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陰茎がん: 治療

陰茎がんについての一般的な情報

陰茎がんは、陰茎組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

陰茎は棒状の男性生殖器官で、その内部を通って精子尿が体外へ排出されます。陰茎内には次の2種類の勃起組織血管が通ったスポンジ状の組織で、この血管の中に血液が充満すると勃起が起こる)が存在しています:


陰茎組織は結合組織に包まれ、さらにその上を皮膚が覆っています。亀頭(陰茎の頭部)は包皮と呼ばれる皮膚で覆われています。

ヒトパピローマウイルスに感染した人では陰茎がんの発生リスクが高くなります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防には割礼が有用となります。割礼とは、包皮の一部または全部を陰茎から切り取る手術(包皮切除術)のことです。米国では多くの男児が出生直後に割礼を受けています。出生時に割礼を受けなかった男性では、陰茎がんの発生リスクが高くなる場合があります。

陰茎がんの危険因子としては、この他にも以下のようなものがあります:


陰茎がんの徴候として考えられるものに、ただれ、膿、出血があります。

陰茎がんでは、こうした症状が引き起こされることがあります。ただし別の病態が原因で同様の症状が生じてくる場合もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:


陰茎がんの発見と診断には、陰茎を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


特定の因子によって予後(回復の見込み)や治療法の選択肢が変わってきます。

予後(回復の見込み)や治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:



陰茎がんの病期

陰茎がんの診断がついた後には、がん細胞の陰茎内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん陰茎内での拡がりや他の部分への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この病期分類の過程で集められた情報を基に病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要になります。病期分類の過程では以下のような検査法や手技が用いられます:


陰茎がんでは、以下の病期分類が用いられます:
0期

0期では、陰茎の皮膚の表面上のみに異常細胞が認められます。0期は上皮内がんとも呼ばれます。

I期

I期では、がんが発生し陰茎の皮膚のすぐ下にある結合組織まで拡がっています。

II期

II期では、がんが以下の領域に拡がっています:


III期

III期では、がんが以下の領域に拡がっています:


IV期

IV期では、がんが以下の領域に拡がっています:



再発陰茎がん

再発陰茎がんとは、治療後に再び悪化(再発)したがんのことをいいます。再発は、陰茎内に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。


治療選択肢の概要

陰茎がんの患者さんには様々な治療法があります。

陰茎がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験で検証中のものもあります。治療を開始する前に、まず臨床試験への参加を検討してみるのもよいでしょう。治療法の臨床試験とは、現在用いられている治療法の改善や、がんの新しい治療法に関する情報収集を目的とした調査研究のことです。新しい治療法が標準治療よりも優れているということが複数の臨床試験から示されると、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。がん治療の選択では、患者さんとご家族に医療チームが加わって最適な治療法を決定していくのが理想的な形となります。

標準治療として以下の3種類が用いられています:
手術

手術は全ての病期の陰茎がんで最も多く用いられている治療法です。このがんを取り除く手術法には、以下のようなものがあります:


手術中に鼠径部リンパ節も併せて切除しておく場合もあります。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、術後に化学療法放射線療法を実施する場合があります。治癒の可能性を高めるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞を死滅させる、がんの治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に置いた機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に放射性物質を封入し、がんの内部または近くに直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによりがんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。外用薬として皮膚に塗る化学療法(外用の化学療法)や、脊柱内、臓器内、もしくは腔などの体腔内に薬を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

外用の化学療法が0期の陰茎がんの治療で用いられています。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。具体的には以下のようなものがあります:
生物学的療法

生物学的療法は、がんを撃退するために患者さんの免疫系を利用する治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は、生物療法や免疫療法とも呼ばれます。外用薬による生物学的療法が0期の陰茎がんの治療に用いられています。

放射線増感剤

放射線増感剤とは、放射線療法に対する腫瘍細胞の反応性を高める薬のことです。放射線療法に放射線増感剤を併用すれば、より多くの腫瘍細胞を殺傷することが可能になります。

本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


病期ごとの治療選択肢


0期の陰茎がん(上皮内がん)

0期の治療法は以下のいずれかになります:



I期の陰茎がん

がん包皮内にとどまっている場合は、治療は広範囲局所切除術と包皮切除術(割礼)のみで十分となります。

I期の陰茎がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


II期の陰茎がん

II期の陰茎がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


III期の陰茎がん

III期の陰茎がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


IV期の陰茎がん

IV期の陰茎がんの治療は緩和療法症状の緩和と生活の質の改善を目的とした治療)となるのが通常です。具体的な治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


再発陰茎がんの治療選択肢

再発陰茎がんの治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27