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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

吐き気と嘔吐(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-01-04
    翻訳更新日 : 2016-07-27

PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、吐き気と嘔吐(N&V)の病態生理および治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

吐き気と嘔吐

概要

吐き気と嘔吐(N&V)の予防と制御は、がん患者の治療における最優先事項である。化学療法誘発性のN&V(CINV)は、がん治療の中で最も苦痛をもたらす急性副作用の1つである;CINVは最大80%の患者に起こり、患者のQOLに大きな影響を及ぼしうる。またN&Vにより、以下の状態になることもある:


  • 重篤な代謝異常。

  • 栄養枯渇および食欲不振。

  • 患者の身体的および精神的状態の悪化。

  • 食道裂傷。

  • 骨折。

  • 創傷離開。

  • 有用かつ治癒する可能性のある抗腫瘍治療の中止。

  • セルフケアおよび機能的能力の低下。

医療費

重度のN&Vの結果として長期の入院、通常の活動の継続不能、追加的支援の必要、抑うつなどが発生し、医療費への影響が大きくなる。12件の発表されている研究に関する1件のレビュー [1] により、CINVの予防に伴う費用は高いにもかかわらず、CINVの予防が不十分な患者の方が直接医療費は高額であったことが明らかにされた。労働時間の喪失に関係する間接費もまた、CINVを制御できていない患者の方が高かった。別の研究では、初回化学療法コースとして催吐性が高いまたは中等度の化学療法を受けた患者178人が調査された。 [2] 予防しているにもかかわらず、61%がやはりCINVを経験した。予防に失敗した患者では、直接および間接医療費が高く、Functional Living Index-Emesis(FLIE)調査票でQOLスコアが低かった。ある研究者グループではPremier Perspectiveデータベースに注目して19,139人の患者(全員が予防を受けた)が調査された。CINVが制御できていない患者では、全体での平均追加費用は1エピソード当たり$5,299であった。 [3]

特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療適応は、成人に関する情報とはかなり異なる場合がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。


参考文献
  1. Carlotto A, Hogsett VL, Maiorini EM, et al.: The economic burden of toxicities associated with cancer treatment: review of the literature and analysis of nausea and vomiting, diarrhoea, oral mucositis and fatigue. Pharmacoeconomics 31 (9): 753-66, 2013.[PUBMED Abstract]

  2. Haiderali A, Menditto L, Good M, et al.: Impact on daily functioning and indirect/direct costs associated with chemotherapy-induced nausea and vomiting (CINV) in a U.S. population. Support Care Cancer 19 (6): 843-51, 2011.[PUBMED Abstract]

  3. Burke TA, Wisniewski T, Ernst FR: Resource utilization and costs associated with chemotherapy-induced nausea and vomiting (CINV) following highly or moderately emetogenic chemotherapy administered in the US outpatient hospital setting. Support Care Cancer 19 (1): 131-40, 2011.[PUBMED Abstract]

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病態生理学

吐き気とは、咽頭背部および/または上腹部に感じる波のように押し寄せる不快な感覚という主観的現象であり、結果的として嘔吐を生じうる。嘔吐とは、胃、十二指腸、または空腸の内容物が口腔を経由して強制的に排出されることをいう。むかつきとは、吐物の排出を伴わない胃および食道の嘔吐運動をいい、空吐きとも呼ばれる。

吐き気と嘔吐(N&V)を制御する神経生理学的機序の理解に進歩がみられる。N&Vはいずれも、中枢神経系により制御または媒介されるが、その機序は異なる。吐き気は、自律神経系を介して伝達される。嘔吐は、以下の部位からの求心性刺激の輻輳を含む複雑反射における刺激の結果起こる: [1] [2]


  • 化学受容体トリガー層(CTZ、最後野)。

  • 感覚刺激(特に嗅覚および味覚)、心理的苦痛、および疼痛に対応する大脳皮質および大脳辺縁系。

  • 身体の運動に呼応する内耳前庭迷路器官。

  • 外因性化学物質および炎症、虚血、および過敏の間に蓄積された内因性物質の結果、内臓および血管系(迷走神経および脊髄の交感神経系経由)からの末梢刺激。

神経伝達物質(CTZでみられるセロトニン、サブスタンスP、ドパミンなど)、嘔吐中枢(孤束核に位置すると考えられる)、消化管の腸クロム親和細胞は続いて遠心性インパルスを放出し、腹部の筋肉組織、唾液中枢、呼吸中枢へと伝達される。このようなN&Vの症状を引き起こす多数の経路の相対寄与は複雑で、薬物のさまざまな催吐性(内因性催吐および緩和要因[すなわち、投与量、投与経路、曝露期間])および催吐性プロファイル(すなわち、発現までの時間、症状の重症度、および持続期間)を説明する仮説となる。 [3] [4]


参考文献
  1. Wickham R: Evolving treatment paradigms for chemotherapy-induced nausea and vomiting. Cancer Control 19 (2 Suppl): 3-9, 2012.[PUBMED Abstract]

  2. Navari RM: Antiemetic control: toward a new standard of care for emetogenic chemotherapy. Expert Opin Pharmacother 10 (4): 629-44, 2009.[PUBMED Abstract]

  3. Cefalo MG, Ruggiero A, Maurizi P, et al.: Pharmacological management of chemotherapy-induced nausea and vomiting in children with cancer. J Chemother 21 (6): 605-10, 2009.[PUBMED Abstract]

  4. Darmani NA, Crim JL, Janoyan JJ, et al.: A re-evaluation of the neurotransmitter basis of chemotherapy-induced immediate and delayed vomiting: evidence from the least shrew. Brain Res 1248: 40-58, 2009.[PUBMED Abstract]

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一般的な危険因子と病因

化学療法を受けている患者のほとんどに吐き気と嘔吐(N&V)のリスクがあるが、その発症、重症度、誘因、および期間はさまざまである。腫瘍の位置、使用される化学療法薬、放射線曝露など腫瘍関連、治療関連、および患者関連の因子すべてが寄与する。 [1] [2] [3]

患者関連の因子には、以下がある:


  • 以前に受けた化学療法コース中の吐き気と嘔吐(N&V)の発生率および重症度。以前の化学療法のサイクル期間中にN&V制御不良を経験した患者は、その後のサイクルでもN&Vを経験する傾向がある。

  • アルコール常用歴。多量のアルコール常用歴のある患者では、シスプラチン誘発性のN&Vが起こる可能性は低い。 [4]

  • 年齢。50歳未満の患者では、N&Vが起こる可能性が高い。 [5]

  • 性別。女性の患者では、N&Vが起こる可能性が高い。 [5] [6]

  • 乗り物酔いまたは妊娠中の嘔吐の既往。

化学療法による治療には無関係の付加的な原因には以下がある:


  • 高カルシウム血症、水分枯渇、または水中毒などの体液と電解質の不均衡。

  • 消化管、肝、または中枢神経系の特に後頭蓋窩における腫瘍の浸潤または増殖。

  • 便秘。

  • オピオイドなどの特定の薬物。

  • 感染または敗血症。

  • 尿毒症。

N&Vを治療する臨床医は、特に複数の治療法および薬物を併用している可能性があるがん患者においては、あらゆる潜在的原因および因子に対し注意を怠ってはならない。(オピオイド誘発性のN&Vに関する詳しい情報については、がん性疼痛に関するPDQ要約のオピオイドのセクションにある有害作用のセクションを参照のこと。)

分類

N&Vは、下に概略を示すように、急性、遅発性、予測性、突発性、難治性、および慢性として分類されている: [7] [8] [9]


  • 急性のN&V:

    化学療法薬投与後24時間以内に経験するN&Vを、急性のN&Vとみなす。 [10]

  • 遅発性(晩発性)のN&V:

    化学療法薬投与後24時間以上経過してから起こるN&Vは遅発性または晩発性のN&Vである。遅発性N&Vは、シスプラチン、シクロホスファミド、および他の薬物(例えば、ドキソルビシンおよびイホスファミド)を高用量で投与するかまたは2日以上継続して投与することにより起こる。

  • 予測性のN&V(ANV):

    ANVとは、化学療法のサイクルを新たに開始する前に、治療室のにおい、光景、音などの条件刺激に反応して起こる吐き気および/または嘔吐をいう。ANVは、患者が3~4回化学療法を受けてから急性または遅発性のN&Vを経験した後で典型的にみられる古典的条件付けによる反応である。

  • 突発性のN&V:

    制吐薬の予防的使用から5日以内に発生し、レスキューを要する嘔吐は、突発性のN&Vと呼ばれる。

  • 難治性のN&V:

    治療に反応しないN&V。

  • 進行がん患者における慢性のN&V:

    進行がん患者における慢性のN&Vは、さまざまな潜在性の病因により起こるN&Vである。決定的な原因はよく分かっておらず、十分に調べられてもいないが、潜在的原因としては、消化管、頭部、代謝、薬物(例、モルヒネ)誘発性、細胞毒性化学療法誘発性、および放射線誘発性の機序がある。 [11]

表1.米国国立がん研究所によるCommon Terminology Criteria for Adverse Events:N&Va

有害事象 グレード 説明
N&V = 吐き気と嘔吐(催吐);TPN = 完全非経口栄養法。
a 出典:米国国立がん研究所。 [12]
b 定義: 吐き気を催す感覚および/または嘔吐しそうになることを特徴とする障害。
c 定義:胃の内容物を口から吐き出す反射的な行為を特徴とする障害。
吐き気b 1 食習慣の変化を伴わない食欲不振
2 著しい体重減少、脱水、または栄養不良を伴わない経口摂取の減少
3 カロリーまたは水分の不十分な経口摂取;経管栄養、TPN、または入院の適応
4 グレード割り付けなし
5 グレード割り付けなし
嘔吐c 1 24時間内に1回ないし2回(間隔は5分以上)発生
2 24時間内に3~5回(間隔は5分以上)発生
3 24時間内に6回以上(間隔は5分以上)発生;経管栄養、TPN、または入院の適応
4 生命を脅かす結果となる;緊急介入の適応
5 死亡



参考文献
  1. Farrell C, Brearley SG, Pilling M, et al.: The impact of chemotherapy-related nausea on patients' nutritional status, psychological distress and quality of life. Support Care Cancer 21 (1): 59-66, 2013.[PUBMED Abstract]

  2. Dranitsaris G, Bouganim N, Milano C, et al.: Prospective validation of a prediction tool for identifying patients at high risk for chemotherapy-induced nausea and vomiting. J Support Oncol 11 (1): 14-21, 2013.[PUBMED Abstract]

  3. Bouganim N, Dranitsaris G, Hopkins S, et al.: Prospective validation of risk prediction indexes for acute and delayed chemotherapy-induced nausea and vomiting. Curr Oncol 19 (6): e414-21, 2012.[PUBMED Abstract]

  4. Sullivan JR, Leyden MJ, Bell R: Decreased cisplatin-induced nausea and vomiting with chronic alcohol ingestion. N Engl J Med 309 (13): 796, 1983.[PUBMED Abstract]

  5. Tonato M, Roila F, Del Favero A: Methodology of antiemetic trials: a review. Ann Oncol 2 (2): 107-14, 1991.[PUBMED Abstract]

  6. Roila F, Tonato M, Basurto C, et al.: Antiemetic activity of high doses of metoclopramide combined with methylprednisolone versus metoclopramide alone in cisplatin-treated cancer patients: a randomized double-blind trial of the Italian Oncology Group for Clinical Research. J Clin Oncol 5 (1): 141-9, 1987.[PUBMED Abstract]

  7. Kris MG, Urba SG, Schwartzberg LS: Clinical roundtable monograph. Treatment of chemotherapy-induced nausea and vomiting: a post-MASCC 2010 discussion. Clin Adv Hematol Oncol 9 (1): suppl 1-15, 2011.[PUBMED Abstract]

  8. Hesketh PJ: Chemotherapy-induced nausea and vomiting. N Engl J Med 358 (23): 2482-94, 2008.[PUBMED Abstract]

  9. Grunberg SM, Osoba D, Hesketh PJ, et al.: Evaluation of new antiemetic agents and definition of antineoplastic agent emetogenicity--an update. Support Care Cancer 13 (2): 80-4, 2005.[PUBMED Abstract]

  10. Wickham R: Nausea and vomiting. In: Yarbo CH, Frogge MH, Goodman M, eds.: Cancer Symptom Management. 2nd ed. Sudbury, Mass: Jones and Bartlett Publishers, 1999, pp 228-263.[PUBMED Abstract]

  11. Schwartzberg L: Chemotherapy-induced nausea and vomiting: state of the art in 2006. J Support Oncol 4 (2 Suppl 1): 3-8, 2006.[PUBMED Abstract]

  12. National Cancer Institute: Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE), Version 4.0. Bethesda, Md: U.S. Department of Health and Human Services, National Institutes of Health, 2010. Available online. Last accessed December 30, 2015.[PUBMED Abstract]

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予測性の吐き気と嘔吐

有病率

予測性の吐き気と嘔吐(ANV)の有病率は、定義や評価方法が変化しているために値に幅がみられる。 [1] しかしながら、予測性の吐き気は化学療法を受ける患者の約29%(約3人に1人)に起こり、予測性の嘔吐は患者の11%(約10人に1人)に起こるようである。 [2] 薬理学的に新しい薬物(5- ヒドロキシトリプタミン-3 [5-HT3] 受容体拮抗薬)の導入により、ANVの有病率は低下するのではないかと期待された;しかしながら、研究では相反する結果が示されている。1件の試験では、ANVの発生率は低下し [3] 、3件の試験では、発生率が同等であった。 [2] [4] [5] 5-HT3受容体拮抗薬は化学療法後の嘔吐を減少させるが、化学療法後の吐き気については減少させないと考えられており [2] [5] 、その結果ANVに及ぼす影響は明らかではない。

古典的条件付け

ANVは、別の理論的機序が提唱されてはいるが [6] 、古典的条件付け(パブロフ型条件付けまたはレスポンデント条件付けとしても知られる)により最もよく説明できるようである。 [7] 古典的条件付けでは、それまでは中性刺激であったもの(例、化学療法実施環境のにおい)が、度重なる対提示(学習試行)の末に条件反応(例、ANV)を誘発するようになる。がんの化学療法では、最初の2~3回の化学療法薬の投与が学習試行にあたる。化学療法薬が、化学療法後のN&Vを(一部の患者において)誘発する無条件刺激にあたる。化学療法薬がさまざまな他の中性の環境刺激(例、周囲の環境のにおい、腫瘍専門看護師の存在、化学療法室)と対をなす。以前は中性刺激であったこれらの刺激がその後条件刺激となり、以降の化学療法サイクルでANVを誘発する。ANVは精神病理の徴候ではなく、むしろ他の生活環境(例えば、食中毒)において、適応回避に帰着する学習反応である。

さまざまな相互関係の研究により、古典的条件付けの経験的支持が得られている。例えば、どのような化学療法でも経験前のANVの有病率はきわめて低く、以前に化学療法後の吐き気を経験することなくANVを経験する患者はほとんどいない。 [8] また、ほとんどの研究で、(1)化学療法薬の注入回数が増すにつれて、ANV発症の可能性が高くなること、(2)患者が実際に化学療法薬の注入を受ける時間に近づくほど、ANVが激しくなることが明らかにされている。 [9] ある実験的研究では、新しい種類の飲み物が複数の化学療法の治療と対をなした際に、吐き気の条件刺激になりえた。 [10]

ANVに相関する変数

危険因子のリストを開発する目的で、多くの変数がANVの発生に相関する潜在的因子として研究されている。いずれの因子がANVを予測するかについては、現在のところ意見の一致をみていない。しかしながら、次に挙げる最初の8項目の特徴のうち該当する項目が2つ以下の患者はANV発症の可能性が低く、初回化学療法薬投与後にスクリーニングを実施すると高リスクの患者を同定しうる。 [11]

ANVと相関することが分かっている変数
  1. 50歳未満。
  2. 最近の化学療法後のN&V。
  3. 報告された治療後の吐き気の程度が中等度、重度、耐えられない。
  4. 報告された治療後の嘔吐の程度が中等度、重度、耐えられない。
  5. 最近の化学療法後の全身のほてり、ないし熱っぽさ。
  6. 乗り物酔いへの感受性。
  7. 女性。
  8. 高度の状態不安(特殊な状況に触発される不安)。 [12] [13]
  9. 自律神経系の反応性が高くなり、反応時間が遅くなる。 [14]
  10. 化学療法関連性の吐き気に対する治療開始前の患者の予想。 [15] [16]
  11. 化学療法薬投与後に吐き気を発症した回数が化学療法実施回数に占める割合。 [17]
  12. 化学療法後の目眩。
  13. 治療後N&Vの発現までの長い潜伏時間。 [18]
  14. さまざまな化学療法薬のもつ催吐潜在能。治療後のN&Vに対する潜在能が中等度ないし重度の薬物を投与中の患者は、ANVを発症する可能性がより高い。 [12]
  15. 妊娠中のつわりの既往。

ANVの治療

いったんANVが発症すると、制吐薬では制御できないようである [2] ;しかしながら、さまざまな行動介入が検討されている。 [19] これには以下がある:


  • 誘導イメージ法による段階的な筋弛緩。 [20]

  • 催眠。 [21]

  • 系統的脱感作。 [22]

  • 筋電図生体フィードバックおよび温熱バイオフィードバック。 [23]

  • テレビゲームによる気晴らし。 [24] [25]

誘導イメージ法による段階的な筋弛緩、催眠、および系統的脱感作は、最も研究が進んでおり、推奨される治療法である。ANVが認められた場合は、心理士または特殊な訓練を受け、かつがん患者を担当した経験のある精神衛生の専門家に紹介することが推奨される。ANVの同定が早ければ早いほど、治療が奏効する可能性が高くなる;そのため、早期スクリーニングと紹介が不可欠である。しかしながら、医師および看護師は化学療法誘発性のN&Vの発生率を過小評価している。 [26] [証拠レベル:II]

化学療法に関連した急性および遅発性のN&Vの予防は明らかに、ANVの最も重要な側面である。ほとんどの制吐薬はANVの治療に有益であることは示されていないが、化学療法中の制吐薬の使用により、ANVの発生率低下に劇的な効果が認められる場合がある。一部の研究で有益性が示されている唯一の医薬品クラスはベンゾジアゼピン、最も一般的にはロラゼパムである。 [27] [証拠レベル:IV]


参考文献
  1. Andrykowski MA: Defining anticipatory nausea and vomiting: differences among cancer chemotherapy patients who report pretreatment nausea. J Behav Med 11 (1): 59-69, 1988.[PUBMED Abstract]

  2. Morrow GR, Roscoe JA, Kirshner JJ, et al.: Anticipatory nausea and vomiting in the era of 5-HT3 antiemetics. Support Care Cancer 6 (3): 244-7, 1998.[PUBMED Abstract]

  3. Aapro MS, Kirchner V, Terrey JP: The incidence of anticipatory nausea and vomiting after repeat cycle chemotherapy: the effect of granisetron. Br J Cancer 69 (5): 957-60, 1994.[PUBMED Abstract]

  4. Fernández-Marcos A, Martín M, Sanchez JJ, et al.: Acute and anticipatory emesis in breast cancer patients. Support Care Cancer 4 (5): 370-7, 1996.[PUBMED Abstract]

  5. Roscoe JA, Morrow GR, Hickok JT, et al.: Nausea and vomiting remain a significant clinical problem: trends over time in controlling chemotherapy-induced nausea and vomiting in 1413 patients treated in community clinical practices. J Pain Symptom Manage 20 (2): 113-21, 2000.[PUBMED Abstract]

  6. Reesal RT, Bajramovic H, Mai F: Anticipatory nausea and vomiting: a form of chemotherapy phobia? Can J Psychiatry 35 (1): 80-2, 1990.[PUBMED Abstract]

  7. Stockhorst U, Klosterhalfen S, Steingruber HJ: Conditioned nausea and further side-effects in cancer chemotherapy: a review. Journal of Psychophysiology 12 (suppl 1): 14-33, 1998.[PUBMED Abstract]

  8. Morrow GR, Rosenthal SN: Models, mechanisms and management of anticipatory nausea and emesis. Oncology 53 (Suppl 1): 4-7, 1996.[PUBMED Abstract]

  9. Montgomery GH, Bovbjerg DH: The development of anticipatory nausea in patients receiving adjuvant chemotherapy for breast cancer. Physiol Behav 61 (5): 737-41, 1997.[PUBMED Abstract]

  10. Bovbjerg DH, Redd WH, Jacobsen PB, et al.: An experimental analysis of classically conditioned nausea during cancer chemotherapy. Psychosom Med 54 (6): 623-37, 1992 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  11. Morrow GR, Roscoe JA, Hickok JT: Nausea and vomiting. In: Holland JC, Breitbart W, Jacobsen PB, et al., eds.: Psycho-oncology. New York, NY: Oxford University Press, 1998, pp 476-484.[PUBMED Abstract]

  12. Andrykowski MA, Redd WH, Hatfield AK: Development of anticipatory nausea: a prospective analysis. J Consult Clin Psychol 53 (4): 447-54, 1985.[PUBMED Abstract]

  13. Roscoe JA, Morrow GR, Hickok JT, et al.: Biobehavioral factors in chemotherapy-induced nausea and vomiting. J Natl Compr Canc Netw 2 (5): 501-8, 2004.[PUBMED Abstract]

  14. Kvale G, Psychol C, Hugdahl K: Cardiovascular conditioning and anticipatory nausea and vomiting in cancer patients. Behav Med 20 (2): 78-83, 1994 Summer.[PUBMED Abstract]

  15. Montgomery GH, Tomoyasu N, Bovbjerg DH, et al.: Patients' pretreatment expectations of chemotherapy-related nausea are an independent predictor of anticipatory nausea. Ann Behav Med 20 (2): 104-9, 1998 Spring.[PUBMED Abstract]

  16. Shelke AR, Roscoe JA, Morrow GR, et al.: Effect of a nausea expectancy manipulation on chemotherapy-induced nausea: a university of Rochester cancer center community clinical oncology program study. J Pain Symptom Manage 35 (4): 381-7, 2008.[PUBMED Abstract]

  17. Tomoyasu N, Bovbjerg DH, Jacobsen PB: Conditioned reactions to cancer chemotherapy: percent reinforcement predicts anticipatory nausea. Physiol Behav 59 (2): 273-6, 1996.[PUBMED Abstract]

  18. Chin SB, Kucuk O, Peterson R, et al.: Variables contributing to anticipatory nausea and vomiting in cancer chemotherapy. Am J Clin Oncol 15 (3): 262-7, 1992.[PUBMED Abstract]

  19. Carey MP, Burish TG: Etiology and treatment of the psychological side effects associated with cancer chemotherapy: a critical review and discussion. Psychol Bull 104 (3): 307-25, 1988.[PUBMED Abstract]

  20. Lyles JN, Burish TG, Krozely MG, et al.: Efficacy of relaxation training and guided imagery in reducing the aversiveness of cancer chemotherapy. J Consult Clin Psychol 50 (4): 509-24, 1982.[PUBMED Abstract]

  21. Redd WH, Andresen GV, Minagawa RY: Hypnotic control of anticipatory emesis in patients receiving cancer chemotherapy. J Consult Clin Psychol 50 (1): 14-9, 1982.[PUBMED Abstract]

  22. Morrow GR, Morrell C: Behavioral treatment for the anticipatory nausea and vomiting induced by cancer chemotherapy. N Engl J Med 307 (24): 1476-80, 1982.[PUBMED Abstract]

  23. Burish TG, Shartner CD, Lyles JN: Effectiveness of multiple muscle-site EMG biofeedback and relaxation training in reducing the aversiveness of cancer chemotherapy. Biofeedback Self Regul 6 (4): 523-35, 1981.[PUBMED Abstract]

  24. Kolko DJ, Rickard-Figueroa JL: Effects of video games on the adverse corollaries of chemotherapy in pediatric oncology patients: a single-case analysis. J Consult Clin Psychol 53 (2): 223-8, 1985.[PUBMED Abstract]

  25. Vasterling J, Jenkins RA, Tope DM, et al.: Cognitive distraction and relaxation training for the control of side effects due to cancer chemotherapy. J Behav Med 16 (1): 65-80, 1993.[PUBMED Abstract]

  26. Chan CW, Cheng KK, Lam LW, et al.: Psycho-educational intervention for chemotherapy-associated nausea and vomiting in paediatric oncology patients: a pilot study. Hong Kong Med J 14 (5 Suppl): 32-5, 2008.[PUBMED Abstract]

  27. Rock EM, Limebeer CL, Parker LA: Anticipatory nausea in animal models: a review of potential novel therapeutic treatments. Exp Brain Res 232 (8): 2511-34, 2014.[PUBMED Abstract]

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急性または遅発性の化学療法誘発性の吐き気と嘔吐の病因

急性の吐き気と嘔吐(N&V)

中リスクまたは高リスク化学療法に伴う急性のN&Vの発生率は30~90%に及ぶ。 [1] [2] [3] それにより重大な罹病を引き起こし、QOLにマイナスに影響することがある。しかしながら、近年は多くの新たな制吐薬および併用方法が利用できるようになっており、この非常に恐ろしい合併症の発生率と重症度が劇的に低下している。危険因子として、特定の薬物の催吐性潜在能、用いられる投与量、投与スケジュール、および化学療法薬の併用方法が挙げられる。例えば、催吐性潜在能の低い薬物でも高用量を投与すれば、N&Vを誘発する可能性が劇的に増大しうる。 [4] 標準投与量のシタラビンによりN&Vを来すことはまれであるが、高用量を投与すればN&Vがしばしば認められる。このほかに影響する因子として、薬物の併用投与がある。ほとんどの患者は多剤併用化学療法を受けるため、あらゆる薬物の組み合わせによる催吐性潜在能と、それぞれの薬物の投与量を検討する必要がある。 [5] [6] [7] [8] [9]

他の危険因子には以下がある: [10]


  • 以前の化学療法による制御不良。

  • 女性。

  • 50歳未満。

  • 以前の化学療法での経験。

  • 乗り物酔いの既往。

  • 妊娠誘発性のN&Vの既往。

  • 脱水症。

  • 栄養不良。

  • 最近の手術。

  • 放射線療法。

化学療法薬ならびにその急性および遅発性嘔吐のそれぞれのリスクについての評価法が米国臨床腫瘍学会によって策定されている。 [11]


  • 高リスク:患者の90%以上に嘔吐の発現が報告されている薬物:
      シスプラチン。
      メクロレタミン。
      ストレプトゾシン。
      シクロホスファミド、1,500mg/m2以上。
      カルムスチン。
      ダカルバジン。
      ダクチノマイシン。

  • 中等度リスク:患者の30~90%に嘔吐の発現が報告されている薬物:
      カルボプラチン。
      シクロホスファミド、1,500mg/m2未満。
      ダウノルビシン。
      ドキソルビシン。
      エピルビシン。
      イダルビシン。
      オキサリプラチン。
      シタラビン、1g/m2以上。
      イホスファミド。
      イリノテカン。

  • 低リスク:患者の10~30%に嘔吐の発現が報告されている薬物:
      ミトキサントロン。
      パクリタキセル。
      ドセタキセル。
      マイトマイシン。
      トポテカン。
      ゲムシタビン。
      エトポシド。
      ペメトレキセド。
      メトトレキサート。
      シタラビン、1,000mg/m2未満。
      フルオロウラシル。
      ボルテゾミブ。
      セツキシマブ。
      トラスツズマブ。

  • 最低リスク:嘔吐発現の報告が使用患者の10%未満にとどまる薬物:
      ビノレルビン。
      ベバシズマブ。
      リツキシマブ。
      ブレオマイシン。
      ビンブラスチン。
      ビンクリスチン。
      ブスルファン。
      フルダラビン。
      クラドリビン。

遅発性N&V

遅発性(または晩発性)N&Vは、化学療法薬投与後24時間以上経過してから起こる。遅発性のN&Vは、シスプラチン、シクロホスファミド、およびその他の薬物(例、ドキソルビシンおよびイホスファミド)を高用量で投与するかまたは2日以上継続して投与することにより起こる。 [1] [12] [13]


  • 病因論:
      化学療法により急性嘔吐を経験する患者は、遅発性嘔吐を来す可能性が明らかに高い。

  • 危険因子:
      急性嘔吐を予測する特徴はすべて遅発性嘔吐の危険因子とみなされる。

  • 催吐性薬物の分類:


参考文献
  1. Hesketh PJ, Sanz-Altamira P, Bushey J, et al.: Prospective evaluation of the incidence of delayed nausea and vomiting in patients with colorectal cancer receiving oxaliplatin-based chemotherapy. Support Care Cancer 20 (5): 1043-7, 2012.[PUBMED Abstract]

  2. Schwartzberg L: Addressing the value of novel therapies in chemotherapy-induced nausea and vomiting. Expert Rev Pharmacoecon Outcomes Res 14 (6): 825-34, 2014.[PUBMED Abstract]

  3. Sekine I, Segawa Y, Kubota K, et al.: Risk factors of chemotherapy-induced nausea and vomiting: index for personalized antiemetic prophylaxis. Cancer Sci 104 (6): 711-7, 2013.[PUBMED Abstract]

  4. Roscoe JA, Morrow GR, Hickok JT, et al.: Nausea and vomiting remain a significant clinical problem: trends over time in controlling chemotherapy-induced nausea and vomiting in 1413 patients treated in community clinical practices. J Pain Symptom Manage 20 (2): 113-21, 2000.[PUBMED Abstract]

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  6. Dranitsaris G, Bouganim N, Milano C, et al.: Prospective validation of a prediction tool for identifying patients at high risk for chemotherapy-induced nausea and vomiting. J Support Oncol 11 (1): 14-21, 2013.[PUBMED Abstract]

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  8. Phillips RS, Gopaul S, Gibson F, et al.: Antiemetic medication for prevention and treatment of chemotherapy induced nausea and vomiting in childhood. Cochrane Database Syst Rev (9): CD007786, 2010.[PUBMED Abstract]

  9. Olver I, Clark-Snow RA, Ballatori E, et al.: Guidelines for the control of nausea and vomiting with chemotherapy of low or minimal emetic potential. Support Care Cancer 19 (Suppl 1): S33-6, 2011.[PUBMED Abstract]

  10. Kris MG, Hesketh PJ, Somerfield MR, et al.: American Society of Clinical Oncology guideline for antiemetics in oncology: update 2006. J Clin Oncol 24 (18): 2932-47, 2006.[PUBMED Abstract]

  11. Navari RM: Antiemetic control: toward a new standard of care for emetogenic chemotherapy. Expert Opin Pharmacother 10 (4): 629-44, 2009.[PUBMED Abstract]

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  13. Fleishman SB, Mahajan D, Rosenwald V, et al.: Prevalence of Delayed Nausea and/or Vomiting in Patients Treated With Oxaliplatin-Based Regimens for Colorectal Cancer. J Oncol Pract 8 (3): 136-40, 2012.[PUBMED Abstract]

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急性または遅発性の吐き気と嘔吐の予防および管理

いくつかの組織-米国臨床腫瘍学会、National Comprehensive Cancer Network、Pediatric Oncology Group of Ontarioなど-により、その組織の会員のための制吐薬に関するガイドラインが発表されている。特定のガイドラインを支持することはPDQの方針に反するが、文献においていくつかの例が掲載されている。 [1] [2] [3] [4]

治療に関連した吐き気と嘔吐(N&V)の管理において最も一般的な介入は制吐薬である。制吐治療の基礎は、嘔吐の神経化学的制御にある。正確な機序は十分把握されていないが、末梢の神経性受容体および化学受容体トリガー層(CTZ)は、セロトニン、ヒスタミン(H1およびH2)、ドパミン、アセチルコリン、オピオイド、およびその他多数の内因性神経伝達物質の受容体を含むことが知られている。 [5] [6] 多くの制吐薬は、これらの物質の受容体を競合的にブロックし、それによりCTZ、およびおそらく嘔吐中枢で末梢神経の刺激を阻害することによって作用する。

現在のガイドライン [7] [8] では、化学療法誘発性のN&V(CINV)の化学療法前の管理は選択された化学療法薬の催嘔吐性潜在能に基づくべきであると推奨されている。催吐性潜在能の高いレジメンを受けている患者には、化学療法前の5-HT3受容体拮抗薬、アプレピタント、およびデキサメタゾンの併用が推奨される;ロラゼパムも使用される。アプレピタントおよびデキサメタゾンは、遅発性嘔吐の予防のために化学療法とともに開始することが推奨されている。

催吐性が中等度の化学療法を受ける患者では、化学療法前に5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンを併用し、ロラゼパムは併用する場合も併用しない場合もある。アントラサイクリンとシクロホスファミドの併用療法を受ける患者、およびその他の催吐性リスクが中等度のシスプラチン(50mg/m2未満)またはドキソルビシンなどの特定の薬物による治療を受ける選択された患者では、アプレピタントを投与してもよい。遅発性嘔吐の予防には、化学療法後、5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾン、またはその両方が推奨される。

催吐性潜在能の低いレジメンには、ロラゼパムを併用するまたは併用しないデキサメタゾンが推奨される。催吐性リスクが最低のレジメンには、予防は推奨されない。 [7] [8]

制吐薬に関するガイドライン [7] [8] には、遅発性嘔吐の予防に任意の治療法として利用可能な経口5-HT3受容体拮抗薬が含められているが、この方法を支持する証拠レベルは低い。 [9]

患者は開業医の認識より多くの急性および遅発性のCINVを経験することが研究により強く示唆されている。 [9] [10] [11] 1件の研究により、吐き気が起こるのではという予感を強くもつ患者の方が、化学療法後の吐き気を経験しやすいことが示唆されている。 [12] 加えて、これらの現行薬物や新薬は急性および遅発性のCINVに対する予防策として使用されているのであって、既に起こったCINVに対する使用については検証されていない。1件の研究で、何日かにわたる化学療法を受けている患者における、CINVの予防に対するパロノセトロンとデキサメタゾンの静注(IV)使用の有効性が報告された。 [13]

化学療法前および化学療法後の催吐性潜在能ごとの推奨事項を、表2で要約する。

表2.催吐性リスクカテゴリー別の制吐のための推奨a

催吐性リスクカテゴリー ASCOのガイドライン NCCNのガイドライン
ASCO = 米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology);NCCN = 全米がん包括ネットワーク(National Comprehensive Cancer Network)。
a出典:Navari. [14]
b列挙された制吐薬の順番は好みを反映しているわけではない。
高リスク(>90%) 5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾン、およびアプレピタントの3剤による併用が化学療法前に推奨される。 ロラゼパムを併用するまたは併用しない5-HT3受容体拮抗薬(オンダンセトロングラニセトロン、ドラセトロン、またはパロノセトロンb)、デキサメタゾン(12mg)、およびアプレピタント(125mg)が化学療法前に推奨される。
シスプラチンおよび催吐性リスクが高い他のすべての薬物の投与を受けている患者には、化学療法投与日後数日間継続する遅発性嘔吐の予防にデキサメタゾンおよびアプレピタントの2剤による併用が推奨される。 遅発性嘔吐の予防には、2日目~4日目にロラゼパムを併用するまたは併用しない、2日目~4日目のデキサメタゾン(8mg)および2日目~3日目のアプレピタント(80mg)が推奨される。患者が化学療法投与日に150mgのフォスアプレピタントを投与されている場合、2日目および3日目のアプレピタントは不要である。
中等度リスク(30~90%) アントラサイクリンおよびシクロホスファミドの投与を受ける患者には、化学療法前に5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾン、およびアプレピタントの3剤の併用が推奨される;遅発性嘔吐の予防には、2日目~3日目にアプレピタント + デキサメタゾンが推奨される。 アントラサイクリンおよびシクロホスファミドの投与を受ける患者および催吐性リスクが中等度の他の化学療法(例、カルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシン、エピルビシン、イホスファミド、イリノテカン、またはメトトレキサート)を受ける選択された患者には、ロラゼパムを併用するまたは併用しない5-HT3受容体拮抗薬(オンダンセトロングラニセトロン、ドラセトロン、またはパロノセトロンb)、デキサメタゾン(12mg)、およびアプレピタント(125mg)が化学療法前に推奨される;他の患者にはアプレピタントは推奨されない。
催吐性リスクが中等度の他の化学療法を受ける患者には、化学療法前に5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの2剤の併用が推奨される;遅発性嘔吐の予防には、2日目~3日目にデキサメタゾンの単剤投与または5-HT3受容体拮抗薬が推奨される。 遅発性嘔吐の予防には、2日目~4日目にロラゼパムを併用するまたは併用しない、2日目~4日目にデキサメタゾン(8mg)または5-HT3受容体拮抗薬または、1日目に使用するなら2日目~4日目のデキサメタゾン(8mg)を併用するまたは併用しない2日目~3日目のアプレピタント(80mg)の投与が推奨される。
低リスク(10~30%) デキサメタゾン(8mg)が推奨される;遅発性嘔吐に対する予防のため、ルーチンでの制吐薬の使用は推奨されていない。 ジフェンヒドラミンと併用するまたは併用しないメトクロプラミド;デキサメタゾン(12mg);またはプロクロルペラジンの、ロラゼパムを併用するまたは併用しない投与が推奨される。
最低リスク(10%未満) 化学療法の前後で制吐薬はルーチンに投与されていない。 ルーチンに予防は行われない;一次予防に示された制吐薬を治療目的で使用することを検討する。


制吐作用が証明されている薬物は、そのほとんどが以下のグループのいずれかに分類される:


  • ドパミン作動性(D2サブタイプ)受容体の競合的拮抗薬:

  • セロトニン作動性(5-ヒドロキシトリプタミン-3または5-HT3サブタイプ)受容体の競合的拮抗薬。

  • サブスタンスP(substance P)拮抗薬(ニューロキニン-1[NK-1]受容体拮抗薬)。

  • コルチコステロイド。

  • ベンゾジアゼピン(ロラゼパム)。

  • カンナビノイド。

以下の薬物のそれぞれについてすべての投与経路を記載しておくが、筋肉内(IM)投与は、他の投与経路を利用できない場合にのみ用いる。筋肉内投与は痛みを伴い、薬物の吸収が不安定であることに関連し、無菌性膿瘍形成または組織の線維化を導くことがある。これは、2~3回以上薬物を投与する場合に特に重要である。

フェノチアジン

フェノチアジン系薬物はCTZ、およびおそらく他の中枢神経系(CNS)中枢および末梢にあるドパミン作動性受容体に作用する。チオリダジンを除く多くのフェノチアジン系薬物は制吐作用を有し、10~50mgの用量範囲で経口、筋肉内、静脈内、経直腸投与が可能なクロルプロマジン(12歳以上の患児への投与量:10mg、6~8時間ごと;12歳未満の患児への投与量:5mg、6~8時間ごと);およびペルフェナジンなどがある。

フェノチアジン系薬物を選択する際に第一に考慮すべき点は、それぞれの有害作用プロファイルの差であり、これは本質的に構造的分類と相関している。一般に、脂肪族フェノチアジン(例、クロルプロマジン、メトトリメプラジン)は鎮静および抗コリン作動性効果をもたらし、ピペラジン(例、プロクロルペラジン、ペルフェナジンおよびフルフェナジン)は、鎮静を来すことは少ないが錐体外路反応(EPR)(急性ジストニー、静坐不能、神経弛緩薬性悪性症候群[まれ]、まためったにないが、運動不能症および運動異常症)の高い発生率と関連している。高用量で急速に静脈内投与すると、著明な低血圧症が生じることもある。ジフェンヒドラミンなどのH1遮断薬の同時使用は、錐体外路性副作用のリスクと重症度をしばしば低下させることができる。フェノチアジンは、シスプラチンのレジメンを受けて遅発性のN&V(急性期後症状)を経験する患者の治療で、特に価値が高い。 [15] [16] [17] [18] [19] ;[証拠レベル:I]

ブチロフェノン

ドロペリドールおよびハロペリドールは、ドパミン作動性(D2サブタイプ)受容体拮抗薬のもう1つの分類のブチロフェノンであり、構造的にも薬理学的にもフェノチアジン系薬物に類似している。本来、ドロペリドールは麻酔導入の補助薬として用いられ、ハロペリドールは神経遮断性抗精神病薬として使用されるが;両者ともいくらかの制吐活性を有している。ドロペリドールは一般的に1~2.5mg、2~6時間ごとに筋肉内または静脈内投与するが、高用量(最高10mg)を投与しても安全である。 [20] [21] ハロペリドールは一般的に1~4mg、2~6時間ごとに筋肉内、静脈内または経口投与する。 [22] 1件の小規模なオープンラベル非対照研究では、緩和ケア患者においてハロペリドールの一定の有効性が示された。 [23] 両者とも、錐体外路反応、静坐不能、低血圧症および鎮静を来すことがある。

置換ベンズアミド

メトクロプラミドは置換ベンズアミドの1種であり、セロトニン(5-HT3)受容体拮抗薬が導入されるまでは、シスプラチンなどの催吐性の高い化学療法に対し単独では最も有効な制吐薬であると考えられていた。メトクロプラミドはドパミン(D2)作動性受容体の競合的拮抗薬であるものの高用量(例えば、1回当たり0.5~3mg/kg)を静脈内投与する場合に急性嘔吐に最も有効となるが、これは、おそらくこの薬物が5-HT3受容体に対して(他のセロトニン拮抗薬と比較して)弱い競合的拮抗作用を有するためである。CTZおよび末梢で作用することもある。メトクロプラミドはまた、下部食道括約部圧を増大させて、胃の内容物の排出速度を上げるが、これは、制吐効果全体の1因子として数えることがある。メトクロプラミドは、米国食品医薬品局(FDA)が承認した投与量の1~2mg/kg、2時間ごと(またはもっと間隔を空けて)3~5回で静脈内投与できる。メトクロプラミドはまた、比較的高用量を単回ボーラス静注(最大6mg/kg)しても、また負荷量ボーラス投与を伴うまたは伴わない持続点滴静注しても安全であり、多剤間欠投与スケジュールに匹敵する効力を示す。 [24] [25] [26]

メトクロプラミドは静坐不能およびジストニーの錐体外路作用に関連する;静坐不能は30歳以上の患者でより頻繁にみられ、ジストニーの錐体外路作用は30歳未満の患者により一般的にみられる。錐体外路反応(EPR)に薬理学的に拮抗するように、ジフェンヒドラミン、メシル酸ベンズトロピン、およびトリヘキシフェニジルが予防または治療に多用される。 [27] 歯車様硬直、急性ジストニー、および振戦が抗コリン作動薬の投薬への反応であるのに対して、静坐不能-静止することがないまたはじっと座っていられないという主観的感覚は、次のいずれかの方法で、最もうまく治療できる:


  • 可能であれば、効力が弱めの制吐用神経遮断薬に切り替える。

  • 投与量を減量する。

  • ベンゾジアゼピン(例、ロラゼパム)を追加投与する。

メトクロプラミドは米国ではあまり一般的に使用されていないが、他の国では依然としてとてもよく使用されている。

5-HT3受容体拮抗薬

米国では、4種類のセロトニン受容体拮抗薬-オンダンセトロングラニセトロン、ドラセトロン、およびパロノセトロン-が入手できる。トロピセトロンはFDAによって承認されていないが、国際的には利用できる。この分類の薬物は、消化管(GI)の粘膜にある腸クロム親和細胞から放出されるセロトニンが迷走神経および脊髄の交感神経を経てCNSに達する求心性伝達を開始させるのを阻害することで、N&Vを予防すると考えられている。 [28] [29] [30] 5-HT3受容体拮抗薬はまた、CTZおよび他のCNS構造でのセロトニン刺激をブロックすることがある。この分類の医薬品の主要な副作用には、軽い頭痛、便秘、および/または下痢が挙げられる。複数の研究により、5-HT3受容体拮抗薬はステロイドと併用投与した場合に最も有効であることが示されている。

薬の比較

急性のCINVの治療において、第一世代の3つの5-HT3受容体拮抗薬(ドラセトロン、グラニセトロンオンダンセトロン)では、効力または毒性に大きな差は認められないことを示唆する研究がいくつかある。これら3剤は、適切な投与量で用いる場合には効力と毒性が等しい。 [31] [32] ; [33] [証拠レベル:I]これらの薬物は化学療法後最初の24時間(急性期)は有効であると示されているが、化学療法後2~5日目(遅発期)に有効であるとは証明されていない。

第二世代の5-HT3受容体拮抗薬であるパロノセトロンは、催吐性が高いおよび中等度の化学療法での急性嘔吐および催吐性が中等度の化学療法を受けている患者における遅発性嘔吐の制御について承認されている。 [34] ; [35] [証拠レベル:I]

第一世代および第二世代の5-HT3受容体拮抗薬の両方の使用にもかかわらず、急性のCINV、および特に遅発性のN&Vの制御は最適以下であり、現在のレジメンに新たな薬物を追加するか、置換することにより、かなりの改善の機会がある。 [9] [36] [37] [38]

オンダンセトロン

数件の研究により、オンダンセトロンメトクロプラミドの高用量投与と同じかそれよりも優れた制吐反応をもたらすが、ドパミン作動性拮抗薬よりも毒性プロファイルが良好であることが実証されている。 [39] [40] [41] [42] [証拠レベル:I] [43] [44] オンダンセトロン(0.15mg/kg)は、化学療法実施の15~30分前に静脈内投与し、その後4時間ごとに2回追加投与する。あるいは、18歳以上の患者に関しては、大規模多施設研究により、シスプラチン誘発性のN&Vの治療において、オンダンセトロン32mgの単回投与は8mg単回投与よりも有効性が高く、化学療法実施の30分前に開始し、4時間ごとに0.15mg/kgを3回投与する標準レジメンと有効性が等しいことが決定付けられた。 [45] [証拠レベル:I]単一施設のレトロスペクティブなカルテレビューにより、オンダンセトロンの負荷用量である16mg/m2(最大24mg)静注は乳児、小児、および青年において安全であることが報告されている。 [46] しかしながら、FDAに提出されたデータから、32mgの単回静脈内投与ではQT延長や潜在的な致死性不整脈が生じうるという懸念が提起されている。現在の医薬品表示では最高16gの単回静脈内投与と明記されている。 [47]

現在、経口および注射用オンダンセトロン製剤は、高齢患者および腎不全のある患者を含め、4歳超の患者に対して、投与量を調節せずに使用することが承認されている。経口オンダンセトロンは、化学療法実施30分前に投与開始し、1日3回、化学療法が完了してから最大2日間投与を継続する。重度肝不全のある患者では、オンダンセトロンクリアランスが減少する;そのため、このような患者には、注射であれ経口であれ単回投与で8mgを超えてはならない。現在、肝不全患者に対してオンダンセトロンを反復投与する1日量について、安全性評価の情報は得られていない。このほか、持続点滴静注(例えば、1mg/時、24時間)または経口投与などの有効な投与スケジュールも評価されている。 [45]

重大な有害作用には、以下がある: [48]


  • 頭痛(穏作用型鎮痛薬で治療可能)。

  • 便秘または下痢。

  • 疲労。

  • 口渇。

  • シスプラチンの併用投与に関連している可能性がある一過性の無症状性肝機能検査値の上昇(アラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)。

オンダンセトロンは、数例の症例研究で、血小板減少症、腎不全、および血栓性イベントと病因学的に関係していた。 [49] さらに、数件の症例報告では、オンダンセトロンが錐体外路反応(EPR)の発現に関係しているとしている。しかしながら、報告されたイベントが実際にEPRであったかどうかは、一部の症例では不明である;他の報告では、EPRを発生するとして知られる他の薬物の同時投与により、証拠に交絡が生じている。それでもなお、セロトニン受容体拮抗薬がドパミン作動性受容体拮抗薬に勝る最大の利点は、有害作用が少ないことである。オンダンセトロンによる予防にもかかわらず、ドキソルビシン、シスプラチン、またはカルボプラチンを受けている多くの患者は急性および遅発期のN&Vを経験するであろう。 [50] あるランダム化二重盲検プラセボ対照試験は、NK-1受容体拮抗薬であるアプレピタントの追加がN&Vを緩和しうること示唆している。 [51] アプレピタント至適投与量は、1日目は125mgで2~3日目は80mgとしてよい。 [52] [53] [証拠レベル:I]

グラニセトロン

グラニセトロンは、広い用量範囲(例えば、10~80μg/kgおよび経験的に1回当たり3mg)で、N&Vの予防と制御に効力が証明されている。米国では、高用量のシスプラチン投与など催吐性の化学療法を受けている患者に対する初期予防薬または反復予防薬としてグラニセトロン注射薬、経皮パッチおよび錠剤が承認されている。グラニセトロンは、薬理学的および薬物動態学的にオンダンセトロンとは異なっている;しかしながら、臨床的には、効力および安全性は等しい。 [50] [51] [53] [54] [証拠レベル:I]両グラニセトロン剤型とも、化学療法の前に投与されるが、一方は10μg/kg(0.01mg/kg)を単回静脈内投与し、他方は12時間ごとに1mgを経口投与する。

グラニセトロンの両剤型およびオンダンセトロン注射薬は、催吐性の高い化学療法に対して同じく適応とされる。これとは対照的に、オンダンセトロン経口剤は催吐性が中等度の化学療法に伴うN&Vに対してのみ、使用が承認されている。

現在のところ、グラニセトロン注射薬は高齢患者、肝不全および腎不全のある患者を含めて2歳超の患者では投与量を調節せずに使用することが承認されている。グラニセトロン経口剤は、小児患者への使用は承認されていない。

ドラセトロン

ドラセトロン経口剤は、初回コースおよび反復コースを含む催吐性が中等度のがん化学療法に伴うN&Vの予防に適応とされる。化学療法前の1時間以内に100mgの経口ドラセトロンを投与することもある。化学療法の約30分前には、IVでも経口でも1.8mg/kgのドラセトロンを単回投与する。QTc間隔延長のリスクがあるため、注射薬はもはやCINVには承認されていない。 [55]

CINVの予防における経口ドラセトロンの有効性は、399人の患者を対象とする大規模ランダム化二重盲検比較試験で証明されている。 [56] [証拠レベル:I]化学療法の1時間前に25~200mgの範囲で経口ドラセトロンが投与された。もう一方の試験群には、オンダンセトロン経口剤(8mg)を化学療法の1時間半前に投与し、化学療法後8時間ごとに計3回投与した。完全奏効(CR)率は、ドラセトロン投与量を増量するにつれて改善をみた。ドラセトロン200mg投与群およびオンダンセトロン投与群はいずれも、ドラセトロン25mgまたは50mg投与群よりも完全奏効率が有意に高かった。(嘔吐のエピソードがなく、かつ制吐薬を使用しない状態を完全奏効と定義した。)

パロノセトロン

パロノセトロンは、中枢と胃腸の両方の部位で制吐活性を有する5-HT3受容体拮抗薬(第二世代)である。パロノセトロンは、催吐性が中等度および高いがん化学療法の初回コースおよび反復コースに伴う急性のN&Vの予防として、および催吐性が中等度のがん化学療法の初回コースおよび反復コースに伴う遅発性のN&Vの予防としてFDAにより承認されている。従来の5-HT3受容体拮抗薬と比べて、パロノセトロンは5-HT3受容体へのより高い結合親和性、より高い効力、有意に長い半減期(約40時間、ドラセトロン、グラニセトロン、またはオンダンセトロンの半減期より4~5倍長い)、および優れた安全性プロファイルをもつ。 [57] [証拠レベル:I]ある用量決定研究で、有効な投与量は0.25mg以上であることが証明された。 [58] [59] [60] [61] [62]

催吐性が中等度の化学療法を受けている患者を対象とした2件の大規模研究において、急性期および遅発期のCR(嘔吐を認めない、レスキュー不要)は、オンダンセトロンまたはドラセトロン単独と比較して0.25mgのパロノセトロン単独を受けた患者で有意に改善した。 [34] ; [35] [証拠レベル:I]これらの研究では5-HT3受容体拮抗薬とともにデキサメタゾンが投与されていないため、デキサメタゾンが用いられた場合にもCRの差が維持されるかどうかは不明である。また別の研究 [63] [証拠レベル:I]では、催吐性の高い化学療法(シスプラチン60mg/m2以上)を受けている患者650人が、デキサメタゾンと0.25mgまたは0.75mgのパロノセトロンいずれかとの併用、またはデキサメタゾンとオンダンセトロン(32mg)との併用を受けた。パロノセトロンの単回投与については、デキサメタゾンの前処置による急性のCINVの予防においてオンダンセトロンと同等の有効性が示され;化学療法後の5日間においてはオンダンセトロンよりも有意に優れた有効性を示した。上述の研究において化学療法のサイクルを反復して受けた患者の分析で、1人の著者は [64] 、急性と遅発性の両方のCINVに対するCR率が同時コルチコステロイドを併用しないパロノセトロンの単回静脈内投与で維持されたことを報告した。

サブスタンスP(substance P)拮抗薬(NK-1受容体拮抗薬)

孤束核の迷走神経求心性ニューロン、腹部迷走神経、および最後野でみられるサブスタンスP(substance P)が嘔吐を誘発する。アプレピタント、フォスアプレピタント、netupitantなどのNK-1受容体拮抗薬が開発されている。

アプレピタント

NK-1受容体拮抗薬を用いた初期の臨床研究 [65] [66] [67] [68] では、アプレピタント(CP-122,721、CJ-11,794、MK-0869)をシスプラチン化学療法前の5-HT3受容体拮抗薬 + デキサメタゾンに追加することにより、5-HT3受容体拮抗薬 + デキサメタゾンと比較して急性嘔吐の制御が改善された;このレジメンではまたプラセボと比較して遅発性嘔吐の制御も改善されたことが証明された。さらに、単独薬としてアプレピタントは、シスプラチン誘発性急性嘔吐に対してオンダンセトロンとほぼ同じ効果を有したが、遅発性嘔吐の制御においてはオンダンセトロンよりも優れていた。

その後の研究 [69] [70] [証拠レベル:I]で、アプレピタントとデキサメタゾンの併用は急性嘔吐の制御において3剤療法(アプレピタント、5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾン)と比較すると劣っていることが示された。これらの研究ではまた、プラセボ群と比較してアプレピタントの使用による遅発性嘔吐の改善が確認された。2件の研究 [71] [72] [証拠レベル:I]ではまた、デキサメタゾン単独と比較してアプレピタントとデキサメタゾンの併用によりシスプラチン誘発性遅発性嘔吐が改善し、シスプラチン化学療法の反復サイクルの間この改善が維持されたことも示されている。

2件のランダム化二重盲検並行多施設比較研究(それぞれ患者520人)において、シスプラチン投与(70mg/m2以上)を受けた患者が、標準療法である化学療法前の5-HT3受容体拮抗薬(オンダンセトロン)およびデキサメタゾンならびに化学療法後(2~4日目)のデキサメタゾンの投与群;または標準療法 + 化学療法前および化学療法後2日目と3日目のアプレピタント投与群にランダムに割り付けられた。 [52] [73] [証拠レベル:I]両研究におけるアプレピタント投与群のCR(嘔吐を認めない、レスキュー不要)は、標準療法群の急性期(68~78%)および遅発期(47~56%)のCRと比較して、急性期(83~89%)と遅発期(68~75%)の両方で有意に高かった。吐き気は、アプレピタント投与群で吐き気のさまざまな特異的基準のすべてではないが、一部の基準で改善された。

上述の研究に基づいて、アプレピタントは2003年の3月にFDAにより承認された。他の制吐薬との併用において、アプレピタントは高用量シスプラチンなど催吐性の高いがん化学療法の初回コースおよび反復コースに伴う急性および遅発性のN&Vの予防に対して適応とされる。追加研究では、オンダンセトロンと比較した場合の遅発期におけるアプレピタントの効力が確認された。 [74] [証拠レベル:I]別の第III相ランダム化試験では、メルファランの大量投与および自家幹細胞移植を受けた多発性骨髄腫患者における、CINV予防を目的としたアプレピタント、グラニセトロン、およびデキサメタゾンの使用が検討された。このレジメンを投与された患者では統計的にプラスの便益が得られ、副作用の増加も認められなかった。 [75] [76] [77] [78] [79]

フォスアプレピタント

フォスアプレピタントはアプレピタントのプロドラッグで、IV製剤で利用できる。フォスアプレピタントは、粘膜炎、嚥下困難、または消化管障害により経口投与に耐えられない患者に適応とされる。予備研究により、アプレピタントの経口投与と同等の安全性および効力が示されている。フォスアプレピタントは1日目に115mgの用量で承認されており、2日目および3日目はアプレピタントの経口投与が実施される。フォスアプレピタントジメグルミンは水溶性で、アプレピタントのリン酸化アナログであり、静脈内投与後急速にアプレピタントに変換される。 [80] フォスアプレピタント(115mg)が、3日間レジメンの1日目のアプレピタント経口投与(125mg)の代替として、FDAに認可された。シスプラチンによる化学療法を受けている患者を対象とした1件のランダム化二重盲検試験では、CINVの予防において、オンダンセトロンおよびデキサメタゾンとフォスアプレピタントの静脈内単回投与(150mg)の併用が、標準的なアプレピタント3日間経口投与と比較して効果が劣っていないことが示された。 [81]

netupitant

netupitantはNK-1受容体に対する競合的拮抗薬であり、300mgのnetupitantと0.5mgのパロノセトロンを含む経口の固定併用薬として市販されている;netupitantは、急性および遅発性の両方のCINVを予防するため化学療法前にデキサメタゾンと単一薬として投与される。この薬物の併用は、催吐性が高いおよび中等度の両方の化学療法レジメンにおける予防のために使用され成功を収めている。 [82] [83]

コルチコステロイド

ステロイドは一般的に他の制吐薬と併用される。ステロイドのもつ制吐作用の機序は十分に把握されていないが、脳のプロスタグランジン活性を損なうことがある。臨床的に、ステロイドはN&Vの発症頻度を低下、またはN&Vのエピソードをなくし、そして患者の気分を好転させることで、安寧または多幸感という主観的感覚を患者にもたらす(ただし、ステロイドはまた抑うつおよび不安を引き起こすこともある)。ステロイドはときに、軽度ないし中等度の催吐性の化学療法に対して単剤で用いられることがあるが、制吐薬と併用することの方が多い。 [84] [85] [証拠レベル:I]; [86]

ステロイドはしばしば化学療法実施前に静脈内投与され、その後場合によっては反復投与する。投与量および投与スケジュールは経験的に選択される。デキサメタゾンは脳浮腫も減少させるため、脳への放射線療法を受けている患者のN&Vに対してしばしば選択される治療となる。8mg~40mgの用量(小児への投与量:0.25~0.5mg/kg)で経口または静脈内投与される。 [87] [88] また、メチルプレドニゾロンは40mg~500mg、6~12時間ごとに最大20回の投与量および投与スケジュールで経口、または静脈内投与される。 [85] [89]

デキサメタゾンはまた、遅発性のN&Vに対しても経口で用いられる。しかしながら、長期にわたるコルチコステロイドの使用は不適当であり、以下を含む実質的な病的状態を引き起こすことがある: [90] [91] [92]


  • 免疫抑制。

  • 近位筋筋力低下(特に、大腿および上腕の筋)。

  • 長骨の無菌壊死。

  • 白内障の形成。

  • 高血糖症および既存の糖尿病の増悪または無症状糖尿病の臨床病理段階への拡大。

  • 低コルチゾール症を伴う副腎抑制。

  • 嗜眠。

  • 体重増加。

  • 消化管過敏。

  • 不眠。

  • 不安。

  • 気分の変化。

  • 精神病。

卵巣がん患者のグループにおける化学療法を調査したある研究では、制吐薬としてのグルココルチコイドの短期使用は治療成績(例、全生存または化学療法の効力)に対して否定的な作用が認められないことが明らかにされた。 [93] 以前にメトクロプラミドに関して明らかにされたように、膨大な研究によりデキサメタゾンは5-HT3遮断薬の制吐作用を増強することが証明されている。 [90] [94] デキサメタゾンをIV投与する場合、急速投与すると全身性の温感覚、咽頭の刺痛や灼熱感、または急性一過性の会陰痛および/または直腸痛を起こす可能性があるため、10~15分かけて投与するとよい。 [95] [96] [97] [98]

ベンゾジアゼピン

ロラゼパム、ミダゾラム、およびアルプラゾラムなどのベンゾジアゼピンは、化学療法に伴う、特に小児を対象にする催吐作用の高いレジメンに伴う、不安および予測性のN&Vの症状の予防と治療に有用な補助薬であると認識されるようになっている。 [90] [91] [92] ベンゾジアゼピン単剤では、内因性の制吐活性は証明されていない;このため、制吐予防および治療におけるベンゾジアゼピンの役割は、他の制吐薬の補助ということになる。 [99] ベンゾジアゼピンはおそらく高位中枢神経系構造、脳幹、および脊髄に作用し、抗不安作用、鎮静作用、および前向性健忘作用をもたらす。さらに、ベンゾジアゼピンはドパミン作動性受容体拮抗性制吐薬に起因する錐体外路反応、特に静坐不能の重症度を顕著に緩和する。

ロラゼパム

ロラゼパムは経口、静脈内、および舌下投与できる。用量は、成人で0.5~3mg(代案として0.025~0.05mg/kg、または1.5mg/m2もある、ただし1回当たり4mgを超えないこと)の6~12時間間隔、小児では0.03~0.05mg/kgの6~12時間間隔である。 [100] [証拠レベル:I] [101] [102] ミダゾラムは、3~5分かけて0.04mg/kg静脈内投与するのと同じ投与量で、1~4.5時間の間、軽度から顕著な鎮静をもたらす。 [103] [104] アルプラゾラムはメトクロプラミドおよびメチルプレドニゾロンと併用投与する場合、有効であることが明らかにされている。 [105]

ロラゼパムの有害作用には、以下がある: [106]


  • 鎮静。

  • 知覚障害。

  • 排尿障害および/または排便困難。

  • 視覚障害。

  • 低血圧。

  • 前向性健忘。

  • 精神的依存。

  • 錯乱。

  • 運動失調。

  • 中毒による知力低下。

オランザピン

オランザピンは、D1、D2、D3、およびD4脳受容体におけるドパミン;5-HT2a、5-HT2c、5-HT3、および5-HT6受容体におけるセロトニン;α-1アドレナリン受容体におけるカテコールアミン;ムスカリン受容体におけるアセチルコリン;H1受容体におけるヒスタミンなど、複数の神経伝達物質を遮断するチエノベンゾジアゼピン薬物群の抗精神病薬である。 [107] 一般的な副作用には以下がある: [108] [109]


  • 鎮静。

  • 口渇。

  • 食欲増進。

  • 体重増加。

  • 起立性低血圧。

  • 目眩感。

オランザピンはまた、高脂血症、高血糖、新たに発症した糖尿病、およびまれな症例では糖尿病性ケトアシドーシスのリスク増加とも関連している。 [110] [111] 高齢患者ではオランザピンを慎重に使用する;認知症関連精神病の患者では死亡リスク増加および脳血管有害事象の発生率増加との関連が指摘されており、その作用に対する枠付き警告が記載されている。複数の受容体、特にN&Vに関与しているように思われるD2および5-HT3受容体におけるオランザピンの活性から、オランザピンがかなりの制吐作用を有する可能性があることが示唆されている。 [112] [証拠レベル:II]; [113] [114]

1件の第I相研究では、シクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン、および/またはイリノテカンで構成された化学療法の初回サイクルを投与されるがん患者における遅発性嘔吐の予防にオランザピンが使用された。 [115] 15人の患者がプロトコルを完了したが、グレード4の毒性は観察されなかった。最大耐容量は、化学療法前2日間は5mg/日で、化学療法後7日間は10mg/日であった。これらの第I相のデータによると、オランザピンはシクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン、および/またはイリノテカンを投与された化学療法未治療がん患者における遅発性嘔吐の予防に安全で有効な薬物であると思われた。

第I相試験のオランザピン最大耐容量を用いた第II相試験が、催吐性が高いまたは中等度の化学療法の初回コースを受けている患者におけるCINVの予防を目的として実施された。 [116] [証拠レベル:II]オランザピンが、化学療法前にグラニセトロンおよびデキサメタゾンに追加され、化学療法後にデキサメタゾンに追加された。催吐性の高い化学療法(シスプラチン70mg/m2以上)を受けた患者10人におけるCR(嘔吐を認めない、レスキュー不要)は、急性期(化学療法後24時間)で100%、遅発期(化学療法後2~5日目)で80%、および全期間(化学療法後0~120時間)で80%であった。また、催吐性が中等度の化学療法(ドキソルビシン50mg/m2以上)を受けた患者20人におけるCRは、急性期で100%、遅発期で85%、および全期間で85%であった。催吐性の高い化学療法を受けた患者の吐き気の制御は非常に良好で、急性期または遅発期に吐き気が認められた患者はなかった(MD Anderson Symptom Inventoryの0~10の症状尺度で0)。催吐性が中等度の化学療法を受けた患者における吐き気もまた十分に制御され、急性期では患者の85%、遅発期および全期間では患者の65%で吐き気が認められなかった。グレード3または4の毒性は見られなかった。これらのデータに基づいて、オランザピンは、これらの非常に小規模な予備研究で催吐性が高いまたは中等度の化学療法を受けている患者における急性および遅発性のCINVの制御に安全で(鎮静が唯一の用量制限性の毒性であった)有効であるように思われた。 [116] [証拠レベル:II]

その後の研究により、制吐薬としてのオランザピンの有効性が示されている。デキサメタゾン単回投与およびパロノセトロン単回投与と併用するオランザピンは、催吐性が中等度または高い化学療法を受けている患者における急性および遅発性のCINVの制御に非常に有効であった。 [117] 1件の大規模エンド研究 [118] [証拠レベル:I]により、催吐性が高いまたは中等度の化学療法を受けている患者において、アザセトロンおよびデキサメタゾンへのオランザピンの追加により、遅発性のCINVのCRが改善したことが実証された。

薬理活性を有するその他のもの

カンナビス

植物のカンナビスには、60種類を超えるカンナビノイド、つまり生理活性を有する物質が含まれている。そのうち最も有名で、おそらく最も精神賦活性の高いものは、δ-9-テトラヒドロカンナビノール(δ-9-THC)である。 [119] CINVに対してFDAで承認されたカンナビス製剤は、次の2種類である:


  • ドロナビノール(δ-9-THC化合物)、CINV予防薬として化学療法の1~3時間前、および化学療法後2~4時間ごとに1日当たり6回を超えない範囲で、5mg/m2を経口投与。

  • ナビロン、CINVに対して他の制吐薬で反応が得られなかった場合に、1~2mgを1日2回経口投与。

CINVに関して、カンナビス製剤は、CNSに存在するカンナビノイド-1(CB-1)およびCB-2の受容体を標的としていると推定される。 [120] 他の製剤、Sativexはδ-9-THCとカンナビジオールの併用で構成されており、口腔スプレーで投与される;Sativexは臨床研究段階にある。 [121] [122]

このクラスの薬剤に関する研究の多くが1970年代後半および1980年代に行われたもので、プロクロルペラジン(Compazine)およびメトクロプラミド(Reglan)など、ドパミン受容体を標的とした従来の制吐薬に対してナビロン、ドロナビノール、またはlevonantradolが比較された。 [123] [124] [125] [126] [127] この一連の研究で、カンナビノイドは中等度催吐性の化学療法に対する効果がドパミン作動性制吐薬と同程度であるか、プラセボより有効なことが実証された。 [119] 副作用には、多幸感、めまい、不快気分、幻覚、低血圧などがあった。 [119] 少なくとも1件の研究で効力が古くから報告されていたにもかかわらず、副作用のためにナビロンを積極的に好む患者はいなかった。 [123]

1990年代以降のN&Vを対象とした研究により、5-HT3およびNK-1の受容体といった、より新しい生理学的により重要な標的が明らかにされた。その後、5-HT3およびNK-1の受容体拮抗薬は、CINVに対する標準予防療法となっている。これらの新しい薬剤と併用した場合のカンナビス抽出物およびカンナビノイドの役割を検討した研究はほとんど行われていない;そのため、結論を出すには限界がある。公表された試験によると、カンナビス抽出物は、5-HT3受容体拮抗薬ほどの効力はないことが実証されているが、相乗効果または相加効果に関する研究は不十分である。 [128] [129]

要約すると、CINVの予防および治療に対する制吐薬として、現在の製品群におけるカンナビスおよびカンナビノイドの位置付けは不明である。この薬剤の患者に対する使用説明には、利用可能な薬剤の効果、カンナビスの既知の副作用、およびこの治療のリスク対ベネフィット評価を含めるとよい。 [130]

カンナビス使用を取り巻く問題の広範な考察については、カンナビスおよびカンナビノイドに関するPDQ要約を参照のこと。

ショウガ

576人のがん患者を対象にした第III相ランダム化用量決定試験では、5-HT3受容体拮抗薬による標準的な予防を行っているにもかかわらず、現在の化学療法レジメンによってある程度の吐き気(11段階の尺度で測定)を経験している患者において、急性の吐き気(化学療法後1日目の吐き気と定義)を予防するために1日2回投与するショウガ0.5g、1.0g、および1.5g vs プラセボが評価された。患者には各化学療法治療の3日前にショウガまたはプラセボのカプセルの投与が開始され、6日間継続された。平均的な吐き気については、0.5gのショウガがプラセボよりも有意に優れていた;「最悪の吐き気」に対しては0.5gおよび1.0gの両方が、プラセボよりも有意に優れていた。遅発性のN&Vに対する効果は有意ではなかった。この試験では、化学療法レジメンの催吐性に対して対照を設けていなかった。有害事象の頻度は低く、重度ではなかった。 [131]

最新の臨床試験

現在、参加者を受け入れている吐き気と嘔吐療法についての支持療法と緩和ケアの試験は、NCIのがん臨床試験リストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


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吐き気と嘔吐の非薬理学的管理

薬物療法以外の戦略も、吐き気と嘔吐(N&V)を管理するために用いられている。これには以下がある:


段階的な筋弛緩法として誘導イメージ法、催眠、および系統的脱感作は、予測性のN&V(ANV)に対して最も頻繁に研究されており、この古典的条件付けによる反応に対して推奨される治療法である。(詳しい情報については、本要約のANVの治療のセクションを参照のこと。)

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放射線療法

相関関係

消化管または脳への放射線療法を受ける患者では、副作用として吐き気と嘔吐(N&V)が現れる可能性が最も高い。消化管の細胞は速やかに分裂していることから、放射線療法に対する感受性がきわめて高い。脳への放射線照射は、脳の嘔吐中枢または化学受容体トリガー層を刺激すると考えられている。化学療法と同じく、放射線線量という因子もN&Vの発症の可能性を決定するのに何らかの役割を担っている。一般に、1日の分割線量が高線量であればあるほど、また照射される組織の量が多くなればなるほど、N&Vを発症する可能性が高くなる。さらに、照射される消化管(特に小腸および胃を含む部位)の量が多ければ多いほど、N&Vを発症する可能性が高くなる。例えば、骨髄移植の前に実施する全身照射は、急性副作用としてN&Vを誘発する可能性が高い。

有病率

放射線由来のN&Vは急性かつ自己限定性であり、通常は治療後30分から数時間以内に起こる。放射線照射を受けていない日に症状の改善をみたと患者は報告している。このほか、消化管への放射線療法を受けている患者に起こりうる蓄積作用もある。 [1]

治療

全身照射に対して5-HT3受容体拮抗薬を用いた場合の完全制御率は、50~90%と幅がある。 [2] [3] [4] 5-HT3受容体拮抗薬と併用するコルチコステロイドの役割は、まだ研究されていない。


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本要約の変更点(01/04/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約には編集上の変更がなされた。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、吐き気と嘔吐(N&V)の病態生理および治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

吐き気と嘔吐に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    National Cancer Institute: PDQ® Nausea and Vomiting.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Date last modified <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/nausea/nausea-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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