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肛門がん: 治療

肛門がんについての一般的な情報

肛門がんは悪性(がん)細胞が肛門の組織にできる疾患です。

肛門大腸の末端で、直腸の先にあり、便(固形老廃物)が体外に排出される際に通過するところです。肛門の一部は身体の外側の皮膚層から、一部は腸からできています。2つの輪のような形をした括約筋という筋肉が肛門開口部を開閉して便を体外に排出します。肛門管は直腸と肛門開口部の間の部分で、長さは約3.81cm(約1.5インチ)です。

消化器系の解剖図:食道、肝臓、胃、結腸、小腸、直腸、肛門を示す。図を拡大する
下部消化器系の解剖図:結腸と他の臓器を示す。

肛門の外側の周囲の皮膚を肛門周囲領域といいます。この部分にできる腫瘍は皮膚腫瘍であり、肛門がんではありません。

ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)の感染は、肛門がんの発生リスクに影響を与える可能性があります。

危険因子には以下のものがあります:


肛門がんが考えられる徴候には肛門や直腸からの出血や肛門周囲のしこりがあります。

こうした症状は、肛門がんが原因となっている可能性があります。他の病気でも同じような症状が現れることがあります。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:


肛門がんの検出(発見)と診断のために直腸と肛門を検査します。

以下の検査や方法が用いられます:


特定の因子が、予後(回復の見込み)や治療の選択に影響を与えます。

予後(回復の見込み)は以下の条件によって異なります:


治療法は以下の条件によって異なります:



肛門がんの病期

肛門がんと診断された後、がん細胞が肛門内にとどまっているか、身体の他の部分に拡がっているかを調べる検査を行います。

がん肛門内にとどまっているか、それとも身体の他の部分に拡がっているかを調べるプロセスを病期分類と呼びます。病期分類の過程で集めた情報をもとに疾患の病期を判定します。治療を計画する上で病期を知ることは重要なことです。病期分類のために以下の検査を行うことがあります:


肛門がんの病期は以下の通りです:
0期(上皮内がん)

0期がん肛門の最も内側の内壁でのみ発見されます。0期のがんは上皮内がんとも呼ばれます。



腫瘍の大きさを身近なものと比較:エンドウマメ、ピーナッツ、クルミ、ライムと比較した腫瘍の大きさを示す。
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エンドウマメ、ピーナッツ、クルミ、ライムの絵は、それぞれ腫瘍の大きさを表しています。

I期

I期腫瘍は2cm以内です。

II期

II期腫瘍は2cmより大きくなります。

IIIA期

IIIA期には、腫瘍の大きさにかかわらず次のいずれかに拡がっています:


IIIB期

IIIB期には、腫瘍の大きさにかかわらず次のいずれかに拡がっています:


IV期

IV期では、腫瘍の大きさにかかわらず、がんリンパ節や隣接臓器に拡がっている可能性があり、遠隔臓器に転移しています。


再発肛門がん

再発肛門がんは、治療後に再発(再び発生)したがんです。がんは肛門に再び発生することもあれば、身体の他の部分に発生することもあります。


治療選択肢の概要

肛門がんの患者さんには、様々な種類の治療法があります。

肛門がんの患者さんは、様々な種類の治療を受けられます。治療には、標準治療(現在用いられている治療法)と臨床試験中のものがあります。治療を開始する前に、患者さんは臨床試験の参加を検討することができます。治療法の臨床試験とは、がん患者さんのために、現在の治療法を改良することや、新しい治療法に関する情報を収集することを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で、現在の標準治療より新しい治療法のほうが優れていることが明らかになった場合、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。最適ながん治療の選択は、患者さん、ご家族そして医療チームが関わって行うことが理想です。

標準治療は3種類あります:
放射線療法

放射線療法は高エネルギーのX線または他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺す治療法です。放射線療法には、2種類あります。外照射療法は、体外にある機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は針、シード、ワイヤーあるいはカテーテルの中に密封した放射性物質を直接がんの内部またはその近くに留置する方法です。放射線療法の方法は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

化学療法

化学療法薬物を用いてがん細胞を殺すか、またはがん細胞の分裂を止めることにより、がん細胞の増殖を止めるがん治療法です。化学療法が経口、静脈または筋肉への注射によって行われる場合、薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。化学療法薬が脊柱臓器あるいは腹部などの体腔に直接投与されると、薬は主にそれらの領域にあるがん細胞に作用します(局所化学療法)。化学療法の処方は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

手術

ヒト免疫不全ウイルスの感染は、肛門がんの治療に影響を与える可能性があります。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者さんでは、既に弱っている免疫系ががん治療によって、さらに損傷を受ける可能性があります。このため、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した肛門がんの患者さんへの治療は通常、HIVに感染していない患者さんよりも少ない用量の抗がん剤や放射線で行います。

その他にも、現在臨床試験で検証中の治療法があります。それらは以下のものです:
放射線増感剤

放射線増感剤は腫瘍細胞の放射線療法に対する感受性を高める薬です。放射線療法で放射線増感剤を用いると、より多くの腫瘍細胞を死滅させることができます。

本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。 現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


病期別の治療法の選択肢


0期肛門がん(上皮内がん[CIS])

0期肛門がんの治療法は通常局所切除です。


I期肛門がん

I期肛門がんの治療法には以下のものがあります:


括約筋を温存する治療を受けた患者さんは、治療後2年間は経過観察検査として3カ月ごとに直腸診と、必要に応じて直腸内視鏡検査生検を受けます。


II期肛門がん

II期肛門がんの治療法には以下のものがあります:


括約筋を温存する治療を受けた患者さんは、治療後2年間は経過観察期間として3カ月ごとに直腸診と、必要に応じて直腸内視鏡検査生検を受けます。

現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


IIIA期肛門がん

IIIA期肛門がんの治療法には以下のものがあります:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


IIIB期肛門がん

IIIB期肛門がんの治療法には以下のものがあります:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


IV期肛門がん

IV期肛門がんの治療法には以下のものがあります:


現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


再発肛門がんのための治療法の選択肢

再発肛門がんの治療法には以下のものがあります:


本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法全てを掲載しているわけではありません。現在行われている臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27