The U.S. National Cancer Institute does not currently endorse any foreign translations of PDQ® and no such endorsement should be inferred for the following translation.

妊娠中の非ホジキンリンパ腫: 治療

妊娠中の非ホジキンリンパ腫についての一般的な情報

非ホジキンリンパ腫はリンパ系に悪性(がん)細胞が発生する病気です。

リンパ系免疫系の一部で、次のようなものから構成されています:


リンパ組織は身体全体に存在するため、成人非ホジキンリンパ腫は全身のほぼどこからでも発症する可能性があります。がん肝臓をはじめとして、他の多くの臓器や組織に拡がります。

リンパ腫には大きく分けて2つの種類があります:ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫です。この要約では妊娠中の非ホジキンリンパ腫の治療について説明します。詳しい情報については、以下のPDQ(Physician Data Query:医師データ照会)要約をご覧ください:


非ホジキンリンパ腫発生の危険性は、年齢と免疫系の弱さに影響を受けます。

非ホジキンリンパ腫が妊娠中の若い女性に起こることはまれです。危険因子には、下記のものがあります:


非ホジキンリンパ腫と考えられる徴候には、発熱、寝汗、疲労、体重減少があります。

これらのおよび他の症状は非ホジキンリンパ腫が原因の可能性があります。他の病気でも同じ症状が引き起こされることがあります。次に挙げるような症状があれば医師の診察を受けるべきです:


妊娠中の非ホジキンリンパ腫の検出(発見)および診断を助けるために、身体とリンパ系を調べる検査が用いられます。

下記の検査と手法が用いられる可能性があります:


特定の因子が、予後(回復の見込み)や治療の選択に影響を与えます。

予後は以下によって異なります:


治療法の選択肢は以下によって異なります:


ある種の非ホジキンリンパ腫は他の非ホジキンリンパ腫より急速に拡がります。妊娠中に発生する非ホジキンリンパ腫はほとんどが侵攻性です。胎児が生まれるまで侵攻性リンパ腫の治療を延期すると、母親の生存の可能性が低くなる怖れがあります。たとえ妊娠中であっても緊急に治療するよう勧められることがよくあります。


妊娠中の非ホジキンリンパ腫の病期

妊娠中の非ホジキンリンパ腫と診断されたら検査を行い、がん細胞がリンパ系の内部でまたは他の部位にも拡がっているかどうかを調べます。

がんリンパ系内あるいは体の他の部分にまで拡がっているかどうかを調べるプロセスを病期分類と呼びます。病期分類の過程で集められた情報により、疾患の病期が決まります。治療を計画する上で病期を知ることは重要なことです。

胎児放射線の害から保護するため、病期分類の過程では放射線を使用しない検査が用いられます。こうした検査には、下記のものがあります:


妊娠中の非ホジキンリンパ腫の病期にはEとSが含まれる場合があります。

妊娠中の非ホジキンリンパ腫は、以下のように記載されます:


妊娠中の非ホジキンリンパ腫には以下の病期が用いられます:
I期

妊娠中のI期非ホジキンリンパ腫はI期とIE期に分けられます。


II期

妊娠中のII期非ホジキンリンパ腫はII期とIIE期に分けられます。


III期

妊娠中のIII期非ホジキンリンパ腫はIII期、IIIE期、IIIS期、IIIS+E期に分けられます。


IV期

妊娠中のIV期非ホジキンリンパ腫ではがんは以下のいずれかです:


妊娠中の非ホジキンリンパ腫はまた、増殖速度と冒されたリンパ節の位置という点からも記載されます。

緩慢性または侵攻性


隣接または非隣接



治療選択肢の概要

非ホジキンリンパ腫の妊娠中の患者さんには、様々な種類の治療法があります。

非ホジキンリンパ腫の妊娠中の患者さんは、様々な種類の治療法を受けられます。胎児を保護するため、治療は慎重に選択されます。治療法は母親になる患者さんの希望、非ホジキンリンパ腫の病期、胎児の週齢に基づいて決定されます。治療計画は、症状がん、妊娠状態の変化に応じて変更されることがあります。最適ながん治療の選択は、患者さん、ご家族そして医療チームが関わって行うことが理想です。

標準治療として、以下の3種類が使用されています:
放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を用いてがん細胞を死滅させるがんの治療法です。放射線療法には、2種類あります。外照射療法は、体外にある機械を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法では、針やシード、ワイヤー、カテーテルなどに放射性物質を密封し、がんに直接またはその付近に挿入します。放射線療法の方法は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

胎児に危険が及ばないようにするため、放射線療法は可能なら出産後まで延期すべきです。即時治療が必要とされる場合には、非ホジキンリンパ腫の妊娠中の患者さんが、妊娠を続けながら放射線治療を受ける決定をすることもあります。しかし、胎児を遮蔽するために用いられる鉛は、将来がんを引き起こす怖れのある散乱線からは胎児を保護できないことがあります。

化学療法

化学療法は、薬物を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞の分裂を停止させることにより、がん細胞の増殖を止めるがん治療法です。化学療法が経口、静注(静脈への注射)または筋注(筋肉への注射)によって行われる場合、薬物は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱臓器、そして腹部など体腔に薬を直接注入する化学療法では、薬物は主にその領域にあるがん細胞に作用します(局所化学療法)。併用化学療法は、複数の抗がん剤を用いる治療です。化学療法の処方は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。

母親が治療を受けていると胎児は化学療法に暴露し、また一部の抗がん剤は先天異常を引き起こします。抗がん剤は母親を経由して胎児に伝わるため、化学療法が実施されているときは両者を注意深く観察する必要があります。

注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、症状の出現や変化がみられるまで治療を一切行わずに、患者さんの状態を注意深く観察することです。


妊娠中の非ホジキンリンパ腫の治療

非ホジキンリンパ腫の治療に関する詳しい情報については、PDQ非ホジキンリンパ腫(成人)の治療に関する要約をご覧ください。


妊娠第1トリメスター中の侵攻性非ホジキンリンパ腫

妊娠第1トリメスターで侵攻性非ホジキンリンパ腫診断された場合、腫瘍内科医は患者さんに治療を開始するため中絶するように助言するでしょう。治療には通常、化学療法放射線療法を伴う場合もある)が行われます。


妊娠第2および第3トリメスター中の侵攻性非ホジキンリンパ腫

可能であれば、胎児が抗がん剤(抗がん性の薬物)または放射線療法に暴露しないように、早期出産後まで治療を延期すべきです。しかし、時に母親の生存の可能性を高めるためにがんを即座に治療しなければならない場合があります。


妊娠中の緩慢性非ホジキンリンパ腫

ゆっくりと増殖する緩慢性非ホジキンリンパ腫を有する女性の患者さんについては通常、注意深い経過観察を行いながら治療を遅らせることが可能です。


2007-06-27