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卵巣がんのスクリーニング: 検診

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。その実施が、がんの早発見に役立つ場合もあります。異常組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合もあります。症状が現れる頃には、がんが拡がり始めている可能性があります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、こうした疑問をより深く解明しようとする努力が科学者たちによって続けられています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんが疑われているわけではないということは、忘れてはなりません。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

卵巣がん予防診断、治療に関する情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:



卵巣がんについての一般的な情報

卵巣がんは、卵巣組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

卵巣は、女性の生殖系に属する左右で対を成す臓器です。この臓器は骨盤内に位置し、子宮胎児の成長の場となる、洋ナシの形をした中空の臓器)の左右に1つずつ認められます。卵巣はアーモンドと同じくらいの大きさで、その形も似ています。卵巣は、卵子の生産と女性ホルモン(特定の細胞や臓器の機能を制御する化学物質)の分泌を行っています。

米国では、卵巣がんは女性の死因の第5位となっています。

卵巣がんはまた、女性生殖系のがんに限れば第1位の死亡原因となっています。1987年から2002年までの間では、卵巣がんの症例数は徐々に減少していましたが、一方で卵巣がんによる死亡者数はほぼ一定のままでした。現行のスクリーニング検査によって死亡率が低下しているのかについては今のところ立証されていません。

年齢と卵巣がんの家族歴は卵巣がんの発生リスクに影響を及ぼします。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれます。卵巣がんの危険因子には以下のようなものがあります:


特定の因子によって卵巣がんの発生リスクが低下することがあります。経口避妊薬(「ピル」)を服用している女性、出産経験のある女性、授乳経験のある女性、卵管結紮術または子宮摘出術を受けたことのある女性では、卵巣がんの発生リスクが平均よりも低くなります。乳がんと関係のある変異遺伝子をもつ女性に対して行われる予防的卵巣摘除術(健康な卵巣を摘出する手術)は、卵巣がんの発生リスクを低下させます。


卵巣がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査の中には、がんの早期発見とがんによる死亡リスクの低減という両方の観点からその有効性が実証され、そうしたことを根拠として実施されているものもあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査もありますが、こうした検査にがんの死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては臨床試験での証明は得られていません。

最小のリスクで最大の効果が得られる検査法を開発するために、現在もスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんの死亡リスクが低減されるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部の種類のがんでは、早のうちに発見し治療すれば、回復の見込みが高まる場合があります。

卵巣がんのスクリーニング検査には、標準的なものや決まって行われるものはありません。

卵巣がんのスクリーニングは現在研究段階にあり、スクリーニングの臨床試験が米国の多くの場所で進行しています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。

卵巣がんを発見するための検査法として、以下のようなものが研究されています:
内診

内診は、子宮頸部子宮卵管卵巣および直腸の検査です。医師または看護師が、手袋をはめて潤滑剤を塗った片方の手の指を1〜2本膣内に挿入し、もう片方の手を下腹部に置いて子宮と卵巣の大きさ、形、位置を触知します。さらに膣鏡を膣内に挿入して、医師または看護師が膣や子宮頸部にがんの徴候がないかを調べます。

内診で発見される卵巣がんは既に進行しているのが通常です。

経膣的超音波検査

経膣的超音波検査は、膣、子宮、卵管膀胱を調べる目的で用いられる検査法です。まず、超音波振動子(プローブ)を膣内に挿入し、高エネルギーの音波(超音波)を発生させ内部の組織臓器に反射させることにより、エコーを生じさせます。このエコーをもとにソノグラムと呼ばれる体内の組織の映像が描き出されます。

CA-125検査

CA-125検査とは、血液中の CA-125の濃度を測定する検査のことです。CA-125は、細胞が血流に放出する物質のひとつです。CA-125の高値は、ときに特定のがん(卵巣がんも含まれる)やその他の病態の徴候である場合があります。

米国国立がん研究所(NCI)では、これらのスクリーニング検査からより正確な情報を得るための方法として、超音波検査とCA-125検査を組み合わせる手法が研究されています。


卵巣がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要になります。

卵巣スクリーニング検査のリスクとしては、以下のものが挙げられます:
卵巣がんを発見しても健康状態の改善や余命の延長につながらない場合もあります。

卵巣がんが存在していても、既に進行している場合や別の部位に転移している場合には、その時点でスクリーニングを受けたとしても健康状態の改善や余命の延長はあまり望めないでしょう。

がんの中には何の症状ももたらさず命を脅かす心配がないものもありますが、スクリーニング検査で見つかれば、そのようながんにも治療が行われることがあります。このようながん治療に無治療の場合と比べて延命効果があるのかどうかは不明な上、その治療によって逆に重篤な副作用がもたらされる可能性もあります。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

スクリーニング検査の結果は、たとえ実際に卵巣がんが存在していても、正常となることがあります。 偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた女性では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る場合もあります。

スクリーニング検査の結果は、がんが存在していなくても異常となることがあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後にも検査(がんの存在を確認するための腹腔鏡検査開腹検査など)が引き続き実施されるのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。不必要な卵巣摘除術(片側または両側の卵巣を摘出する手術)が実施されることもあります。

ご自身に関する卵巣がんのリスクやスクリーニング検査の必要性については、担当の医師にご相談ください。


2007-06-27