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慢性骨髄増殖性疾患群: 治療

慢性骨髄増殖性疾患群に関する一般的な情報

骨髄増殖性疾患群とは、赤血球、白血球、血小板が骨髄内で過剰につくられるという疾病群です。

通常、骨髄幹細胞(未熟な血液細胞)をつくり、幹細胞は後に成熟血液細胞へと発達します。成熟した血液細胞には、以下の3つの種類があります:


骨髄増殖性疾患群は骨髄内から始まり、1種類以上の血液細胞に成長する幹細胞の数が、正常よりも大きくなります。これらの疾患群は、通常、過剰な血液細胞の数が緩やかに増加するにつれて、ゆっくりと悪化します。

慢性骨髄増殖性疾患群には6つの種類があります。

骨髄増殖性疾患群の種類は、赤血球、白血球、血小板のうち、どの血液細胞が過剰につくられているかに基づいて決定されます。身体は2種類以上の血液細胞を過剰につくることもありますが、通常は他の2種類以上の血液細胞よりも1種類の血液細胞が影響されます。慢性骨髄増殖性疾患群には、以下の6つの種類があります:


これらの種類の慢性骨髄増殖性疾患群については、後で説明します。慢性骨髄増殖性疾患群は、異常白血球が過剰につくられる急性白血病になる場合があります。

慢性骨髄増殖性疾患群を発見、診断するために血液と骨髄を調べる検査が行われます。

以下の検査と手法が用いられます:



慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病は、骨髄内で白血球が過剰につくられる疾患です。診断病期分類、治療法に関する情報については、慢性骨髄性白血病の治療に関するPDQ(Physician Data Query:医師データ照会)要約をご覧ください。


真性赤血球増加症

真性赤血球増加症とは、骨髄内で赤血球が過剰につくられる疾患です。

真性赤血球増加症では、血液は過剰な赤血球で濃縮されています。また、白血球数や血小板数も増加する場合があります。これらの過剰な血液細胞脾臓に集積され、脾腫の原因となります。血液中の赤血球数または血小板数の増加によって出血に関連する問題が発生し、血管中に血栓が生じる可能性があります。これにより、脳卒中や心臓発作など、重篤な健康上の問題が起こることがあります。65歳以上の患者さんでは、脳卒中と心臓発作が起こるリスクが比較的高く、真性赤血球増加症は急性骨髄性白血病慢性特発性骨髄線維症になりやすくなります。

真性赤血球増加症の考えられる徴候として、頭痛や左側肋骨より下の膨満感が挙げられます。

真性赤血球増加症では、しばしば初期症状が生じないことがあります。時に、定期血液検査の際に発見されることもあります。血液細胞の増加に伴い、症状が現れることがあります。その他の状態でも、同様の症状を引き起こす場合があります。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:


真性赤血球増加症の診断には、特殊な血液検査が行われます。

全血球算定検査に加えて、真性赤血球増加症の診断には、その他の特殊な血液検査が行われます。これには以下の検査が含まれます:



慢性特発性骨髄線維症

慢性特発性骨髄線維症は、異常な血液細胞や線維が骨髄内部に蓄積する疾患です。

骨髄は、血液細胞赤血球白血球血小板)をつくる組織と造血組織を支える網の目状の線維から成っています。慢性特発性骨髄線維症では、多数の骨髄幹細胞が適切に成熟しない血液細胞(芽球)に成長します。骨髄内部の網の目状の線維は肥厚(瘢痕組織のようになる)し、造血組織の血液細胞をつくる力を弱め造血速度を低下させます。また、造血組織の血液細胞形成が減少する原因となります。骨髄内で形成される血液細胞数の減少を補うために、血液細胞は肝臓および脾臓によって形成され始めます。

慢性特発性骨髄線維症の考えられる徴候として、左側肋骨より下の痛みやひどい疲労感があります。

慢性特発性骨髄線維症では、しばしば初期症状が生じないことがあります。時に、定期血液検査の際に発見されることもあります。慢性特発性骨髄線維症、または他の状態によって以下の症状を引き起こします。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:


慢性特発性骨髄線維症の診断には、特殊な血液検査が行われます。

全血球算定検査、骨髄穿刺生検細胞遺伝学的分析に加えて、慢性特発性骨髄線維症の診断には、末梢血塗抹が行われます。末梢血塗抹とは、涙滴赤血球、白血球数と種類、血小板数、芽球細胞の有無を確認するために血液サンプルを調べる手法です。

ある特定要因は、慢性特発性骨髄線維症の予後(回復の見込み)と治療法の選択に影響します。

予後(回復の見込み)は以下の条件によって決まります:



本態性血小板血症

本態性血小板血症とは、骨髄内で血小板が過剰につくられる疾患です。

本態性血小板血症では、血液および骨髄内でつくられる血小板の数が異常に増加します。

本態性血小板血症の患者さんは、症状がみられない場合があります。

本態性血小板血症では、しばしば初期症状が生じないことがあります。時に、定期血液検査の際に発見されることもあります。本態性血小板血症または他の状態によって、以下の症状を引き起こします。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:


血小板には粘度があります。過剰な血小板が存在する場合、血小板は凝集し、血液の循環を困難にする場合があります。血管内に血栓が形成される可能性があり、出血の増加も考えられます。また、脳卒中や心臓発作など、重篤な健康上の問題を引き起こす可能性があります。

ある特定要因は、本態性血小板血症の予後(回復の見込み)と治療法の選択に影響します。

予後(回復の見込み)と治療法の選択は以下の条件によって決まります:



慢性好中球性白血病

慢性好中球性白血病とは、過剰な幹細胞好中球と呼ばれる種類の白血球に成長する疾患です。好中球とは、死細胞や細菌のような異物を包囲し破壊する、感染症と闘う血液細胞です。脾臓および肝臓は、過剰な好中球が原因で腫大する場合があります。慢性好中球性白血病は、現在の症状のままか、もしくは急性白血病へと急速に進行する場合があります。


慢性好酸球性白血病

慢性好酸球性白血病とは、白血球(好酸球)が骨髄内で過剰につくられる疾患です。

好酸球は、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)に反応して、ある種の寄生虫による感染と闘う白血球です。慢性好酸球性白血病では、血液骨髄、および他の組織内に過剰な好酸球が認められます。慢性好酸球性白血病は、長年にわたり同じ症状のままか、もしくは急性白血病へと急速に進行する場合があります。

慢性好酸球性白血病の考えられる徴候として、発熱やひどい疲労感が挙げられます。

慢性好酸球性白血病では、しばしば初期症状が生じないことがあります。時に、定期血液検査の際に発見されることもあります。慢性好酸球性白血病または他の状態によって、以下の症状を引き起こします。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:



慢性骨髄増殖性疾患群の病期

病期分類は、どの程度がんが拡がっているか調査するために用いられる方法です。慢性骨髄増殖性疾患群には、標準的な病期分類システムはありません。治療は、患者さんの骨髄増殖性疾患の種類に基づきます。治療計画を立てるには、疾患の種類を知ることが重要です。


治療選択肢の概要

慢性骨髄増殖性疾患群の患者さんには、様々な種類の治療法があります。

慢性骨髄増殖性疾患群の患者さんは、様々な種類の治療を受けられます。治療には、標準治療(現在用いられている治療法)と臨床試験中のものがあります。治療を開始する前に、患者さんは臨床試験の参加を検討することができます。治療法の臨床試験とは、現在の治療法の改良や、新しい治療法に関する情報収集を意図した調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。最適ながん治療の選択は、患者さん、ご家族そして医療チームが関わって行うことが理想です。

以下の10種類の標準治療が用いられます:
注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、症状の出現や変化がみられるまで治療を一切行わずに、患者さんの状態を注意深く観察することです。

瀉血

瀉血とは、血液を静脈から採取する手法です。全血球算定検査(CBC)または血液化学検査などのために、血液サンプルを採取します。瀉血は治療法として用いられることもあり、過剰な赤血球を除去する目的で、患者さんから血液を採取します。このように、瀉血は慢性骨髄増殖性疾患群の治療の1つとして用いられています。

血小板アフェレーシス

血小板アフェレーシスは、特殊な装置を使用して血液から血小板を除去する治療法です。患者さんから血液を採取し、血小板を除去する血液細胞分離装置に通します。その後、残りの血液を患者さんの血流に戻します。

輸液療法

輸液療法輸血)は、疾患またはがん治療によって破壊された血液細胞を入れ換えるために、赤血球、白血球、血小板を投与する方法です。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞の分裂を停止させることにより、がん細胞の増殖を止めるがん治療法です。化学療法が経口、静脈もしくは筋肉への注射によって行われる場合、薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱臓器腹部などの体腔に直接薬を注入する化学療法では、薬は主にこれらの領域のがん細胞に作用します(局所化学療法)。化学療法の処方は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すがん治療です。放射線療法には、2種類あります。外照射療法は、体外から機械を用いて、がんに対して放射線を照射する治療法です。内照射療法は、放射性物質を用いて、密封した針、シード、ワイヤー、カテーテルをがん内部、またはがん付近に直接留置する治療法です。放射線療法の方法は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

骨髄増殖性疾患群を治療するための放射線療法は、通常脾臓に対して行われます。

その他の薬物療法

アナグレリド療法は、血液中の血小板が過剰な患者さんの血栓形成のリスクを軽減するために用いられます。

手術

脾臓が腫大している場合は、脾摘出術(脾臓を除去する手術)を行うことがあります。

生物学的治療

生物学的治療は、患者さん自身の免疫系を利用してがんと闘う治療法です。体内あるいは製造ラボでつくられる物質を用いて、がんに対する体本来の防御力を増強、方向付け、あるいは修復します。この種のがん治療は、生物療法あるいは免疫療法とも呼ばれます。インターフェロンαは、慢性骨髄増殖性疾患群の治療によく用いられる生物製剤です。

幹細胞移植を併用した大量化学療法

幹細胞移植を併用した大量化学療法とは、高用量の化学療法を行い、がん治療によって破壊された造血細胞を交換する治療法です。幹細胞(未熟血液細胞)を、患者さんまたはドナーの血液や骨髄から採取し、冷凍保存します。化学療法が終了した後、保存していた幹細胞を解凍し、患者さんの体内に注入し戻します。これらの再注入された幹細胞は、血液細胞に成長し体内を巡ります。

新しい種類の治療法は臨床試験で検証中です。

現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


慢性骨髄増殖性疾患群の治療法の選択肢


慢性骨髄性白血病

詳しい情報については、PDQ慢性骨髄性白血病の治療に関する要約をご覧ください。


真性赤血球増加症

真性赤血球増加症の治療目的は、過剰な血液細胞の数を減少させることにあります。真性赤血球増加症の治療法には、以下のようなものがあります:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


慢性特発性骨髄線維症

症状のない慢性特発性骨髄線維症の患者さんの治療は通常、注意深い経過観察です。

症状が認められる患者さんに対する慢性特発性骨髄線維症の治療としては、以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


本態性血小板血症

症状がなく、かつ血小板数が許容範囲内にある60歳未満の患者さんの本態性血小板血症の治療は通常、注意深い経過観察です。その他の患者さんの治療法には、以下の治療法が行われます:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


慢性好中球性白血病

慢性好中球性白血病の治療法には、以下の治療法が含まれます:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


慢性好酸球性白血病

慢性好酸球性白血病の治療法には、以下の治療法が含まれます:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27