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性的能力(セクシャリティー)および生殖の問題(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2013-09-04
    翻訳更新日 : 2013-11-22

がん患者における性機能障害の有病率とそのタイプ

性的能力とは、身体的、心理学的、対人関係上および行動的側面をもつ複雑で多面的な現象である。正常な性機能は個人個人で大きく異なることを認識するのは重要である。つまり、性的能力とは、性別、年齢、個人的な性的嗜好および宗教的ならびに文化的価値観など、種々の因子を踏まえたそれぞれの状況の中で、各患者とそのパートナーによって変化する。

多くのがんおよびがん治療において、性機能障害を併発することが多い。様々な視点から、種々のがん治療後に認められる性機能障害の推定値は、40~100%となっている。 [1] この情報の大部分は乳がんまたは婦人科がんを有する女性および前立腺がんを有する男性に関係している。他の種類のがん-特に、他の固形腫瘍-が性的能力にどのように影響するかについてはあまりよく分かっていない。調査は、乳がんの既往歴がある女性の約50%は、長期にわたって性機能障害を経験しており、 [2] [3] 婦人科系がんの既往歴がある場合も、同程度であることが示されている。 [4] 前立腺がんの男性患者における主要な性機能障害は、勃起不全(性交に十分な勃起が得られない状態)である。勃起不全の有病率には、差が認められる。一般に、その研究が患者の自己報告を用いたものであれば、勃起不全の割合は高くなり、根治的前立腺摘除術後の60~90%、放射線外照射による治療後には67~85%である。 [5] [6] [7] [8] 勃起不全は、内照射療法を受けた患者では最も少なく、凍結療法を使用して限局性前立腺がんを治療した患者に最も多くみられるようだ。 [9] ホジキンリンパ腫および精巣腫瘍の既往歴がある患者では、その25%に長期にわたる性的問題が残る。 [3] [10]

性的能力とがんに関するいくつかの要約論文では、がんの部位が性機能に直接影響を及ぼすことを特に強調している。 [11] [12] [13] 各人の性的反応は多くの方法で変化させることができ、その性機能障害の原因は、しばしば生理学的および心理学的なものである。がん患者の性的問題として最もよくみられる障害には以下のものがある: [3]


  • 男女ともに性的行動への欲求喪失。

  • 男性における勃起不全。

  • 女性における性交疼痛症(性交に伴う疼痛)。

男性では、以下の障害がみられることもある:


  • 射精喪失(射精の欠如)。

  • 逆行性射精(射精された精液が膀胱へ逆流すること)。

  • オルガスムの達成不能。

女性では、以下の障害がみられることがある:


  • 疼痛または感覚の喪失およびしびれ感による性感の変化。

  • オルガスムの達成能力の低下。

感覚の喪失が、疼痛と同程度に苦痛を伴うと捉える患者もいる。 [14] 女性では、化学療法または骨盤照射法による早期閉経後に、特に、悪性腫瘍のホルモンに対する感受性が高いことからホルモン補充療法が禁忌である場合、性機能障害を来す頻度が高い。 [2]

がん治療による他の多くの生理学的副作用とは異なり、無病生存が得られても、治療後1~2年以内に性的問題が解消されることはまずない [2] [7] [15] [16] [17] [18] [19] ;むしろ、そのまま解消されず極めて重度となるか、増加することすらある。性的問題が、各生存者の健康関連全QOL(生活の質)の評価にどの程度の影響を及ぼすのかは不明であるが、これらの問題は、患者の多くにとって明らかに煩わしく、がん治療後正常な生活に復帰するのを妨げる。QOLおよび生存率を可能な限り高めるためには、評価、専門医への紹介、介入および経過観察が重要である。 [2] [17]

特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。

早期前立腺がんの治療後に勃起不全を来した男性48人(登録者130人)を対象とした定性的研究 [20] では、以下の領域のQOLに有意な影響がみられた:


  • 性関係の質。

  • 女性との日常の相互関係。

  • 性的幻想。

  • 男性らしさの自覚。

根治的前立腺摘除術と注意深い経過観察を比較したランダム化試験に参加した患者に、症状、精神機能、およびQOLに関するアンケート用紙への記入を求めた。 [21] 性的思考の頻度は両群で同じであったが、勃起不全の有病率(性的状況での随意勃起、覚醒時の勃起、および自発的勃起での変化)は、注意深い経過観察群(45%)に比べ根治的前立腺摘除術群(80%)の方がより高かった。根治的前立腺摘除術を受けた男性では56%が性機能の低下により多少のあるいは著しい苦痛を受けているのに対し、注意深い経過観察群の男性では40%であった。 [21]

異なる集団-男性のリンパ腫生存者集団-において、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫の15年生存者を対象とした1件の横断研究では、性機能およびホルモン値が同年齢の対照群と比較された。 [22] 著者らは、全体では対照と比較してリンパ腫生存者では性機能(Brief Sexual Function Inventory [BSFI]により測定)が有意に不良であると結論づけた。単変量解析では、より低い機能の原因として以下が挙げられた:


  • 高齢。

  • テストステロン値低下。

  • より高い黄体形成ホルモン濃度。

  • より重度の疲労および感情的苦痛。

  • 少なくとも1つ以上の共存症。

これらの結果を解釈する際には以下に示すいくつかの注意事項がある:


  • 共存症の種類が挙げられていない;したがって、心血管系疾患が多くみられていたかどうかが不明である。

  • より低い機能に対する様々な寄与因子の相対的影響に注目した多変量解析が実施されなかった。

  • 主として大きな標本サイズであったために統計的有意差が得られたが、全体的な平均スコアを考慮すると、BSFIサブスケールのスコアは対照群のスコアと比較してそれほど低くもなく、それほど差は大きくなかった(0.5未満の差)。

著者らは性機能がより不良であると結論づけたが、わずかに不良であっただけである;ただし、差は統計的有意差に達した。そのため、性機能が苦痛またはQOLの低下にどの程度寄与したかは、この研究によって判断することはできない。 [22]


参考文献
  1. Derogatis LR, Kourlesis SM: An approach to evaluation of sexual problems in the cancer patient. CA Cancer J Clin 31 (1): 46-50, 1981 Jan-Feb.[PUBMED Abstract]

  2. Ganz PA, Rowland JH, Desmond K, et al.: Life after breast cancer: understanding women's health-related quality of life and sexual functioning. J Clin Oncol 16 (2): 501-14, 1998.[PUBMED Abstract]

  3. Schover LR, Montague DK, Lakin MM: Sexual problems. In: DeVita VT Jr, Hellman S, Rosenberg SA, eds.: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 5th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott-Raven Publishers, 1997, pp 2857-2872.[PUBMED Abstract]

  4. Andersen BL: Quality of life for women with gynecologic cancer. Curr Opin Obstet Gynecol 7 (1): 69-76, 1995.[PUBMED Abstract]

  5. Walsh PC, Epstein JI, Lowe FC: Potency following radical prostatectomy with wide unilateral excision of the neurovascular bundle. J Urol 138 (4): 823-7, 1987.[PUBMED Abstract]

  6. Talcott JA, Rieker P, Clark JA, et al.: Patient-reported symptoms after primary therapy for early prostate cancer: results of a prospective cohort study. J Clin Oncol 16 (1): 275-83, 1998.[PUBMED Abstract]

  7. Smith DS, Carvalhal GF, Schneider K, et al.: Quality-of-life outcomes for men with prostate carcinoma detected by screening. Cancer 88 (6): 1454-63, 2000.[PUBMED Abstract]

  8. Stanford JL, Feng Z, Hamilton AS, et al.: Urinary and sexual function after radical prostatectomy for clinically localized prostate cancer: the Prostate Cancer Outcomes Study. JAMA 283 (3): 354-60, 2000.[PUBMED Abstract]

  9. Robinson JW, Moritz S, Fung T: Meta-analysis of rates of erectile function after treatment of localized prostate carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 54 (4): 1063-8, 2002.[PUBMED Abstract]

  10. Arai Y, Kawakita M, Okada Y, et al.: Sexuality and fertility in long-term survivors of testicular cancer. J Clin Oncol 15 (4): 1444-8, 1997.[PUBMED Abstract]

  11. Roth AJ, Carter J, Nelson CJ: Sexuality after cancer. In: Holland JC, Breitbart WS, Jacobsen PB, et al., eds.: Psycho-oncology. 2nd ed. New York, NY: Oxford University Press, Inc., 2010, pp 245-50.[PUBMED Abstract]

  12. Lamb MA: Sexuality and Sexual Functioning. In: McCorkle R, Grant M, Frank-Stromborg M, et al., eds.: Cancer Nursing: A Comprehensive Textbook. 2nd ed. Philadelphia, Pa: WB Saunders Co, 1996, pp 1105-1127.[PUBMED Abstract]

  13. Ofman US, Auchincloss SS: Sexual dysfunction in cancer patients. Curr Opin Oncol 4 (4): 605-13, 1992.[PUBMED Abstract]

  14. Havenga K, Maas CP, DeRuiter MC, et al.: Avoiding long-term disturbance to bladder and sexual function in pelvic surgery, particularly with rectal cancer. Semin Surg Oncol 18 (3): 235-43, 2000 Apr-May.[PUBMED Abstract]

  15. Fosså SD, Woehre H, Kurth KH, et al.: Influence of urological morbidity on quality of life in patients with prostate cancer. Eur Urol 31 (Suppl 3): 3-8, 1997.[PUBMED Abstract]

  16. Helgason AR, Adolfsson J, Dickman P, et al.: Factors associated with waning sexual function among elderly men and prostate cancer patients. J Urol 158 (1): 155-9, 1997.[PUBMED Abstract]

  17. Litwin MS, Hays RD, Fink A, et al.: Quality-of-life outcomes in men treated for localized prostate cancer. JAMA 273 (2): 129-35, 1995.[PUBMED Abstract]

  18. Relander T, Cavallin-Ståhl E, Garwicz S, et al.: Gonadal and sexual function in men treated for childhood cancer. Med Pediatr Oncol 35 (1): 52-63, 2000.[PUBMED Abstract]

  19. Broeckel JA, Thors CL, Jacobsen PB, et al.: Sexual functioning in long-term breast cancer survivors treated with adjuvant chemotherapy. Breast Cancer Res Treat 75 (3): 241-8, 2002.[PUBMED Abstract]

  20. Bokhour BG, Clark JA, Inui TS, et al.: Sexuality after treatment for early prostate cancer: exploring the meanings of "erectile dysfunction". J Gen Intern Med 16 (10): 649-55, 2001.[PUBMED Abstract]

  21. Steineck G, Helgesen F, Adolfsson J, et al.: Quality of life after radical prostatectomy or watchful waiting. N Engl J Med 347 (11): 790-6, 2002.[PUBMED Abstract]

  22. Kiserud CE, Schover LR, Dahl AA, et al.: Do male lymphoma survivors have impaired sexual function? J Clin Oncol 27 (35): 6019-26, 2009.[PUBMED Abstract]

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がん患者の性機能に悪影響を及ぼす因子

性機能障害には様々な原因があり、身体的因子および心理学的因子のいずれもその進行に寄与している。身体的因子には、以下のものがある:


  • がんの治療による機能障害。

  • 疲労。

  • 疼痛。

さらに、手術、化学療法、放射線療法、骨髄移植などのがんの治療により、性機能に直接的な生理学的影響が現れることがある。 [1] 疼痛および抑うつ、その他の症状の治療として使用された薬剤により、性機能障害が生じることがある。

心理学的因子には、以下のものがある: [2] [3]


  • がんの原因に関する誤解。

  • そのような誤解から生じる罪悪感。

  • それに伴う抑うつ。

  • 術後の身体像の変化。

  • がんによって二次的に生じる人間関係のストレス。

加齢とともに、性的欲求や性的能力は低くなると考えられることが多いが、ある研究における高齢者の報告によると性交渉はQOLに重要な意味をもち続けており、その能力は70~80歳代まで保たれ、性機能の低下は苦痛であるとしている。 [4]

手術に引き続いて起こる治療関連因子

がん治療の多くは、性機能に対して直接的な生理学的影響がある。治療が成功しいくつかの面で改善が得られるにつれ、性機能の罹病率を低下させるべく、治療改善の試みがなされてきた。術後の性機能に関する予測因子としては、以下のものがある:


  • 患者年齢。

  • 病前の性機能および膀胱機能。

  • 腫瘍の位置。

  • 腫瘍の大きさ。

  • 外科的切除の範囲。

乳がん

乳がんの局所治療後の性機能を対象とした調査は、非常に多い。いくつかの総説は、性機能の維持という点で、乳房切除単独療法に比べて乳房温存療法または乳房再建術のもたらす効果はわずかであるという見解で一致している。 [5] [6] 特に、乳房温存療法を実施した女性患者は、その後も乳房への愛撫を好む傾向が強いが、性交渉の頻度、オルガスムに達しやすいかどうか、または、総合的な性的満足度などの、はっきりしたパラメーターに関しては、グループによって特徴的な差はみられない。

比較的若い乳がん女性(50歳以下)に対する横断的調査では、乳房切除術が性交渉への関心においてより大きな問題となることに関連することを示す多変量解析が明らかにされた;化学療法は性機能障害がより大きくなることと関連していた。 [7] 他の複数の試験では、化学療法を受けた患者、乳房切除術を受けた患者、より遅い病期でがんが発見された患者、および診断時前後により重度の抑うつ症状を呈していた患者において、性的QOLがより低下することが確認された。 [8] タモキシフェンおよびエキセメスタン(アロマターゼ阻害剤)に関連する更年期症状の違いを評価するために、補助療法としてこれら2剤のいずれかを投与中の乳がん女性を対象に大規模な調査が行われた。1年間使用した後、エキセメスタン群はタモキシフェン群に比較して、ほてりが少なく、膣分泌物の量も少なかったが、膣乾燥症、骨痛、睡眠障害との関連性が高かった。 [9]

再発乳がん患者における性的能力を評価する研究はわずかしかない。1件の縦断的研究では、再発がんと最近診断された女性と、再発のないマッチした患者を比較した。性的満足度や関係満足度における差はみられなかったが、再発群では性交の頻度がより低下していた。乳がんの女性を対象とした別の複数の研究で報告されているように、性的な変化は比較的若い患者でより一般的であった。 [10]

大腸がん

大腸がんの男性および女性における性機能に関係した変化は十分に研究されておらず、問題を明らかにし、理解と効果的な解決法を提供している文献は少ない。しかしながら、一般的に実施される手術、特に直腸がん患者に実施される手術の結果として性機能が変化する可能性がある。本セクションでは、直腸がんに対する手術後に起こりうる、男性の性機能への考えられる影響について記述する。

直腸がん切除術の合併症として、性機能障害および排尿障害が認められる。外科的切除による性機能障害の主要原因は、鈍的な骨盤内臓器切除術または限定的でない切断によって、遠位大動脈周囲の骨盤内の自律神経を損傷することだと考えられる。泌尿生殖器障害の罹患率は、切開面、自律神経の温存の程度および骨盤内臓器切除の範囲などの術式によって決まる。 [11] [12] 神経脈管への血行損傷による直接的な損傷、あるいは牽引や脈管遮断によって側方からの神経への血液供給が妨害された部位で神経の損傷が発生する。 [13]

神経解剖学的側面から見れば、性機能には、副交感神経系と交感神経系との相互作用を含む自律神経系が無損傷で存在することが必要とされる。勃起(副交感神経を介する反応)は、勃起神経に沿って伝わる、第2、第3、第4仙骨神経から生じるインパルスに支配されるが、 [14] 射精は交感神経のコントロールに依存する。その交感神経線維は、脊髄の下位胸部および上位腰部の神経分節に由来する。またこうした線維は、大動脈に沿って下方へ向かい、大動脈分岐部近傍で上下腹神経叢を形成する。この神経叢は、2つの神経幹に分岐し、下腹神経として、外側壁に沿って骨盤に入る。骨盤に向かう副交感神経線維は、各骨盤壁上で下腹神経と一緒になり、骨盤神経叢を形成する。 [14] 骨盤内自律神経の解剖学的所見およびこうした神経と直腸間膜の筋膜面との関係を広範囲にわたって概説した研究が1件ある。 [15] 外科的切除によって、下腹神経(交感神経)、または仙骨の内臓神経(副交感神経)またはその双方に損傷を来せば、排尿障害および性機能障害の最も大きな原因になると考えられる。 [16] 勃起機能を維持するには、骨盤神経叢を保護する必要があり、射精機能およびオルガスムを維持するには、下腹神経および骨盤神経叢のいずれも保護する必要がある。 [17]

前立腺がん

根治的前立腺摘除術(RP)に新しい神経温存術を使用する方が、限局性前立腺がんに対する根治的放射線療法よりも勃起機能温存の成功率が高いかどうかという点については、見解が分かれている。1994年に実施された診療方法の調査は、ランダムに抽出された泌尿器科専門医の95%が、70歳未満の男性患者の臨床的限局性前立腺がんの治療選択肢として、手術を検討することを明らかにした。 [18] RPを受けた多数の男性群を対象とした追跡研究が集積されており、機能性の勃起を得るまでに回復する(ほぼ必ず、陰茎を腟に挿入するのに十分な硬さを得られる)患者の推定割合は10~40%で、放射線外照射療法(EBRT)後に機能性の勃起を得られる患者の推定割合は15~33%である。 [19] [20] [21] [22] [23] いくつかのレトロスペクティブコホート研究では、両側神経温存術が優れた効力を示している証拠がある。 [24] [25] ある調査グループは、機能温存の点で、標準術式よりも神経温存術の方がはるかに優れているのは、選択の偏りによる不自然な結果であると示唆した。 [26] 神経温存術の対象として選択された男性は、十分な勃起を回復する可能性が最も高い。1997年1月から2003年6月のMEDLINEおよび CANCERLITを用いた系統的な文献のレビューは、限局性前立腺がんの治療を受けた患者において、患者の選択と手術手技が術後の勃起機能の主な決定因子であると結論付けた。適切に選択された患者が経験を積んだ外科医による神経温存のRPを受けたとすれば、術後に補助なしまたは医学的な補助による勃起が得られると考えられる。 [27]

その他の研究によると、三次元的原体照射法は、勃起機能の温存という点でPRよりも優れていることが示唆される。 [20] [28] [29] [30] [31] [32] [33] 原体照射法は、従来の手技よりも効力が概して30~60%優れているとされる。 [20] [34] [35] [36]

しかしながら、高齢で健康状態不良の男性はしばしば放射線療法を受けるよう指示されるため、研究者は、しばしば治療開始時に良好な勃起能を得ていた患者に限って治療後の性機能を報告する。さらに、PR後の勃起機能の回復は、典型的に約1年以内に認められるが、放射線による勃起機能に対する障害は徐々に生じ、治療から2~3年後でも機能低下の現象が観察されるため、手術と放射線療法を比較するには、長期の追跡調査が必要である。RPまたはEBRTのいずれかによる治療を受けた男性のレトロスペクティブコホート研究では、診断後5年で手術群における勃起不全の罹患率が有意に高いことが明らかにされた(79.3% vs 63.5%)。 [37]

また、勃起機能に損傷を来す機序は、手術と放射線療法との間に差が認められる。


  • RPは陰茎へ血流を導く神経にダメージを与え、最終的にはこうした組織への酸素の供給が減少し、良好な勃起に不可欠とされる陰茎組織の弛緩能を阻害するコラーゲン沈着が増大する。 [38]

  • 放射線療法は、陰茎への血液輸送を担う動脈系を損傷すると考えられる。 [39]

集団ベースデータの1件のレトロスペクティブレビューは、前立腺がんにおける一次治療の選択は2年の全般的な健康関連QOLの結果と関連しないことを示唆している。 [40]

密封小線源永久挿入による前立腺への近接照射療法は、前立腺がんの治療として選択されることが多くなりつつある。 [41]

以下の2種類のアイソトープが多く使用されている:


  • ヨウ素125(125I)。

  • パラジウム103(103Pd)。

近接照射療法を用いると射精は温存され、年齢(50歳未満の男性の91%)が性機能の回復と相関する。 [42] しかしながら、治療後の時間的な性機能の低下が、近接照射療法による治療を受けた患者において予想される。 [41] [43] ある研究では、近接照射療法単独の場合の実質的な機能温存は3年時点で79%、6年時点で59%であることが明らかにされた。 [44] 別の研究では57%と低い割合の男性において、ベースライン時に完全な機能または軽度の勃起不全がみられ、近接照射療法後30ヵ月の時点でもそのままの状態であることが明らかにされた。 [45]

近接照射療法後に性交能力が維持される割合は、EBRTおよび/またはネオアジュバントホルモン遮断療法を追加することに著しく影響される。近接照射療法のみを受けた患者は5年性交能力維持率が76%であり、近接照射療法とERBTを受けた患者の性交能力の56%と比較された。ERBT、ネオアジュバントホルモン遮断療法、および近接照射療法を併用した治療を受けた患者は、5年性交能力維持率が29%であった。 [41]

近接照射療法後の勃起不全の病因は不明である;しかしながら、神経束および血管構造への放射線性障害がひとつの原因として挙げられている。 [41] ある研究が、前立腺への近接照射療法による勃起不全に関与すると目されている放射線量と近接照射療法後の勃起不全の発生との関係をレトロスペクティブに調査した。この研究では、下腿または神経血管束への線量の増加による勃起不全のリスクの増大は認められず、勃起不全のリスクと球形部への放射線量との間に用量反応関係がある可能性が提唱されている。 [46]

オルガスムの変化

勃起のメカニズムの理解が進歩しているにもかかわらず、オルガスムの過程の理解は依然として十分ではない。オルガスムの変化はほとんど注目されていないが、オルガスムの変化はまれであり次の3つの領域に分類される:


  • オルガスムにおける変化。

  • オルガスム時の痛み(dysorgasmia)。

  • オルガスムに関連する失禁。

限局性前立腺がんに対して治療を受けた男性1,236人(RPが52%、放射線療法が48%)を対象とした研究では、もはやオルガスムを達成しようと試みなかった31%、オルガスムの達成を試みているものの達成できていない17%、およびオルガスムは得られているが失望させるほど弱いものであった28%を含めて、患者の65%がオルガスムに関する問題を報告したことが明らかにされた。 [47]

RP後の男性におけるオルガスム障害のタイプを定義するため、1つの研究者グループが以下についての質問を含む調査を実施した: [48]


  • オルガスムの達成。

  • オルガスムの非達成。

  • 手術前のオルガスムの質。

  • 手術後のオルガスムの質。

  • オルガスム時の痛みの存在。

  • オルガスム時の痛みの位置。

  • オルガスム時の痛みの一貫性および持続時間。

手術で治療された患者のうち:


  • 22%がオルガスムの強さに変化がないことを報告した。

  • 37%がオルガスムを全く達成できなくなったことを報告した。

  • 37%がオルガスムの強さが弱くなった。

  • 4%が以前よりRP後の方が強いオルガスムが得られるようになったと報告した。

オルガスム時の痛みは14%の患者に起こり、その位置は陰茎(63%)、腹部(9%)、直腸(24%)、その他(4%)であった。ほとんどの患者ではオルガスムに伴う痛みは1分未満で治まり、1/3は1~5分間の痛みを報告し、5分以上持続する痛みを報告した患者は12%であった。 [48] オルガスム時の痛みの病因に関するコンセンサスは得られていない;しかしながら、膀胱頸部/骨盤底筋の痙攣が役割を果たしていると考えられている。

タムスロシン

1件のプロスペクティブ非プラセボ対照研究が、オルガスム時に痛みを有する患者においてαアドレナリン遮断薬であるタムスロシンの使用を評価するために実施された。この研究では、77%の患者が痛みの有意な改善を報告し、12%は痛みが完全に消散したことを報告し、国際勃起機能スコアが有意に増加したことから、オルガスム時の痛みは膀胱頸部および/または骨盤底筋の痙攣に関係しているという仮説が支持されている。 [49]

オルガスム中の失禁

オルガスム中の失禁(climacturia)は、RP後の男性およびそのパートナーにとって性的行動の満足にマイナスに影響しうる別の現象である。1つの研究者グループにより、climacturiaはRP後の患者の20%に起こり、実施された前立腺切除の種類(開腹または腹腔鏡下)とは関係しなかったことが報告された。 [50] 別のグループの報告では、RP後のclimacturiaの有病率はより高く45%であった。 [51] 報告された症例の68%ではclimacturiaはまれか、ごくたまにしか起こらない一方で、症例の21%ではほとんどまたは常に起こった。58%の患者では尿漏出はほんの2~3滴であったが、16%は1oz(約28.3グラム)以上の尿漏出を報告した。患者の52%では悩みは全くないか最小限であったが、48%では重大であった。

手術前のオルガスムの性質を回復するための有効な治療法はない。オルガスム時の痛み(dysorgasmia)はα遮断薬による対症療法で管理可能であり、オルガスム中の失禁(climacturia)は行動(水分摂取を制限し、性的行動前に排尿しておく)または機械的(漏出量が少なければ締めつけ用のゴム製リングまたはコンドームを使用する)に管理可能である。

陰茎長の変化

1件の研究により、RP後にすべての陰茎寸法の有意な減少が明らかにされている:弛緩状態および勃起状態でそれぞれ陰茎長は8%および9%低下し、容積は19%および22%低下した。 [52] 最も実質的な変化は手術後、最初の4ヵ月~8ヵ月の間に起こった。測定された陰茎長の低下はRP後の男性の71%でみられ、患者の48%では手術から3ヵ月経過時に陰茎長の低下が1cmを超えていた。 [53] 同様の知見が別の研究でも得られており、68%の患者で伸長した陰茎長が低下し、19%の患者では15%以上の低下であった。 [54] 陰茎長の短縮は、神経温存状態および術後の勃起機能の結果と独立して関連していることが明らかにされている。

解剖学的な線維性変化

弾性線維および平滑筋線維の内容物が有意に低下し、コラーゲンの内容物が増加した解剖学的な線維性変化が術前、術後2ヵ月経過時および12ヵ月経過時における陰茎生検の比較により実証されている。勃起活動が慢性的に存在しないことで海綿体が低酸素状態、低酸素分圧となり、これによりトランスフォーミング成長因子-β1(TGF-β1)などの線維形成性サイトカインが分泌されやすくなるが、勃起中は海綿体平滑筋(corporal smooth muscle)に酸素が供給されると考えられている。この結果、内因性のプロスタノイド(プロスタグランジンE1)が分泌され、今度は線維形成性サイトカインの産生が抑制される。

生理学的な機能変化

解剖学的な変化に加えて、生理学的な機能変化もある。経験を積んだ外科医の手による神経温存術においてでさえも、ある程度の神経損傷が海綿体神経に起こりやすいことが十分に認識されている。交感神経の超神経支配(競合的出芽と呼ばれる)とは、自律神経が損傷した場合、交感神経線維が損傷から回復し、より速く再生できるように生物学的に準備刺激されており、その結果、末端器官における交感神経の緊張が拮抗されないようにする概念である。海綿体神経の損傷後、この現象により陰茎は高張状態となる。RP後の神経損傷など、一酸化窒素分泌の低下または交感神経の緊張の増加をもたらす何らかの因子によって、海綿体平滑筋の弛緩低下または伸展性低下および短縮に至ることがある。

陰茎長の変化の正確な機序に関係なく、陰茎の短縮および長期の勃起不全において基礎にある一般的な機序は、平滑筋の変性を引き起こす神経損傷に関連した除神経および海綿体の低酸素に誘発されたコラーゲン沈着の組み合わせの結果として起こる構造変化であろう。

陰茎長の変化は以下のように早発性と遅発性に分けられる:


  • 早発性の変化。

    早発性の変化はRP中の神経損傷に応答して起こる。海綿体神経が変性し、早期の段階-交感神経機能が優勢であるとき-で陰茎が収縮する。陰茎の平滑筋はアドレナリン性緊張に応答して非常に収縮しやすいことを考慮すると、このことにより、患者がしばしば“体内に引き戻されている”と形容する陰茎に帰着する。この高張状態は手術後最初の3ヵ月~6ヵ月以内が最も顕著である。これを支持する臨床シナリオは、包皮環状切除を施したものの、手術直後に包皮環状切除が不完全であるか、包皮環状切除を行っていないようにさえ見える陰茎の男性である。

  • 遅発性の構造変化。

    遅発性の構造変化は海綿体平滑筋の真に不可逆的な構造変化であるため、患者にとってより苦痛である。こうした構造変化は、おそらく(上述のように)複数の因子の組み合わせによって起こる。これらの遅発性の変化と早発性の緊張の亢進との差は、永久的な平滑筋の変化が認められる集団において陰茎の伸長が低下しているか、見られないことにより示される。こうした変化が陰茎長だけでなく、陰茎周囲の寸法に影響する程度を認識するのは容易である。

精巣腫瘍

精巣腫瘍を診断された男性は、特に厄介な性機能の変化に気づく。しかしながら、精巣摘出術後の男性における長期性機能について記述している発表されたデータの中で勇気づけられるものは限られている。オランダの1件の研究により、手術後、最初の3ヵ月間は性的欲求などの性機能が低下し、ベースラインから12ヵ月経過時に機能が改善したことが報告された。 [55] この研究では、独身であることがすべての時点でのより不良な性機能および/または性機能に関するより低い満足の主要な予測因子であった。治療の種類(精巣摘出術単独 vs 精巣摘出術 + 化学療法または放射線療法)は性機能に影響しなかった。うつ病はベースライン時および3ヵ月経過時には予測に役立ったが、12ヵ月経過時には役立たなかった。 [55]

フランスの1件のケースコントロール研究では、精巣腫瘍を有し、診断後5年経過して無病状態であった男性106人における性的転帰が評価された。 [56] 対照群は年齢および地理的な位置でマッチングされた。精巣腫瘍生存者および対照群の両群とも、婚姻率、離婚率、および別居率は同じであった。しかしながら、性的快楽、欲求(P = 0.04)、不妊(P < 0.001)、および勃起不全(P = 0.05)に関しては生存者と対照群で有意差がみられた。性的活動の喪失および性交の減少は両群間で差がなかった。 [56]

同様に、精巣腫瘍の病歴(4~18年前に診断され、治療を受けた)がある1,000人を超える男性を対象としたノルウェーの研究では、Brief Male Sexual Function Inventoryにおける勃起、射精、および欲求について、比較的年齢の低い男性(20~39歳)と比較的年齢の高い男性(40~59歳)の両方において、一般集団のほぼ同じ年齢の男性と比較して統計的有意差がみられた。 [57] しかしながら対照的に、著者らは、これらの統計的有意差は小さく、臨床的意義はなかったと報告している。後腹膜リンパ節郭清に加えて化学療法を受けた男性は、射精に関してより多くの困難を報告したが、他の性的領域における困難は報告しなかった。上述のオランダの研究と同様に、独身であることは性的問題に関する最も重要な変数であった。さらに、この研究では年齢が高くなると性的スコアがより不良になった。 [57]

要約すると、データは、精巣腫瘍の男性は性機能のいくつかの側面についてより多くの問題を報告するが、否定的な変化は大部分が短期間であり、長期の機能および活動は一般集団における機能および活動とほぼ同じであることを示唆している。

その他の骨盤内腫瘍

神経温存術は、根治的膀胱切除術後 [58] [59] および大腸切除術後の勃起の回復能を少なくとも幾分は改善させるものと思われる。 [59] [60] 前立腺がん以外の骨盤内悪性腫瘍の根治的放射線療法による性的な副作用は、未だ十分調査されていないが、線量および照射野が骨盤内の血管床に影響を及ぼす時は、前立腺がんの治療後に近い転帰を予測することができる。

女性の骨盤内臓器の手術には、子宮摘出術/卵巣摘出術、膀胱切除術、外陰摘出術および腹会陰式直腸切断術があり、膣の部分的切除をはじめとするその他の解剖学的女性性器の切除が含まれることが多い。過去の研究では、根治的子宮摘出術後に性交疼痛症またはオルガスムの喪失を来したという報告はほとんどない; [61] [62] しかしながら、根治的子宮摘出術を受けた早期子宮頸がんの女性の群をコントロール群と比較したより最近のプロスペクティブ研究では、術後最初の6ヵ月間で膣の大きさが縮小したことを原因とするいくつかのオルガスムの問題と不快な性交が報告された。術後最初の2年間、女性患者らは性的関心や潤滑性の欠如が続いていることを訴えた。 [63]

膀胱がんの根治的膀胱切除術は、膣の前壁をすべて切除するため、膣の深さおよび内径が減少し、疼痛を伴うことが多い。こうした患者は、カウンセリングとホルモン療法および膣拡張器を用いることによって、無痛性の性交、正常な感覚およびオルガスムを再度得ることができる。 [64] 膣組織を保護することができれば、こうした問題のいくつかは軽減される可能性がある。部分的外陰摘出術によって外陰部組織を温存したところ、根治的外陰摘出術よりも罹病率が低下したとの報告があるが、摘除した組織量は、術後の性的満足感の十分な予測因子ではない。 [65] むしろ、これはパートナーと女性の関係にみる質的な問題であり、それが性機能と相関関係を示す。 [66] また、腹会陰式直腸切断術を施行すると、膣の後壁を切除することからクッション機能が低下し、患者は性交痛を訴える。さらに、前壁/後壁の摘除後は、骨盤内臓器の癒着ないし瘢痕が、性交疼痛症の原因となることがある。女性の再発性骨盤腫瘍の根治的切除術(骨盤内容除去術)には、膣の筋肉および挙筋の部分的除去あるいは全除去が含まれる。膣再建により十分な機能および審美的結果がもたらされた患者もいる。 [67]

全身化学療法に引き続いて起こる治療関連因子

男性患者でも女性患者でも、化学療法を実施すると、性欲喪失および性交の頻度低下を来す。化学療法後に認められる一般的な副作用には、以下のものがある:


  • 吐き気。

  • 嘔吐。

  • 下痢。

  • 便秘。

  • 粘膜炎。

  • 体重の変化(増加または減少)。

  • 味覚および嗅覚の変化。

こうした症状によって、患者が性的行為に無関心になることは多い。脱毛症はしばしば、身体像の変化に関連した最も不快な副作用のうちの1つである。 [68] 陰毛の喪失もとりわけ不快であり、その結果、性的行為に無関心になることがある。

女性の場合、細胞毒性薬に伴って以下の症状がみられる: [3] [69] [70] [71]


  • 膣乾燥症。

  • 性交疼痛症。

  • オルガスムに達する能力の低下。

  • 高齢女性で卵巣がんのリスク上昇。

化学療法または放射線療法による早発性の卵巣機能不全は更年期症状を急速に出現させ、卵巣からのエストロゲン産生量の急激な低下を経験する女性は、多くの関連する性的変化を経験する。エストロゲン喪失に伴う性的な症状には、以下のものがある: [72]


  • 膣萎縮。

  • 外陰部組織および膣の菲薄化。

  • 組織の弾力性低下。

  • 膣の潤滑性低下。

  • ほてり。

  • 尿路感染症の頻度増大。

  • 気分の変動。

  • 疲労。

  • イライラ感。

さらに、若年女性の乳がん患者の場合、治療によって出現する更年期症状が、健康に対する認知とQOLの低下の一因となる。 [72]

原発性乳がんの初回治療終了時から生き残りの時期までの経過期間の心理社会的側面に関するある研究に、558人の女性が登録した。登録した女性は、化学療法を併用および併用しない手術(乳房切除術または腫瘤摘出術のいずれか)による治療を受けており、健康上のアウトカムでは、身体的、感情的、および性的機能のほか、気分、症状などを調べた。性機能は、以前に受けた術式(すなわち、乳房切除術または腫瘤摘出術)に関係なく、化学療法を受けた女性の場合、より不良であった。これらの性機能に伴う問題は、膣潤滑や閉経状態の変化の問題と関係する傾向がみられ、それらはともに化学療法を受ける者において、より一般的にみられる。 [73] 乳がんの再発を引き起こすことへの懸念から、治療中に閉経に至った女性には、ホルモン補充療法は推奨されないことが多い。 [74]

しかしながら、その他悪性腫瘍の女性患者の場合、通常エストロゲン補充療法によって多くの性的問題を解消することができる。医療提供者は、個々の女性患者のリスク面を考慮に入れた上で、ホルモン補充療法のリスクとベネフィットについて患者と話し合うことができる。自分自身の性的反応に生じたこのような変化を理解しようと努力する女性に対して、性機能および性的反応の興奮期に対する閉経の影響に関する情報が特に、与えられないことが多い。骨髄移植後に移植片対宿主病(GVHD)を発症した女性は、性交を妨げる膣狭窄および癒着を来すことがある。 [75]

男性の場合、化学療法薬は勃起不全にほとんど関与しない。 [3] 細胞毒性薬には、神経障害を引き起こすものがあるが、治療を遂行して、永続的に勃起能を喪失したとの報告はほとんどない。性欲喪失および勃起不全などの性機能障害は、骨髄移植術の施行後に認められることが多く、自律神経ニューロパシーまたはGVHDとしばしば関連する。 [76] [77] 男性への全身化学療法は時に、精巣のテストステロン産生を阻害することがある。 [78] このように、化学療法によって精巣に損傷を来した男性患者は、性機能を回復させるのにテストステロン補充療法を必要とする。 [3] 極めてまれではあるが、神経毒性化学療法は、オルガスム時の射精を阻害することが観察されており、おそらくこれは前立腺、精嚢および膀胱頸部の収縮を支配する自律神経の損傷によるものであろう。 [79]

放射線療法に引き続いて起こる治療関連因子

化学療法と同じく、放射線療法は、性欲を低下させる疲労、吐き気と嘔吐、下痢や他の症状などの副作用をもたらす。とりわけ、骨盤照射によって、腸の内層が刺激され下痢を引き起こすことがある。放射線療法による疲労および排便習慣の変化は、性欲喪失および性的行動の低下に影響を与えやすいと考えられ、こうした症状は男性にも女性にも報告されている。

女性の場合にも、骨盤照射によっても膣に変化が起こる。EBRTおよび膣内照射法のいずれによっても、膣上皮および粘膜基底層に損傷を来し、膣狭窄および血管性の線維化を引き起こす。そのため、これらの因子が以下の原因となる可能性がある: [80] [81]


  • 長期にわたる性機能障害。

  • 疼痛を伴う内診。

  • 性交疼痛症。

  • 性腺に対する潜在的な毒性。

  • 不妊症。

  • 生涯にわたる低体重児妊娠転帰。

子宮頸がんに対する放射線療法後の性機能と膣の変化について検討した縦断的プロスペクティブ研究では、放射線療法から2年までに持続性の性機能障害と不都合な膣の変化が認められ、この期間に以下の問題が女性にみられた: [82]


  • 85%は性的関心が低下またはなくなった。

  • 35%は中等度から重度の潤滑性の欠如を訴えた。

  • 55%は軽度から重度の機能障害を抱えていた。

  • 30%は性生活に不満があった。

放射線療法を受ける女性に膣拡張器の使用に関して説明することがある。

血管が脆弱になるのは、一時的であることもあれば永続的であることもある。 [83] 直腸がんの男性では、骨盤照射により勃起の達成またはその維持に困難を来す。 [84] [85] 放射線療法後の性機能障害については、正確な原因は把握されていない [13] が、勃起に必要な血流が制限される陰茎動脈の損傷に関連していることが多い。 [39] 陰部ないし交感神経の損傷、陰茎動脈の血管閉塞、テストステロン値低下を含む病因論が提唱されている。しばしば性的変化は潜行性であり、放射線療法後6ヵ月から1年にわたって線維化の進行に伴って変化を来す。

がんの診断を受ける以前に勃起能がすでに低下していた男性は、性的な病的状態のリスクが高い。このほか、性機能障害のリスク増大に寄与する危険因子には、以下のものがある: [86]


  • 喫煙。

  • 心疾患の既往。

  • 高血圧。

  • 治療前の性的能力。

  • 糖尿病。

ホルモン療法に引き続いて起こる治療関連因子

前立腺がんのホルモン療法によって、循環しているアンドロゲン値がほぼ0にまで低下する。また、アンドロゲンは、脳内で性的欲求を促進する作用を有するため、男性患者の約80%が、性的関心の大幅な低下を来したと訴えており、典型的に勃起不全およびオルガスムに達するまでの困難を伴う。 [87] [88] [89] [90] ただし、若年男性であれば十分な性機能を維持することができる場合がある。前立腺特異抗原(PSA)スクリーニングによって、ますます多くの若年男性が、症状はないが進行前立腺がんと診断されるため、がん治療による性機能障害を回避することに対して、注目が集まってきている。いくつかの施設は以下の経験をしている:


  • 症状が発現するまでホルモン療法の開始を遅らせる。 [91]

  • PSAを抑制するのに必要なだけ間欠的ホルモン療法を実施する。 [92]

  • アンドロゲン産生を全面的に喪失させるホルモン療法ではなく、フィナステリドとアンドロゲン受容体遮断薬との併用投与を実施する。 [93]

ただし、このように修正された治療レジメンを試みる男性患者が、生存を妥協していることになるかどうかは、未だ明らかではない。

タモキシフェン

乳がんの治療に用いるタモキシフェンは、抗エストロゲン剤であると考えられており、生殖管内では微弱なエストロゲン様作用を有する。 [94] この薬剤投与には逸話的に膣乾燥症および膣内の潤滑性過剰、ヒリヒリする疼痛のほか、時に性的欲求の低下およびオルガスムの遅延が関連するとの報告がある。 [95] [96]

45歳を超える女性では、タモキシフェン術後補助療法により、ほてり、寝汗、および膣分泌物の割合が約10%増加する可能性がある。さらに、パートナーとの性交渉の割合は減少していないが、タモキシフェンによる治療を受けている女性については性的興奮が引き起こされオルガスムに達するのが困難となる割合が多少高くなっているとの報告があった。 [96] [97]

タモキシフェンによる治療を受けている女性を対象に、実際の性機能を評価するための数件の研究の結果は、各研究が異なる評価法および統計解析法を用いたため、確証的ではない、もしくは容易には比較できない。年齢調整を行ったところ、タモキシフェンを投与している女性患者と、何ら全身治療を受けていない女性患者との間には、報告された性的問題に差は認められなかったとする報告が1件ある。 [6] 異なる方法を用いて50歳以上の女性患者のみを対象にその効果を調査した別の試験でも同様に、性機能に対するタモキシフェンの有意な作用は認められなかった。 [74] 3番目の試験では、性的能力に対する影響を予測するのに、タモキシフェン投与は有意な独立因子とならないことが明らかにされた。 [98]

しかしながら、タモキシフェンの投与を受けている女性を対象とした小規模標本の試験から、年齢によってエストロゲンの作用に差が認められ、例えば、参加者49人中34人に膣スミア中へのエストロゲン作用が認められており、高齢患者ではさらに頻度が高かった(P = 0.054)。エストロゲン作用の存在は、性交渉による陰性反応との相関関係が認められており(P = 0.02)、膣乾燥症ないし膣の緊張との相関関係も認められている(P = 0.046)。この試験によって、タモキシフェンが若年女性の膣に対してエストロゲンのアンタゴニスト作用を有し、閉経後の女性にはアゴニスト作用を有する可能性が高いことが分かった。 [99] 全身療法開始の前後に生理学的状態(膣粘膜およびホルモン値など)を評価する性機能のプロスペクティブ試験が、現在実施されている。性欲および気分に対するタモキシフェンの影響は、未だ十分に解明されていない。

心理学的因子

種々の心理学的因子によって、性交渉への関心が喪失するものと考えられる。

誤解:

誤った考えではあるが、男性でも女性でも、過去の性的行動、婚外関係、性行為感染症または流産ががんの原因であると確信している患者は少なくない。同じく誤った考えであるが、性的行動が腫瘍再発を促すと確信している患者もいる。こうした誤解は、特に骨盤内および生殖器の悪性腫瘍患者によくみられる。このような患者には、がんとは性的接触によって感染するものではないという安心感を与える必要がある。子宮頸部の扁平上皮がん女性は、このがんが性的感染したヒトパピローマウイルスと関連していることを、しばしば読んだことがあるか、聞いたことがある。 [100] こうした患者には、過去の性的行動に関する罪悪感またはパートナーに害を与える恐れに関する懸念が、対処しなければならない問題である。医療提供者は、性的接触によって伝播するのはがんではなくウイルスであるということを明確にする必要がある。

抑うつ:

性的欲求の喪失または性的快感の低下は、抑うつ患者に最も頻度が高い症状である。抑うつの発生率は、健常者集団よりもがん患者の方が15~25%高いため [101] 、性機能障害の評価の一環として、抑うつを除外する何らかの評価が重要である。なかには、性機能障害に関して不満を訴え、自分自身が抑うつを来していることを自ら認めることよりも、身体的な医学的問題があることの方が、非難される程度が低いと感じている患者もいる。抑うつの治療は、性機能障害を軽減する一助となりうる。臨床方針の決定にあたり、抗うつ薬の性的副作用には、注意を払う必要がある。(詳しい情報については、うつ病に関するPDQ要約を参照のこと。)

身体像:

身体像の変化が、がんの生存者の性的欲求を抑制することがあるものの、乳房切除術などの外観を損なうがん治療の影響は過大視されている。例えば、乳房温存療法は乳房切除単独療法よりも、女性患者が自分自身を評価して肉体的な魅力が高いと感じる方法であるが、それぞれの手術を受けた女性の間に、性的行動ないし性的満足感に差は認められない。一方、乳がんの化学療法実施後の体重増大は、自分自身に感じる魅力を損なう因子として過小評価されることがある。 [102] また、排便または排尿のためにオストミーを装着すると、男性でも女性でも、性的魅力が低下すると感じる。こうした諸問題を克服するために、個別の対処法が提案されている。 [103]

1件の研究により、婦人科がんの女性175人において性機能に影響しうるいくつかの関連する因子間の関係を探索する試みが行われた。 [104] これらの因子として以下が挙げられた:


  • 身体像。

  • 気分。

  • 膣の変化。

  • 疲労。

  • パートナーの性機能。

  • 身体症状。

  • 社会経済状態などの一般的人口統計学。

社会人口統計学的因子で調整後、著者らは、身体症状/健康状態、パートナーの性機能、および性的自己像(性行為に関する自己スキーマと呼ばれる)が性行為、反応性、および満足に有意に寄与したと結論づけた。実際、著者らは、性行為に関する自己スキーマは事実上、性的満足の不足と気分の間の緩衝材として機能する-すなわち、性的自己像がより前向きな女性は性的満足が弱い場合に抑うつ症状がより少ないことを明らかにした。したがって、認知的表象を標的とした介入によって、性的健康および機能に関する特定の治療成績は改善しうる。 [104]

がんの診断およびその治療に対するストレスによって、潜在的な夫婦間の関係が悪化する可能性がある。これは同じく、性的関係をも悪化させる可能性がある。また、特定の異性との関係をもたない患者は男性でも女性でも、新たなパートナーが自分のがん治療歴を知れば、拒絶されるかもしれないというトラウマに直面せざるを得ないことになる。 [3] そのように拒絶されることへの恐怖から、異性との関係をすべて絶つ患者もいる。病前の性格は、男性でも女性でも、がんの治療後にも性行為に対して積極性を維持することができるかどうかという点で、何らかの役割を果たす因子であり、性行為に関する自己スキーマとなる(すなわち、自分自身の性的能力を前向きにとらえているかどうか)。自分自身の性欲に対して否定的な見解をもつ女性は、性交渉を再開することは少なく、婦人科系のがんの治療後に良好な性機能を得ることも少なかった。 [105] がん治療後の順応期における最も重要な因子の1つは、がん発症前の自分自身の性欲に対する患者の感覚である。ただしこれは、こうした問題を考えるのによい機会でない、ということを意味しない。

小児がん生存者

米国の南カリフォルニアおよびミッドウェスト地域の3ヵ所の施設からの小児がん生存者599人を対象に横断的調査が実施された。 [106] がんの種類には、以下が含まれていた:


  • 白血病(38%)。

  • ホジキン/非ホジキンリンパ腫(25%)。

  • 中枢神経系/脳腫瘍(13%)。

  • 固形腫瘍および軟部組織腫瘍(12%)。

  • ウィルムス腫瘍(4%)。

回答者は診断時21歳以下で、研究の時点で18歳~39歳でなければならなかった。サンプルでは、診断時平均11歳で、診断後の経過年数は平均16年であった。つまり、サンプルの平均年齢は27歳である。全体で、女性の52%および男性の32%がなんらかの性的機能の問題を報告し、43%が特定の症状について1つ以上言及した。勃起不全は、男性の8.5%で多少ないし非常に大きな問題であると報告された。性的興奮に達しないことが女性の17%および男性の7%で多少ないし非常に大きな問題であり、興味が持てないことが女性の19%および男性の10%で多少ないし非常に大きな問題であると報告された。性的機能の問題には、精神的および肉体的な併存疾患がさらに強く関係していた。

女性における性的問題の予測因子としては、結婚していること、および健康問題を報告していることが挙げられる;男子では、所得が低いこと、および健康問題を報告していることが有意な予測因子であった。 [106] 多くの女性が性的症状に関する問題を報告したのに対して、男性は苦痛を多く報告した。この研究の限界としては、選択/回答バイアスの影響を受けやすい横断的調査であったことが挙げられる。この研究の結果から、性的後遺症をがんの診断またはがんの治療と直接関連付けることはできない。しかしながら、特に男性では、報告されている程度の性的機能障害は、これほど若年のコホートでは一般に認められない。


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がん患者における性機能の評価

がんの種々の病期およびその治療期間中における性的能力に対処する明確なガイドラインはない。治療方針を決定するにあたって医療提供者は、患者に対して、できればパートナーに対しても、がん治療に関連する性的合併症の既知のリスクに関して教育し、情報を提供することができる。がん専門医は、性的健康に対する関心の重要性を立証することを目的に、がん患者専用の自由形式の質問を実施し、患者/カップルが希望をもち、安心して個人的な関心事を相談できるような環境を提供することによって、患者とそのパートナーを支援する。性機能の変化が、男性の自己像および男性としてのアイデンティティーに悪影響を及ぼしている微妙な状況に対し、評価には敏感になるはずである。 [1]

医療提供者は、性的能力に関する自分自身の考え方および感情を評価してもよい。医療提供者が性的能力に関する問題に対処することに対して不快感を抱いていても、その他のリソースへの紹介を提案することができる。患者によっては、性的健康に関する議論を望まない場合もあるが、医療提供者は選択の自由を提示し、性の問題は生涯かけて検討すべき大切なテーマであることを説明することができる。

性機能は、QOLの重要な側面の1つであるため、がん患者が性的問題を抱えているかどうかを評価するには、追跡調査としてがん専門医に通うことが、医療提供者が手掛かりを得る機会になると言える。がん専門医が性的な評価を実施することができれば、それが理想ではあるが、時間的制約および訓練不足、または性的な問題を気軽に議論できるかどうかという問題があるため、この目標は達成できないことが多い。さらに、がん治療を終了した患者の多くが、がん専門医ではなくかかりつけの医師によって日常的に経過観察されている。

少なくともがん専門医の立場からは、がん専門看護師またはソーシャルワーカー、性的能力の問題に関する専門家も加えてチームを結成し、訓練することが有用であると考えられる。こうすれば医療提供者は、人間関係および性的能力など、多岐にわたるQOLに関する問題について質問しても、その責任を負うことができる。性に関する評価を最小限に留める場合は、少なくとも次の質問は行う:「多くの患者さんが、がん治療後の性生活における種々の変化または問題に直面しています。性的能力に関わる何らかの問題や関心事はありますか。」単純な問題は、即時に安心感を与えるか、助言により解決できるが、こうしたがん専門チームが専門家ネットワークを構築して、がん患者を援助しようとする場合もある。このネットワークには以下の医療専門家が含まれる:


  • セックスセラピーおよびその他の性的な問題の訓練を受けたメンタルヘルス専門医。

  • ホルモン補充療法または性交疼痛症に関する女性特有の問題に精通する婦人科医。

  • 男性の性機能障害の治療を専門とする泌尿器科専門医。

  • 子供を希望している若年患者の治療にあたる不妊症の専門医。

文献には、性的な評価を取り上げた多くの論説および情報 があり、 [2] がんの患者に限定したものも多い。 [2] [3] [4] [5] Kaplanモデルは、健常者および内科的疾患をもつ人における性的な問題を評価するための面接時の有用な手引きを提供するが、それは主訴、性的状態、精神的状態、家族歴および心理社会的既往、関係評価、要約、および推奨事項に焦点を当てている。 [6] Kaplanモデルは、がん治療の現場で用いられており、面接の各部分の評価を簡単に記載してゆくものである。 [3] [7] PLISSIT(permission, limited information, specific suggestion, and intensive therapy)「性機能の変化に対応する行動変容援助アプローチ」モデル [8] は、がん治療や内科的疾患における性的リハビリテーションのための枠組みとして、頻繁に用いられるもう1つの評価および介入のモデルである。 [5] [9] [10] [11] [12]

評価される性機能に影響を及ぼす一般因子

性的問題を把握するための、がん治療の医療提供者にとって最も重要な評価法は、患者、場合によってはそのパートナーとともに、臨床の場で面接を実施することである。 [13] 以下の項では、現在の性機能に影響を与えることが知られている諸因子について記載している。

現在の性的状態

個々の患者の性機能の評価では、評価の初期段階で、患者が抱える問題および/または訴えの実態を明らかにする。現在の性機能面には、自然に性欲を感じる頻度;性的刺激によって主観的な快感を得やすいかどうか;性的行動へのエネルギー;男性であれば勃起を得て維持する能力、女性であれば膣の弛緩および潤滑性などの生理的な性的興奮の徴候などがある。また、オルガスムに達する能力も、性機能を把握するのに重要である。オルガスムを得ることができる性的刺激のタイプ(自慰、バイブレータまたはシャワーマッサージの使用、パートナーによる愛撫、口による刺激または性交など)を質問するのは有用である。性的行動時に性器に起こる疼痛は、以下のように詳細に記述すべきである:


  • 痛みを感じるのはどの部分ですか。

  • どのような痛みですか。

  • どのような行為によって痛みを感じましたか。

  • 痛みは必ず感じますか。

  • どの程度痛みが続きますか。

こうした質問の進め方で性的問題を把握する場合、面接者は、その症状の初発時期を質問することができ、特にがんの診断または特定のがん治療の開始時期が、そうした症状の開始時期に近いかどうかを尋ねることができる。がん患者の多くは、性機能を阻害する恐れがある降圧薬、抗うつ薬、または向精神薬などの処方薬物の投与を受けているため、面接者は、問題発生時に新たな薬物を処方されたかどうか、または投与量を変更したかどうかについて確認する場合もある。

病前の性機能の状態

個々の患者における過去(病前)の性発達、性的嗜好および性的経験は、性的状態の評価に不可欠である。診断および治療前の性機能レベル、性的関心、満足度、およびパートナーとの関係における性機能の重要性などすべてが、現在の性的状態に関係する患者の潜在的苦痛に影響する。すでに性的困難を経験している患者は特に、治療の影響を受けやすい。 [14] 患者の以前の性的経験または性的表現の重要性に関して、医師は思い込みを持ち込まないよう注意する。

性的能力の心理社会的側面

人間関係

診断時には、患者にパートナーがいる場合もいない場合もある。パートナーがいない場合でも、性的能力の問題は、医師にも患者にもやはり重大な問題である。パートナーがいる患者では、医師は、診断前に2人の関係の期間、質、および安定性について検討し、話し合うことができる。さらに、多くの患者がパートナーから拒絶され関係を絶たれることに対して恐怖感を抱いているため、医師はパートナーの病気に対する反応、治療のパートナーへの影響に関する患者の懸念を尋ねてもよい。 [15] [16] [17] パートナーの反応は、患者とほぼ共通しており、最も重要なものは概して、喪失感および死の恐怖に関わる懸念である。さらに、過去および現在の性的状態を十分に評価し、これと比較して、パートナーの身体的、性的、および感情面での健康状態が検討される。医師は、理想的な状況下であっても、ほとんどのカップルにとって性的嗜好、性的関心、および恐怖を議論することは困難であると認識し、がんおよび死への脅威とともに、性欲に関する意思疎通の問題がさらに悪化するということを理解している。

心理学的状態

がんの治療中に認められる感情は、不信感から臨床的抑うつまで差が認められ、変動し易い。不安および抑うつは、がん患者に最もよくみられる2種類の感情的破壊であり、いずれも性機能に有害な影響をもたらすことが分かっている。 [3] [4] [5] [7] [18] 医師は、以下について決定する:


  • 現在の精神的状態に留意し、抑うつをはじめとする精神障害の既往歴。

  • 心理療法による治療歴。

  • 向精神薬による治療歴および/または入院歴。

現在、向精神薬の投与を受けていれば、性機能に対する影響を考慮してその投薬も見直すべきである。がん治療は、身体像および自尊心に悪影響を及ぼす身体の変化をもたらすことがある。 [4] [5] [19] 多くの場合、治療開始から終了後に至っても、患者は自分自身に性的魅力がないと感じ易い。身体像を障害するものを認識することは、医療とリハビリテーションの目標に組み入れるべき重要な課題である。治療中は、カップルが社会的役割の変更を経験することが多い。役割が変わると、自分自身のアイデンティティーおよび価値観が脅かされることがある。 [4] [15] パートナーの身体的介護への参加は、しばしば性的な感情に負の影響を及ぼす。高齢のカップルよりむしろ若年カップルの方が、相手の役割を担ったり新たに家庭での役割を担ったりすることに伴う問題のほか、治療がもたらす生活および経済的な無数のストレスに伴う種々の問題に対して脆弱である場合が多い。 [4]

性的健康と心理学的健康の関係をより正確に示すために、パートナーがいる婦人科系がん患者の女性186人を対象とした横断研究において様々な性的、身体的、および心理学的測定が実施された。 [20] 診断としては、子宮内膜がん、卵巣および腹膜がん、子宮頸がん、外陰がんなどであった。大半の女性はI~III期のがん患者であり、大学教育を受けた白人の既婚者であった。平均年齢は55歳だった。性機能の障害は以下の5つの要素の合計スコアで定義された:


  • 容姿/願望(7項目)。

  • 満足度/行為(6項目)。

  • 興奮(7項目)。

  • 潤滑性(4項目)。

  • 疼痛(4項目)。

性機能障害はうつ病(r = 0.34)および外傷ストレス(r = 0.30)とやや有意に相関していた。これは、また身体像(r = 0.25)とMedical Outcome Study-Short Form 12の両項目(身体的健康 [活動の阻害/一般的な健康、r = 0.34]および精神的健康[落ち着き/落胆、活力、情緒的問題、r = 0.25])との間でも、弱い相関が認められた。性機能障害は疲労と中等度ないし強く相関していた。(r = 0.44)。性機能障害には、うつ病(分散の48%を占めた)、身体的変化によるストレス(分散の26%を占めた)、心理学的QOL(分散の31%を占めた)に独立かつ有意な寄与が認められた。著者は性機能障害への対応によって心理学的健康が改善される可能性があると結論づけた。 [20]

性的能力の医学的側面

特に現在治療中の他の併発症状に重点を置きながら、既往歴について評価する。症状併発は性機能障害のリスクに寄与するものであり、社会的機能および役割の機能、メンタルヘルスおよび健康に対する認知をさらに低下させる。内分泌系、血管系および神経系に影響を及ぼす疾患ないし症状はすべて、性的反応サイクルに対して有害な影響を及ぼす恐れがあることが知られている。 [13] [21] [22]

糖尿病、高血圧、血管疾患、多発性硬化症など、多くの疾患が性機能、特に男性の勃起の質に影響を及ぼす。慢性疾患および身体障害の性機能に対する影響を、広範囲にわたって見直した教科書が2冊ある。 [13] [22] さらに、がん生存者における疲労の重症度および慢性度を実証した証拠が増えており、がん関連疲労の共存は大きな障壁となりうる。婦人科がんの女性175人を対象とした1件の記述的横断研究において、疲労はすべての性機能および満足の測定値と有意に、および中等度に相関していた。 [23] そのため、長期生存者においてもがん関連疲労を評価し、この問題に取り組むことが重要である。

喫煙およびアルコールの多量摂取など、ライフスタイルの諸因子も性的な病的状態の危険因子である。男性では、喫煙が血管収縮および陰茎静脈漏を引き起こしうる。 [21] アルコールの大量摂取は、強力な鎮静催眠薬として、性欲の低下および一過性の勃起不全を引き起こす。 [21]

がんおよび慢性疾患の薬物治療は一般に、健康維持には必要不可欠であることが多い。しかし、薬物治療には、多岐にわたる生理的ならびに心理学的経路によって、直接的または間接的に性機能に対して有害作用をもたらすものがある。性的反応に負の影響を及ぼす薬剤は、薬理作用に関するセクションで扱われている。(詳しい情報については、本要約の性機能への支持療法の薬理学的影響性機能への支持療法の薬理学的影響のセクションを参照のこと。)さらに、こうした薬剤による性機能の変化の機序を詳細に図式化したものが、多数提供されており、特定の投薬と性機能に対する既知の影響を示すリストも提供されている。 [4] [24] [25] [26]

質問票および自己報告尺度

特にがん患者の大規模グループを対象として性機能障害のスクリーニングを実施する場合、またはQOLの側面での性的能力に対する調査を実施する場合には、性機能障害を評価する簡単なアンケートが有用である。

男性:

国際勃起機能スコア(IIEF、15項目)およびBrief Male Sexual Function Inventory(BMSFI、11項目)は、男性の性機能および性的満足感を評価する方法として、十分に妥当性が確認されているスケールである。 [27] [28] 性的問題はまた、Sexual Health Inventory for Men(SHIM)の簡潔な5項目のスケールで同定することもでき、このスケールは様々な臨床設定において勃起不全を同定するために利用できる有効な自己報告スケールである。 [28]

女性:

女性については、性機能と満足度を評価する既定の精神測定学特性を用いた簡単な測定法がいくつかある:Brief Index of Sexual Functioning for Women(BISF-W、22項目)、Sex History Form(SHF、46項目)、Changes in Sexual Functioning Questionnaire(CSFQ、35項目)、Derogatis Interview for Sexual Functioning(DISF/DISF-SR、25項目)、Female Sexual Function Index(FSFI、19項目)、およびGolombok-Rusk Inventory of Sexual Satisfaction(GRISS、28項目)。 [13] [29] [30]

こうしたスケールは、その信頼性、有効性、情報を得る方法(患者と医師との割合、構造化または半構造化など)、評価される症状のタイプおよび数、評価の期間において多様である。常に正確に種々の変化を反映させるためには、病前、開始時および追跡調査時の性機能および性的満足感のレベルを体系的に評価しなければならない。

医学検査

性的能力に関する筆記式の自己報告法に加えて、生理学的反応の妥当性を評価するいくつかの医学的な方法がある。 [31]

男性

:男性を対象とする比較的有用な評価法として、以下のものがある:


  • 夜間の勃起を測定するコンピュータ化された電子機器、Rigiscan。

  • 勃起の血行動態を測定するための陰茎の超音波検査。

  • ホルモン試験。

女性

:女性に対して最もよく使用される医学的評価法として、以下のものがある:


  • エストロゲンの分泌量を測定する膣の成熟度指数。

  • 性行為によって生じる疼痛の原因を確認するために実施する慎重な内診。

  • ホルモン試験。

膣の血流量または感覚閾値の測定法として、比較的精度の高い方法が検討されてきたが、未だ見解が分かれている。

文献を見直すと、長期追跡調査、有効性が確認されている種々の方法および大規模なグループを用いたプロスペクティブ試験の必要性が、強く求められていることが分かる。女性の性的症状の回復に関する問題は特に、臨床的注目度が低く、調査はほとんど実施されていない。


参考文献
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性機能への支持療法の薬理学的影響

以下の項目に、頻繁に用いられる種々の投薬に関して、がん患者の性機能に対するその作用を記載する。がん治療を実施している患者は、性欲を減退させるか、または性機能の低下を招く多種の投薬を受けていることが多く、これに、手術、放射線療法および化学療法による性的能力に対する影響が加算される。投薬は、正常な性機能の基盤となる生理学的(すなわち、血管、ホルモン、神経)機序の1つ以上に対して有害な影響をもたらすことがある。薬物療法は、精神的な清明さ、気分および/または社会的相互作用に対して、同時に影響を与えることによって、間接的に性機能にも悪影響を及ぼす。このため、がん患者の性的問題の評価は包括的でなければならず、こうした問題の多岐にわたる原因を検討する必要がある。以下の項目は、投薬による副作用をある程度把握する一助になると考えられるが、患者によっては、複数の投薬が1つの役割を演じている可能性がある。

性機能に対するオピオイドの影響

ヘロインの使用またはメサドンによる維持プログラムへ参加する者には、性欲減退が認められることがよく知られている。残念ながら、疼痛管理のためにオピオイドを処方する医師は、こうした作用を十分理解していない。動物実験では、オピオイドがテストステロン値を低下させ、雄の性機能を抑制することが確認されている。 [1] ヘロインまたはメサドンを使用する人々の初期の症例研究から、男性の性欲減退、性機能不全、テストステロン濃度低下および女性の無月経が報告された。 [2] [3] [4] [5] [6] [7] [証拠レベル:II]

オピオイド投与によって性欲の低下を来した原因として、2通りの機序が考えられている。


  • オピオイドは、ゴナドトロピンを分泌するホルモンの産生を抑制し、それに続いて黄体形成ホルモン(LH)の分泌を低下させるため、テストステロン産生量を低下させる。また、オピオイドは、LHの分泌に対するネガティブフィードバックをもたらしテストステロン産生量を低下させる高プロラクチン血症をも引き起こす。 [8] [証拠レベル:IV]

  • オピオイドは、視床下部-下垂体-性腺軸の機能を低下させることが分かっている。 [9] [証拠レベル:II]

こうした作用は、オピオイド投与を中止すると消失する。

慢性疼痛の緩和にオピオイドを投与している患者を対象とした別の症例報告は、これと同様の知見を示唆している。 [10] [11] [証拠レベル:III] [12] [証拠レベル:II]髄腔内注入に関する研究と一致する、がん生存者におけるオピオイドの慢性的な経口投与の影響を調査したもう1つのケースコントロール研究では、オピオイド利用者において、性機能障害、抑うつ、および疲労を伴う著明な中枢神経性の性機能低下が明らかにされた。 [12] 性機能、慢性疼痛、オピオイドによる治療とテストステロン値それぞれとの間にみられる相関関係を検討した小規模の調査は、ほとんどが男性を対象としているが、逸話的臨床経験は、女性においても同様の関係があると支持している。このような経験的支持は、オピオイドの長期髄腔内注入が内分泌に与える影響を調べた1つの研究で対象となった女性に対して実証されている。男性の95%、女性の68%に性欲低下が報告され、男女ともに血清LH値の有意な低下が認められ、男性には血清テストステロン値の低下が認められた。閉経前の女性(n = 21)すべてが、無月経または月経周期の異常を来し、排卵を認めたのはわずか1人であった。 [13] [証拠レベル:II]

テストステロン値の低下および無月経による長期にわたる影響は、十分明らかにされていない。性的能力は、特にがん治療後の生存者にとって、QOLの重要な要素であるが、進行がん患者にとっても同じく重要な場合がある。患者が医師に、性欲および性機能障害の変化を経験したと報告する場合がある。こうした変化によって、患者が苦痛を感じているのであれば、血清総テストステロン値、遊離テストステロン値およびプロラクチン値を測定する。 [14] 患者が性欲と性機能の改善を求める場合には、性機能の変化には多様な原因が考えられることを念頭に置いて、治療はしばしば経験的なものとなる。治療選択肢には、以下のものがある: [15]


  • 疼痛に対する非オピオイド薬の使用。

  • オピオイドの減量を期待した補助的鎮痛剤の追加。

  • 禁忌でない場合は、注射、皮膚パッチ、またはゲルによるテストステロン補充。

オピオイドと性機能との関係とともに、最も効果的な治療戦略を理解するには、今後の研究が必要である。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬

性的欲求の低下はうつ病に頻繁にみられる症状であり、抑うつ患者における性的な障害は、種々の対照試験で必ず認められている。 [16] [17] [証拠レベル:II]このため、抑うつ症候群の特徴の1つとして、治療結果や、病前から来していた性機能障害またはこれらの因子が重なり、患者自らの訴えをみわけることは困難であることを常に心得ておく必要がある。薬物治療を受けていない抑うつ患者の約1/3が、性的欲求の低下、無オルガスム症、遅発射精、または勃起不全を報告している。 [18] 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、三環系抗うつ剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、およびリチウムはすべて、性機能障害と関連している。 [19] [20]

性的欲求は、感覚刺激を受容しその後大脳辺縁系および前頭前皮質を介して解釈されることによって、中枢神経系を通して媒介される。 [21] 生理学的には、セロトニンはシナプス小胞に貯蔵され、インパルスによって放出される。SSRIはこうした取り込みの機序を抑制するため、セロトニンはシナプスに貯蔵されることになる。 [21] [22] セロトニンが過剰に貯蔵されると、後シナプス受容体にダウンレギュレーションが生じ、下部勃起中枢の刺激が低下する。こうした作用が、SSRIによる性機能障害の主要機序であると考えられている。さらに、視床下部核および視索前核は、こうした過程を仲介する。セロトニンは、性的興奮による視床下部の後シナプス受容体を抑制し、興奮性神経伝達物質を分泌する。こうした神経伝達物質は、脊柱の勃起中枢を活性化させる。勃起中枢が活性化されると、男性には勃起、オルガスムおよび腫脹減退が起こり、一方、女性には性器の充血、膣潤滑および陰核腫脹が起こる。 [23]

がん患者を対象として性機能に対するSSRIの影響を評価した精度の高い対照試験はない。ただし、数件の試験が、抑うつまたは強迫性障害の治療を受けている患者を対象として、性機能に対するフルオキセチン(Prozac)、フルボキサミン(Luvox)、パロキセチン(Paxil)およびサートラリン(Zoloft)の影響を評価している。抑うつの治療として、シタロプラム(Celexa)を用いることによる性機能障害の有病率に関するデータはほとんどない。身体的には健康である抑うつ患者を対象にSSRIを投与した種々の臨床試験では、SSRIによる性機能障害が概ね、約1~15%と報告されている。しかしながら、他の諸試験で報告される性機能障害の発生率は有意に高く、これが臨床の場で認められる罹患率を正確に反映している。サートラリン(n = 170)、フルオキセチン(n = 298)、ベンラファキシン(n = 36)またはパロキセチン(n = 265)の投与を少なくとも6ヵ月以上受けている精神科外来患者596人(男性167人、女性429人)を対象とした大規模レトロスペクティブ非ランダム化比較試験では、全患者の約20%から性機能障害の症状が自発的に報告され、男性により多く(23.4%)、男女ともに既婚患者の方が多かったことが明らかにされた。各種のSSRI投与に伴う性機能障害の発生率を以下に示す:


この患者群で最も報告の多かった性的症状は、オルガスムの遅延ないし無オルガスム症であり、性欲低下および性的興奮障害がこれに次ぐ。 [24] [証拠レベル:III]

SSRIによる治療を受け、性機能障害について医師から体系的に質問を受けた混合性精神障害患者344人(男性152人、女性192人)を対象としたプロスペクティブ多施設研究では、性的な副作用の発生頻度は、パロキセチン(65%)投与例で最も高く、以下、フルボキサミン(59%)、サートラリン(56%)、フルオキセチン(54%)の順であることが分かった。 [25] [証拠レベル:II]パロキセチンによって、オルガスムまたは射精の大幅な遅延を認め(48%)、勃起不全および膣潤滑障害については、パロキセチンの方がサートラリン(37% 対 16%)、フルボキサミン(31% 対 10%)、フルオキセチン(34% 対 16%)それぞれより発症頻度が高い。性機能障害の報告件数は男性の方が多いものの、性欲喪失および無オルガスム症は女性の方が重度である。SSRIの作用は用量依存性であり、それぞれのグループによって差が認められる。患者の自己報告によって得られた性機能障害の発生率は、抗うつ薬による治療を原因とする性機能障害の真の罹患率を反映しているとは考え難く、性機能障害が服薬不履行の未認識の原因である可能性があるため、医療提供者は体系的な質問を実施する必要がある。 [26] 性機能に対するSSRIの影響を見直した2件の重要な報告がある。 [26] [27] [証拠レベル:IV]

早発射精を認める患者の場合、SSRIは有効な治療の1つである。永続的な早発射精を来している男性を対象とした二重盲検プラセボ対照臨床試験では、射精を遅らせる能力はパロキセチンが最も高く、フルボキサミンが最も低かった。永続的な早発射精には、パロキセチン20mg/日およびフルオキセチン20mg/日の投与量が有効であるとされる。 [28] [証拠レベル:I]臨床の現場でこれらの投薬を受けているがん患者に、無オルガスム症、性的欲求の低下、およびその他の症状が高率に認められるのは、おそらく、複数の病因からがん患者が直面する種々の困難が、投薬により増強されるからであろう。SSRIによる性機能障害の管理には、いくつかの介入手段が考えられる。すべての患者に妥当であるとは限らないが、SSRIの減量が1つの方法であることは明らかである。性交後まで投与時間を延期するか、性交直前に投与するなど、SSRI投与の時間帯を変更するのも有効な介入方法であろう。 [29] [証拠レベル:IV]

また、週末は休薬日とする介入がSSRIによる性機能障害を改善することを示唆するデータが発表されている。 [30] [証拠レベル:II]このほか、SSRIによる性機能障害を抑制するため、他の薬剤を追加する方法、または性的な副作用が少ないことが分かっている別の抗うつ剤の使用を検討するということも考えられる。あるランダム化二重盲検多施設試験では、徐放性ブプロピオンブプロピオンSR)とサートラリンとを比較しており、中等度から重度の抑うつを認める外来患者の治療に両薬物が同程度の効力を有することが明らかにされた。ただし、サートラリンによる性機能障害の方が発現率は有意に高く(男性および女性で各々63%および41%)、ブプロピオンSRによる性機能障害の発現率はこれより低かった(同じく各々15%および7%)。 [31] [証拠レベル:I]

男女ともにSSRIによる性機能障害の根治療法は、未だ確立されていない。SSRIによる治療に関しては、抑うつのみの治療で症状が管理される患者よりも、がん患者の方が性機能障害の管理が困難である場合が有意に多い。がん患者の性機能障害の原因は、多因子性であり複雑である。上記のデータは、医師および患者にSSRIによる性機能障害の管理における選択肢を提供することを目的とするものである。


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がん患者の性的問題に対する治療

研究ではがん経験者の性的問題の発生頻度とそのタイプが明らかにされはじめているが、がん患者の性機能障害のための治療プログラムはほとんど作成されておらず、試みられてもいない。医学的手技と心理学的手技を組み入れてがん患者の性機能障害の治療を目的としたプログラムが認可されている。加えてこれらのプログラムは、がん患者にとって費用効果が高くかつ受け入れられるものでなければならない。

患者の多くが、治療後最初の性交渉に恐怖感または不安感を抱き、性行為を回避するという行動パターンをとり始めることが多い。患者が、複雑な心境をパートナーに伝えることに懸念を抱いている場合、こうしたことから性的関係および性的接触全般の拒否へ至ることになる。パートナーもまた、親密になることへのプレッシャーを読み取られるか、肉体関係をそれ以上に表現すれば何らかの身体的不快感をもたらしてしまうのではないかというとまどいを覚えることにより、性的関係の全面的拒否をもたらす可能性がある。医療提供者は、患者とその関わりがある者に対して、性交が困難であるか不可能であっても、性的生活は終わったわけではないことを説明し、安心感を与える必要がある。こうしたカップルは、手、口、舌および唇を用いて愛情および親密さを表現し、快感および満足感を与えたり受け取ったりすることができる。医療提供者は、本人らが性的行動をとるための精神的な準備が整うまで、別の方法(例、抱擁、キス、性器以外への接触)で愛情を表現するよう奨めてもよい。また、正直な感情、関心、および嗜好を伝え合うよう励ます。

男性が挿入に十分な勃起を得られない場合および/または性交によって女性が疼痛を来す場合は、お互いオルガスムを得て性的親密さを表現するために、何らかの代わりの方法を模索するとよい。感覚集中(Sensate Focus)とは、主に官能的なマッサージによって性交を行わず快感を得る訓練 [1] [2] であり、これによってカップルは、性交前に伴うプレッシャーおよび不安なしに、身体的に接近し親密になるための性的表現法を体験できる。感覚集中のしくみと基本原則により、不安(自意識および自己評価)を回避し、快感をもたらす接触という現在の体験にカップルは没頭することができる。また、こうした行為は、潜在的な問題があったり、感情的に繊細であったりする体の部位についてコミュニケーションをとる手助けとなる。医療提供者は、性的技術の改良に対するカップルの開放性について判断してもよい。

多くの患者が、パートナーと再び性的関係を築くことおよびその場合の自分自身の性的反応が確実ではないことに関して不安を抱いているため、自己刺激の利点を検討するとよい。自己刺激には、パートナーの快感、反応、関心、および/または恐怖への心配によって一般的に強調される能力の不安について追加的なプレッシャーを感じることなく、患者が自分自身の性的反応および性的興奮によって快適になることができるという利点がある。多くの患者にとっては、自己刺激のための自慰行為または自己快感を認知し具体化する(cognitive-reframing)と、こうした行動を性的なリハビリテーションの一環として捉えることができる。しかし患者によっては、こうした行動が、文化的および宗教的理由のため、頑強なタブーであることがある。

性交渉を望むカップルの場合、瘢痕や人工肛門などに対して影響がない体位、挿入深度を調節しやすい体位を検討できる。その体位とは、男性が女性の背後になる側臥位(spooning)または、男女が横たわり直角に胴と足とを絡ませるL字型体位の2つである。性欲とがんに関する包括的な情報冊子には、男性用 [3] 、女性用 [4] ともに、性行為時の体位など有用な自助情報のイラストが記載してある。

結腸瘻造設術または回腸瘻造設術を施行した患者の場合、性交渉と女性人工瘻使用者、性交渉と男性人工瘻使用者、同性愛者の人工瘻などのテーマも含めて、性的行動の再開に関する情報冊子が公的組織から入手することができる。医療提供者は、性的行動を行う前には食事量を制限すること、摂取する食物の種類に留意することおよび腸の運動量が少ないときに性的行為を行うようタイミングを計ることに関して、患者に説明する必要がある。オストミーのパウチは概して、排泄物が約1/3になると交換されるが、性交渉を行う場合には、これよりも早くパウチを空にするよう指示される。患者が、オストミーの袋が性交渉の邪魔になるか、外れてしまうか、ストーマが損傷するという恐怖感を抱く場合がある。空になった平坦なオストミーの袋は、ストーマから外れることはなく、性交渉を行う間邪魔にならないよう巻き上げておくか、テープで止めておくとよい。装飾を施したカバーを装着するという方法もある。 [5] [6] [証拠レベル:IV]人工瘻で使用できる商品は豊富にあり、使い捨てパウチ、装着したまま底部または上部から排泄物を処理することができる再使用型パウチ、匂いを抑えることができるフィルター付きパウチ、身体を動かしやすいよう下にぶらさげるのではなく体の側面に装着するパウチなどがある。患者が匂いを心配している場合は、錠剤または液状の脱臭剤をパウチ底面に用いることができ、商品によっては、製造業者によって推奨される方法がある。 [6]

医療提供者は、性的刺激の反応性の変化を克服するため、実践的な提案を提示することによって、カップルの知識を高めることができる。カップルは、性的興奮を十分に得られるよう、十分前戯を行い性的な表現のために長時間を費やす必要がある。なかには、性的表現には早朝が最も落ち着く時間であると感じるカップルもある。性的快感を促す条件を検討する必要があり、緊張緩和、夢想、空想、深呼吸のほか、パートナーとのよい経験を思い起こすことなどが考えられる。

勃起に関する諸問題は、がん治療後の男性が助けを求めることが最も多い性機能障害である。勃起不全を来す多くの男性は、口ないし手を用いる刺激によってオルガスムを得ることができ、その多くのパートナーは、性交を行わない刺激によって満足感およびオルガスムを得ている。性交渉に対する欲求があれば、その原因および機能障害の程度によって、勃起不全のための治療選択肢がいくつかある。勃起に関する問題をもつ者で、救いを求めて受診する男性の割合はわずかである。 [7] [8]

勃起障害の治療に用いられるホスホジエステラーゼ-5(PDE-5)阻害薬のシルデナフィル(Viagra)の出現によって [9] 、勃起の問題の治療を求める男性の割合が増大している。シルデナフィルの有効性についての評判とは違って、シルデナフィルはごく軽度の勃起不全患者に最も良く作用する。この薬物の単独投与では、十分な勃起を得ることができない男性が多い。シルデナフィルの使用で、神経温存術の前立腺摘除術を受けた男性の約72%と、神経温存術ではない前立腺摘除術の男性の15%に、膣性交に十分な勃起を達成できる。

根治的前立腺摘除術は、血管および平滑筋の損傷に加えて神経損傷を引き起こすことがある。陰茎の損傷および長期の弛緩状態は、陰茎組織の低酸素化を招き、さらに構造的な完全性を悪化させ、将来の勃起機能を損なわせる場合がある。 [10] 手術後の治癒の過程には3~6ヵ月程掛かり、完全な回復は手術の1年後になると予想される。しかしながら、この間、男性は十分な血流により組織を健康に保ち、将来の十分な勃起能力を改善するために、勃起能を維持し続けることが重要である。したがって、早期の陰茎のリハビリテーションが推奨される。 [11]

1件の非ランダム化研究では、神経温存術の根治的前立腺摘除術を受けた男性84人が、早期のリハビリテーション開始かまたは待機かを選択できた。 [12] この研究では、早期リハビリテーションは根治的前立腺摘除術の6ヵ月以内に勃起を達成するための活動開始と定義された一方、遅延リハビリテーションは根治的前立腺摘除術から6ヵ月以上経過後のこうした活動の開始と定義された。リハビリテーションは、4つの場合においてクエン酸シルデナフィル、100mgの使用で構成された。膣内挿入に十分な勃起が達成されない場合、男性は勃起を得るために陰茎内注入法の使用を勧められた。クエン酸シルデナフィルに十分に反応した男性はこの薬物の使用を継続した。48人の男性が早期リハビリテーションを選択し、36人の男性が遅延リハビリテーションを選択した。男性は年齢、併存疾患、およびベースラインの勃起機能でマッチングされ、平均年齢は58歳であった。治療成績は国際勃起機能スコア(IIEF)を用いて評価され、術前、術後1年経過時および2年経過時に査定された。IIEFでより良好なスコアの傾向が1年経過時に認められたが、統計的有意差は2年経過時まで実現されず、2年経過時には早期リハビリテーション群の有意に多数の男性が補助なしの機能性の勃起を達成し(48% 対 33%)、早期リハビリテーション群の有意に多数の男性がシルデナフィルにより機能性の勃起を達成した(76% 対 45%)。早期リハビリテーション群の男性の24%がIIEFによる測定で正常な勃起機能スコアを示したのに対し、遅延リハビリテーション群の男性では8%であった。 [12] [証拠レベル:II]シルデナフィルの奏効例の約12%は、3年以内に効力を失うことを支持するデータもある。 [13] [証拠レベル:III]

限局性前立腺がんの治療に密封小線源治療法を実施した研究では、シルデナフィルによって患者の62~70%が改善したとの報告がある。 [14] アンドロゲンによる治療を受けていない患者は、奏効率が有意に良好であった。 [15] これと同じく、前立腺がんに密封小線源治療を実施した後、性交不能になった男性 [16] の85~88%は、シルデナフィル服用が奏効し、勃起機能が改善された。前立腺への近接照射療法後に報告された性交能力が維持される割合は高い;3年の追跡による研究は、シルデナフィルの服用の有無にかかわらず、患者の80%が良好な性的活動に十分な勃起を得ることができたことを実証した。 [17] [証拠レベル:II]シルデナフィルの投与により、直腸手術のために副交感神経が部分的に遮断された患者の勃起機能もまた改善した。 [18] [証拠レベル:I] [19] [証拠レベル:II]勃起不全の治療として、これほど多くの患者に受け入れられているものはこれ以外にはない。シルデナフィルは、両側神経温存の前立腺摘除術後に夜間に投与するという新たな一次予防の方法の中で研究されている。このアプローチでは、薬物の中止後2ヵ月で自発的で正常な勃起機能の回復が7倍改善する効果がみられた。 [20] [証拠レベル:IV]著者らは、この効果は内皮機能と神経細胞再生の改善および神経保護などのシルデナフィルに独特の特徴が介在していると思われると述べている。 [20]

公表されたデータも、根治的恥骨後前立腺摘除術後のシルデナフィルの早期使用が体内の平滑筋の内容物を温存することを示唆している [21] [証拠レベル:II];性交能力の回復におけるこの作用は不明であるが、前方への勃起の超微細構造を維持することは、根治的恥骨後前立腺摘除術後の勃起機能のリハビリには不可欠である。 [21] 早期の術後勃起治療の効果に関するデータは、ごくわずかなランダム化試験に頼るものである。勃起機能の自然な回復には2年もかかると報告されているため [22] 、術後の勃起機能に対するリハビリ的な性の治療法の真の効果に関する決定的な結論を引き出すには、追跡期間が最低2年の大規模なランダム化試験が必要である。

米国食品医薬品局(FDA)により承認された以下の3つのPDE-5阻害薬が販売されている:


  • バイアグラ(シルデナフィル)。

  • レビトラ(バルデナフィル)。

  • シアリス(タダラフィル)。

これらの経口薬剤3剤すべてがPDE-5阻害薬であるが、これらは同じものではない。シルデナフィル、バルデナフィル、およびタダラフィルを比較した試験は公表されていない。3剤はいずれも効力が類似していると考えられており、勃起不全の患者の60~70%に役立っている。 [23] [証拠レベル:I] [24] [25] しかしながら、PDE-5阻害薬の効力の比較は、研究対象の集団の不均質性、採用されている様々な原発がんの治療法、臨床試験での結果の測定時期の差、および効力判定に用いられるエンドポイントの相違によって複雑になっている。さらに、これらの試験のほとんどが企業主導型であった。

PDE-5阻害薬の使用の主な禁忌は、硝酸薬、またはα遮断薬のテラゾシン(ハイトラシン)、およびドキサゾシン(カルデナリン)の同時使用である。承認された阻害薬3剤の主な違いは、タダラフィルは血中での半減期が相当長く、より長い治療の機会と副作用の可能性の両面をもたらすことにある。 [24] [25]

シルデナフィルの承認が1998年であったため、がん患者への使用に関する研究は、他のPDE-5阻害薬の使用に関するものよりはるかに多い;バルデナフィルおよびタダラフィルは2003年に承認された。タダラフィルについては、両側神経温存の根治的恥骨後式前立腺摘除術後の勃起不全の治療において調査された。このランダム化二重盲検プラセボ対照多施設研究からの結果から、タダラフィルの投与にランダムに割り付けられた患者の71%が勃起の改善を報告したことが明らかになった。 [26] [証拠レベル:I]バルデナフィルは、根治的恥骨後前立腺摘除術後および神経温存の根治的前立腺摘除術後の勃起不全の治療において調査されていた。 [27] [28] [証拠レベル:I]

根治的恥骨後式前立腺摘除術後の患者については、バルデナフィル20mgを投与された患者ごとの平均的な性交の成功率は、軽度から中等度の勃起不全の男性で74%、また重度の勃起不全の男性で28%であり、対するプラセボはそれぞれの男性で49%および4%であった。 [27] 神経温存の根治的前立腺摘除術後にバルデナフィルを10mgおよび20mgの用量で投与された患者は、プラセボを投与された患者に比べ、性交の満足感、オルガスムの機能、および勃起の固さに関する全体的な満足感の割合が有意に大きいことを、IIEFを用いて報告した。 [28]

陰茎内注入法、真空装置の使用、または尿道内投薬などの種々の療法は、中途脱落率が極めて高く、平均2種類の治療方法を試みるにもかかわらず、長期にわたる満足感を感じるのは、勃起不全のため受診する患者のわずか約1/3である。 [29] [30] [31] [証拠レベル:II] [32] 根治的恥骨後前立腺摘除術後の経口療法に対する最適以下の反応がみられる男性については、体内注入(ICI)とPDE-5阻害薬の併用が勃起不全の改善を示している。あるレトロスペクティブ研究では、神経温存の恥骨後式前立腺摘除術後に勃起不全を経験した男性のうち、ICIをシルデナフィルかバルデナフィルのどちらかと併用した68%の男性が勃起不全の改善を報告したことが明らかになった。追跡調査においては、36%の患者がICI療法を単独で間欠的に使用しており、この療法は良好な結果を得るに十分であると感じたことを報告した。 [33] [証拠レベル:III]

勃起補助具挿入術の方が、長期の満足感が得られる割合が高いが [34] [35] [36] 、低侵襲性かつ一時的な治療法が利用可能であるために、この治療手技を選択する男性は、特にがんの集中治療を受けた患者では、極めて少ない。 [37] 男性患者に治療を受けるよう、またはそれを維持するよう奨める、男性のパートナーの役割もまた、十分に理解されていない。勃起機能に障害を来している場合の最初のカウンセリングでは、勃起または性交を伴わなくとも性的快感および満足感が得られることに重点を置く。術後に勃起不全を来した男性には、術後2年半までは神経再生の可能性があるため、時間とともに機能が改善する見込みがある。 [6] 医療提供者は、勃起機能を回復させる医学的介入を全く使用しない選択も妥当な選択であると患者に説明してもよい。勃起不全の現在の管理方法に関するいくつかの総説がある。 [38] [39] [40] [41] [42] また、数人の研究者 [39] [43] [44] が、性的欲求の抑制をはじめとする男性の様々な性機能障害の管理に関して、詳細な考察を提供している。

女性患者が性的興奮に変化を感じた場合、そのほとんどが主に膣乾燥症および膣過敏症であるため、特にエストロゲン補充療法を用いることができない女性には、膣の保湿剤(Replensなど)および水性の潤滑剤(AstroglideおよびK-Y Liquid)の使用を奨めてもよい。また、徐放性製剤の超微紛17βエストラジオール2mg含有のエストラジオール放出膣リング(Estring)が認可され、閉経後の膣萎縮を来した女性に全身エストロゲン補充療法に代わるこれより低リスクの方法が提供されたと言える。 [45] [証拠レベル:I] [46] Estringの使用によって、閉経後の女性において尿路感染症の再発率が下がり、膣および尿道の粘膜細胞に対して有意な成熟効果が得られ、閉経後の女性の泌尿生殖器にみる諸症状の発生が低下している。 [47] [証拠レベル:I]

局所的エストロゲン補充療法に代わる別の方法として、最初に市販された17βエストラジオール25マイクログラム含有膣錠剤(Vagifem)がある。Vagifem錠剤と抱合型ウマエストロゲン1.25mg含有膣クリーム(Premarin)とを比較した研究では、萎縮性膣炎の諸症状の軽減に、両剤はほぼ同じ効果を示し、Vagifemによる治療を受けた患者は、子宮内膜増殖症の発生率が低かった。この研究ではまた、膣クリームより膣錠剤の方が、女性患者自身による評価が高いことも分かった。 [48] [証拠レベル:I]エストロゲンを回避すべき女性による膣エストロゲン使用の長期安全性については明らかにされていない。

また、性的興奮の変化が、閉経後の内分泌の変化によるものであれば、ホルモン補充療法の選択および評価を検討してもよい。挿入に伴って膣口周辺に不快感を経験する女性もあり、その場合は、ケーゲル訓練法(Kegel exercises)によって恥骨尾骨筋の緊張を緩和する訓練をする。 [38] [49] [50] また、骨盤内手術、放射線療法または移植片対宿主病によって、膣の深さが低下しているか膣の内径が狭くなっている女性は、徐々に膣口が開くよう膣拡張器の挿入運動法を実施すると同時に、膣口周辺の筋肉を弛緩させる運動を実施するのが有益であると考えられる。 [38] [51] また、少なくともがん治療後間もない場合には、脆弱かつ乾燥した外陰部の疼痛を防ぐため、潤滑剤ないし麻酔ゲルの使用が有益である女性もいる。 [52] [証拠レベル:I]

FDAは近年、女性の性的興奮の一助となる非医薬品器具を認可している。このEROS、陰核の治療器具(EROS-CTD)は、血流量を増大させ感覚を高めるため、陰核を覆って優しく吸引するものである。この器具は、処方箋を得なければ入手することができず、女性の性機能障害の治療に適応とされる。これは特に閉経後の女性、子宮摘出術を受けた女性およびそのような手術によって閉経を来した女性に、効果が期待されている。 [53] EROS療法の効力は数件の小規模パイロット研究により支持されており [54] [証拠レベル:III] [55] [56] 、うち1件は特に、子宮頸がんへの照射歴のある女性を対象に性機能障害の症状緩和における効力を調べた。 [55] [証拠レベル:II]治療後3ヵ月でこの研究では、性的欲求、性的興奮、潤滑性、オルガスム、性的満足感、および痛みの軽減などの、全領域の評価において統計学的に有意な改善がみられた。さらに、追跡調査の婦人科検診では、膣の弾性、粘膜の色、および湿度の改善と、出血と潰瘍の減少が明らかになった。ランダム化比較試験はEROS療法の便益を完全な評価に値する。

性交に疼痛を伴う(すなわち、性交疼痛症)、膣痙攣、オルガスムの抑制、性的興奮ならびに性欲の障害など、女性の性機能障害の評価および治療に関するさらに詳細な情報については、他の情報を参照のこと。 [39] [49] [57] [58]

男性でも女性でも、継続的かつ複合的な性的問題は、がん治療後の性交渉に対する欲求の喪失である。前立腺がんの既往歴がなく血清テストステロン値が低値を示す男性には、注入またはパッチによるテストテロン補充療法が、正常な性機能を回復するのに有効であることが多い。もっとも、ホルモン値低下が正常の範囲の男性には、テストテロン補充療法の効果は低いとされる。女性を対象としたアンドロゲン補充療法の安全性、投与量および投与法は、検討の余地がある。多数の研究により、様々な集団における経皮的テストステロンの使用が評価されている。 [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [証拠レベル:I]これらの集団には、卵巣摘除術を受けている、自然閉経後、閉経前、およびがんの既往がある性的欲求低下障害を有する女性が含まれる。これらの研究では1日150μg~10mgの用量が用いられた。女性の研究のほとんどでは、エストロゲン濃度が正常の閉経前の範囲から外れて低下するとエストラジオールの同時補充が用いられ、テストステロン補充により性欲の結果が有意に改善されることが明らかにされた。

エストロゲン補充を受けていない閉経後女性において性欲を得るための経皮的テストステロンを評価した研究で発表されているものはわずか2件である。これらの研究の1件はがん生存者を対象にし [66] 、別の1件は性的欲求低下障害と診断された閉経後女性を対象にしていた。 [67] [証拠レベル:I]がん生存者における臨床試験では、1日10mgの経皮的テストステロンまたはプラセボの4週間投与にランダムに割り付けられた女性がん生存者150人において、妥当性が確認されている性機能評価尺度であるChanges in Sexual Functioning Questionnaireで測定したところ、テストステロンの投与を受けた女性ではアンドロゲン濃度が有意に改善し、プラセボを投与された女性では変化のないままであったという事実にもかかわらず、性的欲求の改善における統計的有意差は認められなかったことが示された。他の臨床試験では、閉経後女性814人が経皮的テストステロン150µgまたは300µg 対 プラセボを1年間(エストロゲンを含まない)にランダムに割り付けられ、24週間の効果のエンドポイントは活動記録に保存された満足な性的エピソードに注目された。著者らは、300µg投与群では4週間における満足な性的エピソードがプラセボ群と比較して約1回多いという有意な改善を示したが、150µg投与群では改善が認められなかったことを報告した。さらなる解析で、外科手術による閉経を経験したか、卵巣を切除した女性ではこの介入による便益が得られなかったことが明らかにされた。このことは、化学療法でがんを治療された女性における卵巣の状態が外科手術による閉経または自然閉経により近いかどうか、および化学療法誘発性の閉経期の卵巣が外科的切除に類似した化学療法後に活動的な間質とともに機能しているか、または活動が認められないかどうかの問題を提起する。がん治療後の女性の全体的なホルモン環境、およびホルモンのすべての変化が一体となって症状にどのように影響するかをより良く理解するために、この分野の研究が必要である。そのため、エストロゲンのない状態でのテストステロン単独が性欲にプラスに影響するかどうかは不明である。

乳がんの女性患者へのアンドロゲン投与の安全性は、未だ明らかにされていない。血清アンドロゲンは、芳香化されエストロゲンになる。疫学研究のデータから、内因性アンドロゲン濃度が高くなると乳がんリスクが上昇する可能性が示唆される。 [68] [69] しかしながら、生涯にわたって存在する内因性アンドロゲンは、アンドロゲン濃度が低い女性に対する外因性アンドロゲン補充と同じではない。乳房組織に対するテストステロン補充の効果を評価した1件の小規模研究により、エストロゲンおよびプロゲステロンへのテストステロンの追加は、エストロゲン、プロゲステロン、およびプラセボの投与を受けた集団で示された乳房組織の増殖を阻害したことが明らかにされた。 [70] [証拠レベル:I]さらに、8,000人を超える女性を対象とした1件のケースコントロール研究では、テストステロン使用者でエストロゲン補充療法も受けていたのは83%であったのに対し、年齢をマッチさせた対照群ではわずか15%であったという事実にもかかわらず、外因性テストステロンの4年間の使用によって、乳がん発生率に増加はみられなかったことが明らかにされた。 [71] [証拠レベル:III]そのため、十分な性機能のほか、短期および長期の安全性を得るのに十分なアンドロゲン濃度について多くの未解決な問題が残っている。現在のところ、エストロゲンが不足している女性の性欲を改善するためのテストステロン単独使用を支持する説得力のあるデータは存在しない。

性欲喪失は多因子性であるため、通常、心理学的評価ならびに治療を加味した治療方法が最善である。経験が豊富なメンタルヘルスの専門家は、性欲喪失の因子として気分障害を来していないことを確認し、以下のような諸因子の相互関係を検討することができる:


  • 人間関係の変化。

  • 身体的健康感の喪失。

  • 性的自己概念の変化。

  • 身体像の負のイメージ。

薬剤処方、薬物依存またはホルモン異常の影響が認められ、その変化に焦点があてられる。残念ながら、正常なホルモン環境下では、性的欲求を回復する有効な催淫薬はない。

一般に、がん発生後の性機能障害に用いられる治療方法は、多岐にわたる。多くの症状の場合、自助方式による行動変化のための情報および提案を提供すれば、十分である。知識は、本 [38] 、パンフレット [3] [4] 、CD-ROM、ビデオ、ピアカウンセラー [72] [証拠レベル:I]、またはインターネットを通して得ることができる。さらに複雑かつ深刻な問題を抱える男女いずれの患者にも、専門的な治療が有効であると考えられる。患者群ごとに最も有効性の高い治療方法を検討するため、さらに詳細な調査を進める必要がある。乳がん既往歴を有する女性において心理教育的介入が評価された。 [73] [証拠レベル:I]介入内容として以下が扱われた:


  • 性的解剖学。

  • 身体像。

  • 態度および行動。

  • コミュニケーション。

  • 性機能を高める方法。

介入は、6週間にわたり2時間の複数セッションで個別にまたはグループで実施された。主要アウトカムは、不安、うつ病、孤独感、苦痛、健康感、およびプラスの影響を測定したMental Health Indexであった。他のアウトカムとしては、性的満足度、自己像、および性交疼痛症などの性機能が挙げられた。女性は郵送による調査で確認され、介入群または対照群(文書の資料のみ)のいずれかに前もってランダムに割り付けられた。介入群にランダムに割り付けられた女性は続いて介入に参加するように勧められた。介入群に割り付けられた女性284人中、参加に同意した者はわずか83人であった;そのうちセッションに参加したのは72人のみであった。参加を断った最も一般的な理由は、時間および/または場所の不都合、多忙、または介入は不要であるとの考えであった。127人の女性が対照群にランダムに割り付けられ、そのうち98人についての追跡調査が報告された。 [73]

この研究の結果は、以下の3グループについて提出された:


  • 対照群。

  • 介入不参加群。

  • 介入参加群。

ITT(intent-to-treat)解析では、Mental Health Indexについて集団間の有意差は示されなかった。しかしながら、性交の総合的満足度については介入の効果が認められた。as-treated解析は、Mental Health Indexの改善が示唆され、ベースライン時により高い苦痛を報告した女性ではより大きな便益が得られた。 [73] この研究は、心理社会的および認知因子に焦点を当てた介入は感情的結果および性的転帰を改善するための介入の重要な要素となりうるという考えを支持するデータを提供している。しかしながら、あまり時間集約的ではなく、容易に配布でき、がん生存者がより受け入れやすい心理教育的介入を開発するには、さらなる研究が必要である。

性的カウンセリングは、個人、カップルまたはグループで実施される。こうした種々の形式での有効性は、がん患者を対象としては未だ比較検討されていない。短時間のカウンセリングが、勃起不全または性交疼痛症の克服などの医学的治療に影響を与えるか否かは、未だ明らかではない。前立腺がんの男性患者の性的転帰に対するサポートグループの影響に関する小規模研究がある。 [74] [証拠レベル:II]より良い転帰とサポートグループへの参加との相関は、サポートグループへの参加者と非参加者との間におけるベースラインの社会誌学的および臨床的差異を反映していると考えられる。

最新の臨床試験

現在、米国で参加者を募っている性的能力(セクシャリティー)および生殖の問題性機能障害についての支持療法と緩和ケアの試験は、NCIのがん臨床試験リストを参照のこと。試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


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妊孕性の問題

補助的放射線療法および/または化学療法は、がん患者の不妊症のリスクの増大を引き起こす。こうした治療による不妊症は、一過性であることも長期にわたることもある。この毒性の発生は、以下のような多くの因子に関係している:


  • 性別。

  • 治療時の年齢。

  • 治療薬のタイプ。

  • 放射線照射野。

  • 総投与量。

  • 単剤投与であるか多剤投与であるか。

  • 治療後の経過期間。

治療関連、または疾患関連の機能障害の可能性がある場合、生殖や妊孕性に関する十分な情報や指導を提供するために、あらゆる努力が払われるべきである。そうした情報を伝えることは、特に年齢のより低い小児がん患者において複雑である。小児が治療の妊孕性への影響を理解するには若すぎることがある。さらに、場合によっては、両親が子供を保護し、そうした話し合いに参加させない可能性がある。 [1]

既存の文献は、診断と治療計画時にがん関連の不妊症に関する必要な情報を医療提供者から得るのは、男性と妊娠可能年齢の女性の約半数にすぎないことを示唆している。 [2] こうした情報の欠如は、男性が精子の保存をし損ねることについて最も多い理由のひとつである。 [2] この問題に取り組むため、Banking on Fatherhood after Cancerと呼ばれる両親や家族、医師らのためのコンピュータ化された対話式の教育ツールが現在開発中で、今後CD-ROMまたはインターネット上で閲覧できるようになる。 [2]

化学療法

化学療法に関しては、患者の生殖能力に損傷を与える程度は、投与される薬剤、投与量、および治療時の患者年齢によって異なる。年齢は重要な因子であり、また化学療法の休薬期間に応じて性腺の回復能力が改善する。成人精巣の胚上皮は、学童前期の精巣よりも、障害を受けやすい。 [3] これまでの試験成績(主に補助的化学療法の試験による成績)では、35~40歳以上の患者の卵巣は化学療法に対する感受性が極めて高いことを示唆している。若年女性の卵巣は、比較的高用量でも耐容性を示す。 [4] 化学療法実施後の卵巣機能の経過に差が認められるため、個々の患者の転帰を予測するのは困難である。 [3] 細胞毒性薬による卵巣障害および精巣障害の相対リスクが検討されてきており、その結果、アルキル化剤は、妊孕性に対する障害性が明らかにされている。以下に示す薬物は、性腺に毒性を示すことが明らかにされている: [3] [5] [6] [7] [8]


  • ブスルファン。

  • メルファラン。

  • シクロホスファミド。

  • ニトロソウレア。

  • シスプラチン。

  • クロラムブシル。

  • ムスチン。

  • カルムスチン。

  • ロムスチン。

  • シタラビン。

  • イフォスファミド。

  • プロカルバジン。

これらのアルキル化剤に加えて、ビンブラスチン、シタラビン、シスプラチン、およびプロカルバジンは、親となる男女において毒性をもつことも報告されている。 [9]

非ホジキンリンパ腫の治療としての化学療法レジメンは一般に、ホジキンリンパ腫に用いられるものより、性腺に対する毒性が低い。 [3] 40歳以上の患者に補助内分泌療法を追加したケースでは、化学療法関連性の永続的な無月経がより多く発生する傾向がみられた。 [10] また、精巣機能に対する化学療法の影響は、精巣腫瘍患者を対象として広く検討されている。1件のレビューでは、胚細胞性精巣腫瘍患者の半数以上が、細胞毒性のある薬剤による治療実施前に精子形成障害を来していると報告された。こうした患者には最終的に、シスプラチンの投与量によって永続的な男性不妊症かどうかが決まる。投与量が400mg/m2未満の場合、内分泌機能および精子形成機能に対して長期にわたる影響が生じるとは考えられない。これより高用量では、長期にわたって内分泌性腺機能障害の原因になる恐れがあるとされる。 [11]

化学療法は卵巣障害を引き起こすが、妊娠前にこれらの薬剤で治療を受けた女性の将来の子孫に対する毒性のリスクはないとみられている。 [9]

放射線療法

精巣が放射線に曝露すると、精子数は減少し始め、線量によって一過性または永続的な不妊症を引き起こすおそれがある。 [4] 腹部または骨盤に放射線療法を受けた男性は、精巣拡がった障害の程度によって部分的ないし全面的に精子形成機能を回復することができる。胚上皮とは異なり、学童前期に放射線照射を受けると、成人期よりライディッヒ細胞の機能が障害を受けやすい。 [3] 20Gyを上回る高い線量での精巣への照射は、思春期前の少年のライディッヒ細胞の機能不全と関連があるが、ライディッヒ細胞の機能は通常、性的に成熟している男性においては30Gy程度の線量で温存される。 [12] 精巣が6Gy未満の電離放射線に暴露すると、精子形成が障害されて精母細胞の機能が低下し、また、その投与量によって回復期間に差が認められる; [4] 6Gy以上であれば全幹細胞の死滅によって永続的な不妊症を来す。 [13]

胚細胞性精巣腫瘍の患者の場合、現在の照射技術(傍大動脈への照射線量30Gy未満)および精巣への散乱放射線(30Gy未満)を用いて精巣を保護すれば、放射線療法による妊孕性障害が生じる恐れが極めて低くなる。 [11] 精子数は治療4~6ヵ月後が典型的に最も少ない;通常は10~24ヵ月のうちに治療前のレベルに回復するが、より高い線量を受けた後は回復にさらに長い期間を要する。 [9] 幹細胞移植の処置レジメンとしての全身照射(TBI)は、男性の約80%において永久に性腺機能不全を引き起こす。 [14] 男性の場合、性腺に対する毒性は、次の3通りの測定法によって確認できる:


  • 精巣生検。

  • 血清ホルモン量(値)の測定。

  • 精液検査。

男性の不妊症がホルモン産生の異常によるものであれば、ホルモンの調節によって精子形成能を回復することができると考えられる。 [15]

女性の場合、卵巣に対する5~20 Gyの照射は、患者年齢に関係なく、性腺機能を完全に損傷させるのに十分な線量となる;30 Gyの照射では、26歳未満の若年女性の60%が早発閉経を来す。 [16] がんと診断された小児および青年の研究では、同胞と比較した場合、女性の5年生存者がその後妊娠する可能性は有意に低かった。視床下部/下垂体への30Gy以上の放射線照射または5Gyを超える卵巣/子宮への放射線照射を受けた生存者、およびロムスチンまたはシクロホスファミドを用いた治療を受けた生存者は、その後妊娠する可能性が低かった。 [17] 治療を受けた年齢が40歳未満の女性は残存する卵母細胞の貯蔵量がより少なく、わずか5~6Gyで永久に卵巣不全がもたらされる。幹細胞移植前に用いられるTBIは、女性全体における90%以上の永久性腺機能不全と、3%未満の妊娠発生率に関連がある。 [9] 思春期前の卵巣機能の回復の見込みは、特に照射がいくつかに分割して行われる場合、より良好になる。 [14] 女性の性腺に対する毒性の測定は、(腹腔鏡検査を必要とする)卵巣生検が比較的実施しにくいため、評価が難しい。そのため、卵巣不全を決定するのに最もよく用いられる基準は以下のものである:


  • 月経歴および妊娠歴。

  • 血清ホルモン濃度の測定。

  • 卵巣機能の臨床的証拠。

多くの研究者が、化学療法 [15] を受けた患者の性腺機能障害および性腺機能に対するがん治療法の影響を見直している。 [4]

予防戦略

女性については、高用量放射線療法を実施する際に、卵巣を腸骨稜に向かって側方に、または子宮の後方に移動させ、放射野から外れるようにすると(卵巣固定術)、妊孕性を保護する一助となることが、試験 [18] によって示されている。卵巣の位置を側部に変更することによって、傍大動脈および大腿部リンパ節への放射線療法を実施する際、卵巣を保護することができる。 [4] しかし、骨盤照射を実施すれば、卵巣が照射野外にあっても卵巣の5~10%が暴露することになる。 [16] 男性にも、これに近い予防戦略が用いられる。可能であれば、精巣を保護するため、鉛遮蔽体を用いる。 [4]

代替生殖法

がん治療専門医は、生殖細胞および生殖組織の保存が実施可能であり、治療の必要性と関連する場合は、それについて患者と相談し、化学療法および/または放射線療法の実施前に生殖内分泌専門医を受診させる。男性は、以下によって精子を保存することができる: [19] [20] [21] [22]


  • 射精された精液。

  • 精巣上体から吸引した精液。

  • 精巣から吸引した精液。

  • 精巣生検。

女性は、卵巣組織、卵胞、および胚を保存できる。 [23] [24] [証拠レベル:II]未だ試験段階にある卵母細胞の凍結保存法では、 [25] 生殖能を保護したいという患者の人工授精に将来用いるため、生殖細胞/生殖組織を凍結保存する。

発表された1件の症例報告では、非ホジキンリンパ腫のため高用量化学療法を受けたことにより卵巣不全を経験した28歳の女性で、凍結保存した卵巣皮質組織を解凍し卵巣内に移植し、体外受精した後に生児出生を得たことが記載されている。 [26] [証拠レベル:III]この症例では、卵巣組織(多くの原始卵胞を含む)は第二選択の従来の療法レジメンにより与薬された後で、高用量の化学療法による治療を行う前に採取された。最近、未受精卵の保存および卵巣組織の凍結保存に関する技術を進歩させる努力が引き続き行われている。

未受精卵の保存を採用した診療所からより多くのデータが発表されているが、これはがんの診断および治療時にパートナーがいない生殖可能な女性にとって重要な選択肢である。New York University(NYU)Fertility Centerにより、卵母細胞の凍結保存法を用いた進行中/生産児の妊娠率は57%であったと報告された。 [27] 著者らは、この割合は米国において従来の新鮮な(凍結保存されていない)卵母細胞を用いた体外受精率よりも良好であると述べている。著者らはまた、この成功率はNYU Fertility Centerで従来の体外受精を受けた同年齢の対照群の成功率とほぼ同じであったと報告している。 [27] これらの新規の戦略を採用している不妊治療施設の専門知識および成功率には、おそらくかなりの差があると思われる。患者の選択肢を調査する場合は、クリティカルレビューが必要である。

こうした方法が、患者すべてに妥当な選択肢であるわけではない。患者が意思を決定する過程の一部として、カウンセリングは重要である。患者が人生の諸問題および死の可能性と戦っている時点では、こうした決定を下すべく思考をめぐらせるのは、困難であることが多い。費用、ストレス、時間、感情および妊娠の過程で他人と関わる可能性があること(代理母など)を考慮する必要がある。多くの患者にとって、体外受精および胚の凍結保存に伴う経済的負担は大きい。体外受精法の現在の失敗率および悪性腫瘍が精子のパラメーターに及ぼしうる有害作用に関しても、熟考する必要がある。 [25] [証拠レベル:III]小規模対象のレトロスペクティブ分析では、悪性の疾患に罹患した患者の卵母細胞は、同年齢の対照群より、質が悪く受精率が有意に低いことが報告された。 [25] 重要なことは、がん生存者における妊娠の転帰に関するデータ [28] [証拠レベル:III]が、遺伝子学的な先天性欠損、出生時体重への影響、および性比の増大を全く示していないことである。これまで明らかにされた証拠に基づけば、細胞毒性のある薬剤を用いる化学療法を受けたことがある生殖可能な患者は、遺伝子異常のある子供をもつリスクが高いとは言えない。 [3] 永続的な不妊症で、子供をもつことを希望するすべての患者に対して、養子縁組も選択肢の1つとなる。

生殖能を損なう化学療法を受ける男性患者は精液を凍結保存しておくことが可能だが、利用率は依然として低い。 [29] [証拠レベル:III]様々な悪性度の男性776人を対象とした15年の研究において、凍結保存精子を用いた受胎補助の累積率は8年までの時点で10%未満である。凍結保存時および精巣腫瘍の診断時の年齢がより若いことは、利用率がより低下することと関連した。 [30] [証拠レベル:III]精子の解凍後の生存率が不良であるにもかかわらず、卵細胞内精子注入法(ICSI)は解凍後に運動能力のある精子がわずか1個でもあれば、妊娠の可能性を与える。 [31] [証拠レベル:IV]

腫瘍のある15歳未満の患者(これらの患者から精液サンプルを採取できることが条件)に対しても、全体的な成功率(解凍処置後に運動能力のある精子が1個以上認められることで定義)が成人で観察されるものと類似していることが明らかになっているため、精子の凍結保存が推奨される。 [32] [証拠レベル:III]治療後に逆行性射精を来し生殖機能がある男性には、生存する精子細胞を採取することが可能である場合が多い。不妊症の専門医であれば、精巣および尿から精子細胞を採取することができる。精巣内精子採取法は、精巣の実質切除と、個々の精子細胞の処理と単離を合わせて行うことである。これによって、ICSIが可能となった。あるレトロスペクティブ試験では、化学療法を受けた無精子症の男性患者23例中15例に、回収可能な精巣内精子があることが分かり、極めて高い受精率を示した。妊娠が成立したのは31%であった。ICSIの手技を行った後に誕生する子孫が遺伝子性ないし先天性奇形のリスクが高いかどうか評価するため、今後の調査を必要とする。 [33] [証拠レベル:III]

逆行性射精を順行性射精に変換するべく前立腺および精嚢近傍の残存神経を刺激するのに、薬剤投与を用いることがある。アメリカでは、硫酸エフェドリンの使用頻度が最も高い;ヨーロッパではイミプラミンも用いられている。射精を誘発するのにも薬剤投与が用いられる(ネオスチグミンの髄腔内投与またはフィゾスチグミンの皮下投与など)。薬剤投与が奏効しない場合には、振動刺激法、電気射精、精管の精液の直接吸引法、針を用いる会陰刺激法および下腹神経刺激法を含む、種々の治療法があり、推奨されるものもある。こうした治療法や、不妊症の治療および補助的生殖技術に関する情報のさらなる総説も利用可能である。 [13] [34]

一般的ながんのタイプ(乳がん、白血病およびリンパ腫、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、および精巣腫瘍)の治療後の生殖能力の結果については、発表されたレビュー内で得られる。 [9]

最新の臨床試験

現在、米国で参加者を募っている生殖能力の評価と管理および凍結保存についての支持療法と緩和ケアの試験は、NCIのがん臨床試験リストを参照のこと。試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


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本要約の変更点(09/04/2013)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約には編集上および書式上の変更がなされた。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約について本PDQ要約についておよびPDQ NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本要約についての質問とコメント

本要約に関する質問またはコメントは、ウェブサイトのお問い合わせフォームからCancer.gov まで送信のこと。英語で書かれたeメールにのみ答えられる。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、治療中または治療後のがん患者の治療性的能力(セクシャリティー)および生殖の問題について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する医師に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約への変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

性的能力(セクシャリティー)および生殖の問題に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、ウェブサイトのContact FormからCancer.gov まで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に証拠の公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約として特定することはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    National Cancer Institute: PDQ® Sexuality and Reproductive Issues.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Date last modified <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/cancertopics/pdq/supportivecare/sexuality/healthprofessional.Accessed <MM/DD/YYYY>.

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのCoping with Cancer: Financial, Insurance, and Legal Informationページで入手できる。

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    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのContact FormからCancer.govに送信することもできる。

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