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[注: 本要約で用いられている医学および科学用語については、NCI Dictionary of Genetics Termsに解説が用意されている。リンクが張られた用語をクリックすれば、別のウインドウにその定義が表示される。]

[注: 本要約に記載されている遺伝子の多くは、Online Mendelian Inheritance in Man(OMIM)データベースに掲載されている。遺伝子名または疾患名の後にOMIMと記述されている場合、OMIMをクリックすると詳しい情報にリンクされる。]

[注: 現在、遺伝学的多様性を記載するための用語体系を変化させるべく、遺伝学のコミュニティにおいて協調的な取り組みが進められている。その変化とは、研究対象の個人または集団と参照配列との間に存在する遺伝学的な差異を記載する際に、従来の「mutation(突然変異ないし変異)」ではなく、「variant(多様体ないしバリアント)」という用語を使用するというものである。多様体はさらに、良性(無害)(benign [harmless])、おそらく良性(likely benign)、意義不明(of uncertain significance)、おそらく病原性(likely pathogenic)、病原性(疾患を引き起こす)(pathogenic [disease causing])のいずれかに分類することができる。本要約では、全体を通じて、疾患を引き起こす突然変異に対して病原性多様体(pathogenic variant)という用語を使用する。多様体の分類に関する詳しい情報については、がん遺伝学の概要に関する要約を参照のこと。]

内分泌または神経内分泌腺に関係する遺伝性症候群には、多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)、多発性内分泌腫瘍2型(MEN2)、多発性内分泌腫瘍4型(MEN4)、褐色細胞腫(PHEO)、傍神経節腫(PGL)、リー-フラウメニ症候群、家族性大腸腺腫症、フォン・ヒッペル-リンダウ症候群など、いくつかのものがある。本要約では現在、MEN1、MEN2、MEN4、家族性PHEOおよびPGL症候群、カーニー-ストラタキス(CSS)症候群、および家族性非髄様甲状腺がん(FNMTC)について取り上げている。リー-フラウメニ症候群、家族性大腸腺腫症、コーデン症候群、およびフォン・ヒッペル-リンダウ症候群については、乳がんおよび婦人科がんの遺伝学大腸がんの遺伝学、および腎がんの遺伝学に関するPDQ要約で考察する。

多発性内分泌腫瘍という用語は、内分泌組織の良性または悪性の遺伝性腫瘍のグループを示すために用いられる。一般的にMEN1(ウェルマー症候群としても知られている)およびMEN2という2つの主なカテゴリーに分類される。歴史的に、個人または家系に特定の内分泌腫瘍がみられるかどうかによって、MEN2は次の3つの亜型に分類されている:MEN2A、家族性甲状腺髄様がん、およびMEN2B(ときにMEN3と呼ばれる)。MEN4は、ヒトにおける新たな症候群として2011年に記述され、主要特性として原発性副甲状腺機能亢進症および下垂体腺腫が含まれる。MEN症候群関連腫瘍は通常、ホルモンの過剰産生または腫瘍の増殖、あるいはその両方を発現する。(詳しい情報については、本要約のMEN1MEN2、およびMEN4のセクションを参照のこと。)

PGLおよびPHEOは、クロム親和性細胞から発生するまれな腫瘍で、カテコールアミンと神経ペプチドを合成・蓄積・分泌する能力がある。2004年に世界保健機関は、副腎腫瘍をPHEOとして、副腎外腫瘍をPGLとして特徴を明らかにした。 [1] いずれの腫瘍も、遺伝性症候群の顕性化として、つまり家族性のPGLおよびPHEO症候群における単独腫瘍として散発的に発生することがある。(詳しい情報については、本要約の家族性PHEOおよびPGL症候群のセクションを参照のこと。)

CSSを有する罹患者は、多病巣性の局所で侵攻性を示す消化管間質腫瘍および多発性の頸部、胸腔内、および腹腔内PGLを比較的若年で発症する。 [2] [3] [4] 類似した名前であるが、この症候群はカーニー複合およびカーニーの三徴と異なる。(詳しい情報については、本要約のCSSのセクションを参照のこと。)

FNMTCは、分化型甲状腺がん全症例の5~10%を占めると考えられている。 [5] [6] [7] 少数の例外として非髄様甲状腺がんを伴う数種類のまれな遺伝的症候群も存在するが、FNMTCのほとんどは無症候性であり、基礎にある遺伝的素因ははっきりしない。(詳しい情報については、本要約のFNMTCのセクションを参照のこと。)


参考文献
  1. DeLellis RA, Lloyd RV, Heitz PU, et al., eds.: Pathology and Genetics of Tumours of Endocrine Organs. Lyon, France: IARC Press, 2004. World Health Organization classification of tumours, vol. 8.[PUBMED Abstract]

  2. Carney JA, Stratakis CA: Familial paraganglioma and gastric stromal sarcoma: a new syndrome distinct from the Carney triad. Am J Med Genet 108 (2): 132-9, 2002.[PUBMED Abstract]

  3. McWhinney SR, Pasini B, Stratakis CA, et al.: Familial gastrointestinal stromal tumors and germ-line mutations. N Engl J Med 357 (10): 1054-6, 2007.[PUBMED Abstract]

  4. Pasini B, McWhinney SR, Bei T, et al.: Clinical and molecular genetics of patients with the Carney-Stratakis syndrome and germline mutations of the genes coding for the succinate dehydrogenase subunits SDHB, SDHC, and SDHD. Eur J Hum Genet 16 (1): 79-88, 2008.[PUBMED Abstract]

  5. Stoffer SS, Van Dyke DL, Bach JV, et al.: Familial papillary carcinoma of the thyroid. Am J Med Genet 25 (4): 775-82, 1986.[PUBMED Abstract]

  6. Loh KC: Familial nonmedullary thyroid carcinoma: a meta-review of case series. Thyroid 7 (1): 107-13, 1997.[PUBMED Abstract]

  7. Lupoli G, Vitale G, Caraglia M, et al.: Familial papillary thyroid microcarcinoma: a new clinical entity. Lancet 353 (9153): 637-9, 1999.[PUBMED Abstract]

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多発性内分泌腫瘍1型

臨床記述

多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)(OMIM)は常染色体優性症候群で、推定有病率は30,000人当たり約1人である。 [1] MEN1の内分泌に関する主な特徴には以下のものがある:


MEN1の臨床診断は、ある個人にこれら3つの主要な内分泌腫瘍のうち、2つが認められる場合に下される。家族性MEN1は、少なくともMEN1症例が1例いること + 少なくとも1人の第一度近親者(FDR)にこれら3つの腫瘍の1つが認められること、または2人のFDRに生殖細胞病原性多様体が認められることと定義されている。 [2] [3] [4]

最初の臨床症状発現は典型的に20~30歳であるが、MEN1診断はさらに何年も確定されないことがある。MEN1の年齢に関係した浸透度は30歳までは45~73%、50歳までは82%、および70歳までは96%である。 [2] [5] [6]

副甲状腺腫瘍およびPHPT

MEN1に最も一般的な特徴およびしばしば最初に現れる徴候は副甲状腺腫瘍であり、この腫瘍の結果としてPHPTになる。50歳までに80~100%の患者がこれらの腫瘍を発症する。 [2] [7] [8] [9] 散発例でみられる孤立性の腺腫とは異なり、MEN1関連副甲状腺腫瘍は典型的に多腺性で、しばしば過形成を示す。 [10] MEN1におけるPHPTの発症時平均年齢は20~25歳であり、一般集団(典型的に50~59歳で発症)とは対照的である。MEN1における副甲状腺がんはまれではあるが、報告されている。 [11] [12] [13] [14]

MEN1関連PHPTの患者では、血中の副甲状腺ホルモン(PTH)およびカルシウム値が高くなる。PHPTの臨床症状は主として高カルシウム血症の結果である。軽度の高カルシウム血症は検出されず、症状がほとんどまたは全く見られないことがある。比較的重度の高カルシウム血症は、以下のような症状を引き起こす:


  • 便秘。

  • 吐き気と嘔吐。

  • 脱水。

  • 食欲減退および腹痛。

  • 食欲不振。

  • 多尿。

  • 腎結石。

  • 骨吸収の増加と結果として生じる骨折リスクの増加。

  • 嗜眠。

  • うつ病。

  • 錯乱。

  • 高血圧。

  • QT間隔短縮。

MEN1関連高カルシウム血症は副甲状腺腫瘍の存在と直接関係しているため、これらの腫瘍を外科的に切除することでカルシウム値およびPTH濃度が正常化し、症状が緩和される;しかしながら、一部のシリーズでは術後の再発率が高いことが報告されている。 [15] [16] [17] (詳しい情報については、本要約の介入のセクションを参照のこと。)

膵十二指腸NET

膵十二指腸のNETはMEN1において2番目に一般的な内分泌の症状であり、40歳までに30~80%の患者が発症する。 [2] [9] 1件の研究により、MEN1エクソン2に病原性多様体を有する若年患者(20~40歳)では発生率が2倍も高くなることがあると示されている。こうした個人はまた、より侵攻性の疾患を有し、遠隔転移を来す可能性が高い。 [18]

MEN1でみられる膵十二指腸NETには以下のものがある:


  • ガストリノーマ。

  • 非機能性NET。

  • インスリノーマ。

  • 血管作動性腸管ペプチド産生腫瘍(VIPoma)。

  • グルカゴノーマ。

  • ソマトスタチノーマ。

表1.MEN1関連膵十二指腸神経内分泌腫瘍

腫瘍の種類 推定浸透度 症状
MEN1 = 多発性内分泌腫瘍1型。
ガストリノーマ ≤70% [19] [20] 消化性潰瘍疾患および食道炎
下痢
腹痛
体重減少
非機能性 20%–55% [19] [21] 局所圧迫症状:腹痛、黄疸、食欲不振、体重減少
インスリノーマ 10% [19] Whippleの三徴:グルコース投与により回復する症候性低血糖および関連するインスリン、Cペプチド、およびプロインスリン値の上昇
血管作動性腸管ペプチド 1% [19] [22] 水様下痢
低カリウム血症
無酸症
グルカゴノーマ 1% [19] [22] 糖尿病
下痢
うつ病
壊死性遊走性紅斑
血栓塞栓性疾患
ソマトスタチノーマ <1% [22] 糖尿病
下痢/脂肪便
胆嚢疾患
低酸症
体重減少


ガストリノーマはMEN1に伴う消化管NETの50%を占めており、MEN1患者における罹病および死亡の主要な原因である。 [2] [15] ガストリノーマは通常、多中心性で、十二指腸全体に小さな(0.5cm未満)病巣が見られる。 [23] ほとんどが消化性潰瘍疾患(ゾリンジャー・エリソン症候群)を引き起こし、半数が診断時に悪性である。 [15] [23] [24]

非機能性膵十二指腸NETは当初、MEN1の個人では比較的まれな腫瘍であると考えられていた。しかしながら、遺伝子検査の出現と画像診断技術の改善によってMEN1における非機能性膵十二指腸NETの有病率が高まっており、1件の研究では、膵臓の超音波内視鏡検査をプロスペクティブに受けたMEN1病原性多様体キャリアにおいて、39歳までに55%という高い頻度が示されている。 [21] [25] これらの腫瘍は転移性の場合がある。非機能性膵十二指腸NETを有するMEN1病原性多様体キャリア108人を対象にした1件の研究により、腫瘍の大きさと転移率および死亡率との間に正の相関があることが示され、2cm超の腫瘍では2cm未満の腫瘍よりも転移率が有意に高かった。 [26] (MEN1 遺伝子病原性多様体に関する詳しい情報については、本要約のMEN1の分子遺伝学のセクションを参照のこと。)

下垂体腫瘍

MEN1患者の約15~50%が下垂体腫瘍を発症する。 [2] [9] 3分の2は微小腺腫(直径1.0cm未満)で、大多数がプロラクチン産生性である。 [27] この他の下垂体腫瘍には、ソマトトロピノーマ(somatotropinoma)およびコルチコトロピノーマ(corticotropinoma)があり、これらは非機能性の場合がある。

表2.MEN1関連下垂体腫瘍

腫瘍の種類 推定浸透度 症状
MEN1 = 多発性内分泌腫瘍1型。
プロラクチノーマ 20% [19] 乳汁漏出
無月経/不妊症
性腺機能低下症
ソマトトロピノーマ 10% [19] 顔貌粗造的特徴
軟部組織の過成長:手/足の肥大
多汗症
コルチコトロピノーマ <5% [19] 体重増加
高血圧
紅潮
易出血性/出血
高血糖


この他のMEN1関連腫瘍

MEN1の他の症状発現としては、前腸カルチノイド(MEN1患者の5~10%)がある。これらは典型的に気管支または胸腺に見られ、ときには胃に発生することもある。皮膚病変も一般的に見られ、顔面の血管線維腫(MEN1患者の最大80%)およびコラゲノーマ(collagenoma)(MEN1患者の75%まで)が含まれる。 [28] 脂肪腫(MEN1患者の30%まで)および、皮質腺腫、びまん性または結節性過形成、あるいはまれに、がんなどの副腎皮質病変(MEN1患者の最大50%)もまたよく見られる。 [29] [30] [31] 以下の症状発現もまた報告されている: [32] [33] [34]


  • 甲状腺腫。

  • 褐色細胞腫。

  • 脊髄上衣腫。

  • 髄膜腫。

  • 平滑筋腫(例、食道、肺、および子宮)。

MEN1の診断確定

明らかな家族歴が認められないか、MEN1遺伝子の病原性多様体に対する遺伝子検査で陽性の結果が得られない場合、MEN1の診断はしばしば困難である。MEN1の患者560人を対象にした1件の研究により、最初の症状発現時とMEN1診断時間の間に明らかな遅延があることが示された。 [35] この時間の経過は、無月経、消化性潰瘍、低血糖、腎結石など、MEN1関連腫瘍に伴う一部の主症状が、MEN1に特異的ではないためである可能性が高い。

さらに、MEN1関連腫瘍が確認されただけでは、MEN1を臨床的に診断するために十分ではなく、内分泌医に紹介するきっかけとならない場合がある。最初の症状発現からMEN1診断までの期間の中央値は、7.6年から12年に及ぶ。 [5] [30] 遺伝子検査により、この遅延がある程度軽減される。数件の研究により、発端者とその家系員との間で、MEN1診断時年齢に統計的有意差が認められることが示されている。1件の研究では、臨床的に症状のある発端者は、平均47.5歳(標準偏差[SD]、±13.5歳)でMEN1と診断されたのに対し、家系員は平均38.5歳(SD、±15.4歳;P < 0.001)で診断された。 [35] MEN1の個人154人を対象にした別の研究では、発端者は平均39.5歳(範囲:18~74歳)で診断されたのに対し、家系員では予測的遺伝子検査によって平均27歳(範囲:14~56歳;P < 0.05)で診断された。 [36] それでも、発端者におけるMEN1診断と家系員におけるMEN1診断間の時間のずれは重要な可能性があり、罹病率および死亡率の増加につながる。 [37] これは、最近のDutch MEN1 Study Groupの解析で明らかにされたもので、非発端者の10~38%では診断時にMEN1関連症状が既に認められたことが示された;これらの患者の4%は、この遅れ時間にまたはその前に発生したMEN1関連原因により死亡した。家系員では、遅れ時間に関連する罹病率の大半が転移性の膵十二指腸NET、巨大下垂体腫瘍、および複数のMEN1症状によるものであった。 [37] これらの知見は、MEN1関連腫瘍の徴候および症状のほか、MEN1診断を疑う必要のある一連の所見に対する認識を高めることの重要性を強調している。また、遺伝カウンセリングと遺伝子検査、およびMEN1の診断がいったん下された後の家系員間でのコミュニケーションの重要性も強調される。図1は、ある家系内でのMEN1の特定に関する困難の一部を示している。

図1.MEN1家系(pedigree) 図。MEN1は単一の家系(pedigree) 内での特定が非常に困難な場合がある。左側の家系(pedigree) 図は自己報告に基づき作成された図で、右側の家系(pedigree) 図は同じ家系について利用可能な医療記録を確認して作成された図である。この家系(pedigree) 図は、MEN1病原性多様体を有する家系の特徴の一部を4世代にわたって示し、副甲状腺機能亢進症、下垂体腺腫、ガストリノーマに罹患している家系員と、膵腫瘍の疑いがある家系員を記載している。MEN1に伴う腫瘍は、通常は散発性の腫瘍よりも早い年齢で発生する。MEN1の家系では、これらの特徴の一部またはすべてが認められることがある。常染色体優性症候群と同様に、母系または図のように父系で伝達する場合がある。

MEN1では多くの腫瘍が過小診断または誤診されているため、疾患過程の早期に発端者におけるMEN1遺伝子の病原性多様体を同定することで、腫瘍の早期発見・早期治療が可能となり、リスクのある家系員を早期に特定できる。見たところ散発性のMEN1関連腫瘍を有する患者において、MEN1遺伝子の病原性多様体の保有率を明らかにするために、多くの研究が実施されている。例えば、ゾリンジャー・エリソン症候群患者の約3分の1は、MEN1病原性多様体を保有している。 [38] [39] 見たところ孤立性のPHPTまたは下垂体腺腫の個人における病原性多様体保有率は低く、2~5%程度であるが [27] [40] [41] 、30歳前にこれらの腫瘍を診断された個人における保有率は比較的高い。一部の著者は、以下の条件の1つが認められる場合に、MEN1病原性多様体に対する遺伝相談および/または遺伝子検査への紹介を提唱している: [19] [42] [43]


  • 本人または第一度近親者において、年齢に関係なくガストリノーマ。

  • 年齢に関係なく多病巣性膵十二指腸NET。

  • 30歳ないし40歳前のPHPT。

  • 多腺性の副甲状腺腺腫/過形成または再発PHPT。

  • 主な3つのMEN1腫瘍の1つ + あまり一般的ではない腫瘍/所見の1つが認められること。

  • 2つ以上の特徴が認められること(例、副腎腺腫およびカルチノイド腫瘍)。

  • 1人の個人における次の少なくとも2つの組み合わせ:副甲状腺腺腫;胸腺、気管支、または前腸のカルチノイド腫瘍;膵十二指腸NET;下垂体腫瘍;副腎腫瘍。

  • 副甲状腺腺腫および副甲状腺機能亢進症、下垂体腺腫、膵十二指腸NET、または前腸のカルチノイド腫瘍の家族歴。

  • 同一人物における複数の原発性膵十二指腸NET。

MEN1の分子遺伝学

MEN1遺伝子は染色体11q13上に位置し、Menin蛋白をコードする。 [3] [44] [45] MEN1遺伝子における病原性多様体は現在までに1,300以上同定されており、これらの多様体はコード領域全体に散在している。 [46] このうちほとんど(~65%)はナンセンス多様体またはフレームシフト多様体である。残りは、正常と異なる蛋白を発現させるミスセンス多様体(20%)、スプライス部位多様体(9%)、または部分あるいは全遺伝子欠失(1~4%)である。遺伝子型-表現型の相関の証拠が若干存在するが、家族間および家族内の変動が一般的である。 [47] [48] 1件の大規模研究から下垂体、副腎、および胸腺NETの遺伝率が最も高いことが実証されている。 [49]

遺伝子検査および鑑別診断

MEN1病原性多様体に対する遺伝子検査は、臨床診断基準を満たす個人に推奨され、あまり一般的でない腫瘍のサブセットで検討されうる。(詳しい情報については、本要約のMEN1の診断確定のセクションの・印が付いている一覧を参照のこと。)診断基準を満たす個人では病原性多様体検出率は約75~90%である。 [47] [50] さらに、副甲状腺腫瘍(15.8%)、膵島腫瘍(25.0%)、または下垂体腫瘍(37.5%)の見たところ散発性の症例に対する生殖細胞病原性多様体の割合は16~38%に及んでおり、これらの個人では、MEN1の診断により他のMEN1関連腫瘍に対するスクリーニングが促されるため、遺伝子検査を検討する必要がある。 [51] 現在MEN1検査を提供している民間検査施設の多くが、第一の手法としてDNA塩基配列決定法を使用している。いくつかの施設が、部分または全遺伝子欠失および/または重複に関する追加の解析を提供しているが、このような多様体はまれであり、欠失/重複検査はしばしば、臨床的に非常に強く疑われる個人または家系においてのみ用いられる。

MEN1病原性多様体に対する遺伝子検査は、MEN1と、家族性孤立性副甲状腺機能亢進症(FIHP)(OMIM)、副甲状腺機能亢進症-顎腫瘍症候群(HPT-JT)、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症(FHH)など、他の形態の遺伝性副甲状腺機能亢進症との鑑別に用いることができる。[注: FHHにおける副甲状腺機能亢進症は、MEN1、HPT-JT、およびFIHPで見られるような原発性副甲状腺機能亢進症ではない。] HRPT2遺伝子における生殖細胞病原性多様体によって起こるHPT-JTは、PHPT、上顎骨および下顎骨の骨化病変、ならびに腎病変(通常は両側性腎嚢胞、腎過誤腫、および一部の症例でウィルムス腫瘍)と関連している。 [52] [53] MEN1とは異なり、HPT-JTは副甲状腺がんリスクの増加と関連している。 [54] FIHPは、その名が示す通り、他の内分泌の特徴を示さない孤立性のPHPTを特徴とする;一部の家系では、FIHPは後にMEN1、HPT-JT、またはFHHに発展する疾患の最初の診断となる。 [55] [56] [57] FIHPを臨床的に診断された家系の約20%は、MEN1生殖細胞病原性多様体を保有する。 [56] [58] [59] カルシウム感知受容体CaSR)遺伝子における病原性多様体は、MEN1における副甲状腺機能亢進症に酷似する場合があるFHHを引き起こす。FHHでは副甲状腺を切除しても患者の副甲状腺機能亢進症は補正されず、症状の軽減を伴わない不必要な手術を行ってしまうため、MEN1とFHHの鑑別は管理において決定的に重要である。 [60] これらの疾患ではリスクおよび管理が異なり、HPT-JTでは副甲状腺がんのリスクが高いため、早期発症型副甲状腺機能亢進症を呈する患者における遺伝子診断は、こうした患者とその家族の管理において重要な役割を果たしうる。 [61] MEN1と他の形態の遺伝性副甲状腺機能亢進症の臨床所見の要約については表3を参照のこと。

表3.MEN1、FIHP、HPT-JT、およびFHHの主要な臨床的特徴

状態 遺伝子 主要な臨床的特徴
CaSR = カルシウム感知受容体遺伝子;FHH = 家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症;FIHP = 家族性孤立性副甲状腺機能亢進症;HPT-JT = 副甲状腺亢進症-顎腫瘍症候群;HRPT2 = 副甲状腺機能亢進症2遺伝子;MEN1 = 多発性内分泌腫瘍1型(遺伝子は斜体で示される);NET = 神経内分泌腫瘍;PHPT = 原発性副甲状腺機能亢進症。
MEN1 MEN1 PHPT、下垂体腺腫、膵十二指腸NET [10]
FIHP MEN1HRPT2 PHPT [55] [56] [57] [58] [59]
HPT-JT HRPT2 PHPT;上顎骨および下顎骨の骨腫;腎嚢胞および過誤腫:まれにウィルムス腫瘍および副甲状腺がん [52] [53] [54]
FHH CaSR 副甲状腺機能亢進症(原発性でなはい) [60] [62]


サーベイランス

MEN1に対するスクリーニングおよびサーベイランスでは、生化学検査と画像検査が併用される。利用可能な推奨事項は表4にまとめられている。 [4] [19]

表4.MEN1のサーベイランスのための実践ガイドラインa

生化学検査または検査法 スクリーニング対象の病態 スクリーニング開始年齢(歳) 頻度
CT = コンピュータ断層撮影法;MEN1 = 多発性内分泌腫瘍1型;MRI = 磁気共鳴画像法;NET = 神経内分泌腫瘍;PHPT = 原発性副甲状腺機能亢進症;PTH = 副甲状腺ホルモン。
a出典:Brandi et al. [25] [4] and Thakker et al [19] .
b腹部の画像検査に関する推奨は、MEN1の診断および管理のために発表された2つのガイドラインで異なっている。 [4] [19] 現時点では、10歳前の年1回の画像検査を支持する証拠は弱い。10歳前に画像検査を行うことで高い割合の患者で疾患を同定できるが、これが予後に影響するかどうかは不明である。 [21] [63]
c下垂体腫瘍に対するスクリーニング開始年齢およびスクリーニングの頻度は、小さな非機能性腫瘍の臨床的意義が不明であるため議論の余地がある [64] ;さらなる研究が必要であろう。
血清プロラクチンおよび/またはインスリン様成長因子1 下垂体腫瘍 5 年1回
空腹時総血清カルシウムおよび/またはイオン化カルシウムおよびPTH 副甲状腺腫瘍およびPHPT 8 年1回
空腹時血清ガストリン 膵十二指腸ガストリノーマ 20 年1回
クロモグラニンA、膵ポリペプチド、グルカゴン、および血管作用性腸ポリペプチド 膵十二指腸NET <10 年1回
空腹時グルコースおよびインスリン インスリノーマ 5 年1回
脳MRIc 下垂体腫瘍 5 生化学的検査結果に基づき3~5年ごとに1回
腹部CTまたはMRIb [4] 膵十二指腸NET 20 生化学的検査結果に基づき3~5年ごとに1回
腹部CT、MRI、または超音波内視鏡検査b [19] 膵十二指腸NET <10 年1回


介入

MEN1は多病巣性で多腺性の性質を有し、手術後も腫瘍再発リスクが高いことを考慮すると、その外科的管理は複雑で議論の余地がある。手術の決定を下す前にMEN1の診断を確定し、MEN1の治療経験を有する外科医に罹患者を紹介することが、不必要な手術または不適切な外科的アプローチを回避する上できわめて重要である。

副甲状腺腫瘍の治療

副甲状腺疾患の証拠が生化学的に確立された時点で推奨される治療コースは、副甲状腺の外科的切除である。しかしながら、手術の時期および範囲については議論の余地が残されている。 [65] 術前の遺伝子検査は手術範囲の指針となり、初回手術成功の可能性を高め、病原性多様体が発見された場合には、疾患再発の可能性を低下させうる。 [61] 一部のグループでは、無症状の患者には年1回の生化学的スクリーニングを継続し、外科的介入は症状がある患者にのみ使用している。手術が必要となった場合には、初期治療として、しばしば副甲状腺亜全摘除術(3~3.5腺の切除)が提唱されている。 [61] 3.5腺以上切除された場合の持続性疾患の割合は5~6%である。術前画像法の信頼性は片側の検索を正当化するほど十分には高くなく、患者の86%では対側の副甲状腺に肥大した腫瘍が見逃されていた。残りの患者の50%では、対側の最も大きな副甲状腺が術中に確認された。 [66] 再手術がしばしば必要である。 [15] [16] [17] [61] 前腕への副甲状腺組織の自家移植を併用する副甲状腺全摘術もまた、選択肢の1つである。このアプローチの利点は、頸部からよりも前腕からの方が再発病変の切除が容易なことである。より広範な手術を行った方が再発の可能性は低下するが、これは患者の副甲状腺機能を低下させるリスクと比較検討する必要がある。 [67] [68] 同時両側経頸部胸腺摘出により再発率が低下することを示している諸研究により、初回手術時に胸腺を摘出すべきであることが示唆されている。 [67] 低カルシウム血症の破壊的な合併が起きると、管理には経口のカルシトリオールおよびカルシウム補給が必要となる。この毎日の薬物依存は患者に対して大きな負担となりうる。

膵十二指腸NETの治療

膵十二指腸NETの手術の時期と範囲については見解が一致しておらず、症状の重症度、病変の範囲、機能的要素、位置および単純摘出術、膵亜全摘または膵全摘術、および膵頭十二指腸切除術(Whipple法)の必要性など、多くの因子によって異なる。特に、腫瘍径の増大に伴う転移または再発リスクの増加傾向に基づく外科的切除を提唱するために、腫瘍の大きさが提案されている。 [69] 残念ながら、疾患特異的死亡率を予測する特異的腫瘍マーカーまたは腫瘍マーカーの組み合わせは存在しない。 [70] 初期のMEN1膵十二指腸NETにおいて長時間作用型ソマトスタチンアナログが役に立つ可能性がある。 [71] 薬理学的治療の初期の研究結果から、治療が安全であること、患者の最大10%において腫瘍およびホルモン活性が長期にわたって抑制できること、および患者の80%でホルモンの機能亢進状態が安定することが示唆されている。 [71] 手術の主要目的は、ホルモン過剰に伴う症状を減らし、遠隔転移のリスクを低くすることで、長期生存を向上させることである。 [24] 遠隔転移の可能性が高いため、ほとんどの機能性腫瘍および非機能性NET(腫瘍が2~3cmを超える場合)に対して一般的に手術が実施される。 [72] [73] 腫瘍の大きさは確かに患者の生存に影響を与えるとみられ、腫瘍が小さい患者ほど切除後の生存率が増加する。 [74] 広範囲の手術アプローチ(例、膵頭十二指腸切除術)を行えば治癒率が高くなり、全生存が改善される一方で [75] [76] [77] 、こうしたアプローチではまた術後の合併症発生率および長期罹病率も高くなる。 [78] したがって、リスクと有益性を注意深く検討すべきであり、手術の決定は症例ごとに下すべきである。開腹アプローチか腹腔鏡によるアプローチかについては、一部の患者では腹腔鏡下膵臓手術が安全で、入院期間の短縮および合併症の少なさと関連しているとみられる。 [79]

NETを診断されたMEN1患者はしばしば、膵および十二指腸全体にさまざまな種類の多発性の腫瘍を有し、これらの一部は磁気共鳴画像法またはコンピュータ断層撮影(CT)を用いて同定可能である。トレーサーの集積と解剖学的画像検査の併用により、腫瘍の部位特定が向上する。ガリウム Ga 68-DOTATATEポジトロン放射断層撮影-CTは、膵十二指腸NET病変のマッピングにおいてきわめて優れた感度を実証している。この検査法は、特に10mm未満の病変に対して標準のソマトスタチン オクトレオチドよりも優れているようである。 [80] 腫瘍の多くが標準の画像技術を用いて発見するにはあまりにも小さく、こうした腫瘍には動脈内セクレチン刺激試験および/または術中超音波検査が有用な場合もある。 [81] [82] さまざまな生化学および画像検査法を用いた術前の評価、腫瘍負荷の術中評価、およびホルモン分泌過多の解決がきわめて重要であり、一部のシリーズによれば、これらが高い治癒率および長期の無病期間と関連している。 [81] [82] [83] [84]

機能性の高いホルモン過剰状態に対して有効な治療がある現代では、MEN1関連死亡のほとんどが膵十二指腸NETの悪性の性質によるものである。頻度は低いが重要な死亡のリスクは、悪性の胸腺カルチノイド腫瘍からもたらされる。MEN1の予後不良指標としては、空腹時血清ガストリン上昇、機能性ホルモン症候群の存在、肝転移または遠隔転移、侵攻性膵十二指腸NET増殖、サイズの大きな膵十二指腸NET、または複数回の副甲状腺切除術の必要性が挙げられる。このコホートにおいてMEN1と無関係な死亡で最も多かったのは、心血管疾患によるものであった。 [85]

他の膵十二指腸NET

グルカゴノーマ、VIP産生腫瘍、およびソマトスタチノーマはまれであるが、しばしば他の膵十二指腸NETよりも悪性腫瘍の割合が高い。 [22] これらの腫瘍はしばしば積極的な手術で治療される。 [86]

インスリノーマ

食事療法および薬物療法を用いたインスリノーマの医学的管理はしばしば成功しない;この腫瘍に対する治療の中心は手術である。 [19] MEN1患者におけるインスリノーマは膵臓のいかなる部位にも位置する可能性があるが、腺遠位部に優勢で [87] [88] [89] 、散発性インスリノーマよりも転移率が高い。 [86] 手術の範囲は単一または多発性の大きな腫瘍の核出術から膵部分切除、またはその両方 [88] 、膵亜全摘または膵全摘術に及ぶ。 [87] [88] 手術アプローチが広範囲になるほど再発率は低くなるが [75] [76] [88] [90] 、術後の罹病率は高くなる。インスリノーマはしばしば非機能性膵腫瘍に伴って発生するため、インスリン過剰の源を明らかにするために選択的動脈内カルシウム注入試験(SAS試験)が必要となることがある。 [91] インスリン/グルコースを手術中にモニタリングすることで、インスリン分泌腫瘍の切除が成功しているかどうかの判定に役立つことがある。 [82] [92]

ガストリノーマ

MEN1関連ガストリノーマのほとんどは十二指腸に発生する。これらの腫瘍は典型的に多病巣性でガストリン分泌過多を引き起こし、その結果、消化性潰瘍疾患を発症する(ゾリンジャー・エリソン症候群)。多病巣性のため、外科的完全切除は困難である。何らかの外科的介入を検討する前に症状を管理することが不可欠である。歴史的には、いくつかのグループにより、腫瘍が比較的小さく(画像検査で2.0cm未満)、薬物療法(例、プロトンポンプ阻害薬またはヒスタミン-2拮抗薬)を用いることで症状が緩和している患者では注意深い観察が推奨されている [93] ;しかしながら、このアプローチがすべての患者に最適とは限らない。

発表されている数件のシリーズで、原発腫瘍のサイズと遠隔転移率には正の相関があることが示されている。1件のレトロスペクティブ研究により、腫瘍径が3cmを超える患者の61%が肝転移を有したことが示された。 [24] 別のシリーズでは、腫瘍径が3cmを超える患者の40%が肝転移を有していた。 [94] 対照的に、これらの両シリーズで腫瘍径が3cm未満の患者では肝転移率が有意に低かったことが示された(それぞれ、32%および4.8%)。これらの研究や他のデータに基づいて、多くのグループでは腫瘍径が2cm超の非転移性ガストリノーマの患者で手術が推奨されている。 [19] [77]

ガストリノーマに対する手術の種類は多くの因子によって異なる。Whipple法は、術後の高い合併症発生率および糖尿病や吸収不良などの長期の合併症を考慮すると、初回手術としては一般的に推奨されない。比較的範囲の狭い手術ではさまざまな結果が記述されている。少なくとも、十二指腸腫瘍の位置を突き止めて切除するため術中の触診および/または超音波検査を併用する十二指腸切除術と膵臓周辺リンパ節郭清が実施される。 [81] [95] ガストリノーマ患者のほとんどで膵臓全体にNET(これらの一部は非機能性である)が同時に認められるため、十二指腸腫瘍の切除に加えて膵尾部切除および膵頭部腫瘍の核出術を推奨するグループもある。 [81] [95] [96]

非機能性NET

MEN1患者の約50%が非機能性NETを発症する。 [21] [26] これらはしばしば、機能性腫瘍の評価および探索中に偶発的に確認される。ガストリノーマと同様に、転移率は大きな腫瘍径と相関する。 [26] 腫瘍径が1.5cm未満の場合はリンパ節転移が存在する可能性が低いが [97] 、転移病変の存在は、膵十二指腸NETのない患者と比べて死亡時年齢の低さと関連付けられている。 [26] [98]

下垂体腫瘍

MEN1関連下垂体腫瘍に対しては、分泌過多を抑えるための医学療法がしばしば第一選択治療である。136人の患者を対象にした1件のシリーズで、分泌性腫瘍を有する患者の約2分の1で医学療法が成功し(116人中49人、42%)、抑制の成功は小さい腫瘍径と相関した。 [99] この治療に抵抗性を示した患者には、しばしば手術が必要である。放射線療法は外科的切除が不完全であった患者にのみ使用される。 [19] [100]


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多発性内分泌腫瘍2型

臨床記述

多発性内分泌腫瘍2型(MEN2)に観察される内分泌異常は、甲状腺髄様がん(MTC);これに先行するC細胞過形成(CCH)(最近の公表文献でC細胞新生物またはC細胞上皮内(in situ)がんと呼ばれている) [1] ;褐色細胞腫(PHEO);ならびに副甲状腺腺腫および/または過形成である。MEN2関連MTCはしばしば両側性および/または多病巣性であり、CCHクローン性C細胞増殖の状況で発生する。対照的に、散発性のMTCは一般に片側性および/または単発性である。散発性の約75~80%の症例はCCHにも関連していることから、この病理組織学的特徴を家族性疾患の予測因子として使用することはできない。 [2] 甲状腺に触知可能な腫瘤がある患者または下痢を伴う患者では、所属リンパ節(すなわち、副甲状腺、気管傍、深頸、および上縦隔)、または肝などの遠隔部位にMTCが転移して拡がることが多い。 [3] [4] 転移を生じるPHEOは1%未満だが、難治性の高血圧症、または麻酔による高血圧クリーゼの症例では、PHEOが臨床的に重要な場合がある。MEN2における副甲状腺異常の範囲は良性副甲状腺腺腫または多腺性の過形成から、高カルシウム血症および腎結石を伴う臨床的に明らかな副甲状腺機能亢進症にわたる。

歴史的に、個人または家族に特定の内分泌腫瘍があるかどうかによって、MEN2を有する個人および家族は以下の3つの臨床的亜型のいずれかに分類されていた:

  1. MEN2A(OMIM)。
  2. 家族性甲状腺髄様がん(FMTC)(OMIM)。
  3. MEN2B(OMIM)(ときにMEN3と呼ばれる)。

現在の層別化は、表現型のみに基づく分類から、遺伝型(すなわち、病原性多様体)と表現型に基づく分類へ移行しつつある。 [5] 現在の推奨では、2つのMEN2症候群:MEN2AおよびMEN2Bが提案されている。MEN2A症候群は、関連疾患の存在を基にさらに分類される。例えば、古典的なMEN2Aには、MTC、PHEO、および/または副甲状腺機能亢進症を伴うものが含まれる。その他の分類には、皮膚アミロイド苔癬(CLA)を伴うMEN2A、ヒルシュスプルング病(HSCR)を伴うMEN2A、およびFMTC(RET 生殖細胞病原性多様体およびMTCが存在するが、PHEOまたは副甲状腺機能亢進症の家族歴を認めない)がある。 [1] 予後および管理方法を決定するためには、MEN2の亜型別に患者または家族を分類するのが有用である。

MEN2の有病率は35,000人に約1人と推定されている。 [6] MEN2症例の大多数がMEN2Aである。

MTCおよびCCH

MTCは甲状腺のカルシトニン分泌細胞(C細胞)に由来する。C細胞の細胞巣が基底膜を越えて拡大し、甲状腺濾胞に浸潤し、これを破壊している場合にMTCであると診断する。CCHは議論のある診断名だが、ほとんどの病理医は、cluster当たりのC細胞が8個以上、C細胞に囲まれた完全な濾胞、正常な解剖学的位置を越えたC細胞の分布としてCCHが定義されることに同意している。 [1] [7] [8] [9] RETREarranged during Transfection:トランスフェクション中の再構成)病原性多様体およびCCHを有する個人はMTCに進行するリスクが実質的に高いものの、そのような進行は普遍的ではない。 [10] [11] 血漿中カルシトニン濃度が高値を示しているとMTCおよびCCHが疑われる。

10,864人の結節性甲状腺疾患の患者の研究では、カルシトニンによる刺激の後で、MTCが44症例(250例ごとに1例)見つかり、そのうちいずれの症例も臨床的に疑わしいものではなかった。結果的にこれらの患者の半数は、針生検でMTCの証拠を認めず、したがってカルシトニン刺激検査陽性がなければ、手術を受けていなかった可能性がある。 [12] カルシトニン刺激試験陽性と関連するCCHは一般集団の約5%に発生する;それゆえ、血漿中カルシトニンの刺激反応によって必ずしもCCHを小さいMTCと鑑別することはできず、またMEN2家系におけるキャリア非キャリアを必ずしも識別できない。 [10] [11] [13]

米国において、MTCは毎年診断される甲状腺がん新規症例の2~3%を占めるが [14] 、この割合は、診断技術の変化によってもたらされる真の発生率を過少表示している可能性がある。米国で毎年診断されるMTCの新規症例総数は1,000人~1,200人で、その約75%が散発性である(すなわち、MTC、またはMEN2にみられる他の内分泌異常の家族歴がいずれもない場合に発生する)。散発性症例の発生率のピークは40歳代~50歳代にある。 [3] [15] 英国の1件の研究では、人口5,500万人のうち年間20~25例が新たにMTCを発生すると推定されている。 [16]

家族歴を有さない場合、MTCが若年で発症するかまたは両側性または多病巣性であればMEN2が疑われよう。散発性MTCと思われる症例の小規模シリーズでは、生殖細胞系のRET病原性多様体の高い保有率が示唆されるが [17] [18] 、より大規模なシリーズでは、保有率において1~7%の幅を示している。 [19] [20] これらのデータに基づき、MTCの全症例に対してRET 遺伝子の病原性多様体検査の実施が広く推奨されている。 [1] [21] [22] [23]

証拠レベル(スクリーニング):3

MTCの自然史

米国において、甲状腺がんは毎年新たに発生する悪性腫瘍の約3%を占め、1年当たりのがん診断症例は53,990人、死亡数は2,060人と推定されている。 [24] これらのがん診断症例の2~3%がMTCである。 [14] [25]

MTCは、カルシトニンを分泌する甲状腺傍濾胞細胞に由来する。MTCは散発性および家族性の形で発生し、先にCCHが現れることがあるが、CCHは中年期に比較的よくみられる異常である。 [7] [8]

MTCの平均生存率は、より多くみられる甲状腺がんよりも低い(例えば、甲状腺乳頭がんおよび濾胞がんの5年生存率が90~94%であるのに対して、MTCの5年生存率は83%である)。 [25] [26] 生存率は診断時の病期に相関し、MTCの生存率が低い原因の1つは後期での診断の割合が高いことにあると説明できる。 [25] [26] [27]

診断時の病期が早期であることに加え、MTCの生存率の向上と関連しているその他の因子には、腫瘍が小さいこと、診断時の年齢が低いこと、症状による診断よりも生化学的スクリーニング(すなわち、カルシトニン値の上昇に対するスクリーニング)による診断であることなどがある。 [27] [28] [29] [30]

MTC患者1,252人を対象としたSurveillance, Epidemiology, and End Resultsの集団ベースの研究で、局所病変の拡がりによって、生存率が異なることが明らかにされた。例えば、10年生存率では、甲状腺に限局した病変を有する患者に対する95.6%から、遠隔転移を有する患者の40%までの幅があった。 [28]

遺伝性MTC

MTC症例のほとんどが散発性である一方で、約20~25%はRETがん原遺伝子における病原性多様体による遺伝性である。 [31] [32] [33] RET遺伝子における病原性多様体は、高いMTC生涯リスクと関連した常染色体優性疾患のMEN2を引き起こす。多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)(OMIM)は、常染色体優性遺伝性の内分泌症で、遺伝学的にも臨床的にもMEN2とは異なる;しかしながら、MEN1とMEN2の疾患名が類似していることで混乱を招くことがある。MEN1では甲状腺がんに対するリスクは増加しない。(詳しい情報については、本要約のMEN1のセクションを参照のこと。)

MEN2関連PHEO

PHEO(OMIM)は、副腎髄質のカテコールアミン産生性のクロム親和性細胞から発生する。褐色細胞腫は比較的まれな腫瘍であるが、難治性高血圧症の患者、または24時間採尿または血漿中のカテコールアミン分泌およびカテコールアミン代謝物(すなわち、ノルエピネフリン、エピネフリン、メタネフリン、およびバニリルマンデル酸)の増加が生化学的スクリーニングによって明らかにされた場合に疑われる。以前は、尿中カテコールアミンの測定が好ましい生化学的スクリーニング方法であると考えられていた。しかしながら、カテコールアミンの放出が間欠性のみであり、副腎髄質でメタネフリンおよびノルメタネフリンに代謝されることから、尿中または血漿分画メタネフリンの測定がゴールドスタンダードとなっている。 [34] [35] [36] [37] [38] [39] MEN2であるか、MEN2のリスクが高い個人における生化学的スクリーニングでPHEOが示唆される場合は、磁気共鳴画像法(MRI)またはコンピュータ断層撮影などの位置確認のための検査を実施できる。 [40] 診断の確定は、ヨウ素I131-メタヨードベンジルグアニジン・シンチグラフィまたはポジトロン放射断層撮影画像法を用いて行われる。 [11] [40] [41] [42]

MEN2の診断は、両側性PHEO患者、発症年齢が低い(35歳未満)患者、ならびにMTCまたは副甲状腺機能亢進症の個人歴および/または家族歴を有する患者においてしばしば考慮される。しかしながら、PHEOの素因をもつ遺伝性疾患はMEN2だけではない。他の疾患には、神経線維腫症1型(NF1)、フォン・ヒッペル-リンダウ症候群(VHL) [43] 、および遺伝性パラガングリオーマ症候群がある。 [44] (VHLに関する詳しい情報については、腎がんの遺伝学に関するPDQ要約のフォン・ヒッペル-リンダウ症候群のセクションを参照のこと。)散発性PHEOとみられるドイツの患者271人 [45] 、フランスの患者314人 [46] 、およびイタリアの患者57人(計642人)を含む大規模な欧州共同研究では、既知のPHEO/機能性パラガングリオーマ感受性遺伝子NF1RETVHLSDHB、およびSDHD)が解析された。 [47] このシリーズにおけるNF1の診断は臨床的に下されたが、他のすべての疾患は原因遺伝子における生殖細胞病原性多様体の存在に基づいて診断された。166人(25.9%)の患者の疾患は、家族歴陽性と関連していた;生殖細胞病原性多様体が、RET(n = 31)、VHL(n = 56)、NF1(n = 14)、SDHB(n = 34)、またはSDHD(n = 31)で検出された。厳密な臨床評価および家系(pedigree) 分析では、検査前または検査後のいずれかで、家族歴陽性および/または症候的所見を示す患者のうち58.4%が病原性多様体のキャリアであったのに対して、無症状および/または家族歴陰性の患者では12.7%であったことが明らかになった。RETの生殖細胞病原性多様体を認める31人のうち、28人(90.3%)は家族歴陽性および/または症候的所見を示したため、RET病原性多様体およびPHEOを認めるほとんどの人は家族歴陽性であるか、この疾患の他の症状を認めることが示唆される。

原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)

PHPTは、一般集団において3番目に一般的な内分泌異常である。発生率は年齢とともに増加し、症例の大多数は50歳代を過ぎてから発症している。症例の約80%は1腺にある腺腫の結果である。 [48] PHPTはまた、以下のようないくつかの異なる遺伝性症候群を構成している腫瘍の1つとしてみられる:


  • MEN1。

  • 副甲状腺亢進症-顎腫瘍症候群。

  • 家族性孤立性副甲状腺機能亢進症。

  • MEN2。 [49] [50] [51]

遺伝性PHPTは典型的に多腺性で、若年期に発症し、腺腫と腺過形成の両方の組織学的証拠を有することがある。

MEN2亜型の臨床診断

2つのMEN2臨床的亜型の診断は、臨床所見、家族歴、およびRET遺伝子(染色体領域10q11.2)の分子遺伝学的検査を併用して決定される。

MEN2A

古典的MEN2A

1人の人または近い血縁者にMTCに加えて特定の内分泌腫瘍(PHEOおよび/または副甲状腺腺腫および/または過形成)が2つ発生するとMEN2Aであると臨床的に診断される。 [1]

古典的MEN2A亜型は、MEN2症例の約60~90%を占める。MEN2Aは初めシップル症候群と呼ばれていた。 [52] RET病原性多様体の遺伝子検査が可能になったことから、MEN2Aの患者では、約95%がMTCを発症することが明らかになっている。 [11] [53] [54] [55]

一般に、MTCがMEN2Aの最初の症状発現である。症状はないがリスクのある人では、刺激試験によって血漿カルシトニン濃度の増加、およびCCHまたはMTCの存在を明らかにできる場合がある。 [11] [54] MEN2Aの家族では、MTCの生化学的発現時期が一般に5~25歳(平均15歳)のようである。 [11] 症状発現前にスクリーニングを実施していなければ、約5~20歳で頸部腫瘤または頸部痛としてMTCが発現するのが一般的である。このような患者の50%以上に頸部リンパ節転移がみられる。 [3] 最も好発する全身的症状である下痢は、著しく高い血漿中カルシトニン値または巨大腫瘤および/または肝転移を認める患者にみられ、予後不良を意味する。 [1] [3] [56] [57] MTC患者の最大30%までが下痢および進行疾患を示す。 [58]

MEN2関連PHEOはしばしば両側性、多病巣性であり、腫瘍外の髄質過形成と関連している。 [59] [60] [61] これらはまた発症年齢が早い;散発性の褐色細胞腫よりも悪性である可能性は低い。 [59] [62] 通常、MEN2関連PHEOはMTCの後に発現し、概して難治性高血圧症を伴う。 [63]

MEN1にみられるPHPTとは異なり、MEN2患者における副甲状腺機能亢進症は典型的には無症状であるか、カルシウムのわずかな上昇のみと関連している。 [58] [64] MEN2に関連した副甲状腺機能亢進症患者56人の症例集積が、French Calcitonin Tumors Study Groupによって報告されている。 [64] 診断時の年齢中央値は38歳であり、この疾患がMEN2の最初の症状発現としては、まれであることが示された。これは、大多数の患者(87~99%)が最初に原発性副甲状腺機能亢進症を発症するMEN1とは著しい対照をなしている。 [65] [66] [67] 副甲状腺異常は、甲状腺髄様がんの手術に付随して43人の患者(77%)で認められた。患者の3分の2は無症状であった。手術により副甲状腺を切除した53人の患者のうち、1腺に腺腫が認められたのが24人、2腺に認められたのが4人、また25人に過形成腺が認められた。

皮膚アミロイド苔癬を伴うMEN2A

MEN2Aの少数の家族に、皮膚アミロイド苔癬として知られるそう痒性の皮膚病変がみられる。この苔癬様の皮膚病変は背中の上部にみられ、MTC発症前に現れることもある。 [68] [69]

ヒルシュスプルング病(HSCR)を伴うMEN2A

HSCR(OMIM)は、新生児に腸拡大および便秘または腸の閉塞を典型的に引き起こす結腸の腸壁内神経叢の異常で、少数のRET病原性多様体を有する患者に認められる。 [70] 家族性HSCR例の最高40%および散発性例の3~7%は、RETがん原遺伝子の生殖細胞系の病原性多様体と関連しており、HSCR1と指定されている。 [71] [72] このようなRET病原性多様体の一部は、MEN2AまたはFMTCの発生につながるコドン(すなわち、コドン609、618、および620)に位置していることがより多い。 [70] [73]

44家族の研究において、7家族(16%)にMEN2AおよびHSCR1の共分離がみられた。1件のシリーズで、MEN2Aでエクソン10のシステイン残基に多様体を有するある家系の構成員がHSCR1を示す確率が6%と推定されている。 [71] さらに、RET多様体の多施設国際共同研究では、C618RまたはC620Rの多様体のいずれかを保有する62家系(kindred)のうち6家系が、HSCRも保有していた。 [53]

比較ゲノム分析および機能的ゲノム分析とともに家系ベースの関連研究を用いた新たな解析アプローチによって、イントロン1内の保存されたエンハンサー様の配列中によく見られるRET 多様体は、既知のすべてのRET病原性多様体に比べて、HSCRに20倍大きく寄与することが明らかにされた。 [74] この病原性多様体は浸透度が低く、男女で遺伝的影響が異なる。息子への伝達は、感受性が5.7倍に増加し、娘への伝達は、感受性が2.1倍に増加する。この知見は男性のHSCR発生率が高いことと一致している。RETにおいてよく見られる非コード化多様体およびHSCRのリスク間の強い関連性を証明することはまた、RET連鎖家系においてコード化病原性多様体がこれまで発見できていない説明にもなる。

図2は、ある家系内でのMEN2Aの典型的な発現の一部を示している。

図2.MEN2A家系(pedigree) 図。この家系(pedigree) 図は、RET病原性多様体を有する家系の典型的な特徴の一部を4世代にわたって示し、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症に罹患している家系員を記載している。発症年齢は家系内でさえ、非常に幅広い。甲状腺髄様がんは、遺伝子型によって、後続世代でより早期の発症と高い侵攻性が認められることがある。MEN2Aの家系では、これらの特徴の一部またはすべてが認められる。常染色体優性症候群と同様に、母系または父系で伝達する場合がある。

小児における口腔および眼球の神経腫の存在および/またはやせてひょろ長い容姿は、追加の調査を要する場合がある。 [75] MTCを有するか、以下の特徴のいずれかを有する個人には、遺伝カウンセリングへの紹介を推奨している著者もいる: [75] [76]


  • 良性の口腔および粘膜下の神経腫。

  • 面長および口唇肥大。

  • 神経節神経腫症。

  • 流涙不全(生物学的機序は不明)。

家族性甲状腺髄様がん(FMTC)

FMTCの亜型は、MEN2症例の5~49%を占め、家系内にPHEOまたは副甲状腺腺腫/過形成が認められず、MTC症例が4例以上あるものとして定義されている。 [53] [77] 家族内のMTCが2例または3例であり、PHEOおよび副甲状腺疾患のスクリーニングのデータが不完全である場合、実際にはMEN2Aの可能性がある;このような家族は「未分類」とすべきであると提唱されている。 [16] [78] MEN2Aの家系を(家族の人数が少なすぎるため、あるいは他のMEN2A症状の発現が遅いために)FMTCと誤って分類すると、罹病率および死亡率が著しく高い疾患であるPHEOのリスクを見過ごすことにつながる恐れがある。こうした理由から、FMTCは別の疾患を表しているのか、MEN2A症候群の中で他の(非甲状腺性)症状が発現しないか、あるいは発現が遅いような異なる種類のMEN2Aであるのかについての論争がある。 [79] したがって、一部の著者らは [1] 、純粋なFMTCと考えられる患者は、PHEOおよび副甲状腺機能亢進症についてもスクリーニングするよう推奨している。このスクリーニングを実施するかどうかおよび実施頻度については議論が続いている。(詳しい情報については、本要約のPHEOのリスクがある人に対するスクリーニングおよび副甲状腺機能亢進症のリスクがある人に対するスクリーニングのセクションを参照のこと。)

MEN2B

MEN2Bは臨床的に、口唇および舌の粘膜神経腫、有髄角膜神経線維、口唇肥大を伴う独特の顔貌、マルファン症候群様の細長い体型、およびMTCの存在によって診断される。 [80] [81] [82]

MEN2BはMEN2症例の約5%を占める。MEN2Bは初め粘膜神経腫症候群またはWagenmann-Froboese症候群と呼ばれていた。 [83] MEN2Bは早い時期にすべての患者で侵攻性のMTCを発生する特徴がある。 [83] [84] 幼い時期(約1歳)に甲状腺摘出術を受けていないMEN2Bの患者は、若い時期にMTCが転移する可能性が高い。早期のリスク低減のための甲状腺摘出術による介入の実施前は、MEN2B患者の平均死亡年齢は21歳であった。MEN2B症例の約50%にPHEOが起こる;約半数は多発性で、しばしば両側性である。臨床的に明らかな副甲状腺の病変がみられることはきわめてまれである。 [53] [85] [86] MEN2B患者は、乳児期または幼児期に疾患独特の顔貌、舌の背面前方、口蓋、または咽頭の粘膜神経腫の存在によって同定できる。口唇は徐々に突出していき、朱唇に粘膜下結節を認めることがある。眼瞼神経腫が上部眼瞼縁の肥厚および外反を引き起こすことがある。細隙灯顕微鏡検査で角膜神経の著明な肥厚をみることがある。

患者の約40%がびまん性消化管神経節神経腫症である。その症状には腹部膨隆、巨大結腸、便秘および下痢などがある。患者の約75%がマルファン症候群様体型であり、しばしば脊柱後側弯症または前側弯症、関節弛緩、および皮下脂肪の減少を伴う。また、近位筋の衰弱および脱力もみられる。 [81] [82]

MEN2の分子遺伝学

MEN2症候群は、染色体領域10q11.2に位置するRET遺伝子の遺伝性病原性多様体の結果である。 [87] [88] [89] RET遺伝子はゲノム55キロベースにわたって存在する21のエクソンで構成されるがん原遺伝子である。 [90] [91]

RETは、細胞外領域、膜貫通領域および細胞内領域をもつ受容体型チロシンキナーゼをコードする。このシグナル伝達経路におけるRET受容体とリガンドとの相互作用の詳細がレビューされている。 [92] 簡単にいうと、細胞外領域はカルシウム結合カドヘリン様領域と、今日までに同定されている4つのリガンドのうちの1つと相互作用するシステインに富む領域とで構成される。例えば、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、neurturin、persephin、およびarteminといったこれらのリガンドも、GDNFファミリー受容体-αファミリーの4つの補助受容体のいずれかと相互結合する。 [92] チロシンキナーゼの触媒中心は細胞内領域に位置し、さまざまな第二メッセンジャー分子を介して下流シグナル伝達を引き起こす。正常組織には数種類の長さの転写産物が存在する。 [93] [94] [95]

遺伝子検査

MEN2は十分に確定された遺伝性がん症候群であり、遺伝子検査がリスクのある家族員に対する管理の重要な一部とみなされる。これは、米国臨床腫瘍学会の直近の遺伝子検査指針の中で概略が述べられているがん感受性に対する遺伝子検査の適応基準に合致する。 [96] リスクがあるのは、MEN2であると分かっている人の第一度近親者(両親、同胞、および子供)であると定義される。検査によって無症状のMEN2の人々を同定でき、予防処置としてリスク低減のための甲状腺摘出術および生化学的スクリーニングを提供できる。しかしながら、リスクのある近親者における陰性の病原性多様体分析結果は、罹患した近親者に病原性の多様体が同定されて初めて有益となる。(詳しい情報については、がんの遺伝学的リスク評価とカウンセリングに関するPDQ要約を参照のこと。)リスクのある人の早期発見が医学的管理に影響するため、症状がない小児に対する検査が有用と考えられる。 [96] [97] (リスクのある人に対する臨床的管理に関する詳しい情報については、本要約の遺伝子型-表現型の相関およびリスク層別化のセクションを参照のこと。)

MEN2を示唆する個人歴または家族歴の有無にかかわらず、MTCの診断を受けたすべての患者に対して、一般的にRET病原性多様体に関する生殖細胞系DNA検査が推奨される。 [22] [98] MEN2AまたはMEN2B患者の約95%が同定可能な生殖細胞系RET病原性多様体を有する。 [53] FMTCの発見率はわずかに低く88%である。 [53] 散発性MTCと思われる個人の1~10%は生殖細胞系RET病原性多様体を保有することから、MTCを診断されたすべての個人を検査する重要性が強調されている。 [17] [18] [19] [20] [99]

これ以外の遺伝子が関与するという証拠はなく、現在までに分析されている病原性多様体の検出されない家系すべてにおいてRET遺伝子との連鎖が示されている。検出可能な病原性多様体が認められない家系に対する臨床的推奨事項は罹患した患者および家族における臨床的特徴に基づく。

この方法を行うさまざまな検査施設において用いられる手技およびRET病原性多様体検査へのアプローチには、かなりの多様性がある。RETにおける多様体の検出法には、PCR産物の制限酵素消化を伴うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ヘテロ二本鎖分析一本鎖高次構造多型(SSCP)分析、変性高速液体クロマトグラフィ、およびDNA塩基配列決定法がある。 [100] [101] [102] [103] ほとんどの検査室では少なくとも、標的エクソンアプローチを用いる検査を提供している;すなわち、検査室では、最も一般的に多様体を保有することが明らかにされているエクソン(エクソン10、11、13、14、15、および16)に多様体がないかが調べられる。他の検査室ではすべてのエクソンについて検査が提供される。MEN2が臨床的に強く疑われる家族における標的エクソン検査が正常である場合は、次に残りのエクソンの塩基配列決定法を実施できる。

多様体発見法および標的 vs 全遺伝子検査におけるこれらの差異は、検査を行う施設選択および検査結果の解釈において重要な考慮事項となる。(臨床的妥当性に関する詳しい情報については、がんの遺伝学的リスク評価とカウンセリングに関するPDQ要約を参照のこと。)

遺伝子型-表現型の相関およびリスク層別化

MEN2における遺伝子型-表現型の相関は十分に確立されており、医学的管理の推奨方針を臨床家に示すために長く用いられている。いくつかのグループにより、臨床的表現型、発症年齢、およびMTCの侵攻性に基づいた病原性多様体-層別化の表が開発されている。 [1] [22] [78] この分類戦略は、2001年のMENに関するSeventh International Workshop後に初めて発表され、遺伝子検査および予防的甲状腺切除の年齢についてのガイドラインを規定した。 [22] この層別化はAmerican Thyroid Association(ATA)により改定されている。 [1] [104] 特定の病原性多様体およびそのATA分類は、下の表5に要約する。このATA分類スキームについては、臨床的な意思決定の基礎としてのプロスペクティブな検証は行われていない。

ATA最高リスク(HST)(以前にATA-Dレベルとされた)の病原性多様体は侵攻性が最も強く、MTC発症リスクが最も高い。 [1] この分類には、MEN2BおよびRETコドンM918T病原性多様体を伴うものが含まれ、発病時年齢が最も若く、死亡リスクが最も高いという関係がある。ATA高リスク(H)(以前にATA-Cと呼ばれた)の病原性多様体(コドン634およびA883F)では、やや低いリスクに関連しているが、これらの病原性多様体がある患者のMTCは、さらに侵攻性が際立っており、若い年齢で発現する場合がある。以前のATAのレベルAおよびレベルBの病原性多様体は、現在、中リスク(MOD)と呼ばれる単一グループにまとめられており、侵攻性MTCのリスクがATA-HSTおよびATA-Hの病原性多様体キャリアにみられるリスクに比べて低いことと関連している。しかしながら、MTCのリスクは一般集団のリスクよりまだ相当高く、リスク低減のための甲状腺摘出術を検討する根拠となる。 [1] ATA-MOD分類で一般的な病原性多様体には、コドン609、618、および804が含まれる。

207人のRET病原性多様体キャリアを対象とした欧州の多施設研究は、いくつかの病原性多様体が早期発症疾患と関連しているというそれまでの示唆を支持している。例えば、この研究で、C634Y病原性多様体を認める人がMTCを発症する年齢(平均3.2歳;95%信頼区間[CI]、1.2-5.4)は、C634R病原性多様体を認める人(平均6.9歳;95%CI、4.9-8.8)より有意に低かったことが明らかになった。前者の突然変異をもつ患者グループにおいては、5歳以前でのリスク低減のための甲状腺摘出術の検討が妥当である。少人数のために制約があるものの、この同じ研究では、コドン609、630、768、790、791、804または891の病原性多様体キャリアで症状がない人において、10歳以前のリスク低減のための甲状腺摘出術または20歳以前の中心リンパ節郭清の必要性を支持しなかった。 [105] 一部の著者は、これらの差異をリスク低減のための甲状腺摘出術の時期および手術範囲を決定する際の基盤として用いることを提唱している。 [22] 2件の別の研究からは、C634R病原性多様体が、MTC関連PHEOおよび副甲状腺機能亢進症のより高い浸透度ならびにC634Yにおけるよりも早い年齢でのリンパ節転移および遠隔転移のより高い可能性と関係していることを示唆するという相反する結果が明らかとなっている。 [106] この問題をさらに明確にするには、より大規模な集団を対象とした追加の研究が必要である。他に、甲状腺切除術の適切な時期を判断する基礎として、カルシトニンの基礎値および刺激後値を用いることを主張している研究者もいる。 [107] [108]

証拠レベル(甲状腺切除術の実施時期の基礎としてのカルシトニン値):4aii

コドン883および918の病原性多様体は、MEN2Bにおいてのみ認められており、最も若い発症年齢およびMTCの最も侵攻性の強い型と関連している。 [109] [110] [111] [112] [113] MEN2B患者の約95%はM918T病原性多様体を有する。 [109] [110] [111] [114] 上述のように、MEN2B患者の50%はPHEOを発症するが、PHPTはまれである。コドン883および918における多様体に加えて、MEN2B様の表現型を示す患者の一部は、2つの生殖細胞多様体を保有することが明らかにされている。 [115] [116] [117] [118] [119] RETに対する検査が実地臨床でより一般的になるにつれて、さらなる二重多様体の表現型が報告される可能性が高い。

コドン634における病原性多様体(ATA-H)はMEN2Aの家系において頻度が群を抜いて最も高い所見である。RETキャリア477人を対象とした1件の研究により、52.1%がC634R病原性多様体を、26.0%がC634Y病原性多様体を、9.1%がC634G病原性多様体を有することが示された。 [53] 一般的に、コドン634における病原性多様体はPHEOおよびPHPTと関連する。 [53] [120] 最近まで、皮膚アミロイド苔癬を伴うMEN2Aは、ほぼ例外なくコドン634に病原性多様体を有する患者でみられた。 [53] [55] [121] しかしながら、最近の報告で以前にコドン804病原性多様体のためにFMTCであると考えられたある個人においてMTCと皮膚アミロイド苔癬の併発が記述されている。 [122] コドン634病原性多様体はFMTCにおいても記述されているが、ほぼ全例がC634Yである。 [53]

まとめると、ATA-HSTおよびATA-H(以前はそれぞれレベルDおよびC)の病原性多様体では、MTCのリスクが最も高くなり(約95%の生涯リスク)、より侵攻性の疾患経過をたどる。PHEOのリスクが高い(最大50%)。 [53] [123] コドン634病原性多様体を有する患者(ただし、コドン883または918多様体ではない)はPHPTのリスクも高い。 [53]

中リスクの多様体は、RET遺伝子のエクソン10に位置し、コドン609、611、618、620、および630での多様体を含む。これらの多様体は、RET蛋白の細胞外ドメインにシステイン残基を含んでおり、MEN2Aを有する家系およびMTCのみ(FMTC)を有する家系に認められている。 [19] [53] [78] [124] [125] [126] [127] [128] これらの病原性多様体を有する個人のMTCリスクは約95~100%である;PHEOおよび副甲状腺機能亢進症のリスクは、他の中リスクの病原性多様体を有する個人でみられるリスクより低い。RET検査を受けたMTCの発端者518人を対象とした大規模シリーズでは、コドン609、611、618、620、または630に多様体を有する患者のほとんどがMTCのみを有し、他にMEN2を示唆する特徴は認められなかった。著者らにより、これは、比較的短い追跡期間、家族員の不完全なスクリーニング、または確認方法(集団ベース)の結果であるとされた。 [31] エクソン10の病原性多様体キャリア390人を対象とした別の大規模シリーズでは、エクソン10に何らかの病原性多様体を保有する個人における年齢に関係したPHEOのリスクは50歳までが23.1%、60歳までが33%であったことが明らかにされた。PHEOの全有病率は17%であった。この研究では、60歳までに副甲状腺機能亢進症を発症するリスクが3.9%であったことが報告された。 [129]

以前にATAのレベルA(ATAのレベルBについては現在ATA-MODに分類される、すなわち、コドン321、515、533、600、603、606、531/9塩基対重複、および532重複)として分類された病原性多様体を有する個人は、依然として高いものの、MTCの生涯リスクが低い。これらの病原性多様体に関連するMTCは、より緩慢な経過をたどり、発症年齢が遅い傾向があるものの、これらの病原性多様体を有する個人が20歳前にMTCを発症したという報告がいくつかある。 [53] [130] [131] [132] [133] [134] PHEOおよびPHPTはこれらの病原性多様体とは一般的に関連していないが、これらの疾患も報告されている。 [134]

表5.多発性内分泌腫瘍2型における遺伝子型と表現型の相関a

エクソン 侵攻性MTCのリスク PHEO発生率 HPTH発生率 CLAの存在 HSCRの存在
G533C 8 ~10% - No No
C609F/G/R/S/Y 10 ~10%–30% ~10% No Yes
C611F/G/S/Y/W 10 ~10%–30% ~10% No Yes
C618F/R/S 10 ~10%–30% ~10% No Yes
C620F/R/S 10 ~10%–30% ~10% No Yes
C630R/Y 11 ~10%–30% ~10% No No
D631Y 11 ~50% - No No
C634F/G/R/S/W/Y 11 ~50% ~20%–30% Yes No
K666E 11 ~10% - No No
E768D 13 - - No No
L790F 13 ~10% - No No
V804L 14 ~10% ~10% No No
V804M 14 ~10% ~10% Yes No
A883F 15 ~50% - No No
S891A 15 ~10% ~10% No No
R912P 16 - - No No
M918T 16 最高 ~50% - No No


表5に分類されている病原性多様体に加えて、まれなまたは新たな RET多様体も多数報告されている。これらの一部は、FMTCまたはMEN2表現型に至る病原性多様体である。他に、浸透度の低いアレルまたはMTC発症リスクをわずかに高めるだけの修飾アレルを示すものもある。また別のものは、臨床的意義のない良性の多型であろう。例えば、数件の研究から、症例および健康な対照間で頻度が同等であることおよび家系内の疾患と同時分離する他の病原性多様体と同時発生することに基づいて、RET多様体のp.Tyr791Pheおよびp.Ser649Leuが良性の多型である可能性が高いという有力な証拠が示されている。 [135] [136] このため、これらの多様体のキャリアはMEN2症候群を有するものとして治療されず、無症候性の家系員についてこれらの多様体の検査は一般に行われない。あらゆる他のRET病原性多様体を除外するためにエクソン8および10~16のすべてのホットスポット多様体の包括的検査が実施されることがあり、またPHEOの診断のために他の疾患関連遺伝子のより広範な検査が必要となる場合がある。(詳しい情報については、本要約の家族性褐色細胞腫および傍神経節腫症候群のセクションを参照のこと。)

MEN2A患者の臨床像を修飾する上で中立的なRET塩基配列多様体の役割を調査する研究が進行中である。PHEO、副甲状腺機能亢進症、およびMTC転移病変が発生する確率への影響について、特定のRET多型の存在が解析されている。 [137] [138] [139] ある遺伝子多様体の機能的および臨床的意義を決定するために、分離比分析、in silico解析、関連解析、機能分析など、さまざまなアプローチを適用することができる。公的に利用できるRET多様体のオンラインデータベースのレポジトリが最近開発され、これには多様体および関連する病原性、表現型、およびその他の関連する臨床情報と参考文献の完全なリストが含まれている。 [140]

サーベイランス

PHEOのリスクがある人に対するスクリーニング

MEN2AまたはMEN2Bのいずれの患者でも、甲状腺摘出術の前に適切な生化学的スクリーニングを実施して、機能性のPHEOの存在を除外できる。しかしながら、MEN2で小児PHEOはまれである。 [1] ATA-HSTまたはATA-HのRET病原性多様体を有する患者では、11歳までにPHEOの年1回のスクリーニングを検討するよう、ATAは推奨している。 [1] ATA-MODのRET病原性多様体を有する患者では、16歳までにPHEOの定期的なスクリーニングを開始するよう、ATAは推奨している。 [1] 生化学検査結果が異常な場合に限り、MRIまたは他の画像検査を指示してもよい。 [27] [141] 散発性または遺伝性のPHEO(MEN2の患者を含むが、限定するものではない)の患者を対象とした諸研究では、カテコールアミン排泄が偶発性のために、カテコールアミン代謝物、特に血漿遊離型メタネフリンおよび/または尿分画メタネフリンの測定の方が、尿中カテコールアミンより高い診断的感度が得られることが示唆されている。 [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [142] 数件のレビューでPHEOの生化学的診断、位置確認、および管理に関する簡潔な要約が発表されている。 [40] [143] 手術に加えて、カテコールアミン過剰の患者が特に危険となる臨床状況がある。1つの例は、リスクのある健常女性患者が妊娠する場合である。妊娠、分娩または出産により、認識されていなかったPHEOを保有する患者に高血圧の発作が起こることがある。カテコールアミン過剰が認められる妊娠者には、出産前に適切な薬物療法が必要である。

証拠レベル:5

副甲状腺機能亢進症のリスクがある人に対するスクリーニング

一般にMEN2に関係した副甲状腺機能亢進症は、この病気の自然史の初期にみられ、軽度でしばしば無症状であるが、治療を行わないと症状が現れることもある高カルシウム血症と関連している。 [64] MEN2では、小児副甲状腺機能亢進症はまれである。3件の研究では、その診断時年齢の中央値が約38歳であることが明らかになった。 [64] [144] [145] 副甲状腺機能亢進症では年1回のスクリーニングをATAは推奨しており [1] 、ATA-HSTおよびATA-Hの病原性多様体キャリアでは11歳までに、 ATA-MODのRET病原性多様体キャリアでは16歳までにスクリーニングを開始する。 [1] インタクト副甲状腺ホルモン(PTH)を測定しているかどうかにかかわらず、典型的にはアルブミン補正カルシウムまたはイオン化血清カルシウムを検査に含める。

証拠レベル:5

同定可能なRET病原性多様体をもたない家系(kindred)のリスクがある人に対するスクリーニング

リスクのある個人に対しては、MEN2Aが確認されない限りリスク低減のための甲状腺摘出術はルーチンに実施されない。MEN2Aの患者におけるMTCのスクリーニングプロトコルは年1回のカルシトニン刺激検査である;しかしながら、集団の約5%にMTCの前駆症とはならないCCHがあることから、検査結果の解釈には注意が必要である。 [10] [11] [146] さらに、15歳未満の患者において、偽陰性検査結果のかなりのリスクがある。 [11] PHEOおよび副甲状腺疾患のスクリーニングは上記と同じである。

FMTCのリスクがある患者については、MTCの年1回のスクリーニングはMEN2Aの患者と同じである。

証拠レベル:5

介入

リスク低減のための甲状腺摘出術

リスク低減のための甲状腺摘出術がMEN2患者に対して選択すべき腫瘍学的治療法となる。リンパ節および副甲状腺を含む頸部中央区域の管理では患者の年齢、疾患負荷、および血清カルシトニン値を考慮する必要がある。予防的甲状腺摘除術および/またはcentral neck clearance時に脈管切除された副甲状腺の選択的自家移植により、4つすべての副甲状腺の切除と同等の転帰が得られる。この選択的アプローチによって副甲状腺機能低下症の有害な転帰も有意に減少する。 [147] しかし、手術の最適な時期については見解の一致をみていない。 [4] リスク-ベネフィット比、外科的専門知識と手術結果、長期フォローアップのための医療アクセス、生涯にわたる甲状腺ホルモン補充療法の漸増/漸減、手術合併症のリスク評価を含む集学的アプローチを小児内分泌医、外科医、プライマリケア医、および患者とともに慎重に考慮してもよい。

対照的に、RET遺伝子の病原性多様体キャリア84人を対象としたプロスペクティブ解析により、甲状腺全摘出術の時期を判断するためにカルシトニンの基礎値およびペンタガストリン刺激後値が使用可能なことが明らかになった。 [107] カルシトニンの基礎値または刺激後値が10pg/mLを超えていれば、甲状腺全摘出術およびcentral neck dissection(central neck dissection)が強く推奨された。このシリーズでは、カルシトニンの基礎値が60pg/mL未満であれば、常に甲状腺内MTCとの関連が認められた;手術を受けた患者56人のうち、転移病変が認められたものはいなかった。これらの知見は、RET病原性多様体の遺伝子キャリアでは、カルシトニンの基礎値または刺激後値が10pg/mLを超えるまで、無病状態(すなわち、術後6~12ヵ月でカルシトニンの基礎値および刺激後値が検出できない状態)に達する可能性を保持したまま、手術を安全に遅らせることができることを示唆している。遺伝子キャリアの若い世代では、患者が年を経るまで手術を遅らせることで、手術による合併症のリスクが低下する可能性があるため、このアプローチの有益性は特に顕著である。このアプローチは有望であるが、現在のところ、米国ではペンタガストリンは刺激試験に利用できない。ペンタガストリンの代替としてカルシウムを利用できるが、カルシウムの妥当性は広く確認されていない。

ATA-MODの病原性多様体(コドン533、609、611、618、620、791、および804を含む)を有するリスクのある個人503人を対象にした1件のシリーズで、累積浸透率、MTC発症までの期間中央値、術前カルシトニンの予測値が報告された。 [108] 50歳までにMTCを発症するリスクは18~95%で、コドンによって異なり、コドン620で浸透率が最も高かった。MTCのほとんどの患者はリンパ節転移陰性であり、これらの病原性多様体でこれまでに報告されている比較的緩慢な疾患経過が確認された。術前のカルシトニン高値はMTCの存在を強く予測するが、多くのコドンで偽陰性率が比較的高い(MTCでは通常のカルシトニン値が低い)ことが指摘された。この情報は、手術の決定について病原性多様体キャリアにカウンセリングを行う場合に有用である。

別の研究で、カルシトニン濃度が甲状腺切除の時期を判断する有用なアプローチとなる可能性が確認されている。 [148] この研究では、RET病原性多様体キャリアで、その多くが最高レベルのリスクの病原性多様体を保有し、20歳を過ぎるまで手術を遅らせていた24人を対象に、予防的甲状腺切除術の時期を判断するために、カルシトニンの術前基礎値および超音波検査所見を利用した。手術を受けた17人すべての患者は、完全自動化化学発光イムノアッセイで術前のカルシトニン値が高かった。17人中15人がMTCであったが、リンパ節転移および/または局所組織浸潤が認められたのはわずか2人で、17人中16人が22ヵ月の時点で無病状態であった。2人の患者がCCHであった。注意すべき点として、MTC患者15人のうち、ラジオイムノアッセイを用いてカルシトニン値が高かったのはわずか6人であった。この研究では、疾患負担が低い患者集団が少ないことから限界があるが、一部のカルシトニン分析は他の方法より感度が高い可能性を示唆している。

病原性多様体解析が利用可能になる前に、MEN2Aを有する1つの大家系を対象に生化学的スクリーニングを実施した研究では、臨床的に疾患の証拠が得られなかった家系員22人がカルシトニン値が高いために甲状腺摘出術を受けた。平均11年間の追跡期間中、全員に臨床的疾患は認められず、22人のうち3人に術後の一時的なカルシトニン値の上昇が認められた。 [149] しかしながら、3歳未満の小児における年齢別のカルシトニン値に関するデータが欠けていることから、生化学的スクリーニングの使用には限界がある;この年齢層でこれらの値を解釈する際は注意すべきである。 [1]

オランダの腫瘍登録から抽出したMEN2患者93人を対象とした研究では、早期の予防的甲状腺切除術の重要性が報告されている。 [150] この患者群は、すべて遺伝性MTCであることが判明しているオランダ人の患者であった;症例のほとんど(67%)がコドン634の病原性多様体であった;MEN2Bの症例はわずか6%であった。このシリーズの患者は、生化学検査(RET採用前の時代)またはRET病原性多様体解析のいずれかによるスクリーニングを受けた。いずれの群でも、患者はより高い年齢で手術を受けたが、RET採用前の時代から抽出された患者の割合が有意に高かった(96% vs 69%、P = 0.004)。予防的甲状腺切除時の年齢が高いほど、術後の持続性/再発性疾患のリスクが高いという有意な関係があった。甲状腺全摘術時の年齢が若いと手術合併症のリスクが高いという関係が心配されるが、この研究ではそのような証拠は認められなかった。

別の2件のケースシリーズから、RET病原性多様体の検査後、リスク低減のための甲状腺摘出術を早期に実施することを支持する追加データが得られている。 [151] [152] 両シリーズに報告されている症例には選択バイアスがかかっている可能性がある:一方の研究は国民登録から甲状腺摘出術を受けた患者71人を報告しているが、その患者選択方法を明確にしておらず、もう一方の研究はある照会センターで診察された21人について報告したものである。 [151] [152] いずれの研究でも、MEN2またはFMTCの家系に属し、RET病原性多様体が認められた子供のシリーズに、CCHのスクリーニングおよびリスク低減のための甲状腺摘出術を実施した。これらの研究は、MEN2患者の93%およびFMTC患者の77%にMTCがみられたことを報告した。より大規模な研究では、年齢と腫瘍の大きさ、リンパ節転移、術後再発、および平均基礎カルシトニン値との間に相関を認めた。手術による合併症はまれであった。 [151] 病原性多様体検査に基づく甲状腺切除と生化学的スクリーニングに基づく甲状腺切除の治療成績を比較した研究はない。

1件の大規模シリーズでは、早期の甲状腺全摘術(1~5歳、n = 42)または晩期の甲状腺摘出術(6~20歳、n = 218)のいずれかを受けた0~20歳のMEN2A患者260人が確認された。 [153] MTCが浸潤性または転移性である割合は、早期の年齢で手術を受けた被験者(57%)の方が晩期の年齢で手術を受けた被験者(76%)より有意に低かった。研究デザインの制限の結果として追跡調査の情報はコホートの28%でしか利用できず、この系統的に選択されていないサブグループに対する追跡期間中央値はわずか2年であった。持続性または再発性の疾患は、早期手術患者9人中では報告例がなかったのに対し、晩期手術の患者では65人中21人に報告された。いずれの知見も、6歳前に手術を受けた患者の方が転帰が良好であるという仮説と一致するが、データの性質上、これが決定的な結論とはいえない。最後に、証拠から、コドン634の病原性多様体キャリアの個人は、コドン804、618または620に病原性多様体がある個人よりも、浸潤性または転移性MTCの発現傾向、および持続性または再発性疾患の発症傾向がはるかに高いことが示唆されている。

若年で臨床的に無症状のMEN2Aの個人を対象とした1件の研究が、早期の甲状腺摘出術によりMTCを予防または治癒できるかを判断するために実施された。 [154] この研究では、連続してRET病原性多様体キャリアと同定され、19歳以下で甲状腺摘出術を受けた50人が対象となった。CCHに対する術前のスクリーニングにはカルシトニン濃度の基礎値および刺激後値が含められ、術後の追跡調査は年1回の身体診察および断続性のカルシトニン濃度の基礎値および刺激後値で構成された。50人全員が少なくとも5年間の追跡調査を受けた。手術時に50人中33人の患者にMTCが同定されたが、平均7年間の追跡で50人中44人(88%)には持続性または再発性疾患の証拠は認められなかった。MTC残存を示すと考えられる基礎時および刺激時のカルシトニン異常が6人の患者に認められた。8歳未満で手術を受けた22人の患者でMTCの証拠が認められた者はなかった。このデータにより、早期(8歳未満と定義)で甲状腺摘出術を受け、リンパ節転移の証拠が認められない患者では持続性または再発性疾患の発生率がより低いということが示唆された。

術前のカルシトニン基礎値が正常でも、患者がMTCである可能性を否定できない。RET病原性多様体キャリア80人を対象とした1件の研究では、14人のキャリアはカルシトニン検査が正常であったが、これらの患者の8人に甲状腺摘出術時に小さなMTC病巣があることが発見された。 [11] 他の研究でも、遺伝子検査でMEN2が陽性であったことに基づいて14人の小児に対して甲状腺全摘術を実施した際に、これらの知見が確認された [83] ;11人にMTCが認められたが、術前に刺激時のカルシトニン値が高かったのはわずか4人であった。カルシトニン基礎値では術前にMTC患者をすべて特定できない可能性があるが、この検査は術後の寛解、リンパ節転移、および遠隔転移の予測因子として有用である。 [155] 単一施設の患者224人を対象としたある研究では、術前のカルシトニンの基礎値が500pg/mLを超えていれば、生化学的寛解を達成できないことが予測された。 [155] この研究の著者らは、カルシトニン基礎値が40pg/mL(正常値は10pg/mL未満)でリンパ節転移が現れ始めることを明らかにした。リンパ節陽性の患者では、カルシトニン基礎値が150pg/mL~400pg/mLで遠隔転移が明らかになった。最新の高感度カルシトニン分析法を用い、308人のRETキャリアを対象とした研究では、術前のカルシトニン基礎値が正常であれば、リンパ節転移の存在が否定される(陰性適中率100%)ことが判明した。 [156] したがって、術前のカルシトニンの基礎値は有用な予後予測因子であり、外科的アプローチの指針に役立つ可能性がある。

疾患の生化学的証拠が得られる前(術前のカルシトニンが正常)でも、甲状腺切除により再発のリスクが減る可能性はあるが、残存するMTCまたは再発MTCのモニタリングを継続することが依然として推奨される。 [1] [157] 甲状腺切除を受けたMEN2A患者で、最初は検知できなかったカルシトニンの基礎値および刺激後値(2pg/mL未満)が術後5~10年で陽性になったことを基に、10%に疾患の再発が認められたことを明らかにした研究が1件ある。 [154] 予防的手術後にカルシトニンの基礎値および刺激後値の継続的な上昇で評価される残存病変が認められた患者はわずか2%であった。 [154]

MEN2の自然史に関する疑問は残る。多くの情報が得られるにつれて、甲状腺摘出術に最適な年齢に関する推奨内容や、遺伝的および生化学的スクリーニングの潜在的役割が変わる可能性がある。例えば、ある症例報告ではMEN2Aの同胞2人に5歳未満でMTCを認めたことが報告されている。 [158] これに対して、もう1つの症例報告は、FMTC家系の一部に中年期以降でがんの発症が認められたこと、およびFMTC遺伝子型を保有しているががんを発症していなかった高齢の血縁者にがんの発症が認められたことを記述している。 [159] 特定の病原性多様体(例えば、Cys634)が有意に不良な予後をもつ可能性が確認されれば、その特異的なRET多様体を知ることに基づいて介入を個別化できる可能性がある。 [153] このような臨床的観察から、MEN2症候群の自然史が多岐にわたり、RET病原性多様体の種類、RET以外の遺伝子、行動因子、または環境曝露に関連する修飾作用に左右される可能性が示唆されている。

証拠レベル:5

MTCの治療

MTCの成人に対する標準的治療法は、後部カプセルを含めた甲状腺全体の外科的切除および頸部中央区域リンパ節郭清である。 [1] M918T病原性多様体を有する小児では、生後1年以内、おそらく生後数ヵ月での甲状腺摘出術から利益が得られる可能性がある。 [1] 一般に副甲状腺が識別可能で、上皮内(in situ)が十分な血管新生を受け、生存可能または自家移植されているかどうかに基づいて、central neck dissectionを予防的に実施する決断が下される。 [1]

同様に、ATA-H分類の病原性多様体を有する小児は、血清中カルシトニン値に基づいて5歳以前に甲状腺摘出術を予防的に受けることができる。central neck dissectionは、典型的にリンパ節転移の証拠が画像検査で得られている場合または血清中カルシトニン値が40pg/mLを上回る場合にのみ実施される。 [1]

ATA-MODの病原性多様体を有する小児では、身体診察、 頸部の超音波検査、および血清中カルシトニン値の測定を5歳程度から開始するよう、ATAは推奨している。 [1] カルシトニンに異常がみられない場合は、6~12ヵ月ごとに測定を継続するように勧めてもよい。小児科医および外科医を含む患者に対応する集学的チームは、血清中カルシトニン値の傾向、超音波検査所見、家族の意向、および治療担当医の経験に基づいて、小児の親とともに手術の時期を決定すべきである。 [1]

以下の状況では、コンパートメント方向のリンパ節郭清をATAは推奨している: [1]


  • 超音波検査で遠隔転移の証拠も頸部リンパ節転移の証拠もみられない場合:生検で証明された病変に対して初回甲状腺摘出術と同時施行の予防的なcentral neck dissection。

  • 部位を問わずリンパ節病変が存在する場合(頸部中央区域または頸側部区域):コンパートメント方向の同側頸側部区域リンパ節郭清。

  • 対側頸側部区域リンパ節転移がみられない場合およびcentral neck dissectionや同側頸側部区域リンパ節郭清を計画している場合:カルシトニンの基礎値が200pg/mLを上回る場合に対側頸側部区域リンパ節郭清を考慮。

甲状腺全摘術を受けた患者は、生涯にわたって甲状腺ホルモン補充療法が必要となる。薬の処方は年齢に依存し、治療は理想体重に基づいて開始してもよい。心疾患がない60歳以下の健常な成人では、妥当な開始用量として1.6~1.8μg/kgを1日1回投与する。 [160] これ以上の年齢の患者では、甲状腺ホルモンの20~30%減量が必要な場合がある。 [161] 小児では成人より速くT4が除去されるため、体重に応じて比較的多い補充が必要となる。小児の年齢に応じて、補充量は典型的に2~6μg/kgである。 [162] しかしながら、抑制的治療よりも補充療法が好ましいことに注意することが重要である。C細胞腫瘍の増殖は甲状腺刺激ホルモン(TSH)に依存しないことから、MTC患者に対するT4補充療法では、TSHを正常基準範囲内に維持するよう調節してもよい。TSH値を正常基準範囲内に調整・維持し、残存する甲状腺組織のさらなる再増殖を避けるためには、サイログロブリンの測定も有用な場合がある。 [163] このような情報をどのように管理の指針とすべきかについてより良く解釈するためには、さらなる研究が必要である。

臨床病理学的因子で調整した場合、家族性および散発性MTC間で生存率の差はみられない。このタイプのがんに対しては化学療法および放射線療法は有効ではないが [4] [164] [165] 、さまざまな分子標的療法の臨床試験(第I~III相)が一部の施設で実施中である。これらの薬剤成分の中には、わずかな割合の患者で部分奏効を示しているものがあるが、ほとんどの研究が最も良好な反応として病勢の安定化を実証している。 [166] [167] [168] [169] バンデタニブおよびcabozantinibの使用は、手術に適さない進行した転移性MTCの成人患者に対して米国食品医薬品局により承認されている。第III相研究では、バンデタニブを投与された成人患者の方がプラセボを投与された成人患者より無増悪生存期間(PFS)が長かったことが明らかになった。 [170] MEN2Bの小児を対象にした第I相/II相研究では、バンデタニブにより47%の客観的部分奏効率が明らかにされた。 [171] 進行性MTC患者330人を対象にしてcabozantinibとプラセボを比較した第III相二重盲検試験により、すべてのサブグループでPFS中央値の改善が示された。 [172] この試験では、RETまたはRASなどの病原性変異をもつ患者は、両方の病原性多様体をもたない患者と比較して、PFSが長くなる可能性が高かった。 [173] プロスペクティブ研究により、特定の病原性多様体を治療法の指針とすることができるか否かが、さらに明確になる可能性がある。現在のところ、cabozantinibもバンデタニブも全生存を改善することは実証されていない。 [170] [172] 今後の研究では、MTCを対象とした新しい標的療法の開発および併用療法の使用を中心に検討される可能性が高い。(これらの試験に関する詳しい情報については、NCIの臨床試験リストを参照のこと。甲状腺がんの治療に関する詳しい情報については、甲状腺がんの治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

証拠レベル:5

MEN2関連PHEOの治療

MEN2患者におけるPHEOは、片側性の場合もあれば両側性の場合もある。腹腔鏡下副腎摘出術は、片側性PHEOの治療に対して一部の権威者が推奨しているアプローチである。 [1] [22] [104] このリスク、有益性、および生命を脅かす副腎機能障害の可能性は、最初の手術計画時点で考慮すべきである。疾患が片側性とみられる場合は、17~72%の患者で対側副腎に異時性疾患が現れることがある。 [174] [175] 1件のシリーズにおいて、片側性PHEOおよび肉眼的に正常な対側副腎をもつ23人の患者が最初に片側副腎摘出術による治療を受けた。 [176] これらの患者の12人(52%)にPHEOが遺残腺内に発現したが、これは最初の手術後平均11.9年経過した後のことであった。片側副腎摘出術後の追跡中に、高血圧クリーゼまたは診断未確定のPHEOによるその他の問題を経験した患者はなかった。これに対して、両側副腎摘出術を受けた43人の患者のうち10人(23%)が急性副腎皮質機能不全のエピソードを1つ以上経験した;これらの患者のうち1人が死亡した。片側副腎摘出術は、MEN2患者における片側性PHEOに対して妥当な管理戦略であるとみられている。 [1] [177] [178] [179] 一見して片側性疾患に対する最初の手術でも皮質を残す手技を考慮することを強く提案している医師が多い。 [1] [180] (詳しい情報については、本要約の家族性PHEOおよび傍神経節腫症候群セクションの介入セクションを参照のこと。)対側副腎疾患のリスクのため、対側副腎における疾患の発現について定期的サーベイランス(血清中または尿中カテコールアミン測定)が推奨される。 [1]

外科的アプローチに関して、背面からの後腹膜鏡下副腎摘出術の有用性を検討し、この手術が安全かつ有効なことを明らかにしたいくつか研究では、死亡率が非常に低く、軽度の合併症発生率が低い上に、開腹手術または腹腔鏡下側部手術に変更が必要になったのは症例のわずか1.7%であった。 [181] [182] このアプローチは実施可能で好ましいとみられるが、豊富な経験が必要である。 [174] [183] [184] [185] [186]

証拠レベル:4

副甲状腺機能亢進症の治療

MEN2に関連した副甲状腺疾患の患者の大部分は、無症候性であるか、または甲状腺摘出術時に偶発的に診断される。典型的に、高カルシウム血症(存在する場合)は、カルシウムの尿への排泄増加および腎石症が随伴することがあるが、軽度である。結果として、外科的介入の適応は一般に散発性の原発性副甲状腺機能亢進症患者に推奨されるそれと類似している。 [22] 一般に、カルシウム代謝における異常が見つかるときには4腺未満の副甲状腺が関連している。 [1]

副甲状腺機能亢進症の治療では、典型的に異常な腺の外科的切除がある程度まで用いられる。1件の大規模シリーズの患者のうち89%で、手術により副甲状腺機能亢進症の治癒が達成された [64] ;しかしながら、この研究で切除術を受けた患者の22%に、術後、副甲状腺機能低下症が発現した。5人の患者(9%)が再発副甲状腺機能亢進症を引き起こした。このシリーズでは、利き腕ではない方の前腕への自己移植を伴う副甲状腺全摘術(術後に副甲状腺機能低下症を発症した患者11人中4人[36%])、甲状腺亜全摘術(副甲状腺機能低下症を発症した患者12人中6人[50%])、および肉眼的に肥大した腺のみの切除(副甲状腺機能低下症を発症した患者29人中3人[10%])といったさまざまな外科手術が使用された。これらのデータは、ほとんどの症例で肥大した副甲状腺のみの切除で十分であろうことを示している。

一部の研究者は、甲状腺手術時に同定される副甲状腺を配置すべき位置を決定するのにMEN2亜型を用いることを提案している。副甲状腺疾患のリスクが非常に低いMEN2B患者に関しては、副甲状腺を頸部にそのまま残すことができる。MEN2AおよびFMTCの患者については、リスク低減のための甲状腺摘出術および中心リンパ節郭清を受けた後に頸部へのさらなる手術の必要性を最小化するため、副甲状腺を利き腕ではない方の前腕へ移植すべきであると提唱されている。 [1] [187]

副甲状腺組織の自家移植による副甲状腺手術を受けた患者では、副甲状腺機能低下症についてモニターしてもよい。 [1] [104] [188] [189]

循環血中のカルシウム濃度に対する副甲状腺上のカルシウム感覚性受容体の感度を高めることで、循環血中のPTH濃度を減少させる薬剤であるカルシウム擬態薬の出現により、副甲状腺機能亢進症の薬物療法が人気を得ている。ランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、原発副甲状腺機能亢進症患者において、シナカルセト塩酸の投与によりカルシウムおよびPTHの循環血中濃度に持続性の減少が認められたことが示された。 [190] 高リスクで手術の候補となる患者、再発性甲状腺機能亢進症の患者、または余命が限られている患者では、薬物療法が手術アプローチに対する実行可能な代替案となる可能性がある。 [1]

証拠レベル:5

遺伝カウンセリング

遺伝様式

MEN2亜型はすべて常染色体優性で遺伝する。MEN2を有する人の子供がMEN2病原性多様体を受け継ぐリスクは50%である。しかし、MEN2を有する個人の中にはde novo病原性多様体を保有している人もいる;つまり彼らは前の世代までその家系に存在しなかった新たな病原性多様体を有しており、このため罹患者である親がいない。親が罹患者であるMEN2を有する人の割合は、それぞれの亜型によって異なる。

MEN2A:親が罹患者であるのは約95%である。MEN2Aの人の両親が、この疾患を発現していないかどうかを評価することは適切である。家族性ではない症例の5%では、de novoの病原性多様体または変異アレルの不完全浸透が考えられる。 [191]

FMTC:多数の家族員が罹患する;そのため、罹患したすべての患者がその変異遺伝子を親から受け継いでいた。

MEN2B:罹患者の約50%にde novoのRET遺伝子の病原性多様体が認められ、50%には親から受け継いだMEN2B病原性多様体が認められる。 [192] [193] de novo病原性多様体の大部分は父方由来であるが、母方に由来するケースも報告されている。 [194]

発端者の同胞:同胞のリスクは親からの遺伝状態に依存し、これは家系(pedigree) 解析および/またはDNAベースの検査によって明らかにできる。de novo病原性多様体が明らかな場合でも、見かけ上罹患していない親が生殖細胞にモザイクを有する可能性を検討する必要があるが、そのようなケースはこれまでに報告されていない。

着床前遺伝子診断に対する意識

1件の研究により、MEN1およびMEN2を有する個人の着床前遺伝子診断(PGD)に対する意識が調査された。 [195] MEN1でMEN1病原性多様体を有するか、MEN2でRET病原性多様体を有する米国の単一施設からのクリニックベースの患者91人が調査された。この研究により、MEN1患者の30%(33人中10人)およびMEN2患者の37%(57人中21人)がPGDを認識していた;MEN1患者の82%(33人中27人)およびMEN2患者の61%(56人中34人)がPGDを提案されるべきであると考えていた;MEN1患者の61%(31人中19人)およびMEN2患者の43%(54人中23人)がPGDを検討することが明らかにされた。

心理社会的問題

RET病原性多様体に対する遺伝子検査が及ぼす心理社会的影響は広範囲にわたっては研究されていない。サンプルサイズが小さかったり、集団が不均一であったりするなど、公表済みの研究は限界がある;したがって、これらの知見の臨床的妥当性の解釈は慎重に行うべきである。病原性多様体のキャリアと同定されると、自尊心、家族関係、生活の質に影響が出る可能性がある。 [196] 加えて、遺伝性疾患についての誤った考えは、家族内に非難および罪悪感をもたらすことがある。 [197] [198] 数件の総説に、特に小児の遺伝子検査に関係する医学的および心理学的問題がまとめられている。 [199] [200] [201] [202] 早期スクリーニングおよびリスク低減のための治療のもつ医学的意義と、その個人の意思決定における自律性の喪失が対比されている。遺伝子検査および外科手術の重要性およびタイミングについて両親の意見が一致していないと、家族内に情緒的問題が発生するきっかけになりかねない。

ある研究では、血液サンプルを提出してから遺伝子検査の結果を受け取るまでの期間における心理的苦悩のレベルを調べた。最大の苦悩レベルを経験した集団は、25歳未満の独身で、不安を伴う辛い状況に対処した経験がある人たちであった。 [203] 子供が陰性の検査結果を受け取った病原性多様体陽性の両親は、安心した様子ではなく、DNA検査の信頼性に疑問をもち、非キャリアである子供のスクリーニングの継続を強く希望した。 [204]

ある小規模の定性研究(N = 21)では、MEN2Aを有する患者と家族が、生涯にわたる高リスクサーベイランスへの参加をどのように概念化するのかを評価した。 [205] 進行中のサーベイランスは、健康への脅威を思い出させるものとしてみることができる。生涯にわたるサーベイランスを受け入れルーチンの健康管理へ組み入れることは、この状況のもつ裏の意味とうまく共生していくことにおいて、必要不可欠なことであった。がんの遺伝的素因についての懸念は、サーベイランスについての懸念の周辺的なものである。インターネット討論などの支持的介入は、生涯にわたるサーベイランスを受けるMTC患者に対する情報提供とサポートの必要性に対処するための持続的な手段として機能しうる。 [206]


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多発性内分泌腫瘍4型

多発性内分泌腫瘍4型(MEN4)は、臨床所見が他のMEN症候群と重複する新規のまれな症候群である。現在までに報告されているMEN4の確定症例19例の最も一般的な表現型は、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)で、下垂体腺腫がこれに続く。MEN4は、腫瘍抑制遺伝子CDKN1B遺伝子(12p13.1)における生殖細胞病原性多様体が原因で生じる。 [1] この症候群は最初にラット(MENX)で発見され [2] 、その後ヒト(MEN4)でも発見された。この症候群は、多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)-likeの表現型を有する。MEN1関連表現型を有する患者におけるCDKN1B多様体の発生率を推定することは困難であるが、およそ1.5~3.7%であると考えられる。 [3] [4] [5] MEN4表現型に至る病原性多様体は、常染色体優性形式で伝達される。

臨床診断

MEN4と報告された症例の約80%が、副甲状腺腫瘍によるPHPTに罹患する。PHPTはMEN4の方がMEN1よりもり高い年齢で発症し(それぞれの平均年齢、~56歳 vs ~25歳)、女性が優勢である。 [6] 外科的切除後にPHPTの再発は報告されておらず、このことはMEN4におけるPHPTがMEN1におけるPHPTよりも全般的に軽度の疾患であることを示している可能性がある。MEN4における下垂体病変はこの疾患の2番目に一般的な発現であり、報告された症例の約37%が罹患する。MEN4における下垂体腺腫は多様であり、非機能性、ソマトトロピノーマ、プロラクチノーマ、またはコルチコトロピノーマタイプが含まれる。これらの病変に対する診断時年齢も大幅に異なっており、30~79歳に及ぶ。MEN4であることが報告された最も年齢の低い患者は、30歳で先端巨大症を発症した。 [2] 膵神経内分泌腫瘍(NET)はまれで、少数の症例しか報告されていない。これには、膵十二指腸または消化管NETが含まれており、非機能性のものもあればホルモン活性を有し、ガストリン、インスリン、副腎皮質刺激ホルモン、血管活性腸管ポリペプチドなどいくつかの物質を分泌するものもある。副腎腫瘍はMEN1では頻度の高い所見であるが、MEN4では非機能性の両側性副腎結節の症例が1例のみ報告されている。 [5] MEN1で一般的に報告される脂肪腫、血管線維腫、コラゲノーマなどの皮膚症状は、MEN4では報告されていない。遺伝子型-表現型の相関は分かっていない。

遺伝的特徴、遺伝的形質、および遺伝子検査

CDKN1B多様体は、細胞周期進行を制御するがん抑制遺伝子と推定されるp27Kip1(一般的にはp27またはKIP1と呼ばれる)をコードする。この遺伝子の変化はp27蛋白発現の大幅な低下につながり、制御不能な細胞周期進行を誘発する。p27の1つのアレルの欠失は多くのヒトのがんで頻繁に起こるイベントであるが、ヒトのがんで残りのアレルが変異するか、ヘテロ接合性の消失により欠失するのはまれである。 [7] CDKN1Bにおける体細胞または生殖細胞病原性多様体はまた、散発性PHPT、小腸NET、リンパ腫、および乳がんの患者でも同定されている。こうした知見は、他の新生物に対するCDKN1Bの腫瘍感受性遺伝子としての新たな役割を実証している。 [8] [9] [10]

現在までのところ、CDKN1B生殖細胞多様体を有する症例は19例のみが医学文献で報告されている。 [8] フレームシフトナンセンス、またはミスセンス多様体の病原性生殖細胞多様体13例が記述されている。 [11] [12]

MEN1-likeの特徴を有し、MEN1遺伝子検査の結果が陰性の発端者または個人には、遺伝カウンセリングおよびMEN4の検査が提案される。MEN4診断は、CDKN1B多様体に対する遺伝子検査を用いてのみ確定される。実地臨床では、無症候性または症候性のPHPTを有し、さらに若年(典型的に30歳未満)で多腺性疾患、副甲状腺がん、または異型腺腫を有する患者、または家族歴を有するか、症候性疾患の証拠が認められるのにMEN1またはRETが陰性の患者は、認可を受けた検査室を利用したCDKN1B遺伝子検査の候補である。 [8] 疾患が証明された患者については、MEN1の特徴の有無にかかわらず第一度近親者にもスクリーニングが提案される。CDKN1B生殖細胞多様体が同定されると、MEN4に対する定期的な臨床的生化学スクリーニングを促すべきである。

サーベイランス

CDKN1B病原性多様体のキャリアにはサーベイランスを実施すべきであるが、ガイドラインはまだ確立されていない。 [8] [13] 現在のところ、サーベイランスは主に臨床的に実施され、成長ホルモン過剰の証拠に集中しており、インスリン様成長因子1について年1回の生化学的評価およびPHPTに対する年1回の血液検査が行われる。 [13] 既知のキャリアに対するサーベイランスは青年期に開始される。画像検査の役割は確立されていない。

介入

副甲状腺および下垂体病変に対する治療は手術であり、他の家族性症候群に対する治療と一致している。(詳しい情報については、本要約のMEN1のセクションを参照のこと。)

転帰

MEN1病原性多様体陽性症例293例およびMEN1病原性多様体陰性症例30例(全員にMEN1表現型が認められた)を対象にした研究では、病原性多様体陰性コホートでは中年期以降に疾患が発現し、余命が良好であったことが示された。 [14] この知見をMEN4に適用する際の制限の1つは、これら30人のMEN1陰性患者のうち、CDKN1B陽性であったのは1人のみであったことである。


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家族性褐色細胞腫および傍神経節腫症候群

傍神経節腫(PGL)および褐色細胞腫(PHEO)は、クロム親和性細胞から発生するまれな腫瘍で、カテコールアミンと神経ペプチドを合成、蓄積、分泌する能力がある。個々には二次性高血圧を呈することがある。2004年に世界保健機関は、副腎腫瘍をPHEOとして特徴を明らかにした。 [1] 傍神経節腫の用語は、非副腎(つまり副腎外)腫瘍にのみ用いられ、副交感神経に沿う傍神経節または交感神経幹からさまざまな部位に発生することがある。 PGLは、頭頸部、腹部、または骨盤にみられることがある。交感神経鎖から発生するもののみが分泌性である。頭蓋底または頭頸部にみられるPGLは、典型的にグロムス細胞、頸動脈小体の近く、迷走神経沿い、または頸静脈窩で発生し、通常は副交感神経系の傍神経節由来であるため、カテコールアミンを分泌することはまれである。 [2] [3] 最も認識しやすい腫瘍は、頸動脈小体で発見される。頸部より下の部位に発生するPGLの多くは、上縦隔または膀胱に位置する。 [3] これらの腫瘍は無症状の場合があるため、一般集団における発生率は不定であるが、30,000~100,000人に1人の割合である。 [3] 1件の剖検研究では、2,000人に1人という非常に高い発生率が示されたが、これは潜伏腫瘍の頻度の高さを示唆している。 [4] PGLは性比率が等しく、あらゆる年齢で発生する可能性があるが、40~50歳の発生率が最も高い。 [5] [6]

臨床記述

PGLおよびPHEOは、遺伝性症候群の顕性化として、つまり遺伝性のいくつかのPGL/PHEO症候群の1つにおける単独腫瘍として散発的に発生することがある。

PGLおよびPHEOは典型的に増殖が緩徐な腫瘍であり、臨床的に注目されるようになるまで長年にわたって変化しないものもある。反対に、少数ではあるが、この種の腫瘍が悪性でより侵攻性の高い臨床経過をたどる場合もある。PGLおよびPHEOの悪性腫瘍は、非クロム親和性組織の原発腫瘍から遠隔部位に転移がみられることにより定義される。転移が多く見られる部位は、骨、肝臓、肺である。 [1]

良性腫瘍と悪性腫瘍を区別する上で信頼性の高い分子的、免疫組織化学的、または遺伝的な予測因子は存在しないが [7] 、いくつかの研究で、SDHB キャリア [8] と大型の腫瘍を有する個人 [9] における高い悪性腫瘍の発生率が示されている。一部の専門家は、周辺組織への局所浸潤を悪性の別のマーカーとみなしている。 [10] [11] 他の専門家は、局所的に浸潤した腫瘍は、遠隔転移した腫瘍より潜行性の経過をたどる傾向があるため、この分類に同意していない。 [12] そのため、PGLにおける悪性の割合を推定することは困難である;悪性の割合は5~20%と報告されている。 [13] [14] [15] [16]

PGLおよびPHEOの臨床診断

PGLは、腫瘍の発生部位および腫瘍が分泌性かどうかにより、さまざまな症状を引き起こすことがある。頭頸部のPGLでは、まれにカテコールアミンが上昇することがある。分泌性のPGLおよびPHEOでは、高血圧、頭痛、頻脈、発汗、および紅潮が現れることがある。一般的に非分泌性の腫瘍は無痛であるため、病変の増殖が周辺組織に達し腫瘤効果が発現するまで注意が向けられない。頭頸部PGLの患者は、頸部側方の腫瘤の肥大、嗄声、ホルネル症候群、拍動性耳鳴、めまい、顔面麻痺、霧視を呈することがある。 [1]

カテコールアミン過剰が臨床的に明らかな患者に対して生化学検査を一般的に実施して、腫瘍の分泌性について評価する。 [17] この評価は、尿および/または血漿のメタネフリン分画(ノルメタネフリンおよびメタネフリン)の測定による実施が最も良好で、カテコールアミン(ノルメタネフリン、ドパミン、およびエピネフリン)を直接測定するよりも、高い感度および特異度が得られる。 [18] [19] [20] 血漿メタネフリン濃度を測定する患者では、静脈内カテーテルを挿入し、患者を15~20分間仰臥位にさせた後に血液を採取する。 [21] さらに、採血の8~12時間前から、患者には食品もしくはカフェイン含有飲料、喫煙、または活発な運動への参加を控えさせる必要がある。 [21]

PGLの画像検査は診断の中心である;初期評価には頸部および胸部のコンピュータ断層撮影(CT)が含まれる。磁気共鳴画像法(MRI)も頭頸部で有用である。PGLでは一般的に均質な像が認められ、造影剤の静脈内投与後に強い造影が得られる。隣接する血管および骨格構造と腫瘍を区別するために、MRIを使用することもある。T2強調画像で、2cm以上の腫瘍は、典型的な「ごま塩(salt and pepper)」状の像、つまり信号の欠落が散見されるまばらな領域と血管分布の増大による信号強度の高い領域とが混在した像を呈する傾向が高い。 [22]

解剖学的画像検査と併用した核医学画像検査、特にソマトスタチン受容体シンチグラフィ(SRS)は、病変の位置と拡がりを特定するために有用となりうる(多病巣性 vs 遠隔転移巣)。 [23] 良性腫瘍は、ヨウ素I123-メタヨードベンジルグアニジン(123I-MIBG)画像検査よりもSRSに対する感度が高いことが報告されている。感度は、頭頸部領域で腹部のPGLまたはPHEOよりも高い(それぞれ91% vs 40%および42%)。 [24] SRSは転移腫瘍の発見においてMIBGよりも優れていることが報告されている(それぞれ95% vs 23%)。 [24] しかしながら、123I-MIBGはPHEOに対する感度が非常に高く [24] 、ポジトロン放射断層撮影-コンピュータ断層撮影(PET-CT)はPGLに対する特異度が非常に高い。PGLおよび/またはPHEOに対するフッ素F18-ジヒドロキシフェニルアラニン(18F-DOPA)、18F-フルオロドパミン、またはPET-CTによる機能的画像検査法は、頭頸部腫瘍の位置特定に特に有用であろう。データによると、腫瘍部位の特定に用いられるPETトレーサーの選択は、さまざまな腫瘍の代謝活動に基づき、患者の遺伝状態に注意して実施する必要がある。 [8] SDHxおよびVHL 病原性多様体を有する患者では、18F-フルデオキシグルコース活性が高い傾向にあり、これは低酸素症に対応した遺伝子の活性化に関連することが示唆されている。 [8] [25] 一部のSDHB腫瘍は18F-DOPAを濃縮する働きがわずかであるため、SDHx病原性多様体の患者はそうしたスキャンで偽陰性の結果が出ることがある。ガリウムGa68-DOTATATE PET/CTは、転移病変を有する患者で病変の拡がりを判定できる可能性のある画像診断法として有望なことを示している。 [26] VHL病原性多様体に伴う腫瘍でも、同様にMIBGスキャンで見逃されることがある。 [8]

PHEOの画像検査は、通常副腎の専用CTからなる。多発性内分泌腫瘍2型(MEN2)であるか、MEN2のリスクが高い個人における生化学的スクリーニングでPHEOが示唆される場合は、MRIまたはCTなどの位置確認のための検査を実施できる。 [27] 診断の確定は、ヨウ素I131-MIBGシンチグラフィまたはPET画像検査を用いて行える。 [27] [28] [29] [30]

遺伝的特徴、遺伝的形質、および遺伝子検査

散発性PHEOまたはPGLとみられるかなりの割合の人が生殖細胞病原性多様体のキャリアである。散発性PHEOとみられる患者の最大33%および散発性PGLとみられる患者の最大40%が、実際に既知のPGL/PHEO感受性遺伝子の1つに識別可能な生殖細胞病原性多様体を有する。 [14] [31] [32] [33] [34] [35] ある研究では、腫瘍が1箇所のみで家族歴が陰性の患者では、遺伝性病原性多様体がみられる確率は11.6%であったが [14] 、このような患者の41%に病原性多様体を検出したグループもある。 [35] [36] PGL/PHEOで米国国立がん研究所に紹介された21歳未満の患者55人を対象にした1件のレトロスペクティブ レビューでは、80%の患者に生殖細胞病原性多様体が認められた。 [37] (小児におけるPGL/PHEOに関する詳しい情報については、小児にまれながんの治療に関するPDQ要約の褐色細胞腫および傍神経節腫のセクションを参照のこと。)例えば、SDHB病原性多様体キャリアの中でさえ、浸透度が低く、疾患発症の遅れが認められ、本疾患の遺伝性をさらに覆い隠す可能性がある。 [38] そのため、PHEOまたはPGL患者では、散発性腫瘍であるとみられる患者であっても、これらの疾患に関連する病原性多様体の頻度が高いため、すべて遺伝子検査を検討してもよい。 [39]

PGLおよびPHEOは、フォン・ヒッペル-リンダウ病(VHL)、MEN2、神経線維腫症1型、カーニー-ストラタキス症候群、家族性傍神経節腫(FPGL)症候群など、十分に明らかにされたいくつかの腫瘍感受性症候群の1つとみなすことができる。FPGLは、次の4遺伝子のいずれかに生じた病原性多様体によって引き起こされることが最も多い:SDHASDHBSDHC、およびSDHD(まとめてSDHxと呼ばれる)。SDHxの蛋白は、コハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)複合体の一部を構成しており、ミトコンドリアの内膜に位置し、細胞エネルギーの代謝に重要な役割を果たしている。 [40] SDHBにおける病原性多様体が最も多く、次がSDHDで、SDHCおよびSDHAにおける病原性多様体はまれである。つい最近、FPGL/PHEOでSDHAF2SDH5とも呼ばれる)、TMEM127、およびMAX遺伝子における病原性多様体が報告されたが [41] [42] [43] [44] 、これらの多様体はまれである。腫瘍形成の機序は依然として特定困難である。ある研究によると、SDHx関連腫瘍は、神経内分泌組織分化に関わる重要な遺伝子の発現減少に関連している高メチル化因子の表現型を示すことが示唆される。 [45]

FPGLの遺伝パターンは、関与している遺伝子によって左右される。ほとんどの家系が従来の常染色体優性遺伝を示すが、SDHAF2およびSDHDに病原性多様体を認める家系では、ほぼ例外なく、この表現型が父系から伝達されたことを示している。言い換えると、この病原性多様体は母方または父方から受け継がれうるが、腫瘍が発生するのは、その病原性多様体が父から遺伝した場合のみである。 [46] [47] SDHDまたはSDHAF2の病原性多様体が原因ではないFPGLの症例では、罹患者第一度近親者(FDR)が病原性多様体を保有する確率は50%であり、PGLを発症するリスクが高い。浸透度の低い病原性多様体が認められる家系では、家族歴が陰性とみなされる可能性があることから、その家系に病原性多様体が確認された場合は、罹患していないすべてのFDRに対して遺伝子検査を勧めることが重要である。

遺伝性のPHEOおよびPGL症候群に対する遺伝子検査は、ほとんどが公表されたアルゴリズムに基づいており [39] 、その場合の検査は、腫瘍の種類および部位、診断時年齢、家族歴、悪性腫瘍の存在などの因子に基づいて、段階的に実施する。 [14] [48] [49] このアプローチにより、費用対効果の高い臨床的特徴に基づいた標的検査が可能となっている。しかしながら、ここ数年で、次世代の遺伝子配列決定(NGS)技術により遺伝子検査の費用が劇的に低下しており、2~3の遺伝子を検査する従来の費用で、現在では10~30の遺伝子の病原性多様体の検査ができるようになっている。これらの検査は、非定型症状または重複した臨床的特徴を認める個人および家族により適切な可能性がある。多重遺伝子検査パネルに関連する費用がこのまま低下していけば、PGLおよびPHEOに対する現行の検査アルゴリズムはすぐに時代遅れになる可能性がある。最近のシリーズで、PGLおよびPHEOの85サンプルについて、NGSパネル検査を用いて、PGLで既知の10の感受性遺伝子が解析され、98.7%の感度が示された。 [50]

遺伝子型-表現型の相関

FPGL/PHEOにおける腫瘍の種類および部位、発症時の年齢、および生涯の浸透度は、遺伝子多様体によってさまざまである。これらの関係は、遺伝子検査およびスクリーニングを決断する指針として役立つ可能性があるが、この疾患では高度の変動性がみられることを考えると、注意しなければならない。FPGL/PHEO症候群はゲノム刷り込みが起こるまれな遺伝性疾患の1つである。例えば、SDHD病原性多様体は通常、母親から遺伝している場合は通常活性化されず、FPGL/PHEO症候群のリスクは増加しない。しかしながら、この遺伝子が父親から遺伝している場合、病原性多様体のスイッチが入り、リスクが増加する。

SDHDの病原性多様体は、主に副交感神経系PGLのリスク増加と関連している。これらは多巣性で、頭頸部に発生することが多い一方で、SDHBキャリアの腫瘍は腹部に発生することが多い。 [51] [52] 複数のシリーズにより、SDHDキャリアでは、頭頸部腫瘍のリスクが71%であることが示されたが、これに対して、SDHBキャリアにおけるリスクは27~29%であった。 [16] [51] あるシリーズによると、SDHDキャリアでは、部位や種類にかかわらずPGLを発症する生涯リスクが50歳で77%と高いことが推定され [51] 、別のシリーズによると、70歳で90%と推定された。 [52] 文献で報告された1,700例を超える症例のレビューでは、同様な推定値が得られ、生涯の浸透度は86%であることが示唆される。 [53] SDHDキャリアにおける悪性の割合は5%を下回る。 [53]

SDHB遺伝子の病原性多様体は症候性PGLと関連しているが、PHEOおよび副交感神経系PGLでも報告されている。SDHB関連のPGLは、頭頸部よりも腹部および縦隔に発生することが多い。1,700症例のレビューでは、生涯浸透度が77%であることが示唆された。 [53] しかしながら、浸透度を検討した初期の研究では、無症状の病原性多様体キャリアの組み入れが制限され、若い年齢で罹患したことを強く示す個人のサンプリングのために、多くの研究が確認バイアスを受けていた。つい最近の家族ベース研究では、50歳までに9~35%のより低い浸透度推定値が明らかになった。 [38] [54] [55] [56] 別の研究では、生涯浸透度が50%であると推定された。 [57] SDHDキャリアにおける浸透度は男性よりも女性の方が低い可能性があるという証拠がある。 [57] 悪性の割合は、SDHBの方が他のSDH遺伝子よりも高く、ほとんどのシリーズで最大3分の1の患者の腫瘍が悪性である。 [51] [52] SDHBの病原性多様体でも、消化管間質腫瘍(GIST)、腎細胞がん、甲状腺乳頭がんなど、他のいくつかの腫瘍および悪性疾患との関連が指摘されている。 [51] [52]

SDHCの病原性多様体はまれで、PGL全体の0.5%を占めると推定される。 [53] あるシリーズで、40歳までに複数のPGLまたは単独のPGLと診断された患者153人のうち、SDHC病原性多様体が認められたのは3人(2%)であった。 [32] 別のシリーズで、頭頸部PGL登録から得た発端者121人における病原性多様体の発生率は4%(121人中5人)であったことが示された。 [58] SDHC病原性多様体は、頭頸部PGLの原因となることが最も多いが、少数ながら腹部PGLの患者でも認められている。 [14] [59] SDHBSDHC、およびSDHDの病原性多様体は、PGLとGISTの2徴を特徴とするカーニー-ストラタキス症候群を引き起こすこともある。 [60]

SDHASDAHF2MAX、およびTMEM127の病原性多様体も報告されている。総合すると、症例全体に占める割合は2~3%を下回る。SDHA両アレル性病原性多様体は、古くから常染色体劣性疾患である遺伝性若年性脳症/リー症候群を引き起こすことが知られていたが [61] 、片アレル性病原性多様体がPGL発症リスク増加に関係することは最近まで知られていなかった。頭頸部、副腎、または腹部(副腎外)に腫瘍が発生することがある。 [62] [63] 当初、SDHAF2の病原性多様体は、頭頸部PGLにのみ認められていた。 [44] MAX遺伝子は、無関係な3症例のエクソーム配列解析により、PHEOの感受性遺伝子として2011年に初めて報告された。 [41] 3つの異なった生殖細胞病原性多様体が同定され、同グループによる59症例の追跡シリーズでは、さらに5つの多様体が同定された。MAX蛋白は、神経堤細胞腫瘍の発生および進行に重要な役割を果たしている。 [64] TMEM127遺伝子は、染色体2q11.2に位置しており、多数の細胞プロセスを調節しているmTORの発現抑制因子であることが知られている膜貫通蛋白をコードしている。TMEM127病原性多様体を有する患者23人のレビューでは、96%(23人中22人)がPHEOであり、9%(23人中2人)がPGLであったことが示された。 [53]

European-American-Asian Pheochromocytoma-Paraganglioma Registry Study Groupから追加された患者58人を対象とした研究では、まれな素因遺伝子のキャリア数が以前の報告数の倍以上であり、その内訳はSDHA(n = 29)、SDAHF2(n = 1)、MAX(n = 8)、TMEM127(n = 20)であった。 [65] この研究では、SDHA病原性多様体キャリアの12%、およびTMEM127キャリアの10%に悪性疾患が認められ、これらの率は以前の推定を有意に上回っていた。副腎外腫瘍はコホートで多く認められ(48%)、特に、SDHAキャリアに多く(79%)、そのうちのかなりの割合(44%)に頭頸部腫瘍がみられた。しかしGISTは、このコホートのSDHAキャリアに一切認められず、以前に調査されたコホートで頻繁に報告されたこととは対照的である。SDHA関連腫瘍は8歳前後の患者に発生した。MAX病原性多様体を伴う腫瘍は、ほぼすべてが副腎にみられ、多くの場合に両側性であった。総じて40歳時点でのPGL/PHEO発生の浸透度は、MAX病原性多様体キャリアで73%、TMEM127キャリアで41%、SDHAキャリアで39%と推定された。浸透度は陽性の近親者についても算出され、これらの個人ではSDHAキャリアの発端患者に比べて有意に低かった(13%)が、MAXまたはTMEM127発端者および非発端者に対しては有意な差がなかった。このような比較的少数の研究は、前述のように、選択バイアスや診断バイアスが生じやすいことに十分留意する必要がある。例えば、このコホートの家族の22%しかカスケードスクリーニングを受けていないことは、浸透度の計算に影響を及ぼす。加えて、転移病変の発生率が高いことには三次医療機関の診断バイアスが含まれている可能性があり、GIST腫瘍がみられないことは、登録データがPGL/PHEOに限定されているために関連腫瘍の全体が捉えられていないことが原因で生じている可能性がある。 [66]

サーベイランス

SDH遺伝子の1つに生殖細胞病原性多様体が確認されている患者は、PGL、PHEO、腎腫瘍、GISTを発症するリスクが有意に高い。PHEOおよびPGLは典型的に緩徐な増殖パターンを示すが、野放しに増殖させると腫瘤による影響が生じ、最終的に神経学的障害を来すことがある。さらに、これらの腫瘍の大半は良性であるが、一部は悪性転換を来すことがある。このため、早期発見および切除により患者に対するリスクを最小化することができることから、一定間隔での腫瘍の成長を定期的にスクリーニングすることがきわめて重要である。理想的プロトコルを明確にするために行われた研究は少ないが、感度が高く、放射線曝露量がわずかであることから、全身MRIがスクリーニングについての妥当な方法として提案されている。 [39] [67] 1件の研究で、SDHx病原性多様体のキャリア37人が10歳からの年1回の生化学検査および年1回または2年ごとの全身MRIを受けた。 [68] このスクリーニングプロトコルで5人の患者に6つの腫瘍が確認された。MRIの感度は87.5%、特異度は94.7%であった。生化学検査の感度は37.5%と有意に低く、特異度は94.9%とMRIと同様であった。 [68] 157人の患者を対象とした最近のレトロスペクティブ研究がSDH病原性多様体のキャリアにおける頭頸部傍神経節腫の発見について高速造影血管MRIプロトコルを評価した。 [69] このプロトコルは感度および特異度がそれぞれ88.7%および93.7%と高かった。

SDH病原性多様体キャリアのサーベイランスのための至適画像検査プロトコルは依然として明らかではないが、年1回の生化学検査および臨床的サーベイランスが考慮可能である。生化学検査は、血漿遊離メタネフリン/カテコールアミンまたは分画カテコールアミンの24時間尿排泄(利用可であればドパミン代謝物のメトキシチラミンを含む)の測定により実施可能である。臨床的サーベイランスに身体診察と血圧測定を含めてもよい。臨床的サーベイランスおよび生化学検査は5~10歳に開始するか、家系の中で最も早い診断時年齢より10歳早く開始する。 [70] [71]

証拠レベル:4

介入

術前管理

内科的管理は、PGL/PHEOの外科的切除への橋渡しである。カテコールアミン分泌過多の証拠がない患者では、術前の薬物療法は必須ではないが、ホルモン検査の結果にかかわらず、その使用を支持する人もいる。 [21] 薬物療法の目的は、手術の少なくとも10~14日前から高血圧をコントロールすることである。 [72] 管理の目的は、術中の高血圧クリーゼ、心不整脈、肺水腫、および心虚血を避けるため、術前に高血圧を呈していない患者でも、カテコールアミン誘発性合併症を予防することである。カテコールアミン過剰を適切に防止できなかった場合は、周術期に高血圧クリーゼおよび致死性不整脈により死亡するリスクが劇的に上昇するとともに、腫瘍切除後に高血圧クリーゼを発症することがある。 [73] [74]

さまざまなレジメンを比較するランダム化比較試験がない状況では、広く推奨できるアプローチはない。血圧をコントロールし、血液量を増やすために、α-アドレナリン受容体遮断薬のフェノキシベンザミン(Dibenzyline)が最も頻繁に使用される。 [21] プラゾシン、テラゾシン、またはドキサゾシンといった他のα遮断薬も使用されており、成功を収めている;これらの薬物は、より特異的なα-1アドレナリン作用競合的拮抗薬であり、フェノキシベンザミンより消失半減期が短い。 [75] [76] フェノキシベンザミンのα受容体への非競合的結合は、その長寿命性と併せて、薬物の持続性作用をもたらす可能性があり、術後低血圧を経験する患者もいる。 [21] [77] ある研究によると、ドキサゾシン徐放製剤による治療を受けた患者では、フェノキシベンザミンが投与された患者よりも、周術期の血行動態変化が安定しており、術前の血圧コントロールまでの時間が短いことが明らかになった。 [77]

α遮断薬を開始すると、これらの患者では典型的に血液量が低下するため、血液量の増強がしばしば必要になる。 [78] [79] α遮断薬による血管拡張作用に加え、高ナトリウム食の摂取および多量の水分摂取、または術前の生理食塩水点滴により、血液量増強が達成できる場合がある。適切な遮断の臨床所見は、鼻詰まりまたはめまいの症状である。

ニカルジピンまたはニフェジピンのようなカルシウムチャネル遮断薬も、術前の高血圧コントロールに採用されている。 [80] 難治性高血圧に対しては、αおよびβ遮断薬と併用して、カルシウムチャネル遮断薬を使用してもよいし、α遮断薬による副作用に耐えられない患者では、第二選択治療薬として単独で使用してもよい。 [21]

病原性多様体が同定されている場合は、外科治療の計画およびアプローチが変わる可能性があるため、術前画像検査の検討が必要である。 [37] (画像検査法に関する詳しい情報については、本要約のPGLおよびPHEOの臨床診断のセクションを参照のこと。)

手術

PGLおよびPHEOには、外科的切除が選択される治療法である。切開切除および腹腔鏡アプローチはいずれも安全であるが、施行可能な場合、腹腔鏡下切除が好ましい。 [70] [81] 腫瘍が大きい(6~7cmを超える)場合、腹腔鏡検査の限定された視野内では技術的に困難となるリスクが高いことから、切開切除が一般に推奨される。露出およびアプローチの手段は、腫瘍の解剖学的位置を基にする。大動脈および傍大動脈領域への直接アクセスは、後方アプローチにより達成できる。直接的で安全かつ有効である。 [82] 完全切除には、腫瘍全体を十分に露出させることが重要である。ロボットの支援は、解剖領域の三次元拡大図が得られるため、選択された症例で有用な可能性がある。 [83] 背面からの後腹膜鏡下副腎摘出術の効力および安全性は確立されているが、進行中の研究で家族性症候群における本アプローチの妥当性が検討されている(NCT02618694を参照のこと)。

PGLは、大動脈分岐の上方、下腸間膜動脈の起点(Zuckerkandl器官)の下方、または膀胱円蓋部の近くの大動脈周辺後腹膜交感神経鎖に局在することが多い。 [84] [85] 悪性PGLは、周囲に分布している血管に癒着している高密度の線維性被膜を有し、完全切除が困難になる可能性がある。 [85] 所属リンパ節は、悪性腫瘍が浸潤していることがあり、それが術前に疑われたり、術中に認められたりした場合は、所属リンパ節郭清を施行してもよい。

遺伝子検査は、同時性または異時性の両側性病変が遺伝性PHEOで非常に多いことから、再発または対側疾患のリスクに関する情報を得て、切除範囲(例、皮質を温存するかどうか)の指針とするため、初回手術前に実施するのが最善である。生殖細胞病原性多様体の手術前の情報は、皮質を残す副腎摘出術に関連する変数に大きな影響を及ぼす。皮質の温存は、病原性多様体を有することが明らかになった患者では、対側腫瘍を発症するリスクが高いため重要となる。皮質の温存は、対側の副腎摘出術による将来の副腎皮質機能不全の可能性を低下させる。悪性疾患のリスクが高いSDHBキャリアでは、この検討を慎重に比較する必要がある。108人の患者コホートを対象にした1件の研究において、生殖細胞病原性多様体を有する患者の33%には遺伝性症候群の家族歴が認められず、SDHB生殖細胞病原性多様体を有する患者の36%には家族歴が認められず、発症時にPGL/PHEOの既往もみられなかった。 [86] 50年近くに及ぶ1件のレトロスペクティブ・シリーズで、片側性PHEOが認められ、片側全副腎摘出術を受けた患者49人中15人(30%)が初回診断後中央値8.2年(範囲、1~20年)で対側副腎にPHEOを発症した。 [87] 対側副腎にPHEOを発症した15人の患者のうち、8人がMEN2Aで、2人がMEN2B、2人がVHL、1人が家族性PHEOであった。対側腫瘍を発症するリスクは時間の経過とともに増大し、中央値で6年後に25%の患者が腫瘍を発症し、中央値で32年後には43%が腫瘍を発症した。皮質を残す手術は、副腎皮質機能不全のリスクと生涯にわたるステロイド補充の必要性を最小限に抑えることができるため、魅力的な選択肢である。大規模な患者シリーズで、皮質を残す手術では、皮質温存後の再発率が3~7%であったのに対し、完全切除後の再発率(副腎床における再発)は2~3%であった。 [87] [88] いずれの研究でもステロイド依存性の頻度は、皮質を残さない手技を受けた患者より皮質を残す手技を受けた患者の方が低かった(86%に対して57%)。皮質を残す手技の後に副腎皮質機能不全を発症したのは患者39人中1人(3%)であった;全副腎摘出術後に副腎皮質機能不全を発症したのは患者25人中5人(20%)であった。 [87] これらの研究の著者らは、最初は片側性疾患とみられる患者を含め、遺伝性PHEO患者に対する有効な選択肢として皮質を残す手術を推奨している。

証拠レベル:5


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カーニー-ストラタキス症候群

臨床記述

カーニー-ストラタキス症候群(CSS;カーニー-ストラタキスの二徴としても知られる)は2002年に初めて報告された。この症候群は名前は似ているが、カーニー複合およびカーニーの三徴とは全く異なる(表6を参照のこと)。CSSは、不完全浸透を示すコハク酸デヒドロゲナーゼSDH)サブユニットBC、またはDSDHx遺伝子における常染色体優性 生殖細胞 病原性多様体を特徴とする。罹患者は、多病巣性の局所で侵攻性を示す消化管間質腫瘍(GIST)および多発性の頸部、胸腔内、および腹腔内傍神経節腫(PGL)を比較的若年で発症する。 [1] [2] [3] CSS関連GISTおよびPGLは、散発性に発生するより一般的なこれらの疾患とは異なる表現型を呈する;その結果、CSS患者における画像検査、治療、およびサーベイランスにおける特有の特徴を理解することが重要である。

表6.カーニー-ストラタキス症候群、カーニーの三徴、およびカーニー複合の比較

症候群 遺伝パターン 発症時平均年齢(歳) 罹患する性別 関連病変 病原性多様体 腫瘍の挙動
AD = 常染色体優性;GIST = 消化管間質腫瘍;F = 女性;M = 男性。
カーニー-ストラタキス症候群 [1] [3] [4] AD 23 M、F 傍神経節腫、胃類上皮細胞型GIST SDHxの生殖細胞病原性多様体がよく認められる;KITまたはPDGFRAの病原性多様体は認められない GIST転移が認められるが、遷延性の経過;傍神経節腫は侵攻性
カーニーの三徴 [4] [5] [6] なし <30 95%超がF 肺軟骨腫、傍神経節腫、胃類上皮細胞型GIST KITまたはPDGFRAの病原性多様体は認められない;まれに、SDHx病原性多様体(1シリーズで9.5%) [7] GIST転移が認められるが、遷延性の経過
カーニー複合 [8] [9] AD 20 M、F 黒子、粘液腫、シュワン腫、甲状腺濾胞状腺腫またはがん、原発性色素性かつ結節性の副腎皮質疾患、下垂体腺腫 PRKAR1A生殖細胞病原性多様体 該当せず


遺伝的特徴、遺伝的形質、および遺伝子検査

CSS関連GISTの腫瘍発生は、大多数のGISTで見られるようなKITまたはPDGFRA遺伝子における機能獲得型多様体ではなく、コハク酸デヒドロゲナーゼ欠乏が関与しているようである。 [10] SDH欠乏はまた、小児型GISTの特徴的な所見である;CSS関連GISTは、これらの腫瘍に類似した、若年での発症(年齢中央値、19歳)、胃への特異性、多病巣性、イマチニブに対する抵抗性といった臨床所見を呈する。 [3] [11] [12] [13] さらに、SDH欠乏GISTは所属リンパ節、腹膜腔、および肝臓に頻繁に転移するため、腫瘍径および細胞分裂の割合では転移の可能性または生存を正確に予測できない;しかしながら、長期の生存が一般的である。 [6] [14]

CSSに関与する遺伝子の遺伝子検査に関する詳しい情報については、本要約の家族性PGLのセクションの遺伝的特徴、遺伝的形質、および遺伝子検査のサブセクションを参照のこと。

サーベイランス

CSSの自然史はほとんど解明されていないが、専門家は、進行中のサーベイランスに次のものを含めるように推奨している:貧血およびカテコールアミン過剰の症状に焦点を当てた年1回の現病歴の聴取を行う患者の綿密な追跡、身体診察、PGLの再発を発見するための血漿メタネフリン濃度およびクロモグラニンAによる生化学分析、および横断的画像検査。PGLの多くはカテコールアミンを分泌しないが、PGLにおいてクロモグラニンAが高くなることが明らかにされており、腫瘍再発に対する有用なマーカーである可能性がある。スクリーニングに適した画像検査法は現時点で不明であるが、フッ素F18-フルデオキシグルコース・ポジトロン放射断層撮影-コンピュータ断層撮影(18F-FDG PET-CT)は副腎外のPGLおよびGISTの同定において感度が高い。CTによる電離放射線曝露のリスクがあるため、年1回のサーベイランスにはMRIの使用を提唱する者もいる。 [15] [16]

証拠レベル:4

介入

多発性原発GISTおよびPGLはCSSでは一般的であるため、手術の計画前に腫瘍の範囲を正確に確認するための術前の画像検査が、何よりも重要である。ほとんどの患者が初診時にCTまたは磁気共鳴画像法(MRI)による画像検査を既に受けている。どちらの画像検査法もPGLの同定に対する感度がきわめて優れているが、これらの腫瘍はびまん性の性質を有するため、機能的画像検査の追加が推奨される。18F-FDG PET-CTは、SDHx関連PGLの同定においてヨウ素I123-メタヨードベンジルグアニジンよりも優れており、GISTでは代謝活性が高いため、これらの同定における感度がきわめて優れている。 [15] [17] したがって、CSSの患者を含めてSDHx病原性多様体を有する患者では、すべてのGISTおよびPGLを最適に発見し、病期分類するために18F-FDG PET-CTが望ましい機能的画像検査法である。 [16] 原発性PGLの同定には18F-フルオロ-L-ジヒドロキシフェニルアラニン(18F-FDOPA)PET-CTが優れている一方、転移の同定には18F-FDG PET-CTが優れていることを示唆する証拠がある。

CSSの患者を対象にしたプロスペクティブな治療研究は実施されていない;したがって、推奨は、限られた臨床経験、単一のケースシリーズ、臨床像が似た遺伝的に類似した腫瘍からの外挿に基づいている。CSS関連GISTおよびPGLに対する治療の中心は、腫瘍の外科的完全切除である。手術の時期は腫瘍の発生に相関する。外科的切除は腹腔鏡下手術または開腹手術のいずれでも達成できる。PGLについては、血管再建はまれである。PGLは一般に傍大動脈領域に認められるが、大血管の再建が必要となることはまれである。GIST腫瘍は楔状切除および一次的閉鎖と再吻合術により切除可能である。完全切除が達成された患者で生存が最も長くなるため、切除断端陰性を確実に達成することが重要である。 [18] 同時性病変が認められるまれな状況では、患者が耐えられるようであれば合併切除が適切である。より一般的には、腫瘍は異時性に発生する(GISTが最初に発生);各腫瘍の診断時に個別に切除される。

複数に分離したGISTが頻繁に認められるため、術前の徹底的な内視鏡検査および胃の完全な術中精査が必須である。多病巣性の頻度が高く、腫瘍再発の可能性が高いからといって、予防的な胃全摘術はこれに伴う合併症発生率が実質的に高くなるため、正当化されない。さらに、胃全摘術は一般的に、現在の疾患負担によって全摘術より少ない切除が受け入れられない場合にのみ実施される。このために、肉眼的切除断端陰性での胃楔状切除が手術の目標である。 [19] 切除時に疑わしいリンパ節があれば、一般的にすべて検体が採取される。局所進行CSS関連GISTはいくぶん潜行性の経過を示すことを示唆する証拠がある [20] ;したがって、術前の画像検査または腹部探索に基づいてリンパ節転移の懸念があれば原発腫瘍の切除を躊躇する必要はない。局所進行成人型GISTにおいて切除可能性を改善するまたは切除の負担を軽減するために、術前イマチニブの役割が広く記述されている一方、局所進行SDH欠乏GISTに効果がある可能性は低い。 [21] これらの腫瘍に対して、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ニロチニブなどの第二選択標的薬物が、補助療法の設定において有益な可能性があることを示唆する証拠がある。 [22] [23] 現時点で、術前補助療法の設定におけるこれらの薬物の使用を支持するデータは存在しない。

CSS関連PGLの治療に関して、患者は一般的に、周術期の心疾患罹病率および死亡率を最低限に抑えるため術前のα遮断薬から開始される。PGLは典型的に、膀胱および大動脈分岐部から上縦隔および頭頸部に及ぶ一連の大動脈周囲領域に発生する。GISTの治療と同様に、手術の目標は既知の病変をすべて切除することである。この目標を達成するために術前の画像検査および術中の探索は不可欠である。多発性腫瘍が一般的である;病変が両側副腎に認められる場合、外科医は、患者を生涯にわたって致死性のアジソン病クリーゼのリスクを伴うステロイド依存状態に陥らせてしまう可能性に直面する。このような状況では、皮質を残す副腎摘出術の実施に熟練した外科医に助言を求めてもよい。

証拠レベル:5


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家族性非髄様甲状腺がん

臨床記述

さまざまな組織学的亜型が存在する乳頭がんおよび濾胞がんは、甲状腺の濾胞細胞から発生し、分化型甲状腺がんまたは甲状腺非髄様がん(NMTC)と総称される。甲状腺乳頭がん(PTC)は最も多い甲状腺がんの病型であり、全症例の85%近くを占め、世界中で急速に増加している。 [1] [2]

放射線曝露、特に小児期の曝露は、甲状腺がん発生の原因因子として広く研究されてきたが、この因子はごく少数の症例しか説明しない。 [3] [4] 甲状腺がんの発生に関する最も強力な危険因子の1つは、 家族性甲状腺非髄様がん(FNMTC)と呼ばれる疾患の家族歴である。FNMTCの正確な発生率を確定することは、各研究間で遺伝性病態の認定に用いられている基準が異なるために困難である。しかし、罹患した近親者の数とそれらとの関係(すなわち、第一度近親者第二度近親者など)、遺伝パターン、共存する甲状腺の病態の有無などの基準は、広く定義する必要がある。

遺伝性疾患と散発性疾患の区別をさらに混同させる因子は、手術や剖検の10~15%に偶発的な微小がんがみられるという有病率の高さである。 [5] 大部分の家系内では継承される遺伝子が特定されていないため、背景にあるこの疾患の高い有病率により、他の家系員における甲状腺悪性腫瘍のリスク評価が困難になっている。こうした不確実さは、特に遺伝性疾患の境界例で、例えば甲状腺がんを有する第二度近親者がいる場合などに、問題となることがある。

FNMTCは、より大きな症候群の一部として発生し他の臓器の腫瘍を伴う場合や、単独の病態として発生する場合がある。表7は、NMTCに関連する各種の遺伝性症候群を示している。

遺伝的特徴、遺伝的形質、および遺伝子検査

多発性内分泌腫瘍2型に関連する家族性甲状腺髄様がん(FMTC)の遺伝学は、十分に確立されている。遺伝的因子も明らかにNMTCに寄与しており、あらゆるがん部位のうち最も遺伝率が高い部位の1つに数えられ、患者の近親者の相対リスクは5~10倍であり、特に(女性の)同胞では顕著である。 [6] [7] [8] [9] 乳頭がんが主で、濾胞がんの亜型も含まれるFNMTCは、NMTC全症例の5~10%を占めると考えられている。 [6] [10] [11] 注目したいのは、家系内の罹患者が2人しかいなければ、疾患が実際には散発性である可能性が40~60%であるが、家系内に3人以上罹患者がいる場合は、96%の確率でこの疾患に遺伝性の要素が関与していることである。 [12] 少数の例外としてNMTCを伴う数種類のまれな遺伝的症候群も存在するが、FNMTCの大半は無症候性であり、基礎にある遺伝的素因ははっきりしない。それでも、FNMTC家系(pedigree)不完全浸透性発現のばらつきを伴う常染色体優性の明確なメンデル型遺伝パターンを示すため、家族性がんという用語は多少の誤解を招きかねない。 [6] [13] [14] [15] [16] しかし、FMTCとは異なり、FNMTCは多遺伝子性疾患であり、単一のが大多数の症例または特定が容易な表現型に関与することはなく、浸透度の低い複数のアレルと環境的因子によって変化することが多い。 [17]

症候性FNMTCの除外

無症候性FNMTCの臨床的遺伝子検査が存在しないため、リスクのある家系の識別は、臨床医が甲状腺のがんや疾患を呈する患者に対し、徹底した臨床検査と詳細な個人歴および家族歴の聴取を入念に行うことに頼らざるを得ない。FNMTCを示唆する病歴の特徴には、複数世代にわたる発症、早期発症型両側性/多病巣性の甲状腺腫瘍(特に男性)とより侵攻性の臨床経過、良性の甲状腺病変を伴っていることなどがある。 [18] FNMTCは最終的に除外診断、つまり先にコーデン症候群や家族性大腸腺腫症といったNMTCに関連する他の家族性がん素因症候群を除外する必要があるため、精密な検査が非常に重要である。こうしたFNMTCに対する鑑別診断を表7に要約している。ただし、NMTCとマッキューン・オルブライト症候群、ポイツ・ジェガース症候群、毛細血管拡張性運動失調症、多発性内分泌腫瘍1型症候群との関連は、まだはっきりと確立されていない。

表7. 甲状腺非髄様がんに関連する遺伝性症候群a

症候群 遺伝子 遺伝形式 甲状腺がんの発生率(%) 甲状腺がんの種類 甲状腺外の臨床的特徴
FAP = 家族性大腸腺腫症;FTC = 甲状腺濾胞がん;MNG = 多発結節性甲状腺腫;PTC = 甲状腺乳頭がん。
a出典:Nose, [19] Sturgeon et al., [20] and Vriens et al. [18]
FAP/ガードナー症候群 APC 常染色体優性 2 PTC(篩状型) 消化管腺腫性ポリープ;ガードナー症候群では、デスモイド腫瘍、過剰歯、頭蓋の線維性異形成、骨腫、類表皮嚢胞、網膜上皮の肥厚などもみられる。
コーデン症候群(PTEN過誤腫症候群) PTEN(まれにSDHxKLLNAKT1PIK3CA 常染色体優性 10–35 FTC、PTC 乳房、子宮内膜、甲状腺、腎臓、消化管、脳、皮膚の悪性腫瘍および過誤腫。
カーニー複合 PRKAR1α 常染色体優性 11–15 FTC、PTC 軟部組織の粘液腫、皮膚および粘膜の色素沈着(青色母斑)、神経鞘腫、副腎、下垂体、精巣の腫瘍。
ウェルナー症候群 WRN 常染色体劣性 18 FTC、未分化PTC 早老(成人性プロジェリア)、強皮症様の皮膚変化、白内障、皮下のカルシウム沈着、筋萎縮症、糖尿病。
DICER1症候群 DICER1 常染色体優性 不明 PTC(およびMNG) 家族性胸膜肺芽腫症候群;嚢胞性腎腫;卵巣セルトリ・ライディッヒ細胞腫。
マッキューン・オルブライト症候群 GNAS モザイク体細胞変異 不明 FTC 多骨性線維性骨異形成症、カフェオレ斑、下垂体、副腎、性腺組織の内分泌機能亢進。
ポイツ・ジェガース症候群 STK11(LKB1) 常染色体優性 不明 主にPTC 小腸の過誤腫、粘膜皮膚の色素沈着過剰、精巣セルトリ細胞腫。
毛細血管拡張性運動失調症 ATM 常染色体劣性 不明 主にPTC 小脳性運動失調および眼振、眼皮膚毛細血管拡張症、免疫不全、リンパ網内系のがん。
多発性内分泌腫瘍1型(MEN1) MEN1 常染色体優性 不明 主にPTC 副甲状腺腫、胃腸膵管系内分泌腫瘍、下垂体前葉腫瘍。


無症候性FNMTCに関連する遺伝子と遺伝的多様体の特定

FNMTCに関連する遺伝学的多様性の全貌を明らかにするために各種の手法が用いられており、そのうちの主要な1つであるゲノムワイド連鎖解析では、ゲノム全体に均等に分布するマイクロサテライトマーカーと、複数の家系員が罹患した情報量の多い大規模家系(pedigree) を利用する。FNMTCに関連している遺伝子座は15以上判明しており、それらは表8に要約されている。斜体で示されている遺伝子座は、これまでに特定された感受性遺伝子の位置を表しており、その他の座に存在する原因遺伝子は未だ不明である。最初の4座はマイクロサテライト連鎖解析により特定された。他の座は、高密度に存在する一塩基多型(SNP)アレイやマイクロRNAアレイによって特定されることが増えており、より新しい結果は次世代塩基配列決定法によって明らかにされている。(連鎖解析および次世代塩基配列決定法の詳細については、がん遺伝学の概要に関する要約を参照のこと。)これらの研究のほとんどは、FNMTCに一致する家系(pedigree) の家族群を対象として行われたが、2つの遺伝子座はより大規模な集団レベルでのSNPアレイ解析で特定された。複数の研究で注目すべきこととして、散発性のNMTCに関連する体細胞性の変化を最もよく起こす遺伝子、すなわちBRAFRETRET/PTCMETMEK1MEK2RASNTRKが、FNMTCに関与するものから除外されている点がある。 [21]

表8. 無症候性の家族性非髄様甲状腺がん(Familial Nonmedullary Thyroid Cancer) 感受性遺伝子座

遺伝子座 位置 腫瘍の種類 サンプルサイズ 研究の種類 元のコホート国 参照文献
MNG1 14q31 PTCを伴うMNG 1 家系(kindred) マイクロサテライト連鎖解析 カナダ 1997 [22]
18 MNG
2 PTC
TCO 19p13.2 好酸性細胞型PTC 1家系(kindred) マイクロサテライト連鎖解析 フランス 1998 [23] [24] [25] [26]
20家族
6 MNG
3 PTC
49 NMTC
fPTC/PRN 1q21 PRNを伴うPTC 1家系(kindred) マイクロサテライト連鎖解析 米国 2000 [27]
5 PTC
2 PRN
NMTC1 2q21 PTC(濾胞型) 1家系(kindred)、80家系(pedigree) マイクロサテライト連鎖解析 タスマニア 2001 [25] [26] [28]
19家族
49 NMTC
FTEN 8p23.1-p22 PTC(古典型) 1家系(kindred) 10K SNPアレイ ポルトガル 2008 [29]
11良性例
5 NMTC
不明 8q24 黒色腫を伴うPTC 26家族 50K SNPアレイ 米国 2009 [30]
FOXE1 9q22.33 PTC/FTC 60家族 300K SNPアレイ アイスランド/スペイン/米国 2009 [31]
197 PTC/FTC
NKX2-1/TITF-1 14q13.3 PTCおよびMNG 60家族 300K SNPアレイ アイスランド/米国/スペイン 2009 [31]
197 PTC/FTC
不明 6q22 PTC/FTC(古典型) 38家族 50K SNPアレイ 米国/イタリア 2009 [32]
49 PTC
miR-886-3p 5q31.2 PTC 21 PTC 3K miRNAアレイ 米国 2011 [33]
7 FNMTC
10の正常な甲状腺組織
miR-20a 13q31.3 PTC 21 PTC 3K miRNAアレイ 米国 2011 [33]
7 FNMTC
10の正常な甲状腺組織
テロメア-テロメラーゼ複合体(TERT、TRF1、TFR2、RAP1、TIN2、TPP1、POT1 5p15.3(TERT)など。 PTC 47 PTC     2008 [34]
SRGAP1 12q14 PTC 38家族 250K SNPアレイ 米国/ポーランド 2013 [35]
HAPB2 10q25-26 PTC、濾胞状腺腫 1家系(kindred) WES 米国 2015 [36]
7 PTC
RTFC(c14orf93) 14q11.2 PTC 15家族 WES 中国 2017 [37]


連鎖解析により特定された感受性遺伝子座

MNG1、TCO、fPTC/PRN、NMTC1は、複数の罹患者を含む家族で特定されたFNMTC感受性遺伝子座として提案され、表8に要約されている。これらの遺伝子座に対する連鎖については、相反する証拠が存在する。MNG1では、複数の多発結節性甲状腺腫(MNG)がみられるカナダの1家系(kindred)でのみ強力な証拠が得られており、追加の124家族で行われた連鎖解析ではMNG1とFNMTCとの関連は明らかにならなかった。したがって、この遺伝子座はMNG単独に対して重要であるが、FNMTCに対しては重要でない可能性がある。 [22] [23] [27] [38] [39] [40] TCOはFNMTC症例の少数を説明するが、好酸性細胞型腫瘍を伴うFNMTCに特異的であり、これは確認されたFNMTC症例の大多数には該当しないまれな形態である。 [23] [24] [25] [26] fPTC/PRNも、PTCに乳頭状腎新生物が伴う、まれなFNMTCの亜型であるが、報告された元の家族以外にこの表現型が認められる家族は特定されていない。 [23] [27] [40] NMTC1は、PTCの別のまれな亜型である濾胞型の素因となるようである。古典的PTCと好酸性腫瘍もこの遺伝子座に関連があるが、程度はより低い。 [25] [25] [28] 2001年に各国の22のFNMTC家族を対象として実施された包括的な変異および連鎖解析によると、1家族のみにおいて、前述のものを含む既知の感受性遺伝子座(この例ではTCO)に対する有意な連鎖が認められた。 [23] この累積された証拠から、これらのFNMTC遺伝子座はごく一部の家族で疾患を説明することが示唆され、これはFNMTCが遺伝的異質性および遺伝子座異質性を示すという見方に一致する。

ゲノムワイドSNPアレイにより特定された感受性遺伝子座

表8には、徐々に密度を高くしたSNPアレイにより特定された、5つのFNMTC遺伝子座も掲載されている。最初のSNPアレイを用いたFNMTC研究は、2008年にポルトガルの家族を対象として、マイクロサテライト解析と併せて実施された。 [29] この家族にはPTCの家系員が5人(4例は古典例で1例は濾胞型)と良性甲状腺疾患の家系員が11人いた。この研究では、感受性遺伝子座が8p23.1-p22に特定され、FTEN(familial thyroid epithelial neoplasia)と命名された。8q24は26のFNMTC家族(PTCを有する)のSNPアレイを使用した連鎖解析から特定された最初の遺伝子座である。1家族において、3世代にわたるPTCと黒色腫(およびMNG)が認められたが、黒色腫は他の25家族では報告されなかった。8q24領域における遺伝子の塩基配列決定では候補となる病原性多様体は特定されなかったが、遺伝子発現解析により、PTCで下方制御されるノンコーディングRNA遺伝子であるAK023948PTSCC1)が関与している可能性が指摘された。 [30]

2009年に、アイスランドでPTCまたはFTCの197例に対する集団レベルの研究が実施され、アイスランド人の対照37,196人の遺伝子型との比較が行われた。 [31] 遺伝子FOXE1NKX2-1の近傍にそれぞれ存在する9q22.33と14q13.3の2つの遺伝子座には、高い統計的有意性が認められた。特に2つのSNPであるrs944289(NKX2-1近傍)とrs965513(FOXE1近傍)は、PTCおよびFTCのリスク増大に関連していた。これらの結果は米国(検査対象726人)およびスペイン(検査対象1,433人)の2つの大規模コホートでも確認され、またさらに他のコホートでも、特にFOXE1において、注目される別のSNPがいくつか見つかっている。 [31] [41] [42] FOXE1は、甲状腺の形成、分化、機能に重要な役割を担う甲状腺転写因子を産出するため、現在でもFNMTCに関して注目される遺伝子である。 [43] NKX2.1/TITF-1遺伝子も、甲状腺転写因子をコードする。生殖細胞多様体A339Vは、MNGまたはPTC/MNGを有するFNMTCの2家族で報告されている。 [44] しかし、この関連は後続する研究の他の家族では確認できていない。 [45] 最後に、米国とイタリアの大規模コホート(28のFNMTC家族の個人110人、患者49人)について、50K SNPアレイを用いた研究が実施された。これらの家族の大多数で、古典的PTCが認められた。プール解析により、既知の1q21遺伝子座(PRN)に加え、6q22に新しい遺伝子座が見つかった。 [32]

マイクロRNA(miRNA)感受性遺伝子座

miRNAは遺伝子発現を調節する微小なノンコーディングRNAである。全ゲノムmiRNAマイクロアレイを用いて、散発性NMTCの21例と家族性NMTCの7例、および正常な甲状腺組織標本10例の評価が行われた。 [33] 定量的逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)により、miR-20a(13q31.3)およびmiR-886-3p(5q31.2)という2つのmiRNAが散発性と家族性のNMTCで別様に発現していたことが確かめられた。いずれのNMTCも、正常な甲状腺組織と比較して4倍、下方制御されていた。miR-886-3pを用いた細胞株トランスフェクション研究では、これが細胞増殖および細胞遊走に重要な役割を果たし、DNA複製および焦点接着斑の経路に関与する遺伝子を調節することが確認された。 [33] さらに、pre-miR-146a(rs2910164)の多型がmiRNA発現に影響していることが明らかになり、PTC患者608人の腫瘍においてかなりの割合で特定されたことからは、この多型がPTCの遺伝的素因に寄与しており、体細胞性変化を介して腫瘍形成に何らかの役割を果たしている可能性が示唆される。 [46] 遺伝子調節機構の役割と、それが遺伝子発現およびFNMTC腫瘍形成に及ぼす影響について、さらなる研究が必要である。

テロメア-テロメラーゼ複合体

テロメアは、タンデムリピートで構成され、染色体安定性の維持に重要な非コード化染色体末端である。テロメア長はテロメラーゼ複合体によって維持され、この複合体には、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)とともにTRF1、TFR2、RAP1、TIN2、TPP1、POT1という別の6種類の蛋白が含まれる。 [47] 短くなったテロメア長は、がんの発生に寄与しうる染色体不安定性に関連する。また、テロメア-テロメラーゼ複合体は、FNMTCの素因となりうる別の遺伝的機序として、注目される研究対象である。2008年に、FNMTC患者のコホートに対する研究で、定量PCRおよび蛍光in situハイブリダイゼーションを用いて、相対テロメア長の評価が行われた。 [34] その結果、家族性PTC患者のテロメア長は、罹患していない家族および散発性PTC患者に比べて、有意に短いことが明らかになった。さらにこのグループでは、FNMTCがんにおいてテロメアが比較的脆弱で、断片化する率が高いことも判明した。 [48] FNMTCにおけるテロメア長に関する2番目の研究でも、患者13人のテロメア長は非罹患家族31人より短かった。 [49] しかしこの研究では、相対テロメア長は、テロメア複合体遺伝子であるhTERTTRF1TFR2RAP1TIN2TPP1POT1のそれぞれのコピー数や発現の変化に関連していなかった。別の複数の研究では、FNMTCと散発性PTCの症例の間にテロメア長の有意差は一切みられなかった。 [50] FNMTCの素因になるテロメア-テロメラーゼ複合体の役割や機序は、解明されていない。

近年特定された他のFNMTC感受性遺伝子と多様体

SRGAP1は、2013年に米国とポーランドのPTCを有する38のFNMTC家族のゲノムワイド連鎖解析によって特定された遺伝子である。 [35] 4つの生殖細胞ミスセンス多様体が特定されたが、Q149HおよびA275Tという2つの多様体は、2つの家族において分離されたが800例の散発例では分離されなかったため、特に注目に値する。SRGAP1はニューロン内で低分子量G蛋白CDC42を制御するほか、細胞遊走性に影響を及ぼす。 [51] 機能分析により、SRGAP1のQ149HおよびR617Cの両多様体により、CDC42を不活性化する能力が損なわれる機能喪失型の変化が生じ、腫瘍形成につながる可能性があることが示された。 [35] さらなる研究により、他のFNMTCコホートでこの遺伝子の関連性を検証する必要がある。

HAPB2は、2015年にPTCと濾胞状腺腫を有するFNMTC家系(kindred)の7人について、非罹患の配偶者を対照として行われた全エクソーム配列解析(WES)により特定された。 [36] すべての症例で、特異的な生殖細胞多様体のG534Eがヘテロ接合状態で認められた。この研究グループは、次世代塩基配列決定法により、Cancer Genome AtlasのNMTC例の4.7%にもこの多様体を見出した。この多様体は、正常な甲状腺組織または散発性PTCより、罹患した家族の甲状腺新生物で蛋白発現が多いことに関連していた。G534Eの機能検査では、コロニー形成と細胞遊走の増加が明らかになり、腫瘍抑制機能の喪失が示唆された。注目すべきは、著者らが1000 Genomes Project(phase III)およびHapMap3を利用して、一般集団での頻度である1%を基準とし、この家系(kindred)で特定された多様体を選別したことである。しかし、後のコメント論文で、Exome Aggregation Consortium(ExAC)(全集団で2.22%、フィンランド人以外のヨーロッパ人で3.29%)やNational Heart, Lung, and Blood Institute(NHLBI)Grand Opportunity Exome Sequencing Projectデータベース(全体で5.5%、ヨーロッパ系のアメリカ人で3.88%)などの公共のデータベースに基づいて、より高いG534E多様体の頻度が報告されていることが指摘された。 [52] [53] [54] ほかにも、FNMTCにおけるHAPB2 G534Eの頻度を確認するために多くの研究が実施され、多様な結果が得られている。この多様体は、中国の12のPTCを伴うFNMTC家族では(散発性PTC患者217人でも)特定されず、 [54] また中東の11のFNMTC家族でも特定されなかったが、 [55] 米国の研究により、PTCがみられる複数の独立したFNMTC家系(kindred)で分離されることが示された。 [56] 他の数件の研究では、G534E多様体が、たとえコホート全体で特定されても、あるいは家族内で疾患により分離されなくても、対照と散発例において家族性PTC例と同程度か、より頻繁に認められることが示された。 [55] [57] [58] [59] したがって、HAPB2 G534E多様体の頻度は複数の祖先と集団の間で異なっており、ヨーロッパ系の祖先をもつ集団では低~中程度の頻度であるが、アジア系および中東系の集団では低頻度か発生しないようである。この多様体の役割とFNMTCとの関連を確定するには、より大規模な妥当性研究が必要である。

最後に、近年、中国のFNMTC家族のWESにより、RTFC(c14orf93)が特定された。 [37] FNMTCに関連する候補遺伝子として3つの遺伝子(RTFCPYGLBMP4)が特定されたが、RTFC遺伝子だけが、飢餓状態で甲状腺がん細胞の生存を促し、細胞の遊走とコロニー形成能を促進する発がん性を有することが示された。特にRTFCのV205M(c.613G>C)多様体は、FNMTC患者において特定されたが、非罹患者からなる対照では特定されなかったため、重要である。さらにRTFCの発がん性変異が2つ(R115QおよびG209D)、散発性NMTC患者で特定された。総合的にみて、ExACの東アジア人集団にみられるこれらの多様体の頻度は全集団での頻度より高いことから、東アジアのFNMTC家族においては、この遺伝子が最も関連性の高いものである可能性がある。この遺伝子とこれらの多様体について、より大規模な妥当性研究を実施する必要がある。

要約すると、FNMTC家族で複数の感受性遺伝子座が特定されているが、無症候性FNMTCの大多数を説明する単一の遺伝子座はなく、臨床遺伝子検査の十分な実施理由になる強力な関連性を有する遺伝子も特定されていない。WESなどの新しい配列決定技術を用いることで、今後、新しい遺伝子の発見と評価が可能になるであろう。感受性遺伝子の特定により、スクリーニングと早期診断が可能になり、ひいては患者と家族の転帰の改善につながると考えられる。

サーベイランス

分化型甲状腺がんは、遺伝性か散発性かにかかわらず、疾患の臨床病理学的特徴によっては再発率が高い可能性がある。疾患再発は、最初の診断から40年経過後でも発生しうる。 [60] そのため、再発疾患に対するサーベイランスは、こうした腫瘍を有する患者の長期管理において重要な役割を果たす。最適なフォローアップ戦略は、初期腫瘍の特徴と患者の治療に対する反応との両方に応じて異なる。 [61] 幸いなことに、ほとんどの患者では疾患の再発リスクは低く、それに応じてサーベイランスの強度は比較的低い。こうした症例における術後の評価は、頸部超音波検査と血清サイログロブリンの測定が中心である。 [61]

サイログロブリンは、良性と悪性の両方の甲状腺濾胞細胞によって産生される蛋白で、分化型甲状腺がん患者では腫瘍マーカーとして使用される。サイログロブリン測定は甲状腺全摘術後の感度が最も高いため、サイログロブリンの検出-特に血清濃度の増加傾向-はしばしば疾患再発または進行の初期指標である。 [62] しかしながら、この腫瘍マーカーの使用についてはいくつかの注意点を認識しておくことが重要である。測定ごとに血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)とサイログロブリン抗体の値を同時に評価することが必須である。サイログロブリンはTSH値の増加とともに上昇する;したがって、サイログロブリン値の上昇は疾患の進行または単純にTSH値の増加を示している可能性がある。さらに、サイログロブリン抗体の存在はサイログロブリンの正確な測定を妨げる可能性があり、ほとんどの症例で腫瘍マーカーの見せかけの低下を招く。 [63] このような症例では、疾患状態の代替のマーカーとして抗体価を使用できる。 [61] 腫瘍マーカーとしてのサイログロブリン使用に関する最後の注意点は、値の傾向を正確に評価するため、各測定時に検査は同じ検査室で実施しなければならないということである;それぞれのアッセイが、同じ血清サンプルで異なるサイログロブリン値を示す可能性がある。 [61] 持続性または再発疾患を評価するための血清サイログロブリンの測定は、治療完了から3~6ヵ月経過時に実施され、その後は持続性または再発疾患の懸念に応じて、定期的に監視される。 [61] 一部の患者、特に甲状腺濾胞がん患者または疾患の再発または残存が臨床的に強く疑われる患者では、刺激サイログロブリン検査(甲状腺ホルモンを中止しTSH最低値が30mIU/Lに達した後またはrecombinant TSH注入後)が有用なことがある。

患者が放射性ヨードを受けているか、手術のみを受けているかにかかわらず、前頸部のすべての区画の注意深い超音波検査は、ほとんどの病変がこの領域に存在しているため疾患の再発または残存があるかどうかを判断するために重要なツールである。最初の超音波検査は一般的に、手術から6~12ヵ月後に実施される。 [61] 疾患の残存が懸念される場合、超音波検査はより早期に実施されるが、音波検査者は術後腫脹による偽陽性所見の可能性を認識しておくことが重要である。その後の頸部超音波評価の時期と必要性については、患者の再発リスクと血清サイログロブリンの状態によって異なる。 [61]

血清サイログロブリン検査と併用する超音波検査は、リンパ節病変の同定について非常に感度が高く、歴史的にサーベイランスの中心であった放射性ヨウ素による診断的全身スキャンよりもはるかに優れている。 [62]

介入

甲状腺結節が検出された後、追加の精密検査として、甲状腺の完全な超音波検査と頸部全体の超音波検査による頸部中央および側方リンパ節の評価などを行う。結節の大きさ、画像所見、患者が有する関連のある危険因子から疑われる結節の細胞診検査には、穿刺吸引法(FNA)が適応である。 [64] [65] 現在のほとんどのガイドラインは、10mm以上のすべての結節についてFNA生検を推奨している。最大径が10mm未満の結節でも、X線画像検査で悪性を疑わせる所見が得られた場合は、細胞診検査が必要な場合がある。悪性腫瘍が疑われる超音波所見には、低エコー、複雑な結節または充実性結節、血管分布、不規則な境界、石灰化などがある。術前の包括的な頸部超音波検査は、手術前に疑わしい結節のFNA生検を施行する機会になるだけでなく、外科医が適切な手術の計画を立て、外科手技と付随するリスクに関して患者とのカウンセリングを行う契機にもなる。 [66] ポジトロン放射断層撮影スキャンは甲状腺結節の評価には推奨されないが、別の理由で行われたスキャンで、取り込まれた造影剤の集積が甲状腺に認められることがある。サーベイランス期間中の偶発的なフッ素F18-フルオロデオキシグルコースの結合活性の増強と結節サイズの増大(容積の50%以上)も、結節のFNA生検の適応となることがある。 [61]

細胞診検査と確定できない甲状腺結節

Bethesda Thyroid Cytology Classificationは甲状腺生検の細胞学的解釈を標準化している。病理学的な結果は、以下の6つのカテゴリーのいずれかに分類される。 [67]


  • 診断がつかない、または満足のいかない結果。

  • 良性。

  • 意義不明の異型(AUS)または意義不明の濾胞性病変(FLUS)。

  • 濾胞性新生物または濾胞性新生物の疑い。

  • 悪性病変の疑い。

  • 悪性。

生検で証明された悪性結節(または悪性の疑いのある結節)を有する患者は、後述のように外科的切除が必要である。AUS/FLUSに分類される結節は、構造的または細胞学的異型性の程度から良性の診断が除外されるが、悪性と診断するには異型性の程度が不十分であるため、不確定カテゴリーに含まれる。 [67] こうした病変では一般に、繰り返しFNAが施行され、結節の臨床所見が変化した場合や後の生検で再びAUS/FLUS分類の結果が出た場合に、外科的切除が行われる。

甲状腺がんの外科治療

FNMTCの診断を受けた患者は、散発例に比べて疾患の侵攻性が高くなる場合がある。 [68] 腫瘍が単病巣内にある1cm未満の甲状腺内結節で、偶然発見され、低リスクの特徴がみられる場合は、甲状腺葉切除術が適切な治療となりうる。1~4cmの中等度の病変を認める患者は、甲状腺ホルモン補充療法の非遵守が懸念される場合に限り、葉切除術および峡部切除術の施行を受けることがある。そうでない場合は、多中心性病変、リンパ節転移、局所浸潤、侵攻性疾患の再発の頻度が高まるリスクがあるため、ほとんどの専門家が甲状腺全摘術を支持する。 [68] [69] ほとんどの外科医は、FNMTC患者において、リンパ節転移がX線像や臨床所見または術中に疑われるか生検で証明された場合に、甲状腺全摘術と区域に基づくリンパ節群の治療的郭清を妥当とすることに同意するであろう。しかし、初回の甲状腺摘出術施行時に頸部中央区域の腫大していないリンパ節に対する適切な治療については議論がある。例えば、一部の研究グループは、FNMTCが既知の患者全員にルーチンで予防的中央区域リンパ節郭清(PCND)を施行し、局所再発のリスクを低下させる方法を提唱しているが、生存利益を支持する具体的でプロスペクティブなランダム化されたデータは存在しない。 [70] [71] 2件のレトロスペクティブ研究(遺伝性甲状腺がんに限定したものではない)はPCNDに伴う疾患再発率の低下を報告しているが、 [72] [73] 2件のメタアナリシスでは、PCNDによる再発率の臨床的に有意な低下は認められなかった。 [74] [75] American Thyroid Association(ATA)の最新の推奨事項では、T3/T4乳頭がん(家族性もそうでないものも)患者で、臨床的に側方リンパ節転移が認められるか、情報を用いて放射性ヨード療法などのさらなる治療が計画される場合は、レベルVIの予防的または両側リンパ節郭清が推奨される。またATAは、この推奨事項は利用可能な外科的専門知識に照らし、PCNDが周術期の罹病率を上昇させうることを認識した上で解釈されるべきであるとしている。 [61] 現在、ルーチンではなく選択的なPCNDは、決定過程の指針として最も合理的な選択肢とみられる。 [76]

甲状腺全摘術の後、患者は生涯にわたる甲状腺ホルモン補充療法を受ける必要がある。 [61] レボチロキシン補充療法の用量は約1.6μg/kg/日であり、その後適切なレベルのTSH抑制が得られるまで漸増する。 [77] [78] TSH抑制の程度も患者の病態、再発リスク、侵襲的なTSH抑制による心血管系および骨合併症の個人的リスク [61] 、および腫瘍の臨床病理学的な特徴に基づいて個別化される。患者は一般的に、臨床検査評価と超音波検で構成される再発に対するサーベイランスレジメンを受ける。乳頭がんおよび濾胞がんでは、チロキシンとTSHが甲状腺抑制のレベルを示し、サイログロブリンとサイログロブリン抗体の値は、起こりうる再発や転移の重要なマーカーとなる。


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本要約の変更点(05/15/2018)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

要旨

本文で以下の記述が改訂された;多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)、多発性内分泌腫瘍2型(MEN2)、多発性内分泌腫瘍4型(MEN4)、家族性褐色細胞腫(PHEO)および傍神経節腫(PGL)症候群、カーニー-ストラタキス症候群、および家族性非髄様甲状腺がんが本要約で扱われる。

本文に以下の記述が追加された;MEN4は、臨床所見が他のMEN症候群と重複するまれな症候群である;最も一般的な特徴は原発性副甲状腺機能亢進症および下垂体腺腫である。MEN4はCDKN1B遺伝子における生殖細胞病原性多様体が原因で生じる。

本文に以下の記述が追加された;MEN4に関連する副甲状腺および下垂体腫瘍は外科的に管理され、MEN1など、他の家族性症候群に対する治療と一致している。

本文に以下の記述が追加された;MEN2BはときにMEN3と呼ばれる;MEN4は、ヒトにおける新たな症候群として2011年に記述され、主要特性として原発性副甲状腺機能亢進症および下垂体腺腫が含まれる;MEN症候群関連腫瘍は通常、ホルモンの過剰産生または腫瘍の増殖、あるいはその両方を発現する。

多発性内分泌腫瘍1型

本文に以下の記述が追加された;1件の研究により、MEN1のエクソン2に病原性多様体を有する若年患者では膵十二指腸神経内分泌腫瘍の発生率が2倍も高くなることがあると示されている;こうした個人はまた、より侵攻性の疾患を有し、遠隔転移を来す可能性が高い(引用、参考文献18としてChristakis et al.)。

家族性褐色細胞腫および傍神経節腫症候群

本文に以下の記述が追加された;生殖細胞病原性多様体の手術前の情報は、皮質を残す副腎摘出術に関連する変数に大きな影響を及ぼす。皮質の温存は、病原性多様体を有することが明らかになった患者では、対側腫瘍を発症するリスクが高いため重要となる。皮質の温存は、対側の副腎摘出術による将来の副腎皮質機能不全の可能性を低下させる。悪性疾患のリスクが高いSDHBキャリアでは、この検討を慎重に比較する必要がある。108人の患者コホートを対象にした1件の研究において、生殖細胞病原性多様体を有する患者の33%には遺伝性症候群の家族歴が認められず、SDHB生殖細胞病原性多様体を有する患者の36%には家族歴が認められず、発症時にPGL/PHEOの既往もみられなかった(引用、参考文献86としてNockel et al.)。

本要約はPDQ Cancer Genetics Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、内分泌および神経内分泌腫瘍の遺伝学について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Cancer Genetics Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

内分泌および神経内分泌腫瘍の遺伝学に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Cancer Genetics Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Cancer Genetics Editorial Board.PDQ Genetics of Endocrine and Neuroendocrine Neoplasias.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/thyroid/hp/medullary-thyroid-genetics-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389271]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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