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膀胱がんおよびその他の尿路上皮がんのスクリーニング: 検診

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。その実施が、がんの早発見に役立つ場合もあります。異常組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合もあります。症状が現れる頃には、がんが拡がり始めている可能性があります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、こうした疑問をより深く解明しようとする努力が科学者たちによって続けられています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんが疑われているわけではないということは、忘れてはなりません。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

膀胱がんおよびその他の尿路上皮がんの診断と治療に関する情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:



膀胱がんおよびその他の尿路上皮がんについての一般的な情報

膀胱がんとその他の尿路上皮がんは、尿路上皮の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

膀胱は、腹部の下方に位置する中空の臓器です。形状は小さな風船に似ていて、また、筋肉でできた壁によって大きさを変えられるようになっています。膀胱は排尿時まで尿を溜めておくための臓器です。尿とは、腎臓血液が清浄化される際にできる液体の排泄物です。尿は2つの腎臓から尿管と呼ばれる2本の管を通って膀胱へと送られます。排尿時に膀胱が空になっていくと、膀胱を出た尿は尿道と呼ばれる別の管を通って体外へと排出されます。

尿路上皮とは、尿道、膀胱、尿管、前立腺、および腎盂の内側を覆う組織の層のことです。 膀胱の尿路上皮に発生するがんは、尿道、尿管、前立腺、腎盂などの尿路上皮から発生するがんよりも、はるかに高い頻度でみられます。このように尿路上皮がんの中でも最も多く発生しているという理由から、本要約では膀胱がんを中心的に扱っています。

膀胱の尿路上皮細胞から発生するがんには、3種類のものがあります。これらのがんには、以下のように悪性化(がん化)した細胞の種類に応じた名前がつけられています:


新たに診断される膀胱がんの大部分は60歳以上の人々に発生しています。

米国では、膀胱がんの発生数は女性よりも男性に多く、また黒人よりも白人に多くなっています。1950年以来、膀胱がんと診断される人の数は増加を続けていますが、一方でこのがんにより死亡する人の数は減り続けています。

喫煙、性別、食習慣が膀胱がんの発生リスクに影響を及ぼします。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。膀胱がんの危険因子には以下のようなものがあります:



膀胱がんおよびその他の尿路上皮がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査の中には、がんの早期発見に役立ち、同時にがんによる死亡の可能性を低減できることが明らかとなっているために、実施されているものがあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査もありますが、こうした検査にがんの死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては臨床試験での証明は得られていません。

最小のリスクで最大の効果が得られる検査法を開発するために、現在もスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんの死亡リスクが低減されるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部の種類のがんでは、早のうちに発見し治療すれば、回復の見込みが高まる場合があります。

膀胱がんのスクリーニング検査には標準とされるものはありません。

膀胱がんの治療に関するものを含む、現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。

過去に膀胱がんにかかったことのある患者さんにおける膀胱がんのスクリーニングに用いられる検査には、以下の2つがあります:
膀胱鏡検査

膀胱鏡検査とは、膀胱尿道の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法です。膀胱鏡(ライトの付いた細い管)を尿道から膀胱へと挿入します。生検用に組織サンプルを採取することもあります。

尿細胞検査

尿細胞検査とは、尿を顕微鏡で観察して異常な細胞が存在していないかを確かめる検査です。

膀胱がんのスクリーニングでは、この他に血尿検査が行われる場合もあります。

血尿(尿の中に赤血球が混じること)は、がんが原因で起こることもあれば、その他の状態が原因のこともあります。血尿検査では、顕微鏡で観察する方法や専用の試験紙を用いる方法によって、尿のサンプル中に血液が混入していないかを調べます。この検査は時間をかけて何度も繰り返し行われることがあります。


膀胱がんおよびその他の尿路上皮がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要になります。

偽陽性の検査結果が出る場合もあります。

スクリーニング検査の結果は、がんが存在していなくても異常となることがあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後も検査(膀胱鏡検査やその他の侵襲的手技検査など)が引き続き実施されるのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。特に血尿検査では偽陽性の結果が出やすくなっています(尿はがん以外の病態が原因で起こるのが通常です)。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

スクリーニング検査の結果は、たとえ実際に膀胱がんが存在していても、正常となることがあります。偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた人では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

ご自身に関する膀胱がんのリスクやスクリーニング検査の必要性については、担当の医師にご相談ください。


2007-06-27