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膣がん: 治療

膣がんについての一般的な情報

膣がんは、膣内に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

は、子宮頸部子宮の開口部)から体外へと続く管状の臓器です。出産時には、この膣を通って新生児が体外へ出て行きます(そのため産道とも呼ばれます)。

がんはあまり多くはみられない病気です。早のうちに発見できれば、多くの場合治癒も望めます。膣がんでは次の2種類が代表的です:


女性の膣がんの発生リスクに影響を及ぼしうる因子に、年齢と胎児期のDES(ジエチルスチルベストロール)という薬物への暴露があります。

膣がんの危険因子には以下のようなものがあります:


膣がんの徴候として考えられるものに、異常膣出血があります。

膣がんでは初期症状がみられないことが多く、定期的に行われるパパニコロウ試験で発見されることがあります。また症状が現れても、膣がんによるものの場合もあれば、別の病態が原因となっている場合もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:


膣がんの発見と診断には、膣を含む骨盤内の臓器を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


特定の因子によって予後(回復の見込み)や治療法の選択肢が変わってきます。

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:



膣がんの病期

膣がんの診断がついた後には、がん細胞の膣内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん内での拡がりや他の部分への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この病期分類の過程で集められた情報を基に病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要になります。病期分類の過程では以下のような検査法が用いられます:


膣がんでは、以下の病期分類が用いられます:
0期(上皮内がん)

0期では、扁平上皮がん内部の表面組織のみに認められます。0期のがん上皮内がんとも呼ばれます。

I期

I期では、がん内のみに認められます。

II期

II期では、がん壁を越えて膣の周辺組織まで拡がっています。

III期

III期では、がん壁を越えて拡がり、骨盤内または鼠径部リンパ節、もしくは骨盤、あるいはその両方に達しています。

IV期

IV期はIVA期とIVB期に分けられます。



再発膣がん

再発膣がんとは、治療後に再び悪化(再発)したがんのことをいいます。再発は、内に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。


治療選択肢の概要

膣がんの患者さんには様々な治療法があります。

がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中の治療法もあります。治療を開始する前に、まず臨床試験への参加を検討してみるのもよいでしょう。治療法の臨床試験とは、現在用いられている治療法の改善や、がんの新しい治療法に関する情報収集を目的とした調査研究のことです。新しい治療法が標準治療よりも優れているということが複数の臨床試験から示されると、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。がん治療の選択では、患者さんとご家族に医療チームが加わって最適な治療法を決定していくのが理想的な形となります。

標準治療として以下の3種類が用いられています:
手術

手術は膣がんで最も多く用いられている治療法です。以下のような手術法が用いられます:


手術後には、膣を修復または再建するために皮膚移植を行うことがあります。皮膚移植とは、体のある部位から他の部位へ皮膚を移し変える手術法のことです。体の普段隠れている部分(お尻や太ももなど)の皮膚が切り取られ、手術が行われた部分の修復または再建に用いられます。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、術後に放射線療法を実施する場合があります。治癒の可能性を高めるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞を死滅させる、がんの治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に置いた機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に放射性物質を封入し、がんの内部または近くに直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによりがんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱内や臓器内、もしくは腹腔などの体腔内に薬を直接注入する化学療法では、薬はその領域のがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療中のがんの種類と病期によって異なってきます。

膣の扁平上皮がんに対する外用の化学療法は、クリームやローションを膣に塗る形式で行われます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。具体的には以下のようなものがあります:
放射線増感剤

放射線増感剤とは、放射線療法に対する腫瘍細胞の反応性を高める薬のことです。放射線療法に放射線増感剤を併用すれば、より多くの腫瘍細胞を殺傷することが可能になります。

本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


病期ごとの治療選択肢


0期の膣がん(上皮内がん)

膣の扁平上皮細胞上皮内がんの治療法には以下のようなものがあります:



I期の膣がん

I期の扁平上皮がんの治療法には以下のようなものがあります:


I期の腺がんの治療法には以下のようなものがあります:



II期の膣がん

II期のがんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。具体的な治療法には以下のようなものがあります:



III期の膣がん

III期のがんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。具体的な治療法としては、手術を伴うまたは伴わない、内照射療法外照射療法の併用があります。


IVA期の膣がん

IVA期のがんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。具体的な治療法としては、手術を伴うまたは伴わない、内照射療法外照射療法の併用があります。


IVB期の膣がん

IVB期のがんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。具体的な治療法には以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


再発膣がんの治療選択肢

再発がんの治療法には、以下のようなものがあります:


現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27