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皮膚がんのスクリーニング: 検診

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。その実施が、がんの早発見に役立つ場合もあります。異常組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合もあります。症状が現れる頃には、がんが拡がり始めている可能性があります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、こうした疑問をより深く解明しようとする努力が科学者たちによって続けられています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんが疑われているわけではないということは、忘れてはなりません。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

皮膚がんの予防、診断、治療に関する情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:



皮膚がんについての一般的な情報

皮膚がんは、皮膚の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

皮膚は体の中で最も大きな臓器です。その機能のひとつは、熱や日光、怪我、感染などといったものから体を保護することです。皮膚はまた体温の調節にも関わっていて、さらに水分や脂肪、ビタミンDなどの保持という役割も果たしています。 皮膚はいくつかの層から構成されていますが、大きく分けると表皮(外側の層)と真皮(内側の層)の2つの層があります。皮膚がんはこのうちの表皮から発生するものですが、この表皮は以下の3種類の細胞で構成されています:


皮膚がんは、米国では最も多くみられるがんです。

皮膚がんで最も多くみられるのは、基底細胞がん扁平上皮がん(有棘細胞がんとも呼ばれる)、黒色腫の3種類です。このうち基底細胞がんが最も多く、黒色腫が最も少なくなっています。

基底細胞がんと扁平上皮がんでは大抵の場合治癒が可能ですが、これらのがんにかかったことのある人では他の種類の皮膚がんについても発生リスクが高くなります。一方の黒色腫は米国での皮膚がんによる死亡者数の約4分の3を占める重大ながんであり、よってスクリーニングに関する本要約では、黒色腫に関する情報を中心的に紹介していきます。

黒色腫の発生リスクに影響を及ぼす要因に、皮膚の色と日光への暴露があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。黒色腫の危険因子には以下のようなものがあります:


皮膚がんに対する最善の予防法は、日光と人工の紫外線への対策を講じることです。(さらに詳しい情報については、PDQ皮膚がんの予防に関する要約をご覧ください。)


皮膚がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査の中には、がんの早期発見に役立ち、同時にがんによる死亡の可能性を低減できることが明らかとなっているために、実施されているものがあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査もありますが、こうした検査にがんの死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては臨床試験での証明は得られていません。

最小のリスクで最大の効果が得られる検査法を開発するために、現在もスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんの死亡リスクが低減されるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部の種類のがんでは、早のうちに発見し治療すれば、回復の見込みが高まる場合があります。

がんのスクリーニング方法を研究するための臨床試験が米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手できます。

黒色腫のスクリーニング方法としては、皮膚の診察が広く用いられています。

自身による皮膚のチェックと医師による皮膚の診察の両方を定期的に行っていくことにより、黒色腫の早期発見の可能性が高まります。皮膚に発生する黒色腫の大半は肉眼でも確認できます。通常この腫瘍は、皮膚の最外層のすぐ下だけで増殖する期間が長く、その間は内側の皮膚層に拡がっていくことはありません。このように緩やかに増殖する期間が存在するため、皮膚がんの早期発見が可能になります。そして内側の層に拡がる前に発見されれば、その皮膚がんは治癒させることも可能になります。月1回の頻度で皮膚の自己チェックを行っておけば、医師に報告すべき皮膚の変化を見逃さずに済むでしょう。また皮膚がんにかかったことのある人の場合は、医師による皮膚の診察を定期的に受けることが重要になります。

皮膚の一部の領域に異常が認められると、通常、生検が実施されます。ここでは、できるだけ多くの組織局所切開という方法で採取されます。その後病理医が顕微鏡でその組織を観察し、がん細胞の有無を調べます。皮膚組織の異常増殖では、良性(がんではない)か悪性(がん)かの判定が困難となる場合があるため、採取された生検サンプルを別の病理医に診てもらうのもよいでしょう。

この他にも、現在臨床試験で検証中のスクリーニング検査があります。

スクリーニングの臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手できます。


皮膚がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要になります。

黒色腫のスクリーニング検査のリスクとしては、以下のものが挙げられます:
黒色腫が発見されても健康状態の改善や余命の延長につながらない場合もあります。

黒色腫が存在していても、既に進行している場合や別の部位に転移している場合には、その時点でスクリーニングを受けたとしても健康状態の改善や余命の延長はあまり望めないでしょう。

がんの中には何の症状ももたらさず命を脅かす心配がないものもありますが、スクリーニング検査で見つかれば、そのようながんにも治療が行われることがあります。このようながん治療に無治療の場合と比べて延命効果があるのかどうかは不明な上、その治療によって逆に重篤な副作用がもたらされる可能性もあります。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

スクリーニング検査の結果は、たとえ実際に黒色腫が存在していても、正常となることがあります。偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた人では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る場合もあります。

スクリーニング検査の結果は、がんが存在していなくても異常となることがあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後も検査(生検など)が引き続き実施されていくのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。

生検によって傷跡が残る場合もあります。

皮膚の生検を実施する場合、医師は残る傷跡をできる限り小さくしようと試みますが、それでも瘢痕化や感染のリスクは残ります。

ご自身に関する皮膚がんのリスクやスクリーニング検査の必要性については、担当の医師にご相談ください。


2007-06-27